第17回ウディコン全作品レビュー - 落ちさえしなけりゃクリアはできる

13. 落ちさえしなけりゃクリアはできる

ジャンル 作者
アクション Qbit
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.04 4/5 クリア

良かった点

  • この手のゲームに必要な要素が適切に揃っています
    • ステージ構成やギミックの頻度、適度に配置された台無しポイントがちょうど良いバランスとなっています
  • 自分で配置できるチェックポイントが良いシステムでした
    • 自分にとっての難所に対しての補助輪として機能しています

気になった点

  • 稀に地形判定に怪しいところがありました
    • ほぼコーナーケースなので、大きく問題になる事はありませんでした

レビュー

親切な苦行

落ちさえしなけりゃクリアはできるは、ジャンプアクションを駆使してひたすら塔を登る、いわゆる登山ゲームです。
基本的にはマウスのホールドで力を貯め、エイムで方向を定めてジャンプをしていき、足場という足場を渡り歩いていくことになります。

力の貯め具合や向きによって自機は勢いよく跳ねていくため、いずれかを失敗すればあらぬところまで跳ねていってしまうこともあります。それを避けて適切に足場を渡っていくには、適切な貯めと向きを見つけていくトライアルアンドエラーと、その大まかな感覚を掴むための経験が必要になってきます。
何度も挑戦して跳び方を掴み、意地悪な足場を越えていきましょう。

また、塔を登るにつれて不安定な足場に加えて、一癖も二癖もあるギミックも待ち構えています。中には苦手な形状の足場、ギミックなどもあるでしょう。
そういった時には、いつでも自分で配置できるチェックポイントが便利です。特定のアイテムを取得することで、プレイヤーは任意の場所にチェックポイントを設置できるようになります。設置できる数に限りがあるとはいえ、その効果は絶大です。自分にとっての難所を見極め、苦手な所では積極的にチェックポイントを活用していきましょう。

ともすれば理不尽にもなりうる登山ゲームというジャンルにおいて、本作は適切なレベルカーブ、理不尽過ぎず意地悪に留まる配置、自力設置型のチェックポイントという設計により、プレイヤーをクリアできそうな気分にさせてくれる作品となっています。
この手のゲームに付きものな根気はそのままに、不条理をある程度除きつつ、醍醐味である台無し感を適度に残し、ある程度マイルドに楽しめるように抽出されたゲーム性と言えるかもしれません。
是非とも、この沼の中であがいてクリアを目指していきましょう。落ちさえしなけりゃクリアはできます。

感想

壺、Jump King、Aim Climb、他様々と存在している、いわゆる高難度アクション、もとい登山ゲームでした。その例に漏れず、絶妙に難しい操作性、雑にやると進めないステージ設計、気を抜くと手戻りが発生する意地悪な穴、とこの手のゲームに欲しい要素が全部完備されています。
もっとも、意地悪な穴が欲しいかは賛否両論あるとは思いますが、こういうゲームには必要だと考える派閥です。雑にやった報いとしてしっぺ返しが来るのが良い。

個人的にはすべて台無しポイントがちょうどいい程度にあるのが好みで、良い感じに定期的に置いてあります。全部が全部台無しポイントではない良心があるおかげで、慎重に進めば何とかなるレベルに収まっていました。チェックポイントをどこで使ってしまうかを悩むのにちょうどいいレベル。
チェックポイントをケチっていたら、バウンドであらぬ方向に飛んで行っておしまいになる感じが、この手のゲームをやっているという感覚を強くしていました。横着は良くない。
なお、チェックポイントを置ける個数については結構余裕があり、そういう意味では難易度は決して高くはありません。2画面に1つ程度で置いていきましたが、それでも割と余りました。裏ステージはともかく、表のステージをクリアする上では慎重さと根気と計画性があればクリアは十分可能な気がしています。

ステージの構成も良く出来ていて、適度に難易度が上昇しつつ、ギミックが適度に場の雰囲気を変えてくれています。最後に総決算が待ち構えているのも好き。いたずらに理不尽ではなく、しかし時折意地悪ではある塩梅を絶妙についていて、緩急が上手く作られたレベルデザインに感じました。
ギミックも含めて突破方法に微妙に変化を与えているおかげで、得意なところはチェックポイントを温存して進む、のような戦略性があるのも良いです。ゲーム性と上手く噛み合っている。

ちなみに、個人的な攻略方法としては、基本的に最大ためで照準合わせに全力を注ぐのが安定する気がしています。再現性が高いので、ちゃんと見つけることができれば、道中がだいぶ安定します。代わりに、最大ため故の高速移動のせいで変に戻されるリスクも付きまとってはきますが。
なお、たまにちょっと貯めることが必須のエリアがあるので、そこは気合で乗り切るしかありません。段々加減が分かってくれば、意外と雑に貯めることで足場を渡っていくことができるようになってきます。再現性が無いので、調子が悪くなると破綻する諸刃の剣ですが。

なお、地形判定周りはやや怪しいところがあり、高速で移動するとたまに地形を抜けます。画面外に出るような致命的な問題は観測していませんが、動画で見ると一瞬埋まって反射するような状態を確認したことが二、三ありました。完全に地形抜けをしないあたり、反射アルゴリズムと内部への押し込みのアルゴリズムが別にあるのかもしれない。
状況からの推察でしかないんですが、移動をあまり加味出来ていない気配はあり、移動四角形と線分の反射周りで何かが起きている気配はあります。移動四角形、ObbでないだけマシとはいえAABBなので面倒そうです。球形で取ればカプセルで見れるので多少は楽そうですが。
とはいえ、普通に遊んでいて頻繁に起こるものでは無いので、コーナーケースでたまに理不尽をもらう程度に留まる話ではあります。あんまり高速で斜めに入射しないように気を付けよう。

後は、個人的にオープニングとエンドロールの演出が好みです。こういう、システムやコンセプトに上手く噛み合わせた上で短くまとまったものに弱い。

ともかく、この手のゲームとして必要な要素が過不足なく揃い、全てが良いバランスで構成されているゲームとして完成されていました。
筆者は壺をクリアできていないペーペーなので裏ステージには挑戦しませんでしたが、いつか自信がついたらやってみるかもしれません。とりあえずEat Colorsをクリアできるレベルのプレイスキルが欲しい。