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13. 狼は愛を、狐は狼からの報復を、蛇は狐と狼に打ち倒されることを望んだ

ジャンル 作者
RPG ケモプレ@獣のPredation
プレイ時間 プレイVer クリア状況
30分 7/22 クリア

良かった点

  • 物語の展開が良かったです

気になった点

  • UIが使いにくかったです
  • 各種システムの説明が不足しているように感じました

レビュー

熱き想い

狼は愛を、狐は狼からの報復を、蛇は狐と狼に打ち倒されることを望んだ、という作品は、様々な要素が独特なRPGです。

ゲームとしては比較的シンプルで、ダンジョンに潜り、ひたすら戦い抜いてレベルを上げ、因縁のある狼を倒すことを目的としています。

しかし、その因縁、あるいは感情は複雑に絡み合っており、とても一言では言い表せないものとなっています。それぞれの屈折した感情が織りなす物語は、狼を倒すことで一つの決着を迎えます。

その物語の結末へと辿り着くには、レベルを上げて狼を倒すほかありません。
決着を見るためにも、狼に引導を渡してやりましょう。

感想

一言で感想を言うと、前作よりシステムの理解が難しいけど物語は好きという感じです。

UIがとにかくとっつきにくく、本当に使いにくいです。
例えばお店で購入したい時、最初に1が入力されているので購入個数を20にしたいなら一回キャンセルをはさむ必要があります。というかキャンセルしたいなら0を決定するという仕組みも厳しいです。スライダーなりを使わずに電卓システムを採用した理由が良く分からない。

また、階層が全てフラットなので、キー割り当て、キー連射などの設定と同階層に装備品があったりします。
前回は階層深くて使いにくかったのでそれよりはまだ良いんですが、使用頻度や用途をもとにした整理はあんまり行われていない印象です。トグルを使わずに選択肢を採用している理由はやっぱり良く分からない。

最初の画面の設定を開いてからセーブできるあたりはもはや仕様なのかバグなのかよくわかっていないレベルです。ちなみにここでセーブすると灰色のグラフィックでセーブできます。
一度メニューを閉じないとセーブできないというのも若干面倒です。そのままセーブするとロード時にメニュー開きっぱなしになるとか、そういう問題があるのかなと感じています。

他の細かいところだと、Cキーでメニューを開くのにXキーで閉じる統一性の無さも若干気になります。Xキャンセルで全体が統一されているデザインと思いきや、何もない画面のXはヘルプだったりするので。

あとは、説明があんまりありません。説明書は利用規約と権利表記だけで、連撃数とかACとかが何なのか、SPが何なのか、シボとスドの肉の違いは何なのか、それぞれの武器の違いは何なのか、雰囲気で理解するしかありません。
何ならクリアした今でさえ、シボとスドの違いは良く分かってないですし、各種状態異常になんでかかるのかも分かりません。ダイスロールかな。

ただ、最後に一気に押し寄せる物語の展開は前作などより好きでした。もはやノベルじゃないかというレベルで怒涛に話が展開していきます。
今までの作品は割とあっさり目に感じていたので、この辺の感情の物量には正直面喰らいました。勢いが凄い。
割とちゃんとオチもつくので良かったです。

14. Helios Order -賢者の石と輝炎の王-

ジャンル 作者
RPG 綺人
プレイ時間 プレイVer クリア状況
6時間30分 1.04 クリア

良かった点

  • 良い王道ファンタジーであり、良い戦記物でした
    • きちんと戦記をRPGで表現しています
  • 雑魚戦も含め、戦闘バランスが火力偏重で良かったです
  • 使用スキルでステータスが上昇する仕組みは面白かったです
    • 雑魚戦でも手段を考えるきっかけになります

気になった点

  • 相互変換可能なオーブが変換の手間だけが存在するものと感じられました
    • スキルのために個数確認、変換、習得の手間が発生します
  • 負けイベントに勝てそうでした

レビュー

王道戦記物RPG

Helios Order -賢者の石と輝炎の王- は、王道と呼ぶに相応しい完成度のRPGです。
世界観が王道ファンタジーであり、物語が王道戦記物であり、そして何より作りが王道のRPGとなっています。

舞台となる世界は、四方八方が潜在的脅威に囲まれたレムリア大陸です。その大陸の辺境にある森の中、記憶を失った状態で主人公が目覚めるところから物語は始まります。
その辺境の森での出会いから、主人公はやがて大きな戦乱に身を投じていくこととなります。

このゲームの世界観や物語はファンタジー然としながらも戦記物の性質が色濃く、大きな戦いのさなかの少数精鋭部隊として主人公たちのパーティは戦っていきます。
戦闘はCTB形式で進んでいくため、ターンを読んで戦略的に立ち回れると有利となります。

この戦闘において重要となるのは、使ったスキルに応じてステータスが成長するということです。
物理技を使えば攻撃力が、魔法を使えば魔力が、それぞれ上昇していくこととなります。このため、雑魚との戦いにおいても成長のことを視野に入れた戦いが求められます。

また、敵を倒すなどで手に入る様々なオーブを使うことでも、対応するステータスを上昇させることができます。
ただし、オーブはスキルの習得にも使うことができます。ステータスを上げて能力値でねじ伏せるか、スキルを使ったテクニカルな戦いを目指すか、オーブの使いどころはプレイヤーの手に委ねられています。

このような王道に留まらないシステムを導入しつつも、Helios Order の骨子はまごうことなき王道であり、そういった貫かれた王道が好きな方にはお勧めです。
戦争の中を切り抜けて、その王道の世界観に隠された秘密を解き明かしていきましょう。

感想

良い王道です。戦記物としてもそうですし、RPGとしても凄くまっとうでした。
世界観はファンタジーものとして良く、周囲がほとんど敵国のアメストリスみたいな状況は戦記をやる上で良い環境でした。
もっとも今回の物語はその中の一部のエリアの話になるわけですが。

また、ちゃんと戦争をやりつつ、RPG的な少数精鋭行動スタイルの展開を用意しているので、あんまり無理が生じずにRPGを遊べます。
これは結構大事で、RPGのための単独行動じゃなくて物語に組み込まれたというか戦いの中に組み込まれた行動と展開なので没入感がありました。
個人的に好きなのは、なかなか熱い展開の後に戦うリバイバルログです。あれはネタなのかな。

キャラクターも良くて、最初の方でディーンにベットしていたので途中の展開で楽しめました。こういう軟派は決める時は決めてくれるので好きです。エドガーとか。
あとは、なんやかんやエヴァが最初の独断専行以外はまともに行動するタイプで驚きました。もう少し軽率に行動するタイプだと思っていたら、場面に応じてちゃんと動けるタイプでした。

