第16回ウディコン全作品レビュー - ラピッドスティール3
05. ラピッドスティール3
ジャンル | 作者 |
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シューティング | またび |
プレイ時間 | プレイVer | クリア状況 |
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1時間20分 | 3.2.0 | 全ステージクリア |
良かった点
- テンポ良く楽しめる堅実なシューティングでした
- 多様な武器をとっかえひっかえ使っていく楽しさがあります
- 背景やボスなどのグラフィックと演出は細部まで凝られています
気になった点
- 武器と弾幕をたまに見誤るケースがありました
- アイテムと弾幕についてはその限りではありません
レビュー
細部までこだわりの込められたシューティング
ラピッドスティール3は、装備を使い分けて敵機を撃墜していくシューティングゲームです。
システムは一般的な横スクロールのシューティングを踏襲しており、要所のボスを倒していきステージを攻略することになります。
横スクロールから迫りくる敵機を上手く捌くには、3種の攻撃を使い分けるのが重要です。
連射していくメインウェポン、ここぞという場面で使う消耗の激しいサブウェポン、チャージが必要ながら反射も可能な特殊装備のそれぞれを、適切なタイミングで活用していきましょう。
それぞれの武器は出撃時に性能の異なるものへと変更もできるので、色々な武器に手を出してみるのも良いかもしれません。
また、一部の敵機を倒した際にドロップする武器を拾うことで、メインショットに追加の攻撃を一定回数加えることもできます。追加攻撃は武器によって様々ですが、どれも大きな消耗なく強化が可能なので、見つけたら積極的に拾って試していきましょう。
かなり頻繁に様々な武器がドロップするので、色々な武器をお試しで使っていく楽しさを味わえます。
そして、これらの攻撃手段を駆使してステージを進み、最後にはボスに挑むことになります。
ボスは多種のパーツが複雑に動き、各々が弾幕を張ってきます。上手く部位破壊することで戦闘を有利に進めるも良し、一気にコアの破壊を目指すも良し、自機の攻撃性能とプレイヤーの回避能力と相談し、適切な行動を取っていきましょう。
また、そのボスの複雑なパーツ挙動も含めた、グラフィック面の様々なこだわりもこのゲームの魅力の一つです。
シームレスに遷移していく背景の演出といったダイナミックなものから、細かいカーソルの物理挙動まで、様々な面でこだわりの見える表現が散りばめられています。
シューティングに集中していると気を配るのは難しいですが、余裕がある時に観察してみるのも乙なものでしょう。
難易度は決して低すぎることはないものの、リトライ制限がないため、カジュアルに楽しむこともできるシューティングです。
良くこだわられた演出と手触りを感じつつ、様々な武器を使い分けていくシューティングに興じていきましょう。
感想
数字を追うごとに完成度が増していくシューティング、その3でした。特に今作はかなりシューティング然としています。
特殊攻撃による反射はだいぶ抑えられたように感じる一方で、特殊武器とメインショットはだいぶ豊富になり、これを上手く活用していくシューティングとして堅実な設計になっています。
反射メインでもやれなくもないんですが、そのためにオーバーライドウェポンを棄てるのを若干ためらいがちだったので、筆者はあんまり使ってはいませんでした。
基本的に弾幕がまあまあ早いのも特徴的で、おかけでかなりテンポよく動き回りながらスピーディーな殲滅ができるようになっています。敵も矢継ぎ早に出現していくので、暇な時間はほぼなく、常に何かしらのアクションを取り続ける楽しさがありました。
ここに加えて、武器の回転率が良いのも面白く、敵機から武器を分捕ってどんどん入れ替えながら戦うことができます。武器はだいぶカジュアルにドロップしていくので、入れ替える分にはあんまり気負うことはありませんでした。テンポ良く様々な武器を扱っていくのは楽しいです。
