第14回ウディコン全作品レビュー - てんすく'22
26. てんすく’22
ジャンル | 作者 |
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ノベル/RPG | Phuru Sukune(メイぷるゼリー) |
プレイ時間 | プレイVer | クリア状況 |
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2時間 | 1.01 | 幻海END |
良かった点
- 色々とストーリーが描かれています
気になった点
- 中間の選択肢系UIが使いにくく感じました
- 戦闘バランスがだいぶ大味でした
レビュー
カオス
てんすく’22 は、独特なシステムを持つRPGないしはアドベンチャーゲームです。
ゲーム全体としては、学校で巻き起こる様々な物語の比重がやや高くなっています。
基本的には一方向に進行する物語ですが、オプションとして閑話や単話を読んでいくこともできます。後述の通り、これらの物語を読むこともクリアには必要となってくるでしょう。
その一方、RPGパートでは特定のマップを攻略する形式をとっており、ベースとなる戦闘システムは一般的なものとなっています。ただし、能力値の取り扱いに特徴があります。
このゲームにおいては、戦闘することで上がる通常の能力値と、学校のノベルパートで上げられる能力値の二つが存在します。どちらも欠かさず上げておきましょう。
最後に待ち受けるものはそれなりに強大なので、戦いもアドベンチャーパートも適宜行ってそれぞれの能力値を鍛え、戦い抜いていきましょう。
感想
全体的にはカオスというか、着地点が分からない物語を延々と読んでいる感じのゲームです。
電波って言えばわかりやすい気もしつつ、電波って程筋が通ってないわけでもない感じ。
語弊を招くことを恐れないで説明するのであれば、 陰キャの物語陰謀論を添えて、みたいな印象です。
物語的には、陰キャが己の境遇を他責にして逃げていく様をまじまじと描写していました。それでいて、初対面の人達のそこそこディープな話題を聞けるあたりの無遠慮さも兼ね備えています。家庭内の事情と聞いて目を輝かせるな。
全体的に陰キャの解像度が高いですね。
物語の内容で言うと、おおよそ話は暗めでありつつ、本線の物語に絡むのはそんなにないイメージです。
他キャラクターには暗いバックグラウンドこそありつつ、それが何かに影響を与えている印象はありません。加えて、それ単体である程度完成されているのは、エピックストーリーにしてオチがつけられたスクネぷるくらいかなという印象です。
後は、色々思想があるんだろうなあという気がします。実家が太いとか、チー牛とか、界隈とか、言葉の端々からそういう印象があります。割と誇張表現めいているあたりも解像度が高い。
また、全体を通して陰謀論めいているところもあって、かつ登場キャラクターの口調が「だよね」とか「~ね」とかいう語尾なので、ずっと脳内で関が喋っているようでした。全部イルミナティのせい。
久しくTVを見ていないので、関と形容してどれだけ通じるか分からないのですが。
個別の話をすると、ギャンブラーのような人間、どういう人間なんだろうと思っています。
何となくカイジとかそちら側のギャンブラーを想像していそうで、筆者が直近で読んだギャンブラーがジャンケットバンクだったので、大分イメージが違います。一口にギャンブラーと言ってもフィクションにおいては、色々種別がありますね。
戦闘面で言うと大味なバランスではありますが、まあまあ敵が強いです。
いわゆる経験値でレベルアップする能力値と、物語を読むと強くなるらしい能力値があるんですが、前者は回復陣の上で実質無限に回復できるので、成長自体はやりやすいほうです。上限が決まっている後者の成長形態のほうが頭打ちが早い。
最初のプレイ時はお遊びだけずっとやっていたら最後に蹂躙されてしまったので、ちゃんとクリアしたいなら適度に成長させておく必要があります。
基本大体のボスはレベル上げだけで何とかなりますが、ラスボスだけはHPがやたらめったら高いので厳しいです。お勧めはスピリタスをひたすら飲ませることです。毒は正義。後は、全能力値ダウンのアイテムを投げておくと楽です。
なお、実質的にほぼノベルっぽいアドベンチャーで、オマケで戦闘要素があるイメージなんですが、合間合間の選択肢が非常に使いにくいです。
セーブ制約の良く分からなさもあるんですが、選択肢が下にはみ出ているのは常に気になっていました。なんで中央に揃えないんだろう。また、このタイプの選択肢系UIは、大体位置保存がなされないので微妙に使いにくく感じました。