0%

58. 綺羅星の射手

ジャンル 作者
シューターアクション 戯塚よどみ
プレイ時間 プレイVer クリア状況
7時間 1.0 クリア

良かった点

  • バリエーション豊かなボス戦が楽しめました
    • 投げが選択肢に加えられたユニークな体験ができます
  • エリアごとに特色あるギミックで探索を盛り上げてくれます
  • エンディングに向けての演出が良いです

気になった点

  • 筆者のプレイバージョンでは不具合が散見されました
    • 現在はおおむね修正済みのようです

レビュー

探して回るシューターアクション

綺羅星の射手は、探索要素を含むシューターアクションです。
プレイヤーは三つのミッションを与えられた状態で各地を探索し、シューティング的なアクションを駆使して遭遇する敵を打ち倒していくことになります。

基本的なアクションはキーボードで移動し、マウスで照準を合わせて行う攻撃を主軸とするものです。接敵した場合は、上手く移動して相手の攻撃を回避しつつ、マウスで狙いをつけて狙撃していくことになります。
そのアクションの腕は、とりわけボスと相対した時に問われることになります。ボスはバリエーション豊かな攻撃手段を持っており、一筋縄では勝つことができません。その多彩な攻撃を見極めて避けつつ、適切に反撃を加えていくことが肝心になってきます。
また、落ちているアイテムを上手く敵に当てると大きなダメージを与えることができる点も見逃せません。可能であれば、敵の攻撃をかいくぐりながらアイテムを回収して積極的に狙っていきましょう。

しかし、強力なボスと戦うのに初期の装備とステータスでは心もとありません。装備を集め、ステータスを強化するには各地を巡って様々なアイテムを回収していくことが必要になります。
色々なロケーションに接続されたマップを巡り、待ち受ける様々なギミックに対処しつつ、自機を強化するべくアイテムを探していきましょう。また、敵を倒してソウルを集めることでも強化ができるため、道中の敵を片付けておくというのもお勧めです。

そうして強化を重ね、ボスに挑んで攻略していくことで、よりマップの奥地へと進んでいくことができます。そこでの出会いや回想を経て、この世界の状況であったり、目的までの道筋が見えてくるでしょう。
適切なアクションを駆使して難所を乗り越え、目的を達成していきましょう。

感想

時期的にかなり早くにプレイしたせいか、いくつか不具合に見舞われるなどして完全にクリアはできていないんですが、それでも楽しめる作品ではありました。
個人的には探索とアクションを融合させたゲーム性が好きで、メトロイドヴァニア的な面白さがあります。寄り道して強化を重ねてボスに挑んだり、探索範囲を広げていくのは楽しい。

アクションについてまず触れておくと、探索面ではシューターっぽくありつつ、ボス戦でまた違った遊びになるあたりが良い仕組みとなっています。
マップをうろついている間の雑魚敵との戦いは見下ろしシューティングのそれであり、オーソドックスに楽しむことができるようになっていて、ボス戦も基本的にそれを踏襲しているんですが、アイテム投げが随所に導入されていることで上手く変化を与えています。

このゲームにおけるアイテム投げはかなり強く、積極的に狙いに行きたくなる性能をしています。なので、回避しながら敵にチマチマ攻撃を当てるという選択肢以外に、弾幕をかいくぐってアイテムを回収してぶち当てるという選択も生まれてきます。リスクを取ると大きめのリターンが返ってくるのが良い。
また、相手の攻撃フェーズであり、自分が攻撃できないような特殊挙動時にもアイテムを拾いに行こうという行為を取ることができるのも良く、ダイナミックな攻撃挙動を入れつつ、プレイヤーに単調さや飽きを感じさせない設計になっているなと感じていました。
感覚的には、星のカービィの吐き出し弾みたいなイメージです。

なお、個人的に一番好きだった武器は狙撃銃でした。ピーキーさが好き。単に照準を合わせるのでなく、マウスカーソルからさらに先に対して合わせるという設計にしていることで絶妙な難度を演出しています。
スタンダードに使いやすいものもありつつ、こういった性能の尖った武器も上手く活用できる懐の深さがあるのは良かったです。

また、ステージ設計もかなりバリエーションに富んでおり、探索する上での味変として機能していました。
地雷発見、強風、トロッコ、とギミックも加えつつ上手く散らしていて、それぞれのエリアの特徴も出ています。馬鹿真面目に敵と戦うだけではないステージもちらほらあり、ゲーム性の面でも変化が与えられていました。
とはいえ、全体を通すと探索メインの趣は強く、フレーバーに関してはまちまちにしか置かれていないため、探索がぐだると若干だれがちなところはあります。このあたりは、プレイヤースキルでだれないように頑張りましょう。接続構造を記憶するのが重要です。

そして、このゲームで個人的に一番好きなのは、ボス戦の多様さです。姿形のユニークさもさることながら、それぞれの攻撃行動から特殊挙動といった動きの数々が常に新鮮で、どのボスも戦っていて楽しいものとなっています。
ギミック盛り盛りの中で上手く処理して勝ち切っていく楽しさとともに、攻略しているという実感を確かに得ることができます。
とりわけS級がちゃんと強いのも良くて、序盤にタランチュラに遭遇してゲージの長さに絶望する、あの体験は非常に良かったです。FF8の訓練施設でアルケオダイノスに出会うような感じ。

難易度の面でも、体力回復アイテムが即時回復じゃない分、常に緊張感がある戦いができて歯応えがあります。とはいえ、きちんと探索を重ねて強化が充分になされていて、ボスの攻略法を確立することさえできていれば、それほど苦戦することもない良い塩梅です。
筆者は回復薬、ダウジング、回復薬x2、スキルの順序で解放したのもあって、回復薬に頼って出方を伺えたのが良かったのかもしれません。やっぱり回復能力は偉大。

一方で、探索メインとなっているためか、以前プレイした流星の射手よりは、ややシナリオは薄目な印象を受けました。あくまでメインシナリオや、そこに付随する回想はフレーバー的な立ち位置といった印象です。
ただし、それでもラストバトルへと向かっていく展開はテンションを上げてくれますし、綺羅星の射手としての演出は非常に綺麗なので、エンディングまで到達するとかなりすっきりした気持ちで終わることができます。締めが良い。

なお、前述したとおり不具合はそこそこあり、詰みポイントやら細かい変な挙動も散見される程度にはありました。特に詰みはセーブの都合上、こちらに非が無くてもかなり戻されるので、ストレスフルなところはあります。
一口に詰みと言っても色々あり、暗転が残り続けて消えない、閉じ込められて道が繋がっていない、ワイヤー移動後に戻れないといったパターンがあります。中でもワイヤーは探索したい気持ちをまあまあ阻害してくるもので、下手すると戻れないかもしれないと考えると、色んなところに向かう意欲が削がれてしまう傾向にありました。
また、不具合というわけではありませんが、通行設定がおかしかったり、引っかかりやすい通路設計になっていたりするあたりも微妙なストレス要因になってはいそうでした。

とはいえ、ウディコン中に不具合の修正が諸々なされたようで、現在は唯一と言って良い欠点が消えた状態なので、万全に遊べるものとなっていると思います。
全体を通してシューターアクションとしても探索アクションとしても気持ち良くできる作品となっているので、個人的には結構お勧めです。そしてこれが面白かったら流星の射手もやろう。グランドグレイザーでも良いよ。

59. 勇者の苦難

ジャンル 作者
WWA バル
プレイ時間 プレイVer クリア状況
4時間 1.04 ノーマル 2785(お助けなし)

良かった点

  • 短期、中長期双方の戦略が求められる良い設計でした
    • 配置やアイテムの性能が上手く思考を要求してきます
  • 見やすく情報を整理しやすいUIでした
  • 程良く難しい良い難易度でした

気になった点

  • マップ間移動よりもマップ内移動の方がよく使う気はしました
    • このため、マップ間移動に一足飛びしない方が利便性が高いように思います

レビュー

経験と思考のパズル

勇者の苦難は、WWA風のパズル的な戦いを詰めていくゲームです。
運要素は一切なく、戦いの順序とステータスの構築といった選択の連続によってゲームを進めていくことになります。

