第17回ウディコン全作品レビュー - 悪魔の遊戯
09. 悪魔の遊戯
| ジャンル | 作者 |
|---|---|
| RPG | こうさか |
| プレイ時間 | プレイVer | クリア状況 |
|---|---|---|
| 9時間 | 1.07 | クリア |
良かった点
- 全てのメンバーに役割がありました
- メンバーの入れ替えを戦略的に使う意義があります
- 戦闘、とりわけボス戦の難易度は歯応えのあるものでした
気になった点
- 店の操作がやや手間に感じました
- 入る際に演出がかかる点、装備とアイテムと装飾品でもう一段階選択が必要な点が気になります
レビュー
戦闘メインのRPG
悪魔の遊戯は、戦闘メインのRPGです。
そのゲーム性はその一言で表されるものであり、その一言を究極に煮詰めて出来上がった作品と言えるかもしれません。
基本的なゲーム性は非常にシンプルで、見下ろし型のダンジョンを進み、最奥に到達して攻略することを目指していきます。
ダンジョンでは雑魚敵とエンカウントするほか、最奥では強力なボスが待ち構えています。消耗を極力避けつつ安定して退けていく雑魚と、特殊行動をいなして全力で打ち勝ちに行くボスという双方の戦闘の楽しみが味わえることでしょう。
その戦闘システムはCTBの形式を取っており、それぞれの速度と行動に応じて順番にターンが回ってくるものとなっています。強力な行動をすると次のターンが回ってくるまでに時間がかかる一方、弱い行動は代わりに回転率が良いため、それぞれの状況に応じて適切な行動判断をしていくことが重要となってくるでしょう。
また、特徴的なシステムとしてSPと呼ばれるパラメータが存在しています。これはターン消費やMPの消費で溜まっていき、強力なスキルの発動に用いることができるものです。戦況を大きく変える力を秘めているため、意識して貯めておき、ここぞという場所で使っていきましょう。
ただし、勝利するために重要なのはそういった戦闘中の行動だけではありません。戦闘前の準備もまた欠かせないものとなっています。
プレイヤーはレベルに応じて得られたスキルポイントを割り振ることで、いつでもスキルの習得と忘却が可能です。それぞれのキャラクターの役割を捉まえて、相対す敵を攻略すべくスキルを吟味することが勝利の近道となることでしょう。
戦闘は戦う前からすでに始まっています。相手の弱点を突く魔法を揃えたり、敵の攻撃の属性耐性をパッシブスキルでつけたり、対象に有利なバフやデバフを揃えたりと、スキルだけで様々な準備が可能です。たとえ敗北したとしても、戦略を組み立て直し、スキルを見直していけばいずれ勝利は見えてくることでしょう。
そうしてダンジョンを攻略し、物語を進めていくにつれて、一癖も二癖もあるメンバーが追加されていきます。
戦闘自体は最大4人のパーティで行われますが、いつでもターン消費無く控えと交代できるため、前線に出していないメンバーにも役割があります。回復担当を控えさせていつでも回復に回す、大技を撃てる状態のメンバーをあえて控えに回して機を伺う、瀕死の味方を一度下げておく、というように交代もまた様々な戦略性を生み出しています。
追加メンバーごとの役割を上手く使いこなし、交代で回して戦況を有利に進めていきましょう。
スキルや装備による事前準備と、メンバーそれぞれの状況に応じた交代を含めた行動選択の双方を活用し、強力かつ戦略性のあるボスを打倒していく楽しみのある作品となっています。
とにかく戦闘を楽しみたいという方にお勧めのゲームと言えるでしょう。
感想
前作に近い形式の作品となっていますが、諸々大小様々なところに変化が見受けられます。個人的にはエリスと悪魔の書より好きで、遊びやすさや難易度バランス、それぞれのキャラクターのスキル構成など、細かいところがより良くなった印象を受けていました。
