第16回ウディコン全作品レビュー - パーソナル戦記 Memories
42. パーソナル戦記 Memories
ジャンル | 作者 |
---|---|
RPG | ゾローク |
プレイ時間 | プレイVer | クリア状況 |
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1時間30分 | 8/12 | クリア |
良かった点
- マップが広いぶん、ダッシュはかなり高速に動作します
- 難易度ノーマルに有用な救済措置がありました
気になった点
- 探索を要求する割に、世界が殺風景です
- 一部スキルの性能が高すぎて、ほかのスキルの意味や弱点の価値がほぼなくなっています
- 続編のため、この作品と直接関係ないキャラクター名が説明なしでよく使われていました
レビュー
だだっ広い草原をダッシュで駆け抜けろ
パーソナル戦記 Memories は、一つのマップを駆け回って戦闘を行っていくRPGです。
東西南北に大きく区分される巨大なマップからボスを探し出し、倒していくことになります。
戦闘はオーソドックスなコマンド形式で行われるため、メンバーのスキルやステータスが戦いにおいては重要となってきます。
強力なボスを倒すためにも、マップ内のエンカウントエリアで戦闘を重ね、充分にレベルアップしておきましょう。
また、ゲーム、ひいてはシナリオを進行させるためには、ボスを探し出す必要があります。
ボスは広大なフィールドのどこかにいるので、ダッシュを駆使してくまなく探し回りましょう。あるいは、ボスを探し回ることで戦闘を重ね、充分に成長することもできるかもしれません。
四方八方を探し回り、様々なボスを撃破していき、シナリオの終わりまで歩みを進めていきましょう。
感想
色々な感想が全てただただ広いワールドの印象に塗りつぶされている作品です。ダッシュが本当にすごいダッシュするんですが、この広さだとさもありなんという感じでした。
ダッシュの高速感はかなり面白く、周囲に何かオブジェクトがあるとより顕著にその速さが分かります。主人公たちは特に何も習得することなくこの能力を使っているんですが、何か謂れはあるのかそういう仕組みというだけなのか。
初めにシナリオ面に触れておくと、おそらく続編っぽい話の流れをしているので、ちょくちょく説明なしで初見の人物についての会話が繰り広げられていきます。クリアした現在も、それぞれの関係性はかなりおぼろげな把握しかできていないんですが、因縁などを気にしなければメインの物語は追える程度にはとどまっています。ちんぷんかんぷんというレベルではありません。
なお、特にエンディングでそれは顕著で、作中ではほぼ触れられていないキャラクターのその後についても語られます。
また、作中の目的である守護神を倒している理由もかなり納得感がありません。どこかから聞こえる声に従ってやり続けているというものであり、黒幕の傀儡っぽい行動に終始しています。
それにもかかわらず、その行動に対しての言及はなしに、黒幕と対峙しだすのでかなり違和感を覚えました。
戦闘面で見ると、初期のうちはバリアシールドが最強スキルに見えつつ、最強の攻撃手段であるスターダストスラッシュがさすがに群を抜いた最強スキルだなという感想に落ち着きました。
バリアシールドはかなり強く、恐らく引きつけ、カウンター、シールドの全ての要素を兼ね備えます。
しかし、それを置いて余りあるほどにスターダストスラッシュが強く、ほかの攻撃技の何回分もの攻撃性能を一打で叩き込みます。正直弱点を気にして攻撃を選ぶくらいなら、こっちを打った方がお釣りが来ます。ほかの攻撃手段の存在価値が脅かされるレベルです。消費MPがスターダストスラッシュより多いスキルであろうと例外ではありません。
そういう意味でも戦略はだいぶ固定化されると感じていて、バリアシールドを張って回復しつつスターダストスラッシュをとにかく撃ち続けるのが安牌になります。ほかをサポートに回してでも、毎ターンこの行動が打てる方が強いです。
手が空いたほかのキャラが攻撃しても良いですが、余り効果は得られません。魔法などもってのほかでした。
ステージについては、とにかく広く、オープンワールドと呼ぶにもさすがにオープンにすぎるなという印象です。
難易度ノーマルのお助けキャラらしいマオがいないと、この中で中ボスを探し出すことになるので、かなりしんどい気はしています。筆者は何も考えずにこの救済を使いました。
また、全体的にレベルデザインがプレイヤー任せになっているという感触もあります。レベリングをするにあたっては、基本的に明示されたエンカウントエリアでどの程度戦闘をするかでその結果が決まるので、道中までの距離、道筋などに由来する基準はありません。このため、プレイヤーがボスに負けた時、ステータスが足りないのか戦略の方向性が間違っているかの指針が全くない状態になります。
なんとなくポケモンっぽいデザインではあるんですが、あっちはトレーナーがいるから成立しているデザインであるような気はします。捕獲したくなる種類が多いというプレミアもありますし。
また、ステージがかなり殺風景なのもしんどく、場所を覚えるのがほぼ不可能になっています。これは探索済みのエリアがどこかを把握するということが事実上不可能であることを示しているので、虱潰しすら困難になってきます。
一応東西南北で雰囲気は変わりますが、その各ステージ内でもせめて小物などの配置で差異が出ているともう少し探しやすいんじゃなかろうかという感じがしました。
とにかく色々と広いなあという印象に支配される作品でした。
ここまで広いと、ウディタで該当マップを開くだけでも動作が重くなりそうですね。