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38. ぐぅたら少年の七転八起

ジャンル 作者
ローグライト自動戦闘 はるしし
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.04 クリア

良かった点

  • 主人公が快活で良いキャラクターでした
  • 緩くビルドを探れるゲーム性でした

気になった点

  • 終盤ほど持久戦を要求されるため、ビルドが固定化されがちでした
    • 最低限回復とデバフなしでは立ち行かないイメージです

レビュー

半自動戦闘

ぐぅたら少年の七転八起は、ほぼ自動で行われていく戦闘が特徴的なローグライト風味のRPGです。
ステージに挑戦し、連戦を繰り返して一定数まで勝利できればクリアとなります。

ステージで繰り広げられる戦闘は自動で進行しているため、プレイヤーが干渉できることは多くありません。
干渉できる要素の中でまず重要となるのは、戦闘に勝利する度に得られるスキルやその強化の選択です。戦闘中は、ここで取得したスキルが一定時間ごとに発動していく仕組みとなっているため、この組み合わせ如何によってはスペックに大きな差が出ます。試行錯誤して、有効なビルドを模索しましょう。

加えて、もう一つ干渉できる点として、戦術の変更が挙げられます。これは戦闘中に行うことができ、一定時間ごとに回復、攻撃、防御、チャージ速度のどれを優先するか決めることができます。さらに、変更のタイミングで状態異常を回復する副次的な効果もあります。
戦況を見て柔軟に変えてみたり、状態異常に対応するために緊急で変えてみたり、その時々に合わせて上手く戦術を変更していくことが攻略においては重要になってくるでしょう。

なお、たとえステージをクリアできなかったとしても、その経験からステータスが向上していくため、次の戦いはより有利に進めることができるようになります。
諦めずに何度でも挑戦し、ビルドを組み上げ、連戦連勝を重ねてステージのクリアを目指していきましょう。

感想

ある程度放置で行けるかと思ったら、最後はモグラ叩きになるゲームでした。割と忙しいのでぐぅたらできません。ジャンルもオートチェスとかではなく、セミオートバトルなのでさもありなんではあります。

筆者は序盤はスロウ、ポイズン、ヒーリングのコンボで突破しつつ、ウィークを入れて安定を図っていました。スロウがかなり強く、これ一つで攻防両方で強いアドが取れるようになります。おかげで、鍛錬完了イベント前に完了するレベルで進展しました。主人公の成長速度が早い。
終盤もこの方針は変わらず、スロウ、ウィーク、ヒーリングはほぼ必須で導入されています。攻撃択はちょくちょく変えられているものの、たまにドレインが引けるとより嬉しい程度で、余り変化は生まれませんでした。

と言うのも、このゲームは終盤の相手の体力がかなり高く、ほぼ持久戦になることが確約されています。そうなると、回復はともかく、遅延とデバフも半ば必須になってしまいます。何故なら、速攻で潰す戦略が取れないので、高火力で固めるメリットが限りなく低くなるためです。
こうなると、終盤の戦略においてはスロウとウィークとヒーリングは毎回LvMaxで入ることになってしまうため、ビルドの幅はかなり狭くなります。
加えて、長期戦になると火力差やスピード差に大した違いも出なくなり、攻撃択ですらどれも似たり寄ったりの性能に収束しがちとなります。特殊性能付きの魔法が輝くくらいで収まる印象です。
この状況下だと、中盤以降はビルドが固まり、持久戦になり、格別バリエーションは増えません。

また、この固定化した盤面の中で発生する終盤のプレイングについては、相手の攻撃に合わせて発生した状態異常に対して素早く対応するボタンを押すゲームへと変化します。
序盤はチャージにおいて高速で回し、中盤から終盤は戦略を変えて封じ続けるゲームになります。ラスボスですらここに変化は無いので、見慣れたビルドを盾にステータスを叩きつけるようなプレイ感になってしまっていました。

ゲーム性自体は割と好きで、クールタイム付きで平行でスキルを撃ちだすそのビルドを構築するという方向性は面白いなと感じています。ただ、最終的な戦略性の幅が狭く感じ、やることが固定化されるのだけ気になっていました。
スキルのレベルアップのために中盤以降盤面に変化が無いのが原因なのか、回復ベースの持久戦しか許されないようなHPのデザインが原因なのか定かではありませんが、その辺の幅が広がると楽しくなりそうな気配を感じます。

単純に難易度を上げて良いなら、ウェーブごとの少量回復を当てにする短期決戦型にバランスを振れば良さそうですが、それはローグライクのレベルデザインであって、ステータス成長によるごり押しも許容する緩めのローグライトであるこの作品とは相性が悪いように思います。
スキルのレベルアップ性については単純に廃止して取り換えを推奨するデザインにしても、回復メインが優位なことには変わらないので、戦略を変える要求力に乏しいように思います。難しい。

とはいえ、あんまり深く考えずに半分放置するつもりで遊ぶのであれば、強いビルドを組んで敵を殲滅していけるので楽しいゲームです。
シナリオも良く、快活な主人公と過保護なジジババという黄金律を見ることができます。元気なのは良いことですね。

39. 鬼童-oniwarawa-

ジャンル 作者
ホラー探索ADV ゆらもり
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間+2時間 1.03 全END

良かった点

  • 良質なホラーの雰囲気が醸成されています
    • 演出、シナリオ、トラップのそれぞれが上手く作用していました
  • 謎解きの質が高いです
    • 作業だけでなく思考も求められる良い塩梅でした