基本的には、プレイヤーはフィールドの障害となっている敵に戦いを挑んで排除することでステージを進めていきます。
敵との戦闘はこちらの攻撃力で相手のHPを削り切るまでにかかるターン数だけ相手の攻撃でダメージをもらう、というシンプルなシステムとなっています。相手のHPが100、防御力が30、攻撃力が50で、こちらの攻撃力が70、防御力が30なら、3回殴るまでに2回殴られるので40ダメージです。
そうして敵を倒していったり、フィールド上のアイテムを拾ったりすることで、ステータスを上げていくことができます。ステータスが上がれば被弾は下がり、より強い敵にも挑めるようになっていくでしょう。

被弾を最低限に収めるために、どの順序で敵を倒し、どうアイテムを取得していくかはプレイヤーの腕の見せ所です。ルートの選択に頭を悩ませながら、最適解を探していくことになるでしょう。
加えて、盤面のそこかしこに配置された扉を開けるには、鍵というアイテムが必要になります。拾える鍵の数は有限なので、その鍵をどの扉に対して使うかもまたルート選択においては肝要です。強敵を避けて貴重な鍵を消費するか、HPを大きく使っても将来のために鍵を温存するか、中長期的な視座も持って行動を選択していきましょう。

そうした選択に必要な情報は一画面に綺麗に収まっているので、プレイヤーは思考にだけ集中することができます。
現在のステージの盤面から短期的な有効手を見つけ出しつつ、長い目で見た強化の方向性やアイテム、扉の選択を重ねていき、クリアを目指していきましょう。

感想

割とずっと頭を使うゲームでした。先読みの力というよりも、長期的にどこまで投資できるかの感覚を養っておく方が大事なゲーム性なんだとは思いますが、それはそれとして短期的な盤面の最適化には脳のリソースがだいぶ持っていかれます。
今ウディコンで一番疲れたゲームかもしれません。その分達成感もありました。

長期的な損得勘定の感覚がずっと大事なゲーム性をしており、例えばこの後1000回殴られるなら防御を1上げれば1000の得になるけれど、攻撃を上げるとどこかでその閾値を破ってさらに得になるかもしれない、といったことを長めの視座で見ることになります。
加えて、中期的な盤面の思考も重要であり、例えば防毒後に掃除できるとして、防毒前にどこまで敵を倒しておくのが最適なのか、あたりはそういった思考力が求められます。
やや長期的な視点としては、お金や経験値の向上アイテムもあるので、これを取得するまでにどこまで稼ぐか、という面もあります。筆者はこれを見た瞬間にセーブデータを差し戻して再走していました。幽霊を無駄にスイープしていたので。

このように、攻略において余りにも損害が多すぎるならある程度の稼ぎは必要なものの、やりすぎると終盤に向けての総獲得数でデメリットを取ることになるので、ギリギリを攻めつつもどこまでを損得分岐点とするかを常に考えて進めることになります。
プレイミスがあったとしても分かりにくい形で顕在化するので、とにかく自分の考える範囲では失着をしないように詰めていくのが肝要なのかなと思いました。振り返って反省するのは難しい。

ただし、難易度としてはノーマルなら割と余裕があるレベルに収まっていると思います。いくつかの関門さえ抜けることができれば、HP9999で最後に乗り込むことも充分可能です。
このタイプのゲームがそこそこ苦手な気がしている筆者がお助けなしでクリアできたので、割かしちょうど良い難易度になっていたのではと思います。
一方で、玄人にはハードがあり、ルナティックもあるので、その辺の歯応えも充分にあります。筆者は金鍵を3つ用意できる気がしないので、多分クリアはできないと思います。どこを詰めれば良いのかも余り分かんない。

UIというかシステムの面では、情報がおおむね画面にまとまっているのが良く、考える時の補助として上手く機能していました。願わくはDEFを減らした際に発生する減少値が欲しいシチュエーションもありはしましたが、特殊ケースなのでその時に計算すれば良いという向きはあります。
情報が整理されていると、盤面のパズルを解くことや中期的思考に思いを馳せることに集中できるので、こういう丁寧さは非常にありがたいところです。

個人的には、マップ移動を使い、同じマップ内で移動したいケースが間々あったので、ここがもう少し使いやすいと捗りそうだなとは思っていました。
同じマップ内で移動することと、マップから出ることであれば、なんとなく前者の方が多い気もするので、マップ選択に戻すために一手必要なくらいが個人的には好みかなと思います。この辺は、戦略を立てる時の見方とか動かし方による差異がありそうなので、玄人にとっては逆なのかもしれませんが。
確かに、終盤においてはむしろほかのマップを比較検討するケースが増えていたので、トータルでどっちの方が楽なのかは微妙なところな気もしています。ギリギリ同じマップ内での移動の方が多かったかなという印象にとどまります。

なお、全24面で想定プレイ時間が2時間なので、恐らく作者さんの想定では1面あたり5分で終わるというものらしいです。本当ですか。
とはいえ、筆者がお助けを縛って勝手に苦しんでいた側面は否定できないので、ちゃんとお助けを使ってカジュアルにやればそんなものなのかもしれません。

ちなみに、以下がリザルトになります。
クリア後に少しだけ詰めてお金を稼いではみたものの、やはり途中から抜本的に見直さないと次のフェーズには行けない気配をひしひしと感じました。どこを詰めると良いんだろう。なんとなく、いくつかのボス相手には失着した気がしないでもない。

結果

60. モダレスクエスト

ジャンル 作者
RPG カイダ
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.04 クリア

良かった点

  • 不思議のダンジョン系の仕組みをRPGに上手く導入しています
  • 特殊行動を行う敵が脅威となる良いバランスでした

気になった点

  • 装備と回復アイテム以外を採用しにくいきらいがあります
    • 枠数が少ないので、余計なものを持つモチベーションが生まれづらいです

レビュー

ターン制RPG

モダレスクエストは、不思議のダンジョン系のシステムとRPGを融合させたゲームです。
ターン制進行やリソース管理の仕組みを導入しつつ、ステージ進行と攻略を目的に据えた双方がミックスされた仕組みが特徴となります。

ステージを徘徊する敵を倒していくには、ターン制を上手く使うのが重要になります。先手を取れるようにターンを回していきましょう。また、多くの敵に囲まれると痛い目に遭うため、一対一になるように立ち回ることも大事なポイントです。
加えて、戦闘をより優位に進めていくには、各地で拾ったり、敵を倒したお金で購入したりすることで得られる装備やアイテムを使うことも重要です。数少ないアイテム枠を有効に活用していきましょう。

そうして敵を倒してレベルを上げ、装備をグレードアップしていくことにより、プレイヤーはどんどん強くなり、どんどん先へ進めるようになっていきます。
ステージが進むにつれて特殊な攻撃をする敵が増えるなど、その歯応えは増していきます。その時々の状況に応じて上手く立ち回り、退却すべき時を見極めつつ、ターン制の冒険に身を投じていきましょう。

感想

ローグライクというか不思議のダンジョン系のアイテム管理などの要素を持ち込んだRPGという感じです。
とはいえアイテムを持てる数にはそこそこ強い制限がついているので、どっちかと言えばターン制で進行して接敵して戦うRPGという印象の方が強いかもしれません。

不思議のダンジョンよろしく戦う戦闘システムは良い設計になっていて、そのジャンルで遊ぶ上では必要になるテクニックとしての、多対一を避ける、不要な戦闘は避ける、遠距離をはじめとした特殊攻撃持ちには各々必要な対処をする、といったことがそのまま有効手となる仕組みが組み込まれています。
たとえステータスが上がり、装備が充実してきても固定ダメージや遠距離攻撃系の特殊な敵は依然として強いので、その辺をどう捌くかというゲーム性が、このシステムにより担保されていました。

筆者の攻略においては、経験値アップの装備を片時も外さず、Goldアップ装備も基本的に身につけ、一度も死亡することなく進めていました。ちなみに、正直なところ途中まで経験値と金の倍率について、表記上かかっていないことから効いていないか端数切り捨てを疑っていました。実際は得られている本当の値にはきちんと倍率がかかっていました。ここはちょっと分かりにくい。
とにかく恒常的な性能強化を優先したため、終盤はかなり強くなっていて、装備も充実していたことで、危なげなく突破できました。とはいえドラゴンは強かったですが。
ただ、その強化については、クリア後にセーブする機会がないとは思わず、クリア時のステータスどころかその手前の30分くらいのデータも消えています。Lvは97くらい上がり、装備もだいぶ一新したんですが、見せられないのは残念です。リザルトは以下の通りでした。

