前書き 注意
このレビューは、筆者個人の独断と偏見によって書かれています。筆者の好みが多分に影響していますことをご了承ください。
出来る限り気を付けていますが、一部ネタバレを含む可能性もあります。問題がある場合は、プルリクやTwitter等にてご指摘いただけると助かります。
レビュー内容は主にプレイ当時のバージョンに基づいています。最新バージョンと動作などが異なる場合がありますが、ご了承ください。
初めに
WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)は、ウディタ製のゲームを競う、年に一回開催されるコンテストです。 第13回となる今年は、63作品のバラエティ豊かなゲームがエントリーされる運びとなりました。少しの時間で遊べるミニゲームから、ガッツリ遊べるRPGに、見知らぬジャンルのゲームまで、様々なプレイ体験を提供する場となっています。 今年は全作品について、おおよそクリアといってよさそうなところまではプレイすることができました。 色々と楽しむことができましたので、今回も返礼としてプレイ作品のレビューをしていこうと思います。
なお、筆者は漫画でいえばARIAが好きで、最近の推しなら推しの子で、小説でいえば米澤穂信さんが好きで、好きなゲームはFF10で、最近やったゲームではReturn of the Obra Dinn, Narcissu あたりが好みです。プレイ時間で言えば、スマブラをやりすぎています。前回のウディコンで一番好きだったのはタナトスに沈むと、扉は君の鍵で開くです。 また、筆者自身はプログラマーを生業としています。その辺りを評価から差っ引いて考えると、より公平に感じるかもしれません。
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補記。投げ銭 もあるので開催者の方に遠慮なく還元していきましょう。
凡例 良かった点
気になった点
プレイ中に気になった点を書き連ねています
必要ない方は上記のボタンを押して消してください
レビュー
感想
ネガティブ/ポジティブにかかわらず感情側に寄った感想を書きます
より直截的な表現およびネタバレが多いので、基本は非表示にしてあります。読みたい方だけ都度以下のボタンを押して読んでください
なお、ここでは丁寧語を意識しません。書きやすくするためなので、ご了承ください
去年はここに感想を書き連ねまくった結果16万字近くなったので少なめを目指します。 去年はあまりの長さに全部読む暇人は筆者だけになっていたと思います。今年は文字数を減らしますが、それでもそうなるよう努力します。
あと、このレビューは毎年ややフォーマットめいた感じで書いてる部分があるんですが、そろそろ飽きてきたので無視できる範囲で無視してみようと思います。出来るだけ深夜テンションで書きたい。 以上、所信表明でした。
ちなみに、今年は全作品クリアできそうだったのでやっていたんですが、いくつか未回収のエンドがあるみたいなものもあって、完璧にクリアしきったという状態ではありません。 多分全作品やった方だとわかりそうなんですが、25, 49あたりが鬼門で、人によっては34, 48も関門になります。特に49のボリュームの多さは公称の時間を見て高をくくっていると、そのはるか上に来るので完全に誤算になっていました。ロストエルサレムだけで一つのRPG以上のボリュームありますからね。
ウディコン全体のことも少しだけ話します。 圏外にも面白い作品があるのはいつものことで、個人的に推しておくとしたらDaylight、Parallel Challenger、ESCHATOLOGY2あたりです。他の作品についても、無作為に選んだら面白い確率の方が高いくらいには面白いと思います。 選んだ作品からも見て取れるんですが、今回のウディコンは面白いRPGが多かった印象です。その性質上アクアリウムスくらいしか上位に食い込んでいるのを知らないんですが、今回は終末の案内人とかゴルガンとかもランクインしています。(話は変わりますがアクアリウムスは面白いのでお勧めです) 特にESCHATOLOGY2はこういう機会でもないと遊ぶことがないであろう作品だったので、貴重な体験でした。人に強く勧めるのは難しいんですが、刺さる人には刺さるというか、こういうのが好きな人には刺さるので、とりあえずやってみるのは良いかもしれません。
ちょくちょくTwitterでお見かけしていた他プレイヤーの方の話について。 前回と同じになってしまうところはあるんですが、全作品を早い段階で網羅されたすたーあいすさんは凄いと思っています。あの時点で、筆者はいくつかスキップしてアヴァロンくらいまでしか終わっていませんでした。秋月ねこ柳さんもレビューまで書いていて凄い。というか、お二方ともに出展している上で遊んでるバイタリティが強いですね。 にわりんさんも今年も動画化するコストまで使いつつ、動画化できないプルートニオンまでTrueクリアされていますからね。筆者は諦めたやつなので、熱意が凄いなあと。
感想では、こんな状態のあんまり文章になっていないやつを突っ込むので大丈夫そうな方だけどうぞ。 社会性フィルターの枚数は、レビューを10とすると、気になった点が5、感想は1です。良いことも悪いことも思ったことは大体書いてますし、自分がこうプレイしたみたいな感想も書いています。
レビュー 1. 精霊さんと世界樹探索
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
9時間
1.02
蛇撃破
良かった点
スキルを構成してシナジーを考えるのが楽しいです
転生システムにより、スキルの強さを発見できます
スキルがリセットされるため、使ったことのないスキルに出会うことができました
戦闘のテンポ感が良いです
気になった点
レビュー 無限に遊べる
ゲームには、全体がループするような構造のものがあります。その円環の中では、キャラクターは成長を繰り返し続けることになります。しかし、キャラクターが成長するだけで、プレイヤーが成長することが特にないのであれば、その成長は徐々に作業へと変貌していくでしょう。 キャラクターの成長とともに、プレイヤーにも何らかの成長が得られるゲームデザインは、そのループ構造にプレイヤーまでもを組み込みます。それが、ゲームを無限にやってしまう魔力の遠因の一つとなるのかもしれません。
精霊さんと世界樹探索もまた、無限にやってしまう魔力を持った作品です。
このゲームでは、主にプレイヤーはダンジョンに潜り、4人の精霊さんを切り替えて戦っていくことになります。 各精霊さんはスキルを持っており、切り替えてからそのスキルの発動時間が経過すると攻撃を行います。そうして敵を倒すことで、ダンジョンの奥深くへ進んでいくという流れとなっています。
さらに、ダンジョンで勝利すると新たにスキルを獲得することができます。 それぞれの精霊さんは2つのパッシブスキルと4つの攻撃スキルまでを習得することができます。ダンジョンを進みながら、どういったスキル構成にするか考えていきましょう。
