第14回ウディコン全作品レビュー - 午後の死

43. 午後の死

ジャンル 作者
転売RPG みずゆ
プレイ時間 プレイVer

良かった点

  • 独特な世界観です

気になった点

  • 銃だけをもって敵と戦うと詰みの起きかねない設計をしています
    • 逃げるがないのはともかく、敵がこちらにダメージを通せないことがあるのが要因です

レビュー

シャンパンは昼下がりのご馳走です

午後の死は、説明の難しいRPGのようなものです。
上記のジャンルに記載してある転売RPGですら、十全に説明できているとは言えません。

このゲームに目的があるかは定かではありませんが、やることは存在します。
広大なマップをさまよい、ポツンと存在するタンスなどからアイテムを拾うことで、そのアイテムを転売することができます。そうして得たお金は武器や弾薬に変えられ、マップ内で遭遇する敵の撃退に役立てられます。
そうしてマップをさまよってアイテムを拾っていくうちに、ストーリーも展開していくことでしょう。

その手段の虚しさを表すように、この作品では始終虚無的な感覚にとらわれることになります。ナンセンスでもなければ、意味が明瞭なわけでもない、そういった徹頭徹尾独特な世界観に呑まれていきましょう。

感想

独特というか突拍子もない世界観ながら、突き放しきってはいないギリギリの塩梅を保っています。
理解できないわけではないけれど、常識というか、こうありそうというところからは外れている感じでした。

プレイ後の感想としては、何すればいいのか分からないうちにイベントが始まって、いつのまにかクリアっぽい感じになるゲームという印象です。
特定イベントのトリガーがどこなのか未だに判然としていないんですが、多分友達な気がしています。脈絡はないですが、それはそういうものなので。
後半のイベントのトリガーは割と分かりやすい気もしつつ、そもそもイベントをこなすことそれ自体に意味があるのかすら良く分かっていません。クリアなんてものはないのかもしれない。

戦闘はだいぶ尖っているというか説明がなく、銃だけ持って特攻すると弾が無いので詰みます。敵の火力が低いと、こちらもやられないのでリセットしかできなくなる、ということも起き得ます。筆者はこれで一敗して最初からになりました。
銃を使うためにも、ちゃんと補充はしておいた方が良いです。弾薬は高いんですが、漁ると無限に出てくるので、それで押し切るのが良さそうでした。

ゲーム中に出てくる転売アイテムはいろいろと危ないネタが多いんですが、全体を漂うシュール感で幾分か緩和されて、それほど危なくは感じていません。
ワードサラダに変な単語混じっていても気にしないのと似た感じで、それらのネタに強い指向性がないからこういう印象なのかなと感じています。

ワードの選択とか、それぞれの向きとか、ゲーム中の扱いとか、そういったものに脈絡が無いので意志というかベクトルが見受けられないということに、こういった面白い利点があるとは思いませんでした。
全体的にネタを無作為にばら撒いて、疎結合で繋げて、それぞれのバランスが危うい中で世界を成り立たせようとしている良い意味で妙な雰囲気があります。

出てくるものについては、解釈したければいくらでも解釈可能なのだろうとは思っています。
例えば映画チケットについて、拾うと一度に大量に手に入る割に儲けが少ないのが、プぺルめいているのかなあとか、草原がやたら広いのは売るもの欲しさに東奔西走する転売ヤーを揶揄しているのかなあとか、色々と考えようと思えば考えられそうです。もちろん意味などないのかもしれません。

ちなみに、最大まで金を貯めてもキャップがあるのでゴムガトリングが買えないのは仕様なんでしょうか。
全てのものに対してかなりざっくりとした値段がついているので、狙ったものなのかそうでないのか判然としません。

それにつけてもwitter、何の意味もないけれどとりあえず覗いてしまいますね。現実に即しています。