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59_深蒼の航路

ジャンル 作者
探索ADV 3のっと/s
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間30分 + 1時間 1.0.3 全END

良かった点

  • 不穏な雰囲気が上手く作られていました
    • スチルを含めた演出によって、より強く印象付けるものとなっています
  • モチーフに対する換骨奪胎が上手く機能しています

気になった点

  • お使いの要素に偏重している印象がありました

レビュー

The 探索アドベンチャー

深蒼の航路は、オーソドックスな探索アドベンチャーです。
神の奇跡と呼ばれるものを求めて海を渡った4人の主人公を中心に、物語が展開していく作品となっています。

ゲーム内容としては極めてベーシックな探索アドベンチャーであり、基本的には訪れた町の人々に協力をしていくことで物語が進行していきます。
聞き込みをしたり、手伝ったり、時には探し物をしたりと、町の人々に積極的に話しかけていきましょう。

そういったイベントを進めていくことで展開を深めていく物語と、そのバックボーンたる世界観の雰囲気こそが、この作品の醍醐味となります。
天正遣欧少年使節をベースとしつつも、あくまで架空の世界観の中で描かれる宗教と献身の物語は、やがて大きなうねりをもってエンディングへと流れ着きます。異国の雰囲気漂う街の風景、時折挟まれるスチル、表情豊かな立ち絵を背景に、その不穏な物語を存分に浴びていきましょう。
そうして、それぞれの思惑と未来は4つのエンディングへと分岐していくことになります。是非とも全ての終わりへと到達し、彼らの旅路を見届けてみてください。

感想

明示されてないとはいえ名前からして明白に、某十字教を題材としていそうな作品です。天正遣欧少年使節ベースなので。もっとも史実とは明確に異なって描かれてはいるので、あくまでもモチーフでしかないものではあります。
明らかに不穏であり、その予測というか不安というか期待というか、そうあるべきな方向にきちんと動いてくれる探索アドベンチャーとして完成されていました。チャーハンを頼んだらチャーハンが出てくる、そういう探索アドベンチャー。

一方で、ゲーム性としてもまたチャーハンのため、かなりお使い要素の強いものとなっている印象があります。特にシナリオ上の要請をあまり感じない途中の町あたりが顕著で、振り返っても特に関与が見受けられないことが、よりその印象を強くさせていました。
一方で、物語的な関与の強いイベントがある最終章や、紹介の意味もある最初の町などは同様のゲーム性に近くても特別問題に感じなかったため、やはり物語との連関性の薄さが気になっていたのかもしれません。ワインを協会に与えることで神の奇跡に貢献しているとか、そういう情報があると嬉しいかもしれない。あるいは絵画のように、自主的に掘ることを想定しているんでしょうか。ヒントが少ないので分からない。
一応、お使いという行為を通してその献身性のようなもの、あるいは自己犠牲的な精神に対する衆生の感謝を示していると解釈することもできるかもしれませんが、それにしても数が多いので。

一方でシナリオや雰囲気は抜群であり、宗教という厄いテーマを使って不穏さを上手く演出しています。要所に入るスチルも物語の雰囲気の醸成に貢献していました。
十字教というモチーフはあくまでモチーフとは言え、当時の十字軍のような蛮行を考えると物語に対する説得力のようなものも生んでいます。一方で、世俗的な欲ではなく、あくまでも神話の再来のみを探求していた教皇のような狂気は、創作的に磨かれている要素として機能していました。このあたりの塩梅が良いため、全体的な不穏さが上手く表現されている印象があります。
教皇、それ自身は神の奇跡を誰に与えるかも関心が無さそうで、下の腐った連中に任せて放任していそうな嫌な狂信者のリアリティがあります。多分そこに興味が無い。

エンディングに関しては個人的には全部BADな気がしています。相手の本拠地に入ってしまった段階で、もう助からないのはさもありなん。ジュリアンはもはやどうしようもなさすぎます。この下手にグッドっぽいものが無く、バッドかトゥルーしかないような潔さは個人的には好みで、プレイ後の余韻の粒が揃っているような、クリアなプレイ感を与えてくれました。
BAD1の解釈は個人的に微妙に読めておらず、最終的に磔にされる未来があることをもって、逃れられない運命のようなものを暗示しているのかなと解釈していました。

なお、全体のシナリオについては、前述した途中のパートにあんまり本筋が絡まないのが気になる所ではありますが、各パートはあくまで要所以外をオマケとしつつ、ミゲルパートをメインとして構成されているような印象がありました。
シナリオ上の役割自体は4人に割り振られていて、表主人公のマンショ、裏主人公のミゲル、犠牲者のジュリアン、語り部のマルチノとしてそれぞれ必要なんですが、各キャラクターに対する掘り下げはやや少なめな気がしています。ミゲルは充分ありますが。このあたりが途中のパートでより補完されていると個人的には嬉しかったです。立ち絵とかキャラクター性は魅力的なので。

ともかく、探索アドベンチャーとして想像するオーソドックスなものをそのまま遊べるゲームでした。期待通りの体験が得られる作品と言えるでしょう。

60. あんでっどハザード

ジャンル 作者
アクション もののふげーむず
プレイ時間 プレイVer クリア状況
45分 1.09 クリア +ex2

良かった点

  • 程良く難しいターン制限が用意されています
  • タイムを効果的に使うことが推奨される良いゲームループとなっていました

気になった点

  • 雑魚戦がやや作業的でした

レビュー

呪われる前に元凶を絶て

あんでっどハザードは、呪われた島を制限時間内に歩き回り、呪いの解除を目指すアクションRPGです。
主人公はアンデッドが大量発生している呪われた島を調査するために、その地へ向かうことになります。