そうしてスキルを習得しつつ敵を倒していくことで、精霊さんのレベルもまた上がっていきます。このレベルが999になると転生を行い、より強くなることが可能です。 しかし、転生にはリスクがあり、レベルが1になりパラメータが落ちる上、それまで習得していたスキルをすべて忘れてしまいます。 このため、それまで組み上げたスキル構成は転生のたびにリセットされ、また新たなスキルに出会い構成していくことになるでしょう。
プレイヤーはこの転生という過程を経ることで、全く新しいスキルと出会い、その特徴や他とのシナジーを学び、成長していくことになります。 このように、精霊さんが転生により際限なく強くなるシステムと、そのたびにスキルをリセットして常に新たなシナジーを考えていくシステムにより、このゲームは無限に遊べるループ構造を成立させています。 このループに身を委ねることで、時間が吸われる体験ができること請け合いです。
また、このゲームの目的はダンジョンを進むことだけではありません。そうして強くなって、ボスに挑むという目標もあります。 転生を繰り返し強くなり、そうして得た知識で組んだスキル構成を武器に、強力かつ特性豊かなボスを撃破していきましょう。そうしてボスを倒していくことで、物語もまた進行していくことになります。
スキルを習得し、試し、成長し、転生して別のスキルを習得し、試し、成長する。その円環的な構造の内側に入ってはみませんか。
感想 1作品目から時間が溶けるタイプが来たので頭を抱えながら、でも楽しいからなあと思ってプレイしていました。 それはおくとして、無限に時間が溶けるタイプのゲームです。スキルと転生による無限の成長をずっとやってしまいます。 ほっといたら裏ボスまでやりそうだったんですが、残りもプレイしたかったので名残惜しめにやめました。レビュー書き終わったら再開します。
チュートリアルがそこそこ手厚いのがありがたいです。色々なスキル特性があるので、使って理解でも結構難しいかなとは思っていたので、説明がちゃんとあるというのはかなり大きいです。 加えて、チュートリアルをやると経験値倍率が増えるのが、やっておく動機付けにもなっています。このシステムは良い。
個人的には、スキル同士のシナジーを考えるのが楽しくて、色々と試していました。 習得がランダムなのもあって、とりあえず覚えさせてみたら意外と強いことが分かって使い始めるパターンも多いです。連携まわりとかはそんな感じで使い始めています。 一度作り上げた固定パターンも転生で失われるので、色々試さざるを得ないというのも面白いです。触らないとどういうスキルがどうしてもわからないので、触る機会が高確率であるこの仕組みは良かったなと思っています。
各スキル特性も、うまいこと機能させると全部強いので好きです。
怒涛は多段、オールアタック、コンボマスターあたりでコンボを稼げるようにしておくと異様な火力が出ます。上手く調整すると、一人で10コンボためてから怒涛を決めることもできました。個人的にはウォーターガンが好きです。
連携は2連でも十分強いんですが、3連がえげつないです。単純に使いたいだけなら比翼の槍とかを入れておくだけにして、戦略的にやるならフルシンクロと風のレジェンダリで決められます。 この構成だとコネクトバリアがバリアとして十分な機能を果たすようになるので、防御面でも優れていました。
血刃はガードをどうやって貯めて、どの程度消費するかを考えるのでちょっと難しいです。怒涛も若干そうなんですが、こいつはより相手のムーブがカギになります。 血刃ガードを織り交ぜていけば、実質ノーコストで強力な技がぶん回るので、型にはまると一番強い気がしています。その分、運用がむずかしめな印象です。
裏倒せるほどの強さにまで仕上げるには時間がなかったんですが、普通のニーズヘッグと戦う時でも十分楽しかったです。 筆者は永続バフ持ちの風で速攻ガードを張って、血刃でガードを削ってソウルハーベストとバリケードをやりつつ連理で連携を貯めていました。あとは血刃の攻撃で削りつつ、タイミングよくコネクトバリアで運用しています。終わりくらいになったら、トライデント、ソウルハーベストの残酷を利用して一気に削り取りました。
あとは、戦闘のテンポ感が良いのも好きなところです。 ゲーム性として何百回と戦うことになるので、ここのテンポ感が悪いとクオリティにかかわるんですが、戦闘の短さを含めてちょうどいい感じです。大体こっちは4回殴ると倒せて、向こうの強いのを2回くらいもらうときつい緊張感のあるバランスでした。 倒すべき敵の順、疲労度込みで考えるこちらの精霊選択も相まって、考えることがある程度多いのも忙しなさがあって良いです。ある程度パターン化できることもあるんですが、例外はちょいちょい出てくるので、完全にパターン化されるケースはプレイ範囲ではあんまりなったです。
なお、戦闘中に考えることが多いといっても、疲労度周りのコントロールを除けば、基本的には自分でビルドしたスキルに依拠するので考えやすいものではあります。あるいは疲労度もそうかもしれませんが。 コンボ起点のビルドなら怒涛の発動タイミング調整で良いですし、連携ベースなら連携技が途切れないようにコントロールすれば良いです。それらが合わさったビルドを組んでいくとややこしくはなってきますが、基本的には自分の思い描いた図をちゃんと実行すればいい感じです。
ちなみに、特に中盤で、ダンジョンに潜っている際に転生したくてもできなくてもどかしい思いをすることは結構ありました。 一応特定階層では転生できるんですが、それ以外の場面で転生したい方が当然はるかに多くなります。ランダムイベントとして用意されているか、探索ポイント使ってでも転生させてもらえれば成長も捗りそうだなあと感じています。 つよさ22000くらいでもスキルビルドが上手くいくと50000強くらいの危険度をさばけるので、ついずっとダンジョンに潜ってしまっていました。
2. 銀竜奥義伝
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
1.2
Normalクリア
良かった点
グラフィックのクオリティが素晴らしいです
各デザインもそうですが、画面全体の統一感も安定しています
思い思いのパラメータに振って成長させる楽しみがあります
本質的にゲームオーバーがないので、クリア自体は苦手な人にもできます
気になった点
初見では大分早いうちからお金が余りました
Ver違いで振り直しアイテムは出ていますが、それでも余りそうです
ただ、スコアアタックをちゃんとやったわけでないので、その場合はどうなるかわかりません
Aランクが来たら上位装備が解放されるみたいなものがあってもよいかもしれません
ため技の効果範囲が初見では分かりませんでした
レビュー シンプルかつハイクオリティ
SRPGと聞くと、いくつかのユニットを上手く操作するゲームという印象があるのではないでしょうか。 地形、敵、味方の連携といった複数の要素を考えて各ユニットの動きを制御していくことは、上手くいけば達成感がありますが、得てして難しいゲームであるという印象につながりがちです。
