第16回ウディコン全作品レビュー - リーフの1人花屋営業
56. リーフの1人花屋営業
ジャンル | 作者 |
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花屋 | あまてん海老 |
プレイ時間 | プレイVer | クリア状況 |
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15分 | 1.0相当 | HARD/一流 |
良かった点
- ミニゲーム然とした設計でした
- 運要素もある中で、かなり緩めの難易度設計となっています
気になった点
- 同じシンボルでも強さに乖離があることが一見して分かりにくいです
レビュー
ゆるい世界のミニゲーム
リーフの1人花屋営業は、花屋を営業しつつダンジョンに挑戦するちょっとしたゲームです。
パーティーを強くしつつも、お金を稼いでいくことが主な目的となっています。
お金を稼ぐには、ひとまず花屋を上手く経営するのが先決です。
主人公はお客さんの心をある程度読む読心術の心得があるので、それに基づいて条件に合う花を渡せるとお金を獲得できます。
そうして稼いだお金をもとに、パーティーの強さや行動できる回数を増やし、ダンジョンに挑むことになります。
敵と戦ったり、宝箱を開けたりすることができるのは、そうして獲得した行動回数ぶんだけとなります。とりわけ重要な宝箱に辿り着くには、弱い敵を大量に倒すルートや、強い敵と戦うことになるルートがあります。限られた手数の中で、パーティーのレベルに合わせて適切な行動を選択していきましょう。
宝箱まで辿り着けば、お金やレベルの上昇のほかに、読心術のレベルを上げることもできます。これにより、花屋でより多くのお金を獲得しやすくなるため、積極的に狙っていくのがお勧めです。
花屋とダンジョンを行き来して、お金を稼いでパーティーを強くしていき、そしてさらにお金を稼いでいきましょう。
感想
ミニゲームでした。難易度がそこそこ緩めだったり、デザインも緩かったり、何よりグラフィックが良い感じに緩いです。
ミニゲームはミニゲームであることそれ自体に価値があるので、ミニゲームの枠を飛び出ない範囲でさっと遊べるようになっているのが良かったです。
ひとまず花当てゲームの話をするんですが、最序盤が運要素で、そこから少しずつ作業要素になっていく感じです。序盤はそもそも指標が無いですし、中盤以降は特に制約のない中で決めていくので、そういうゲーム性なんだとは思います。
時間制限などでも導入されていれば、もう少しゲームゲームした出来になるのかなとは思うんですが、作中でも説明がある通り、それそのものに自覚的な設計ともなっています。ゲーム性というよりはフレーバーに寄った印象を受けました。
RPGパートというか戦闘については、そこそこミスをしても特別問題なく進められるタイプです。何なら、ゲームオーバー的なものがあるわけでもないので、気楽に臨めます。筆者は二回くらい強敵にぶち当たることで行動を無駄にしていますが、それでも最後の方は全部の宝箱を開けられるくらいにはなりました。
ある意味ではこっちもフレーバーっぽい立ち位置ではあるんですが、どのルートを通って敵を倒していき、上手く宝箱に辿り着くかのゲーム性は担保されています。こちらは割とゲームっぽい。
一方で、同じシンボルでもその中でさらにランクというか強さが分かれており、これを見た目で判別するのが不可能なため、なんとなくで挑んで負けるパターンはどうしても発生しがちです。さっきこのシンボルに勝てたのだから、その経験を活かしてこういう計算で行こう、みたいな戦略を許さないタイプです。
純粋に奥に行くほど、シンボルに対しての強さも上昇していく傾向にあることを掴めればある程度立ち回れますが、それに気づくのにそもそも時間がかかるという面もあります。そもそも作中は5日しかないので、それに気づいたころにはほぼ全勝できる状況にあることが多いとは思います。
ただし、そういったトラップに引っかかったとしても、最終的にはレベル上限に易々と行けたあたり、バランスとしてそういう塩梅にしていそうではありました。この辺は緩めに作られています。
なお、一番の強敵はかなり強く、レベルを上げていても一発で破壊してくる強敵でした。全体攻撃がないのでレイズループにはめて倒したんですが、これが正解なんでしょうか。一応、単体攻撃しかしてこないのであれば、一ターンに一人蘇らせれば帳尻が合うようになっています。
また、最後にゲームはスコアでまとめられているんですが、これもまたフレーバーな気もしています。作中でも言及がある通り、そこそこの運要素が強いシステムの中でのスコアアタックではあるので、あんまり血道を上げるようなものではありません。
とはいえ、一プレイは短いので、さっきはできなかったちょっと良いプレイングを目指そう、くらいのモチベーションであれば自然に湧きます。そこを評価するシステムであると考えると、結構割に合った設計なんだろうなと感じていました。片道勇者の最終スコアくらいの立ち位置。
余談になりますが、筆者はノーマルがあれば必ずそれを選ぶようにしているのですが、イージーは絶対に選ばない歪んだ主義もまた同時に抱えているので、こういう難易度選択になるとハードを選択することになります。ハードでもそれなりに難しくない難易度で助かりました。