気になった点

  • ほぼ周回前提ですが、周回はやや手間です
    • 慣れれば1周30分程度ではあります

レビュー

良質和風ホラー

鬼童-oniwarawa- は、ホラー系の探索アドベンチャーです。
和風の屋敷の中に迷い込んだ主人公を操作して、様々な障害を突破していくことになります。

障害は主に謎解きの形として表れており、その謎を解くには文言を読み解き、マップに配されたオブジェクトを注視することが重要となってきます。
探索範囲はさほど広くはならないので、余さず調べつつ、提示された謎を解き明かしていきましょう。
謎解きとしての難易度はちょうど良いものとなっているため、適度に頭を使いながら挑めること請け合いです。

また、そこかしこに遍在する和風のホラー要素も見逃すことはできません。ジャンプスケアと違和感を絶妙に交えつつ展開されるホラーは良質なものとなっています。
適宜挟まれるそうした演出に肝を冷やしつつも、冷静に対処して逃げおおせることが肝要となってくるでしょう。

そうして恐怖を乗り越え、謎を解決していくことで屋敷の先へと進んでいき、それに合わせてシナリオもまた展開していきます。
この屋敷は一体何なのか、襲い来る怪物は何者なのか、それを知るにはエンディングに辿り着くしかありません。加えて、異なる分岐に至れば、また異なった事実を知ることもできるでしょう。
あらゆる謎を解き明かしていき、真のエンディングへと到達しましょう。

感想

完成度の高いホラー探索アドベンチャーという印象の作品でした。ホラーの雰囲気とか、開示する情報のペースとか、謎解きの難易度やひねり方とか、それぞれが良い塩梅で構成されているので、体験として非常に良質です。
やり残したことがあるなと思ったら、即座に別ENDのために戻ろうと思えるレベルには完成されていました。追加で2時間かかってるんですが、色々やるべきことを考える時間でもあったので良い時間を過ごせたなと思います。

特に個人的に好きなのは謎解きがちょっと捻ってあるところで、解けた時に良くできているなあという気持ちにさせられます。四方向から見ているとか、晴れの掛け軸とか、よく考えればすんなり分かるけど、初見でちょっと惑う程度の仕掛けの塩梅が絶妙です。個人的にはクイズが一番好き。
さらに真エンドに行くために必要な要素として追加でひねっているのもあり、かなり謎解きというか探索要素をしっかり遊ぶことになる作品となっていました。

筆者は大体の謎は自力で解いていましたが、千代紙の順番だけごり押したので、後でヒントを見て理解するなどしていました。生贄の順番かなと思って色々試していたんですが、どうやら八の部屋のものだったらしいです。確かに最後が橙で締められるので、さもありなんといった感じですね。
それ以外の謎についても、元あった謎を発展させたものもありつつ、ちゃんと探索する必要があるのも散見され、調べていく楽しさがありました。
初見でTrueに行けない設計ではあるなと感じてはいますが、きちんと遊べばそれなりに分岐も納得がいくところではあります。ED1なら初見でもワンチャンスありますしね。ED0は多分無理。情報が後出しなので。

また、ホラー要素としてはブービートラップの設計も個人的には好みです。
好奇心猫を殺すといった雰囲気で配されているものに触れに行くと、問答無用にゲームオーバーにされます。このあたり、余計なものに首を突っ込んでいる自覚はあるので、全く理不尽さを感じません。ふすまが開いたらヤバいと思いつつ見に行きたくなりますし、それでゲームオーバーになるのもまた当然です。
加えて、こういう緊張感がそこかしこにあるので、実際には意味を持たないようなオブジェクトにも敏感に反応し、恐怖を増長させるようにもなっています。良いホラーの雰囲気が醸成されています。

ホラーの雰囲気については鬼がちゃんと怖いのも良く、適宜ちゃんとビビらせてくれます。追いかけっこの難易度が適度に難しいのも良い作用をしていて、恐怖を煽る設計となっていました。
一方で、鬼神までくると怖いよりも気持ち悪い形状ですねの気持ちが勝るデザインとなっており、ラストイベントで対峙する対象としてちょうど良い落とし所にもなっています。立ち向かう対象なので、不気味が勝つくらいが気分に沿っています。サイズ感も大きいですしね。

シナリオ面はホラー探索アドベンチャーの常として断片的にしか語られない歴史と、それに巻き込まれていく形に収斂するものではありますが、最後の対決を含めて大オチがきちんと用意されているのが良いところです。
エンディング分岐にもよりはしますが、そこそこの惨劇があり、犠牲があった話であっても、最後にある程度清々しく終われるのはこの終幕があったからにほかなりません。こういうタイプで、ちゃんと解決するパターンは逆に珍しいかもしれない。

しかし主人公、頭に角生えた何かに対して最初にやるのが「声をかける」なの、なかなか肝が据わってますね。そりゃあ好奇心に殺されかねない。

40. 作者が1日で作ったRPG

ジャンル 作者
RPG クロア・レア
プレイ時間 プレイVer クリア状況
10分 7/21 未クリア

良かった点

  • タイトルに相違ない1日で作れる範囲の設計でした

気になった点

  • 進行不能と思しき不具合があります
  • マップが余り意味を持たずに広いです

レビュー

1日突貫作業感

※この作品は、ウディコンのバージョンでは進行不能の不具合を含みます

作者が1日で作ったRPGは、1日で完成させる範囲のボリュームで構成されたRPGです。
軽いシナリオがあり、主には戦闘がメインのゲームとなっています。

全体で見て二つのエリアで構成されるマップ、それぞれの広がりは確かにタイトルに違わぬ体験ができるでしょう。
中盤あたりに進行不能がある点は注意が必要です。

感想

前提として、筆者のプレイしたバージョンでは進行不能でした。急に性別がどうのという話をしていたあたり、手前のイベントがスキップされているんじゃないかと推測しています。ウディコン終了間際に軽く確認した感じでは動きが無かったので、そこまでの感想を書きます。