しかし、銀竜奥義伝に複雑な思考は要求されません。地形は一画面に収まる穴以外の特性のない平易なフィールドであり、操作キャラは一人のため考え方もシンプルです。 敵の位置を確認しつつ、最適な技や行動を一つ選んで行う、このシンプルな思考だけで楽しむことができます。
ただし、シンプルだからといって簡単過ぎるというわけではありません。 このゲームの基本的な戦闘場所である闘技場では、選んだランクに応じた敵との連戦が待ち構えています。様々な行動パターンを持つ敵を攻略していくには、その敵の動きを観察し、適切な行動をしていく必要があります。 上手く戦い抜き、見事連戦を制することができれば、次なるランクへの挑戦権が獲得できるでしょう。
一方で、負けてしまっても得るものはあります。このゲームにおいてゲームオーバーは基本的には存在せず、進めた状態に応じて経験値とお金を獲得することができます。 そして、道場にてその経験値を使うことで、好きな能力値の上昇やスキルの習得を行うことができます。能力値を上げて基礎的な力を向上させるか、一発の強さにかけてスキルに割り振るか、自由にビルドしていくことができます。 基礎能力を上げスキルを習得して強くなったキャラで、再度闘技場に挑んでいきましょう。
また、こうして闘技場のランクを上げていくことで、ストーリーも展開していきます。ライバル、恋模様、師弟のかけあい、そして様々な欲望が渾然となったシナリオが、短くも丁寧に描かれています。
これらの要素を彩るグラフィック、そして音楽についても触れないわけにはいきません。 極めてクオリティの高いグラフィックにより、ゲーム画面は最後まで統一感をもって使いやすくデザインされています。気分を盛り上げるBGMについてもオリジナルで、オーダーメイドの強みである統一的な美しさが細部にまで宿っています。
銀竜奥義伝は、ゲーム全体を通して安定した雰囲気と、高いクオリティを維持した作品となっています。ゲーム性についてもSRPGを極限までシンプル化しており、間口の広いものとなっているでしょう。 誰でもまずは遊びやすいゲームとなっているため、気軽に手に取ってみてはいかがでしょうか。
感想 内容自体は割にコンパクトではあるんですが、全体のクオリティが尋常なく高い作品です。 殊にグラフィックの面では、各絵の品質もさることながら、全体をオリジナルでまとめていることにより統一感の面でも極めてレベルが高いです。オーダーメイドの強みが出ています。 ツナの切り身のタイトルだけやたら絵が荒い気がするのだけちょっと気にはなりますが。
また、単純に見目がいいだけでなくて、操作性も問題なく、最後まで遊びやすいゲームでもありました。 何かを行う際に、複雑な操作を要求されないのは嬉しいポイントです。 要するに、簡単に遊べるSRPGというシステム面においても高いクオリティのゲームに仕上がっているということです。
ストーリーについても、サクッと遊べる範囲でライバルとの戦い、小さめの恋模様、師弟愛と色々な要素を上手く複合させて展開しています。 緊急クエストだけ脇道的な要素のためやや外れますが、それをおいても全体を通して統一感の高い作品であると思っています。
個人的には、各ランクの突破ボーダーが特に設定されていないので、スキルと運用で乗り切ったのか、能力でごり押ししたのか判然としなかったのがいまいち達成感につながりませんでした。 特に最初はDランクに挑んでは負けるフェーズがあるので、どの辺から抜けられるかの目安が取れないということもあって、やや目標設定が難しい状態が続きました。 ただ、月夜に響くノクターンとか、ああいったゲームだと想定レベルを戦略で上回る楽しみがあるんですが、このゲームはそもそもレベルの概念がないので蓄積経験値がいくつみたいな指標でしか測れなくはあります。やるなら蓄積経験値ごとにレベルの概念を足すくらいなんですが、そこまですると複雑だなあと思って解決策がないと感じています。今のままでいいですね。
ちなみに、上記で金が余ったとしてますが、これはたぶん筆者のプレイングが甘かったせいだと思っています。 公称30分のゲームに2時間かかってますし、戦い方がまずかった可能性が高そうだなあという気持ちです。 手探りだったので、色々技を習得したり、運と攻撃に降る一方で、後半は精神ぶっぱしているなどと統一感もあんまりないです。 筆者がRPG脳なので、ランクが上がったら装備も変わるかなと期待してアイテム買うのをケチっていたせいというのもあります。
なお完全に余談ですが、スコアアタックの上位層は魔界な上に、筆者がこの手のゲームが苦手なので全然敵いませんが、ツナの切り身に関しては多分全一です。
3. レオの軌跡~集いし6つの希望~
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
1.4
クリア(全実績)
良かった点
あらゆる待ち時間が存在しません
プレイ時間を拘束するおおよその要素がサクサクと省かれます
キャラの入れ替えシステムが慣れた頃に入りました
気になった点
敵に与えたダメージが下段に出るので、被ダメージと混ざってやや分かりにくかったです
レビュー サクサク進める王道RPG
レオの軌跡~集いし6つの希望~は、サクサクと進めることのできる王道のRPGです。 作者のフィールMXさんは過去のウディコンでも、同様にサクサクと遊べるRPGを制作されています。今作もその例に漏れず、ストレスフリーで進められる作品となっています。
以前に作者さんの作品をプレイしている方には説明不要ですが、この作品もまた、徹底してストレスとなる要因を排除しています。 戦闘は高速に進み、移動もダッシュで高速化でき、迷路は複雑でなく、世界中を回りたくなったらワープもできます。 とにかくあらゆるシステムがストレスを徹底的に取り除いており、始終快適なプレイが約束されています。
加えてストーリーの面でも、最初のうちは進むごとにマップが分かれており、序盤で迷わないように配慮されています。 目的もまたはっきりとしており、最後までどこに行くか迷うこともありません。
ただし、サクサク進むからといって、一方通行になぞるだけのゲームではありません。 実績システムが搭載されており、少し脇道にそれたイベントを達成すると、様々な実績が解放されます。これにより、ちょっとした探索要素を楽しむこともできるでしょう。
このゲームは、RPGとしてシンプルに、かつストレスなく進められる作品となっています。 サクッとRPGを楽しみたい方にお勧めです。
感想 前プレイしたことあったかなと疑うレベルには、既視感のあるゲームデザインでした。ウディコンとしては3回目ですかね。 相も変わらずサクサクと進み、すべてがスムーズに終わります。
迷路は複雑じゃない上に、ダッシュはあるから広くても問題ないし、ワープは後半にできるようになるしで至れり尽くせりです。 個人的には機能の公開タイミングも良いと思っていて、キャラの入れ替えやワープが本当に欲しいタイミングで出てきている印象です。
