第14回ウディコン全作品レビュー - Reversible Island

62. Reversible Island

ジャンル 作者
リバーシパズル semicolon
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.0.0 救助

良かった点

  • 良い雰囲気のグラフィックとBGMでした
    • 長時間考えながら落ち着いてプレイできるゲームです
  • リバーシを援用したパズルというアイデアが面白いです
    • ゲームルールもシンプルにまとまっています

気になった点

  • ギミックの広がりがあまり無いので、15ステージ目くらいから飽きやすく思います
    • 性質上、妨害されるほど択が絞られて作業的になってしまいました
  • 一手戻しが欲しかったです
    • ゲーム性上かなり難しいとは思っています

レビュー

リバーシ・パズル

Reversible Islandは、リバーシをモチーフとしたパズルゲームです。ただし、ややアクション的な要素も入っています。
端的にゲームシステムを説明すると、道を作ってプレイヤーキャラクターをゴールに導くことを目標とするゲームとなっています。

このゲームの道を作っていく仕組みはリバーシの上に成り立っています。
プレイヤーは陸地と浅瀬を海の上に交互に置くことができます。それぞれはリバーシのように、挟むことで互い違いのものへと変質していきます。
プレイヤーキャラクターは陸地の上しか歩けないため、うまくリバーシを続けて陸地をつなげて道を作っていくことが肝要です。

とはいえ、陸地だけを作っていれば安全ではありません。あくまでもリバーシであり、交互に打つ必要がある以上、浅瀬が無くなってしまうと詰みになってしまいます。
適宜浅瀬を残しつつも、陸地を上手くつなげていくために頭を悩ませることでしょう。

さらに、ステージが進むにつれて、その難易度はますます上がっていきます。
進行も配置もできない岩山の存在や、アクション的に回避する必要のある周回する鳥、最初に置かれた陸地と浅瀬の状態など、様々な面で考えさせる配置となっています。
地形やアイテムの位置を総合的に判断しつつ、リバーシを継続してプレイヤーの導線を作っていきましょう。

このように頭を使い、画面とにらめっこするゲームではありますが、プレイ中は淡いグラフィックと優しいBGMにより落ち着いた雰囲気が醸成されています。
パズルをするにはうってつけの雰囲気の中、よく考えてステージを攻略していき、進むにつれて複雑化していく地形を乗り越えてゴールを目指していきましょう。

感想

最初のタイトルというかゲームシーンからして雰囲気が良いので良いゲームです。最初の画面の印象値という意味では、今回のウディコンでも一番良いかもしれない。

パズルという性質上、画面をずっと見続けるし同じステージをかなり長い時間プレイすることになります。
その中で、このゲームの画面の色調の落ち着き方とか、ずっと聞いていられるBGMとか、そういうところが非常に心地よく感じます。Baba Is You が無限にやれるのと同じ理由です。
パズルゲームとして十分以上の落ち着いた雰囲気を醸成しています。

ゲーム性も面白くて、陸地をある程度作らないといけないし、地続きである必要がある、しかし浅瀬を減らしすぎるとオセロの都合上詰みが発生するという良い仕組みでした。
浅瀬というデメリットを拡張のためにある程度受け入れつつ、最終的な盤面を考えていくのは楽しいです。さすがに脳内では10手先くらいまで考えるのが関の山なので、形状によるパターンの構成とか、伏線というか置きとして残しておいた浅瀬と陸地の端のセットなんかに救われたりします。

一方で、オセロとしての盤面形成以外に大きなギミックがあんまりないので、5ステージから10ステージやる分には良いパズルなんですが、20ステージもやると大分食傷気味になってきます。
鳥はアクション性が付与されたのであってパズル性にはあんまり寄与していないのもあって、15ステージ目くらいから大分飽きがきはじめました。

地形の封鎖である程度パズル的な違いは出していて、16ステージの逆引きみたいな面白いパズルもあるんですが、妨害されればされるほど択が絞られる都合上、どうしても作業感が強くなってしまいます。
後半の折り返しパズルはその傾向がだいぶ強い印象でした。

ゲームルールがシンプルにまとまっているのはそれはそれで良いことだと思うので、このあたりは難しいところだと感じています。複雑な効果のあるマスを追加したら今度は分かりにくくなりそうなので。

なお、プレイ時間的には1時間で18ステージ、2時間で20ステージをクリアしているので、露骨に後半で時間を取られています。
とはいえ、何度も詰みに陥っては、その時に撮っていた動画を見返して検証していくのは、なんやかんや楽しかったです。動画を撮っておけば、あるタイミングまでの戻し作業がやりやすいのでお勧めです。

あとは、一手戻しがあれば助かった場面はあるので欲しい気持ちもあります。主にミスのリカバリーですが。
プレイヤーが動けてしまう以上、単純な一手戻しが設計できないので難しいとは思うんですが、回数制限付きならテクニックとして許容できる範囲に収まらないかなと感じています。