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48. アリアとウィヴィと魔女の塔

ジャンル 作者
WWA バル
プレイ時間 プレイVer クリア状況
8時間 1.07 クリア

良かった点

  • WWAをたっぷり遊べるボリュームでした
  • バフを盛ればある程度クリアが簡単になりつつも、歯応えのある難度でした

気になった点

  • ステージの数に比してギミックや敵のバリエーションが少なく感じました
  • 会話スキップについて、会話を一度も見ていなければスキップ出来ないほうが良いのではないかと感じました

レビュー

ボリュームたっぷりのWWA

アリアとウィヴィと魔女の塔は、いくつかのステージで構成されたWWA風のゲームです。
事前に分かる情報をもとに数字の足し引きを管理していく、パズル的な戦闘を楽しむことができます。

攻略することになるステージに配されるのは、基本的に敵とアイテムの二つであり、敵に接触した場合は自動で戦闘が行われ、アイテムの場合は取得することになります。
自動で行われる戦闘は、相手のHPを削り切れるダメージを与えるまで敵の攻撃を受け続けるというものです。すなわち、1発で倒せるならノーダメージですが、10発必要なら9回も攻撃を受けてしまうことになります。
ダメージは攻撃力から防御力を引いた簡単な値で算出されるため、被害を抑えるには攻撃力を上げて必要回数を減らしたり、防御力を上げて被ダメージを軽減させる必要があるでしょう。

そういった戦闘を有利に進めるステータスを手に入れるには、アイテムを拾って強化する必要があります。ただし、アイテムの配置は一筋縄で取得できるものではありません。敵が立ちはだかっていたり、鍵のアイテムを必要とする扉の先にあったりと、障害があるのが常となっています。
どのルートを攻めてアイテムを取り、被害を抑えつつ成長していくかなどを考えていくことが肝心です。将来のために大きめの被害を被ってでも無理やりアイテムを取りに行くか、あるいは小さい被害をコンスタントに受けることを選ぶか、都度都度決断していきましょう。

現在のステータスを鑑みつつ、敵やアイテムの配置とステージの形状からルートを定めていく長期的な視野を必要とするゲームとなっています。
その一方で、ステージ制を採用しているため、特に序盤においては一つ一つのボリュームは抑えめです。まずは少しずつルート決めの思考に慣れていき、中長期的な視座や局所解を詰める能力を養っていきましょう。
お助け要素もあるので初心者にもクリアへの道は開かれており、他方で上級者向けにはダイヤスコアという目標点もあります。自分の腕前に合った挑戦をしていきましょう。

感想

想像の3倍くらいボリュームのあるWWAでした。いっぱい遊べる。
全20ステージある上、それぞれダイヤスコアも設定されているので、全てをクリアしきろうと思ったらさらなる時間が必要になると思います。筆者はダイヤスコアどころか、お助け機能の利用まで手を伸ばしてギリギリのクリアとなりました。

目標としてはダイヤスコアがあるものの、明確にクリアすることで先に進んでいくデザインなのもあってか、クリアするだけでも歯応えのある難易度となっています。なんとなく良さそうな交換を雑にしているだけだとクリアはおぼつきません。
筆者は最初の方はショップを使ってお助けなしで進めていましたが、中盤くらいからお助け機能も使い倒す方向に切り替えました。そして、それでもそこそこ難しいなと感じていました。この局所最適解を積み上げていく思考が苦手なだけかもしれません。

また、WWAが各ステージに分離されたことにより、一つ一つのプレイ時間は短めになっています。
これによりWWAに必要な長期的な視野の重要性をある程度弱めることができていて、やり直しがしやすくなっていました。これが無ければ、最初の方のステージでお助けを使わずにクリアできていなかったかもしれません。
とはいえ近視眼的思考だとすぐに詰まるラインは確保されており、ステージとしてのボリュームはパズルの意味を持つレベルに収まっています。このあたりの塩梅が良い。

ステージに対して特殊なギミックもいくつか用意されており、各ステージで毎回同じことをやるというのはあまりありません。
ただ、そのバリエーション自体はそれほど広くなく、敵もパターンのガワ変えがメインで専用ギミックのようなものはありませんでした。錆びや毒という駆け引きは存在しますが、プレイヤーサイドに対し明確にマイナスな要素の拡張なので、障害の一要素としての感覚に留まっています。
オーソドックスな設計が続くという面において、WWAを好んでいる人にはかなり良い作品なのかなと思っています。

WWAとしての遊び心地は良く、各種レスポンスも軽快でルートを考えて楽しむことに集中できる作りになっています。特殊要素の解放も段階的なので、いきなり多くを覚える必要が無いのも嬉しいところです。
オープンオーブの消費コストだけスキル選択時に欲しい気持ちもありましたが、使えばわかるのでそれほど重要でもありません。

また、個人的にはクリア後にタイトル画面を見返すとその意味というか解釈が変わるのが割と好きです。確かに二人とも大分落ち着いていますね。

49. マスコット

ジャンル 作者
ホラー The倶楽部ズ
プレイ時間 プレイVer クリア状況
10分 1.0相当 クリア

良かった点

  • 怪奇的な良さのあるマスコットでした

気になった点

  • 出口を示すマップチップがあまり自明ではありませんでした
  • アイテムがあるエリアの解像度差が気になりました

レビュー

追いかけっこ

マスコットは、追いかけっこをメインとしたホラーです。

ノベルパートと追いかけっこをするパートに分かれており、いずれも短い時間でさっと遊ぶことができます。
上手く逃げ切って、エンディングへと辿り着きましょう。

感想

ホラーというかオーソドックスな逃げるゲームです。
ホラーものと逃げるものというのは、フリーゲーム界隈だと割とニアリーイコールなところはあります。

逃げるシーンにおいては出口だけ分かりにくく、初見では見つからないうちに普通に追いつかれました。恐らく壁の上部を示しているマップチップだと思うので、何かしら別のチップを使ったほうが良い気はします。
また、ウディタの追尾は微妙に弱いところがあるので、入り組んだところだと割と簡単に引っかけることができます。それほど致命ではありませんが、こだわるならA*なりを使うのも良いのかもしれません。そこまでやるかという話はあります。

なお、選択肢は一応全部選んでみましたが、それほど結末の過程に変化はありませんでした。どれかは撒けるかなと思っていましたが、そんなに甘い相手じゃなかったみたいです。
しかしこのマスコット、いったい何だったんでしょうか。マスコットと言うからには、何かしら幸運をもたらすものだと思うのですが。

50. 「財宝竜と四騎士」The sunset and breaking dawn King

ジャンル 作者
RPG ZRA157
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間 1.06a クリア

良かった点

  • シナリオのスケールが大きいです
  • 任意のスキルをカスタマイズできる仕組みは面白かったです
    • いざという時はアイテムとして使用できるという点についても、ボス戦などの良い場面で役立ちました

気になった点

  • 背景が不透明な段階から4人で話し始めるので、誰が喋っているか分かりにくく感じました
    • 特に個々人の属する組織や関係性を飲み込むのに時間がかかりました

レビュー

壮大な叙事詩の一節

「財宝竜と四騎士」The sunset and breaking dawn King は、シナリオのスケールが大きいRPGです。
ゲームボリュームそのものは短編ですが、背景に長大な物語を感じさせる作品となっています。

ゲームのシステムはオーソドックスなRPGであり、シンボルエンカウントで出現する敵を倒しながらステージを進み、ボスに挑む構成となっています。攻撃性能の高さに寄った戦闘バランスとなっているため、テンポ良く戦闘をこなしていけるでしょう。
殊にボスは攻撃が苛烈なため、回復を主体にして粘るプレイングではジリ貧で負けになりかねません。攻撃できるときは積極的に攻撃を加えていき、押し切っていくことが大事です。

