第17回ウディコン全作品レビュー - ウルファール5分生き残れゲーム

17. ウルファール5分生き残れゲーム

ジャンル 作者
ヴァンサバ エルトン
プレイ時間 プレイVer クリア状況
10分 1.51 クリア (35)

良かった点

  • 元ネタの作品のシステムを上手く換骨奪胎しています
  • 5分という時間がちょうど良く感じました
    • その時間を充足させるに十分なスキルのバリエーションがあります

気になった点

  • 特にありません

レビュー

Wolfarl Survivors

ウルファール5分生き残れゲームは、四方八方から迫りくる敵を撃退し5分間生き残ることを目標とするヴァンサバライクの作品です。

プレイヤーは基本的にウルファールを操作することしかできず、攻撃は自動的に行われます。上手く敵を避けつつ攻撃を当てていき、大量に出現する敵を捌いていきましょう。
そうして敵を倒すとレベルが上がり、3つの選択肢の中からスキルを習得することができます。スキルはパッシブで効果のあるもの、攻撃手段の追加、現在の攻撃手段の強化など、様々なバリエーションが用意されています。これらの中からレベルアップの度に選択を重ね、自機を強化していきましょう。

時間が経過するごとに強力に、そして大量になっていく敵を倒し切って生き残るためには、そうして構築したスキルビルドの方向性が肝要になってきます。スキルの習得にあたっては選択肢を引き直すリロールが20回まで使えるため、余計なスキルツリーにコストをかけず研ぎ澄ませることも可能となっています。
攻撃手段を絞って威力を上げるも良し、大量の攻撃手段で波状攻撃を仕掛けるも良し、スキルのシナジーを狙うも良し、ハイリスクハイリターンなパッシブスキルで立ち回り勝負をするも良し、自分好みのビルドを武器に5分間生き残っていきましょう。

この作品自体のゲーム性は自機を動かし、レベルを上げたら選択肢からスキルを習得するだけの簡単なものとなっています。しかし、ビルドの方向性を決め、それに合わせた立ち回りで敵を上手く捌いていくというシステムは奥深く、プレイヤー個々の癖が如実に反映されることになるでしょう。
様々なスキルに触れてはそれらのシナジーを探りつつ、自分のやり方に適した構築を探し出し、5分間の猛攻をしのぎ切っていきましょう。

感想

Vampire Survivors です。Steam では弾幕天国と呼ばれそうになっているらしいですが、個人的にはヴァンサバライクの方がしっくりきますね。

ゲーム性はかなりちゃんとエミュレートしつつ、割り切る部分がとにかく割り切られた設計が好きな作品です。
例えば、経験値を歩いて集める要素あたりはカットされているのですが、実装負荷と実装によって得られるプレイヤー体験が別に向上しなさそうなところも含め、オミットが明確に正しいように感じました。そもそも本家より時間も短いので、歩いて回収するフェーズを用意する必要もないですしね。
この5分という時間設定も良い割り切りで、スキルのバリエーションやマップサイズも含めたボリュームに十分な設定となっています。ウディコンという場にも即している印象。
ただ、個人的には、宝箱の演出がカットされているのはちょっと寂しいところです。あのパチンコ演出は個人的にヴァンサバっぽさを表している気がするので。

スキルに関しては、パッシブスキルやメインスキル分岐がある程度豊富に用意されていることに加え、説明文を読んだだけでは何を言っているのか分からないものがあるというのも良い味になっています。別のパッシブを見てようやく理解できるようなパターンすらありました。タイトルってなんだよ、そういうことか、という驚きがあります。
なお、スキルの性能については半端な攻撃性能向上よりも攻撃手段の追加、特殊性能の付加が強い傾向があり、これもまた良い作用を生み出しています。画面が大きく変わるので見栄えが良く、自分で組み立てているという実感を得やすい印象がありました。

また、難易度のカーブもかなり良く出来ており、ビルドに失敗するとウェーブの変わり目に苦戦して敗北するラインを突いています。ウェーブを乗り切れる程度にきっちり強化を進める意識を保ちつつ、巨大ボス系のような変化のついた敵も登場するため、5分という時間を飽きることなく堪能できるようになっています。
こういったゲームに慣れていれば一発で通せそうで、慣れていなくてもビルドの方向性を掴めれば攻略できる、ちょうど良い難易度なのではないかと思います。筆者は2回目で通しました。

筆者が通した時のルートとしては、ダガーで序盤を乗り切りつつ、単位時間当たりの攻撃パターンが多い手段を確保していくことを意識しました。敵が強力になってくるころにはアイスランスベースで強化を重ねて三連アイスランスを軸に立ち回っていき、最後はインド人を右にを運用して生き残ることに成功しました。
インド人を右にはマシンガンをメインウェポンに据えていない場合は割と優秀な択に感じていて、右空間を確保するのに向いています。

単なるヴァンサバコピーではなく、ヴァンサバライクとしてシステムの取捨選択を行い、ウディコンという場やゲームの規模に即した設計にそぎ落とされているのが良い作品でした。引き算の美学。その上で面白さに寄与しやすいスキル周りは手が抜かれておらず、ゲームとして楽しむ部分に力の入ったゲームといえるでしょう。