第15回ウディコン全作品レビュー - 女神の迷宮

29. 女神の迷宮

ジャンル 作者
ハクスラRPG Karukus
プレイ時間 プレイVer クリア状況
6時間 1.0.14 冒険者クリア

良かった点

  • 難易度を上げたメリットがあるというのが面白かったです
    • 通常難易度とみられる冒険者では歯応えがありつつも突破できる良いバランスでした
  • エンチャント装備を使いつつ、適度に装備を更新していくハクスラが楽しめました
  • 装備のバリエーションや個性が豊かで面白いです
    • 道連れのキャラクターも個性豊かでした

気になった点

  • ダンジョンが殺風景でやや広い印象を受けました
    • 一部ダンジョンはその限りではありません
    • 特に広い部屋で周囲を確認しても何もないといったことが良くあったので、ミニマップなどがあると緩和されるかもしれません
  • 料理を一気に食べさせたくなることがありました

レビュー

装備を回してダンジョンに挑もう

女神の迷宮は、装備をベースにしたハクスラ風味のRPGです。
迷宮に潜り、装備を拾い集めてパーティーを強化してその攻略に挑む流れとなっています。

迷宮はランダム性のあるダンジョンとなっており、彷徨っているとランダムエンカウントで戦闘が始まります。
この戦闘を切り抜けながら迷宮を進んでいき、最奥まで到達できればクリアとなります。最奥には強敵であるボスが待ち構えていることもあり、そのクリアは一筋縄ではいきません。
また、そこそこ火力が高いバランスのもと戦闘が進行するため、油断していると雑魚にも手痛いダメージを負うことになります。消耗を最小限に抑えるには、適度にリソースを切りつつ油断せずに戦うのが肝要となるでしょう。

こうした困難に満ちた迷宮を攻略する最大のカギとなるのは、迷宮に点在する宝箱から入手できる装備です。
グレードアップした装備が拾えることはもちろんパーティーの強化につながりますし、場合によってはエンチャント効果と呼ばれるものが付いたレアリティの高い装備を拾うこともできます。
エンチャント効果は、シンプルなステータスの向上から状態耐性までランダムで付与されるため、強力なエンチャント効果が付いた装備を手に入れることができれば、攻略は一気に楽になります。
雑魚との戦闘による消耗に耐えながら、宝箱を求めて迷宮を探し回っていきましょう。

また、攻略にはパーティー編成も重要です。近接のファイター、防御のバスティオン、補助のメイド、魔法のウィザードなど、いくつかの職種から4人までを選んでパーティーのメンバーを構成できます。
バランスよく前衛と後衛を整えた態勢であれば、道中もボスも戦いやすくなるため、これがスタンダードな攻略スタイルであると言えるかもしれません。
しかし、後衛だけや脳筋だけといった偏ったパーティーで攻略することも可能です。好みのメンバーを選んで迷宮の攻略に挑みましょう。

迷宮でたくさん拾える装備の中から、エンチャント効果も加味しつつ自分なりに取り回していき、雑魚やボスとの戦闘をより有利に進めていくというループが回るハクスラが魅力的な作品です。
また、装備を積極的に取り換えて性能の強化を図っていく中で、運良く強力な装備に出会える楽しみもあります。
装備を積極的に拾っては回していき、迷宮最奥のボスを打倒していきましょう。

感想

無心でダンジョンに潜ってハクスラするのは楽しいので、そのループに上手くハメてくれるこの作品も楽しいです。
相手の火力が高い代わりにこっちの火力も高いバランスをしているので戦闘のテンポも良く、武器の吟味を適度にしながらダンジョンを突き進めます。特にメディックが中盤くらいで習得する自動回復が入ると、戦闘後のメニュー開閉すら不要になるので凄く快適に周ることができました。