その苛烈な戦闘を戦い抜くために重要となるスキルは、装備によってカスタマイズできます。いくつかのスキルから選んで装備し、強敵にも対応できるビルドを模索していきましょう。
さらに、いざという時には装備品としてのスキルをアイテムとして使用することもできます。アイテムとして使うとそのスキルを消費してしまいますが、ノーコストで発動できるため場面によっては非常に強力な武器となり得ます。SPが枯渇した時の回復手段であったり、最後のダメ押しの一撃であったり、とっておきの切り札として運用可能な手段です。苦戦するボスには積極的に活用していきましょう。

そうしてスキルを駆使してボス戦を乗り越えていくと、徐々にキャラクターや世界の背景が明かされていき、壮大な世界の一端に触れることができます。
強力なボスを打倒していき、叙事詩のその一節の完遂を目指していきましょう。

感想

大叙事詩の一節みたいなスケール感のゲームです。全体の流れがダイジェストで一気に紹介されたときは面食らいました。

ハイファンタジーというか、かなりシナリオ面でも背景でも壮大な話なので、固有名詞がだいぶ多く出てきます。
世界観の壮大さだったり、単純に中二心的な面でも好きな所ではあるんですが、そのぶん話を追うのがかなり辛めではありました。特に序盤が顕著で、知らない単語を叩きつけられる上に、知らない人たちのそこそこ長い会話を聞かされることになります。
紹介パートが個別で行われるのはテンポ的に良い感じがするので、序盤ももっとスムーズな方が取っかかりやすいかもしれません。
特に個々の関係性が不透明な点が理解の妨げになっているところはあるので、せめて誰が喋ってるのかわかった方が理解の助けになりそうでした。

戦闘面は火力が高めの調整で、非常にテンポが良いです。雑魚戦でもボス戦でも、さっくりやられるか、さっくり倒せるかのいずれかになります。
とはいえ戦闘が平易というわけではなく、さっさと倒さないとヒールレインを繰り返して回復したところでジリ貧になって負けるというバランスのため緊張感があって楽しいです。とにかく火力を用意して叩きつけるのが大事。
筆者の体験としては毒がかなり厄介で、相手につける分には火力のインフレもあってそうでもないんですが、相手から付けられると大分しんどいです。多分、デスペルオールよりエスナオールの方が優先は高いと思います。

また、スキルについて、アイテムとして消費するとSP消費なしで攻撃できるシステムも面白いです。設計上ボスくらいにしか切れませんが、使いどころを見極めれば戦況をリセットできるくらいの力はあります。
そのシステムの都合上、SP消費の大きい行動に使いたいところですが、そういう大技はあんまり拾えないジレンマはありました。
筆者は最終戦ギリギリの戦闘において、ヒールレインを攻撃魔法使いに使わせることで窮地を脱するなどしていたので、体験としてかなり良いものに感じています。とっておきという気持ち。

シナリオが一部分の話に留まる点や、短編の都合上説明がない部分もあるので、プレイ後の疑問は尽きません。
うろついているドラゴンと世界を揺るがすレベルのドラゴンは何が違うのか。地母龍の復活は普通に気になるんですがどうしたのか。個人的には、これまでの各龍の力を使って竜と人が手を取り合って原初に打ち勝つんじゃなかろうかと思っています。

51. Know Your Enemy, Know Yourself

ジャンル 作者
ローグライク morimori
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.1.2 クリア

良かった点

  • 未知を解読して上手く扱っていくローグライクの楽しさが抽象して表現されています
  • 難易度の向上がちょうどよく、前半に稼ぎ、終盤は原則逃げる戦略の変遷が楽しめます
  • 任意の地点にメモを残せる機能が便利でした

気になった点

  • 仲間を雇うタイミングが良く分かりませんでした
    • 知識に金を使わなくなる終盤に雇用しましたが、仲間がいても辛いのでほぼ壁として運用していました
    • 知識比で仲間の雇用コストが高いような印象を受けています

レビュー

知識は力

Know Your Enemy, Know Yourself は、未知を識別することをもって攻略とするローグライクです。
魔法、アイテム、敵の全てがほとんど不明な状態から開始し、その全ての知識を得ることでクリアとなります。

基本的には、マップを探索して村を見つけ、そこで本を購入することで知識が得られます。売られている本にはアイテム、魔法、敵のいずれかの知識が書かれており、欲しい情報を選択して購入することができます。特にアイテムの知識は重要であり、この情報がなければアイテムの運用もままならないため、積極的に購入することをお勧めします。
また、本を購入するための資金源は敵のドロップ頼りであり、お金を稼ぐために敵と戦う必要もあります。マップ上で接触することでダメージのやり取りが発生するほか、魔法やアイテムで遠距離から攻撃することも可能です。上手く立ち回って安全に敵を処理していきましょう。

ただし、漫然と敵を倒しながら彷徨って知識を得ているだけではクリアはおぼつきません。時間の経過とともに敵の強さが指数的に増大していくためです。最初の内は複数の敵に囲まれていても余裕で処理できますが、長い時間プレイしていると一対一でも負けかねない状態になってきます。
そして、この困難な状況を打開するのに必要なものもまた知識です。アイテムや魔法の知識を十分集めることができれば、それを活用して強くなった敵とも渡り合えます。できるだけ素早く知識を集めて強敵に備えつつ、敵が強力になってくる終盤をいかに乗り越えるかが肝心となるでしょう。

知識を効率よく収集していくには、効率の良いマップの巡回がカギとなります。マップには一日に一回知識や魔法が得られるクリスタルが点在しているため、この場所と村を基点にルートを決めていくのが良いでしょう。
序盤の内に歩き回ってマップを把握し、プレイの度に自動生成されるランダムな地形から上手く知識を集められるルートを構築していきましょう。

知識がクリア条件であり、同時に知識がクリアの助けともなるゲームです。目的が手段であり、また手段が目的でもあります。同時に、そうして知識の識別という準備をこなし、最後の逃げ切りに備えるというローグライク的体験が得られる作品でもあります。
知識を蓄えてクリアを目指し、その知識を持って難局を打破していきましょう。

感想

知識が力であり、知識がクリア条件という首尾一貫としたローグライクでした。
かなり独特なシステムをしていますが、目的と手段が一致しているので理解を深めながら楽しく遊びやすい作品になっています。

特に、ルートを抑え、知識を集め、魔法を収集して可能な限り達成度を上げていく序盤から中盤と、手持ちのリソースを使いつくして残りの達成度を損害少なく埋めていく終盤のグラデーション的な体験はまごうことなくローグライク的で楽しめます。
このあたりの難易度調整はかなりちょうど良く、1日目の余裕がある状況、2日目あたりからの雲行き、3日目以降の敵の強さはかなり綺麗にデザインされています。初回プレイでは3日目に落とされました。
難易度が高いか低いかで問われれば高い方と答える部類ではありますが、ローグライクとして見ればむしろ絶妙と答えるような歯ごたえに仕上がっています。

筆者がクリアした時は、魔法として遠距離魔法とワープを確保できたのでだいぶ安定しました。遠距離魔法はアイテムとの組み合わせで回復までやれるので、かなり当たりだと思います。ワープも最終盤の逃げながら集めていくフェーズなどで活躍しました。
こうした有用なものを集めるために、とにかく序盤は情報と魔法の収集に血道を上げるのが肝要で、それが後半の備えになる上にクリア条件にも重なっているというのが、このシステムの秀逸なところです。クリアを目指していれば、勝手に後半の準備がある程度整うことになります。
そうして準備をして3日目になり、Gが強いなあと思いながら逃げ惑ったり、通路で一体ずつ処理したり、ワープで誤魔化していったりするのはだいぶ楽しかったです。

