第15回ウディコン全作品レビュー - 祟女 -TATARIME-

03. 祟女 -TATARIME-

ジャンル 作者
ホラーADV 餓鬼郎党
プレイ時間 プレイVer クリア状況
25分 1.00 全END

良かった点

  • マップが短編に則って最小限に構成されていました
  • 主人公に同情したくなります

気になった点

  • 特にありません

レビュー

前門のストーカー後門の幽霊

祟女 -TATARIME-は、ホラーテイストのADVです。

最近一人暮らしを始めた主人公タミオは、幼馴染で付きまとってくるオカルト好きの少女ミサオにその部屋が呪われていると忠告を受けます。その呪われた部屋を舞台に、物語は展開していきます。

システムとしてはオーソドックスな短編ADVであり、迷うようなことはなく最後まで読み進めていくことができるでしょう。
そうしてADVとしてホラー展開が続く中、主人公が迎える結末は3つに分岐していきます。どの結末を迎えるかは、あなたの選択次第です。

感想

始終主人公がかわいそうだなあと思ってプレイしていました。特別悪いことしてないのに。友人がそこそこ薄情なのもかわいそうさに拍車をかけているんですが、付きまとっている人物が人物だけに仕様がない面もありそうだなという印象があります。
個人的には友人の先輩の話というのすら本当か疑わしいのかなと思っていて、操が何かしら吹き込んだのかなという疑いを持っています。これはTRUEエンドルートの話で、昏睡ルートの場合はまた話が変わってきますか。

そもそも、TRUEのルートと昏睡のルートが全く同じ世界線だとすると、なんで昏睡するのかがいまいちわからないのも気になります。よしんば昏睡したとしても、操が去る理由が一番良く分からない。何かやりすぎたんでしょうか。
なので、個人的にはそれぞれ別の世界のお話ということで頭の中では決着をつけていました。もしくは本当の幽霊もいたんですかね。ベランダ行くとちょくちょく見えたり、風呂場のゲームオーバールートがあったりするので。

ちなみに一番驚いた上で笑ったのは操がEDを飾るシーンで、ある意味オチに相応しい存在だなと感じ入っていました。ある意味では幽霊より怖いですからね、この人。ジャンプスケアとしては怖がるべきなんでしょうが、若干面白さが勝つ不思議な感情でいました。

ゲームとしてみるとマップの構成が最小限度なのが良くて、本当に必要範囲以外は無駄に作られていません。おかげで、無駄なくADVを楽しめます。それでいてベランダや風呂場の小ネタといった、ちゃんとホラー要素にかかわるところは抜け目なく用意されているあたりの芸の細かさもあります。最小構成ではあっても最低限度ではない感じ。

なお、地味に少女大猩々とのコラボというかクロスオーバーがあり、プレイ順でこちらが後だと微妙なネタバレを食らいます。ただ、ネタバレを食らったとしても何でそうなるか気になるので、むしろプラスにしか働いていません。操というキャラの強さが出てますね。