そして、サクサク進むことの弊害として、雑魚戦にもボス戦にも思い入れがあんまりないというのも、前回から大して変わらない感想です。 雑魚の見た目だけ見ると結構特徴的で愛着のわくデザインをしているんですが、じっくり見る間もなく決定キーとサブキーを押していると消し飛んでいきます。今思い出そうとしてるんですが、絵柄の違うやつが剣士だか何だかの役職みたいな名前でいたような気がする位の認識です。 ただ、雑魚に関しては所詮雑魚なのでこのままでも大して問題になるとは思っていません。筆者もFFの道中の雑魚を全部覚えてるわけではないので。
一方で、ボスですら弱点探って殴るだけで、何か特徴的な戦闘パターンをしてきたりとか、何か特殊な挙動をしてきたりとか、そういった記憶に残る行動があんまりありませんでした。 あいつはこういう行動が脅威だったけど、何度か対処しきって紙一重で勝てたとか、あの行動を完封してやったとか、そういうボスごとの体験みたいなものが薄いので、いまいちどのボスも思い出せません。 もしかしたら、パターンがあっても気にしないで殴れるバランスということなのかもしれませんが。 ラスボスを例にすると以下の感じです。 基本雷の単発技か全体技でそれ以外はありません。回複を適度にやって、弱点の炎をつき続ければ倒せます。体力が減っても行動変容はなさそうですし、何か大技があるわけでもありません。
ただ、これは裏を返せば特に難しい思考を要求することなく、戦闘の気持ちよさだけを享受できるバランスではあるので、こういうのも良いなあとも感じています。何より一切疲れません。本当にストレスフリー。 今ウディコンでいえばESCHATOLOGY2のボス戦は、歯ごたえある分死ぬほど疲れて、休憩入れないと継続できない時もありましたが、こちらの作品は一気に走り抜けられました。プレイ時間以上に、気持ちの中でかかった時間みたいなものがかなり短く感じています。消費MPが低いイメージです。 これはこのゲームのめちゃくちゃ良いところなので、半端に戦闘バランス見直すと悪化しそうとも思えて、難しいなあと思いながらここまで書いています。早い話が好みですね。なので気になった点には当たりません。
話を変えて、めちゃくちゃ細かいというかどうでもいい点で気になったことして、マリーンが最初に一つも魔法を習得してないという点があります。 どうせすぐ覚えるんですが、私の魔法でドッカーンと言ってるのに最初にドッカーンできないのがやや違和感ありました。
別の話として、大きなコインが余るほど置いてるみたいな細かい配慮も好きです。なんやかんやで見逃すと探すのが億劫そうな要素なので。こういう細かい点でもストレスフリーなのは配慮の幅が広いなあと感じていました。 またアイテムの話でいうと、結局宝石は手に入らなかったんですけど、どこで手に入るんでしょうか。
4. 【豪華フルボイス!】所持金がゼロになると爆死するウルファール
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
1.0相当
ハードでクリア
良かった点
気になった点
ボイスそれぞれの音量がバラバラでした
前の声のSEがかぶって意味不明になりがちです
レビュー タイトルがすべてを物語る
【豪華フルボイス!】所持金がゼロになると爆死するウルファールは、そのタイトル通りの作品です。 あえて説明をするならば、所持金というリソースを何に使って戦闘に挑むかを決めるRPGとみなすこともできますが、そういう無粋なことは考えずに、タイトル通りのものと受け取ることをお勧めします。
このゲームは、最初に渡された100000ゴールドのお金から始まります。 各所にいる村人に話しかけると、その対象に応じてお金と武器やスキルとの交換が発生します。かかるお金やもらえるものは様々で、高いお金と引き換えにいい武器がもらえることもありますし、安い分弱めのスキルが手に入ることもあります。 魔王に挑むために、こうして武器とスキルをそろえていきましょう。
しかし、ただ闇雲に話しかければいいというものではありません。 タイトルにもある通り、所持金を使い果たすとウルファールは爆死してゲームオーバーになってしまいます。村人にむしり取られるお金は話しかけてみるまでわからないため、所持金0チキンレースのスリルを味わうことができるでしょう。
また、このゲームのもう一つの特徴は、これまたタイトルにもある通り、ほとんど全編がフルボイスになっていることです。わちゃわちゃと聞こえてくる声には、お祭りのような良い騒がしさを感じられます。
一見、タイトル通りのネタに振ったゲームに思えますが、ゲーム性の部分はシンプルに構成され、さっと終わるちょうど良い作品となっています。フルボイスの嵐を体験してみるのはいかがでしょう。
感想 全体的に学園祭みたいなノリのゲームです。みんなでワイワイ楽しんでいる感じです。
筆者は割と真面目に爆死しながら情報を集めてクリアしたのですが、このゲームの楽しみ方から外れていたなと感じています。 情報を一切集めずに手に入れたリソースだけで戦って敗北するとか、金額が残るチキンレースをするとか、そういったところに楽しみがありそうです。
完全に情報を集めた状態でやると、フリーズエッジとアイスレインを習得して黄金の杖手に入れてぶっ放せば良いということになってしまいます。 魔王の弱点が氷固定っぽいので、ほかの魔法を習得することなくそれでごり押せます。道中の雑魚にも氷弱点がいるので、そいつを狙えば前段階も問題なしです。 という風に真面目に考察するとシンプルになりすぎるので、やっぱり何度もやらずに思い思いのスキル構成で挑んだほうが良いと思います。
フルボイスについては、よくこんなにいろんな人のボイス入れたなあという気持ちがあります。人脈が広い。 ただ、サクサク進む文章とフルボイスの相性はかなり悪くて、ボイスの重なりがほぼ確定で起きてしまって意味不明にはなりがちでした。この方の作品の文字の表示速度は個人的には好きなんですが、こういうボイスゲーに適した速度感ではないのかもしれません。 せめて直前のSEを切っておいてくれるだけでも、大分緩和しそうではあります。
一応、せっかくなので集めた情報も置いておきます。
家前男 30000 黄金の剣
家前鳥 5000 雷のリストバンド
家前子供 11000 メガヒール
倉庫男 5000 氷のリストバンド
倉庫カメレオン 10000 鉄の斧
倉庫女の子 8000 剛強牙斬
倉庫怪しい 11000 パーフェクトヒール
倉庫学者 8000 ポイズン
倉庫ヤギ 20000 豪華なローブ
湖狐 15000 頑丈な鎧
湖馬 30000 豪華な鎧
倉庫の道女 8000 強牙斬・追刃
家女 8000 攻めの構え
家男 12000 大回転斬
家インコ 5000 ぼろいくつ
家ゾンビ 7000 新品の靴
家ニワトリ 10000 鉄の杖
家狼 9000 最新の靴
家外男 8000 サンダーストーム
畑右上男 9000 ヒール
畑右下女 8000 回転斬
畑魔女 5000 炎のリストバンド
畑男 8000 守りの構え
左倉庫男 8000 チャージ
左倉庫女 8000 スリープ
左倉庫カラス 10000 頑丈な服
左倉庫下女 8000 ファイアトルネード
左家中男 6000 フリーズエッジ
左家外男 8000 サイレス
酒場猫 20000 黄金の斧
酒場イヌ 10000 頑丈な服
酒場外男 8000 アイスレイン
酒場子供 6000 強牙斬
酒場マスター 6000 フレアボム
