第17回ウディコン全作品レビュー - 太宰府カンコー奇聞わたる
21. 太宰府カンコー奇聞わたる
| ジャンル | 作者 |
|---|---|
| RPG | ガミジ |
| プレイ時間 | プレイVer | クリア状況 |
|---|---|---|
| 2時間 | 1.5 | クリア |
良かった点
- 妖怪をモチーフとした敵のデザインが良いです
- 舞台、物語、設計が調和して雰囲気を醸成しています
気になった点
- 一部ボスの難易度が極端に高く感じました
- 特定の行動がほぼ対策不能に感じます
レビュー
大宰府スペクタクル
太宰府カンコー奇聞わたるは、オーソドックスなRPGです。
プレイヤーがマップを歩き回りながら戦闘を進めてシナリオを展開させていく、基本に忠実な設計の作品となっています。
物語は大宰府を舞台とした修学旅行から始まり、ひょんなことから異変に巻き込まれ、妖怪の企みを止めるべく二つの世界を行き来して奔走することになるという筋書きとなっています。各地にいる妖怪を倒していきながら大宰府を巡り、仲間を増やしてより強い敵に挑んでいく流れは王道的な雰囲気を醸しています。
とりわけ、各エリアを縄張りとしている首魁はいずれも強力であり、物語を進めていく上で立ち塞がってくる強敵となっています。彼らを倒すのであれば、相応に成長する必要があるでしょう。戦闘後に体力が全回復するシステムを活かし、勝てる雑魚敵とは戦っておくことが大事になってきます。
特に終盤の相手は非常に強く、生半な成長では太刀打ちできません。強敵に挑む前に、準備を怠らないようにすることをお勧めします。
修学旅行を起点とした観光とも冒険ともいえる物語は、和の雰囲気と異世界情緒を全体に感じるマップと妖怪をモチーフとした敵の数々により彩られています。これらの戦闘、シナリオ、マップとその探索の三拍子がバランス良く配合されているため、ベーシックなRPG体験が楽しめること請け合いです。
カンコー気分で大宰府を巡り、RPGを享受していきましょう。
感想
RPGとしてはベーシックな仕上がりとなっている作品でした。シナリオやマップの規模が適切にありつつ、メインのゲーム性が戦闘に置かれています。仲間の加入条件とかタイミングも良く出来ていて、全体の流れがかなり整えられている作品でした。
例えばジーニアスの加入条件が恐らくトリキチ救出後に調整されているように、上手いことバランスを取ってゲーム全体の構成が作られているように感じました。
戦闘の難易度バランスはそれなりに良く、雑魚とちゃんと戦うことを要求してきます。その一方で、一部ボスに関しては極端に強力であり、ここに関してはバランスがやや整えられていない印象を受けました。個人的には、トラとラスボスはまあまあな運ゲーに感じています。同じようなステータス、同じような戦略でも勝てる時と勝てない時があるので。
とは言え、ある程度人事を尽くしてから天命を待つ余地はあり、全体防御上昇を重ね、速度と命中を上昇させ、攻撃減少を重ねれば運の要素を下げること自体はできます。それでも、全体攻撃が選択され続けると壊滅状態に追い込まれるので、そのあたりは人事の及ぶところではありません。敵AIがデレるのを祈りましょう。
とりわけ、ラスボスのゲームバランスはかなり厳しく、強力な状態異常である麻痺、超強力な全体攻撃をそこそこランダムでばら撒いてきます。人事を尽くすまでもなく嬲られることもあるので、安定して勝つにはかなり色々と用意しておく必要があるのかもしれません。少なくとも、全回復アイテムは買い込んでおきましょう。
筆者はアスピルなど色々と試してはみましたが、バフデバフを撒いて可能な限り早く倒すのが一番期待値が高い印象を受けました。やられる前にやれ。ただ、あまりにも極端に強すぎるので、筆者が何かを見落としている可能性も高いと思っています。例えば、夫婦円満が4つあれば多少はマシになる気がします。
なお、ラスボス前は戻れないがセーブできる状態であり、最悪ここで詰みになりそうなことも気になります。ただでさえ強いので。
しかし、そういうボスは数えるほどしかいないので、総体としては楽しめるバランスになっている印象がありました。そう考えると、やはり何かを見落としたのではないかという感覚が拭えませんね。
あとは敵のグラフィックについても触れておきたいんですが、個人的には妖怪モチーフのデザインが好きでした。ゲーム全体の雰囲気にも合っていて、良い味を出しています。加えて、鏡を媒介にして二つの世界を行き来するという世界観と大宰府というロケーションもマッチしていて、日常から少し地続きにありそうな非日常の感覚を得ることができました。
ともあれ、軽めのシナリオを楽しみつつ、タイトル通りに観光気分でマップを回れる、短編のRPGとしてまとまりの良い作品でした。