第15回ウディコン全作品レビュー - 九色カーズレボリューション

21. 九色カーズレボリューション

ジャンル 作者
RPG プルゲーム
プレイ時間 プレイVer クリア状況
4時間 1.04 ノーマルクリア

良かった点

  • ガチャの演出が凝っています

気になった点

  • 道が狭い中でランダム移動するキャラクターが多く、移動の妨げになっていました
    • 半歩移動で完全ブロックされるのが特に厳しいです
  • ダッシュとスキップが同じキーに割り当てられているため、ダッシュしながら会話するとスキップが誤爆します
    • 会話のスキップ開始はトリガー判定のほうが良いかもしれません

レビュー

強キャラ引くまでガチャ回し

九色カーズレボリューションは、ガチャで味方を引き当てるRPGです。
そうして味方を集めて戦闘に挑み、勝利を重ねることでクリアを目指していきます。

メインとなる戦闘のシステムは、やや複雑な属性相性を軸として構築されています。敵とこちらのメンバーの属性相性いかんによっては苦戦を強いられることもあるでしょう。
しかし、ガチャを引き、相性的に有利なキャラあるいは強力なキャラを引き当てられたのであれば話は別です。前者なら相性で有利に進め、後者ならキャラパワーでごり押せます。
特に、ガチャで運良く強いキャラを引けたのであれば、そのキャラを中心に戦略を構成するのがお勧めです。

なお、相対することになる敵の大部分はガチャで引けるキャラクターでもあります。このため、終盤は手持ちの高レアリティが敵として登場し、難易度は上がっていきます。
そういった強敵に対応するためにも、ガチャを積極的に引いていきましょう。レアリティの高いキャラクターのステータスは極めて高く、強敵と渡り合うには欠かせません。運悪くダブったとしても、重ねてそのキャラを強くすることもできます。
勝てない相手が出てくるようであれば、リソースを集めてガチャを回すのが良い選択です。

そうして敵を倒し、ボスを攻略してストーリーを進めれば、陰謀論風味のバックボーンを持った物語が展開していきます。
ガチャを回して強いキャラを集め、物語を先へと進めていきましょう。

感想

ガチャの演出がやたら凝っている作品です。それ以外の演出も色々と凝っている部分があるんですが、ガチャのそれが持つソシャゲ系を彷彿とさせる演出力は見目も含めて一番楽しかったです。
種族ムービーも含めて、好きなところに好きなだけこだわったという意味ではかなり尖った作品だなと感じていました。

戦闘システムは属性相性による戦略性のあるバトルという名目ですが、その実としてはレアリティで殴るカードゲームです。そこもソシャゲっぽい。低いレアリティのカードは序盤くらいしか使わず、最終的には最低でも神は欲しいくらいの温度感になってきます。
一応属性相性はありますが、それより格の高いカードのスペックを使い倒したほうが強い印象です。ソシャゲ踏襲のエミュレート力が高い。
与太ですが、どうせソシャゲに寄せるなら敵に応じて特攻のカードとかいたらバリエーションが出たかもしれません。

戦闘バランスについては序盤はやや難しくてサラヲがそこそこ鬼門で、それ以降はさほど難しくなくラスボスだけめっぽう強い、くらいの印象です。
サラヲはガチャのカード運が悪いと突破は困難ではありますが、運である程度戦えるところもあります。特にこのゲームは回復ですら必中でないので、運が悪いとそれだけで負けることもありました。試行回数を重ねるのも大事。
ラスボスについては毒をいかに通すかと、会心でワンキルもあるのである程度のお祈りがいるようなバランスに思えました。毒が強いゲームだ。

シナリオは諸々突っ込みどころのあるキャラクターがいろいろ出てきてくるタイプです。キャラ造形が偏見のそれで固められているようなイメージで、何となくネットミームっぽいものも多く練り込まれているような気がしました。
個人的には主人公が他責思考強めであったのが、いまいち感情移入しにくいポイントでした。資本主義がどうのと言っている相手に対してトラウマを打ち倒すという目的で倒し、その舌の根も乾かないうちに働け無職と言っているあたりの一貫性の無さも辛い。口調もころころ変わるので、多重人格持ちを中盤くらいまで疑っていたところがあります。

ただ、トラウマというか心の敵と戦った後に晴れ渡る演出はその前の鬱屈した演出も相まって爽快で良く、その爽やかさでもって次のステージに進んでいけるのは好きでした。すっきり気持ち良くステージを終われるというのは大事ですね。

後は、ダッシュとスキップが同じキーに割り当てられていて、ダッシュしながら会話するとスキップが暴発するところや、2マスの道にランダム移動するキャラが半歩移動で配置されてブロックされるところなど、細かいところで引っかかりを覚えていたのも個人的には若干辛いポイントでした。
イベントとその先の戦闘がメインのゲームなので、それとあんまり関係ない所でちょっとずつ体験が阻害されているような印象です。