第16回ウディコン全作品レビュー - 夢幻ノ迷宮

71. 夢幻ノ迷宮

ジャンル 作者
RPG koh
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.30 クリア

良かった点

  • 装備の効果を見て付け替えていく楽しさがありました

気になった点

  • 戦闘バランスが単調気味でした
    • 加えて、特殊攻撃が撃たれるかどうかによる差が大きいです
  • 達成したくならない実績が散見されました
  • お金の使い道がほとんどありませんでした

レビュー

強力な武器を携えて進め

夢幻ノ迷宮は、ランダム効果の付いた装備をどんどん入れ替えて戦闘を進めていくRPGです。
プレイヤーはダンジョンの特定階層まで進み、ボスを打ち倒していくことになります。

ダンジョンで戦闘を重ねつつ階層を下っていくには、連戦に耐えられるスペックが求められます。
そのスペックの大部分は、キャラクターごとの個性と、ダンジョンで拾える装備によって左右されるものです。キャラクターの個性は事前に決めておくことができ、その成長の方向性を決めてくれます。一方で、装備は枝葉のように細かいステータスに効くような設計です。
個性で大まかなパーティー方針を決めつつ、装備を次々とリニューアルしていくことでより強くなり、連戦に耐えられるようになっていくでしょう。

そうしてボスを倒すごとに新たなるダンジョンが解放されていき、より強力な武器を必要とするようになります。
ランダムで付与された効果を吟味し、より強い武器に乗り換えていきながら、ダンジョンに潜り続けていきましょう。

感想

こちら優位のバランスで殲滅しつつ、装備をぐるぐる回すハクスラです。拾った装備から適当にビルドを組みつつ、上手く強い効果を組み合わせていくのは楽しいです。
装備さえ集まれば圧倒的パワーで蹂躙できるんですが、噛み合いが悪いと相手のパワーで一気にピンチに陥ることもあります。

筆者は速攻で敵を始末することを優先したパーティーを組んでおり、雑魚戦なら原則ワンターンキルを狙っていました。主人公、ユーシ、レクスが一撃で全滅を狙って動き、場合によってはシフェルが魔法全体攻撃を加えるムーブです。
敵の通常攻撃と特殊攻撃のスペックに雲泥の差があり、特殊攻撃を重ねられると一気に壊滅状態に持っていかれることがあるため、いかにリスク少なく敵を減らせるかを重視していった結果となります。即死は当たり前で、全体攻撃も当然してきます。運ゲーになる前に仕留められるだけ仕留めておくのが丸い。

ちゃんと敵を殲滅できるようになると安定してきて、ボスも苦戦することなく倒せるようになってきます。というか、雑魚が全員特殊攻撃を打つパターンを考えると、恐らくボスの方が弱いような気もしています。
最後のボスについても全体魔法を振ってくるだけではあるので、ひたすら殴り続けるのがベターになってきます。
このあたりのバランスの都合上、弱体やバフはあんまり活きるバランスとは言えないので、攻撃主体に振るのが最適解っぽいような印象を受けます。バフデバフは相手の行動に付き合い、対処する戦略性なので噛み合いが悪いです。

個人的には実績要素は好きではあるんですが、Steamでもたまに見かける達成したくならない実績が散見されるのは気になりました。
逃げる回数、敗北回数あたりは、自然にそうなる高難易度アクションならともかく、普通にやっていれば避けられるRPGで採用する回数になっていません。
特に、シンボルエンカウントと逃げる回数の相性はまあまあ悪いものだと思っています。シンボルエンカウントは、逃げるという行為をエンカウント前に行うための仕組みとして機能するので。
また、そもそもエンチャント100取得実績が、地金120くらいとってる時点でも達成できていないあたり、微妙に信用が置けないところもあります。
また、実績に裏ダンジョンの記載があるものの未実装なのも後味が悪く、まだあるのかなと思っていたら終わりを迎えることになります。未実装なら埋めておいてほしい気持ちがあります。

後は、お金の使い道がほとんど無いというのも気になるところです。
一応、武器を購入することはできるんですが、エンチャントなしの武器を買う必要性が微塵もないので、使い所が全くない状態になっています。せめて回復アイテムが買えれば良いかもしれませんが、それ以外にも何らかの要素を入れるか、いっそお金を消し飛ばしても良いかもしれません。

回避を90まで引き上げるといったぶっ壊れたバランスを効果で仕組めるのは結構楽しく、パラメータを眺めて強化が楽しめる作品でした。
一方で、戦闘面はそこそこ大味なので、その辺のステータスが有効活用できるかというとやや微妙なところがあります。特殊攻撃が飛んでこないお祈りが一番大事かもしれない。