戦闘システムも結構面白くて、特に使う技に応じてステータスが変わっていくのが良いです。
雑魚戦でもどの攻撃使うかを考えることに意味があって、かつそこそこ雑魚も強いバランスになっているので戦闘が楽しめます。戦闘終了後全回復するからこそできるバランスという感じ。
カウントタイム制なのもあって、割と戦略的に戦えます。

戦闘においてはコンボまで覚えられると強くて、そこまでいけば、ほぼスキルの入れ替えが必要なくなります。主人公のリーサルまでの流れの火力が高くて、エヴァのソニックが優秀なつなぎとして機能するので、主な火力源になりました。
後はアイテムが強いです。回復魔法が基本的に弱い行動で、全体回復手段が実質的にアイテムしかありません。速度も速いので、全体回復をばら撒く役がいると捗ります。

なお負けイベントもちょっとあるんですが、負けイベントの割には勝てそうなのが気になりました。特に最初の長髪、普通に勝てそうだった。もしかしたら勝てるのかも。
勝てそうな負けイベントの何が問題かというと、アイテムを無駄に使うことになるあたりです。どうせ負けるなら先行一閃で薙いでほしいです。

他の細かいところだと、瞑想から瞑想に入れるからある程度回す時は楽なところとか、ちゃんと戦闘内容は図を使って説明するところとか、寝る前は帽子取るところとか、色々ちゃんと作られている印象です。
もちろん鎧は脱がないんですけどね。

システム的には成長のためのオーブを相互変換できるんですが、そうであるなら共通オーブにしてしまっても良いのかなと感じていました。スキルに必要な量を確認してから変換し直すのがちょっと面倒。

しかしエアフェル、エアラフェルというRPGがあるので呼ばれるたびにそれを思い出していました。

15. 星空ダイヤグラム

ジャンル 作者
ハクスラRPG 綺人
プレイ時間 プレイVer クリア状況
9時間 1.4.0 鈴音END

良かった点

  • 装備とスキルの二段のハクスラが上手く機能していました
    • 装備が導線、スキルがランダムの良さをそれぞれ担っています
  • 個別進行式のストーリーが良かったです
  • 戦闘バランスがちょうど良く難しいです

気になった点

  • スキルの整理ができると有難かったです
  • 報酬獲得演出がやや長めに感じました

レビュー

ハクスラで自分だけのビルドを目指そう

星空ダイヤグラムは自分の考えた最強のビルドを目指せるハクスラRPGです。
好きなキャラクターと好きな装備で、好きなスキル構成を使って攻略することができます。

プレイヤーは、夜空と呼ばれる世界に迷い込むことになります。ここでは世界の救出と帰還を目指して、路線に潜って修行しなくてはなりません。路線はノンフィールドダンジョンのようなものであり、各停車駅でイベントを発生させたり、敵と戦ったりすることで進行していきます。
同じような境遇の11人から好きなキャラクターを誘ってメンバーを構成し、この路線にひたすら潜っていくこととなります。

路線にはびこる雑魚敵も強力ながら、多くの場合は終点でさらに強力な敵との戦いが待ち受けています。特に、深度と呼ばれる難易度が上がると、一癖も二癖もある敵が相手となってくるでしょう。
そういった強敵に打ち勝つためには、装備とスキルの取得と選別が重要になっていきます。

装備はイベントで手に入ることもありますが、確実なのは路線の報酬を狙うことです。路線をクリアすることで得られる装備はある程度開示されているので、狙い目の装備がある路線に潜っていきましょう。
そうして自分のレベルに応じた深度に潜りつつ装備を回収することで、一つのループが構成されていくことでしょう。

このループに刺激を添えるのは、スキルの取得です。
スキルはイベントや戦闘後に完全にランダムで取得できます。それぞれのスキルには威力、防御力、回復、特殊能力など様々な性質やその強弱が与えられており、最大で50個まで覚えておけるようになっています。こうして取得したスキルの中から5つを選んで、戦闘に挑んでいくことになります。

また、誘ったキャラクターと一緒に戦っていると徐々に親密度が上がっていき、それぞれのキャラクターによる個別のシナリオが紡がれていくことになります。
意図しない限りシナリオが路線の最中に進行することはないため、ハクスラを楽しみながらも、一息ついたタイミングで進めていくことができます。

ある程度狙って手に入る装備で確実に強くなりつつ、ランダム性のあるスキルから自分好みの組み合わせを色々試す。
この完成されたハクスラループに取り込まれると、無限に遊んでしまうこと請け合いです。

星空ダイヤグラムは、装備やスキルを吟味して、そのシナジーを考えて組み上げることが好みの人にお勧めの作品となっています。
自分だけの強力なビルドを目指して、ひたすら路線に挑んでいきましょう。

感想

楽しいハクスラです。楽しいので時間が溶ける。ちょっと遊んだら寝ようと思ったら、いつの間にか次の路線に潜ってしまうゲーム。全部プレイしようとする人のトラップの一つ。

武器がハクスラなゲームは結構あるんですが、スキルまでハクスラなゲームはなかなか無いんじゃないでしょうか。
さらに、その二つのハクスラを、路線で比較的狙って取れる装備と、その路線内でランダムに一杯取れるスキルという形にしているのが良いです。
この装備欲しいなあと思えるから路線選びの基準にもできるし、次の目標を立てやすく、それを繰り返していると自動的に手に入るスキルはランダム性の強いハクスラを楽しめます。
これが装備だけだったらやらされている感が強そうで、スキルだけだったらランダムが強すぎて牽引力が弱くなりそうなので、いい塩梅だなあと感じています。

武器種は11と結構多く、メンバーは6人構成なので必然的に不要な武器も手に入るんですが、これがちゃんと売ればお金になるのも良いです。
お金の使い道もだんだん使わなくなるお店だけじゃなく、取得する武器種を固定できる奴への賄賂にも使えるのが良いです。ちゃんとお金を持っておくことへのリターンがある。

装備を集めているうちに強くなっていって、そうなるとより強い装備が欲しくなって、その間もスキル厳選は進めて、みたいな感じでハクスラするループが綺麗に作られているので、繰り返し遊びたくなります。

戦闘バランスも割とよくて、ボスがまっとうに強いです。発狂するとめちゃめちゃ強力になっているので、多分速攻を意識してそう。
また、デスペナルティは実質的にないので、路線の最後で強ボスに蹂躙されても笑って済ませられるのも良い。筆者は最初の方で恐竜に蹂躙されました。
ちなみに、終わりの方のボスは大体ギミック持ちなので、ちゃんと対策しないとレベル関係なく負けます。

