第14回ウディコン全作品レビュー - 星空ダイヤグラム

15. 星空ダイヤグラム

ジャンル 作者
ハクスラRPG 綺人
プレイ時間 プレイVer クリア状況
9時間 1.4.0 鈴音END

良かった点

  • 装備とスキルの二段のハクスラが上手く機能していました
    • 装備が導線、スキルがランダムの良さをそれぞれ担っています
  • 個別進行式のストーリーが良かったです
  • 戦闘バランスがちょうど良く難しいです

気になった点

  • スキルの整理ができると有難かったです
  • 報酬獲得演出がやや長めに感じました

レビュー

ハクスラで自分だけのビルドを目指そう

星空ダイヤグラムは自分の考えた最強のビルドを目指せるハクスラRPGです。
好きなキャラクターと好きな装備で、好きなスキル構成を使って攻略することができます。

プレイヤーは、夜空と呼ばれる世界に迷い込むことになります。ここでは世界の救出と帰還を目指して、路線に潜って修行しなくてはなりません。路線はノンフィールドダンジョンのようなものであり、各停車駅でイベントを発生させたり、敵と戦ったりすることで進行していきます。
同じような境遇の11人から好きなキャラクターを誘ってメンバーを構成し、この路線にひたすら潜っていくこととなります。

路線にはびこる雑魚敵も強力ながら、多くの場合は終点でさらに強力な敵との戦いが待ち受けています。特に、深度と呼ばれる難易度が上がると、一癖も二癖もある敵が相手となってくるでしょう。
そういった強敵に打ち勝つためには、装備とスキルの取得と選別が重要になっていきます。

装備はイベントで手に入ることもありますが、確実なのは路線の報酬を狙うことです。路線をクリアすることで得られる装備はある程度開示されているので、狙い目の装備がある路線に潜っていきましょう。
そうして自分のレベルに応じた深度に潜りつつ装備を回収することで、一つのループが構成されていくことでしょう。

このループに刺激を添えるのは、スキルの取得です。
スキルはイベントや戦闘後に完全にランダムで取得できます。それぞれのスキルには威力、防御力、回復、特殊能力など様々な性質やその強弱が与えられており、最大で50個まで覚えておけるようになっています。こうして取得したスキルの中から5つを選んで、戦闘に挑んでいくことになります。

また、誘ったキャラクターと一緒に戦っていると徐々に親密度が上がっていき、それぞれのキャラクターによる個別のシナリオが紡がれていくことになります。
意図しない限りシナリオが路線の最中に進行することはないため、ハクスラを楽しみながらも、一息ついたタイミングで進めていくことができます。

ある程度狙って手に入る装備で確実に強くなりつつ、ランダム性のあるスキルから自分好みの組み合わせを色々試す。
この完成されたハクスラループに取り込まれると、無限に遊んでしまうこと請け合いです。

星空ダイヤグラムは、装備やスキルを吟味して、そのシナジーを考えて組み上げることが好みの人にお勧めの作品となっています。
自分だけの強力なビルドを目指して、ひたすら路線に挑んでいきましょう。

感想

楽しいハクスラです。楽しいので時間が溶ける。ちょっと遊んだら寝ようと思ったら、いつの間にか次の路線に潜ってしまうゲーム。全部プレイしようとする人のトラップの一つ。

武器がハクスラなゲームは結構あるんですが、スキルまでハクスラなゲームはなかなか無いんじゃないでしょうか。
さらに、その二つのハクスラを、路線で比較的狙って取れる装備と、その路線内でランダムに一杯取れるスキルという形にしているのが良いです。
この装備欲しいなあと思えるから路線選びの基準にもできるし、次の目標を立てやすく、それを繰り返していると自動的に手に入るスキルはランダム性の強いハクスラを楽しめます。
これが装備だけだったらやらされている感が強そうで、スキルだけだったらランダムが強すぎて牽引力が弱くなりそうなので、いい塩梅だなあと感じています。

