第15回ウディコン全作品レビュー - 亡者の行軍 Invasion from OtherSide

53. 亡者の行軍 Invasion from OtherSide

ジャンル 作者
RPG 雪見大介
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.25 10日でクリア

良かった点

  • 様々な要素が渾然一体となったカオスな世界観が魅力的です
  • オープンな世界を回っていく楽しさがあります

気になった点

  • ラストパートが長めなので、リザルトをもう一度見るハードルがやや高めです
    • クリア後に何らかの手段でリザルトだけ確認したくなりました
    • 宝箱やヌシを回収したい、クリア後にやり込みを始めるプレイヤーでない限り問題はありません

レビュー

自由に探索

亡者の行軍 Invasion from OtherSide は、オープンなシナリオとカオスな世界観が融合したRPGです。
タイトルにある亡者に加え、クマや妖怪も飛び出る混沌としたオープンなマップを探索していくことになります。

この開けたマップ上において、どこに行って何をするかはプレイヤーにほとんど委ねられています。いきなり奥地まで進んでアイテムを集めるも良し、とりあえず近場を探索していき足元を固めるも良し、好きなプレイスタイルでもって攻略に挑めるでしょう。
加えて、エリアごとの攻略法そのものにも自由度があり、一つの課題に対して複数の回答が用意されていることもあります。正面突破やスキルを使った搦め手など、これまた好きな手法でもって攻略していくことができます。

そうした攻略の壁として立ちはだかるのは、各地で発生する戦闘です。回復リソースが限定的な分、雑魚を相手取っても緊張感のある戦いになってきます。
特に、各エリアの攻略において最大の障害となるであろうボスは強力であり、相応の準備をもって挑むことになるでしょう。
そういった強敵との戦闘にあたっては、リソースを消費する代わりに大打撃を与えられる銃の使いどころが肝心です。苦戦する相手に対しては、温存することなく迷わず使っていきたいところです。

とにかく自由にマップを探索し、自由にシナリオを進めていくことのできるゲームです。個別具体の攻略法もまたプレイヤーに委ねられています。
心の赴くままに探索し、準備を重ね、ラスボスに挑んでいきましょう。

感想

フリーシナリオRPGとして、どこに行っても良く、何をしても良い感覚が得られるゲームでした。
とはいえ目的もなく放り出されるわけではなく、明瞭な目的に対してどういうアプローチで攻略するかという面においての自由度があります。割と適当に回っても色々見つかるようにはなっているので、いろんなところに手を出して気ままに探索していくのが楽しいです。

とにかく攻略法がいろいろありそうなのが良く、プレイヤーの進め方や考え方やビルドの方向性などで解き方が変わってきます。例えば筆者は鍵開けで屋上の警察官を倒しましたが、多分ロープなりで登るという選択肢もあるでしょう。
加えてフィールドもそこそこの広さがあり、ここも回り方は人それぞれになってきます。ちょうどいいレベルでプレイヤーに選択権が渡るので、適度な自由度を得て探索していくことができるようになっていました。
また、フィールド上においては、行くべき場所というか接続点は分かりにくい状態にはありますが、そこはUIで補助しています。このため、近づきさえすれば接続面はだいぶ分かりやすいのが良いところです。
なお、時間の概念があり、日数経過に応じた時限イベントがないわけではないようですが、デメリットは無いのでそこは安心できます。

筆者はそこそこちゃんと歩いたつもりでしたが、割と取り逃がしていました。
特に、トレジャーを9逃しているのでまだまだ探索は足りません。ウナギを渡しそびれたのと、開けてないエリアがいくつかあるのは覚えていますが、記憶もだいぶ曖昧でした。このあたり、どこに何があるかメモっておくべきだった気はします。
一方で、戦闘面では各地の妖怪は結構倒しておきましたし、月無し以外は討伐しています。月無しは一回遭遇して壊滅的被害を被ったので撤退していました。アレは強い。

シナリオ面はやや薄めですが、その分背景情報は色々あるので考えを巡らせることもできます。
また、状況がしっちゃかめっちゃかなのも良く、 警察は機能してないしよくわからん亡者はいるし妖怪は出るしの大渋滞です。相対する敵もそれ相応にバリエーションに富んでいる上、ラスボス周りできっちり回収もされました。
カオスに近い状況にもかかわらず、上手いことまとめて最後の展開につなげている剛腕は素晴らしいの一言に尽きます。
また、オープニングのカーチェイスなど、細かい部分の演出力も高い仕上がりになっていました。

戦闘面では探索も含めてSPが希少で、釣りもそうなんですが効率は悪めです。戦闘で使う場面はかなり限られており、庇うか応急措置がメインになりそうです。そのため基本的に殴り合いになりやすいバランスとなっています。
一応、デメリットなく日数経過で全回復できるので、SPなどのリソース管理にそこまで気を遣う必要は本来ないんですが、なんとなくリソースをケチって戦いたくなっていました。

その一方で明確にリソースを管理して強敵に切るべきアイテムとして銃が存在し、これが極めて強力なのが良かったです。ラスボスエリアでは、そこそこセーブ禁止区間が長いので、これをどこで切っていくかが攻略において大事になってきていて、使った時の破壊力が印象に残るようになっていました。
そして、セーブ禁止のラストエリアとわかっているがゆえに、ラストエリクサー症候群に陥らずに、魚だの熊の胆だのを遠慮なく使えるのも良かったです。ここまで貯めてきたリソースをフル活用してボスに挑めます。

しかし同じウディコンで土雲被りすることがあるとは思いませんでした。日本神話のブームが来てるのかな。