個人的には自分のレベルよりちょっと深い階層に潜るのが好きです。
雑魚まで強いので、スキルによる立ち回りをかなり上手くやる必要があります。僕の考えた最強のスキル構成が試されるので楽しい。
ボスもかなり強いんですが、ちゃんとスキル構成を整えておけば勝てないこともないのでやりようがあって良いです。敵も強ければこちらも強い。

戦闘面とかハクスラ面はこの通りめちゃめちゃ楽しいんですが、スキルがあまりにもとれる分、その整理はちょっと面倒めではあります。
プレイ時間のそこそこがスキル調査と整理に充てられてしまっているので、もうちょっと使いやすいと楽だなあと。
構成と封印を同じところでできるとか、下位互換があったら自動的に封印してくれたりとか、いい感じにソートしてくれる機能とか、色々欲しくなってしまいます。
下位互換判定とかソートの種類とか、色々考えることは多いので難しいかもしれない。せめて、攻撃/盾/回復はソートされていると比較しやすいかなあと感じています。

あとは、報酬獲得演出が若干長めに取られている印象もあって、スキルは完全封印されるようならスキップですら良さそうですし、お金のカウントで別の尺がとられるのもちょっと煩わしいです。加算値を見せたい気持ちがあるなら、+表記も欲しいかもしれない。
ただ、このあたりは何度も遊んでいるせいで同じ演出に飽きているきらいもあるので、初見の演出としては十分な気もしています。

戦闘面でもこれだけ楽しいことを話せるんですが、ちょっとしたストーリーがちゃんと入っているのも楽しいです。
最初に選んだキャラクターの個別ストーリーが少しずつ進行していく形式なので、路線を楽しんでいる時に阻害されることはありません。物語を読みたい気持ちの時に読める。
この進めたい時にはちゃんと進めてエンディングまでの達成感を補助してくれる物語設計は好みです。

そして、それぞれのキャラクターの個性も際立っています。
そもそもが初手で出会うティレスが、初手で出会うキャラの濃さではない。みんながみんなキャラが濃い。ンゴンガはシュウゾウだと思っています。
メンバーに入れた面々は最初にいた人達が基本で、鈴音と空悟は好みで入れました。座敷童というか妖怪系と、中二病が好きなので。奇異太郎思い出しましたね。

なお、これを書いている最中にもプレイして他のエンドを回収しようとしていたんですが、レベルドレインするスキル屋の誘惑に負けて目下レベル上げ中です。
ボス倒して終わればいいのに、楽しいのでつい別のことやっちゃいますね。

ちなみにこのゲームは攻略情報が固まっていない時期にやることで、こんな特殊効果あるんだなとか、こんな鬼強いスキル使えるんだとか、色々発見があるので楽しいです。
全体化+リレイズ とか、CT1のCT解消スキルとか、手に入るとわくわくしますね。
何ならたぶん攻略情報見ないほうが楽しいまであるんですが、情報共有しながら進めるのも多分楽しそうだなあと思っています。在りし日のゲーム攻略情報共有する感覚。

刀に全てを委ねた図。これで勝てた時が一番気持ちが良い

16. カードカプラーアリス

ジャンル 作者
デッキ構築型カードRPG とうがらし
プレイ時間 プレイVer クリア状況
3時間 1.00 業務用クリア

良かった点

  • カードを集めてデッキ構築する楽しさがあります
  • 運が絡みながらも、良い戦闘バランスでした

気になった点

  • カード構成のUIがやや使いにくかったです
    • 最新版では改善されているそうです

レビュー

お手軽デッキ構築カードRPG

カードカプラーアリスは、デッキを構築して戦うカードバトルRPGです。
プレイヤーは20枚のカードを選んでデッキを構築し、ノンフィールドRPGの戦闘に挑んでいくことになります。

それぞれのカードにはコストが存在し、1ターン内では一定のコストまでしか使用することはできません。
また、ターンの開始にはランダムで5枚引き、ターン終了時には全てのカードが捨て札に送られるため、追加でドローしない限り1ターン内では5つのカードが利用できます。
この制約の中で、敵の行動や性質を考えてカードを切って、攻撃や防御をしていくことになります。

カードは敵がドロップするほか、敵が落としたお金を貯めてショップで購入することもできます。
各種カードの性質を活かし、ノンフィールドRPGを戦い抜いていきましょう。

また、連戦の最後にはボスが待ち構えています。ボスは当然ながら強力で、それまでの戦いで消耗していると勝負は苦しくなります。
そういった時は、戦う前に控えのメンバーに切り替えることもできます。控えのメンバー分のデッキを考える必要はありますが、ボス向けのデッキを構築してメタることもできるため、積極的に活用していきましょう。

たとえ強敵に敗北したとしても、このゲームにおいてはペナルティはありません。むしろ、敵と戦うことでレベルが上がり強くなっていくので、敗北を気にせず果敢に挑むことができます。
そうして手慣れてきたら、土をつけずに戦い抜くことを狙ってみるのも良いかもしれません。

カードカプラーアリスはテンポよく、カードバトルRPGを楽しむことのできるゲームです。
いろんなカードを使いこなし、並みいる強敵を捌いていきましょう。

感想

デッキ構築カードバトル、楽しいですよね。このゲームはちゃんとしたバランスで構成されているので余計に楽しい。

デッキ系のカード戦闘の常としてある程度ランダム性はあるんですが、ちゃんとデッキ構築をしておけばある程度は負けることなく突き進めます。良い感じの戦闘バランス。
慣れていなかった序盤はともかく、慣れてきた途中からは戻らずにクリアできました。少なくとも業務用においては周回前提のバランスではなく、突破はできるが周回して楽にすることもできる、というバランスだったと思います。

また、こういうゲームはデッキ圧縮が強くなりがちなんですが、その辺は消滅や無料のカードの限度枚数を決めることで調整されていました。

カードの戦略面で言うと、割と強いカードははっきりしている印象です。
最初はFFXにならってクイックトリックが強いのかと思ってたんですが、うまくシナジーをかけないと運用が難しく、ドロー系のコストがそこそこあるのもあって採用を見送っていました。
ある一定タイミングから剣の完全上位互換になるファランクスは結構お世話になっていて、最後の方は ムド、カーズ+ファントムビュレットあたりで立ち回っていました。
ムドの良いところ、雑魚をやれる以外にもちゃんと火力があるのでボス戦でも刺しやすいところにあります。
カーズ+ファントムビュレットは単純に火力が安定してたので好みです。

なお、最初に選べるキャラクターごとに固有カードもあるので、戦略に組み込む際はここも気を付けると楽です。別のキャラも使ってくれという意図がありそうですが、デッキの組み直しが面倒だったので鶴姫への切り替えしかしませんでした。
そういう意味ではデッキセットみたいな機能欲しいなあと思っていたんですが、どうやら新バージョンではあるらしいです。そちらがお勧め。