開始早々、1日でまあまあ広いマップを作ってるなあという感想を抱きつつ、次のマップがほぼゴールなのを見て確かに1日に収まりそうだと納得しました。最初のマップ、イベントも特にないので1/10くらいにして本編マップの方に力を入れた方がコスパが良い気がします。
また、全体的にちょっとだけ広いのでダッシュが欲しい気持ちもありますが、1日しかないのであれば無理っぽい気がします。コモンイベント拾ってくればワンチャンスといったところでしょうか。

進行不能については2ステージ目みたいなところの手前に扉の上部分だけ置いてあるのが目立つので、多分扉を開けるイベントがあるんじゃないかなと想像していました。その周辺で決定ボタンを連打しても何も起きなかったので、あくまでも推測ではあるんですが。
進行不能があっても修正しないというあたり、ある意味では1日で作ったというテーマに殉じている感じはあります。修正したら2日で作ったことになりますからね。αもβもノータッチもない開発だ。

41. デモクラシア演義

ジャンル 作者
選挙 投票率向上委員会
プレイ時間 プレイVer クリア状況
30分 7/21 4大統領/戦火

良かった点

  • 選挙活動の厳しさをエミュレートしています
  • 選挙シミュでありながら、選挙のための選挙となっていません
  • 候補者が個性豊かでした

気になった点

  • 降りかかる国難が一律であることについて、一部違和感がありました
  • かなりランダム性が高く、ともすると選挙活動そのものの無意味さを感じることもありました

レビュー

選挙活動は足で稼げ

デモクラシア演義は、選挙活動をシミュレーションするゲームです。
6人の候補者から1人を選び、その候補者を広報して当選を目指すことになります。

選んだ候補者を当選させるためには、地道な選挙活動が鍵となります。
町やマップにいる人々にとにかく話しかけにいき、ひたすら候補者をアピールしていきましょう。アピールは成功率や得票率の上昇が異なる選択肢から選ぶ形式となっているため、可能な限り素早く有効なものを選び出していくことになります。
各地を行脚し、とにかく目一杯泥臭く候補者の宣伝をしていくことが、選挙活動を結実させる近道となっています。

そうした活動を経て、いくつかのイベントを迎えた後に投票当日を迎えることになります。
最後に選んだ候補者が国民から選ばれるかどうか、そして選ばれた候補者のその後を見届けていきましょう。

感想

選挙活動の厳しさの一端が分かる作品でした。めちゃくちゃ頑張ってたくさんの人に語りかけたところで、大体は冷たい態度を取られ、熱心に話を聞いてくれるような人はそんなにいません。
その中でも持てる武器をフル活用して、とにかく活動し続ける孤独な戦争でした。本来は選挙活動事務所とかあるんでしょうけど。

選挙結果については何度かやってみた感じでは、ある程度頑張った影響はあるけれど、時の運にだいぶ左右されるなという印象でした。
割と頑張ってアピールした結果増えた得票数より、乱数で増減する値の影響がかなり大きいです。頑張り方を最適化すれば、そのあたりの壁を越えられる気がしないでもないですが、その壁は厚そうでした。

また、何度もやり直しては色々試した範囲では、どうやら最終バトルというか国難、あるいはその文言に変化はないようです。
たとえ当選者が王族になろうと叩き上げになろうと、勇者のメンバーになろうと、降りかかるものは変わりません。これは現実味があるような、無いような要素に感じました。
個人的には、現実に対処せねばならない問題というのは立場の差に依存しない、という主張と飲み込んでいます。アプローチ(スキル)や能力(地盤/得票数)の違いはあれど、それを武器として挑む国難に変化はないという解釈です。

ただ、そうだとしても王族が既得権益を破壊しようとしているあたりは、まあまあ理解が難しいなという印象です。
そもそもが王族を民主主義が選んだのであれば、それは既得権益の一定の保護を民意として認めているという向きにも捉えられるので、それに反した行動をするというのはそれほど民主的なものではありません。むしろ党首の独断専行にも思えます。

閑話休題。ゲームとしての話に戻ると、いきなり投票が始まるのではなくて、そこに至る経緯をダイジェストでまとめているのが個人的には好きです。ちゃんと目的に対する理由が示されています。
選挙活動においても地盤を意識すると成功率が目に見えて変わるという小さなゲーム性もあり、こういう細かいところの作りでそれっぽさが担保されています。
また、選挙で終わりにならず、最後にそのトップをもって国難に当たらせるというのも、選挙をテーマとした上で誠実に思えました。選挙して終わりとなるものは選挙のための選挙でしかありませんからね。その地続きにあるもののための選挙という印象が強く残っていて好きです。

ちなみに筆者は何度やり直しても謀反に勝てませんでした。一度だけ応援者が良いところまで行ったケースがあったので、多分選挙活動を真面目にやって、上手く噛み合えばいけそうな気配はあります。謀反は絶対に覆せない民意であるという可能性も否定はできませんが。
そういう意味では真のクリアはしてないとも言えるかもしれません。

42. パーソナル戦記 Memories

ジャンル 作者
RPG ゾローク
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間30分 8/12 クリア

良かった点

  • マップが広いぶん、ダッシュはかなり高速に動作します
  • 難易度ノーマルに有用な救済措置がありました

気になった点

  • 探索を要求する割に、世界が殺風景です
  • 一部スキルの性能が高すぎて、ほかのスキルの意味や弱点の価値がほぼなくなっています
  • 続編のため、この作品と直接関係ないキャラクター名が説明なしでよく使われていました