とりわけ、コマンドの割り当てがシンプルになったことで操作が直感的になっているあたりの体感が良いです。スキルの割り振りがやりやすくて助かります。
これも前作の話に接続してしまうんですが、前作においての戦略性が型にはめてどうやって倒すかという文脈になっていたのに対し、今作は相手の弱点を突いてギミックにどう対処するかという戦略性に変化しているように感じました。強みを押し付けて無法をするのではなく、堅実に相手のパターンを見て攻略していくことが求められています。これも、個人的にはこちらの方が好みです。
特に、いつでもパーティーを入れ替えられる戦闘システムを上手く用いつつ、相手の特殊行動への対処を筋道立てて攻略していく戦略を考えるのが楽しかったです。その分、多分今作の方が難易度は高めな気がします。
中でもラスボス戦は特にその面白さが際立っていました。守りに入っていると相手がどんどん強くなるので、ダメージキャップのないタイミングでいかに殴るかを考えながら、直前の強力な攻撃の凌ぎ方も並行して用意する必要があるといった建付けです。複数の戦略を同時に立てていくこの戦闘は、本作で一番好きかもしれません。集大成感もある。
メンバーがどんどん増えていくので、その分装備やスキルを考える手間は増えるんですが、裏を返せば全員に役割があって、頻繁に入れ替えて色々できる全員野球のような楽しさがあります。各キャラクターのパワーバランスも良い塩梅で、ここも個人的に好きな点の一つとなっています。ちゃんとそれぞれに意味がある。
また、メンバーは多いものの役割がかなり明示的に定められている印象もあり、育成というか方針は迷いにくいような気がしています。筆者は天邪鬼なのでデバフ役っぽい担当をアタッカーっぽく運用していましたが、終盤デバフが足りなくて負けかけたので、素直にバランス良く組むほうが良いとは思います。それはそれとして、アタッカーを大量に立てて殴るみたいな自由もある程度はあって良かったです。
攻略面で言うと、筆者はスキルを一点特化で成長させて諸々突破させていました。こういうギミック攻略系の戦闘は、万能よりも尖ってる方がいろいろ強いという主観からです。やることを明確化したおかげで戦闘中の動きの方針も決めやすく、特化してスキルパワーも向上するので一石二鳥です。
個々の対応力が落ちる面は他のメンバーに代替させればよいので、メンバーの数を最大限に活かした構成とも言えるかもしれません。
個人的に強力に感じているのはアフターケアというスキルで、これがあれば雑魚戦でも気軽に魔法を振れるようになります。そうなると被弾が抑えられるので、ダンジョン攻略の安定性がぐっと増しました。
また、見下ろしダンジョン要素についても、各ダンジョンごとにギミックを配置して色を変えていて面白いです。あくまでも戦闘メインとは言え、ノンフィールドでひたすら戦うわけでもないという空気を感じました。適度にRPGっぽい。
筆者は雪山が一番苦戦したパートで、地図の切り替え機能が見つからなかったため、スクショを見比べることで穴の対応関係を解いてました。想定解なのかな。
なお、戦闘メインとは言えフレーバー的にシナリオはありますし、最後の演出込みの戦闘も良かったです。戦闘がメインならではの物語の見せ方だと思います。ちゃんと把握するなら裏ステージに挑まないといけない気配がありますが。
ともかく、全体的に戦略性の高い戦闘が楽しめる良作でした。ちゃんとボス戦が楽しいゲームは良いゲームです。とりわけ、ラスボス戦は今ウディコンでもトップクラスに入るくらい熱い戦いを楽しめました。ちょうど良いバランス調整に感謝。
その辺の楽しさの代償として、メンバーごとにスキルや装備を組み替えていく手間が付随しているあたりはやや慣れない人には厳しい印象はあるものの、らんだむダンジョンの装備パズルとかが好きな人には苦も無く楽しめると思います。戦略を考えている時と、それがちゃんと機能した時が一番楽しいですからね。