リザルト

なお、最後まで個人的に重要視していたのは命中率の安定化です。これはローグライクというかシレンをやっていると分かると思うんですが、必中の剣は本当に強いです。最新作ではクリア後ダンジョンのレアという水準でしか出てこないレベルです。
なので、命中率の維持を絶対の条件とし、ワンパンできる状態を可能な限り維持するのが安定性に寄与していました。後はハーピーの保持ができるとより良いです。ハーピー抜きでHP6の状態で拠点に戻る必要が出てきた時はなかなかスリリングでした。

全体的にローグライク系のシステムを上手く流入しているなと感じてはいるんですが、アイテム枠の制限あたりはやや気になるところはありました。
基本的に装備で2枠埋めるのはかなりの序盤から確定しますし、それ以外は回復アイテムで埋めるのがだいぶ無難です。それ以外のアイテムもありはしますが、枠が少ないことと、活用できる条件が限られることから、ほとんど外すのが最適行動に感じていました。
超終盤で活用できそうな場所もありはするんですが、そこまで持ち込む労力を考えると難しいところです。そもそも必要かどうかはそこに行かないと分かりませんし。
合成や保存、装備への特殊行動を持つ敵が存在しない以上、あんまり予備の装備を持つメリットがないので、少なくともここは分たれていても良いんじゃないかなと思います。枠ももう少し多いとアイテムを積極的に使うモチベーションが生まれそうです。

後、これはどうでも良い話ではあるんですが、紹介ページのスクリーンショットが明らかにテストプレイデータっぽいのは余計な心配を惹起させそうなので避けるのが無難なのかなとは思います。
すわテストプレイをデバッグモードでしかやってないんじゃないかな、みたいな不要な詮索が入るかもしれません。気にしすぎかもしれませんが。
実際のところはシステムはかなり安定していて、おおむね快適に動作する設計のまま最後まで遊べたのでいらぬ心配ではありました。

61. やけくそ料理人と不良債権

ジャンル 作者
デッキ構築型お料理ローグライト なす太郎
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間+α 1.01 Hard

良かった点

  • 良く設計され没入できるゲームの流れが構成されています
    • 各リソースの扱いや強化要素の仕組みが秀逸です
  • 能動的にシナジーを生み出せるゲームデザインの裾野の広さがあります
  • 認識しやすく扱いやすいUIでした
  • 絶妙な難易度設計となっています

気になった点

  • プレイ方針を定めやすくなった反面、良くも悪くも偶発的な出会いが少なくなった印象があります

レビュー

時間泥棒

目指すべきやることの明瞭さと、無限のごとき一期一会の体験の広がりは、共にデッキ構築型ローグライトにおいて重要な観点です。しかし、その両者は一見すれば相反する存在に思え、その両立は困難を極めることは想像に難くありません。
やけくそ料理人と不良債権という作品は、類稀なるゲームデザインの妙と絶妙なバランス感覚のもとに、双方を高いレベルで完成させたゲームとなっています。

その設計は、デッキ構築型ローグライトと料理を混ぜた独特なものです。制限時間をターンに見立て、その時間内で勝利点のような評判を一定以上勝ち取っていき、最後に待ち構える審査員の求める料理に到達できればクリアとなります。
道中で評判を稼ぎつつ、審査員を唸らせるためには、ゲームルールを捉まえてビルドを思うままに強化していくことが重要となるでしょう。

ゲーム画面

そのルールを端的に説明すると、カードを駆使して食材を集め、お客さんに提供して評判を稼いでいくというものになります。
例えば上記の画面では、お客さんはハートの合計値が4以上、写真映えが1以上、2品の料理を要求しています。これを満たす組み合わせはいくつかあり、例えば「生ハム」と「ムニエル」、「サーモンサラダ」と「アクアパッツァ」などが考えられます。
これらの料理を作るには、その料理に示された食材が必要です。例えば「生ハム」を作るには肉を4つ必要とします。これらの食材を用意するために、画面下に示されたカードを使って対応する食材を獲得していくことになります。
上記のカード構成であれば、肉料理と肉・野菜料理を実行すれば肉を5つ確保でき、「生ハム」が作れます。加えて、プラスワン実行後に魚料理を使えば魚を3つ確保でき、「ムニエル」も作れます。これら二つを提供すれば、お客さんは満足するでしょう。

ここで注意したいのは、同じキャラクターが描かれたカードは特殊なものでない限り、同じターンには1回しか使えないということです。このため、野菜料理と魚料理は同時に行うことができません。
また、クリーンアップを選択して1ターンを終了させると、時間が経過し、食材もまたリセットされます。料理にしていない食材は無駄になるので、余った食材はできるだけ料理にしてキープしておきましょう。

こうしてお客さんの要望に応えることで、評判を稼いでいくことができます。お客さんをどんどん呼び込んで、評判を集めていきましょう。ただし、お客さんには各々の制限時間があり、その堪忍袋の緒が合計3回切れるとゲームオーバーです。このため、キャパオーバーにならない範囲で適切に取り回していくことが肝要になります。
そうして評判を稼ぎつつも時間が経過していき、12:00から18:00になるまでの間に評判を100まで上げることができればひとまずの目標は達成できるでしょう。

ただし、時間の進行とともにお客さんの要求のハードルは上がっていきます。加えて、最後には高いハードルを持つ審査員の要求に応えなくてはいけません。これに対応するためには、より良いカード、より良い料理を構成し、ビルドを強化していくのが重要になってきます。
評判が10の倍数に達する度に、カードの追加であったり、人員の追加かレシピの強化を選べたりといった強化を手に入れることができるので、これらを上手く活用し、よりお客さんのニーズに合わせられるようなデッキを構築していきましょう。

構築にあたって重要なのは、人数と料理のバランスです。カードを使うと、上記の通りキャラクターの行動を消費してしまい、同じターンで同じキャラクターのカードを使うことはできなくなります。このため、行動回数に直結する人数は重要です。
しかし、どれだけ人数がいても手札に来なければ意味は無く、料理が既定のレベルに達していない場合も意味がありません。適度に人を増やし、適度に料理をレベルアップさせる、そのバランスを探っていくのが攻略のカギとなるでしょう。

このように文章で説明してみると取れる手段のバリエーションの多さから複雑そうに見えますが、やることそれ自体は明瞭です。簡潔に言えば、目的を達する料理を作るためにカードを駆使して食材を集めていくゲームと言えるでしょう。
また、ゲーム画面は整理されたUIにより直感的に操作して理解できるようになっているので安心です。チュートリアルもあるので、ひとまずプレイしてみることをお勧めします。

全体を通して、その時々の手札の構成、お客さんの要求の性質の違い、手に入るカードや加入するキャラクターの性能、あらゆるものがランダムに立ち現われ、プレイヤーに選択を迫ってくるローグライトの楽しみを十全に味わうことのできる作品となっています。
加えて、そのランダム性に反して難易度設計は絶妙な完成度となっており、難易度によってはクリアできるかどうかの瀬戸際のバランスを楽しむこともできます。
直感的で分かりやすく遊ぶことが出来ながら、そこに込められた無限の広がりの魔力に支配されてしまい、ついつい次のプレイに手が伸びてしまうことは間違いありません。お料理ローグライトの世界に没入して楽しんでいきましょう。

感想

何で毎回こんなに面白いのかと思いながらプレイしているんですが、この作品もその例に違わず面白いです。シナジーと難易度カーブのレベルデザインだけで、ここまで面白さを色んな観点から創出できるのかと脱帽しきりなところがあります。
ここまで組み込まれた面白さを構造的に分割して俯瞰するのを試みるのは、もはや野暮な気もするんですが、そういうのが好きなので感想がてら勝手にやろうと思います。

まず、ゲーム全体の流れが良いです。前半に取れる選択肢はそれほど多くなく、後半になるにつれて一つのターンでやるべきことが増えていくそのカーブが綺麗に設計されています。複雑化していく過程にきちんとしたフェーズがあるので、初めて触った時に適応していきやすいというのはもちろんのこと、ゲーム内における緩急の面でも優れた仕組みとなっていました。
どこかでドミニオンと表現されていたのを見かけたんですが、これは言い得て妙で、あの手の拡大再生産ゲームの良いところを上手く取り入れたような仕組みになっているなという印象があります。あちらの流れに比べると、札の強化と勝利点の獲得の効率化はある程度分けて考えつつ、方針としては同一化するようになっている点も面白く、どこで勝利点を獲得するかといったタイミングによる決断が余りない代わりに、思考がシンプルに整理しやすくなっています。