筆者は中盤まではグラップラーによる最大火力をバスティオンで補佐し、メディックが回復しつつレイダーが良い感じに立ち回るムーブで進めていました。グラップラーの連続攻撃で火力は大体担保されるので、バスティオンがちゃんと周りをケアできていれば割と問題なく動けます。
ただ、相手の火力もそこそこあるのでバスティオンに集中放火されると怪しい時もあり、冒険者でこれなので超克者だとより厳しそうな印象です。もう少し考えた立ち回りがいるかもしれない。
レイダーは強奪で採用しているところが大きかったのですが、メッセージが流れるのが早くて何を獲ったのかはよくわかっていませんでした。多分換金か固有ドロップを盗んでいるはず。雑魚戦ではむしろ巻き上げるを連打するのが、全体攻撃なのもあって強いムーブに感じました。

また、中盤以降はレイダーを葬儀屋に差し替えた攻撃に比重を置いた編成にしています。中盤あたりから雑魚が苛烈なのもあり、基本的に高い火力で相手を先に殲滅させていくのが大事だと感じました。下手に相手が残ると高火力の一斉被弾でピンチになりかねない。
バスティオンがいればデコイさせて1ターンくらいはもつので、そこを正念場とばかりに殲滅していました。
正直一体しか存在しないラスボスより、道中で大量に出る雑魚敵のほうが怖く、撃ち漏らすとあわや全滅というところまで来ます。あな恐ろしい。

拾える武器のバランスも良く、ネームド装備を拾ってはとっかえて使いつつ、適度に性能差で回っていく良いハクスラが楽しめます。
4人ぶんの5ライン装備くらいが思考のちょうどいいラインな感じがしていて、これ以上増えると大変になるギリギリのラインを突いている印象です。
実は付加効果まで加味すると考える範囲が広がるところもあるんですが、それより性能差が目に入るので上手く回転するという面がありました。感覚的には付加効果も加味して状態異常耐性なども表示されるリッチなステータス画面がある方が良さそうにも思えるんですが、プリミティブなパラメータだけが見える簡素なものだからこそ、装備をアレコレ入れ替えられるという節もありそうです。状態異常耐性が減るのが目視出来たら、装備の入れ替えにちょっと躊躇しそう。

パーティーメンバーを自由に組み替えられる都合上、ダンジョンでは割と死に武器を拾うこともあります。筆者が葬儀屋とグラップラーを入れるというピーキーな選択をしているのが悪いところもありそうですが。
グラップラーの武器ドロップは特に渋くて、最後の最後にようやっとエンチャント付きのものを拾えるレベルでした。ほぼずっとパワーフィストで通していたし、何なら左手は最後までパワーフィストです。よく戦力になったなあ。
そういう意味では一つだけ強い武器が落ちれば十分な葬儀屋は優秀でした。全体攻撃がちょっとでもかすると瀕死になるスリルはありますが。

ダンジョンについては割とだだっ広いという印象があり、結構歩き回ることになります。その割には殺風景なので、このあたりの探索の楽しみはあまりないかもしれません。アイテム回収と戦闘のための場所という感じ。
その分、研究所みたいなデザインされたランダム性があると割と印象が違うので、そういうのが間に入ってきていた点は良いメリハリに感じました。
特に広い部屋だと階段が無いか確認するために無駄な移動が挟まれてしまうことが多く感じたので、ミニマップのようなものがあれば多少印象が変わったかもしれません。探索した感じも出そう。

後は、個人的に好きな点を挙げていくと、難易度を上げるとちゃんとメリットがあるのが良いです。エンチャント入手率が上がるという玄人好みっぽいところを突いているのも良いところ。
ゆかいな仲間との共闘も結構楽しく、ユニークな能力がその時限りで使えるのが楽しいです。RTA走者はキャラクター性も相まってインパクトが強いですね。ちゃんと変な技も持っている。RTA走者を仲間にしている間は本当にRTAしてる気分になったせいか、戻ることなくダンジョンの最後まで突き抜けていました。