レビュー

だだっ広い草原をダッシュで駆け抜けろ

パーソナル戦記 Memories は、一つのマップを駆け回って戦闘を行っていくRPGです。
東西南北に大きく区分される巨大なマップからボスを探し出し、倒していくことになります。

戦闘はオーソドックスなコマンド形式で行われるため、メンバーのスキルやステータスが戦いにおいては重要となってきます。
強力なボスを倒すためにも、マップ内のエンカウントエリアで戦闘を重ね、充分にレベルアップしておきましょう。

また、ゲーム、ひいてはシナリオを進行させるためには、ボスを探し出す必要があります。
ボスは広大なフィールドのどこかにいるので、ダッシュを駆使してくまなく探し回りましょう。あるいは、ボスを探し回ることで戦闘を重ね、充分に成長することもできるかもしれません。
四方八方を探し回り、様々なボスを撃破していき、シナリオの終わりまで歩みを進めていきましょう。

感想

色々な感想が全てただただ広いワールドの印象に塗りつぶされている作品です。ダッシュが本当にすごいダッシュするんですが、この広さだとさもありなんという感じでした。
ダッシュの高速感はかなり面白く、周囲に何かオブジェクトがあるとより顕著にその速さが分かります。主人公たちは特に何も習得することなくこの能力を使っているんですが、何か謂れはあるのかそういう仕組みというだけなのか。

初めにシナリオ面に触れておくと、おそらく続編っぽい話の流れをしているので、ちょくちょく説明なしで初見の人物についての会話が繰り広げられていきます。クリアした現在も、それぞれの関係性はかなりおぼろげな把握しかできていないんですが、因縁などを気にしなければメインの物語は追える程度にはとどまっています。ちんぷんかんぷんというレベルではありません。
なお、特にエンディングでそれは顕著で、作中ではほぼ触れられていないキャラクターのその後についても語られます。

また、作中の目的である守護神を倒している理由もかなり納得感がありません。どこかから聞こえる声に従ってやり続けているというものであり、黒幕の傀儡っぽい行動に終始しています。
それにもかかわらず、その行動に対しての言及はなしに、黒幕と対峙しだすのでかなり違和感を覚えました。

戦闘面で見ると、初期のうちはバリアシールドが最強スキルに見えつつ、最強の攻撃手段であるスターダストスラッシュがさすがに群を抜いた最強スキルだなという感想に落ち着きました。
バリアシールドはかなり強く、恐らく引きつけ、カウンター、シールドの全ての要素を兼ね備えます。
しかし、それを置いて余りあるほどにスターダストスラッシュが強く、ほかの攻撃技の何回分もの攻撃性能を一打で叩き込みます。正直弱点を気にして攻撃を選ぶくらいなら、こっちを打った方がお釣りが来ます。ほかの攻撃手段の存在価値が脅かされるレベルです。消費MPがスターダストスラッシュより多いスキルであろうと例外ではありません。

そういう意味でも戦略はだいぶ固定化されると感じていて、バリアシールドを張って回復しつつスターダストスラッシュをとにかく撃ち続けるのが安牌になります。ほかをサポートに回してでも、毎ターンこの行動が打てる方が強いです。
手が空いたほかのキャラが攻撃しても良いですが、余り効果は得られません。魔法などもってのほかでした。

ステージについては、とにかく広く、オープンワールドと呼ぶにもさすがにオープンにすぎるなという印象です。
難易度ノーマルのお助けキャラらしいマオがいないと、この中で中ボスを探し出すことになるので、かなりしんどい気はしています。筆者は何も考えずにこの救済を使いました。
また、全体的にレベルデザインがプレイヤー任せになっているという感触もあります。レベリングをするにあたっては、基本的に明示されたエンカウントエリアでどの程度戦闘をするかでその結果が決まるので、道中までの距離、道筋などに由来する基準はありません。このため、プレイヤーがボスに負けた時、ステータスが足りないのか戦略の方向性が間違っているかの指針が全くない状態になります。
なんとなくポケモンっぽいデザインではあるんですが、あっちはトレーナーがいるから成立しているデザインであるような気はします。捕獲したくなる種類が多いというプレミアもありますし。

また、ステージがかなり殺風景なのもしんどく、場所を覚えるのがほぼ不可能になっています。これは探索済みのエリアがどこかを把握するということが事実上不可能であることを示しているので、虱潰しすら困難になってきます。
一応東西南北で雰囲気は変わりますが、その各ステージ内でもせめて小物などの配置で差異が出ているともう少し探しやすいんじゃなかろうかという感じがしました。

とにかく色々と広いなあという印象に支配される作品でした。
ここまで広いと、ウディタで該当マップを開くだけでも動作が重くなりそうですね。

43. 少女大猩猩 -ゴリラvsデカヘドロン-

ジャンル 作者
アクション 餓鬼郎党
プレイ時間 プレイVer クリア状況
30分 1.05 クリア

良かった点

  • 緩急の付いた良いゴリラアクションです
  • 最後はシナリオとともに良い演出で敵と相対せました

気になった点

  • 特にありません

レビュー

ゴリラメタモルフォーゼ

少女大猩猩 -ゴリラvsデカヘドロン- は、ゴリラに変身するアクションを駆使して進めるゲームです。
ゴリラになれる特殊能力を武器に、薬物で人間を怪物に作り替える犯罪組織に挑むこととなります。