このゲームには色々考えながら札を回していると、本当にいつの間にか最後まで遊んでしまう魔力がありますが、その一つの原動力は間違いなくこの流れの設計の上手さにあると思っています。絶妙なレベルデザインの中で、この流れに乗ってしまうと、ゲームが終わるまで至極スムーズに遊べてしまうので。
作者さんのほかの作品もこの流れの作り方がべらぼうに上手く、どの作品も何故か最後までやってしまうし、何なら手がそのまま次の難易度にまで伸びてしまうんですが、この作品もまたそれが顕著に表れたものと言えるでしょう。中毒者を生み出す作りだ。

流れの面でついでに触れておくと、時間というリソースの使い方もまた上手いです。
このゲームは基本的に時間を一つの区切りとしてターンを構成するので、終了までのターン数は決まっています。しかし、時間をリソースとして消費することで使えるカードが出てくることで、ここに変化が生まれてきます。
この設計については、第一に、変化が与えられるという点が素晴らしいです。それまでただのターンの品替えだったはずの時間が、一気に残りのリソースとして生まれ変わってくれます。これだけでゲーム性に起伏が生まれています。
第二に、一段異なるレベルの思考が挿入されるという点が面白いです。カードをただぶん回すのではなく、上手く回りそうなら時間を使ってでもより上手くぶん回す、あんまり回らなかったら時間を使わずに次のターンに委ねる、など多層的な思考への誘導として抜群に機能しています。
最後に、時間をプレイヤーに使わせることができる、という点が優れています。時間をリソースとして消費するということは、総合的にはその周回に掛かるターン数を少なくしています。つまり、プレイヤーの意図にかかわらず全体で見るとテンポの向上に寄与している形になっています。
プレイヤーからしてみれば、複数ターンに分けて余りを作るより、一ターンで使い切る方が合理的な場合も多いので、要素が揃ってくると積極的に狙うインセンティブが生まれています。それがゲームテンポの向上にそのまま繋がっていく構造は美しくすらあります。

ゲーム性のもう一つの要である、料理というリソースにも触れておこうと思います。これはプレイヤーの目標であると同時に、バランサーとしての役目も担っているのが面白いところです。
まず、高等な料理が並べられているという点が、プレイヤーはここに届くようなビルドを目指すという指針として機能しています。しっかりと先を見据えたビルドを構築しなければ、寿司やハンバーグにはなかなか手が届きません。
加えて、料理が大まかに肉と魚に分類されることで、いずれかに偏った構築になることをやんわりと阻害しています。魚に偏ると肉料理が来た時にえらいことになりますし、その逆もまたしかりです。ビルドの際は、どちらかを得意とするならともかく、どちらかに偏ってしまうと致命的な問題を抱えかねません。ここでもまたシステムによって知らずのうちに、プレイヤーはデッキのバランスを意識せざるを得ない構造になっています。

また、デッキのビルドを平滑化するとはいえ、多様さが失わせしめられていないという点にも留意する必要があります。
魚や肉を作りたいとなった時に、大量調理できるものを雇うのでも良いですし、強化を重ねて無理矢理届かせるという方向でも構いません。それは、提示された手札やその時々の道筋によって千差万別に広がっていきます。
例えば筆者の初回プレイでは魚のルートに乗ってしまったため肉の調達が遅れる中、3回までミスれるのを良いことにハンバーグの生成を遅らせつつ、肉の大量調達とタクティカルサポートによってなんとかその場を切り抜けたという流れがありました。難易度が平易なうちは、この辺のアドリブが効くレベルに収まっているのも嬉しいところです。

料理については、一時的に置いておけるというのも良い味を出しています。次に来る客が不明なので、言ってしまえばギャンブルではあるんですが、これがシステムの手によってかなり割りの良いギャンブルになっています。
というのも、客が要求する料理が抽象的なために、意外と対応できるようになっています。加えて、客にプラスアルファを与えるとより良いメリットが返ってくるシステムも同時にあることで、より無駄なく使ってしまえる設計になっていました。

ゲーム性の都合上、どうしても無駄な食材は出てくるし、そこから無駄な料理は生み出されがちです。やたら肉だけ溜まって作られた行き所の無いハンバーグほど悲惨なものはありません。
しかし、このゲームは作り置きができることと、それがある程度有効活用できる土台が整ったシステムの完成度により、この無駄が無駄で無くなるパターンが非常に多くなります。これはプレイヤー感情に対して明確にメリットがあって、せっかく作れたものが無駄にならなかったというちょっと得した気分が得られる上に、損をしたという感情を排除するデメリットの撲滅に貢献しています。SDGsの12だ。
とはいえ、調子に乗って作り置きするとあんまり上手く使えなかったり、上手く使いこなすための補助装置があったりと、ここを使いこなすこと自体も一種の技量のような設計にも落とし込まれており、同時にシステムの深みも出しています。
特に、同一の客に同じ料理を出せないのが良いです。余った魚で作ってしまったムニエルがだぶついていくのもまた一興。

続いて強化のシステムについても触れます。前述した通り、ある程度は拡大再生産の形を取りつつ、このゲーム独自のシステムに落とし込まれている素晴らしいものです。
一般にこの手のカードゲームは、行動回数が多い方が有利が取れることが多いです。老師敬服だろうとドミニオンだろうと、何らかの形で行動回数でアドを取れると一気にやれることが広がります。人が増える、アクションが増えるといった形でそれは表現されることが多くなっています。
このゲームもその例に漏れず、人を雇うことで一ターンにおけるアクションを増やすことができます。しかし、このゲームはそれにとどまらないというところが魅力的です。

このゲームの一ターンの行動は人によってのみならず、原則は配られたカードによって決定づけられます。このため、いくらアクションが多かったとしても、配られたカードに偏りがあれば満足にそのアクション数を活かすことができません。
反対に、連続行動可能なカードなどもあるので、アクション数が少ないからと言って一概に不利とも言えません。
とはいえ、アクション数が多くあることは明確に有利で、実際に拡大していく上では人を雇うのはマストと言って良いんですが、それでも純度100%のアドバンテージであると言い切れないところに仕組みの面白さがあります。良い塩梅、落とし所を見極めてアクション数を増やしていく必要があり、何も考えずにアクション数を増やすだけではないところに思考の余地が生まれていました。

また、各々のアクションや覚醒の特色も良くて、強化の仕組みとしての多様性が広く担保されている形となっています。個人的に好きなのはインスタントに効果を得られるスキルの存在で、それ自体が切り札としてどこで切るべきかを考える要素となっています。
ギリギリの客を満足させるために使うのか、最後の審査員を突破するために温存するのか、常に特別枠として思考の端にある戦略性というのは、中盤から終盤にかけての若干広めの視座において、かなり重要な立ち位置にあります。もったいないなと感じているうちに使わずに終わってしまうのもまた一興。

後は、アクション数の増加を取らないケースにおいて得られる、料理の強化という要素もまた良いです。アクション数との対比構造として、そのアクションで得られる効力の強化として設定されています。このため、きちんとバランスを取れば、より効率の良い掛け算となり、かなり有効に働いてくれました。
強化がランダムに決まっているのも面白く、もともと考えていたビルドの方向性を少し曲げる偶発性の力として機能します。ずっと計画通り進めていくのでは味気ないところに、ちょうど良い具合の再考の機会を与えてくれるシステムです。

システムの秀逸さばかり綴っていても終わりが無いので、最後に一連の流れの終わりに関門があるというまとめ方の良さについて触れて終わろうと思います。
ゲーム性を考えれば、耐久式にしつつ、評判という一定量を上回れたかどうか、あるいは一定ターン数以内に上回ることができた、というような設計にもできるゲームでした。しかし、このゲームは最後に審査員に挑む形を取っています。
この設計の良い点の一つは、ビルドした結果が最後にきちんと試されるという点にあります。せっかく積み上げてきても、周回の中で上手く回すだけにとどまっているのだと、あんまり上手く作ってやったという気持ちになれません。しかし、審査員がいれば、そこまでに組み上げてきたビルドを披露し、ぶつける場が提供されます。
もう一つの良い点は、上述にも絡むところとして、ぬるっと終わらずにクリアしたという達成感を演出する要素として機能しているというのが挙げられます。最後に出し切って、全てを解決して終わらせるフェーズが入ることで、ゲーム全体の区切りがより一層明確に設定されていました。