その動きの速さの分、難易度は高くなりそうですが、そこは上手く抑えています。敵機の数や性質で道中は抑えめにしつつ、ボスについてもかなり抑えた性能をしており、早いが故に難しすぎるということはありません。
苛烈に感じつつもある程度は避けやすい調整になっている弾幕や、耐久のもろさでリスキルも容易な敵機性能など、細かいところの難易度バランスはかなり良いように思いました。
加えて、何度でもリトライが可能なので、シューティング初心者でも安心です。一方で、玄人は多分リトライせずにスコアアタックして楽しめると思います。リトライはスコアが棄損されるため、実質ノーコンクリアが前提となるので。
また、玄人向けにはエクストラにボスが用意されており、ここはかなり難しく感じました。筆者のレベルでは避けられなくないかな、くらいの弾幕を平気で放ってきます。弾が高速であること自体は健在なので、反射神経で対応するにも限界があり、それなりにパターンを組んで上手く倒してやる必要がありました。
筆者はやっとこさ1体倒せるくらいではあったので、そこそこシューティングできる程度の腕前だと、なかなか歯応えのある戦いが楽しめるんじゃないでしょうか。本気で調整されていたらこれがストーリーのレベルだったのかと思うと戦慄します。
個人的にシステム面で気になるのは武器と敵の視認性くらいで、これも慣れると判別できるようになってきます。弾がいっぱい撒かれているとたまに誤認する程度です。また、アイテムと弾丸の視認性は取れているので、そこで間違うことはほぼありませんでした。
後はキーコンの初期状態だけ慣れられませんでしたが、これもキー設定があるのでセルフでカバー可能です。細かいところにも手が行き届いていました。
さらに、凝ったグラフィック表現もこのゲームの特徴の一つと言えるでしょう。
まず背景が凝っています。ステージ間がシームレスに繋がって場面転換していく演出の完成度が高く、こだわりを強く感じました。シンプルな演出の中では、移動要塞の背景が回っていくのがお気に入りです。
弾幕が苛烈なのもあって、背景を楽しんでいる余裕があんまりないのは嬉しいような悲しいようなところなので、人がプレイしているのを見るのも面白いかもしれません。
キャラクターの動きもだいぶ凝っていて、それぞれが感情豊かに動いてくれます。
作品が出るたびに増えていくキャラクターも健在で、これまたアクの強いオアシスが増員されました。その出自故に戦闘能力に長けていればと思っているところがありそうですが、それはそれとしても単純に戦闘訓練狂なキャラクター性をしています。
各々のキャラクターが機械なのもあり、機械的なボイスが違和感なく受け入れられ、単純にプラスの働きをしているのも面白いところでした。
そして、ボスの動きは本当に凝っています。絶え間なく様々な部分が動いており、それぞれの部位破壊もちゃんと用意されていました。
しかもこのボスは非常に多く、全部で3つあるストーリーの要所で、それぞれオリジナルにボスが出現していくことになります。このクオリティをこの数用意するのは恐ろしい話です。
それぞれがシューティングの山場であるボス戦を飾るに相応しく、ゲームの起伏としての役割の一つを完璧に担うことができていたのも、この複雑に良く動くグラフィックが一因となっているであろうことは想像に難くありません。
また、細かなところの演出というかこだわりについても結構好きなところの多い作品でもありました。
個人的に好きなところを挙げると、最後に行われるハッチの演出とか、カーソルについたストラップが動かすと自然に揺れる演出あたりです。お洒落。
こういった細かい良さみポイントがいろいろ詰まっているゲームでした。
これは余談になりますが、製作の闇を見る限り、やはりウディタ3は結構強力になっているみたいで面白かったです。こういう処理をいっぱい使う系は割と恩恵が大きそうですね。
そして、バグが出ない方が不安というのは、分かりすぎて首がもげそうなくらい首肯したい話です。割と複雑な実装をして、一発でコンパイルが通った時の得も言われぬ不安があります。