ゲーム中で遭遇する様々な敵に対し、人間のまま触れるとゲームオーバーになってしまいます。一方で、ゴリラは無敵の霊長であるため、変身中は全ての敵をなぎ倒すことが可能です。どんどん敵を吹き飛ばしていきましょう。
しかし、無敵のゴリラであり続けることはできません。ゴリラに変身している間はGPを消費し続け、これが枯渇すると人間に戻ってしまいます。
GPが溜まるまでは、人間のまま上手く逃げることが肝要となってきます。あえてゴリラ状態を短めに抑え、回復する必要のあるGPを少なくするというのも良手となるでしょう。

また、ゴリラのままでは知能が低下している上、体が大きいため探索や謎解きでは不利となります。ゲーム中の探索パートでは大人しく人間のまま過ごすのが良策です。
ゴリラと人間の良いところを上手く活用し、マップを探索していきましょう。

そうして犯罪組織をゴリラの力でなぎ倒していく中で、やがて組織の生み出す最大の怪物にも相対すことになっていきます。
溢るるゴリラのパワーを最大限に活用し、強大な敵をも打倒していきましょう。

感想

3作目まで出るとは思っていなかったです。ゴリラものは続編が出る、というジンクスでもウディコンにはあるのでしょうか。
映画なんかでは3作目に面白いものが出るかどうかがシリーズ物の分水嶺っぽい向きがあるらしいんですが、この作品は3作目まで面白いので良かったです。ずっとシリーズ物やってほしい。

各作品ごとにゴリラアクションを主軸としつつも、微妙に味が違うことをやっているのが個人的には好きなところです。今作はやや探索風味やパズルっぽさが随所に見受けられる印象があります。
その上で主軸となるゴリラメタモルフォーゼはきっちり要所で炸裂し、爽快感を与えてくれる設計にもなっています。しかし何度見ても、ゴリラメタモルフォーゼって何なんだ。

加えて、ゴリラアクションはついに巨大化まで果たし、規模感をますます上げていきます。巨大化したゴリラ、もはやそれはキングコングなんじゃなかろうか。
この巨大化はかなり良く、木々をなぎ倒し草原を闊歩する最高のパワー体験を与えてくれます。最終戦ということもあって、かなりインパクトが大きい演出になっていました。地に響くおおきなものになりましたね。空を渡ってはいないですが。
巨大化が物語的な演出としても機能していて、ただ奇をてらうだけの巨大化じゃないのも良いところです。ラストバトルの雰囲気をしっかり醸成しています。

シナリオの面では、伏線も含めて割とあからさまなところはあるんですが、その辺がむしろ娯楽映画っぽくて良い感じがあります。まさに副題にゴリラvsデカヘドロンと付いていそうな雰囲気です。
起承転結も、結末としてのオチも完備されつつ、ウディコンに常にゴリラ成分を供給してくれる作品でした。
もはや最初の入りについては、劇場版の名探偵コナンみたいな感覚を覚えてきました。確かに初見は面食らいますからね、この設定。

なお、筆者はそこそこ探索したつもりですが、今回は隠しアイテムを見つけられませんでした。残念。どこかの隠し道でも見逃したんでしょうか。

44. 優しいごはん

ジャンル 作者
RPG mashiro
プレイ時間 プレイVer クリア状況
17時間 1.08 全END

良かった点

  • 作業的なメインループが良く回っていました
    • 料理と素材の関係が良く循環しています
    • 戦闘のテンポもちょうど良いものでした
  • ご飯を軸としたシナリオの空気感が良かったです

気になった点

  • お使いクエストが作業的に過ぎました
  • 終盤のギミックはやや理不尽です

レビュー

ご飯を食べて活動しよう

優しいごはん は、美味しいご飯を食べて進めるRPGです。
自然豊かなミノリ島を訪れた若者たちを操作し、収穫や交流を経て成長していく物語を体験していくことになります。

RPGと言っても、攻略に血道を上げるような戦闘はほとんどありません。
基本的にプレイヤーのやるべきことは、収穫のために食物と戦ってその素材を獲得し、それを元手に料理を作っていくことです。料理があれば体力などを適時回復できるようになるため、より多くの戦い、ひいては収穫が見込めるようになります。
そうして、ひたすら収穫と料理を交互に繰り返し、少しずつ行ける場所や作れる料理を増やしていくことになるでしょう。

料理のバリエーションが増え、行動範囲が広がるにつれて住民との交流も盛んになり、それぞれのお願いごとを聞くことも出てきます。積極的に交流を行って依頼を叶えていき、ご飯をごちそうになりましょう。
このような緩やかなルーチンの中でイベントをこなしていく中で、物語はちょっとずつ進展していきます。様々な場所で様々な食材を収穫していきながら、緩やかにこの世界と物語に身を委ねていきましょう。

感情を激しく揺さぶるような戦闘をするわけでも、思考を強く要求するパズルをするわけでもありませんが、素材をひたすらに狩り、料理をたくさんこさえていく過程は確かに没入することのできる作品となっています。
無心で素材と料理のサイクルを回し、たくさんご飯を食べていきましょう。

感想

説明に違わぬ作業系RPGでした。とにかくルーチン通りに色々作業をこなし、ひたすらご飯を作って食べるゲームです。
最初の作業からしてルーチン行動になっていますが、やることが決まってくると、さらに動きがどんどん決まってきます。その中で少しずつ進展するものもあり、変化するものもありはします。ただやはり全体を通して見ると固定的な行動を繰り返していくことになるので、そういった作業に抵抗がないと楽しめる作品なのかなと思います。
筆者はこのレベルでちゃんと固定ルーチン化させるモチベーションがあるなら好みなので楽しめました。クリッカーとか工場系ゲームみたいなイメージ。