全ての機能が恐らくランダムに設定されているのも面白いところで、攻略の方向性はプレイする度に変化します。筆者の例で言うと、最初のプレイでは回復が多かったので耐久でしのいでいましたが、二回目のプレイでは遠距離を引いたので先に始末する方向性で戦っていました。
一方で、完全にランダムなこともあり、使ったものの識別は困難を極めます。条件も複雑なので、使用によって識別するのはあまり得策ではありません。漢識別もしにくい。確定アイテム以外は破棄しながら進めていくのが行動としては丸そうでした。この辺は不思議のダンジョン系とは異なるところです。

また、仲間というシステムがあり、コストを高めに払うことで増やせるのですが、これの使いどころは割と難しかったです。
店買いの知識の値段、周囲の敵のバランスからして、多分90%台くらいから仲間を連れていくバランスなのかなと推測しています。そもそも、店で知識を変えるならそっちに振ったほうが、クリアの面でも収集の面でも有利です。店買いで余るくらいから検討段階に入ります。
しかし終盤は逃げ切り態勢に入っているので、そこで仲間が増えてもやることはあまり多くありません。ほとんど囮くらいにしか使えない印象でした。上手い使い方が分からない。

なお、各色のパラメータとその関係とか、説明書にはあったけど一読で理解できてなかった要素はいったん無視して遊んでみるのが良さそうでした。全部処理するのは難しい情報量なので、困ったりゲームオーバーになったりしたときにその原因として覚えたほうが身に沁みます。
そも相手の追尾力が高く、逃げる選択肢を取りにくいゲームなので、パラメータがわかってるからといっても有効な行動がとれるとは限りません。ピンポイントで必要な情報なので、その時に覚えるくらいがちょうどいいと思います。

後はメモ機能が地味に便利で、主に終盤に役立ちます。どうしても地形が似通っていて覚えておくのはほぼ無理になってしまうため、そういう時にメモが置いてあると良いです。ソースコードにコメントを付けておくと、一週間後の自分が助かるアレです。
終盤、逃げながら情報を集めている最中にあった、こちらは行き止まりのメモは非常に助かりました。ちゃんとメモを残しておきましょう。

52. 一画面で成し遂げる地獄再興

ジャンル 作者
クリッカー semicolon
プレイ時間 プレイVer クリア状況
30分 1.0.2 カンスト

良かった点

  • クリッカーらしくどんどんと桁が上がる楽しさがあります
  • 地獄石の活用で一つギアを上げられるのが楽しいです

気になった点

  • メニュー操作がややわかりにくかったです
    • 画面だけでは操作方法が分からず、説明書を読んでも左右のメニュー切り替えをしばらく理解できていませんでした
    • クリッカー系の印象でマウス操作をしたくなったのもあります

レビュー

連打で恐怖を量産しよう

一画面で成し遂げる地獄再興は、キーの連打と施設とリソースをもってギャーを集めていくクリッカー風のゲームです。
始めは連打でリソースを稼ぎ、そのリソースをもってさらなるリソースを稼いでいく拡大再生産が楽しめる作品となっています。

始めに連打をしていくことで鬼と地獄石が生産されていき、その鬼はギャーを生産し、ギャーは鬼などの生産強化へと回せます。このループを繰り返し、ギャーをどんどん効率よく稼いで貯めていくという一連の流れが、このゲームシステムの中核です。
ギャーの循環が回り続けることでギャーの桁は見る見るうちに上がっていき、それに伴って地獄が再興されていくでしょう。

また、連打によって手に入る地獄石を使うことで、自動で連打してくれたり、現在のギャーに応じてギャーを即時入手できたりといった効果を得ることもできます。生産リソースの拡張に加え、この効果を組み合わせることで加速度的にギャーを稼ぐことが可能です。
地獄石は連打によってしか手に入らないリソースであるため、生産能力がどれだけ向上しても連打には価値があります。連打し続けましょう。

リソースをぶん回すことで、リソースの桁が上がり続けていく楽しさを味わえるゲームです。
無心に連打してギャーを稼ぎ、ギャーをもってさらなるギャーを集め、地獄を再興していきましょう。ちなみに、連打だけではなく長押しでも生産は可能なため、指をつる心配はないのでご安心ください。

感想

クリッカーです。厳密にはキーを押すのでプレサーかもしれませんが、語呂が悪いのでクリッカーで良いと思います。
あまりにもUIがクリッカー過ぎて、最初はマウスで操作しようとしてしまいました。説明書を読みましょう。

クリッカーよりは放置に旨味がなく、常時クリックの価値が高めのバランスになっています。放置の性能を上げる設備投資以上に、クリックにより得られる地獄石をベースにした倍々ゲームの方が遥かに効率が良いためです。クッキークリッカーでもある条件下ではクリックが最高効率に変わるタイミングはあるので、クリッカーっぽいとも言えるかもしれません。
この辺はカジュアルに遊ぶ分には良くて、クリアを目指すだけならそれほど時間のかからないバランスも相まって、ミニゲームとしてちょうどいいボリュームを提供しているように感じました。

筆者は途中までは適度に施設を増やしつつ、あるラインから連打して地獄石を稼いで倍々ゲームをしていました。とにかく倍々ゲームの恐ろしさがわかる作品だと感じていて、最終的にはずっと倍にしつつ、影響ない範囲で設備拡張するようにしていました。何なら設備拡張すら要らなかった可能性はあります。
あるタイミングからは長押しで良くなるので、指にも優しいのは良かったです。あのまま最後までやってたら指をつってたかもしれない。
また、無量大数より先にも到達しましたが、カンストしすぎてバグみたいな状態にはなりますが、ちゃんと動きはします。要求値とか諸々おかしいので、二倍に増やそうとすると表記上は減るみたいなことは起こりますが。

連打しながらでもメニューが触れる構造なのが良く、連打して地獄石を稼ぎつつ、施設強化などを並行して行うことができて効率が良いです。
一方で、メニューそのものというか、主に地獄石の使い方が説明書を読んだ上でもしばらくはつかめず混乱していました。
地獄石のメニューを開くまでは行けるのですが、そこでメニューを左右移動する発想がありませんでした。左右という操作については記述があるんですが、それによるページ切り替えの発想が浮かばないという状態です。恐らく、メニューのUIを見て切り替えできるように感じないのが遠因なのかなと考えていました。

後は、フレーバーが軽めにあるのも良くて、画面の変化に一役買っています。鬼だけだと画面映えしませんからね。
クリアするとちゃんと笑顔になるのも細かくて好きでした。

53. 亡者の行軍 Invasion from OtherSide

ジャンル 作者
RPG 雪見大介
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.25 10日でクリア

良かった点

  • 様々な要素が渾然一体となったカオスな世界観が魅力的です
  • オープンな世界を回っていく楽しさがあります

気になった点

  • ラストパートが長めなので、リザルトをもう一度見るハードルがやや高めです
    • クリア後に何らかの手段でリザルトだけ確認したくなりました
    • 宝箱やヌシを回収したい、クリア後にやり込みを始めるプレイヤーでない限り問題はありません

レビュー

自由に探索

亡者の行軍 Invasion from OtherSide は、オープンなシナリオとカオスな世界観が融合したRPGです。
タイトルにある亡者に加え、クマや妖怪も飛び出る混沌としたオープンなマップを探索していくことになります。

この開けたマップ上において、どこに行って何をするかはプレイヤーにほとんど委ねられています。いきなり奥地まで進んでアイテムを集めるも良し、とりあえず近場を探索していき足元を固めるも良し、好きなプレイスタイルでもって攻略に挑めるでしょう。
加えて、エリアごとの攻略法そのものにも自由度があり、一つの課題に対して複数の回答が用意されていることもあります。正面突破やスキルを使った搦め手など、これまた好きな手法でもって攻略していくことができます。

