第16回ウディコン全作品レビュー - 屍の仔と死返しの竜
48. 屍の仔と死返しの竜
ジャンル | 作者 |
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探索ADV | ろぜちは080 |
プレイ時間 | プレイVer | クリア状況 |
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3時間 | 0-07 | 全END |
良かった点
- 要所のグラフィックが素晴らしいです
気になった点
- ブービートラップが殊に序盤において過積載に感じました
- 無味乾燥な廊下が長く感じました
レビュー
暗い世界を彷徨い歩く
屍の仔と死返しの竜は、ホラー要素のある探索アドベンチャーです。
分岐ありのおおむね一本道のマップを進んでいき、シナリオを進行していくことになります。
ゲーム中にはいくつかの即死トラップを始めとした、様々な仕掛けが潜んでいることもあります。それらを上手くかわし、解決して、少しずつ先へと進んでいきましょう。
また、進行に必要なアイテムをきちんと集めていくには、周囲を注意深く見渡しておくことも肝要となります。詰まった時は、目を凝らして周りを見てみましょう。
そうして注意深くプレイして先に進んでいく中で、主人公たちにまつわるシナリオが進行していきます。
特徴的な筆致で描かれるスチルが印象的なその物語は、プレイヤーの行動次第で二つの終わりへと分岐します。きちんと探索を進め、より良い結末を目指していきましょう。
感想
ジャンプスケアと初見殺しの詰め合わせパックみたいなゲームでした。少なくとも分岐路前にセーブを取ることは推奨です。
そこそこ脈絡なくジャンプスケアが飛んでくるので、ある程度驚きを流せるタイプでないと心臓に悪いかもしれません。
ゲーム性はおおむね探索アドベンチャーのそれを踏襲していて、一部を除くとおおよそ分岐ありの一本道の構成です。分岐ルートのどっちに行けるかはシナリオ進行次第になっていて、直感に任せてどっちかに行けば大体シナリオが進行します。
分岐開放と扉の因果関係はそれほどないので、どちらが正解かは大体ギャンブルになってきます。なんとなくこっちに誘導されてそうだなという方に行きましょう。
マップとしては、ずっと似たような景色が続くのが若干辛く、割と迷路っぽいのもあって頻繁に迷います。マップ構成それ自体はかなり一本道然としているので迷いにくい面もあって、そこと相殺されていなければ永遠に迷い続けていたかもしれません。
その分、力の入ったマップは良くデザインされているので、正直合間合間にあるそこそこ長く何もない永遠の廊下は無くても良いように思えてきます。澱んだ空気の表現として存在しているような気はしますが。
特に序盤に顕著ですが、ブービートラップがあるのも辛いところで、そのリトライ性の悪さも含めてモチベーションを明確に削いできます。
序盤は特にまだシナリオで惹起される面が乏しく、進行するための燃料が少ないところもあるので、そこを的確に削がれるとかなり辛いです。合流以降や別離以降のブービーは慣れたのもあり、かつシナリオ面でも先に進むモチベーションがあるのでなんとかなります。本当に序盤がしんどい。
また、このブービーはほとんど影みたいな見た目をしています。そのため、そもそも視認性が悪く、何が起因か分かりにくいという納得感の無さも着実にダメージを与えてくる印象でした。
探索アドベンチャーとして以外だと、最後に戦闘があるんですが、このグラフィックは凄いの一言に尽きます。イベントスチルも当然綺麗なんですが、一枚絵としての迫力はこちらの方が個人的には好きです。神々しさがあります。
それにしても、シナリオは過去の話だったんですね。それなら確かに、アレは別END扱いになるのも頷けます。正史じゃないので。子々孫々が丸ごと消し飛んだ世界線の話になってしまいます。
もはや余談になりますが、ここが語られるエンディングの文字はかなり高速で消えます。これまでのゲームテンポに慣れていたからなのか分かりませんが、読めるかどうかギリギリのラインになっている気がしました。危なく読解できずに終わるところだった。