攻略にあたってのルーチンというか行動パターンについて触れておくと、序盤をおにぎりとナス丼でしのぎつつ色々な場所を巡り、徐々に足りなくなっていく回復量を補う形でグレードアップさせていく方針で進めていました。ナス丼は畑の収穫物で賄えるので、序盤はかなり有用な料理に思えます。回復量も充分高いですし。
ただ、どこかでHP1500回復では心許なくなってくるので定食系やオムライスに鞍替えしています。これを活用している間にウシタマを狩れるようになってくるので、それを元手にステーキ定食を作る形に移行しました。
一方、MPの回復はカボチャプリンがかなり優秀で、こちらも畑と乳製品でカバーできるので作りやすくなっています。MP700が不十分になってきたあたりでパンプキンパイを作るようになっていました。こっちも結構作りやすい。モンブランやアップルパイの作り置きもしておきましたが、MPの消費量はHPほど激しくないので、割とパンプキンパイだけでも行けます。

勝負飯に関しては、物語最終盤以外はほぼ不要なので余り試していませんが、適当に作り置きしていた海鮮丼でHPはほぼ持ちました。
MPはイチゴを荒稼ぎしてショートケーキを量産していましたが、そこまでしなくても作り置きだけでも充分カバーできるレベルです。やはり、MPよりはHP回復に比重を置いて料理をしておくのが良さそうな印象があります。
最終的には1100回も料理を作っており、よくこんなに作ったなあという感慨に浸っていました。単純にこの量の料理を作りまくっているクルミが凄い。

そして、これだけ料理を作りまくるモチベーションとして、戦闘システムがきちんと設計されていたのが個人的に好きなところです。
基本的にHPを消費してスキルを発動するのが効率的なので、とにかく雑魚狩りでもHPを消費して全体攻撃をぶっ放し続けることになります。こうなると、たとえ被弾していなくてもHPはみるみるうちに減っていきます。MP消費型の場合もほぼ同様です。このため、継戦するなら料理によるHP回復が不可欠なので料理を重ねることになり、そうして得た戦利品からまた料理を作り続けられるという良い循環が回っています。
自然と作業的な戦闘がループを生み出しており、没頭していると食材の循環が自然に行われていき、時間を忘れて無心で食材を狩ることになります。いつのまにか食材を99個持ってることがザラにあります。

最大所持数が99個なのはやや手間のかかる面もありますが、あんまり素材を貯めずに料理に変換しようというモチベーションを生むので、総合的にはかなり良い仕組みだと思っています。
確かに、コメなんかは99個をすぐにあふれさせますが、これが余りに多いと、そもそも食材を狩っている時間にも終わりが来なさそうです。適度に終わらせるためにも、99個という区切りはかなり機能しています。
また、料理もバリエーションを要求するとともに、おにぎりを1000個作る、みたいな面倒なことをさせない抑止力にもなっています。グレードの低い料理をいつまでも使い続けるより、グレードの高い料理に移行する方が総合的に楽であり、自然にそちらへ移行するためには制限が必要になるという寸法です。

上記のような作業的循環にマッチするかどうかがプレイを楽しめるかどうかの分かれ目になっている節はあり、その辺で好みが分かれそうな作品ではあります。
加えて、1時間30分くらいかかるチュートリアルもまあまあ関門であり、40分のインターンのあいさつ回りや雑草狩りの10分強など、ふるい落とす能力が高い構成だなあという印象はあります。インターンのロールプレイとしては凄い適切なんですが。

また、お使いクエストや終盤のギミック神殿周りはそこそこしんどく、ここもふるい落としの能力が高い構成になっています。美味しいごはんを作って渡す話はまだ分かるんですが、それを連続で配り歩くのはかなりしんどい気持ちになります。特に同じような場所を巡って置いておくのは、ルーチン外の作業的な感覚が強く、余りマッチしていない印象を受けました。
神殿のギミックもまた手間がかかるものが多く、かなり面倒なものが取り揃えられています。料理を大量に使わせようという設計である気もするんですが、それ以上にこちらのモチベーションがだいぶ奪われてしまいました。個人的には氷神殿が一番しんどい。

一方で、サブイベントで料理を振舞ってもらえるようになる展開はゲームタイトルにもマッチしていて、かなり好きなイベントです。
上手くイベントをこなしていくと、HPとMPを使い切ったあたりで全回復させることができ、1日の間に際限なく行動することも可能になってきます。筆者は人の家でご飯を頂きまくることで終わらない9日目をやり、2時間くらい9日目を堪能したことがありました。ただ飯は偉大。
そうして色々なことをしていると探索範囲が広がっていくのも良くて、その度に敵に出会い、新たな料理に出会うことができます。メインルートそれ自体のルーチンはかなり良いように感じました。

戦闘についても軽く触れておくと、作業の名に違わず、おおむね考えることなく終わらせられるものになっています。
現時点で強すぎる相手に挑む時や、強力なソウルに挑む時はさすがに戦略を考えることもありますが、それ以外の作業と言って良い戦いはちゃんと作業的です。そして、スピーディーに戦闘が終わるので作業に没頭しやすくもなっています。
こうした中に前述したようなソウルといった特殊個体が混ざることで、たまにちゃんと戦う必要が出てくるのもアクセントとして良いです。
また、終盤の強敵も当然思考が必要な上、ここからは勝負飯が必須のレベルになってきます。この辺の段階というかランクはちゃんと分類されている印象がありました。
なお、実はシロシリーズの技が、ちゃっかり重ね掛けできるんですが、上3つのアイコンが同じなので認識は凄く難しいものになっています。しかし、重ねると火力が割と上がるので強い行動ではあります。強敵相手にはターン経過を覚えて効果的に活用できると、かなり優位に立つことができました。