そうした攻略の壁として立ちはだかるのは、各地で発生する戦闘です。回復リソースが限定的な分、雑魚を相手取っても緊張感のある戦いになってきます。
特に、各エリアの攻略において最大の障害となるであろうボスは強力であり、相応の準備をもって挑むことになるでしょう。
そういった強敵との戦闘にあたっては、リソースを消費する代わりに大打撃を与えられる銃の使いどころが肝心です。苦戦する相手に対しては、温存することなく迷わず使っていきたいところです。

とにかく自由にマップを探索し、自由にシナリオを進めていくことのできるゲームです。個別具体の攻略法もまたプレイヤーに委ねられています。
心の赴くままに探索し、準備を重ね、ラスボスに挑んでいきましょう。

感想

フリーシナリオRPGとして、どこに行っても良く、何をしても良い感覚が得られるゲームでした。
とはいえ目的もなく放り出されるわけではなく、明瞭な目的に対してどういうアプローチで攻略するかという面においての自由度があります。割と適当に回っても色々見つかるようにはなっているので、いろんなところに手を出して気ままに探索していくのが楽しいです。

とにかく攻略法がいろいろありそうなのが良く、プレイヤーの進め方や考え方やビルドの方向性などで解き方が変わってきます。例えば筆者は鍵開けで屋上の警察官を倒しましたが、多分ロープなりで登るという選択肢もあるでしょう。
加えてフィールドもそこそこの広さがあり、ここも回り方は人それぞれになってきます。ちょうどいいレベルでプレイヤーに選択権が渡るので、適度な自由度を得て探索していくことができるようになっていました。
また、フィールド上においては、行くべき場所というか接続点は分かりにくい状態にはありますが、そこはUIで補助しています。このため、近づきさえすれば接続面はだいぶ分かりやすいのが良いところです。
なお、時間の概念があり、日数経過に応じた時限イベントがないわけではないようですが、デメリットは無いのでそこは安心できます。

筆者はそこそこちゃんと歩いたつもりでしたが、割と取り逃がしていました。
特に、トレジャーを9逃しているのでまだまだ探索は足りません。ウナギを渡しそびれたのと、開けてないエリアがいくつかあるのは覚えていますが、記憶もだいぶ曖昧でした。このあたり、どこに何があるかメモっておくべきだった気はします。
一方で、戦闘面では各地の妖怪は結構倒しておきましたし、月無し以外は討伐しています。月無しは一回遭遇して壊滅的被害を被ったので撤退していました。アレは強い。

シナリオ面はやや薄めですが、その分背景情報は色々あるので考えを巡らせることもできます。
また、状況がしっちゃかめっちゃかなのも良く、 警察は機能してないしよくわからん亡者はいるし妖怪は出るしの大渋滞です。相対する敵もそれ相応にバリエーションに富んでいる上、ラスボス周りできっちり回収もされました。
カオスに近い状況にもかかわらず、上手いことまとめて最後の展開につなげている剛腕は素晴らしいの一言に尽きます。
また、オープニングのカーチェイスなど、細かい部分の演出力も高い仕上がりになっていました。

戦闘面では探索も含めてSPが希少で、釣りもそうなんですが効率は悪めです。戦闘で使う場面はかなり限られており、庇うか応急措置がメインになりそうです。そのため基本的に殴り合いになりやすいバランスとなっています。
一応、デメリットなく日数経過で全回復できるので、SPなどのリソース管理にそこまで気を遣う必要は本来ないんですが、なんとなくリソースをケチって戦いたくなっていました。

その一方で明確にリソースを管理して強敵に切るべきアイテムとして銃が存在し、これが極めて強力なのが良かったです。ラスボスエリアでは、そこそこセーブ禁止区間が長いので、これをどこで切っていくかが攻略において大事になってきていて、使った時の破壊力が印象に残るようになっていました。
そして、セーブ禁止のラストエリアとわかっているがゆえに、ラストエリクサー症候群に陥らずに、魚だの熊の胆だのを遠慮なく使えるのも良かったです。ここまで貯めてきたリソースをフル活用してボスに挑めます。

しかし同じウディコンで土雲被りすることがあるとは思いませんでした。日本神話のブームが来てるのかな。

54. SICS(シックス)~特殊事件対策係~

ジャンル 作者
ガンシューティング お魚UFO
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間30分 1.16 クリア

良かった点

  • ガンシューティングとして完成度が高かったです
  • 怪生物を始めとしたグラフィックで良い雰囲気を作っていました

気になった点

  • 当たり判定が直感的ではない、ないしは当たった時の手ごたえ感が薄い印象を受けました
    • ヒット演出が弱く、敵のノックバックなどもないので、じっくり見ないと攻撃が有効打なのかをいまいち確認できません
  • 上方にいるボスが多いのですが、上方向を向いた時の主人公のモーションが一番動きが無いので攻撃しているかが分かりにくくなっていました
    • 他方向だとエフェクトなりモーションなりでリアクションがあるのですが、上方向だとSEだけとなっています

レビュー

怪生物を撃ち倒せ

SICS(シックス)~特殊事件対策係~は、迫りくるゾンビや怪物を撃ち倒していくガンシューティングです。
マップを徘徊する敵からダメージを受けないように立ち回り、困難を排除していくゲームとなっています。

ゲームの基本的なシステムは見下ろし型のガンシューティングであり、手持ちの武器と敵の位置やその距離感を加味して上手く相手取っていくものです。ただし、倒すことは必ずしも必要ではありません。シナリオ進行のためには移動と探索で十分なこともあるので、銃の弾薬を節約するためにも時には逃げることも大事です。臨機応変に立ち回りましょう。
それでも進行の上で障害となる敵を倒す場合は、多様な武器を使いこなすことが大事です。ゲームの進行とともに使える武器は増えていくので、適宜使い分けていきましょう。なお、ガンシューティングではあるものの武器の中にはナイフなどの近接装備も用意されています。被弾の可能性が劇的に高まるリスクはありますが、弾薬消費を抑えたい時は積極的に活用していきたいところです。

そうして必要な場面で敵を倒しながら探索を進めていく過程で、要所要所ではボスと遭遇することになります。ボスはそれぞれ特殊なギミックを持っていることが多く、歯応えのあるアクションが楽しめます。敵の性質を捉まえて攻撃を避けつつ、弾薬を惜しまず使って上手く攻略していきましょう。
そうしてボスを倒していくことで探索はさらにもう一段階進み、シナリオもまた進行していきます。廃村から始まる怪生物との戦いは、やがて様々な場所を舞台としたものへと変化していくことになるでしょう。

全体を通し、往年のガンシューティングを彷彿とさせる作品です。それ故にアクションスキルを要求されるシーンは多いですが、弾薬や回復アイテムが比較的多く手に入るため、ある程度は融通が効くデザインとなっています。
怪生物に銃を始めとした武器で挑み、生き残りをかけて戦っていきましょう。

感想

ガンシューティングとして既視感を覚えるレベルでしっかり作り込まれた作品でした。ものすごく有体に言えば、の〇ハザを強く想起させる作品です。思い起こさせる程に完成度が高いということも意味しています。プレイしていて懐かしくなってきました。
作中のシステムやら雰囲気から少なくとも意識はしていそうなんですが、どうなんでしょうか。

筆者は途中まで斧をぶん回して進めて、ラスボスだけ諦めてロケットランチャーをぶっ放してクリアしました。
斧が割と強いのは結構良くて、近接でナイフでチマチマやるストレスなく戦うことができます。弾丸数を気にしてしまう吝嗇気味の人間としては、思う存分振ることができるそこそこ強い武器が用意されているのは助かりました。
ラスボスはさすがに斧でやるにはしんど過ぎたので、何回か挑戦したのちに諦めてロケランに手を伸ばしました。やっぱり遠距離武器は最強。
そういう意味であんまりガンシューティングとして楽しんでいないきらいはあるのですが、ラスボスに挑むための準備をする再プレイで銃を使いながら進めてみてもいます。銃を使えば苦戦していた敵も割と倒せるのでお勧めです。なんで斧でセルフ縛りしてたんだろう。

