第16回ウディコン全作品レビュー - 翠玉郷のオリヴィエ

36. 翠玉郷のオリヴィエ

ジャンル 作者
アクション 秋月ねこ柳
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間30分 2.01 クリア

良かった点

  • 移動が上昇を兼ねる独特なアクションを楽しめます
  • 序盤から中盤にかけて操作に慣れていくことのできる、ステージの段階的なレベルデザインがなされていました
  • ある程度平易でありつつ、玄人向けには最高難度が用意されています

気になった点

  • 終盤の難易度の上がり方がやや急に感じました

レビュー

水中操作を面白さに昇華したアクション

翠玉郷のオリヴィエは、水中を舞台とした独特な操作性を持つアクションゲームです。
移動に常に上昇がつきまとう操作を使いこなし、障害物に満ち満ちたステージをクリアしていくことになります。

各ステージを上手く攻略するためには、何よりもその特殊な操作性に習熟していくことが求められます。
そのアクションは水中挙動をベースとしており、左右どちらに移動しても必ず上昇を伴う設計となっています。このため、適当に動いているだけでは詰む状況に追い込まれかねません。例えば、左右に動かないと弾に被弾するけれど、上昇すると上端のトゲに当たるといったような、リカバリーが不可能なシチュエーションもあり得ます。こういった事態を避けるためにも、動きの先を見据えた操作が肝要になってきます。
ステージに挑んで動きを習得していきつつ、先まで見越した想像力と咄嗟のアドリブ力とを駆使して難関を乗り越えていきましょう。

ただし、スタンダードな難易度であれば、体力を活かしてゴリ押しで突破することも可能です。複雑な操作が要求される地帯を抜ける際に、たったの1ダメージで済ませられるならば安い時もあるでしょう。時と場合によっては、積極的に残り体力を活用していくことも大事になってきます。
また、それでは物足りない方に向けて難しい難易度も用意されています。腕に覚えのある玄人の方はこちらに挑まれるのがお勧めです。

良くレベルデザインされたステージを攻略しつつ独特な操作性に慣れていき、各所の難関やボスを打ち倒していくことで、徐々に難易度の高いステージに挑めるようになっていきます。それまでに得たスキルをフル活用し、最高の難易度を誇る最終ステージをクリアしていきましょう。

感想

通常難易度の範囲だと、ある程度苦戦しつつもクリアはできるちょうど良い感じのアクションでした。アリュイラよりはだいぶ簡単な印象です。
スタンダードではダメージ覚悟でゴリ押しの効くエリアがそこそこ多く、アクション能力が足りない分はHPを支払って突破できる程度に抑えられています。

ただし、だからと言って簡単すぎるということはなく、移動が必ず上昇を兼ねる操作性も相まって、アクション自体は歯応えを感じつつ楽しむことができます。
ちゃんと先を見て動かないと容易に詰みうるデザインになっているので、移動を闇雲にしているとミスしがちです。ちゃんと考えて動くことが求められる良い設計でした。
その上で、詰みやすいような配置は終盤に固めてあって、序盤のうちは敵の密度が低いので容易にリカバリーが効くようにもなっています。このため、操作に習熟できていない期間でも、それほどミスることは多くありません。かなり易しめです。

また、それでは物足りないアクション上級者には最高難易度が用意されており、裏ステージも含めればプレイヤーに牙を向く難易度も完備されていました。
最高難易度に関しては、筆者はクリアせずに冒頭だけ遊んだんですが、だいぶ難しいシステムだなと感じています。何なら部分的にはアリュイラのレベルを凌駕しそうです。どうりでボス戦の泡がやたら潤沢だなと思っていました。

なお、筆者の状態は謎解きとライツアウトを除いてクリアしたという形になります。
謎解きはそもそも何をすれば良かったのかよく分からないまま進めていて、ライツアウトは途中で心が折れました。もともとライツアウトを試行回数で解くタイプなので、今作の操作感でイライラ棒しつつ解くのが厳しかったです。いい加減型を覚える頃合いかもしれません。

シナリオ面で好きなのはタイトルの出オチ演出で、クリア後に別の意味も付与されるあたりが良いです。
基本的にシナリオは軽く進んでいくので、アクションの阻害をすることなく世界観を軽く紹介していく感じなのも好きなところでした。猫昆布という概念も好き。

後は、独特なアクション性と、ある程度それを学習させようとするレベルデザインのおかげで、慣れつつ最終面へと進んでいけるところも良いポイントでした。
最終面のレベルの上がり方だけは並大抵のものじゃない気もしますが、ここら辺は多分プレイヤーを信用しているんだと思います。ここまで来たからには、まあクリアできる能力は備わっているはずなので頑張りましょう。