第15回ウディコン全作品レビュー - SICS(シックス)~特殊事件対策係~

54. SICS(シックス)~特殊事件対策係~

ジャンル 作者
ガンシューティング お魚UFO
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間30分 1.16 クリア

良かった点

  • ガンシューティングとして完成度が高かったです
  • 怪生物を始めとしたグラフィックで良い雰囲気を作っていました

気になった点

  • 当たり判定が直感的ではない、ないしは当たった時の手ごたえ感が薄い印象を受けました
    • ヒット演出が弱く、敵のノックバックなどもないので、じっくり見ないと攻撃が有効打なのかをいまいち確認できません
  • 上方にいるボスが多いのですが、上方向を向いた時の主人公のモーションが一番動きが無いので攻撃しているかが分かりにくくなっていました
    • 他方向だとエフェクトなりモーションなりでリアクションがあるのですが、上方向だとSEだけとなっています

レビュー

怪生物を撃ち倒せ

SICS(シックス)~特殊事件対策係~は、迫りくるゾンビや怪物を撃ち倒していくガンシューティングです。
マップを徘徊する敵からダメージを受けないように立ち回り、困難を排除していくゲームとなっています。

ゲームの基本的なシステムは見下ろし型のガンシューティングであり、手持ちの武器と敵の位置やその距離感を加味して上手く相手取っていくものです。ただし、倒すことは必ずしも必要ではありません。シナリオ進行のためには移動と探索で十分なこともあるので、銃の弾薬を節約するためにも時には逃げることも大事です。臨機応変に立ち回りましょう。
それでも進行の上で障害となる敵を倒す場合は、多様な武器を使いこなすことが大事です。ゲームの進行とともに使える武器は増えていくので、適宜使い分けていきましょう。なお、ガンシューティングではあるものの武器の中にはナイフなどの近接装備も用意されています。被弾の可能性が劇的に高まるリスクはありますが、弾薬消費を抑えたい時は積極的に活用していきたいところです。

そうして必要な場面で敵を倒しながら探索を進めていく過程で、要所要所ではボスと遭遇することになります。ボスはそれぞれ特殊なギミックを持っていることが多く、歯応えのあるアクションが楽しめます。敵の性質を捉まえて攻撃を避けつつ、弾薬を惜しまず使って上手く攻略していきましょう。
そうしてボスを倒していくことで探索はさらにもう一段階進み、シナリオもまた進行していきます。廃村から始まる怪生物との戦いは、やがて様々な場所を舞台としたものへと変化していくことになるでしょう。

全体を通し、往年のガンシューティングを彷彿とさせる作品です。それ故にアクションスキルを要求されるシーンは多いですが、弾薬や回復アイテムが比較的多く手に入るため、ある程度は融通が効くデザインとなっています。
怪生物に銃を始めとした武器で挑み、生き残りをかけて戦っていきましょう。

感想

ガンシューティングとして既視感を覚えるレベルでしっかり作り込まれた作品でした。ものすごく有体に言えば、の〇ハザを強く想起させる作品です。思い起こさせる程に完成度が高いということも意味しています。プレイしていて懐かしくなってきました。
作中のシステムやら雰囲気から少なくとも意識はしていそうなんですが、どうなんでしょうか。

筆者は途中まで斧をぶん回して進めて、ラスボスだけ諦めてロケットランチャーをぶっ放してクリアしました。
斧が割と強いのは結構良くて、近接でナイフでチマチマやるストレスなく戦うことができます。弾丸数を気にしてしまう吝嗇気味の人間としては、思う存分振ることができるそこそこ強い武器が用意されているのは助かりました。
ラスボスはさすがに斧でやるにはしんど過ぎたので、何回か挑戦したのちに諦めてロケランに手を伸ばしました。やっぱり遠距離武器は最強。
そういう意味であんまりガンシューティングとして楽しんでいないきらいはあるのですが、ラスボスに挑むための準備をする再プレイで銃を使いながら進めてみてもいます。銃を使えば苦戦していた敵も割と倒せるのでお勧めです。なんで斧でセルフ縛りしてたんだろう。

ナイフや斧、銃以外にも火炎放射など武器が豊富にあるのも結構面白く、それを使った特殊ギミックっぽいボスも登場します。
そうでなくても逃げるだけのエリアなど、ただアクションをやる以外の仕組みも入っていたり、途中から大きく場面転換したりと、飽きにくい作りになってるのも良いところです。村から研究所へ向かうさまはバイオハザードを彷彿とさせます。
個人的に火炎放射をフル活用する植物ボスは結構好みです。場面にも合っていて、ギミックも分かりやすく、それなりに強くて歯ごたえがありました。

なお、全ボスそれなりに攻撃パターンさえ理解すれば倒せる程度の難易度となっていますが、ラスボスだけはべらぼうに強いです。
斧クリアを諦めてありったけのロケランを積んでなお薄氷の勝利でした。
ラスボス戦は下に移動しながら上に攻撃する都合上、振り返って攻撃したいのですが、方向転換だけすることができないので必ず一マス移動し、これが被弾の遠因になることが多かったです。方向転換のみのキーか、向き固定のキーがあると難易度が下がりそうです。
また、ラスボス戦に限り、基本的に上方向にしか攻撃ができないのですが、これが上方向攻撃モーションの動きの無さとかみ合いが悪く、攻撃してるのかどうなのかの手ごたえがなかったのもしんどかったです。ずっとこれは有効打なのか疑問に思いながら戦っていました。
また、回復アイテムを使おうとメニューを開いた瞬間にゲームオーバーになることもしばしばあったので、回復アイテムがボタン使用だと助かるなとも感じています。何故か会話ログが出て進行不能にもなりました。ラスボスで運悪く変な挙動引きすぎですね。

また、全体的に当たり判定が不明瞭なところが多く、ダメージの手ごたえ自体は薄めです。ちゃんと死亡モーションには遷移してくれるので雑魚は倒したという感じが出るのですが、強い敵だと攻撃したという感覚を得られにくく思いました。
SEである程度表現はされているんですが目立たないので、エフェクトなりなんなりで視覚的に見たいところです。とはいえ、そこまですると画面がうるさくなるという懸念もあります。難しい。
また、受けたダメージ量が分からず、その結果回復するべきか判断に迷うケースもありました。HP残量がメニューを開かないとわからないので、常時出ている状態だと嬉しいかもしれません。ダメージ量も視覚的に分かります。

タイトルからして絵が動いていますが、グラフィックの質は高いです。
ドット絵による各種敵の個性も良ければ、一枚絵や顔グラフィックの質も担保されており、どちらの方面でもゲームを強く演出しています。画に動きがあるの良いですよね。殊にボスは全部特徴的で、とりわけラスボスはラストに足る迫力がありました。