第15回ウディコン全作品レビュー - WOLFALL

44. WOLFALL

ジャンル 作者
弾幕回避 秋月ねこ柳
プレイ時間 プレイVer クリア状況
30分+1時間 1.20 クリア (☆15)

良かった点

  • 曲に合わせた弾幕が良かったです
  • 基本的に考慮すべきことが自機の周りに表示されているので視線が散らずに集中できます
  • ある程度の強化要素でクリアをサポートしつつ、やり込み向けの制限もある難度の幅広さがあります

気になった点

  • 特にありません

レビュー

もしもウルファールのサンプルゲームが出オチだったら、どうかな

WOLFALLは、弾幕を避けることをメインとしたシューティング要素を備えたゲームです。
BGMに合わせて四方八方から展開される弾幕を相手に、その完奏と共に訪れるステージの終わりまで上手く避けきっていきましょう。

弾幕を上手く回避するためには、上下移動のコントロールがカギになります。
プレイヤーは左右の制動に関して自由である一方、上下には弾の発射の反動でしか動けません。弾には時間経過でしか回復しない残数があるため、闇雲に上下に動いていては弾が枯渇して避けられなくなります。最低限の動きで避けて温存しつつ、いざという時には大きく消耗したとしても大胆に動くことが重要です。
また、弾幕や敵にかすることで弾数の回復速度を速めることもできます。リスクを取ってギリギリで回避していくことも狙っていきましょう。

また、弾幕を発射する一部の敵はその上下に発射する弾で倒すこともできます。厄介な弾を撃つ敵を早めに処理できると有利なので積極的に狙いたいところですが、弾を発射すると上下に移動してしまうため回避の制動に影響が出ることにもなります。上手く当てられそうなところでは狙いつつ、こだわりすぎないのが良いかもしれません。
ただし、一部の敵については倒すことがクリアの制約となっているため、その場合は全力で弾を敵に当てることが目標となります。撃ちすぎて画面外に出てゲームオーバーにならないように注意しましょう。

弾幕は苛烈であり、難易度はそこそこ高いものとなっていますが、上下移動のリソース管理を上手く行い、ステージごとの弾幕の傾向を覚えて避けるパターンを熟知していけばクリアは自ずと見えてきます。
ステージを遊ぶごとに手に入るお金を使った強化要素もあるため、強化していけば少しずつ楽にもなります。加えて、基本は無制限にコンティニューできるため、クリアだけを目指す場合はある程度被弾しても問題ありません。
ただし、ステージクリア時の評価を上げるにはノーミスや強化要素の制限が必要になります。コンティニューを繰り返すことで腕が上がり、被弾が減ってきたら挑戦してみましょう。

曲に合わせて幾何学的に展開される弾幕を、適切な移動で上手く回避していく楽しさを味わえるゲームです。
間隙を縫って被弾を抑えて進行できるようになると、大きな達成感を得られることでしょう。ステージに何度も挑戦し、パターンを体に覚えさせてクリアを目指しましょう。

感想

前作の弾幕は覚えゲーっぽかったんですが、今作は割と反射神経ゲーな印象があります。フェーズごとの対策は覚える必要があるかもしれませんが、割かしアドリブで避けられるのと、パターン化しにくくてその場の判断力のほうが求められることが多かったイメージでした。
もっとも、もう少し高難度を極めようとすると、また違ってくるのかもしれません。

ゲーム性としては、上下移動に強い制約が入り、これを乗りこなすのが難しくて楽しいです。その判断に必要な情報については自機周辺に完備されているので、自機の操作に集中しながら遊べるのも良いところでした。
上下移動で弾を使う必要がある分、それを回収するために敵に近接してグレイズして稼ぐ必要があるデザインも良くて、ギリギリで回避する旨味が出ています。むしろギリギリで回避しないと、弾が枯渇して怪しくなる。
画面を覆いつくすような弾幕の時だけ残弾数を無視して全力で回避に徹し、このために残していた弾の数をフル活用して乗り切っていくのが楽しかったです。

また、曲に合わせた弾幕も美しく、適当にばらまいている敵機がそんなにいません。加えて自機狙いの弾も巧妙に混ぜられているので、そこそこ難しく感じます。この回避だけでも割と難易度は高めに感じますが、それに加えてひたすら避ける以外の攻略法があることで、より複雑で高い難易度を有しています。そして、そこが面白いポイントです。
特にボス戦においてはそのデザインが顕著で、敵機の攻撃タイプの違いもあって常に新鮮に挑めました。集大成のようなオマケは一見の価値ありです。

難易度の面で見ると無限にコンティニューできますし、☆3を目指さないならこちらを強化して挑むという択も残されているあたり、かなり優しいなという印象です。同作者さんのウディコン作品の中では一番クリアしやすいんじゃなかろうか。
あと個人的に好きなのは、最高評価を目指す場合についても全てを縛るのでなく、難度の中でのやりくりが必要な程度にとどめているところです。せっかくの強化システムをちゃんと活かしつつ、プレイスタイルに沿って攻略に挑めます。

筆者は弾幕シューティングが壊滅的なまでに苦手ではありますが、それでもクリアできたことから見るに、かなり楽しみやすいゲームになっているなあという印象です。弾シュー、Hellsinker.ぶりのクリアかもしれない。
無限のコンティニューがあるのはもちろん、強化の組み方で上手く攻略できるのが嬉しいところです。隠しステージでさえも、被弾判定減少を捨てて火力特化のビルドにして早期決戦を挑めば意外と何とかなります。
筆者は基本的には体力上昇と被弾減少に振り、とにかく回避を徹底することで全ステージノーコンでクリアしています。ボス面によっては弾丸の火力が欲しいこともありますが、基本的には回避が強いです。弾数は200程度あれば大体なんとかなります。弾幕が激しい分、グレイズである程度稼げるので。

しかし、エディ、上に飛ばすで無駄な既視感を覚えましたが、解決策はだいぶ異なっていたので勘違いのデジャブでした。
物語の中では、FALLをもじったのだろうと最初に思わせてからのALLもじりが上手く、個人的に感動を覚えたポイントです。ちゃんと最後のALLであるところのタイガも登場させているあたりも良かったです。