第17回ウディコン全作品レビュー - 蠅叩キー

50. 蠅叩キー

ジャンル 作者
タイピング 遊句
プレイ時間 プレイVer クリア状況
15分 + 20分 1.04 おまけもクリア

良かった点

  • タイトルの一発ネタに留めず、上手くゲーム性を拡張していました
  • 奇天烈なシナリオと奇妙なゲーム性がマッチしていました

気になった点

  • US配列のキーボードを使っていると詰みます

レビュー

極限までゲームへと昇華された駄洒落

蠅叩キーは、キーボードにたかる蠅をタイピングで叩き潰していくタイピングアクションとでも言うべきゲームです。
タイトル通りのシステムのため、ともすれば駄洒落に引っ掛けた一発ネタの作品に見えるかもしれません。しかし、そのゲーム性は非常に堅実に、かつ綺麗に拡張されたものとなっています。

基本的にプレイヤーが行うことは、キーボード上にいるムシに対しそのキーを打ち込むことで倒していくというものです。しかし、ゲームが進むにつれて、捕獲や特殊なコマンド入力が追加されていき、少しずつやることの幅が広がっていきます。
その上で、タイピングで叩くという核となるゲームシステムに変化はありません。このため、新しい仕組みで合ってもすんなりと飲み込んで進められること間違いないでしょう。

また、そのゲーム性の緩さに符合するように、展開していくシナリオもまた軽妙なものとなっています。ステージごとに差し挟まれる探索パートと共に、キーボードを叩き過ぎた後の休憩としてぴったりと言えるでしょう。
是非とも奇妙な世界観の中で物語を読み進めるべく、キーボードを壊す勢いで叩いてきましょう。

なお、クリア後にはおまけで遊べるモードが用意されており、こちらのゲーム性も非常に高いものとなっています。ローグライト的に遊べる設計となっており、歯応えのあるバランスに仕上がっているため、興味のある方はクリア後に挑戦してみてはいかがでしょうか。

感想

タイトルだけ見ると一発ネタっぽい雰囲気があるんですが、それを一発ネタで終わらせないで一つのゲームに仕上げている点が素晴らしい作品です。複雑になりすぎない範囲で一発ネタからゲーム性を拡張させています。
難易度も割とちょうど良く、雑にやるとクリアできないけれど、ある程度理解してればクリアできる温度感に仕上がっています。あんまり難しいと蠅を叩く爽快感が薄れるので、この辺りは絶妙でした。

ひとまずシナリオがある方に触れておくと、単に蠅を叩くだけでない機能を順次解放していく仕組みのおかげで、遊んだことのないゲームにもかかわらず、非常にすんなりと理解しつつ遊ぶことができました。
また、始終シュールな世界観ながらちゃんと流れのあるシナリオの完成度は高く、変なゲーム性との親和性も高くなっています。妙なゲームには妙なシナリオが合う。

続いて、フリーモードの方に触れておくと、こちらの方は歯応えが割とあって面白いです。シナリオモードはある意味ではチュートリアルなのかもしれない。その強化方針を定めつつもランダム要素にある程度対応して進めていく流れは、昨今色々なジャンルと組み合わさってみられるローグライト的な設計に感じました。
一方で、ムシコインのような救済要素もあるため、完全な高難度ローグライトにはなっていません。あくまで緩く楽しめる範囲に留まっています。この辺りの難易度調整は、ゲーム性や世界観的にはかなりマッチしていて良かったです。

なお、フリーモードの攻略については、大きい虫が狙い目であるように思っています。ある程度強化さえしていれば、bomb@を適切に撃って処理が可能なためです。一方で、ダンゴムシが意外に難しいため、個人的には割に合わない印象がありました。キャパを越えるとそのまま負けることまであり得ます。また、攻撃力が十分上がっている終盤であれば、ハチも狙い目かもしれません。
アイテムについてはキーボード打鍵時のスタミナ減を抑えるものをいくつか取っておくと、ある程度ガチャガチャ押しても耐えられるようになるのでやりやすくなります。最後に向けて耐久性向上とボム範囲が集まっているとよりベターですが、割とガチャ押しでどうにかなる場面は多いです。

ちなみに、筆者のキーボードはHHKBなのですが、USキーボードだと攻略できないゲームとなっています。このため、日本語キーボードを引っ張り出す羽目になりました。というのも、bomb@のアットマークがShit同時押しを強制されるため、ゲームの設計上打ち込めなくなるためです。bomb@はゲームを進行させるのにも必要なので、そのあたりで一度詰みました。
全体的には遊びやすいゲームなんですが、US勢には遊びやすさ1になってしまうかもしれませんね。英字キーボードを使っている方はお気を付けください。