ナイフや斧、銃以外にも火炎放射など武器が豊富にあるのも結構面白く、それを使った特殊ギミックっぽいボスも登場します。
そうでなくても逃げるだけのエリアなど、ただアクションをやる以外の仕組みも入っていたり、途中から大きく場面転換したりと、飽きにくい作りになってるのも良いところです。村から研究所へ向かうさまはバイオハザードを彷彿とさせます。
個人的に火炎放射をフル活用する植物ボスは結構好みです。場面にも合っていて、ギミックも分かりやすく、それなりに強くて歯ごたえがありました。

なお、全ボスそれなりに攻撃パターンさえ理解すれば倒せる程度の難易度となっていますが、ラスボスだけはべらぼうに強いです。
斧クリアを諦めてありったけのロケランを積んでなお薄氷の勝利でした。
ラスボス戦は下に移動しながら上に攻撃する都合上、振り返って攻撃したいのですが、方向転換だけすることができないので必ず一マス移動し、これが被弾の遠因になることが多かったです。方向転換のみのキーか、向き固定のキーがあると難易度が下がりそうです。
また、ラスボス戦に限り、基本的に上方向にしか攻撃ができないのですが、これが上方向攻撃モーションの動きの無さとかみ合いが悪く、攻撃してるのかどうなのかの手ごたえがなかったのもしんどかったです。ずっとこれは有効打なのか疑問に思いながら戦っていました。
また、回復アイテムを使おうとメニューを開いた瞬間にゲームオーバーになることもしばしばあったので、回復アイテムがボタン使用だと助かるなとも感じています。何故か会話ログが出て進行不能にもなりました。ラスボスで運悪く変な挙動引きすぎですね。

また、全体的に当たり判定が不明瞭なところが多く、ダメージの手ごたえ自体は薄めです。ちゃんと死亡モーションには遷移してくれるので雑魚は倒したという感じが出るのですが、強い敵だと攻撃したという感覚を得られにくく思いました。
SEである程度表現はされているんですが目立たないので、エフェクトなりなんなりで視覚的に見たいところです。とはいえ、そこまですると画面がうるさくなるという懸念もあります。難しい。
また、受けたダメージ量が分からず、その結果回復するべきか判断に迷うケースもありました。HP残量がメニューを開かないとわからないので、常時出ている状態だと嬉しいかもしれません。ダメージ量も視覚的に分かります。

タイトルからして絵が動いていますが、グラフィックの質は高いです。
ドット絵による各種敵の個性も良ければ、一枚絵や顔グラフィックの質も担保されており、どちらの方面でもゲームを強く演出しています。画に動きがあるの良いですよね。殊にボスは全部特徴的で、とりわけラスボスはラストに足る迫力がありました。

55. 文無し行商人の遺跡探索

ジャンル 作者
ローグライクデッキ構築 なす太郎
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間30分(NORMAL)+30分+α 1.01 VERY HARDクリア

良かった点

  • 悪運に呑まれない安定したビルドを作っていく楽しさがあります
  • 緩いグラフィックと緩い世界観がマッチしていました
  • ある程度ルート分岐があるため、選択の幅が広がっています
  • 細かい設定が拡張設定に押し込められているため、初見では必要最低限を見つつ、慣れてくると色々カスタムできるようになっています

気になった点

  • 非戦闘時にスキル等を選択すると、その効果が進行ルートUIの代わりに表示されますが、これを戻す操作がやや直感的ではありませんでした
    • 何らかの効果説明がないボタンを押す、というものだと認識しています
      • 特にスキルが埋まっていると、この効果説明がないボタンが少なくなるのでちょっとだけ混乱します
    • 慣れるとキャラクターを明示的に押せば確定で切り替えられるので気になりません
      • 何もない所をクリックしたらカーソルUIだけキャラクターの所に移動する、あたりの機能があると解決するかもしれません

レビュー

ローグライクの沼へようこそ

文無し行商人の遺跡探索は、ダイス運に左右されながらも都度のアドリブ力とビルド構築の力で乗り切るローグライクです。
イベントや戦闘が満載のマスから成るフィールドを、30マス無事に進むことでゲームクリアとなります。

戦闘画面

クリアの障害となるのは主に戦闘です。HPを全て削り切られるとゲームオーバーになるので、上手く戦って勝利していく必要があります。
その戦闘中の行動はダイスによって制御されており、出た目に応じて取れる行動が変わります。例えば上記の画面で言うと、2列目が1、3列目が3となるためパンチの1打点だけが主に取れる行動です。
ただし、こうしてダイスだけで全てが定まるのであれば運ゲーとなってしまいます。そのため、このゲームにはダイス結果に影響を与えるスキルが存在しています。例えば上記でプラスワンというスキルを発動すると、いずれかの列を一つずらすことができます。ダイスが外れた3列目を下に一つずらせばキックで2打点与えられるようになる、という寸法です。

すなわち、ダイス運によらず安定して戦闘に勝利していくには、安定して運用できるスキルが鍵となります。
スキルはダイスに干渉できる以外にも、攻撃に使えるタイプ、防御に使えるタイプ、パッシブスキルとして機能するタイプなどが豊富に存在しており、これらを戦闘中に上手く活用していくことになるでしょう。
なお、スキルを発動させるにはチャージが必要であり、原則ターン開始時に溜まっていき、一定の数値に達することで使えるようになります。ただし、ダイス1列目のパラメータによって性能が変わるスキルもあるので、即座に発動するべきかは状況に依存します。切り所を考えるのもまた、大事な要素になってくるでしょう。

また、安定した勝利には各列のパンチ、キックのパラメータの強さも考慮から外してはいけません。ダイスがそこを指せば無条件で発動するため、コンスタントなダメージ源として機能します。
そして、パラメータは分散させて期待値を上げるよりも、偏らせる方をお勧めします。多くの場合で、一撃のダメージが大きくなる方が優位性が高いためです。ダイス操作スキルなどで偏らせた位置に上手く補佐して、強力なパンチやキックをお見舞いしましょう。

これらのスキルやパラメータといった戦闘における重要な要素は、進行とともに習得し、強化していくことになります。この強化で重要になってくるのが、戦闘後の報酬です。戦闘に勝利したら、スキル習得に必要な経験値とパラメータの強化が提示された選択肢が三つ表示され、その中から一つ選ぶことになります。現在の置かれた状況、所有しているスキル構成、各列のパラメータの状態などを加味して、目指したい方向性の選択肢を選んでいきましょう。
このように、戦闘をこなすほど強くなっていく仕組みのため、戦闘を適度にこなしていくことが後半のアドバンテージへと繋がります。特に序盤では、被弾を抑えつつも積極的に戦っていきたいところです。

なお、経験値を消費して得られるスキルもまた、ランダムに選ばれた三択から好きなものを一つ選んで習得していく形式となっています。このため、挑む度に異なるスキルセットでクリアを目指していくことになります。強化の方向性を都度考えつつ、シナジーを探りながら何度も挑戦し、良いビルドを見出していきましょう。

この時点でも運を克服するに足る様々なシステムが用意されていますが、加えてこのゲームにはプレイアブルなキャラクターがもう一人います。すなわち、パラメータもスキルももう一人分構成できるというわけです。
もう一人のキャラクターであるアイラはメインのBBより先に動き、全体攻撃や防御貫通攻撃といった別種の行動を取ることができます。こちらの方向性も併せて検討し、うまくメインのBBとのシナジーを出せるように探っていきましょう。

