第15回ウディコン全作品レビュー - 群像物語~タコ型宇宙人と残された七日間~

07. 群像物語~タコ型宇宙人と残された七日間~

ジャンル 作者
ADV/RPG フィールMX
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 7/16 100%

良かった点

  • オープンワールド風に仲間を集めていくのが楽しいです
  • 序盤にシナリオパートを挟むことで主要キャラに愛着が湧きました
  • サクサクと進行していくゲーム性でした

気になった点

  • 戦闘後に控えも含めて大量のレベルアップ演出が見えるのがやや冗長に感じました
    • 控えがレベルアップするのは仲間の入れ替えが捗って良かったので、しれっと上がってほしい気持ちがあります

レビュー

自由に仲間を集めよう

群像物語~タコ型宇宙人と残された七日間~は、前半がADV、後半がRPGとパートごとに分かれた体験が楽しめる作品です。
前半のADVパートで進行していく物語に対し、後半のRPGパートで決着をつけていくという構成になっています。

ADVパートでは、3人のキャラクターから1人ずつ選んで進めていく群像劇風の物語が繰り広げられていきます。
騎士団長、新聞記者、盗賊と一見相互に縁のなさそうなキャラクター達が、ある一つの事件に巻き込まれていくというものとなっています。

そして、その事件を契機として、後半のRPGパートでは世界を周って仲間を集めていくことになります。
オープンなフィールドを駆け回り、23人にも及ぶ個性豊かなキャラクターを仲間にしていきましょう。モヒカンも集めることができます。

そうして世界中から集めた仲間の内4人を選んでパーティを作り、RPGの醍醐味である戦闘に臨むことになります。控えにも経験値が入るため、レベル差に悩まされる心配はありません。スキル構成やパラメータを加味して、とっかえひっかえしながら進めていきましょう。
待ち受ける強敵に対しては、こうして組み上げた自分なりのパーティを組んで挑んでいくことになります。敗北してしまったら、パーティを入れ替えて再戦するのがお勧めです。

オープンな世界で仲間をたくさん集めて敵を打倒していきましょう。

感想

最初に思った感想は、タコピィで語尾がッピはツーアウトだなあというものでした。何なら宇宙人でスリーアウトかもしれない。
ある意味最初にリアリティラインというか、物語のベースが引かれた瞬間でもあるので重要な所なのかもしれません。どんなにシリアスな展開になろうと、でもこいつらの計画タコピィなんだよなと思うだけですべてが吹っ飛んでいきます。

まだタコピィの話をするんですが、前半パートでは割とシリアスっぽい展開を続けているんですが、タコピィが絡むのもあって良い意味で茶番であり続ける展開でもありました。一番主人公っぽいポジションのキャラがそこそこまじめな性格をしているのに、これだけコメディに振れるのも凄い。

そもそも1年かけて構想した計画がタコピィなあたり、ラスボスや大臣に対する感情が迷子になりがちではあるんですが、そういう不調和を楽しめる度量をプレイヤーに求めているのかもしれません。
というかこれだけガバガバな計画立ててるんだったら、リューコは反乱を計画しないでとっとと王様に報告して上手くとりなしたほうが良かったんじゃないかとすら思います。愚王じゃないですし。王様のジジに対する信頼が意外と厚かったんでしょうか。それにしては王様の聞き分けの良さは結構なものだとは思います。
単純に、ジジを告発しても黒幕を引っ張り出せないと判断していたのかもしれませんし、それなら最終的には目的を果たせていそうです。

ずっとタコピィの話をするわけにもいかないので、ゲーム後半のオープンっぽいパートについて触れます。
仲間が各地に散らばっていて、それを自分の意志でいろんなところに行って仲間にしていく、という体験は良かったです。かなり自由度高く回れるので、自分の足で向かって仲間にした、という感覚が強くあります。
それぞれの仲間になるまでのエピソードはだいぶあっさりしていますが、そのあたりはテンポ感との兼ね合いなのかなと感じています。

その分、前半のADVパートで主要キャラクター周りの物語を割とがっつりとやります。このパートの存在が大きくて、後半パートであっさり目に集合するかつての敵だったり仲間だったりに対しても何らかの感情を持つことができます。
主役級のキャラクターとしての印象を強めるのはもちろん、サイドのキャラクターもあの時のあいつねと思わせることで仲間にしていく過程を楽しませてくれます。さすがに、ぽっと出のドラゴンとかレオとかあの辺に対するキャラクターにはあんまり思い入れはありませんでしたが。

後半パートの好きな所としては、仲間以外にも強化イベントみたいなものがあったり、モヒカン集められたりと、仲間集め以外にもいろいろとモチベーションを持てるところもあります。仲間集め一本槍ではないので、適度に気分を変えつつプレイできました。

戦闘のバランスやシステム自体はサクサクと進めることを念頭に置いているのか、ある程度易しめで、こちらが十分に準備できていてれば苦戦しないレベルです。普通に弱点を殴っているだけでも火力が出るので、器用に戦わなくても大体勝てます。
裏ボス周りはやや苦戦するところもありますが、分かってしまえば倒すことも容易となっています。

個人的にはサムが強くて、高い素早さから挑発でタゲを取りつつ、昼寝である程度回復までこなせます。特に二人で挑む闘技場では一人でいろいろできるので重宝しました。
全キャラ使ってみたわけではないので、他にもいろいろ面白そうなキャラはいるかもしれません。世界をどう回ったかによっても仲間のパターンは違ってきそうですし、プレイヤーの数だけチーム編成がありそうです。組み合わせが豊富。