第17回ウディコン全作品レビュー - 勇者の憂鬱

05. 勇者の憂鬱

ジャンル 作者
アクション Mr.H
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間 1.000 ノーマルクリア

良かった点

  • 特殊かつ独特な避けるゲーム性を構築していました

気になった点

  • 極端に狭いステージでは、敵の行動のランダム性に左右されることが多かったです
  • 戦闘パートが単調かつ運頼りな印象がありました
  • Now Loading の意義が不明でした
    • これにより、ややリトライ性を欠いています

レビュー

回復の見極めが重要

勇者の憂鬱は、敵を回避しつつゴールまで向かっていく、回避アクションをベースとした作品です。
基本的には、マップを徘徊する敵を上手く避けていくことでステージのクリアを目指すゲーム性となっています。もしも回避に失敗して敵に接触してしまうと、それを倒す代わりに敵のHPに応じてダメージを受けてしまいます。合計100ダメージを受けるとゲームオーバーとなってしまうため、原則は敵に触れないことが重要となるでしょう。

しかし、単に接触を避けていくだけではステージが攻略できないこともあります。通路が敵で塞がれていたり、全滅を要求するエリアがあるためです。この場合は、わざと接触して倒すほかありません。
こうした敵を倒す攻略においては、体力を回復することが肝要になってきます。決定ボタンを押下することで一定時間静止する代わりに回復が可能であり、これを駆使すれば再び接触してもゲームオーバーにならない程度の体力までもっていくことができます。そうして受けたダメージを回復しては、また接触して敵を倒す、という流れになることでしょう。

そして、この回復というシステムが入ることで、どのルートで敵を倒して体力消費を抑えるか、敵をどのように撒いて体力を回復する隙を作るか、といった駆け引きが生まれ、ただ漫然と敵の回避を行うだけでは攻略できないゲーム性が生み出されています。
また、体力はステージをまたぎ、ステージごとに制限時間が決まっていることから、どのステージで回復するかといった戦略性までもが生み出されていると言えるでしょう。

その結果、単なる避けるゲームに留まらず、ルートの選定や静止タイミングの見極めと言ったパズルやアクション的な要素がさらに盛り込まれたゲームへと仕上がっています。
敵を上手くかわしつつ体力を効果的に使い、ステージの最奥へと辿り着きましょう。

感想

原則としては避けゲーに近い設計をしているんですが、最低限は敵に当たりに行く必要があることと、停止することで体力を回復するシステムを上手く導入することで、アクション性やパズル性を生み出す面白いゲーム性となっています。
構造的には、ゲージを貯めて無敵を当てていくタイプのゲームの逆をやるイメージです。最初から溜まっているゲージを上手く使う感覚。

その上で難易度はそこそこ高めというか慣れが必要であり、かつ制限時間があるため、ぶっつけ本番のアドリブでどうにかするのは割と難しくなっています。特に後半は初見殺しも多いので、死に覚えながら攻略を進めていくことになります。
このため、少なからぬリトライを要求するゲーム性なのかなと解釈しているのですが、その割にはリトライに時間がかかるのが気にかかりました。リスポーンするならスタート地点からでステージまで戻るのに時間がかかりますし、タイトルからやり直そうとするとロードを挟んでまあまあ時間がかかります。せっかくオートセーブがあるので、ここから再開したい気持ちがありました。

また、中盤くらいまではテクニックパートとパズルパートがある程度バリエーションをもって用意されていますが、3ステージ目くらいになるとパターンが固定化されてきます。弱キャラでダメージを与えるので頑張って逃げてください、というコンセプトのステージが2つあるあたり、ゲーム性のシンプルさがゆえのパターンを出していくやり方の難しさがうかがえます。
終盤は難敵を配置して難易度を上げることで差別化が図られてはいるのですが、それはそれでHPというバッファを用意した意味がほぼなくなり、攻略パターンの固定化に繋がっているあたりも気になります。ただでさえ、敵の行動が乱数的なのですれ違い回避の試行で思わぬ被弾が発生しがちなところ、一発アウトが基準になってくると運ゲーっぽさが増してくるのも辛いところです。
運ゲーにしないためには、上手いこと2マス程度の空間を確保するのが良いんですが、全体の空間が限られているため、その確保自体も結構難しめです。上手く逃げられるパターンを引くまでやるのが割と丸い印象があります。

なお、最後に待ち構えているバトルについては、これもそこそこの運要素強めのゲーム性をしているなという印象があります。基本的にはただ殴り合うんですが、通常難易度ならクリティカルを連続で出されない限りは基本的には負けません。こちらの取りうる選択肢の幅もそれほど広くないので、クリティカルが来ないように祈る乱数への祈りが必要な気がします。
独自の戦闘システムを取り入れているためか高速化が搭載されていないのも若干気になりますが、そもそも高速化を求めてしまうほど尺長めのアニメーションと変わり映えのしない戦闘状況の方が気になっていたかもしれません。もしかしたら、難易度を上げれば世界が変わるのかもしれませんが。

全体的に、システムやステージ構成は所々理不尽さもありつつ進められるものの、リトライ性があまりよくないことが足を引っ張っているという印象があります。割と初狩り上等な設計をしているのもあって、なおのことそのあたりが目立つなと感じていました。

それにしても、恐らくはReviveIV&ペンタと同じゲームシステムを採用しているとは思うんですが、同様に謎のNow Loadingが気になるところです。BGMもグラフィックも全部揃っている中、何をロードしているんだろう。
なお余談ですが、回復時にログを開くと世界の時間を止めつつ回復できるちょっとした裏技があります。さすがに卑怯なので使いませんでしたが。