続いてシナリオなんですが、どう解釈すべきか迷うあたりもあり、最初の印象よりは複雑な感じでした。
序盤に関しては、職業体験の余りものグループという珍しい取り合わせから始まり、かなりリアリティのある失礼さをもってスタートします。誇張された失礼さというか、物語的な失礼さではなく、本当に失礼なムーブをする人間という嫌な現実味があります。ハル君がだいぶアレな性格っぽい。
そんな彼らが少しずつ交流して意識を改めつつ、成長というか感化されていくという物語のベースラインは分かりやすいものです。

ただ、明確な分岐から始まる一連の流れと、その分岐を見ると、急に世界観が変化していきます。
あの表現をそのまま取ると、今際の国のアリスみたいな話になりそうな印象を受けますが、実際のところどういう解釈をすべきかは判然としません。実際、世界観的にそういうものなのかと受け入れていたそれらは変な話ではあるので、そういう世界であると受け取ることも充分可能です。
そうであるなら、そこで死ぬというのはどういうことなのか、そこから旅立つとはどういうことなのか、そもそもあの二人はどういう存在なのか、と色々考察の余地はありそうですね。

余談になりますが、この作品もまた今ウディコン飯テロ作品の一つとなっています。今回多くないですか。
しかも料理のバリエーションが一番多く、料理を食べる時間に一番時間を割いている作品でもあるので、おなかの空き具合で言えばダントツでトップかもしれません。本当に美味そうに食べますからね。

45. イマジナリーフレンド作ったら発狂しました ~作者の統合失調症体験記~

ジャンル 作者
ノベル うぉじろ(woziro)
プレイ時間 プレイVer クリア状況
40分 1.01 読了

良かった点

  • テンポ良く物語が進んでいきます
  • 独特なシナリオを味わうことができました

気になった点

  • 特にありません

レビュー

疾風怒濤の体験記

イマジナリーフレンド作ったら発狂しました ~作者の統合失調症体験記~ は、分岐無しでシナリオが進んでいくアドベンチャーゲーム、ないしはノベルゲームです。
イマジナリーフレンドとそれにまつわるエピソードが怒涛の勢いで描かれています。

圧倒的なエネルギーで綴られていくその物語の特徴は、理解できる範囲の際まで飛躍し続ける流れと、それを軽妙なテンポ感と演出で叩きつけてくるところにあると言えるでしょう。
さながらウルフの意識の流れのごとく、絶えず流れるように移ろっていく観念と主題の勢いの中に呑まれる体験は得難いものとなっています。

そうした物語に込められた情報の洪水とでも言うべき勢いは、迫力と凄味を存分に発しているため、ともすれば気圧されてしまうかもしれません。しかし、素早い場面転換やバックログの用意など、システム的な助けもあるのでゲームとしてはすんなりと消化することができるでしょう。
読後には嵐の後のような感覚が残ること請け合いです。

テンポ良く進む言葉の濁流のような体験に没頭してみてはいかがでしょうか。

感想

センシティブなテーマだなあと思っていたら、余りの勢いに終始気圧されていました。開始1秒で出力する台詞からして馬力が違います。
何より恐ろしくかつ素晴らしいのは、この凄まじい迫力とテンポ感が一切途切れることなく終わりまで続き、何なら登場人物の追加とともに加速していくことです。どんどん加速してるジェットコースターに乗っているような気分。

筆者個人の考えとして、ノベルゲームというかシナリオを読む際は、意図的にせよ無意識的にせよ先読みしていることがあると思っていて、それによって認知負荷を下げていたり、意外な展開で驚いたりしていることが多いんじゃないかと考えています。
しかし、この作品はその投機的先読みが機能不全を起こすので、もはや字面をそのまま受け取って逐次処理していくしかありません。テンポは良いし読み味は軽いのに、読むのにめちゃくちゃ体力を使いました。得難い体験です。

ワードサラダという言葉にも代表される、統合失調系における一つのありうべき特徴として意味が通っているけれど通っていない文章があり、この物語の大半はそれに近いもので紡がれています。
話はほとんど脈絡なく別の箇所にジャンプし、と思えばやたら詳細に話が入るフェーズもあります。話の濃淡がバラバラで、その接続が余りにも唐突なものとなっています。しかし、ともすれば読みにくいという感情を惹起しそうなこれらの特徴を抱えつつ、ここまで読みやすいというか勢いで消化できるようになっている構成は脱帽の域です。
バックログがあったり演出を所々に挟んだりと、細かいところで補助を欠かしていない仕組みも、この読みやすさに大きく寄与していると思います。

どうも上記の特徴を列挙していると批判っぽく見えてしまっている気がしますが、決してそうではありません。念のため。むしろかなり刺激的というか一波乱も二波乱も唐突に訪れる、波にもまれるような体験が得られる良い物語になっています。全体を通した迫力と凄味はなかなか味わえるものではありません。それと同時に、安易に覗いて良い深淵なのかという気持ちにもなってきます。

