第17回ウディコン全作品レビュー - デスペレートエランド

04. デスペレートエランド

ジャンル 作者
ノンフィールドRPG ケイ素
プレイ時間 プレイVer クリア状況
45分 1.00 NORMALクリア

良かった点

  • 短く戦略的に遊べる良いゲーム性でした
    • 上手く戦えば封殺できる楽しさがあります
  • 全体的なテンポ感が良く、サクサクと進めることができます

気になった点

  • 連打していると、行動終了を誤爆しがちでした

レビュー

活殺自在の盤面制御

デスペレートエランドは、独特な戦闘システムが特徴的なノンフィールドRPGです。
戦闘で使うスキルを拾ったり、敵と戦闘したりしながらステージを進行し、最後のボスに挑む構成となっています。

ただし、このゲームにおける戦闘は単なるコマンドバトルではありません。陣取りゲームのような独特なシステムが採用されています。
まず、ターンの開始に敵味方双方が共有するランダムで選ばれた4色から成る8つのスロットが与えられます。プレイヤーも敵もこの各スロットの色を消費してスキルを発動していくことで戦いを進めていきます。例えば、青2コストのスキルを発動する場合は、青のスロット2つを消費することになります。当然、青のスロットが1つ以下であれば使用することはできません。
また、このシステムは敵にも適用されており、敵の使用コストや技の説明はすべて開示されます。

すなわち、こちらが盤面のスロットを使い切ったり、敵が使えるスロットをすべて使い尽くすことができれば、相手を封殺することも可能となっています。盤面にある色と手持ちのスキル、さらにはいくつかのスロットの再抽選を上手く活用し、可能な限り盤面を制御していきましょう。
また、各スロットには状態異常が付与されることもあります。このスロットを使ってスキルを発動することで、回復、ダメージ、バフデバフなど様々な効果が発動します。バフは引き取り、デバフを相手に踏ませるといったことも有効な手段となっていくことでしょう。

こうしたシステムを知悉することができれば、道中で遭遇する雑魚を即座に倒すことも封殺することもさほど難しくありません。しかし、最後に待ち構えているボスは一筋縄ではいかないものとなっています。その攻略にあたっては、適切に敵の攻撃を封じ込め、スロットの再抽選も慎重に行ってリスクを管理していくことが重要になるでしょう。
また、攻撃を受けたり、スキルを発動することで溜まるTPを消費することで、スペシャルなスキルを使うこともできます。戦況を一気に変える力があるため、ここぞというタイミングで上手く使っていきましょう。

独特ながらシンプルな戦闘システムにより、考えて敵をやりこめる楽しさが手軽に味わえる作品となっています。シナリオも含めたゲームのテンポも非常に良いため、サクサクとプレイできること請け合いです。
ちょっと考えつつ戦闘を進めていく戦略性を気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。

感想

前作に引き続き、スロットを上手く活用する戦闘システムが面白い作品です。一方で前作とは異なり、与えられた盤面からスキル使用のためのコストを取り合う構造なので、盤面をある程度管理できれば相手を封殺できるのが大きな違いとなります。
前作では、ある程度相手のスキルをベースに盤面の制御を行うことになっていたんですが、今作はそれをより意識してプレイすることでより優位に戦闘を進められるのが特徴的です。相手のスキルを見て、盤面を見て、どの攻撃を封じたいかを基にしてスキル選択と盤面の変更を決定していく流れは、ある程度頭を使いつつ、してやったり感が手軽に味わえて良いシステムでした。

様々なスキルがありますが、個人的にはコスト重めのスキルが好きでした。スロットを大量に消費してくれるので、より相手を封殺しやすくなります。コスト重めな技はその分火力が高い傾向にあったりするものなのですが、このゲームではさほど火力は高くありません。その分、先述の理由により防御として優秀であるという側面が付与されているというのは面白いところです。システムによって性質が拡張されていました。
もちろん、スロットが足りないと逆に相手の連続攻撃を許すので諸刃の剣ではあるんですが、その辺のリスクリターンが見合っているので積極的に狙いたくなりました。

もっとも、個人的な感覚としては無色スロットのおかげでリスクはかなり最小限に抑えられており、コスト低めのスキルの影がやや薄くなっている印象も受けます。結局、低コストスキルだけで行くと相手の攻撃を止めにくいのが厳しい気がします。もしかしたら、使いこなせば連続攻撃で輝けるのかもしれませんが、封殺プランよりリスクが高そう。
この辺りのどういったプランで進めるかという点に関しては、個人的には前述の二パターンくらいしか思いついていません。このためバリエーション豊富とまでは言えないのですが、ゲームの規模感を考えると、このくらいの戦略性がちょうど良い塩梅だなと感じています。プランが同じでも、細かい戦略性は変化しそうですしね。

なお、封殺プランと連続攻撃プランでの難易度の感じ方の違いについては、ラスボスで顕著に現れます。封殺プランの場合、軽量な行動を持つ第一形態よりも、ほとんどの行動が重い第二形態の方が遥かに御しやすくなります。どんなに強力な行動でも、発動させなければ意味がありません。
連続攻撃プランだと、重めの攻撃がしんどかったりするのでしょうか。そちらで試していないので分かりませんが。

また、システム上、全体的に短期決戦になりがちな設計になっていることもあり、一回のプレイがさっくりと終わります。前作のようなスコアアタック要素も無く、システムとスキルのシナジーも一回のランで味わい尽くせるシンプルな構造になっていて、サクッと遊ぶのにちょうど良いお手頃感がありました。一回一回の戦闘もテンポが良く、盤面からある程度適切な行動をそれなりに取っていくだけで進めることができます。ループを回さなくても良い。
シナリオもそれに合わせてなのかだいぶ控えめで、ノンフィールドRPGというフォーマットに載せるのに丁度良い尺で起承転結が描かれています。演出の尺もまた丁度良い。
ただ、バックボーンの描写が本当に最低限なので、物語はフレーバーとして受け取るに留まっているような印象はありました。その一方で、それにしては固有名詞が比較的多く登場しており、初見だと厳しいかもしれません。世界観が共通しているようなので、同作者さんの作品をプレイしていると飲み込みやすいです。これを機に他の作品もやろう。

行動終了を連打で誤爆しがちなところだけ気を付ける必要があるんですが、それ以外は遊びやすく、シンプルにちょっと考える戦闘を楽しめる作品でした。
しかしラペオー、ラスボスっぽいので出演機会が多い印象がありますね。