第16回ウディコン全作品レビュー - 装甲断姫_肆_デュアルタスク

20. 装甲断姫_肆_デュアルタスク

ジャンル 作者
マルチタスクSTG/計算 水弐
プレイ時間 プレイVer クリア状況
10分 1.0 1397/1230/1242/422

良かった点

  • 真にデュアルタスク能力を問われる面白いゲーム性でした
  • 最高難易度が絶妙に難しいです
  • 左右に表示する画面を切り替えられる親切さがありました

気になった点

  • 特にありません

レビュー

マルチタスク適正テスト

装甲断姫_肆_デュアルタスクは、一度に二つの画面で別々のゲームを行うデュアルタスク体験型ゲームです。
それぞれを並列で行うか、順番に対応していくかはプレイヤーに委ねられています。

片方の画面で行われるのは簡単な計算です。四則演算の問題と、その答えの選択肢が表示されるため、これを矢印キーで回答することになります。
もう片方の画面で行われるのは、シューティングです。マウスで射線を決めてからクリックで射撃し、敵を撃ち落としていくことになります。

それぞれのゲームはシンプルなものであり、単独でやればそれほど難しいものではありません。しかし、この作品ではこれを同時に、かつ時間制限内にクリアすることを目指します。
計算を頭の端でやりつつシューティングするにせよ、計算に集中してシューティングを大雑把にやるにせよ、あるいは双方のバランスを上手く取るにせよ、情報を並列的に処理する能力が要求されます。

難易度は四段階あり、最後の難易度は中々の並列処理能力が問われるものとなっています。また、スコアを記録することもできるため、最高難易度で物足りない人はより高みを目指すことも可能です。
デュアルタスクに挑み、自らのその適正を知っていきましょう。

感想

マルチタスクの難しさと、慣れると割とできるなという感覚の双方を味わうことのできるゲームでした。
この手のゲーム性だと、片方のゲームがもう片方に影響を及ぼすような形式にしたくなりそうなところを、完全に分離しているあたり、ゲームのテーマが首尾一貫しているのが良いところです。本当に本当のマルチタスク能力が求められます。

筆者の初期の基本戦略は、数字を計算しながら目の端でシューティングするものでした。計算は見ないと始まらないので、目線を数字側に寄せつつ、シューティングをある程度大雑把な狙いで突破する作戦です。
この戦略はシューティングの難易度が低いうちはある程度成立するんですが、からいのシューティングになると破綻します。からいにおけるシューティングは、正直シングルタスクでやってもクリアするのが少々難しいレベルであり、片手間に雑にやってクリアできる類のものではありませんでした。
とにかくこの鈍足弾、手前に来ないとほぼ当たらない性能に感じています。もしかしたら出現を目の端で捉えて逆サイドに当てるゲームなのかもしれませんが、これはこれで反射神経が問われます。

このため、からいだけ戦略が異なり、シューティングの比重をかなり上げた上で、空いた時間で問題に意識を割く配分となりました。それでも問題が先に終わるレベルではありましたが。
シューティングをこなしつつ、脳みその空いたスペースで雑に計算を回し、適当に選んでいくのは中々マルチタスクをやっている感覚があって良かったです。計算がだいぶ雑に行われているので、たまにミスるのはご愛敬。

また、個人的に好きなところとして、左右画面の切り替えが存在するところも挙げられます。筆者はデフォルトよりも、左に計算がある方がやりやすかったのでそうしたんですが、そういうことに気が回っている細やかさが嬉しいところです。
なお、左右逆にした理由は、筆者は右手にマウス、左手でキーボードを操作していたので、それぞれに対応する画面が同じ方向にある方が対処が楽だったためです。位置が逆だと脳みそが定期的にバグります。

後は、世界観も何もない中での説明だけのキャラクターがいるというのも良いです。これは本当に何もなく、からいをクリアしても特に何もありません。真にフレーバーという感じです。もしかしたら作者記録を抜いたら何かあるのかもしれませんが、この感じなら何もなさそうだなとも思います。

なお、筆者はシングルタスクも試してみたんですが、かなり優位にスコアが落ちていったので、まず間違いなくマルチタスクの方がやりやすく感じるタイプの人間でした。皆さんはどうですか。