それ以外にも、固有カードが多めなのでデッキ構築時はそれを除いてくれるとありがたいなと感じたり、タブか何かで項目別に分かれているとやりやすいなと感じたり、デッキのソートと整理ができるとバランスがぱっと見でわかりやすいなとか思ったりしましたが、ちょびちょび修正を加えていく程度ならそこまで気になりませんでした。
ガッツリとデッキ構成を変えようと思うとちょっと面倒かもしれない。

ストーリーというか語りがトートロジーっぽくありつつトートロジーじゃない話をしているので、若干会話が頭に入ってきにくい構成ではあります。もって回った言い方の究極系という感じ。
文章を頭からお尻まで読んだ後に中間を読んで意味を理解するみたいなことをしていました。
キャラごとに名乗りが変わるなど、結構細かいところも丁寧に作り込まれていて良いです。

あと、初回起動時の爆音対策、そんなに爆音に出会ったことはないんですが、やっぱりあると配慮を感じますね。

デッキ構成

17. 雲間からレグルス

ジャンル 作者
ADV/RPG SEPTET
プレイ時間 プレイVer クリア状況
3時間 1.02 クリア

良かった点

  • 良いシナリオであり、それをゲーム全てが下支えしていました
    • 殊に演出面は素晴らしいです
  • キャラクターは皆個性豊かでした
  • 雰囲気の良いドット絵のグラフィックでした

気になった点

  • レベルの上げ下げが高くなるとやや面倒でした
    • 一気に上げ下げしたい気持ちがあります

レビュー

ゲームで描かれる最高の物語

ゲームはしばしば総合芸術と呼ばれることがあります。その意味するところは個人によって様々でしょうが、筆者個人はあらゆる要素が総動員して体験を形作ることをもって総合的な作品であるのだと感じています。
雲間からレグルスは、その内包する全ての要素が最大限の力で完成させた美しい物語を体験できる作品となっています。

全ての種族がレベルによって管理された世界で、最低レベルに指定された人間は、掃きだめのような星、オールドヘイブンで生活を営んでいました。
しかし、その遺跡の奥で「星の子」と名乗る子供を見つけたことから、物語の歯車が動き出します。

プレイヤーは主人公の一人であるルグを操作し、「星の子」と名乗る子供、レオの力によって様々な星を巡ることになります。オールドヘイブンの個性豊かなキャラクターの一人一人と同行し、それぞれの星を進んでいくことで、それぞれの物語が紡がれていきます。

星々にはそれぞれ特色があり、それぞれが素晴らしいグラフィックで描かれ、独特な雰囲気が醸成されています。
そういった場所ごとの景観を堪能しつつ、アイテムを拾い集めながら探索していきましょう。そして、その最後の地点で待ち構えているのは、ボスとの戦闘です。

この戦闘においては、レベルが重要となってきます。敵の攻撃の成否が、このパラメータを基準に決まってくるからです。
レベルはセーブ地点で自由に上げ下げできるため、ボスの行動パターンを理解したらメタれるようにレベルを調整しましょう。基本的に戦闘はいつでも逃げられるので、対策ができていなければ撤退もアリです。

こうして星々を巡り、各々の物語を見届けていくことで、少しずつルグとレオの物語が進行していきます。
この最後の物語を彩るのは、個性豊かなキャラクターであり、そのキャラクター銘々の想いによる物語であり、抒情的なドット絵によるグラフィックであり、オールドヘイブンを始めとした世界の雰囲気であり、美しい演出であり、そして何よりこのゲームがレベル制によるRPGであることです。

この作品を最後まで進めた時、このゲームにおける全ての要素が収斂していき、極限にまで高められた、ただ一つの物語を体験することができるでしょう。
もはやこれを語る言葉は持ち合わせていないため俗な言い方をすれば、エモいゲームがやりたい方にお勧めです。

感想

ウディコンの早いうちから何があっても絶対やるリストの一つに入れていた作品の一つ、雲間からレグルス。
バケモノハイツの頃から好みの作品を作る方だなあと思っていたので、ウディフェスのぶーん。とかもやっていました。そういえば、らすぼす養成 はいすくーる やってないのを思い出したので後でやります。

閑話休題。というわけで、期待値のハードルがまあまあに高い状態で始めたんですが、ちゃんとハードルのはるか上を飛んで行ってくれたので満足です。

とりあえずまずは世界観の話をするんですが、設定と拠点の世界が好きです。
レベルという概念によってかなり強烈な格差社会が形成された世界という設定が秀逸で、終盤に明かされるレベルというものの役割もまた秀逸です。実際にそれが正確かどうかはともかく、レオのような存在を生み出しているあたり外してもいない感じはします。

その中で最下層のレベルが住まうオールドヘイブンの空気感は最高の一言に尽きます。
帰還後イベントが映画のワンカットのように見えることに、この空気感はかなり寄与していると思います。黄と緑からなる空気がこの空間のよどんだ雰囲気をうまく表現していて、他の星の美しさに対して徹底的に対比構造にありました。
それなのに最後までやると、どの星よりもオールドヘイブンが綺麗に見えますね。この辺の、澱んだようでいてただ汚いようには見えない空気作りがべらぼうに上手いです。

それ以外の星では、ニトアロ・ニードが好きです。崩壊した世界というかポストアポカリプスっぽいのが好み。傘をさす細かさも好きでした。まあ最後の惑星も当然好きなんですが。

レベルの話に戻すと、レベルが高いと野蛮ではないことにされている世界ではあるんですが、行ける範囲では最高と言っていいレベルの世界でいじめをお出ししてきます。
そもそも、この高レベルの種族と人間は理由不明ならが争っています。結局一種族の適当な指標であって、本質的には何ら変わらないのかもしれない。それでも若干いじめっ子側が素直な気もしますね。

次にキャラクターの話をするんですが、全員魅力的なキャラクターで良いんですよね。
後で物語の話もしますが、この物語が美しいのは間違いなくキャラクターが良いからに他ならないので。
加えて、各キャラクターの物語パートもあってちゃんと掘り下げられるのも良いです。

キャラクターとしては割と序盤からドミドゥカが好きだったので、終盤の展開はより情緒が揺さぶられました。締まらない顔している人の締まった格好、格好良い。
主人公組については言わずもがな好きなんですが、いろんな展開をもってルグが一番好き。レグルス、獅子の心臓ゆえにレオのコアなんですね。

さらに、各物語に出てくるサブキャラクター、かてて加えて各星にいるモブの方々に至るまで、良いキャラクターをしているというのもあります。
星の個性と住人の個性どちらも豊かな特色があって良い。ミッドルの方々が好き。