軽くUIの話にも触れておきます。
全体を通してすっきりしていて、やるべきことが明瞭で分かりやすい印象を受けていました。
通常プレイの範囲内では、カード選択で食材準備、料理作成、と余計な切り替え無しで行うことができ、するするとプレイすることができます。この辺のプレイフィールの良さがゲームテンポの良さにも繋がっているので、割と重要なところでもあります。気にしない限り気にならない、という良いUIの雰囲気をまとっていました。

また、ショップや覚醒といった使用頻度の比較的少ないものをタブに押し込む構造になっているのも良いところです。
情報は一画面上にあればあるほど良いというものでもなく、認識できる範囲、使いたい範囲で収まっているのが助かるなと思うんですが、このタブ構造によって普段のプレイ中では認識せず、その操作をやる段階で認識の俎上に上がってくる作りになっています。
他方で、たとえば覚醒非選択時にキャラを選んだら自動的に覚醒を選ぶ、といったようなシームレスな自動操作を組み込むというのもありそうには思います。しかしそうすると、意図しないで切り替わりが発生するケースが拭えず、先述した認識においてのノイズに繋がります。なので、個人的にはいっそ取っ払ってるのが良い判断だなと感じ入っていました。

UIの認識しやすさの面で言うと、グラフィックのクオリティにも触れておくと良さそうです。平たく言うと、凝るべきところは凝っているデザインです。
UIのような見やすさ重視のデザインに振るべきところは振っておきつつ、キャラクターなどの立ち絵はリッチなものになっていて、この辺の緩急も良いです。そもそも凝るべき点が割と少ないゲームではありますが、その中での取捨選択と方向性の策定が良いです。
なお、個人的には料理アイコンが小さいのは若干気になっていて、要求料理が最初は分かりにくく感じていました。やっているうちに慣れましたが。今となっては何と何を誤認していたのかも分からない。

最後に、難易度の話をします。あるいはレベルデザインかもしれません。
とにかく、絶妙に行けるか行けないかのラインを突く上手さは他の追随を許さないクオリティです。前作、前々作もそうなんですが、あと一歩で行けそうという空気感、あと一歩が届いた感覚のある終盤の設計が非常に秀逸でした。
難易度調整とは言っても敵の体力を上げたり、攻撃力を上げるといった軽いパラメータ調整で済ますゲームは割と散見されていて、そういうのもあってNormal以外あんまり遊ばないという偏見を持つ筆者ですが、このゲームは何の躊躇いもなくNormalクリア後にHardに行けます。たとい形は同じパラメータ調整によるものであっても、それぞれの難易度における体験がきちんとデザインされているであろうという確信があり、またその確信を叶える設計にきちんとなっている作品でした。

Normal クリア

まず、筆者のNormalのクリアは前述の通り魚特化ビルドになってしまったことで、肉料理に苦戦しながら進める羽目になるものでした。どうにかこうにか軌道修正しつつ、肉の大量調理やらタクティカルサポートで誤魔化して薄氷のクリアです。何なら一度客に帰られています。
リザルトを見るとそれが分かるんですが、圧倒的にハンバーグを作れていません。1回て。寿司を7回も作るアンバランスさも含めて、課題の残る走りだったと言えるでしょう。
とはいえ、ここで時間消費型のスキルの強さに気付き、また先見の優秀さにも気づけたのは収穫でした。この知識が無ければ、次のHardはだいぶ厳しい戦いになっていたと思います。

Hard クリア

続いて挑戦するHardは、流れでそのまま一発で通しました。寝る前に一回だけやろうかなの気持ちでやっています。睡眠時間が削られる。
前回強かった先見を確保するため脳筋を仲間に加え、タクティカルサポートの強さも分かっているので、これも仲間に加えています。仲間という視点で見ると、一人しか入れ替えていません。
その中で、前回お世話になったフードショーケースなども携え、Normalで得た知識と方針のまま走り抜けた形になります。
Normalに比べると、提出料理のバランスが非常に良いのが分かります。やや肉偏重なきらいはありますが、ハンバーグと寿司は同程度の提供率となっています。
何より体験として良かったのは評判で、見ての通りギリギリ規定値を超えています。終盤になってきて、上手く帳尻を合わせるためにリロールの回数や呼び出しをコントロールして、ギリギリで一歩届いた感覚は筆舌に尽くしがたいものがありました。

なお、このHardにおけるムーブから察される通り、ビルドの方向性における自由度は広いものの、一期一会なものにはなりにくいなと個人的には感じていました。
前作などでは、一度に習得可能なスキルが少なかった影響により、あんまり使わない技にスポットライトを当てざるを得ない場面が割とありました。リセマラしない限り。翻ってこの作品は、スキルというかカードが人からカードという二段階構成になっている都合上、人のバリエーションがカードより少なく、結果としてより要求したビルドになりやすい傾向にあります。

この設計はすなわち、こうしたい、という想定に沿った構成にしやすいということなので、戦略性は上がっています。その一方で、ゲーム中の偶発性から生まれる、これこんなに強かったのかとか、これ思ったより弱いなとか、使いにくいけどシナジーあったら凄いなとかは、少なくとも偶然には発生しなくなります。
ただし、だからと言ってシナジーが無くなって固定化されたわけではありません。自分で試しにいけば、いくらでもシナジーを探していける自由度はあります。さしずめ、今までが受動的な自由度だとすると、この作品は割と能動的な自由度とでも言ったような印象でした。

また、それ以外の面では偶発性を高めておくことで、戦略性をある程度担保しつつも毎回同じプレイ体験にならないような工夫もなされています。
それは料理の強化であったり、客の要求であったり、そもそも毎回引くカードのパターンだったりします。それ自体は一期一会なので、体験そのものは思った通りになることはほぼありません。ここには偶発性の体験が込められています。

とりとめが無くなってきたのでまとめると、今までよりはある程度方針を固めやすくなり、思うようなプレイングをしやすくなった作品です。その反面、妙なプレイングを強いられる面白さは多少減じています。ここは多分好みの範疇で、どちらが良いとかいう話はありません。個人的には後者の偶発性が高い方が好みではあります。
加えて、だからといって全てが思い通りにならないように、その他のランダムなシステムがふんだんに盛り込まれているため、体験そのものが固定化して飽きがきやすくなった、というようなことはありません。ゲーム全体で見れば、何度遊んでも面白いゲームに仕上がっています。

ここまでつらつらと良い点を羅列してきて、やけくそ全肯定botみたいな感想になってしまうのもあれなんですが、本当に細かい点か好みの範疇くらいしか気になる点として言及できるポイントがないので、これは仕方がないところではあります。面白いのが悪い。
ごく個人的には、さすがにHardは難しすぎやしないかと思っていたんですが、どうも難易度調整を若干ミスったバージョンだったようなので、今だと割と正常化されているのかもしれません。もう欠点とか無いんで、良いから遊びましょう。

62. Welcome to タムタムわかめ

ジャンル 作者
RPG ハネケテス
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 8/1 クリア

良かった点

  • シリアスな物語が良かったです
    • 選択に重みを感じる設計でした
  • 戦闘システムがサクサク進むものとなっています

気になった点

  • 一部ボスの一部挙動が強力すぎる印象がありました
    • HPを充分強化していないとほぼ耐えられません

レビュー

良い意味でタイトル詐欺

Welcome to タムタムわかめ は、スピーディな戦闘が特徴のRPGです。
方向キーを使ったシンプルな戦闘で敵を倒しつつ、様々な場所を訪れていくことになります。

戦闘がシンプルである分、その勝敗はステータスに強く依存することになります。とはいえ、遭遇する敵を倒していけば充分に成長することは可能です。戦闘はサクサクと進んでいくので、連戦しても苦にはなりません。接敵したらできるだけ倒していきましょう。
また、敵を倒すとお金を稼ぐことができますが、これをわかめに与えて育てることもできます。何の役に立つか分からないものにお金を入れるか、強化にお金を使うか、その選択はプレイヤー次第となるでしょう。