どうでも良いですが、日本の天使と聞いてフランシスコザビエルが頭をよぎりました。あれは守護聖人。

46. 日替わりフルーツ

ジャンル 作者
記憶 ブ瓶
プレイ時間 プレイVer クリア状況
3分 1.0 40

良かった点

  • 気づくとスコアが伸びていく良いミニゲームでした

気になった点

  • ハイスコアが記録されたセーブデータがある状態で起動するとフリーズしていました
    • 多分ver1.2あたりで直っていそうです

レビュー

記憶を頼りに果物を当てよう

日替わりフルーツは、記憶力と反射神経が問われるミニゲームです。

ゲームとしてはシンプルであり、時間制限内に表示された果物と同じ果物を選択肢から選んで回答していくゲームとなっています。
ただし、選択肢は常に同じではなく、一定の法則で並び変えられた状態で隠されます。
このため、法則を理解して順番を推理し、記憶をもとに回答を行う必要があります。

なお、一定の数だけ回答する度に体力が増え、間違ったらその体力を消費するという仕組みであるため、一回のミスではゲームオーバーにはなりません。ある程度リスクを負って素早く回答するか、順番を確定させるまで待つかはプレイヤー次第です。
法則を理解し、選択肢から順番を読み解きながら高速で選択してハイスコアを目指しましょう。

感想

最初はルールが分からず運ゲーかと思い、ルールが分かって記憶ゲーだと把握し、最終的におぼろげな記憶をもとに運ゲーした方が強くないかなと気づいたゲームでした。プレイ時間は短いのに学習が三段階発生しています。良いゲーム。

筆者は一週目でローテートに気づいたものの、時すでに遅かったので活用できませんでした。その次は記憶して挑んでみたものの、それだけではスコアが伸びませんでした。
というのもの、このゲームは間違えても一発アウトではなく、体力が減るだけです。時間のロストもありません。また体力は定期的に増えます。なので、記憶から算出するくらいなら、なんとなくこの辺だろうなという位置をある程度の体力の犠牲を覚悟で押した方がスコアが伸びます。
それに気づいた結果、無事目標スコアに到達できました。

恐らくここから一歩進み、このフィーリングで決めてるローテートの位置を完璧にできれば、50あたりも狙えそうな感覚はあります。ガチ勢はどこまで行けるんでしょうか。と思っていたら、100点を超えている方がいらっしゃいました。人類には無限の可能性がありますね。

47. 「■」の多いダンジョン

ジャンル 作者
RPG 遊句
プレイ時間 プレイVer クリア状況
30分 1.06 クリア+

良かった点

  • 程よく頭を使う戦闘システムでした
    • できることの進展の度合いもちょうど良いです
  • 色々と気になっていたことを回収する導線が整備されています

気になった点

  • おまけが流れ作業でやや手間でした
    • ただ、埋めた技が持ち越されるので強く面倒には感じませんでした

レビュー

■■■■■■

「■」の多いダンジョンは、特殊な戦闘形式を持つ短編のRPGです。

戦闘は事前にスロットにスキルを入れておき、ターンごとに順番にスロットにあるスキルが使われていく形で行われます。
ステータスはあるものの、レベリングの概念は基本的にないため、勝利するには彼我のスキルの順番を観察することが重要になってきます。
相手の行動順をよく見て、こちらの使えるスキルを上手く組み立てて相手を制圧していきましょう。

そうした戦闘を乗り越えることで少しずつ世界のことが明らかになり、やがてシナリオが展開していきます。
不思議でほの暗い「■」の多い世界をさ迷い歩き、戦いに打ち勝っていきましょう。

感想

何の説明もないままに放り出されても、最終的に何をやるべきかはある程度明瞭になるゲームは良いゲームなので、このゲームも良いゲームです。
情報を極端に絞っている代わりに、一方通行型のステージだとか、分かりやすいレベルで会話に■を埋め込んでシステムを理解させるとか、要所を締めておくことで迷うことが少ないようになっていました。

戦闘面を見ると、ほとんどパズルと言って良いタイプであり、特定のフェーズを除けば回答も一意に定まっていそうな感じではありますが、頭の体操としてはちょうど良い塩梅です。それほど多くの選択肢がないので、きっちり詰めていけばさほど難しくはありません。
また、敵の能力を使って拡張していくという仕組みも良く、新要素への理解がスムーズに行えるようになっています。敵の行動パターンを理解して攻略するところにリソースを集中しやすいです。

システム面では、後で聞きに来ようかなと思わせるシステムになっているのが良くて、ちゃんと導線もあるので回収もできるようになっていました。筆者は変に細かいので、終わり際にわざわざ会話しに戻ってしまいましたが。文章差分は無さそうでした。
それと戦闘以外の要素がほとんど無いのもシンプルで良く、やるべきことだけが明確に存在するようなスレンダーなデザインに感じていました。

気になる点と言えば、メニューだけ若干ラグい気がしていたくらいで、それ以外はシンプルなのもあってスムーズにクリアまでたどり着くことができます。メニューに関しては、セーブしようとしてカーソルを動かしたらロードで止まったのであわやという一場面があったので印象に残ってしまっただけかもしれません。
後は、おまけがほぼ流れ作業なので簡略化したいという気持ちが湧いたんですが、あそこの無双っぽさも好きではあるので難しいです。思念伝達もしたいですしね。個人的には未セットがあっても許容してくれると、いきなりスキルを7個埋めなくてはいけない煩わしさが無くなるんじゃないかなと思っていました。どうせ埋めた技は次に引き継がれるので一回やれば良いんですが。

また、学校モチーフなど、ふんわりした概念としての世界観があるのも良く、シンプルに過ぎない程度にゲーム全体を覆うような装飾として機能しているように思いました。これと、都度流れる良いBGMがないとひどく無機質なゲームになりそうです。
とにかく不要なものをそぎ落とし、上手いことゲーム体験だけ切り出した彫刻みたいなゲームでした。