それでは物語の話をするんですが、まあとにかく良いですね。良すぎて言語化が難しくて、レビューの最初の言葉を「良い、とにかく良い」にしばらく置いてました。レビュー書き終わった冷静な時に挿げ替えるのが狙いです。
思い浮かんだのは奇跡的相性なんですが、ネタが分かりにくいのと単純に相性の話ではないなと思ったので無難な形に落ち着いています。

ソウテン鏡は物語それ自体が良いパターンなんですが、この作品は物語に対する演出によって物語の質を底上げしているパターンです。
個人的に、個別で各キャラクターに関連する物語を進行しつつ大枠を構成するのが好みなので、この物語は好みでした。
そういうこともあって、ソウテン鏡では小説を引き合いに出していますが、このゲームはそういった別媒体を引き合いに出していません。この物語はゲームでしか在り得ないので。

各キャラクターをちょっとだけ掘り下げて、あるいはちょっとだけ成長させる物語が良くて、何より最後にオールドヘイブンに戻ってきた後の一幕が好きです。
一息ついた決着感と、次につながる引きのどちらもが映画のような空気感の中で描かれていて、最高にお洒落です。一区切りつくからちゃんと終わった気になれるし、次への期待があるから続きをやりたくなる。

そういった演出のほかにも、この物語は徹頭徹尾RPGでなくては表現しえなかったというのも好きです。
RPGそのものの話は後でしますが、とにかく最後の展開を行うにはこれはRPGでなくてはいけなかった。そのことこそが美しい作りだと感じていました。最後の戦闘、心動かされませんか。

あらゆる要素が物語を下支えして、そのクオリティも意味合いも補助しているというのが、まさにゲームでのみ体験できる感覚だなあと覚えていました。ゲームとしての物語という意味ではバケモノハイツも好きだったんですが、演出面やら諸々でこっちはさらに好きです。

物語のついでにグラフィックなどの話もしますが、良いドット絵です。ホロロンのような精緻なドット絵とはまた違った魅力があります。
記憶ギャラリーにあるようなドット絵もその星の空気感を描いていて良いんですが、各キャラクターのモーションとか、戦闘時のグラフィックとか、表情とか、色々なところが豊かで好きです。
戦闘時にレベル技に失敗すると、ちゃんとリアクションがあるのとか良いですよね。

あと戦闘中のBGMも良いんですけど、若干音量大きい気もしました。
雰囲気にはあっていて、曲としても好きではあります。

長々と書いてきましたが最後にRPGとしての話をします。
レベルの上げ下げによるギミックバトルが主で、雑魚戦もないのでイベントとみなしても良いレベルかなと思います。
ただ、漫然とやっていると結構負けるので、ちゃんと戦ってギミックを理解して、対策を立てて倒すというのが楽しいタイプです。

一応最高レベルまで引き上げていれば、ある程度ごり押しでも行けるバランスには感じましたが、ちゃんとメタったほうが楽しいし楽なのでお勧めです。
ただ、レベルの上げ下げが特定箇所でしかできず、特に後半は一気に上げようとすると若干面倒ですが、数えるほどしかやらないのでそこまで気にはならないと思います。

とにかく物語というものをゲーム表現の中で描いていたという観点において、個人的に一番好きな作品です。
最初に出てくる、言葉が落ち、それに引きずられたような星が何かへとぶつかったその瞬間から、このゲームが好みそうな直感がありましたが、まさしくその通りとなりました。

最初の演出で大体分かるように、かなり間の取り方がアドベンチャーゲーム然としているので、ちょくちょく間がある印象は受けます。ただ、多くの演出においてはその間をもって完成されているような印象も受けます。
最初の方を少しやればどういうゲームか分かるので、とりあえずやってみましょう。ADV好きならいいゲームです。

ちなみに筆者はこのゲームをぶっ通しでやったので、レビューを書くために起動するまで気づかなかったんですが、タイトル画面が毎回変わる細かい演出も入っていました。タイトルに演出が入るゲームは良いゲーム。神話解体論とか。

ニアトロ・ニード が好きな理由の半分くらいはレオが傘を差しているからかもしれない

19. 星の心

ジャンル 作者
試行錯誤 こめ
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.03 100

良かった点

  • 様々なアイデアが盛り込まれていました
  • 星の心を集めていく楽しさがあります

気になった点

  • 操作系統についてはかなりノーヒントに近いです
    • ここは良い所でもあるとは思います

レビュー

あらゆることを試していこう

星の心は、あらゆることを試して星の心を集めていくゲームです。

プレイヤーは宇宙をさまよう星を操作して、様々なことを行えます。そしてその行いの結果として、星の心が手に入るというゲームとなっています。
クリックしてみたら、動いてみたら、待ってみたら、色々なことが星の心を手に入れる条件となっています。

最初の内はいくつもの星の心をどんどん手に入れることができますが、次第にその発見難度は上がっていきます。
あらゆることを試し、ヒントを探し当て、時には観察眼を駆使して星の心を集めていきましょう。重要なのは、どんなことでもやってみるということです。

ちなみに、このゲームはいつでも終わらせることができます。
ブラックホールの中に飛び込み、その事象の地平面へとたどり着けば、今まで取得した星の心の数をもってリザルトとなります。
もう一度ゲームを遊べば星の心の数はそのままに再プレイできるので、気楽に終えても良いかもしれません。

星の心においては、何がそのヒントになるかは分かりません、思いつく限り全てのことを試していきましょう。
実績を埋めたくなる人には垂涎の作品となっています。

感想

実績コンプ中毒としては、意地で最後までやってしまった作品です。
最初の30分で7割くらい集めて、大体クリアと言ってよさそうだから次に行こうかなあとぼんやり考えながら、結局全部集めるまで寝ずにやったので。

割と適当に動くだけで50個集まるので、最初はガンガン実績を開けていくゲームだと思っていました。 Zup! みたいなイメージ。
ただ、7割くらいから停滞気味になってきて、これはブレークスルーを探し当てるゲームなんだなと理解しました。

ある操作に気づいたり、あるヒントに気づいたりすると芋づる式に色々な実績が分かってくるので、そういった時に気持ちよく実績が開いていきます。
惑星への理解が進んだり、流星の取り方が分かったり、ある操作を見つけたり、色々なブレークスルーを見つけて最後まで楽しめます。

ブレークスルーを見つけ出した時の快感は何にも勝るところがあるので、あらゆる操作説明がないことがこのゲームの良いところだとすら思っています。
スペース押してわけわからんものが出て、それが文献を読むうちに理解できる様とか、適当に惑星を行ったり来たりしていたら相互干渉の仕組みに気づいたりとか、気づきの楽しさがあります。

とにかくいろんな操作をすること、ちゃんと文献を読むことを徹底していれば、それほど理不尽な要素はありません。入力は英語そのままではなく英語の日本語入力ということに気を付ければ、それ以外でハマりそうなポイントはありませんでした。

そうは言ってもめちゃめちゃいろんなところに隠されているので、段々疑心暗鬼になってくるところも含めて楽しいです。
リザルトのクレジットにある☆を無心でクリックしていたり、最終的にはエンディングにたどり着いてすらそこの青い星をクリックしていました。もはや病気の類。

多分90から詰めるあたりが本番で、個人的には星の記憶を集めるあたりが難関でした。あんまりにもヒントが無いので、観察眼とメタ読みが要求される。
ただ、ここは多分人によって最難関が違ってくるんだろうなあという気持ちがあります。皆さんはどこで詰まりましたか。
ちなみに、筆者の最後は迷いでした。いつもゲームはウィンドウを閉じて終わっていたので、確かにそれは試してなかった。

とにかく、色々試して発見しての繰り返しが楽しい人は楽しいと思います。少なくとも自分は楽しい。

20. ベジダンッ!

