第16回ウディコン全作品レビュー - ネクロマンサーの迷宮
68. ネクロマンサーの迷宮
ジャンル | 作者 |
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アクションRPG | もののふげーむず |
プレイ時間 | プレイVer | クリア状況 |
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1時間30分 | 1.12 | クリア |
良かった点
- 気軽にネクロマンシーできるアクションでした
- 蘇らせるために近付くかどうかで駆け引きが生まれています
気になった点
- 戦闘範囲が不明瞭でした
- 超遠方が臨戦態勢に入ることもあり、高速の弾丸が画面外から飛んできます
- ポーションの誤発動の原因ともなっていました
レビュー
ネクロマンシー特攻隊
ネクロマンサーの迷宮は、シンプルなアクションRPGです。
ランダム生成されるフロアから構成されるダンジョンをひたすら潜り、最奥部を目指していくことになります。
ダンジョンには敵がはびこっており、一対多で戦うと苦戦しかねません。
そこで、プレイヤーはネクロマンサーの力を使って、ダンジョンの墓標からその仲間の力を借りることができます。仲間を上手く敵に突っ込ませることで、時には敵を引きつけさせたり、時には敵にとどめを刺させたりといった様々な運用ができます。
仲間はやられても、その場に残った残滓に触れることで再度召喚することができます。気軽に使い潰していきましょう。
そうしてフロアを進むと、10Fごとにボスが待ち構えています。
ボスはそれぞれ特殊な攻撃スタイルと高い攻撃力を兼ね備えているため、闇雲に戦うだけでは勝利は難しくなっています。仲間の召喚を含め、敵との距離を上手く計りながら攻撃を加えていきましょう。
また、道中で敵を倒しておき、レベルを上げてステータスを向上させておくのも有効な手立てになり得ます。
ネクロマンサーの力を駆使し、敵を殲滅しつつフロアを進行していき、クリアを目指していきましょう。
感想
割とシンプル目なアクションでした。シューターっぽくもある。
ネクロマンシーするアクションRPGだとSword of Necromancerが似た系統として存在するんですが、それよりもネクロマンシーする意味合いが強くて個人的には良かったです。
仲間を何度でも蘇らせることができるというのが特に良いところで、肉壁としても特攻隊としても運用しやすい仕組みになっています。カジュアルに突っ込ませて、それなりの戦果を挙げさせることができますし、大したことができずにやられても蘇らせれば良いのでネガティブな感情になりにくい設計でした。
その上で、リスクを承知で拾いに行って再度運用するか、とりあえず周りを片付けるかを選択させる駆け引きも生まれており、アクションにおける動きの幅を広げています。
攻撃面でのアクションが割とシンプルなので、その分ネクロマンシーを上手く活用するスタイルが機能しやすいのもあり、この辺のヒットアンドアウェイっぽい戦い方は楽しかったです。
また、ボス戦においてもネクロマンシーは割と重要になってくるのも良いところです。
基本的に敵の火力が高すぎるので、近付くことに対するリスクがかなり高く、それ故に避けて殴るのが最適解気味になってきます。その中でも、仲間の死体を上手く回収してネクロマンシーできると戦いやすくなり、大きくアドを取ることができます。
これがネクロマンシー無しで戦うとなると、ごく単調なヒットアンドアウェイになりそうな雰囲気があり、差しの機能として良くできているなあという印象でした。
一方で、難易度についてはボスよりも閉所の雑魚の方が強く、避けるのが困難な攻撃が飛んできて苦戦しがちです。
おおよその敵を2タッチで倒せることもあり、基本的には見敵必殺で抜けていくのが良いのかなと思っていました。そういう意味ではスキルの使い所が薄く、全方位発射で若干メリットが取れそうな程度に収まっています。ボス戦で使うのも大量雑魚ボスを相手取る時くらいでしょうか。
ただし、それ以上にこのゲームを難しくたらしめているのは、戦闘範囲の不明瞭さにあるのかなとは感じています。
一度臨戦態勢に入った敵がいると、そこから離れて別の敵と臨戦態勢に入った瞬間に起動しているような挙動を示すため、画面外から弾丸が飛んでくることが間々あります。加えて、このゲームにおける追尾弾は、その距離が離れるほど高速で飛んでくる仕様になっているので、ほぼ見てから避けられない弾が飛んでくることになります。ダースドラゴンかな。
また、ネクロマンシーしたNPCが動き始めた時にだけ引っかかることがあり、これに引っかかって被弾する、メニューとポーションのボタンが同じで、上記の戦闘範囲の不明瞭さも合わさって意図せずポーションを使用する、など細かいところにも若干やりにくい面があります。
全画面に竜のイラストが出てそのままになった時はさすがに終わったかと思いましたが、こちらはメニューを開いたら消えたので事なきを得ました。危ない所だった。
とはいえ、この辺の細かい点を除けば、おおむねアクションを気軽に楽しみやすい設計の良いゲームです。ローグライクっぽく見えますが、永久ロストも無いのでかなり親切な部類に入っています。
なお、どうやらプレイ後に大型アップデートが入ったらしく、上記の諸々も改善されているかもしれません。