第17回ウディコン全作品レビュー - 1969年のゼロデイ
33. 1969年のゼロデイ
| ジャンル | 作者 |
|---|---|
| アクションRPG | 雪見大介 |
| プレイ時間 | プレイVer | クリア状況 |
|---|---|---|
| 2時間 | 1.30 | コンプリート |
良かった点
- アクションを楽しむために特化したゲーム構成となっていました
- 終盤のボスは歯応えのある強敵となっていました
- 主人公のキャラクター性が良いです
気になった点
- 葡萄館、2F奥に何もない謎の空間がありました
レビュー
ごく普通の女の子による剣と銃のアクション
1969年のゼロデイは、剣による近距離攻撃と銃による遠距離攻撃を使い分けて戦うアクションRPGです。
東京に来たところで事件に巻き込まれたごく普通の女の子が、持ち前の知識を使って剣と銃で怪物を倒していくことになります。
怪物は町のいたる所を徘徊しており、これらを排除しつつ探索していき目標地点を目指すというのが主な流れとなっています。武器に対して残弾数や耐久値のような概念はないため、相対する敵と思う存分戦うことができます。どんどん怪物を排除していきましょう。
また、そうして怪物を倒すとお金が手に入り、これを用いて装備を充実させていくこともできます。それぞれの武器は範囲や特徴、威力などが異なっています。状況に応じてより強い武器に取り換えていきましょう。
こうして怪物を倒し、武器を整え、探索を進めていくと、最後にボスと戦うことになります。シナリオが進むごとに強力になっていくボスに勝利することは、アクション的な立ち回りの上手さだけでは徐々に厳しいものとなっていきます。敵の行動を観察して把握し、適切に弱点を突く装備を用意するといった準備を怠らないことが肝心です。
持てる力を全て動員し、足りないものは探索で補強して、難敵に挑んでいきましょう。
このように堅実なアクションとして完成されているシステムに合わせるように、シナリオもまた硬派なものとなっています。
普通の定義を見失うほどに落ち着き払った主人公を軸として、怪物に襲われた町の救助活動を進めていく中で大きな陰謀と相対していくという展開が、非常にテンポ良く進行していきます。
その結末を見届けるためにも、近距離と遠距離を使い分けるメリハリのあるアクションで怪物どもをなぎ倒していきましょう。
感想
堅実なガンアクションでした。近距離攻撃もありはするんですが、近づくと被弾することが多い上に残弾数が無限なので基本的に遠距離のガンを使うことになります。何なら、必殺技すら振らずにガンで処理する方が良い時すらあります。一方で、強敵やボスには近距離攻撃や必殺技を使うべき機会が多く、その辺のバランスは上手く取られている印象がありました。
また、アクションとしての操作性も良く、概ね直感的に操作可能なものとなっています。
RPG的な要素としてはシナリオに伴う目的地の更新と、敵を倒したお金で装備を更新していく部分があるかと思います。
後者については、適当に湧いてくる雑魚を倒していれば自然とお金は溜まっていくので、稼ぎはほとんど必要ありません。ゲームボリュームに対してちょうど良い程度の要求値となっています。加えて、きちんと装備を更新していれば雑魚に負けない程度の強さは得られるので、総じて雑魚戦の難易度は低いように感じました。ボス戦についても、2面ボスくらいまではざっくりとした意識でガンアクションしていれば勝てるレベルに収まっています。
その一方で、3面ボスからは明らかに弱点を突いて、上手く立ち回って倒す必要のあるレベルに引き上げられていました。基本的に高速かつ、そこそこ広範囲の攻撃を行うため、全てを避けきって対応するのは難しくなっています。このため、弱点をちゃんと突こうという意識が無いと突破は骨が折れる難易度になっています。
この難易度の上がり幅はやや急に感じつつも、シナリオの関門としての緊張感というか達成感としては良いボスでした。ここが弱いと、さすがに拍子抜けするところではありそうです。
また、ラスボスも同様に強く、攻撃対象を増やすことで被弾を誘発させるデザインになっています。こちらはラストなので、薬草をがぶ飲みして戦いに挑みました。ダメージ覚悟で突っ込んだ方が成果が上げられる。そういった戦法を取れることもあり、このレベルで強いくらいがちょうどいい難易度に感じています。
シナリオについてはまず主人公に触れないわけにはいきません。主人公が超然というか泰然自若というか女学生らしからぬ振る舞いを見せます。片腕を痛めた後にすぐに片手で装填するの、そういう訓練を受けていないと無理じゃないでしょうか。戦場帰りなのかもしれない。前作も含めて、世界観がかなり物騒なので、そういう素養を身につけやすい世界なんでしょうか。
その上で、シナリオ自体は硬派なものになっています。主人公が上記のように淡々としていることもあって、テンポ良く進んでいく小気味良さがありました。一方で、要所に入る演出の完成度は高く、盛り上げるポイントは抑えた展開となっています。
とにかく、ゲーム全体が堅実な設計で作られている印象のある作品でした。アクションだけを楽しむために特化しているので、そういう気分の時はちょうど良いゲームだと思います。比較的短く終わるのも良い。