ジャンル 作者
リソース管理RPG サカモトトマト
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間/1時間 1.0.0 ハード Sクリア

良かった点

  • サクサクと戦闘が進行していきました
  • 介入要素の強力さと、そのコストの高さが釣り合っていました

気になった点

  • ゲームオーバーからの再走時、実質最初から走り直す手間があります
    • せめて最初のチュートリアル文章は一回目だけでもよいかもしれません

レビュー

野菜を食わせれば全て解決

ベジダンッ!は野菜を食わせる自動戦闘リソース管理RPGです。
基本的には自動戦闘を行いつつ、遺跡の奥地へ進んでいくことになります。

まずはいくつかのキャラの中からメンバーを選び、自動戦闘をこなしていきましょう。
戦闘後はいつでも拠点に帰って回復できますが、敵との戦闘を継続して行うと連勝ボーナスとしてお金が得られます。お金はアイテムや装備に使えるためできるだけ欲しいところですが、連戦するほど消耗して負けやすくなります。上手くチキンレースに勝っていきましょう。

こうした自動戦闘の最中、プレイヤーが介入することのできる要素が一つだけあります。それが、アイテムである野菜を食わせるということです。

戦闘中においては、野菜は回復手段であったり、バフの手段であったりします。
1ターンにつき2つまでしか使えませんがその効果は強力で、うまく使えば格上の相手でも勝利することができます。
また、戦闘していない時は、敵がドロップした野菜をメンバーの誰かに食べさせることができます。これらの野菜の効能について最初は不明ですが、食べさせることで判明するでしょう。

こうした野菜をどこで誰に使うかが、このゲームの肝となります。
連勝ボーナスのために無理するのも良いですが、野菜もまたお金で買えるリソースです。無理して使いすぎては元も子もありません。節度ある野菜とお金の使い方が大事です。

なお、力及ばず敗北してしまっても、このゲームは即座にリトライができます。
その際は道中で倒した敵が復活しているため、これを倒して荒稼ぎすることも可能です。敗北回数を突き詰めるもよし、うまく敗北して効率よく戦うもよし、好きなやり方で攻略可能となっています。

効率的に野菜を使って、ダンジョンの奥深くまで潜っていきましょう。

感想

ある程度ランダム感は強く感じるんですが、なんやかんや野菜と装備でクリアできそうな知識対策ゲーム感があって良いです。
多分ノーミスまでやろうとすると若干なり運は絡みそうですが、3ミスや4ミス程度ならSランクをくれるのでそこまで突き詰めなくていいのも気が楽です。

自動戦闘かつ高速化できるので、非常にサクサク進みます。なので、多少戦闘数が多くてもあんまり気になりませんでした。そこそこ階層がありそうでしたが、42連戦くらいしても戻し作業は5分もかからなかったはず。
戦闘速度を高速にしていてもなんとなくダメージソースも分かるので、基本ずっと高速化していました。

とりあえず知識はだいぶ重要だと思っていて、凍結と炎症は対応しておくとアドが大きいです。特に凍結は割と大事な印象。炎症は最初の通しプレイ時に意識してなくても通せたので、対策しておくと楽くらいの印象です。
毒は序盤そっちにお金がさけないのと、中盤は凍結とのトレードオフなので諦めていました。

野菜はトマト、なす、レタスはシンプルに使いやすく、終盤はトウモロコシが丸いです。
ガーリックを持っておくと起死回生ができるので、1つ2つ持っておくと終盤の戦闘で安心できます。強敵相手なら、初手にんじんも強い。
道中手に入る範囲だとたまねぎの使いどころは割と大事で、うまく使うと戦いやすくなります。最初に超連撃を入れられると雑魚を一掃する可能性があったり、ヒールラを先手で打たせて回復アイテムを温存したり、色々と使い道があります。

装備の方針はやられる前にやれると強そうだったので、火力重視にしていました。お金に余裕がない限り、++はあんまり買っていません。
防御面では最大ダメージを抑えようと光の羽衣を採用していましたが、大体沈む時は連撃を食らっていたので、固定で減らせるほうが強いかもわかりません。

こうして色々考えて突き詰めるのも良いですし、何度負けてもチャレンジしていればいつかはクリアできるカジュアルなプレイでも良いですし、どちらでも楽しめます。
筆者個人は性質上連勝をどこまで伸ばせるかのチキンレースを楽しんでいましたが、多分どこかで打ち切ったほうがむしろ効率良い時もあります。トマト2個使っちゃったら80G以上の連勝ボーナスがないと意味がないですからね。

21. シヴァーラの塔

ジャンル 作者
RPG kaidenn
プレイ時間 プレイVer クリア状況
11時間 1.0相当 クリア

良かった点

  • キャラクターのカスタム性が高いです
  • 戦闘バランスがシビアで良かったです
  • シナリオは中編ファンタジーとして完成されていました

気になった点

  • ワールドマップをはじめ、鈍足表現が辛いです
  • 演出は若干間延びしている印象があります

レビュー

カスタム性の高い中編RPG

シヴァーラの塔は自由度の高いキャラクターカスタムができる中編RPGです。
自分なりのキャラクターを作成しつつ、強大な敵に挑んでいくことになります。

このゲームにおける戦闘メンバーは、全て人形兵です。この人形兵はプレイヤー自ら顔グラフィックからパラメータまで自由に決めることができます。
俊敏さを捨てて攻撃に全てを特化させた戦士を作るも、HPをひたすら鍛え上げたタンクを作るも、俊敏さで先手を取ってバフデバフを管理するエンハンサーを作るも、プレイヤーの裁量一つとなっています。
ただし、それぞれのパラメータ上昇などにはコストが生じ、メンバー全体で一定のコストに収める必要はあります。強力な一人を作り蹂躙するか、バランスよく六人揃えて立ち回るか、お好きなやり方で構成してみてください。