そうして敵を倒し、世界を巡っていく過程で、謎の人物の暗躍やその目的、そして主人公であるタムタムの謎が明らかになっていきます。
タイトルや主人公の名前からは想像だにしないシリアスな展開とともに、プレイヤーは重要な選択を迫られていくことになります。自分の意志に従って、正しいと思うことを成していきましょう。

軽い雰囲気とサクサクと進む戦闘、そして所々で挿入されるサブゲームといった要素は、そのタイトル通りの気軽なエンターテインメント然としています。
しかし、その中で描かれていく物語は決してその限りではありません。各地のイベントを経て、様々な選択の果てに待ち構えるその結末を迎えていきましょう。

感想

タイトルからは想像できないくらいにシリアスな物語でした。良い意味でタイトル詐欺みたいなところがあります。
ずっとタムタムという名前の響きが付きまとってくるので、シリアスムード一辺倒になり切らないところもあり、シビアな世界と選択でありながらも軽い雰囲気を同時に感じる作品です。

ひとまず戦闘システムについて触れておくと、サクッと終わるのが個人的に良いなと感じていました。コマンド式に比べて、こういう形式だと決着が早いのは明確に良いです。
その点、毎回逃げるかどうか聞かれるのはやや手間にも感じるんですが、これに救われた面もあったので難しいところです。不要な機能というわけではなく、むしろ場面によってはかなりありがたい機能となっています。ただ、逃げたい時は大体のケースでずっと逃げたい場合が多いので、スイッチング式になってると嬉しかったかもしれません。ポケモンのスプレーの類似みたいなイメージです。

難易度についても、逃げなければレベリングがある程度上手くされていくので、余り意識しなくてもそれほど問題にはなりません。上下左右キーを同時押しして雑に狩れるようになってくると、レベリング自体も捗ってきます。
ただし、エンディングにおけるラスボスはかなり強く、成長が充分でないと最後に777のテラエターナルが飛んでこないかの運ゲーをやる羽目になります。HPアップを買っておくかレベリングできていないと耐えられず、かつ戻ることもほとんどできないので、場合によっては完全に運否天賦に身を委ねることになります。
筆者は二度目の挑戦でたまたま撃ってこないパターンを引けたので勝てましたが、それが想定解なのかは良く分かっていません。

そしてシナリオの面ですが、前述の通りタイトルからは分からないレベルでこのゲームの主眼です。なんとなく分岐があるようにも見え、ずいぶんとシビアな選択をプレイヤーに迫ってきます。
加えて、ゲームの性質上、その選択にやり直しは許されません。選択の結果というものを絶対にプレイヤーに押し付けてくれます。ありえたかもしれない未来を見ることはできません。
殊に2周目封じはかなり凝っていて、セーブデータをどうこうするのでは解決できないようになっています。そもそもセーブの性質も特殊なので、分岐を探るのも最後以外難しいでしょうが。

その分、シナリオの空気やその中での選択にはきちんと重みが乗ります。タムタムという名前が頭の片隅に飛ぶくらいにシリアスです。
筆者はエンディング分岐でウィズダムを選ばない方向で解決しましたが、どっちが良いのかはよく分かっていません。ただ、ウィズダムへの思い入れの無さがそこそこあり、イベント一つの重みではさすがに選択できなかったという面が強かったという経緯はあります。
ありえたかもしれないもう一つの未来を観測する方法は分かってるんですが、別の物語を歩むのはこのゲームにおいてはだいぶ野暮なので手は付けていません。この作品はOneshotなので。

個人的に気になっているのは難易度面を除けば幽霊面の設計で、ここに関しては面倒さがかなり勝つ遊びになっています。全体を通して戦闘以外のミニゲーム的な遊びも結構配され、プレイヤーが飽きにくいように工夫されている印象はあるんですが、幽霊面だけはそこそこストレスがありました。
せめて、鍵の下りとイベントをスキップできるとまだストレスフリーだったかもしれません、リトライ性がまあまあ悪い。

なお、全体的にギリシャ神話モチーフっぽい名前も散見されつつ、ウィズダムはまんまですし、おうさ、まはまた別として存在しています。そも主人公からしてタムタムであり、色んな世界が混ざったような状態となっています。これは、シナリオ要請上も割と良いものだったように感じていました。
それにしても、表題の Welcome to タムタム、桃源郷へようこそ、くらいの意味合いなんでしょうか。

余談ですが、レビューでどこまで触れるか悩んだ部分もあります。最終的にはサムネでそれっぽいシーンがあることも踏まえて、物語について触れることにしました。個人的に物語が好きなので、そこを推した方が書きやすいですしね。

63. 異世界転生(即死)

ジャンル 作者
アクション Ponchiki
プレイ時間 プレイVer クリア状況
45分 1.02 クリア

良かった点

  • ネタに振りつつ締めるところはしっかり作られていました
  • 基本的にボケ倒すノリで構成されています

気になった点

  • 第二戦のリトライがやや面倒でした
    • 序盤は大して苦戦しないので、後半からリトライしたい気持ちがあります

レビュー

良い意味でのサムネ詐欺

異世界転生(即死)は、そのサムネイルに違わぬ雰囲気のゲームです。
一方で、そういった雰囲気はそのままにゲームとしては堅実に作られた作品でもあります。

ゲームの本筋は、そのタイトルからも察せられるようにノリ良く進行していくものです。そうしたコメディー調で進むいくつかの会話パートと、合間に発生するアクションパートを乗り越えることで物語が進んでいきます。
時たま遭遇するアクションパートはそこそこの歯応えがあり、その攻略を楽しむことができるでしょう。

往年のFlashゲームのような空気感をまといつつ、ゲームとしてはしっかりと作り上げられた作品です。
安定したゲームの基盤の上で、ネタゲーっぽい雰囲気を存分に浴びていきましょう。

感想

サムネイルから漂う出オチっぽさとは裏腹に、ちゃんとやるアクションになっています。ある意味ではサムネイル詐欺の一種かもしれません。タイトルと最初の展開、あるいはコメディーパート全体はサムネイル然としたネタっぽさがあるんですが、割と中身は真面目です。温度差が凄い。

中身としては、スライム戦は実質チュートリアルで、ピエロ戦が本番であり、実質ラスボスです。この辺のコンパクトさは印象とそう離れていません。
しかし、割とピエロが強いです。長いのもあるんですが、高速時の最終段階はそこそこのアクション能力を要求されます。ここで負けると最初の低速からやり直しであるという緊張感の中戦っていました。頭からっぽでやるには難しすぎませんか。
個人的には、序盤が薄いので高速化からリスタートしたい気持ちはありましたが、その分気持ちは入りやすいので一長一短な気はします。

そうしてピエロを乗り越えた先に待ち構えているのは、択一ゲームです。ここからちゃんとネタに振り切りつつシナリオを進めてくれます。択一については、勘が悪いのでそこそこ長いムービーを二度見せられる羽目になりました。爆発落ちなんてサイテー。

いらすとやをふんだんに使った緩さとネタっぽさに比して、要所要所はまともに締めつつ、大体のところではボケ倒してくるあたりがちょうど良い塩梅にバカゲーというかネタゲーの雰囲気が出ていて良かったです。
なお、いらすとやを見ると21点超えてないか毎回不安になるんですが、よく考えたら商用じゃないので多分適用範囲外です。そもそも多分超えてない。

ちょくちょく口調が別の人に移っていたり、魔王が???で通している中で一瞬だけイレプトという名前が出てきたり、細かいところにテキストの粗っぽいものはあれど、基本的に勢いで進んでいく物語なので大して気になるレベルではありません。
やっぱり物語は勢いが大事ですね。

64. QUEST RPG

ジャンル 作者
RPG hinapiko
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間 1.0相当 クリア

良かった点

  • タイトル通りクエストを主眼に置いた進行をします
  • ドロップアイテムで料理をするのは面白かったです

気になった点

  • クエストの仕組みがやや使いにくいものでした
    • 特に現在のクエスト状態を簡単に知る手段がありませんでした
  • 合成システムに達成不可能なアイテムがあるようでした
  • 一部施設へのアクセスが悪いように感じました

