第16回ウディコン全作品レビュー - 勇者の苦難
59. 勇者の苦難
ジャンル | 作者 |
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WWA | バル |
プレイ時間 | プレイVer | クリア状況 |
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4時間 | 1.04 | ノーマル 2785(お助けなし) |
良かった点
- 短期、中長期双方の戦略が求められる良い設計でした
- 配置やアイテムの性能が上手く思考を要求してきます
- 見やすく情報を整理しやすいUIでした
- 程良く難しい良い難易度でした
気になった点
- マップ間移動よりもマップ内移動の方がよく使う気はしました
- このため、マップ間移動に一足飛びしない方が利便性が高いように思います
レビュー
経験と思考のパズル
勇者の苦難は、WWA風のパズル的な戦いを詰めていくゲームです。
運要素は一切なく、戦いの順序とステータスの構築といった選択の連続によってゲームを進めていくことになります。
基本的には、プレイヤーはフィールドの障害となっている敵に戦いを挑んで排除することでステージを進めていきます。
敵との戦闘はこちらの攻撃力で相手のHPを削り切るまでにかかるターン数だけ相手の攻撃でダメージをもらう、というシンプルなシステムとなっています。相手のHPが100、防御力が30、攻撃力が50で、こちらの攻撃力が70、防御力が30なら、3回殴るまでに2回殴られるので40ダメージです。
そうして敵を倒していったり、フィールド上のアイテムを拾ったりすることで、ステータスを上げていくことができます。ステータスが上がれば被弾は下がり、より強い敵にも挑めるようになっていくでしょう。
被弾を最低限に収めるために、どの順序で敵を倒し、どうアイテムを取得していくかはプレイヤーの腕の見せ所です。ルートの選択に頭を悩ませながら、最適解を探していくことになるでしょう。
加えて、盤面のそこかしこに配置された扉を開けるには、鍵というアイテムが必要になります。拾える鍵の数は有限なので、その鍵をどの扉に対して使うかもまたルート選択においては肝要です。強敵を避けて貴重な鍵を消費するか、HPを大きく使っても将来のために鍵を温存するか、中長期的な視座も持って行動を選択していきましょう。
そうした選択に必要な情報は一画面に綺麗に収まっているので、プレイヤーは思考にだけ集中することができます。
現在のステージの盤面から短期的な有効手を見つけ出しつつ、長い目で見た強化の方向性やアイテム、扉の選択を重ねていき、クリアを目指していきましょう。
感想
割とずっと頭を使うゲームでした。先読みの力というよりも、長期的にどこまで投資できるかの感覚を養っておく方が大事なゲーム性なんだとは思いますが、それはそれとして短期的な盤面の最適化には脳のリソースがだいぶ持っていかれます。
今ウディコンで一番疲れたゲームかもしれません。その分達成感もありました。
長期的な損得勘定の感覚がずっと大事なゲーム性をしており、例えばこの後1000回殴られるなら防御を1上げれば1000の得になるけれど、攻撃を上げるとどこかでその閾値を破ってさらに得になるかもしれない、といったことを長めの視座で見ることになります。
加えて、中期的な盤面の思考も重要であり、例えば防毒後に掃除できるとして、防毒前にどこまで敵を倒しておくのが最適なのか、あたりはそういった思考力が求められます。
やや長期的な視点としては、お金や経験値の向上アイテムもあるので、これを取得するまでにどこまで稼ぐか、という面もあります。筆者はこれを見た瞬間にセーブデータを差し戻して再走していました。幽霊を無駄にスイープしていたので。
このように、攻略において余りにも損害が多すぎるならある程度の稼ぎは必要なものの、やりすぎると終盤に向けての総獲得数でデメリットを取ることになるので、ギリギリを攻めつつもどこまでを損得分岐点とするかを常に考えて進めることになります。
プレイミスがあったとしても分かりにくい形で顕在化するので、とにかく自分の考える範囲では失着をしないように詰めていくのが肝要なのかなと思いました。振り返って反省するのは難しい。
ただし、難易度としてはノーマルなら割と余裕があるレベルに収まっていると思います。いくつかの関門さえ抜けることができれば、HP9999で最後に乗り込むことも充分可能です。
このタイプのゲームがそこそこ苦手な気がしている筆者がお助けなしでクリアできたので、割かしちょうど良い難易度になっていたのではと思います。
一方で、玄人にはハードがあり、ルナティックもあるので、その辺の歯応えも充分にあります。筆者は金鍵を3つ用意できる気がしないので、多分クリアはできないと思います。どこを詰めれば良いのかも余り分かんない。
UIというかシステムの面では、情報がおおむね画面にまとまっているのが良く、考える時の補助として上手く機能していました。願わくはDEFを減らした際に発生する減少値が欲しいシチュエーションもありはしましたが、特殊ケースなのでその時に計算すれば良いという向きはあります。
情報が整理されていると、盤面のパズルを解くことや中期的思考に思いを馳せることに集中できるので、こういう丁寧さは非常にありがたいところです。
個人的には、マップ移動を使い、同じマップ内で移動したいケースが間々あったので、ここがもう少し使いやすいと捗りそうだなとは思っていました。
同じマップ内で移動することと、マップから出ることであれば、なんとなく前者の方が多い気もするので、マップ選択に戻すために一手必要なくらいが個人的には好みかなと思います。この辺は、戦略を立てる時の見方とか動かし方による差異がありそうなので、玄人にとっては逆なのかもしれませんが。
確かに、終盤においてはむしろほかのマップを比較検討するケースが増えていたので、トータルでどっちの方が楽なのかは微妙なところな気もしています。ギリギリ同じマップ内での移動の方が多かったかなという印象にとどまります。
なお、全24面で想定プレイ時間が2時間なので、恐らく作者さんの想定では1面あたり5分で終わるというものらしいです。本当ですか。
とはいえ、筆者がお助けを縛って勝手に苦しんでいた側面は否定できないので、ちゃんとお助けを使ってカジュアルにやればそんなものなのかもしれません。
ちなみに、以下がリザルトになります。
クリア後に少しだけ詰めてお金を稼いではみたものの、やはり途中から抜本的に見直さないと次のフェーズには行けない気配をひしひしと感じました。どこを詰めると良いんだろう。なんとなく、いくつかのボス相手には失着した気がしないでもない。
結果 |
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