空転しがちなダイス運に抗うには、自分なりに強いスキルでビルドし、各列のパラメータを拡充し、不幸を出来るだけケアできる体制を整える他ありません。ここで紹介した以外にも、いつでもダイスを振り直せるエクストラダイスや、パッシブとして強力な効果を持つアイテムと言ったものもあります。これら全てを十全に活用し、知識と経験に基づいたその場のアドリブ力と構想力で運をねじ伏せていく楽しさのある作品となっています。
挑むたびに変わるスキル構成から自分なりのビルドを目指し、運を支配してクリアを目指していきましょう。ゲームオーバーになっても、その知識をもとに再挑戦させる中毒性があるため、遊び過ぎには注意が必要かもしれません。

感想

本当に無限にやりそうなので、これが番号後半にあって良かったなと思っている作品です。
筆者は残り時間的にもNORMALをクリアしたらさすがに次に行こうかなと思っていましたが、クリアした瞬間におもむろにHARDで次の周回を始めていました。もう少し筆者の意思が弱ければ、そのままVERY HARD の沼に入っていたこと疑い得ません。
何回か挑んでクリアできずに、後ろ髪引かれつつもやめてしまったことは若干後悔もしています。

何はともあれ、ローグライクとして完成されたシステムの話をします。
前作からダイスの割り当てが撤廃され、やや戦略性が失われましたが、それを補って余りあるほどにテンポが向上していて非常にスムーズに進行します。特に今作は二人のスキルを操作することになるので、このテンポ向上の恩恵は高く、高いリプレイ性の一つの要因となっています。

スキルについてもテクニックとスピードを意識するものとパワーで押すものが混在し、ビルドの指針を定めつつ選択していく楽しみがあります。そうしたスタンダードなスキルのほかにも、魔法を絡めたトリッキーなものやパッシブスキルといった変わり種も習得でき、毎回異なるビルドをあれこれ試しながら進めることができます。
このスキルの種別の数はちょうど良く、何度かプレイすればおおよそ把握できるものの、毎回ポケットの6個は微妙に異なるビルドで最後まで挑むことになります。運が悪いとシナジーの出ない組み合わせになることもありますが、ビルドの指針通りに組みあがったシナジーを持つスキル構成は無類の強さを発揮してくれます。思い通りにいけば爽快で楽しく、ままならなければそれはそれで苦労の味として楽しめます。

個人的にはエクストラターンも取れるスピードベースで組むと有利かなと考えて組むことが多いですが、スピードベースの技は火力が抑えられているものが多く、バフのスキルもあまりないという綺麗なバランスになっています。一方でテクニックベースは火力が出ますが、スピードを担保できないので敵のエクストラターンでやられがちです。
パッシブも強力なスキルが揃っていますが、パッシブばかり集めるとスキルが回らず負けやすくなっています。この当たりのバランス感覚が優れていることにより、色々な構成を試すことができる土壌が醸成されていました。

また、ステージのマス数もちょうど良い長さとなっており、これが高い中毒性を生み出しています。あと少しでクリアできそうなラインを演出しつつ、一筋縄ではいかない長さをしています。
中間としての遺跡があるのも良く、ひとまずの区切りとして捉えやすいです。遺跡まで行ければ、大体ビルドと思考は間違っていません。後はダイス運とより強靭な戦略が必要です。

各マスで発生するイベントも特徴的で、良くないイベントもダイスとステータスによってはメリットに化けるのも面白いところです。ステータスを上げる意味がより強く出ます。単純なイベントでもステータスダイスは振ることになるので、序盤にステータス強化をしていると地味に効いてくるところとして機能していました。
また、先々のマスをある程度見ることができるため、小さな戦略を立てやすくなっているのも良いポイントです。体力が危ない時にベッドを見ると、あの電柱までは頑張ろう作戦を発動できます。
ちょっとだけ分岐選択要素があるのも悩むところとなっており、体力を勘案して戦闘を避けてイベントマスでギャンブルするかといった小さな駆け引きが生まれます。

そして何より、ダイスに支配された戦闘の射幸性は極めて高いものになっています。事実上ダイスは振っていませんが。
あえて偏らせて組み上げたピースにきっちりはまって火力が出た時はドーパミンが出たような感覚がしますし、あと一回刺せば勝てるときに連続でプラスワン領域から外れてエクストラダイスが空転した時の絶望感はすさまじいものがあります。後者をベリハで一度味わいましたが、筆舌に尽くしがたいものがあります。なんで端に張り付くんですか。

この運に支配されたように感じる戦闘において、初期スキルにプラスワンがあるのが戦略性を成り立たせています。習得スキルでなく初期スキルにしてあるのは非常に良く、ダイス操作というスキルの強さを感じるきっかけともなっています。運命操作できるのはやっぱり強い。
エクストラダイスと出目操作の切り所が勝負の分かれ目と言っても良く、どうやって運を乗りこなすかが問われています。ローグライク、割と理不尽に挑むところに楽しさが存在する節がありますね。

筆者がNORMALをクリアした時の最終ビルドは、二段蹴りのコツとハイキックのコツをブレンドして蹴り主体で戦ったものでした。
地味にエレキヒットからの片足タックル+掌底やステータスの加速でエクストラターンが取れていたのも強く、この中で作っておいた蹴り火力8をぶっ放していました。プラスワンを考えると半分の確率でかなりの火力の蹴りが飛んでくる構成となっており、ガードも何のそのです。
NORMALでコツをつかみ、HARDは2回目で突破できたのですが、VERY HARDはだいぶ難儀しました。最初に一番惜しいところまで行った時は、エクストラターンで倒す手前まで行ったところでエクストラダイスが空転して最大火力の蹴りが出ずに敗北しています。

最終的なVERY HARDクリア構成は、スピードを活かしたエクストラターン確定戦術でした。
スピード3のマスを何個か作った上でリロールで固め、フロントステップと合わせることで初回でエクストラターンを狙う構成です。
その後も片足タックルやエレキヒットなどを絶え間なく打ち、エクストラターンを切らすことなく続け、ターンを稼いでシュートダウンやアイシクルランスといった強力な攻撃を当てられるようにしています。
最終戦はエクストラターンを死守し、ためておいたエクストラダイスの切り所を考えながら有利に進めてクリアへと至りました。エクストラダイスの使いどころか悩みながら戦うのは楽しかったです。
地味に被ダメージ6なので、実績にあと一歩届いていませんね。無念。ほぼ毒ダメージです。

HARDクリア時の構成 VERY HARDクリア時の構成

VERY HARDの難易度バランスはかなり良く、あと一歩届かないレベルと感じる絶妙な塩梅です。プレイミスをした時のしっぺ返し分でちょうど負けるくらいの調整に仕上がっているので、何かミスったらそこを遠因としてどこかで足りなくなります。
これは運が悪ければどうしようもないバランスとも言えますが、そういう時は切り替えて次に活かすことにしていました。一プレイが短いのがここで効いてきます。
何度も繰り返し、技構成の強い指針を学び、リスクを取って成長を選ぶ初期の選択を過たなければ、いつかはクリアの扉が開きます。運は慣れである程度支配できるので。

また、何度も遊んでしまうもう一つの要因として、スムーズに使うことのできるUIも挙げられます。
いつでも右クリックすれば説明が出てくる便利な機能を始めとして、プレイヤーが何となく操作すればそれっぽく動くように工夫が施されています。アイラのスキル枠を選べばアイラが選択されたのと同様の状態になりますし、ダイス確定はボタン以外でも適当に連打していれば勝手に行ってくれます。
慣れてくるとかなり軽快に動かすことができるので、サクサクとプレイしてはサクサクとやり直していくことができました。
個人的に好きなのは細かい設定を拡張設定に押し込めているところで、最初のプレイ中は意識する必要がなく、周回したい人には便利なものとなっています。いきなり大量の設定項目を見せられても訳分かりませんからね。

一方で快適さに振っている代償として誤操作しやすいつくりにもなっており、特に次へと休むのボタンが被っているため連打していると誤って休みがちです。恐らくマウス移動の少ないデザインなんだとは思いますが、距離は多少離れていた方がありがたいかもしれません。
この辺りはレスポンスが良い弊害ともいえるところで、個人的にはレスポンスを良くする方に振っているのが好きではあります。