酒場女 20000 黄金の杖
酒場戦士 6000 ライトニングアロー
ここまで調べてたら、そりゃあ楽になるというものですね。こういう楽しみ方はなんか違いそうです。
5. 放課後迷宮サバイバル
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
1.04
全ENDクリア
良かった点
料理の幅が広く、楽しめました
イベントもついているので、つい料理してみたくなります
色々なイベントがあって楽しめます
気になった点
拠点の一番上の選択肢がキャンセル不可の休憩のため、誤爆しがちでした
やや時間がとられる程度ではありますが、調理や記録のために調べたときに少しストレスでした
レビュー アレを食べる発想はなかった
おいしいものと聞かれて、何を連想するでしょうか。その質問に対して豊富な回答が出るほどに、世の中は様々なおいしいものであふれています。
放課後迷宮サバイバルをプレイすることで、そのおいしいもののリストに新たな1ページが刻まれることになるでしょう。このゲームは、おいしいものを食べながら進めるRPGとなっています。 全10種のバラエティ豊かな料理により、色々なおいしいものを食べることができるでしょう。
そんな、おいしいものの材料はダンジョンにあふれています。ダンジョンを巡り、倒した敵は材料となるからです。 ネズミだろうとムカデだろうと、あるいはそんなものを食べるのかというものであろうと、ここでは大事な食糧です。ありがたく頂きましょう。 そうして料理をすることで回復アイテムを手に入れるだけでなく、ちょっとしたイベントも見ることができます。
さらに、そういったイベントを織り交ぜつつ、シナリオは予想外の展開へと転がっていきます。 料理だけではなく、物語の面でも飛んだ展開を見せてくれることでしょう。
こうした外連味たっぷりの料理などの一方で、ゲームとしてはオーソドックスなRPGに仕上がっています。やや攻撃に重きが置かれたスピーディーな戦闘が楽しめるでしょう。 しかし、このゲームはただオーソドックスなだけでは終わりません。最後には疾風怒濤な戦いが待ち構えています。
おいしいものを色々と食べながら、ダンジョンを攻略してみてはいかがでしょう。
感想 常に想像の一歩上に出てくれていた作品でした。 はじめはゲテモノ食いかなあと思っていたら、急にエクトプラズムを調理したと思えば、最後は戦車に乗って無双し始めます。そして、ちゃんと戦車を使うことで伏線も回収してきます。 このあたりの妙なものを出すバランスが絶妙でした。
このゲテモノ食いというか、料理はこのゲームを特徴づける要素の一つなんですが、料理自体はともかく、料理アイテム自体にあまり魅力がないのはやや気になりました。 料理という行為そのものは、初回はイベントありますし、変なものができる面白さもあって楽しめます。
一方で、出来上がったアイテムはHP/SPの回復と状態異常の回復で、戦闘を継続するには使いますが、そうでなければ使いません。 また、戦闘中に使えないものも多いので、それこそダンジョンを回る時に活用することが多そうですが、使うくらいなら拠点に戻ってついでにセーブしがちです。 加えて、料理コマンド自体拠点でしかできないので、なおのことあんまり使わなくなります。道中で使えれば、料理した上で回復させるみたいなことができるんですが、拠点であらかじめ作っていたのものしか使えないのでなかなか難しいです。
休憩はできないけど料理と記録はできる拠点みたいなものがあれば、そこで料理を作って継戦に備えるみたいなこともできた気はします。 それが面白さにつながるか、面倒さにつながるかは半々だとは思いますが。
RPGなので、戦闘バランスについても若干触れます。 ウディタデフォのため、クリティカルが厳しめなバランスですが、一瞬で即死することはあんまりないので、程よく簡単めくらいに感じています。 ステージ2みたいなところで、急に強いのが3体出てくるので、そこだけレベルカーブが急だなあという印象は受けました。 最初のうちは1体ずつお出しして、最初のボス抜けてから増やしてもいい気はします。ただ、まったく勝てないというほどのバランスではありません。
全体的には攻撃に重きが置かれたバランスに感じていて、やられる前に鼓舞してパンチラキックとラッシュで刈り取っていくスピーディーな戦闘が楽しめます。 この辺の緊張感はありつつ、爽快感のあるバランスは好みでした。
あとは、最後の戦車ゾーンが好み分かれそうですが、個人的には好きです。 物語の展開も相まって、あらゆるものをなぎ倒していく爽快感がありますし、その爽快感のおかげで一週目では伏線が頭から抜けやすくもなっています。 戦車前に中ボスがいれば、ここまで成長させたことを無駄にする感じは消えそうですけど、そうなると後半の疾走感がやや落ちるので難しいです。個人的には、ここに中ボスはいないほうが楽しい。
細かいポイントですと、ちゃんとこっちの名付けた名前にラスボスがなってくれるみたいなところも好きです。
あとは完全に余談ですが、戦車に乗らずに遅延行為直前までは行けたんですが、遅延行為を戦車抜きで倒せるのか若干気になっています。誰か試した人いないかな。
この絵面の絶望感たるや。
6. 目回し雪山登り
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
1.1
クリア
良かった点
ヘルプが動画で分かりやすいケースが多くありました
パズルの種類が多く、ギミックも順次増えて楽しめます
気になった点
恐らく使っていなさそうなファイルが多く同梱されていました
操作性がかなり独特でした
文章表示に枠などがないため目立ちません
加えてモーダルウィンドウなのでやや操作を阻害します
レビュー 頭が回ってこんがらがる
目回し雪山登りは、頭を回してパズルを解くゲームです。
基本的な操作としては重力を操りつつ、時には足場を置いてキャラを動かしていくことになります。しかし、ただ目を回して重力を変えて道を進んでいくだけで終わるほど、このゲームは一筋縄でいくものではありません。 重力による落下で壊れ形を変えていく氷、重力でモノが動くことで目まぐるしく変わっていくスイッチ、果てはワープまで、様々なギミックと格闘し、頭をフル回転させなくてはクリアは望めないでしょう。
そうして頭を使ってパズルを解くことで、ステージを少しづつ進めることができます。 ステージは山登りを模しており、いくつかのルートから攻略が可能です。自分が得意なステージがあるルートから進めて、登山を進めていきましょう。
複雑なパズルに頭も目も回してこんがらがってみてはいかがでしょう。
感想 割と初期バージョンのほうでプレイしてクリアまで行ったので、操作性の厳しさと戦っていた印象が強い作品です。
スマブラなんかのゲームで、プロが手元の操作に脳内リソースを割くと他に割り当てられないから読み合いに割けないみたいなことを仰っていた記憶があります。 このゲームも操作にリソースを割くので、パズルを解く方にあんまり割けなくて最初のうちは楽しみにくかったです。 そこそこ操作に慣れ始めた後半ですら、それでもちょっとは操作にリソースを割いてたので十全に楽しめていたかはわかりません。