レビュー

ひたすらクエストをクリアしよう

QUEST RPGは、クエストを主体としたRPGです。
ゲームの目的はクエストに集約され、クエストのクリアとともにシナリオも進行していきます。

クエスト攻略のためにはおおむね戦闘を重ね、敵に勝利していく必要があります。時には拠点に戻りつつ、ひたすら敵を倒していき、クエストのクリア条件を達成していきましょう。
そうしてクエストをクリアし、シナリオを進めることで仲間も増えていき、より強い敵にも挑めるようになっていきます。

クエストをとにかく達成し続け、戦闘を重ねていくゲームです。ひたすらクエストを進めていきましょう。

感想

クエスト主体で進み、クエスト主体で全部終わるゲームです。題名に偽りなし。
割と長い期間一対一で戦うことになるので、クエストの攻略はそこそこ難しいです。エンカウントグループの変わり目を跨ぐと、一気に別世界みたいな強さになることがあります。

戦闘バランスはそういう意味では余り良いとは言えず、そこそこちゃんと稼いだり、ある程度は逃げることを必要としてきます。
特にメンバーが揃うまでの序盤は非常に辛く、揃ってくれば手数も増えて割と戦えるようになってきます。手数は大事。序盤は大人しくレベルを上げつつ、できるだけストーリーを進められるように上手く立ち回るのが大事なんだと思います。

また、クエストがメインにはなっていますが、クエストの仕組みが使いやすいとは言えないのも辛いところで、今どのクエストを受けているかを知る手段に乏しいことや、進捗がほぼ分からないこと、受理不可クエストが分かりにくいことなど、細かいところで厳しい印象を受けます。
草原のモンスター討伐がいつまで経ってもクリア扱いにならないこともありましたが、ここは多分進捗が示されていれば打開策を探れた気もするので無念でした。

また、合成システムにあるはずの素材がないあたり、部分的に未完成なのかボツ要素が混じってそうです。闇はギリギリ作れたんですが、ほかは素材がそもそも見つかりません。銅、どこかにあるのかな。
後は、料理や装備など、ちょくちょく見たい要素が拠点からだいぶ離れているのも辛く、アクセスが悪いことも相まって余り運用することがありませんでした。料理は特に使ってみると面白い仕組みだっただけに、もう少しアクセスしやすいところにあると嬉しかったです。

ちなみにどうでも良い話ですが、エンドロールで企画制作がSmokingWOLFさんになっているのにだいぶ引っかかりました。その役職は多分ディレクターなので作者さんにあたると思います。

65. モンスター・レプリカ

ジャンル 作者
RPG 恋音リルル
プレイ時間 プレイVer クリア状況
5時間 1.10-1.12 クリア+コンプ

良かった点

  • 多種多様なモンスターが用意されています
    • 加えて、様々なロケーションに上手く配されていました
  • 良く探索しがいのある世界の構成をしています
  • 難易度は適度に抑えめのちょうど良い塩梅でした

気になった点

  • ソートが無いので、コンプリートの確認は難しいです
    • 図鑑の一覧性が低いため、こちらも確認が難しいところでした

レビュー

モンスターといっしょに旅をしよう

モンスター・レプリカは、世界各地を巡ってモンスターを仲間にし、パーティーを組んで戦うRPGです。
強制される道筋はほとんど無いため、自由気ままに世界を探検していくことになります。

そうして探索することになる広大な世界には、200種以上のモンスターが分布しています。ロケーションや時間帯によって、遭遇するモンスターは様変わりしていくため、各地を隅から隅まで歩き回って様々なモンスターと戦っていきましょう。
それらのモンスターとの戦いに勝利を収めると、各々に応じたアイテムを取得することができます。このアイテムを消費することで、対象のモンスターを仲間にすることができます。強いステータスを持っていたり、強力なスキルを使ってきたりしたのであれば、仲間に加えて積極的に育ててみるのも良いかもしれません。

戦闘においては、そうして集めたモンスターを4体選出して戦わせることになります。
役割ごとにモンスターを配してシナジーを得るという選択肢もありますし、スキルを重視したり、パワーに振り切ったり、耐久力を重視したりと、200種以上のモンスターから成る多様な性能のために、プレイヤーには様々な選択肢が用意されています。
お気に入りのモンスターやスキル、戦略を武器に、各地のモンスターやそれを操るマスターに挑んでいきましょう。

それぞれのロケーションにいるマスターとの戦いに勝利することを目指すでも良く、レアなモンスターを見つけるために各地を探索するでも良く、全てのモンスターを集めるためにあちこちを巡るでも良く、どんな遊び方をしても良い作品となっています。
色々なモンスターを集めつつ、自由に世界を旅して回りましょう。

感想

良いポケモンライクでした。モンスターの種類数の多さに余りにも手抜かりがない。
こういうゲーム性だと、新たなレプモンに出会うためにどんどん進んでいくことになるので、目新しいレプモンがいなくなってくると探索意欲が低減しがちなんですが、あらゆるロケーションにあらゆるレプモンが配置されていることにより、余すことなく探索したくなる作品です。

ロケーションが幅広く用意されているのも良く、草原から遺跡、森林、雪原、高山、火山、とにかく様々なロケーションが上手く接続されて世界を形作っています。
加えて、その世界に相応しいレプモンが綺麗に配置されていることもあって、その双方を存分に楽しみながら探索を進められるようになっています。二重で楽しみが配置されています。
この辺の配置感覚がかなり良くできており、新規のレプモンの散らし方は絶妙でした。広いエリアを広すぎると感じない程度には、きちんとした種類にレプモンが上手く配されています。

また、各ロケーションをレプモンを探して彷徨っていると、洞窟などのダンジョンが見つかっていく構成も良いです。ここにも発見があります。
こういったダンジョンには伝説のレプモンがいるなどの特典もあるので、積極的に探索していく一つのモチベーションへと繋がっていきます。いろんなレプモンを探したい、新たなロケーションに進みたい、まだ見ぬ伝説のレプモンを見つけたい、色々な欲求のもとに歩き回ることができるようになっていました。余談ですが、作中では多分伝説のレプモンという呼ばれ方はしていなかった気もしますね。準伝っぽい三鳥みたいな立ち位置のレプモンもいます。

図鑑番号からある程度推察できるのも良く、昼夜のエンカウントパターンや、位置に応じたエリアのような区域で大体3パターンに出現種別が分かれていそうなことを掴めば、割と推測しながら図鑑を埋めていくことも可能です。
領域の分割点は勘で見ていくしかありませんが、そんなに偏ったレプモンもいないので、フィーリングで割となんとかなります。ただし、下水道というか地下水道だけはだいぶ特殊な領域をしている気がしていて、かつ狭い領域にしかいないレプモンも生息していそうでした。ヒンバスみたいだ。

一方で、これだけ用意している中で戦闘バランスも上手く整えられており、インフレーションを抑えつつ適度にメンバーを入れ替えられそうなバランスに落ち着いていました。頻繁に入れ替えるとなると大変ですが、一レプモン二レプモン入れ替えるくらいなら、結構何とでもなります。
敵についても、いくつかの例外を除けば4vs4が限度で、ステータスが平等な上で、こちらが思考できる分だけかなりプレイヤー有利です。Lv10が大量にいる、となると中盤くらいまではきついかもしれませんが、そういうパターンはかなり稀です。というか、ほぼ終盤にしか出てきません。

その分、大ボス戦で5体を相手にする特別感が演出されているのも良いところです。絶妙に難しい難易度となっています。
とはいえ、取り巻きのレベルをそれほど上げないことでバランスを取っており、上手く立ち回りさえすれば序盤のパーティーでも世界花を撃破するくらいのことは充分に可能になっています。こちらはいくらでもシナジーを整えられるので、戦略さえちゃんとしていればどうとでもなります。
加えて、エンドコンテンツ的な闘技場では伝説のレプモンを据えて戦わせてくるのも良く、難易度の段階調節がかなり絶妙な調整となっています。ここまでにちゃんとレプモンを育ててくれば、それほど苦戦はしないけれど、ある程度は戦略を整える必要のある良い塩梅です。

