第16回ウディコン全作品レビュー - カニハザード

26. カニハザード~カニ滅外伝~

ジャンル 作者
アクション sugo-rock
プレイ時間 プレイVer クリア状況
20分 1.1.1 49260

良かった点

  • 終わりのある中のスコアアタックであるため、明確に目標をもってプレイできました
  • 差し合いを意識する立ち回りが求められます

気になった点

  • カニのステップが場合によっては理不尽に感じました
    • 攻撃予兆前のバックステップからの差し返しがかなり厳しいです

レビュー

カニを100匹滅せよ

カニハザード~カニ滅外伝~ は、次々と出現するカニを倒していくアクションゲームです。
それに加えて、カニを100匹倒し切るか敗北するまでのスコアを競うこともできます。

絶妙なステップと特殊な行動で攻めてくるカニを上手く倒していくには、いくつかのアクションを使いこなす必要があります。
中でも基本となるのは通常攻撃と回避です。通常攻撃は発生時に向いていた方向にだけ攻撃するタイプなので、良く狙いを澄ませて当てましょう。連続で攻撃すれば範囲と威力が伸びるため当てやすいですが、その間は移動ができないので当然隙も大きくなります。適宜使い分けていきましょう。
また、攻撃後の後隙に被弾しそうになった場合は回避が便利です。回避で行動を上手くキャンセルすることができれば、ぐっとダメージを抑えられるようになります。
その他、回転切りや遠距離攻撃などの特殊な攻撃も駆使しつつ、上手くカニを捌いていきましょう。

しかし、漫然とカニを倒しているだけではスコアは伸びません。スコアを伸ばすには、コンボを意識する必要があります。
コンボを伸ばすためには、カニを一定時間内に継続して倒し続けることが重要です。制限時間内に次々と倒していければ、その倍率はどんどん高くなっていきます。このため、後半にスコアの高い強敵を倒すほどコンボによる上乗せが入りやすくなっていき、ますますスコアが伸びていくでしょう。
時にはあえて強い敵を残したまま戦いを進め、リスクを背負うことでスコアを伸ばすこともできます。慣れてきたら狙ってみるのも一興です。

アクションを使いこなしカニをひたすら滅し続け、コンボを伸ばしてスコアを稼ぎ、100匹捌いていきましょう。

感想

いわゆるスコアアタック系のミニゲームでした。さっと遊べます。
個人的には100体という明確な終わりがある中でスコアを稼ぐというのが好きで、きちんと制限がかけられた中で上手くやることが求められるので、だれにくい設計になっているんだろうなと思います。
100体というやや多めの目的に対しても、少しずつ性能の違うキャラクターを出していき、ボスのような巨大な敵を用意することでさらに大きく盤面を変化させることで、その目標値を多すぎないように感じさせています。

アクションの面で見ると、自機の攻撃性能はかなり低く、爽快感を求めるタイプというよりは、ずっしりとしたアクションという感じがしました。鎧を着込んだソウルライクみたいな遊び味であり、軽快なプラットフォーマー系アクションみたいな遊び味ではありません。
特に攻撃後に即時向きを変えられないので、かなり窮屈に戦うことになります。軽快に捌いていくというよりは、相手の動きをある程度読んで一撃を当てに行くという遊びになっていました。持ってるのはショートソードっぽいですが、挙動は完全に大剣のそれです。

とはいえ、即時転換が可能になるとそれはそれで簡単そうなので、これくらいの窮屈さによって難易度をある程度担保しているんだろうなという感触でもあります。
プレイ中の被弾は、おおむね前隙の初見殺しか、攻撃方向のミスによる後隙を狩られるかでしか発生しないので、リスクをちゃんとつけるならこの要素がないと困ります。後隙は上手く回避でキャンセルしましょうね、というデザインだと解釈していました。
ただ、大剣のような性能の割にリーチが短いのは若干辛く、特に初撃はかなり心もとない印象を受けました。敵のステップが予測不能なことも相まって、噛み合うと最近接で振っても空振る可能性があります。リスクを取って近付いて攻撃したのに避けられるのは、後隙も込みでリターンが見合ってないなという印象を受けました。

また、敵のカニの挙動はかなり独特で、攻撃予兆直前ですらステップを踏むので、結構攻撃を当てにくいです。連続攻撃で範囲をとるか、回転攻撃でケアするかしないと、上手く当たらないことが間々あります。
ステップのタイミングを読むのはかなり慣れが必要で、適当にプレイしているとバックステップによる回避から差し返しを食らってダメージを受けやすいように感じました。ここはプレイヤーの慣れが必要です。慣れても大量のカニの動きのテンポを把握するのは割と難しいですが。
また、攻撃判定は思いのほか残っているので、下手に近付くとダメージを受けることもあります。攻撃間隔がつかめないうちは、あまり積極的に攻めない方が良いのかもしれません。

カニをバシバシ倒していく爽快感というよりは、立ち回りをちゃんとして、倒す敵もちゃんと選んで、上手い人はハイスコアを目指しつつ、そうでもない人は生き残りを目指していく、そういった堅実な方に振ってあるアクションというイメージです。
漫然とプレイせず、クリアに向けてちゃんと動きを覚えていくことが求められるあたりは楽しかったです。カニに適応していく。言わばAnother Crab’s Treasureのようなヤドカリソウルライクよろしく、ソウルライク・カニアクションなのかもしれません。