そうしたキャラクターのカスタム性の高さがありながらも、このゲームの戦闘バランスは良好なものとなっています。
連戦すれば消耗していく雑魚戦を抜け、強大な力を持つボスを下すためには、パーティ構成だけではなく戦闘中の立ち回りも重要になってきます。敵の行動を理解し、スキルで上手くいなしていきましょう。

また、ダークファンタジーめいた物語もこのゲームの魅力の一つです。
復活した強力な悪魔に立ち向かうべく各地を巡る主人公とその仲間による、王道な物語を楽しむことができるでしょう。
自分で作った編成を活かして強力なボスを倒しつつ、その物語を進めていきましょう。

感想

結構自由度が高い割には、最後までシビアな戦闘バランスを楽しめた作品でした。最後まで想定パーティに近いムーブをしていたのかもしれません。

最終編成は剣士3名、魔導師2名、詩人1名になっていて、Lv5が4名と、Lv10の剣士と魔導師がいます。編成自体はバランス型です。
詩人が色々バフをかけて、魔導師もデバフ/バフ/回復/ちょっとフレアで火力に従事し、二人の剣士が挑発してタゲをとりつつ、全てのバフを背負った剣士による狙う+5連攻撃で最大火力を叩き込むという流れで戦っていました。挑発が全体攻撃を拾えるのが偉すぎる。

能力のビルドはややピーキー気味で、火力に振ったLv10と、それ以外をある程度防御寄りに振ったLv5の構成でした。結構思い切って割り振っても装備である程度小回りが利くので、何ともならないということは無さそうです。

戦闘バランスの話に戻すと、雑魚でも結構火力が高く、それ以上にボスが強いまっとうに良いバランスです。
傷薬と毒消しが何かの間違いみたいな安さをしているので、序盤はいっぱい買ってちゃんと使わないと雑魚もきついかもしれません。
その分、宝箱から傷薬が出た時の嬉しさがだいぶ落ちてはいる印象です。

ボス戦が特にギリギリのバランスの印象で、最初の炎の巫女は手りゅう弾まで持ち出してようやく倒せました。
また、それぞれの悪魔ボスは割とギミック的で、最初のチャレンジで倒すのは若干厳しいレベルです。そういう意味では、マグモがノーセーブで結構戦った上でマヒと呪いのギミックボスなのはハードな印象です。
ラジンはさすがにギミックボスではないので、ちゃんと戦えば初見でも突破できます。良い緊張感のある連戦でした。

最後のボスラッシュあたりは良い復習戦闘でしたし、ラスボスまでくるとシンプルに強く、最後までちゃんと戦い抜ける楽しさがあります。

マップについては序盤から中盤にかけては、ちょうどいいサイズ感だと思っていました。
分岐路にお宝が用意されているのもあって、あんまり無駄足を踏んでいるという印象はありません。
また、いろんなロケーションのマップを作っている印象で、火山、雪山、砂地、といったように印象をちゃんと変えて構成されていたように思います。

ただ、その中でも海底ダンジョンはさすがに厳しいです。意味もなく遅く、セーブできず、20分くらい遅い海底をさまよい続けることになります。せめて最後は泳いで帰るのではなく、地上に戻してほしかった。
それ以外の終盤マップも若干戦闘が食傷気味になるレベルだと感じてはいましたが、消耗戦でヒリヒリするところもあるので難しいところです。ただやはり、同じ道を歩いて帰るのは面倒な印象があります。せめてキメラの翼が欲しかった。

あとは、ワールドマップを鈍足にするな教の信者なので、そこで少しずつストレスを感じていました。エリアを広大に見せる意図があるのは重々承知で、特別なギミックが無いなら省略してほしい気持ちがあります。めぐめぐのような、システムに絡む部分があるのであれば理解はできるんですが。

シナリオ面においては、割と容赦なく巫女が殺されていきます。なんとなくFF3を思い出していました。
まっとうにファンタジーをやっている感じで、死者がいっぱい出る世界観をうまく使って物語を作っている印象です。そして最後に死者の世界を持ってきているのが上手くて、そのおかげで色々な展開を再回収できていて良い物語になっていました。
キャラクターとしてはゴブリン一味が好きです。旅でちょくちょく出会うことになる、ああいう存在が良い。

一方で演出は若干間延びしている印象を受けています。
今何の時間だろうという疑問を多々感じました。ある程度絵による演出があれば間が持ちそうなんですが、そういう動きが無いので謎の間になってる印象です。
また最初のシーンの演出でいうと、無声劇をやるには解像度が低い気がします。そもそもオープニングについては、物語への解像度も低い状態なのでより顕著に感じます。

ここまでつらつらと書きましたが、まっとうにRPGをある程度自由度高くやれるので、好きな作品です。11時間やらせるだけのゲーム性はちゃんとあるので、中編をやりたい方には勧められると思います。

22. 誘導 x パズル

ジャンル 作者
パズル風誘導アクション Nariya
プレイ時間 プレイVer クリア状況
4時間 1.04 クリア

良かった点

  • 誘導して解くというパズル性の発想は良かったです

気になった点

  • 誘導の操作性が厳しめです
    • クリックを使うのあれば、クリック位置へきちんと曲がる処理であってほしいです
  • 同時にトロフィーを獲得できません
  • クリックベースでありながら、キーボードを併用する必要のあるUIでした

レビュー

誘導してパズルを解け

誘導 x パズル、は猪突猛進するウルファールを誘導して目的地を目指すパズルゲームです。

操作対象となるウルファールは、直進する、壁に当たったら曲がるか戻る、以外の行動をとりません。この猪のようなウルファールに対し、ちゃんと曲がる方向を指示していきましょう。

また、プレイヤーはウルファールが取得したアイテムをクリックで任意の場所に使うことができます。
壁の生成、壁の破壊、敵への攻撃など、そのアイテムの性質を上手く使ってゴールへの足掛かりとする必要があります。

ひたすら前に進むウルファールをなだめすかして指示を出し、様々な障害をクリックで取り除き、ゴールまで導いていきましょう。

感想

コンセプトは結構好きです。猪突猛進ウルファールを誘導してなんとかするというパズル形式も結構よいと感じています。
ただ操作がべらぼうにしくいのと、移動速度が遅すぎて待ちの時間が長すぎるのっもあって、かなり苦戦しました。

筆者はだいぶパズルが好きで、Baba Is YouとかInductionとかRecursedをやっては感動するタイプなんですが、そういう下手に好きな気持ちが働いていたせいで、このゲームは一度クリアを諦めかけました。
何とかクリアまではこぎつけていますが、そういう意味で実績回収まではしていません。