武器種は11と結構多く、メンバーは6人構成なので必然的に不要な武器も手に入るんですが、これがちゃんと売ればお金になるのも良いです。
お金の使い道もだんだん使わなくなるお店だけじゃなく、取得する武器種を固定できる奴への賄賂にも使えるのが良いです。ちゃんとお金を持っておくことへのリターンがある。

装備を集めているうちに強くなっていって、そうなるとより強い装備が欲しくなって、その間もスキル厳選は進めて、みたいな感じでハクスラするループが綺麗に作られているので、繰り返し遊びたくなります。

戦闘バランスも割とよくて、ボスがまっとうに強いです。発狂するとめちゃめちゃ強力になっているので、多分速攻を意識してそう。
また、デスペナルティは実質的にないので、路線の最後で強ボスに蹂躙されても笑って済ませられるのも良い。筆者は最初の方で恐竜に蹂躙されました。
ちなみに、終わりの方のボスは大体ギミック持ちなので、ちゃんと対策しないとレベル関係なく負けます。

個人的には自分のレベルよりちょっと深い階層に潜るのが好きです。
雑魚まで強いので、スキルによる立ち回りをかなり上手くやる必要があります。僕の考えた最強のスキル構成が試されるので楽しい。
ボスもかなり強いんですが、ちゃんとスキル構成を整えておけば勝てないこともないのでやりようがあって良いです。敵も強ければこちらも強い。

戦闘面とかハクスラ面はこの通りめちゃめちゃ楽しいんですが、スキルがあまりにもとれる分、その整理はちょっと面倒めではあります。
プレイ時間のそこそこがスキル調査と整理に充てられてしまっているので、もうちょっと使いやすいと楽だなあと。
構成と封印を同じところでできるとか、下位互換があったら自動的に封印してくれたりとか、いい感じにソートしてくれる機能とか、色々欲しくなってしまいます。
下位互換判定とかソートの種類とか、色々考えることは多いので難しいかもしれない。せめて、攻撃/盾/回復はソートされていると比較しやすいかなあと感じています。

あとは、報酬獲得演出が若干長めに取られている印象もあって、スキルは完全封印されるようならスキップですら良さそうですし、お金のカウントで別の尺がとられるのもちょっと煩わしいです。加算値を見せたい気持ちがあるなら、+表記も欲しいかもしれない。
ただ、このあたりは何度も遊んでいるせいで同じ演出に飽きているきらいもあるので、初見の演出としては十分な気もしています。

戦闘面でもこれだけ楽しいことを話せるんですが、ちょっとしたストーリーがちゃんと入っているのも楽しいです。
最初に選んだキャラクターの個別ストーリーが少しずつ進行していく形式なので、路線を楽しんでいる時に阻害されることはありません。物語を読みたい気持ちの時に読める。
この進めたい時にはちゃんと進めてエンディングまでの達成感を補助してくれる物語設計は好みです。

そして、それぞれのキャラクターの個性も際立っています。
そもそもが初手で出会うティレスが、初手で出会うキャラの濃さではない。みんながみんなキャラが濃い。ンゴンガはシュウゾウだと思っています。
メンバーに入れた面々は最初にいた人達が基本で、鈴音と空悟は好みで入れました。座敷童というか妖怪系と、中二病が好きなので。奇異太郎思い出しましたね。

なお、これを書いている最中にもプレイして他のエンドを回収しようとしていたんですが、レベルドレインするスキル屋の誘惑に負けて目下レベル上げ中です。
ボス倒して終わればいいのに、楽しいのでつい別のことやっちゃいますね。

ちなみにこのゲームは攻略情報が固まっていない時期にやることで、こんな特殊効果あるんだなとか、こんな鬼強いスキル使えるんだとか、色々発見があるので楽しいです。
全体化+リレイズ とか、CT1のCT解消スキルとか、手に入るとわくわくしますね。
何ならたぶん攻略情報見ないほうが楽しいまであるんですが、情報共有しながら進めるのも多分楽しそうだなあと思っています。在りし日のゲーム攻略情報共有する感覚。

刀に全てを委ねた図。これで勝てた時が一番気持ちが良い