ただ、この辺りはキーコンフィグをやれば解決できるので、まだプレイしていない方にはお勧めします。筆者はクリア後に存在に気づきました。 加えて、アップデート後は決定、キャンセルは直感的なのである程度はやりやすくなっています。今がおすすめ。地味に欲しかったヘルプをAで閉じられる機能もあります。
なお、キーコンフィグをちゃんとしても、Qを入力してから向きを入れて決定を押す三操作が必要だったり、Undo時に文章が出るため決定キーで送る必要があったりといったところは残っていますが、それでもかなり操作しやすくなっています。
この操作方法を見て、――これはめちゃくちゃ余談かつ雑な推論ですが――作者さんは多分Vimが好きだと思っています。
ちなみに、パズルは楽しいです。 重力回転型パズルというと、MIND CUBEとかThe Bridgeとか色々とありそうですが、その中でも面白い方のパズルです。 ああいった類のゲームは、L/Rで重力を回転させる仕組みが多いんですが、こっちは縦横無尽に重力を変えられるのでかなり自由にパズルが構成されています。
加えて、氷やワープといった仕組みも入って、複雑になっていくとより楽しいです。 氷に関しては、手数だけなく回転数にもスコアへの影響を与える要因にもなっていて面白いです。
ここで話は変わるんですが、できない理由の説明がかなり独特なゲームでもありました。 「条件31の下では行動左動はできません」とか、条件31って何だろうみたいな気持ちになります。行動左動みたいな独自用語があるのも特徴的です。意味は大体感じからつかめますが。 条件をビット制御して、その時の値を出してる気がしないでもないんですが、確証はありません。地味に気になっています。
グラフィックについても多少触れておくと、氷が氷っぽくなかったり、刃が刃っぽくないのだけ若干気になっています。 初見であれを刃と認識できる人は多分いないとは思うので、もう少し刺々しいものがほしいです。シロフィーアのゴルドーみたいなやつが個人的には好きです。 あとは、カメラ中心としてネコがチョイスされていて、ちょいちょい邪魔に感じることもありました。フレームだけの存在とか、中心っぽさがあって邪魔しないデザインが良い気もします。
あと個人的には、「つまりいうと?」が唐突に出てきたりと、やや日本語にも違和感を覚えました。 全体的に言葉があんまり出てこない上に、各ステージのセンテンスは詩的なので気にならないから、チュートリアルくらいでしか思ってはいませんが。
最後になるんですけど、Q&Aに大体ほしい情報は書いてあるので、まずQ&A読むといい感じがします。 必要に迫られてから読んではいたんですが、チュートリアルやヘルプだけではわからないことが結構載ってるので、早めに確認した方がよかったと感じています。筆者はReadMeだけ読むタイプだったのでミスりました。
7. Daylight
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
4時間
1.00
全ENDクリア
良かった点
戦闘バランスがちょうど良かったです
宝箱によって暗に推奨レベルを示すシステムのおかげでちょうど良い戦いが楽しめました
マルチシナリオと様々なサブイベントにより、RPGをしているという感覚が強く味わえました
気になった点
出口が限定的かつややわかりにくかったです
一度石の間と理解するとむしろわかりやすくはありました
レビュー 原色のJRPG体験
RPGというジャンルは今や広範に渡るものとなっており、様々なゲームにその名称がつくようになっています。それゆえ、RPGと呼称されたときに、その言葉が示す意味はあまりにも広大なものとなっています。しかしその中でも、日本におけるRPGの原体験たるドラクエやFF等のゲームに近いものを、特にJRPGと呼ぶことがあります。 Daylight の描くゲーム体験は必ずしもそれらと軌を一にするものではありません。しかし、この作品は間違いなく、強くJRPGを感じさせるものとなっています。
Daylight のシナリオはマルチシナリオとサブイベントから構成されています。このため、プレイヤーの行動をもとに、ストーリーは紡がれていくことになります。 選択するということには必ず結果が伴うものであり、選択しなかったということにさえも結果が付きまといます。こうした道中の様々な選択により作られていく物語は、確かにプレイヤー自身が積み立てた物語となっていくことでしょう。 この選び取ったという行為が形作っていく体験は、確かにロールを演じるという体験へと繋がっています。
加えて、そうして紡がれる物語は、王道へのアンチテーゼ的なシナリオながら、何よりも王道な展開へと収斂していきます。 光が支配し闇が消えた世界において、闇を還すために旅する主人公たちは、その立ち位置こそ反対に座しています。しかし、その目指す視点は揺ぎなく前を向いたものです。 邪道にある設定をもって王道を渡る力強さが、このシナリオを強くたらしめています。
JRPGにおいて欠かせない戦闘という体験についても、抜け目はありません。 連戦すれば雑魚でも厳しく、ボスは単独でも歯ごたえのある難易度となっています。火力と火力のぶつかり合いのような戦闘バランスは、強者と渡り合う緊張感を強く演出しています。 あの雑魚には苦労させられた、あのボスの攻撃で負けるかと思った、そういった戦いの記憶が物語と渾然一体となり、JRPGでしか味わえない体験へと昇華されていきます。
Daylightは、そういったようなロールプレイングゲームをプレイしているという感覚を、強く呼び起されるゲームとなっています。ぜひともプレイして、JRPG的な体験を存分に味わいましょう。
感想 今ウディコンはRPGが多めに広く出ていたなあと勝手に思っているんですが、中でも一番RPG然としていたというか、遊んでいてRPGをやっている感が一番強かった作品です。 白状するとサムネの期待値がそんなに高くなかったこととの落差というものはありそうですが、そういうものを差っ引いたとしても良い作品です。
RPG感があったのは、ところどころにある分岐を選択していくマルチシナリオと、各所にあるサブイベントの豊富さかなあと思っています。 前者は選択していくことで、自分で選び取っていく雰囲気がまさしくロールプレイです。後者は本筋の外に抜けて動き回ると色々なことが分かるというあたりが、冒険しているという感覚を否応なしに高めてくれます。
筆者の選び取った選択だと、最初は洞窟を抜け、橋の男を倒し、闘技場を攻略し、大体見える範囲のサブイベントは回収しました。 闘技場攻略したときは山が消えるとは思ってなかったので、山のイベントを見逃してる可能性は高そうです。 2周目は不戦になるようにイベントを選び取っていきましたが、こちらで補完的に分からなかった物語が回収されて良かったので、まだの方は不戦もやったほうがより楽しめると思います。
