第14回ウディコン全作品レビュー - wisdom of history

56. wisdom of history

ジャンル 作者
RPG 町野悠人
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.0相当 クリア

良かった点

  • 勉強にもなるRPGというコンセプトが良かったです
  • グラフィックの雰囲気が良いです

気になった点

  • いくつか嘘や謎解きの不具合らしきものが散見されます
    • それ以外にも不具合がいくつかあります
  • 中盤以降はNPCもいないダンジョンを淡々と進むだけになってしまいます

レビュー

ちょっと学べるRPG

wisdom of historyは、学習要素があるRPGです。

序盤の内は、RPGを遊びつつ、学びの要素がある選択肢のもと洞窟を抜けていくことになります。
ここの選択肢で正解するためには、道中の町で見かけた本の知識が重要となります。本には選択肢の答えとなる学習要素があるためです。主に暗記系統になりますが、覚えておきましょう。

中盤以降は、ダークファンタジーめいたRPGを遊んでいくことになります。
NPCになかなか遭遇できず、回復ができなくなり、割とシビアな戦いになるかもしれません。

ややお勉強をしつつRPGを遊んではみませんか。

感想

お勉強RPGというコンセプトは良くて、実際にそこそこ勉強ができます。性質上、計算よりは暗記偏重にはなりますが。
ただ、中盤くらいからはお勉強は鳴りをひそめて、シンプルなRPGが続きます。

勉強面で言うと、古文攻撃はあんまり意味をなしていなくて、殴って毒を与えるゲームになっています。
割と早いうちからボス以外からはダメージをもらわなくなるので、こちらとしては毒だけが怖くなります。ボスについては毒を通せば楽になります。
そもそも、魔法の消費MPが高いので、いかな弱点とはいってもあんまり打つものではなく、ボスに至っては弱点不明なので毒を通すのが丸くなります。
このコンセプトなら、パズルみたいにその攻撃しか通らない+消費MP無しみたいなバランスでもいいような気もします。ボス戦のギミックが難しそうですが。

また、謎解きは実質本を覚えておく暗記です。加えて、本には嘘が書かれています。
ここは学習ゲームとしては本当に致命的だと感じていて、他のどこでバグっても良いからここだけはちゃんとしていてほしかったです。間違った知識を与えてしまうことになるので。
とりあえず江戸幕府が開かれたのは1603年です。関ヶ原の三年後なので覚えやすいですね。
それ以外にも、謎解きパートでも日中戦争周りの引き算とか、日米修好通商条約まわりの計算とか、明らかに変なものもあります。100銭払っている理由、分からないからじゃなくて答えが正解と違うからなんですよね。

ストーリーについては、反抗期を急に迎えた娘みたいな印象です。いきなり姉を臆病者呼ばわりしだすとは思わなかった。
また、世界観の関係上、中盤以降人がいなくなるのは寂しく、ろくなNPCがいない無機質なダンジョンを抜けることになります。さらに終盤は宿屋が無いのでジリ貧の戦いにもなります。結構辛い。
また、途中の洞窟でのイベントのように、急に繋がりの良く分からないイベントが発生することもあります。最後もぽっと出のボスに蹂躙されるので、始終謎の物語が展開されていた印象です。ペプシマンかな。
軸となっている疑似的な姉妹の物語は良かったと感じている一方で、周辺要素が不明瞭すぎてぼやけているのが若干気になりました。

そもそもファンタジーっぽい世界観と古文というミスマッチ感が最後までぬぐえなかったところもあります。通貨単位が銭なのは地味に引っかかってしまいました。

その他、マップチップの上下関係が怪しかったり、左の家に入って右から出てきたり、城の二階から戻ると石の中にいる状態で詰んだりと、あんまりテストプレイしていなさそうな気配を感じています。

そういったゲーム性が詰め切れていなかったり、バグが取り切れていない所はありますが、グラフィックの雰囲気とかコンセプトは良かったと思います。