最後にシナリオとグラフィックについても触れておくのですが、双方とも緩い雰囲気で箸休めとして良いです。
各種イベントがあると小会話を見ることができるので、息抜きでやり取りを楽しむことができます。会話が出てきてログ化するデザインは良く、台詞のやり取りが自然に行われます。中央で被ってしまっているのがやや気になる所ではありますが、3人並べる都合上仕方のない所かもしれません。

敵のグラフィックも緩い見た目でありながら、その役割が見て取れる良いデザインです。
毒を扱うものは毒々しく、変な技を使うやつは変な格好をしています。大体変な格好と言われればそうかもしれません。
個人的に竹馬のウサギが一番好きなのですが、バフに1ターンかけてボーナスタイムを用意してくれるからそう感じているだけかもしれません。性能の呪縛からは逃れられない。

とにかく全体を通したリプレイ性の高さから中毒性を生み出し、延々とやってしまう魔力を秘めたゲームです。無限にやってしまうので、こんなゲームをコンテストに出されると困りますね。ほかのゲームをやる時間が見る見るうちに溶けそうです。
この感想を書いていたらやりたくなったので、またVERY HARDに挑もうかと思います。

56. 棺ふる海

ジャンル 作者
ソロジャーナル うどんのたまご
プレイ時間 プレイVer クリア状況
30分 1.02 完成

良かった点

  • 色々な思考が誘引される良いテーマでした
  • ダイスで緩めに制限が入る指向性のおかげで、ある程度まとめやすくなりました

気になった点

  • ジャーナルをもう一回書きたくもなりそうなので、空のジャーナルを再度出力してほしくなりました

レビュー

棺ふる海に、あなたは何を見ますか

棺ふる海は、ソロジャーナルと呼ばれるジャンルのゲームです。
与えられたシチュエーションをもとに、自らの手で物語を紡いでいくことになります。

自ら設定と物語を組み上げていく土台は、海の底に住む海妖という設定と、海上から降る石棺を皮切りとしたいくつかの断片です。
海妖がどういった存在であるか、その場所はどういったものなのか、そして石棺は何故降り続けるのかという結末まで、プレイヤーは物語の語り手となって記述していかねばなりません。
いくつかの設定についてはダイスによってランダム性が与えられるため、プレイヤーによって、あるいはプレイした周回によって異なる物語が紡がれていくことでしょう。

設定という指向性のもと、自分だけの物語を構築できる作品です。与えられた設定における指向性の塩梅がちょうど良いため、ジャーナルを書いていくのはさほど難しくありません。設定から想像される情景を描いていきましょう。
あなただけの物語を紡いでみてください。

感想

これはゲームなのかと思いつつ、まあプレイヤーが楽しめる電子媒体はひっくるめてゲームだろうと思って楽しんでいました。ちなみに、物書きをごく軽くかじった身としてはすごく楽しいです。三題噺みたいなものなので。
ほぼ間違いなく創作者にしか刺さらないので、ウディコンという場だからこそ遊ばれるゲームな気もしています。

システムとしては、ある程度ダイスで物語に傾向が与えられるのが良くて、その時々に自己の方針とアドリブ力で誤魔化していく楽しさがあります。たまに以前書いた内容と矛盾が発生して大変になることもありますが、それもまた味です。
テーマ設定も良くて、よくわからないけど石棺が降ってくるというテーマ、色々書けそうないい塩梅の光景である気がします。なんとなく色々解釈が生まれそうなテーマを作るのって難しそうですが、かなりマッチしたお題という印象でした。

以下にざっと書いた筆者のジャーナルも載せます。
ただし、主観文章を書くのが苦手なのと、その時の気分と、ちょっとした誤読により客観文章で書いてしまっています。痛恨のミス。

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『棺ふる海』ver1.02 プレイ日時:2023/08/11
プレイヤー名:Narratology

○海妖について
容姿:人とかけ離れた姿

四肢と呼べるものはなく、球体と呼ぶにはあまりに体と外のあわいが流動的な生命体である。
その大きさは漂う中で常に変化しているものの、視認できる程度ではあり、決して大の人間より大きくはならない。

また、その海妖はあたかも呼吸かのように自分より小さい周辺の生命体を絶えず飲み込んでは排出しており、その過程で排出された生命体の塩基配列が変異することが確認されている。
飲み込んだ生命体の塩基配列を書き換えているのか、まったく別の生命体を生み出しているのか、その詳細は分かっていない。

○住処について
環境:都市群が沈む海底

主な生息地である遺構が残る海底では、一定のルートに基づくような巡回とも呼べる行動をとっている。
遺構の年代は正確に把握されていないが、現在測定された精度においても、我らの知る文明の中には該当するものが存在していない。
高さのそろった家屋のような遺構が立ち並ぶ中、一際目立つ摩天楼が海妖の巡回ルートの中心であり、最も多く通過する所でもある。

○石棺について
形状:人間の石棺/子供の亡骸

ある時から、この海域にて石棺が発見され始めたことが分かっている。
その際に、海妖が石棺を何らかの方法で開けて中身を確認している様が目撃されていた。
石棺の中には子供の亡骸と思しきものが認められた。
亡骸は年代にばらつきこそあれ、どれも身綺麗にされているという共通点があった。何が原因で死亡したかわからないほどに。

○海上の人々の反応について
反応:敵対的

そうした石棺が確認された際、海妖の行動に変化が生じた。
石棺ふる海流に逆らい移動を続け、ついには海上にたどり着くまでに至ったのである。
海上にはまさに石棺を流していた人物がおり、会敵でもしたかのような剣幕で発砲した。
鉛玉はそのあわいに飲み込まれたが、排出されることはなく、代わりに動きが鈍ることが確認された。
未知への恐怖に慄いたのか、その人物は脇目もふらず海上を遁走した。

○理由

この件が発生した際、海妖が遁走した人物が散らばせて残していった文書などを吸収し、これもまた排出しなかったことが確認されている。
後から判明したことであるが、この時残された文書は石棺を流した人物がその行動に至った理由を記述したものであり、それを海妖が理解したのではないかと推測されている。
海妖に子供の遺体を吸収させ、排出した生まれ変わりを回収することがその目的であり、古代の神話に基づいた儀式的なものであったという。
風土病により大勢の子供が喪われた折、発見された神話をもとに行動したという次第である。

○決断

この件の発生直後、海妖は都市群に戻ると、これまで通りの経路で周回を始めた。
石棺は未だに降るままで、けれど決して吸収されることはなかった。

○行動

いつしかその海域へ石棺を送り出すことは一つの習慣となり、その意味も、回収するという意識もまた失われていった。
もはや市井の民にとっては、ただ一度だけ起きた遭遇もまた神話となってしまったのだろう。
こうしていつまでも降る石棺は、いつしか海妖の巡回するルートを埋め尽くすかもしれない。

○結末

以上の調査結果を踏まえて、引き続き観察を続けるべきであるとの判断に至った。殊更に、海妖が石棺を吸収するかどうかは注視に値する。
海妖が巡回する海域を棺ふる海と名付け、厳重に警戒の上、航海制限をかけて隠匿すべきであると提案する。

1998/08/11 『棺ふる海』報告書

57. Anthy

ジャンル 作者
ゾンビサバイバル リボン
プレイ時間 プレイVer クリア状況
10分(1時間)/1時間 v?+2 クリア+色々遊ぶ/V3プレイ

良かった点

  • 発想が良く、設計も良いゲームでした
  • 様々な考察要素があって考えさせられます

気になった点

  • コマンドラインなので上キーで前回入力コマンドの履歴を辿りたくなりました
    • これをやると難易度が下がりすぎるので無いのが正解だとは思います

レビュー

Anthy is cursed. Never get involved.

