第14回ウディコン全作品レビュー - Proto story

33. Proto story

ジャンル 作者
RPG みず
プレイ時間 プレイVer クリア状況
3時間30分 2.1.5 クリア

良かった点

  • オーソドックスながら色々な要素が入っています
  • 尖った戦闘バランスをしていました

気になった点

  • 武具の重複アイテムを一つずつしか売れないのが解せないシステムをしています
  • ドロップ率がだいぶ渋いです
    • 特に序盤が顕著でした

レビュー

シンプルながら要素はいろいろ

Proto storyは、オーソドックスなRPGです。
全体としてはシンプルな設計でありながらも、要素が盛り込まれている作品となっています。

ゲームとしては雑魚敵が強めの、戦闘に重きが置かれたRPGです。そうした強い雑魚敵を処理しつつ、強大なボスへと挑むには、様々なシステムを活用していく必要があるでしょう。

まず装備を強化するには、敵が落としたり、ダンジョンで拾ったアイテムを活かして合成を行いましょう。強い装備は基礎的な戦闘能力を向上させます。

また、効果的でバランスの良い戦略を立てるには、メンバー編成が肝要です。各地でメンバーを勧誘しつつ、それぞれの特徴を考えて組んでいきましょう。
控えのメンバーにもある程度経験値が入るため、比較的気軽に入れ替えが可能です。

そして、安定した戦闘のためにスキル構成を変えたいのであれば、スキルボックスが有用です。
一人につき二つまでランダムなスキルを付与できるので、足りない部分を補うにせよ、尖った部分をより先鋭化するにせよ役に立ちます。

これらのシステムはそれぞれ味付けがシンプルなため、肩ひじ張ることなくサクサクと進めることができます。
メンバーを整え、合成で装備を充実させ、スキルを上手く活用して、強力な敵を打ち倒していきましょう。

感想

シンプルと言いながらも、色々と要素の入ったRPGです。
要素要素の味付けはシンプルですし、物語とかはかなりシンプルな印象ではあります。

オーソドックスめなRPGではありますが、合成、メンバー編成、そのための仲間集め、スキルボックスなど、意外といろんな要素はあります。
各地を回るといろんなメンバーが集められ、各メンバーは戦闘時にメンバーに入れていなくてもある程度成長するようなので、色々構成を後から変えることもできます。この辺で自由度が高いのは嬉しくて、詰まった場合でも気軽にメンバーを誰にするかという単位で戦略を練れます。

戦闘バランス自体は大味な印象で、めちゃめちゃ強いかそうでもないかの二択という感じです。
しばらくは雑魚も強くて、途中からは雑魚が強いけどボスは弱いバランスで、最後のラスボスだけはやたらと強くなっています。
全体を通してはかなり尖った印象を受けていて、雑魚戦はシビアで楽しめです。中盤のダークマウスの乱数依存攻撃で壊滅的被害を被るのも乙なもの。
ボスは中盤以降弱い印象があるんですが、雑魚が強すぎるからそう感じているかもしれません。ただそれでも、個人的にはボスより雑魚のほうがきついシチュエーションが多い気がしています。

そうした弱いボスの一方で、ラスボスに関してはいまだに想定解法が良く分かっていません。
バフデバフをつけなきゃ瞬殺されるんですけど、そもそも速度も速いので初手で全体攻撃されると詰みます。ここは運かもしれない。
なんとかバフデバフを付けたとしても、クリティカルを食らってしまうと詰みかねません。ここは運かもしれない。
ここまできたら、その状態で可及的速やかに殴りつつ、バフデバフ、挑発を切らさないように立ち回ればいけます。筆者は最後にクリティカルで壊滅したけれど、生き残った二人でかろうじて倒しました。なかなかの激戦。

そういう経験と実際に戦ってみた印象をもとに、クリア後の強敵については倒せるビジョンが浮かんでいません。これはもう、全パーティの能力を研究しつくさないと無理なのでは。

続いてシステム面について言及すると、この形式の売り買いで武具系の重複アイテムを一つずつしか売れないのは解せないなあと思っていました。
あとは、町移動については移動の鈴前提の配置している印象です。移動の鈴が大変便利なので買いこんでおきましょう。

個人的には、ドロップ率が渋いなあとも思いました。
ドロップ率1%、通常プレイでは落ちないって意味だと思っています。MMOのドロップ率みたいな数値というイメージ。
この数値は期待値に届くまでに69回の戦闘がいるので、まっとうにやっているとなかなかお目にかかれません。ドロップ率向上アビリティがあるとはいえ、さすがに渋すぎるような気がします。
実際、ドロップ率2桁クラス以外からドロップした印象はほとんどないので、序盤の合成はあんまりできませんでした。

細かい点で言うと、取得SEが無いのが寂しいです。毒消し草を2個手に入れたはずなのにあんまり喜びがなかったり、仲間がせっかく増えてもいやにあっさりしています。
そこはシンプルとはいえど削ると、獲得感とか達成感が消え失せるんだなあという気持ちになりました。

全体的には割と遊びやすく、色々とメンバー構成やスキルの使い方を工夫して戦うことができるので楽しかったです。
ラスボスは強いんですが、何ともならないでもないと感じたので挑戦できたところがあります。こちらも強いスキルを色々持つことができたので。
正直、こちらも強いスキルを選べている、という自覚が無ければ倒し切れなかったかもしれません。

ラスボスとの激戦