個人的には戦闘バランスも好きで、勝つときはぎりぎり勝てて、勝てない相手には本当に勝てる気がしない良いバランスでした。やや攻撃偏重気味なバランスが性に合ってるので、火力と火力のぶつかり合いみたいなバランス感覚のこのゲームは好みです。回復して技こすってるだけじゃ勝てない。 雑魚敵も強すぎず弱すぎず、連戦するとちょうどいいくらいに削られていくバランスです。 レベリングの指標として宝箱が置いてあるので、ダンジョンのボスに挑むタイミングなんかもちょうど良くなるように調整できて、レベルデザイン的にもよくできてるなあという気持ちです。
ストーリーについても、夜という闇を取り戻すことを目的とした、光が正義みたいな感覚に対するアンチテーゼ的シナリオが良いです。 FF3とかでも、光と闇は結局バランスだよねみたいな話はあるんですが、何分光の戦士だの言われるせいで、世の中的というか心情的には光が正義の印象が強いですね。それの逆を突いてきた上で、ちゃんとまとまったストーリーになってるので良かったです。 最後の演出とか、この設定じゃないと光らない演出だと思っています。
個人的に触れておきたいところとしては、オープニングの梯子上る過程を省略していくスピード感が結構好きでした。鬼竜島戦記といい、オープニングのスピード感が良い作品は、大体良い作品だというのが分かります。
各所のサブイベントで展開されるお話も短長様々ですが、短編でも良いものも多くあります。個人的にはサンライト周りのお話と、空想のお話は好きです。 後サブイベントというほどでもないギャグイベントも、いい清涼剤として働いています。後半のもはや意味わかんないものでイベント発生した時が一番好きです。
なお、全体の時間配分的には、最初にEND3を見たのでそこまでに3時間30分、END1を見るために30分、END2はすぐに見れたので時間はかかっていないという感じです。 たぶん、初めはEND1を見たほうが色々と思うところがありそうで良いんだろうなあという気持ちになっています。マリアまわりを後で回収することによる驚きもありますけど。ただ、初見マリアに会わずに孤児院行くと唐突すぎて何が起きたか分からない。
マリア以外にも周回で意味が分かるイベントは結構あって、例えばこのスクリーンショットなどがあります。 これはなかなか来るものがありました。初見だと分からないけれど、周回すると残酷に意味を持ってきます。
あとこれは個人的な好みなんですが、住民の会話がファンタジーっぽくないというか現代的なものだと、世界観が良くわからないことになるなあという印象でした。ある程度のメタネタなら問題なさそうなんですが、モブの会話の端々に出るとやや気になってはきます。
さらにどうでもいい話をすると、この世界の回転が強い喜びを表しているのが、なんとなく面白かったです。これは言語化できる理由はないんですが、どういうわけかツボにはまったみたいです。
ちなみに、JRPGは多分原義的にはマルチシナリオを含まなかったと思います。なので、このゲームがJRPGであるという主張は間違っているんですが、JRPGを強く感じたという話なので、大目に見てくださると幸いです。
8. キョーカマン~蒼い鳥の唄~
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
1.0相当
クリア
良かった点
戦闘バランスが良かったです
ストーリーはノリと勢いからきちんと展開させる良質なものでした
気になった点
アニマ選択が完全な選択肢のため、やや使いにくかったです
装備欄のように現在のアニマ、選択可能なアニマ、アニマの説明がセットで存在して直感的に付け替えられると便利そうです
レビュー その蒼き物語
RPGというものの体験は、その多くが物語と戦いに帰するものです。 互いの体験が互いに影響しあい、よりその印象を強く与えていくことで、RPGというものの記憶は出来上がっていきます。
キョーカマン~蒼い鳥の唄~が紡ぎだす物語と激しい戦闘もまた、こうした記憶への確かな印象として作用します。そうして、この作品はオーソドックスなRPGとして、そしてRPG然としたRPGとして確かに記憶されるものとなっていくでしょう。
最初の方こそノリと勢いで構成されたシナリオが展開されていきますが、中盤から性質が変わり物語は綺麗に転回します。その一方で、目的そのものはぶれずに進み続けることで、芯の入った急展開へと突入していくことになります。 すべての物語を終えた時、副題に込められたその意味を受け取ることになるでしょう。
このシナリオを支え、強く印象付ける戦闘は、適切に成長させる必要のある戦闘バランスとなっています。 プレイヤーはアニマというジョブのようなものを選ぶことで、成長の方向性や覚える技を決めることができます。4人のキャラクターをどういったバランスにして敵と戦うかは、プレイヤーのアニマの使い方に委ねられています。 さらに、上手く成長させていっても容易とはいかないボスとの戦いは、挑戦しがいのあるものとなるでしょう。
キョーカマン~蒼い鳥の唄~は、その物語の展開でも、強力な敵と戦う戦闘でも、最後まで気の抜けないRPGとなっています。シンプルにRPGをやりたい方にお勧めです。
感想 筆者は7から8の順番でプレイしたからか、どちらかといえばDaylightの方に軍配を上げたくなるものの、どちらも良いRPGです。ノリと勢いで異端っぽさがありますが、骨子がRPG然としていて好き。
最初のほうこそギャグとノリで構成されたストーリーを展開しますが、中盤くらいから急にシリアスになります。温度差で風邪ひきそうなレベルです。 これで物語の筋まで急カーブしてたら追うのがきついんですが、目的と対象ははっきりしてるので、その辺で上手くカバーしている印象です。 終盤までくると、序盤には考えられないような感動をすら覚えました。
戦闘バランスについては高難度を謳っていますが、理不尽に難しいというよりは、ちゃんと適切に技を覚えて育成しないと辛いよねくらいのバランスです。 筆者はやや技に特化しつつ攻撃振りに育成したので、他の育成方針だと多少印象も変わるかもしれませんが、大まかには難しすぎず、シビアな殴り合いが楽しめるバランスでした。
最終ダンジョンがセーブ不可なのはクリスタルタワーかと思わないではありませんでしたが、中のボスが適切に強いので良い緊張感があって好きでした。 これでダンジョン中のボスがDaylightの魔王みたいに、そこそこ強烈に強かったら折れていたかもしれないんですが、ラスボス含めて簡単すぎず、かといって事前の対策なしでは勝てないほど強くもない良い塩梅でした。
あと細かいラインでいうと、顔グラフィックがアニマに応じて変わるみたいな細かい違いも好きでした。
アニマ選択だけやや面倒な設計というかUIになっているんですが、アニマ選択自体があんまり頻繁に行われるものでないので大きな問題にはなっていません。 技をある程度習得したかなとか、別の能力上げるかなみたいなタイミングでしか変えておらず、多分十数回くらいしか使っていないので。 ただ、それでも装備みたいな使い勝手がよさそうな気はしています。 ウディタ製のゲームでこの手の仕組みをやるとき、装飾品みたいな立ち位置でDBに入れて装備欄にがっちゃんこする設計をよく見かける気がするんですが、この作品はそうしてないようなので、何か問題があったのかもしれません。顔グラフィックの変更とか、一括で処理する内容が多かったのかな。