まず、誘導の仕組みが厳しいです。
右クリックで誘導するとのことなんですが、これがおそらく、最初に右クリックした地点と「その時のウルファールの位置」を基準にしています。
何が厳しいかと言えば、ここで曲がりたいなあと先行して曲がり角に右クリックして押しっぱなしにしておくと、その時はまだウルファールがはるか遠くにいるので、曲がる座標差分より距離差分のほうが大きくなってしまうので、結果ずっと直進することになります。
何で曲がらないの?という時は、大体これに引っかかっています。ここに気づけなければ、下手したら投げていたかもわかりません。

右クリック位置と「曲がったタイミングのウルファールの位置」で差分を取ってくれていれば、恐らく意図した曲がり方をしそうだなあと感じています。
というか、そもそもこの設計なら右クリックである必要がなく、アローキーで方向を渡したほうが分かりやすそうですね。
誘導点を置くデザインならクリックしていも頷けるんですが、単純に曲がる時の向きを決めたいならアローキーのほうが便利そうです。

この誘導アルゴリズムを理解するまでは、とにかく動かしにくいゲームでした。
そして理解したとしても、曲がりたい時ではなく今の位置に応じて右クリックを押しっぱなしにするという直感に反した動きをするので、細かい制御が難しくて辛いゲームでもありました。
ステージ3あたりでトロフィー回収を諦めてクリアを優先する判断をしたレベルです。

さらに、トロフィー回りもきつい仕様があります。
目的を複数達成しても、一つしか達成されません。のみならず、たとえ一度達成したとしても対象には残り続けるため、目的1をクリアするには、目的2の条件を満たさないでクリアする必要があります。
このため、同時達成できないどころか、「たどりつけ」と「ノーダメ」があったら、ダメージをあえて食らって辿り着かないと「たどりつけ」のクリア扱いになりません。
このあたりが、トロフィー回りの回収を諦めたゆえんです。

ついでに、UIも結構面倒です。
まず、ベースはクリックで遊べるようにしているんですが、選択肢の選択がホイールになっています。
また、ステージ中のUIを消すにはキーボードの力を借りる必要があります。結構見た目としては邪魔なので消したいんですが、毎回Cキーを押す必要があって面倒です。また、メニューを開くにもキーボードを使いますし、リザルト画面でもキーボードが必要です。
このように微妙にクリックだけで遊べるようになっていない印象を受けます。かゆいところに手が届かない。

コンセプトは好きだっただけに、あらゆる操作性の悪さが堪えた作品でした。

23. 廃館少女 - Replica -

ジャンル 作者
探索ADV 腐乱ぼわーず
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間30分 1.1 全ENDクリア

良かった点

  • 雰囲気のあるグラフィックでした
  • 足元が安定しないような良い不安感のある物語でした

気になった点

  • QTE入力について、文字送り後は少し待ってもよいかもしれません

レビュー

薄暗い廃工場と彼女の嘘

廃館少女 - Replica -は、薄暗い雰囲気が漂う探索アドベンチャーです。
少女ローゼマリーが語る、誘拐事件の後に廃工場の一角で目が覚めてからの物語を体験することになります。

このゲームは、探索アドベンチャーとしては非常にオーソドックスな作りです。
古びた廃工場の中、主人公を操作して脱出を図ることが目的となっています。脱出のためには廃工場を周り、様々なギミックを乗り越え、出口を見つけ出す必要があるでしょう。

ただし、廃工場には主人公を害そうとする何者かが潜んでいます。何物かに捕まらないように、隠れたり、時にはQTEで対応したりと、うまく逃れていきましょう。
そうして危険を回避しつつも廃工場を探索していくことで、やがて少女の語る物語は一つの終わりを迎えることになります。

この作品においては、その暗い雰囲気が高品質なグラフィックによって存分に表現されています。加えてその雰囲気相応に、心が不安になるような演出の数々が探索中に襲ってくることでしょう。
しかし、何よりも不安に突き落とされるのは、少女の語る、あるいはプレイヤーが体験することになる物語そのものとなるかもしれません。

足元のおぼつかないような不安を、素晴らしい雰囲気の中で味わってみませんか。

感想

雰囲気のいい館ものです。館じゃないけど。
廃工場舞台だけど廃館少女だし、だいぶ館ものっぽい構成なので館もの扱いします。

一応前作からの続きものっぽいタイトルですが、恐らく前作知らなくても楽しめます。そもそも続きというよりはスピンオフで、知っておくとより楽しいかもくらい。知っている身としては、結構補完してくれたので楽しめました。

探索物としてはかなりオーソドックスなスタイルで、おおよその場面では行ける場所が限定されているので、総当たりめいたことは必要ありません。
謎解きもそこまで複雑なものは要求されないので、遊びやすいレベルに収まっていると思います。

謎解きに関しては、スイッチが黒塗りじゃないほうを動かす必要があったり、金庫はその数だけ回すのではなくてその数字まで回すのだったり、微妙にトラップがあるんですが、やっていればカバーできる範囲でした。
QTEのほうが難易度普通だとそこそこシビアで、特に文字送りの後はZキー連打しているのでミスりがちです。ちょっと余裕があっても良いかもしれない。

そして物語というか全体の雰囲気作りに間違いなく寄与しているであろう、マップのグラフィックが良いです。前作もそうだったんですが、境界線が直線でなくてぐねぐねしているのが、絶妙に不気味さを煽ってきます。
役割的には鉄扉だけマップシンボルとして木製に見えるので、鉄扉っぽくあってほしかった気持ちはあります。

また、時折出てくる一枚絵も迫力があって、ちょくちょくこれがホラーであることを思い知らせてきます。ただ、植木鉢は別の意味でぞわっとしてしまった。苦手な人には無理になりそう。
BADというかゲームオーバーの演出もいろいろあって凝っていました。

そういう雰囲気の中で描かれている物語も、虚構癖をベースにいろいろと考察できる内容で良いです。
前作が前作だったのでミモザ説はだいぶ早い段階で考えてはいて、クマのぬいぐるみがお姉ちゃんであろうことは終盤あたりからある程度推測できるかもしれませんが、そうであっても何が本当か分からない感覚は抜け落ちません。
信頼できない語り手を上手く使って不安のあるストーリーラインを構成しています。Draugenとかの類の良さ。

しかし刑事さん、なんだかんだ有能がゆえに、いらん事態に巻き込まれた感じが否めませんね。
もっともどこまでが真実なのかは分からないんですが。

全体的にホラー風味探索としての作りが至極まっとうで、ちゃんと不安にさせる要素もあるあたり、フリーゲームのこういう探索ものに求めるものが余すところなく入っている印象です。ラーメン頼んだらラーメンが出てくる感じ。