Anthyは、ゾンビをCUI上でkillするゾンビサバイバルです。

Linux風のOS上で、ゾンビとなったプロセスをひたすらkillしていき、画面にいる少女を救うことが目的となっています。
ゾンビプロセスは放っておくとCPUを食いつぶし、やがてリソースが足りずにOSが落ちてしまいます。CPUをより多く喰っているゾンビを優先してkillしていくのが肝要になります。

ただし、それだけでは少女を救うことができないかもしれません。少女を救う権限を得るには、色々と調査をして回る必要があります。
ネタバレを避けた上では、筆者にはこれ以上書くことができません。与えられた情報を最大限に活用し、どうかAnthyを救ってください。

感想

here の方の新作ですね。面白くない訳がない。
以下はものすごくネタバレを含むので、できればクリアしてから見たほうが良いと思います。

プロセスがゾンビになるというのは用語としてありますし、killコマンドも普通に使いますし、何ならプロセスを殺すも普通に使うんですが、それでゾンビを殺すというところに落とし込むというのは思いつかなかったです。言われてみれば物騒な言葉使ってますね、エンジニア界隈。
その上で、それはゲームの表層でしかなく、このゲームをクリアするにはさらにメタなところを理解する必要があります。

説明で言われている範囲でコマンドやファイルとしては網羅できるんですが、そこからさらに誕生日を探し当てるのにHTMLページまで使うあたりが良く出来ています。
ついでにその時の情報を使うと色々見れるのも良かったですね。.vomit とか。
筆者はv2でここを一通り遊んで、/root/があるところまでは見つけたんですが、全然入れなかったのそこでやめていました。

クリア画面でのAnthyと思しき少女のリアクションも良くて、クリックしたり閉じるボタンにカーソルを動かそうとしたりするとちゃんと反応してくれます。最後までメタ的な認知の使い方が上手い。最小化と閉じるで微妙にリアクションが違うのも芸が細かいですね。

そしてここからは、ウディコン後にv3やった話に移りますね。ここからはゲームの話というよりAnthyの話になります。
以下はv3のネタバレを全て行うので、まだv3をやっていないのであればぜひプレイしてください。

さて、/root/は見つけていたので何か変わってないか見に行ったら/cyan/になっていました。2.1.21 の方のログインネームもcyanなので、同じ要領でパスワードを抜くのはそんなに難しくはありません。
そして、侵入して少女から話を受けるのもクリックするだけですし、クリックして話を聞いていれば最後のクリアと思しき画面に到達することも簡単です。ただ、その解釈をしようとすると、多分人によって変わってきます。

大前提として/cyan/Desktopにはpass以外に文章がいくつか存在していて、ここを読むと彼女、Anthyは予備の臓器として、私の一部として生きているという旨の言葉があります。
また、2.1.21ログイン後のAnthyと思しき少女の発言からは、暗く永遠に続くような光の見えないトンネルをひたすら歩んでいるような状態ということが分かります。

1.6.43 におけるAnthyと思しき少女が髪を結って快活である一方で、2.1.21のAnthyと思しき少女は髪を結っておらずぐったりとしています。これが時間経過によるものと仮定すると、恐らく1.6.43はCyan存命中に開発が進められていたStable版、2.1.21はその後Cyanが昏睡するまでの間に開発は進んでいたが完成はしていないバージョンであると推測されます。
1.6.43 における/cyan/のパスワードで2.1.21に入れたことから両者は同一と考えると、1.6.43における/cyan/以下にあるファイルの言葉はすべてCyanのメッセージではないかと推測されます。

/cyan/以下にあるメッセージは、getOut!などの強い言葉と、先述したAnthyを予備臓器として、という下りの文章があります。
ここで、HTMLページの開発チームの言葉を見ると、Cyanに娘――これがAnthyであることはパスワードと誕生日の関係からほぼ確定と見ています――がいるとは説明されていますが、この娘がどういう状態にあるかは何の記述もありません。
ここからはだいぶ妄想になりますが、Cyanは娘がまだ生きている(She is still alive)と言っています。つまり、同僚にも娘はまだ生きていると発言していたのではないでしょうか。ただし、その意味は(My dear Anthy, my spare organ.)であり、生きていると言える状況にあったかは疑わしいところです。

臓器がCyanの中にある状態で、Anthyの意識のようなものがOSに移ったと解釈した場合、これは現実ではなくても心の痛みがあるということは、OSに複製されたそれ自体は現実でなくても、Anthyというオリジナルがいたことにはなるのでその幻肢痛のようなものと解釈できるかもしれません。

さて、プレイヤーは最後に心臓をひたすらクリックしてAnthyの会話を聞き、最後にはエラーを起こしてある空間へと辿り着きます。左には暗黒の空間、右にはエラー起因で発生したノイズのような何かが現れ、ここにAnthyが現れて動かすことができます。右に動かすとBGMが鳴りだすことからも、こちらが順方向と解釈できるでしょう。

ここの解釈は人によりそうですが、筆者は心臓をクリックし続けることで何らかのエラーが発生し、そのエラーにより発生したノイズによって完全に暗黒であった空間にこのノイズのようなエリアが発生したのではないかと考えています。
そしてこれが、Anthyがずっと戦い続けていたnever-ending dark tunnelを抜けたものであり、glimmer of lightを超える光であったのではないかなと解釈しています。エラーノイズが光を作ったならば、Anthyは救われていてほしいとも。

話を戻してCyanの話をします。臓器、だけではどの臓器か分かりませんが、このゲームにおける象徴的な臓器ならばまさしくAnthy.exeのアイコンであり、プレイヤーがクリックしてエラーにより壊した心臓があります。
これはcyanの中にあるAnthy.exeです。なればこそ、Cyanの中にあるAnthyの臓器である、と解釈できないでしょうか。Cyanは突然容体が急変して亡くなりました。それはプレイヤーがAnthyに光を与えるために心臓にエラーを起こしたからかもしれません。
ここに関しては時系列的におかしいので何とも言えませんが。我々は誰かが行ったそれをゲームとして模倣しているだけかなとも。そのへんをより正しく解釈しようとするなら、Anthy is cursed と唯一言及しているフォーラムのAllytiを深掘りしたいところですが、この辺が限界な気もしています。

あともう一つ、never-ending dark tunnelあるいはabyssについて。
1.6.43時点ではAnthyと思しき少女の背景が白だったのに対して、2.1.21の背景は黒くなっています。これがdarknessなのだとすると、1.6.43時点では彼女はまだ暗闇に囚われていなかったことになります。
リリースが停止し、打ち捨てられたOSであるがゆえにdarknessであるとするならば、CyanがAnthyの開発を続けられていればこうはならなかったことになるので、前述の話は部分否定されます。

そもそもAnthyが抗い続ける理由として、自分を愛してくれる人がいるという発言をしていることからも、誰かとの関わりを持っていたことが伺えます。それがCyanだとするならば、OSにAnthyの意識をインストールして生かしていたのはCyanの手によるものであり、She has become a part of me とは自分のプロダクトを自分の一部と捉えている発言とも取れるかもしれません。さすがに直後のorganやThank you for saving my lifeを考えると牽強付会なきらいはありますが。
ともかく、解釈を深めていくには、CyanとAnthyの関係性、AnthyとAnthyOSの関係性が鍵になってくるのでしょう。どう解釈すればいいんだろう。

Anthyの解釈バトルというか、他人の解釈聞きたいですね。誰かお願いします。
他人の解釈を聞いて広がりが出たらこのページに追加していきたい。

なお、全編通して英語の上にスラングもあり、かつ最後のAnthyの語りはまあまあ長いので、英語弱者には結構厳しいゲームになっていました。大体言いたいことは分かるけど、たまに本当に知らない単語が突っ込まれることがありました。