第14回ウディコン全作品レビュー - 影忘師

32. 影忘師

ジャンル 作者
謎解き探索ホラー eichi
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 2.01 ふつうでGOODエンド

良かった点

  • 謎解きが本格的で、頭を使うので楽しかったです

気になった点

  • メニュー周りも含めて操作性があまりよくありません
  • 最後の迷路の動機付けがありませんでした

レビュー

追い回されながらも謎を解け

影忘師は、追いかけられながらも謎を解いていく探索ホラーゲームです。

閉じ込められた学校から脱出するために、主人公は校舎の中をさまようことになります。
校舎にある特定の教室には謎解き要素が置かれており、これを解くことができると、攻略に有用なアイテムなどが手に入ります。
謎解きは本格的で、頭や知識を使うものとなっています。そうした謎を、どんどんと解いてきましょう。

一方で、後者を脱出するためには謎解きの問題となる写真を集める必要があります。
写真を入手するには、ある決められた箇所でカメラを使わなくてはなりません。写真の取れるポイントを探して、隅々まで歩き回ってみましょう。手に入れたアイテムが役立つこともあるかもしれません。

そうした謎解きや探索を妨害してくるのが、散在している黒い存在です。彼らに追いかけられ、触れられてしまうと体力が減るため、きちんと逃げていく必要があります。
彼らから逃れつつも、謎を解いて校舎からの脱出を目指していきましょう。

感想

謎が割と本格的なゲームです。いきなりノーヒントで元素周期表ベースの問題出されたり、なぞなぞよりは知識を要求されるレベルな印象でした。学校が舞台なので、そういう謎が多いんでしょうか。

謎解き自体は脳みそを使うので結構楽しく、頭をひねりながら考えることができました。
少なくとも謎解き中であれば大体は停止した画面の中で考えることができるので、ある程度集中できます。一部謎解きは移動ベースなところもあって、そこでは影が邪魔で思考が散ります。

謎解きの難易度自体はピンキリで、直感的に理解できるのもあれば、沼に入ると抜け出せないものもあります。
ヒントめいたものが無いので直感に頼る必要があって、そこそこのエスパーも要求されがちですが、理不尽というほどではありません。題意をくみ取れば何とでもなります。

影に関してはいわゆる鬼ごっこなんですが、各所にいるので障害物みたいな扱いにも感じます。接触ダメージが一撃アウトでない以上、ある程度ごり押せるよねという配置っぽい印象です。
謎解きのために影を誘導して動かさないといけないのはそこそこストレスで、アクションと謎解きがあんまり良い混じり方をしていない感じでした。謎解きさせたいのか追いかけっこさせたいのかが良く分からない。

あと、操作性がやや悪くて、Xでメニューを開けるのにマウスでしか閉じられません。
また、中クリックで写真を撮れるんですが、これが撮れない位置なのか単純に撮れないのかが判然としません。写真が撮れないなら何らかのリアクションがないと、操作キーが間違っているのか、操作手順が間違っているのか、そのあたりが不明瞭になります。中クリックは基本誤爆しないと思うので、そういうリアクションがあっても良いのかなという風に思います。

他方で、そうして謎解きをアイテム取得のためのものと学校中を探し回って取得していくものに分けているのは結構面白くて、そこそこ見逃しても最後の謎さえ解けていればクリアはできます。
謎解きできない場合でも、鬼ごっこに勝てればほとんどの謎を解く必要がありません。

なお、個人的に最も気になっているのは、最後の迷路です。
ノーヒント、暗がり、時限、誘導無し、超広大迷路はかなりやる気をそぎました。感覚的には、縦80x横50以上ある感じがします。
The Pillar というゲームでも最後の最後に明滅する中迷路をやらされたんですが、不自由な広大迷路のゲーム性が本当によく理解できていません。
一見して把握できるサイズならそれを解く、RPGならエンカウントに耐え凌いで通路の結果に一喜一憂する、狭いけれどマッピング必要、迷路ではあるが見目が異なるので飽きない、みたいな動機付けがあればいいんですが、ただシンプルに広い変わり映えしない迷路を歩いて解く楽しさはどこにあるのでしょう。

しかし、シューベルト、今はショーベルトって呼ばれてるんですね。知りませんでした。