第15回ウディコン全作品レビュー - プリティアックス外伝 ~斧姫~

14. プリティアックス外伝 ~斧姫~

ジャンル 作者
AXE HOT・W
プレイ時間 プレイVer クリア状況
5分+25分 1.1.1 クリア/おまけクリア

良かった点

  • 脳みそを空っぽにしてAXEに委ねられる作品でした
    • 戦闘においても、とにかく爽快感に振っていて気持ちいいです
  • ツクール2000風の完成度が高いです

気になった点

  • 特にありません

レビュー

AXE!!

プリティアックス外伝 ~斧姫~は、ひたすらAXEし続けるAXEゲームです。

ツクール2000風のタイトル画面から始まり、冒頭のイベントからも察せられる通り、全てがネタと勢いに振り切れた作品となっています。その勢いはエンディングまで留まるところを知らないので、思う存分AXEを装備してAXEし続けていくことができます。
このAXEは主に戦闘で力を発揮し、全身に装備すれば装備するほど連続でAXEしていけるようになります。全身AXEで身を包み、6連続攻撃を叩き込んでいきましょう。

また、エンディング後のおまけでは、リソース管理風のゲームにも挑戦できます。
制限化の中で、AXEやほかのスキルにも頼って上手く得点を稼ぐスコアアタックに挑むのも一興でしょう。

ひたすら頭を空にしてAXEのことだけを考えられるように、ゲームとしての作りも導線も丁寧かつシンプルな作品となっています。
心行くまでAXEに体を委ねましょう。

感想

今ウディコンにおいて最もタイトルで笑えた最高のゲームです。
ツクール2000でゲームを作ったことのある身としては、これ以上ないほどに見慣れた景色でした。エミュレートとしての完成度があまりに高すぎる。ネットミームのカニの画像を思い出していました。

その温度感のまま、最後までAXEで突っ走っていく本編も良いです。AXE一本槍で勢いを殺すことなく最後まで走り切ってくれます。AXE一本槍って変な言葉ですね。
AXE AAAAAXE あたりは叫んでいると解釈できるんですが、AXE PAIN あたりはもう良く分からないままノリで楽しんでいました。
なお、個人的に好きなところは木をなぎ倒して進める箇所で、敵を倒す以外にも爽快感を感じる仕掛けが用意されているあたりが良いです。

とはいえやはり真髄は戦闘で、ドリル装備っぽい感じで全身斧人間になって連続攻撃をぶち当てていくのは強い爽快感をもたらしてくれます。病みつきになりそう。
敵が障害というより斧を当てる的みたいな扱いになっている気がするんですが、とりあえず楽しいので満足できます。この規模感なら戦略性とか考えることとか要らないのかもしれません。気持ち良ければそれでいい。でも、ちゃんと魔王はちょっと強いあたりのバランス感もあります。

このあたりの小ネタとか、勢いを殺さないようにしている一画面マップとか戦闘テンポとか、ちょっとした敵のバランス感とか、勢いだけで構成されているゲームに見えてかなり丁寧に作られているあたりも個人的には好きでした。
そもここまでツクール2000に寄せて作るのは逆に大変に思えるんですが、それでも作り切っているあたりがすでに丁寧と言えるかもしれません。

なお、敵のパラメータまでツクール2000のデフォルトパラメータになっていると面白そうだなと思いつつ、手元にツクール2000がなく確認する手段がなかったので諦めました。HPくらいはそれっぽそう。

リソース管理っぽいおまけ要素についての話もします。
何ならこっちの方がプレイ時間が長いんですが、何度かゲームオーバーになったからです。
かなり運の要素が強いリソース管理ゲームで、AXEなり有効択を引いた後にひたすら強い敵を倒していくことになります。敵がランダムだったり、そもそもスキルなどもランダムだったりするので運によっては厳しいですが、引き直しもあってコツをつかめばクリアは割といけそうな印象を受けました。
さすがにスコアアタックをちゃんとやれば運の要素も強くなってきそうですが、それにしても上位陣のスコアは良く分かりません。何をやったらそんなに高くなるんだろう。

ツクール2000っぽさ、AXEで押し通すインパクトの強さと、とにかくプレイした後に強い印象を残す作品でした。この短さなのに、印象が心に叩き込まれています。