第17回ウディコン全作品レビュー - BIG BANG
23. BIG BANG
| ジャンル | 作者 |
|---|---|
| RPG | 二義屋活者(にぎやかっしゃ) |
| プレイ時間 | プレイVer | クリア状況 |
|---|---|---|
| 1時間 | 1.0.1 | クリア |
良かった点
- 極めてスピーディーな戦闘でした
- リズミカルなSEのおかげで気持ち良く戦えます
- シンプルながら躍動感のあるグラフィックでした
- 雑魚からボスに至るまで、まるで動き出しそうな止め絵となっています
- 全ての演出のクオリティが高いです
気になった点
- キーリピートの都合で誤爆しがちでした
- 上記の気持ち良さとのトレードオフであり、メリットが明らかに上回ってはいます
レビュー
スタイリッシュの究極系
BIG BANGは、スピーディーかつ爽快感のある戦闘が楽しめるRPGです。
マップはそれほど広くなく、基本的に戦闘をメインとして行いつつシナリオが進行していく形式となっています。
このゲームを一言で言い表すのであれば、ただひたすらに気持ち良いゲームであると言えるでしょう。
極めて高いクオリティの演出、躍動感のあるグラフィック、超高速で進行する戦闘、コマンドを選ぶだけで流れていくSEが奏でる旋律、ありとあらゆる要素がプレイヤーに快感を与えることを目掛けて設計されています。
ともすれば、その高速な戦闘は誤操作を誘発し、簡素なコマンドバトルは戦闘の戦略性をやや薄めていると言えるかもしれません。しかし、そんなことは意識の俎上にすら上らないほどに、圧倒的な爽快感を持つプレイフィールで押し流されていくこと請け合いの作品となっています。
ただし、そうして闇雲にコマンドを選んでいるだけで勝てるほど甘い作品でもありません。とりわけボスは非常に強く、準備が整っていなければ倒すことは不可能です。
雑魚敵を倒してレベルを上げ、装備を整えて各キャラクターのスキルを調整し、ボスの行動を上手く御することで勝利の道が見えてきます。雑魚敵との戦闘は非常にスピーディーに行えるので、ストレス無しにこれらの準備に取り組めることでしょう。
そうして準備を整え、ボスを倒すことで進行していく物語もまたテンポの良いものであり、ミニマルながら特徴的なキャラクター達の掛け合いが魅力的なものとなっています。加えて、戦闘においても現出している演出力の高さは、シナリオにおけるカットシーンでより顕著なものとして現れています。ハイテンポかつスタイリッシュなその演出の数々は必見です。
様々なボスを撃破していき、派手な演出の数々を体験しつつ、その物語の終わりを見届けていきましょう。
とにかく、ただコマンドを選んで敵を倒すだけでも刺激的な快感に浴せるであろうことを強く保証できる作品です。
是非ともゲームのすべての要素を余すところなく享受し、その圧倒的な気持ち良さを味わってみてください。
感想
すごいスタイリッシュです(小並感)。もう少し真面目に捉えると、動きのメリハリの良さ、あるいは切り替わりの上手さというものが際立っています。カメラのカットもさることながら、動きのカットの一つ一つがキマっています。静止画でざっくりとしか動かない雑魚からですらその上手さが分かるので、ましてやカットシーンが素晴らしいのは当然とすら言えるでしょう。
静止画がここまで躍動感をもってあたかも動いているように見えるのが何故なのか分かりませんが、とにかく動きを途中で止めたようなそのグラフィックがまずは素晴らしい作品でした。
ゲーム性については、とにかく気持ち良く勝つということに重点が置かれている気がします。戦略性が薄いとか、リピートがプレイに支障が出るレベルで早いとか、そういうゲーム性にかかわる部分をある意味では捨ててでも、とにかく気持ち良さを優先したように感じています。
前作ではちゃんと攻略しないと気持ち良く勝てないようにデザインされており、それはそれで攻略した時の達成感と共に得難い体験となっていたのですが、今作においてはそもそもコマンドを選んで殴っているだけで気持ち良くなれます。スピーディーに流れていく戦闘はもはや遊んでいるだけで楽しい気持ちになれました。
その分、戦闘自体はかなり簡素なものになっています。基本的にはレベルを上げて物理とステータスで殴るバランスになっている印象があり、装備を充実させてレベリングすることが前提になっているような設計です。
一応、スキルや消費SPのコントロールがあり、バフデバフも用意されているため、この辺りを上手く使うと戦況を有利には進められます。しかし、結局のところ無理な敵には無理なことが多いので、殴り勝てるレベルまで引き上げるのがベターな気がします。
ただ、この辺りの複雑性の排除は上述の通り意図通りな気はします。あんまり複雑なゲーム性にすると気持ち良く攻撃できないですからね。
また、戦闘におけるリピートはとんでもなく早いです。早すぎて、数値が見にくかったり、どういう攻撃が飛んできたか判別するのはかなり難しくなっています。
しかし、そのおかげで他に類を見ない圧倒的なテンポを獲得しています。雑魚戦をここまでスピーディーに処理できるゲームは中々ありません。さらに、グラフィックの良さに加えてサウンドも良いので、小気味良い曲を聴いているような効果音の旋律が流れてきます。これが気持ち良い。
ミスを誘発することもありますし、そもそも分かりにくいのでシステム的にはどう考えても少し遅くした方が良いはずなんですが、あまりのゲーム性との噛み合いの良さにその不便すら受け入れても良いと感じてしまいます。ゲームに正解はないことを突き付けられているような気持ちです。
とにかく気持ち良く戦い、気持ち良く勝つというただ一点を突破しきる力が圧倒的であり、それだけで作品を貫くゲーム性を生み出している点については脱帽するしかありません。
これを可能にしているのは、仕様の取捨選択の思い切りの良さに加え、演出面やキャラクターデザインといったもののセンスの良さに集約されている気がします。記号化したようなデザインながらパワフルかつスタイリッシュに感じるその上手さは、もはやセンスとしか形容できません。
シナリオについても、割と予定調和的であり、先が見える展開ではあるんですが、そうであること自体が気持ち良さに繋がっています。もはやそのレールの上に乗って楽しみたい気持ちにすらなっていました。作者さんの掌の上で踊るのが一番楽しいので。
全体を通して思い切りの良さとセンスとしか形容できない方法で面白さを捻出している作品であり、プレイした筆者にも何で面白いのか良く分かっていない作品となっていました。部分部分を見れば不満のありそうなシステムがあり、実際に何度かそれによって間違えていたことはありました。しかし、プレイ中はそのあたりのことをあまり気にすることなく、最後まで突っ走って気持ち良くなっていました。
グラフィック、サウンド、演出、ゲーム性と全ての要素が気持ち良さというただ一点に注ぎ込まれたような、そういうゲームです。あんまり適切でない例であることは分かっているんですが、あえて言うとパチンコみたいなものなんだと思います。Balatro、幸運の大家様、Nubby’s Number Factory とローグライト系列では同系統の作品が色々出てる印象があるんですが、まさかRPGで出来るものだとは思ってもみませんでした。