第14回ウディコン全作品レビュー - Helios Order -賢者の石と輝炎の王-
14. Helios Order -賢者の石と輝炎の王-
ジャンル | 作者 |
---|---|
RPG | 綺人 |
プレイ時間 | プレイVer | クリア状況 |
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6時間30分 | 1.04 | クリア |
良かった点
- 良い王道ファンタジーであり、良い戦記物でした
- きちんと戦記をRPGで表現しています
- 雑魚戦も含め、戦闘バランスが火力偏重で良かったです
- 使用スキルでステータスが上昇する仕組みは面白かったです
- 雑魚戦でも手段を考えるきっかけになります
気になった点
- 相互変換可能なオーブが変換の手間だけが存在するものと感じられました
- スキルのために個数確認、変換、習得の手間が発生します
- 負けイベントに勝てそうでした
レビュー
王道戦記物RPG
Helios Order -賢者の石と輝炎の王- は、王道と呼ぶに相応しい完成度のRPGです。
世界観が王道ファンタジーであり、物語が王道戦記物であり、そして何より作りが王道のRPGとなっています。
舞台となる世界は、四方八方が潜在的脅威に囲まれたレムリア大陸です。その大陸の辺境にある森の中、記憶を失った状態で主人公が目覚めるところから物語は始まります。
その辺境の森での出会いから、主人公はやがて大きな戦乱に身を投じていくこととなります。
このゲームの世界観や物語はファンタジー然としながらも戦記物の性質が色濃く、大きな戦いのさなかの少数精鋭部隊として主人公たちのパーティは戦っていきます。
戦闘はCTB形式で進んでいくため、ターンを読んで戦略的に立ち回れると有利となります。
この戦闘において重要となるのは、使ったスキルに応じてステータスが成長するということです。
物理技を使えば攻撃力が、魔法を使えば魔力が、それぞれ上昇していくこととなります。このため、雑魚との戦いにおいても成長のことを視野に入れた戦いが求められます。
また、敵を倒すなどで手に入る様々なオーブを使うことでも、対応するステータスを上昇させることができます。
ただし、オーブはスキルの習得にも使うことができます。ステータスを上げて能力値でねじ伏せるか、スキルを使ったテクニカルな戦いを目指すか、オーブの使いどころはプレイヤーの手に委ねられています。
このような王道に留まらないシステムを導入しつつも、Helios Order の骨子はまごうことなき王道であり、そういった貫かれた王道が好きな方にはお勧めです。
戦争の中を切り抜けて、その王道の世界観に隠された秘密を解き明かしていきましょう。
感想
良い王道です。戦記物としてもそうですし、RPGとしても凄くまっとうでした。
世界観はファンタジーものとして良く、周囲がほとんど敵国のアメストリスみたいな状況は戦記をやる上で良い環境でした。
もっとも今回の物語はその中の一部のエリアの話になるわけですが。
また、ちゃんと戦争をやりつつ、RPG的な少数精鋭行動スタイルの展開を用意しているので、あんまり無理が生じずにRPGを遊べます。
これは結構大事で、RPGのための単独行動じゃなくて物語に組み込まれたというか戦いの中に組み込まれた行動と展開なので没入感がありました。
個人的に好きなのは、なかなか熱い展開の後に戦うリバイバルログです。あれはネタなのかな。
キャラクターも良くて、最初の方でディーンにベットしていたので途中の展開で楽しめました。こういう軟派は決める時は決めてくれるので好きです。エドガーとか。
あとは、なんやかんやエヴァが最初の独断専行以外はまともに行動するタイプで驚きました。もう少し軽率に行動するタイプだと思っていたら、場面に応じてちゃんと動けるタイプでした。
戦闘システムも結構面白くて、特に使う技に応じてステータスが変わっていくのが良いです。
雑魚戦でもどの攻撃使うかを考えることに意味があって、かつそこそこ雑魚も強いバランスになっているので戦闘が楽しめます。戦闘終了後全回復するからこそできるバランスという感じ。
カウントタイム制なのもあって、割と戦略的に戦えます。
戦闘においてはコンボまで覚えられると強くて、そこまでいけば、ほぼスキルの入れ替えが必要なくなります。主人公のリーサルまでの流れの火力が高くて、エヴァのソニックが優秀なつなぎとして機能するので、主な火力源になりました。
後はアイテムが強いです。回復魔法が基本的に弱い行動で、全体回復手段が実質的にアイテムしかありません。速度も速いので、全体回復をばら撒く役がいると捗ります。
なお負けイベントもちょっとあるんですが、負けイベントの割には勝てそうなのが気になりました。特に最初の長髪、普通に勝てそうだった。もしかしたら勝てるのかも。
勝てそうな負けイベントの何が問題かというと、アイテムを無駄に使うことになるあたりです。どうせ負けるなら先行一閃で薙いでほしいです。
他の細かいところだと、瞑想から瞑想に入れるからある程度回す時は楽なところとか、ちゃんと戦闘内容は図を使って説明するところとか、寝る前は帽子取るところとか、色々ちゃんと作られている印象です。
もちろん鎧は脱がないんですけどね。
システム的には成長のためのオーブを相互変換できるんですが、そうであるなら共通オーブにしてしまっても良いのかなと感じていました。スキルに必要な量を確認してから変換し直すのがちょっと面倒。
しかしエアフェル、エアラフェルというRPGがあるので呼ばれるたびにそれを思い出していました。