第14回ウディコン全作品レビュー - 数で押し切れ。

36. 数で押し切れ。

ジャンル 作者
自動戦闘 Qbit
プレイ時間 プレイVer クリア状況
3時間 1.02 クリア

良かった点

  • 軽いハクスラができます
  • 程よい戦略性もあり、自動戦闘で敵を溶かしてくのが楽しいです

気になった点

  • ステージの難易度バランスが偏っていました
  • 一部UIにあまり説明のない不便さがあります

レビュー

数で戦い自動で倒す

数で押し切れ。は多人数の自動戦闘とハクスラで押し切る戦闘メインのゲームです。
ダンジョンに潜ってひたすら戦闘していくことで進行していきます。

ユニットを20人まで雇うことができ、戦闘中はこれらのユニットが自動的に敵を攻撃していきます。
このゲームにおいては戦いの全てが自動化されているゆえに、事前にユニットに対して行う準備が戦闘の趨勢を決定づけることになります。

まず基本として、隊列が重要となります。それぞれのユニットを自由に配置することができるので、上手く機能するようにそれぞれ位置を定めていきましょう。

次に、良く使う行動の選択や、スキルの選別、行動制御の仕組みを上手く使えるとより効率が良くなります。それぞれの役割を考えてスキルなどを選択していくことで、効果的な戦略をとることができるでしょう。

加えて、ダンジョンを攻略して得られる装備もまた重要となります。詰まった場合は一つ前のダンジョンを攻略し、メンバーの装備を揃えつつレベルを上げるというのも一つの手です。

こうした戦闘以外の面でも、ダンジョン攻略中は危険と隣り合わせになっています。
マス形式で表現されるダンジョンの中では、隣接するマスだけが視認できます。クリアのためにはこのマスを一つずつ移動し、階段を見つけて進む必要があります。

ダンジョン内では一歩進むごとに人数に応じた食料が消費されるため、適宜食糧マスで補給する必要があります。そのほか、敵の出現マスやイベントのマスなどもあるため、要不要や効率を考えてルートを決定していきましょう。
ダンジョンの最奥には強力なボスが待ち構えているため、消耗を抑えて最善の布陣で挑んでいくことが求められます。

目的に応じてダンジョンを効率よく回りつつ、自動戦闘でわちゃわちゃ敵を倒していきましょう。

感想

数で押し切れという割には中盤くらいは装備などで押し切るゲームです。
自動戦闘しつつユニット数で圧倒するのかと思いきや、割と真面目にハクスラしてちゃんと装備を集めて成長させて突破しないと先には進めません。

自動戦闘システムながら、程よく戦略性はあります。
メンバー編成とか、最初の隊列によっては結構戦略が変わってきます。ちゃんとしたメンバーとスキルを組まないと、狩人が囲まれてあっさりとやられるなどが良く起きるので。
リーチとか性質を考えておくといい感じになります。ただ、全員猪突猛進の癖はあるので、固まって戦うとかそういうのは苦手な印象です。

加えて、なんとなくガンビットっぽい仕組みがありそうなんですが、使わずに終わってしまいました。
カスタマイズの仕組みがエンチャントと気づくのに時間がかかったのもそうなんですが、そもそも一般依頼に気づいたのがだいぶ後でした。やたら増えたクエストが見つからないことから発覚したので、確かステージ最終盤くらいです。

ゲーム内容としては、とにかくハクスラを意識してひたすらダンジョン潜るのが結構楽しいです。
自動戦闘なので見ないでもある程度やれますし、アップデートで非アクティブでも動く素晴らしい対応が入ったので、何かしながら適当に眺められます。

システム面で言えば、大量自動戦闘+ハクスラは良い面も悪い面もあるなあという印象でした。
しばらく装備が腐らないというのは良くて、装備を捨てる必要が出てくるまでには大分時間がかかります。加えて、このゲームだと、Cキーで一気に装備ができるので構成に悩む必要もなく、手軽で良いなと感じています。

一方で、結局のところ装備の強さが分かりにくいというところがあります。自分で動かしていないので、微差のパラメータの違いがバタフライエフェクトして結果に結びついていることしかわからず、イマイチどう効いたのかがつかめません。一気に装備していることもあって、装備と結果のつながりはさらに希薄になってきます。
このあたり、第12回ウディコンのわちゃわちゃダンジョンズなどでも感じているんですが、解決しにくそうな問題です。

メニューやUI面については、好きな面もあり、ちょっと使いにくい面もあり、といった感じです。
最初のメニュー画面がマス目状になっていて、ダンジョンもその系譜である統一感は割と好きです。また、取得アイテムが左上に出るテンポの良さとか、スキル構成で範囲などまで見れるあたりとか、そういった細かい面も良かったです。
特に画面に統一感があるおかげで、ゲーム中にUIのせいで世界観や遊んでいる意識が途切れることが無かったのが個人的には好きです。

他方で、前述のように重要依頼から一般依頼の切り替えが左右キーである導線が無いことや、鍛冶場が装備中のものを使えないこと、エンチャントのかけらが今何個あって、何個必要なのか分からないこと、といった細かいあたりは気になります。
どちらかというと説明的なUIが不足している印象です。多分慣れれば使えます。

レベルデザインというかステージ難易度の調整もかなり大雑把で、ステージ3までで1時間、ステージ4までで2時間30分で、最終8ステージまでで3時間です。
終盤ステージの難易度の上がり幅が、3→4の幅と4→8の幅で同じかそれ未満程度な印象を受けました。
加えて、その難易度配分上、クエストに潜ったり周回しがちなステージ2のデザインが、マス目ごとに選択肢を出してくるタイプなのもあって、序盤の導線としては割と冗長な感じがします。

あとは、これだけずっと戦闘を遊ぶなら戦闘開始のカットインすらスキップしたくなりました。
連続してダンジョンのマスで戦っていると、あの程度のラグでもサクサク感が少しだけ阻害されてしまいます。

全体的にハクスラしつつ自動戦闘を眺めていつの間にか強くなっていくのは結構楽しく、育て上げた部隊で強敵を蹂躙していく様は見ていて愉快でもあります。
育ちきっていると、あらゆるボスが一瞬で溶けていく部隊が作れて楽しかったです。