島では至る所にアンデッドが徘徊しており、それらに接触すると戦闘が始まります。
戦闘はアクション形式で行われ、剣を使った攻撃とSPを使うスキルを活用して戦いを進めていくことになります。攻撃を重ねつつ、敵の攻撃を避けていくのが基本的な流れとなるでしょう。ただし、攻撃はそれなりに隙を晒すことになるため、無暗に攻撃をしていると被弾が多くなってしまいます。少なくとも、敵の攻撃予兆を示すエリアが見えたら回避に徹するのをお勧めします。
また、攻撃のヒット時や落ちているアイテムを拾うことで得られるSPを利用すると、強力な攻撃や回復を行う魔法を発動することができます。大量の敵を捌くのにも使えますし、回復に使って継戦し続ける体力を保つのにも使えます。上手く使って戦いを有利に進めていきましょう。

こうした戦闘のためのシンボルの他にも、宝箱、買い物などができる街、イベントのための場所など、島には様々な地点が存在しています。島の各地を歩き回り、敵と戦いながらこれらの施設を利用して強化やイベントを進め、元凶に挑む準備を整えていくことになるでしょう。
しかし、のんびりしている時間はありません。島を一歩進むごとに経過するタイムが0になってしまうとゲームオーバーになってしまうためです。時間制限は適度に厳しいため、効率よく敵を倒し、効率よく拠点を利用していくことが求められます。
敵を倒してレベルを上げ、ドロップ素材で装備を整え、そしてより強い敵に挑む、このサイクルを効率よく回すためには計画を立てたルート設計が鍵になります。シンボル自体はランダム発生のため、アドリブを利かせながらルートを構築していきましょう。

戦闘では上手く立ち回って敵を倒し、フィールドでは効率よく各シンボルを利用して成長を進め、いち早く呪いの原因を突き止めていきましょう。

感想

本質的にはアクションゲームというかアクションRPGライクなんですが、それを包んでいるリソース管理的な構造が良い作品です。
時間制約とその中での取捨選択や動きの吟味をきちんと要求してきます。

ターンの制限は割と厳しく、雑にプレイしていると間に合わなくなるちょうど良い塩梅となっています。ターンを意識していないと、思ったより早く到達する。
とは言え、ちゃんとイベントを適切に回し、馬を買うなどしてターンの節約をやっていけばクリア自体はさほど難しくありません。漫然とやってるとゲームオーバーになり、しっかり取り組めばクリアできる絶妙なバランスでした。

素材を集める武器生成のシステムについては、初めは時間制限との相性が悪いのではと感じていました。強い制約の中で作らないといけないため、あんまり色々と作るモチベーションが湧かないためです。
ただ、リソース管理というかリソースの活用方法という側面で見るとコンセプトには適った設計であるように思います。プレイヤーに要求されているのは色々なものを作ってみるということよりは、手に入れたリソース内で上手くやりくりすることを求められている気がします。
ただ、筆者は一部のアイテムがどこに手に入るか分からなかったので、そのあたりは試せていませんが。戦闘重視でレア宝箱を開けてなかったので何か見逃したのかもしれない。

そういったリソース管理の側面に対し、アクションパートはかなりシンプルに仕上がっています。間合い管理を適切に行う必要のある、立ち回りが要求されるタイプです。攻撃の後隙も前隙も大きいのでヒットアンドアウェイもやや難しく、ある程度慣れが要求される印象でした。
個人的には上下の選択肢に乏しいのが気になっているところで、動きがだいぶワンパターンになりがちな印象がありました。最終的には差し合いになる。

また、基本的にはLv10くらいまでは雑魚敵を倒して回る必要があるんですが、ここはやや作業要素が強い印象があります。それほどバリエーションが多くなく、交戦意欲もそれほど高く感じないためです。加えて、あまり攻撃してない割にジャンプだけはするので遅延行為をしてくる相手、くらいの気持ちになってしまいます。
一方でネームドにあたるドラゴンや裏のラスボスは歯応えがあり、上手く立ち回る楽しさがありました。流れとしては雑魚敵と同じく回復して殴るだけではあるんですが、きちんと強いので負けそうな緊張感をもって戦えます。
そういう意味では雑魚は強くあると好みだったのかもしれませんが、強くしすぎるとすぐに集団リンチに化けそうなので難しいところです。本質的には雑魚と一生懸命戦うゲームではないので、これで良いのかもしれない。
なお、おまけラスボスの最大の脅威は、技を撃つたびに処理落ちするところでした。ファイル容量でも大きいのかな。

個人的にはゲームループの設計が好きな作品でした。とりあえずやってゲームオーバーになった後、もう一度やってクリアを目指そうというモチベーションがしっかりと湧く設計となっています。ゲーム―オーバーになったのは明らかにプレイヤーに無駄が多かったからで、そこを改善すればクリアできるだろうといビジョンがちゃんと見える作品となっていました。イベントがそこそこ用意されているのも良い。