第15回ウディコン全作品レビュー - 死をきたい
59. 死をきたい
ジャンル | 作者 |
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探索ADV | みやの |
プレイ時間 | プレイVer | クリア状況 |
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20分 | 1.05 | 全エンド |
良かった点
- ぷにどりが個性豊かで楽しい動きをします
- 周回がしやすい設計に思いました
気になった点
- ボーリングについて、相手の点数と押したところが一致していないような感覚を受けました
- 毎回4点くらいの所で押している気がします
レビュー
ぷにどり
死をきたい は、奇妙な世界を探索するアドベンチャーゲームです。
不思議な世界を探索しつつ、死を体験することで手に入る服を利用して、探索範囲を広げていくことになります。
死を体験するには、ちょっとした謎解き要素と探索要素をこなす必要があります。適度にマップを探索しつつ調べていきましょう。怪しいところがあれば、服を着替えてみるのが良さそうです。
なお、マップを探索するかたわら、各地で困っているぷにどりを助けることもできます。見かけたら声をかけてみるのも良いかもしれません。
アドベンチャーとしての主題はホラーに近いものであり、その中でも鬱屈とした暗いものがテーマに据えられています。しかし、マスコットキャラクターのようなぷにどりを始めとした可愛らしいデザインが、それをややマイルドにも、あるいは印象的にもしている作品です。
ぷにどりを助けつつ死を体験していき、物語を最後まで見届けましょう。
感想
変に言葉を選ばずに感想を言うと、フリーの微ホラーっぽい探索ゲームに求める中の一つそのものと言っていい作品です。希釈されていない原液に近く、ある種における原体験にも近いものがあります。
とりあえずぷにどりに言及するんですが、マスコットとして非常に良いキャラです。個性豊かなうえに楽しい動きをするので、世界観との良い意味でのアンマッチもあって印象に強く残りやすいキャラクター性をしています。鶏が焼き鳥を渡すな。瞬間移動の笛の時の動きは個人的な好みです。
他のキャラクターが専用の役割性を持ったような登場の仕方をすることもあって、よりマスコットとしての輪郭が強く記憶に残るのも面白いです。
ミニゲームとして遊べるボーリングにも言及しておくのですが、一週目はともかく、最終的にはトリプルしないと勝てない気がします。CPUが明らかに4点くらいの位置から9点をたたき出してきているような印象を受けました。不正していないか、君。
ゲームのメインである探索面については、程よく考えさせるギミックもありっつ、基本的には探索すればいける範囲で構成されています。序盤で行きたくなったところには、後々ちゃんと行けるようになっているあたりの探索における楽しさも担保されていました。
ギミックとして服を変えるというのがちょうどいい謎解き要素となっており、かつそこまで複雑でないレベルでマップに落とし込まれています。
加えて二週目のプレイ時については、ベースを同じにしながらいくつも異なる点を用意しつつ、色々とカットすることで探索しやすくなっています。この配慮のおかげで、二週目は手間と感じることなくエンドに到達することができました。
二週目固有の謎キャラクターもまた、主人公の中にある精神的な何かなのでしょうか。
個人的に好きなのはエンド分岐にかかわるものが最後に置いてあることで、セーブによる分岐確認がしやすくなっています。ありがたい。エンド分岐は全回収、未回収、二週目未回収っぽいです。他にもあるかもしれない。
シナリオは色々と散りばめて考察させつつ、大きな筋は用意されているタイプのものです。考えられそうな範囲では想像を巡らせられますが、タイトルなど大事な所はちゃんと回収してきます。バランスが良いですね。