ただ、難易度が抑えめな分と、多対多が基本になる点、それほど頻繁に入れ替えができない点などが作用し、属性による弱点は使う場面は少なめでした。
多対多の常として、一人落とすのが何よりも重要なので、弱点を気にして攻撃を分散させるより、多少不利でも一点集中で崩す方がトータルのリターンが大きめになります。
一応、相性から狙うべき相手を定めるという向きもありますが、それよりは耐久型なのか、サポート型なのかといった立ち位置を考えて狙った方がアドが高いというのもあります。サポートを先に潰さないと後々に響いてくる可能性が高いので、できるだけそういうことをしてきそうなレプモンを見た目から選ぶパターンが多めでした。
相性自体は、本家よりだいぶシンプルなので覚えやすくはあります。

また、筆者はレプモンを全て見つけた上で捕まえるというか生成しようと思っていたんですが、これを確認するのがかなり難しかったです。
ソートが無いので突き合わせがかなり困難であり、がしゃどくろがないことに気付くまでにかなりの時間を要しました。そして、何故がしゃどくろが無いのかを理解するのにもかなりかかっています。パーティー編成にソートがあるか、取得込みの分かりやすい図鑑システムがあるとコンプリート欲のある筆者みたいなタイプには助かります。
また、パーティー編成をする際はステータス以上にスキルを重視したい気持ちもあったので、簡単にスキルが見られるとより様々なレプモンが使えそうだなという気持ちもありました。もっとも、後述するように筆者は完全にパーティーを見た目で決めたので、これを主張する資格はありませんが。

最後に、筆者のパーティー構成を踏まえた感想でも書こうと思います。テーマはゴリラでした。金の単位がゴリですからね。
世界花撃破時くらいのパーティーは、ゴリラ、ゴリラガラス、ケミカルゴリラ、怪物、といった火力全つっぱのパーティーであり、Lv8平均でもその余りあるパワーで世界花を粉砕していました。ドラミングして殴るのが最強。
その後、世界を探索することで雪ゴリラを獲得して、怪物と入れ替えることでゴリラのフルパを構成し、伝説のゴリラであるシルバーバックを見つけ出してからはゴリラガラスを抜いて完全に成りました。オールゴリラ。

このメンバーは相性の偏りがひどいのと、搦め手に余りにも弱いというのがネックではありますが、それを補ってなお凌駕する圧倒的な攻撃性能を誇っており、初ターンで必ず相手を一つ落とせるスペックが有利を取る手段でした。
負け筋は知らないレプモンが出てきて、サポートと間違えて耐久型を殴った結果、サポートからの搦め手を受けるパターンくらいなので、ちゃんと全国のレプモンを制覇した後の闘技場では無双することが可能でした。危なかったのは初見の火山ボスくらい。

最終パーティー

なお、レプモン制覇にあたっては金策も結構大事なんですが、その辺はイベントなどでカバーされている印象はありました。
どうしても序盤にやりたいなら淫獣が良さそうで、諸々イベントをこなしてある程度計画的に使っているなら、深淵教団が狙い目です。ただ、深淵教団は諸事情によりそもそも大金を用意しないと倒せない状況にはあるので、安定しそうなのは淫獣かもしれません。
余談ですが、淫獣の奥に何かあるかなと思ったら何もなかったので、超高頻度エンカウント地獄だけ味わって帰りました。後半、一歩でエンカウントするので凄い。

66. マルクと4つの封印石

ジャンル 作者
RPG チルチャー
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間 1.0相当 未クリア

良かった点

  • 魔物の名付けが良いです
  • リトライが容易でした

気になった点

  • 誘導が弱めでした
    • 余り遭遇機会のないNPCの名前で案内されます
  • 進行不能があります

レビュー

シンプルなRPG

※この作品は、ウディコンのバージョンでは進行不能の不具合を含みます

マルクと4つの封印石は、シンプルなRPGです。
普通の街で巻き起こる事件から、やがて大きな事態へと発展していく物語を描いています。

四つの封印石にまつわる事件を解決するために、プレイヤーは様々な場所を訪れることになります。
マップを彷徨い歩き、シンプルな戦闘をこなし、どんどん先へと進んでいきましょう。
物語中盤で進行できなくなる点だけ注意が必要です。

感想

とりあえず前提として、筆者のプレイしたバージョンは進行不能でした。いくつか試しましたが、多分必要なイベントがスキップされていそうなので進めるのは無理っぽいです。一応ウディコン終了間際まで確認はしていましたが、特に動きはなかったようなので、そこまでの感想を書きます。

RPGの主題としての戦闘面では、全体的に回避率が高く、回避率が割と大事なゲームでした。序盤を抜けたあたりから出てくるライトニングがものすごく強いので、敵のライトニングが飛んできた時に当たらないように祈ることになりがちです。
ただ、こちらもエネルギーボルトが充分に強いほか、リトライがかなり容易なのでそれほど大きなストレッサーにはなっていません。全滅してもゲームオーバーにならないので、多少の理不尽は試行回数で覆せます。雑魚のしにがみさんですら運ゲーを仕掛けてくるのでさもありなん。

個人的には魔物の名づけのセンスは結構好きで、色々と良い名前がついています。後は、最初の仲間をコウモリにするのも好き。何を食べたら、最初の仲間をコウモリにしようと考えつくんでしょうか。

物語の方は、ある程度王道的運びっぽくはあるんですが、あんまり紹介なく固有名を持ったNPCが出てきた上で、その名前を使って進行の指示や会話が行われるので、序盤はついていくのがやっとです。
中盤、正直ニルスが誰か分からず、しばらくやっていて思い出しました。魔物出てきても大丈夫なのは彼がいるからとか言ってた彼の方ですね。話しかけに行かなきゃ、そもそも関わりすらない気がします。

後は進行不能っぽいイベントですが、多分接触なので実は無限ループではなく、移動することで抜けられます。けれど部屋の中に特に移動できる対象はなく、外に出てうろついても動きは無いので、恐らく対象イベントを見切らないとフラグが立たないものと理解しました。抜け方があったら教えて下さい。

67. かわいいヒヨコの大冒険

ジャンル 作者
回避 C
プレイ時間 プレイVer クリア状況
15分 1.03 クリア+Ex

良かった点

  • 敵ごとの特色に納得感がありました
  • いつでもセーブできるため、比較的緩く挑めます

気になった点

  • 特にありません

レビュー

かわいいヒヨコの行く末

かわいいヒヨコの大冒険は、様々な障害を回避してゴールまで到達するゲームです。

プレイヤーはヒヨコを操って、ネコやヘビといった様々な障害をかいくぐっていくことになります。
ネコは固定ルートを歩き回り、ヘビは一定間隔で往復しているなど、それぞれの特徴を上手く捉まえて攻略していくことになるでしょう。
どこでもセーブをすることができるため、落ち着いたタイミングではきっちりセーブを取りつつ、相手の行動ルートを見極めて適切なルートを選択していきましょう。

また、ヒヨコは歩ているだけでおなかが空いていくため、適度に落ちているミミズを食べていく必要があります。
余り無駄に動くとそれだけ捕食を優先する必要が出てくるため、ルート選定はこれらを加味してバランス良く行うことが重要となります。

満腹度を気にしながらも、セーブを駆使して上手くルートを選定し、ヒヨコをゴールまで導いていきましょう。

感想

端的に言うと避けるゲームです。多分難易度はそんなに高くないです。常時セーブもできますし。
プレイヤーキャラクターがヒヨコなのが分かりやすくて、明らかに触れたらマズそうなのが直感的に理解できます。

ちゃんと敵ごとに行動が微妙に異なっている上、それぞれステージごとに微妙にアレンジを加えたテーマで構成されているので、飽きずに最後までやれるのも良いところです。敵ごとの特色についても納得感があります。
個人的にはほぼ一方向の行動しか取らない蛇や鳥は大した脅威ではないんですが、ルート行動と大量配置の暴力で攻めてくる犬が難敵でした。何カ所かはパッションと勢いで突破している気がします。頭を使わずに感覚で潜り抜けていました。

そして、こうなってくるとセーブがどこでもできるのがありがたくて、自分でいつでもチェックポイントを作れます。
そこそこの難所も用意されているので、これで開始地点リスタート強制だったら割と難しいゲームになっていたかもしれません。多分、よりイライラ棒っぽさが増していたと思います。

しかし、みんなといられるのが幸せなんだという心温まるエンディングのエンドロールがああなっているのは好きでした。良いオチがついてるように思います。別の意味で温まってしまったようです。
運命とは残酷なものですね。