9. シンプルなダンジョンでLv99を目指す
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
45分
1.0相当
Lv99
良かった点
気になった点
周回を想定しているデザインですが、毎回チュートリアルを挟んでいてやや煩わしいです
お金の価値がかなり低いです
全体的にUIの階層がやたら深いです
レビュー Lv99までは大体6周
シンプルなダンジョンでLv99を目指すは、ひたすらダンジョンに潜ってレベルを上げるゲームとなっています。ダンジョンに潜り、敵を探して彷徨い歩き、ひたすら戦うことでレベルを上げていくことが目的となります。 ダンジョンを一周するごとにキャラはどんどん強くなり、最終的にはLv99に到達することも可能です。
潜るべきダンジョンは3D表現がされており、その中で縦横無尽に動き回ることができるでしょう。
ひたすら3Dダンジョンに潜っていきましょう。
感想 毎回3Dに凝っている方の作品ですが、今回は3Dダンジョンライクな作品です。
今作だと、テーブルトークなRPG特有のダイス処理をカットする機能があって、限りなくデフォルト戦闘に近い状態になっています。 ダイスを振る特色は消えてしまっていますが、テンポ感は間違いなく改善しています。この辺のトレードはどっちがいいのかわかりません。 個人的には、どこか画面の片隅で高速で回ってるサイコロでも出すか、さいころ回しても問題ない戦闘バランスと人数にするあたりが折衷案かなとは感じていますが、双方とも実験しないと実態は分からなそうです。
個人的にそれ以上に気になってるのは、UIの階層が深いことのほうです。 ダンジョン外では装備、内では所持品を使うと思いますが、どっちも一回パーティを経由します。これがちょっと煩わしめです。 加えてクリティカルなのが通常攻撃相当の攻撃の際にも、一回特殊技能を経由するという点です。そも力ためと攻撃くらいしかないので、特殊技能というワンクッションの存在意義も薄めです。 これは戦闘の一ループで6回でいい操作を12回に増やすのでシンプルに煩わしさ度合いが高めでした。
あと、これは別の話になるんですが、ヒールみたいな技能もないのにメニュー中で技能が選べるのもかなり謎ではありました。
話を変えて面白い機能として、マップ上で何らかのオブジェクトに当たるとぬるっとずれるという機能があります。 アクションゲームなんかで壁に引っかかって動けなくなる煩わしさを避けるために導入することも多いあれです。 ただ、このゲームではちゃんと隣接した上で会話しないと諸々発生しないので、ぬるっと動かれるのは逆に面倒にもなっていました。グリッド移動でぬるっとして嬉しい場面もあんまり思いつかないので、この機能の存在意義はよくわかっていません。
ここまで色々書いてますが、1週目の戦闘バランスは今までの作品の中でも一番ちょうどよかった印象です。 回復アイテムをちゃんと切らないと継戦しにくく、早く切りすぎると多分厳しくなるいい塩梅でした。2週目以降は金が余るのもあってぬるくはありますが、1週目については結構ギリギリの戦いができると思います。
ちなみに、これは最後まで分からなかったことなんですけど、ACってなんのパラメータなんですかね。防御力でしょうか。
10. UMAFILE
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
1.7
全ENDクリア
良かった点
様々なアクションが変化をつけて楽しめるので、最後まで飽きません
ストーリーも視点や場面が変わりつつテンポの良い展開になっています
ガンアクションの難度は程よく難しいです
気になった点
ウモッカパートは三重苦のきらいがありました
細かいレベルの不具合が多い印象です
同時系がいくつかと、会話時の名前が違うなどの細かいものもそこそこあります
レビュー 夏だ、冒険だ、UMAだ!
ウディコンと言えば毎夏に開催されるものであり、夏を強く想起させる作品は過去にもいくつか出展されていました。青空に夏を思う作品に、涼やかに夏を切る作品、深緑に夏を感じる作品、海に夏を覚える作品と、様々なバリエーションの作品があります。 その中でも、UMAFILE は冒険に夏を強く想起させる作品となっています。
UMAFILE は極めて多彩なアクションを提供するゲームです。基本的には各所を探索していくシステムを取りながら、要所要所でアクションが盛り込まれています。 ガンアクションをベースに、水中、避け、パズルと様々なアクションを楽しむことができます。基本となるガンアクションでも、敵の動きや数、パターンや攻略法は様変わりしていくので、色々なバリエーションを味わうことができるでしょう。 そうした多様なアクションが織り込まれていくことで、冒険譚としての体験は否応なしに増していきます。
そのアクションで対峙することとなるUMAもまた、様々な種類がいます。著名なUMAもマイナーなUMAも構わず襲い掛かってくるので、こちらも様々な方法で対抗していきましょう。 このUMAという未知を追う行為そのものもまた、冒険している気持ちを高めてくれます。
さらにこの作品は、物語についても冒険を強く意識させるものとなっています。大人から子供まで、次から次へと視点を入れ替え進んでいく物語は、様々な形での冒険をプレイヤーに体験させてくれます。 また、その所々に挿入されていく一枚絵の雰囲気も、そうした感覚を下支えしています。 そうしてテンポ良く切り替わっていくシナリオは、UMAという軸を中心に収斂していき、やがて一つの大きな冒険譚として結実していきます。子供も大人も一体となった冒険の行く末はどうなっていくのか、UMAとは何だったのか、その答えが紐解かれることになります。
この夏は、UMAを追って冒険してみてはいかがでしょう。
感想 のびハザっぽいガンアクションを中心に、いろんなアクションやら探索要素やらがまぜこぜになったゲームです。各所で要求されるアクション性がどんどん変わっていくので、最後まで飽きずにやれます。
ベースとなるガンアクションも敵の動きや数、パターンなどに違いを出していますし、それ以外のアクションも水中に避けにパズルと色々あります。この合間に探索パートが来たり、並行して探索や謎解きが行われたりと、ゲームのやり方の変遷が目まぐるしいです。 どれもそこそこ難易度が高いですが、アクションの簡単モードもあるようなので、多分何とかなると思います。
個人的最難関は、視界が悪い中で、ジャンプを使った経路探索を行う必要があり、かつ触れると即死の敵がいるウモッカパートです。 前者二つで色々見て回らないと経路が分からないようになっているのに、後者の存在がそれを脅かしてきます。自然、やられながらか水没しながらちょっとずつ経路探索を進めることになるのでやや辛めでした。 ガンアクションはどれも平均的に歯ごたえのある難易度で難しいですが、マグナムは装備しないと意味がないことを知らずに戦って倒したビッグフットが一番強かったかもしれません。二週目でマグナム装備したらあっさり倒せました。渡されたら装備してると勘違いしてました。イーリスに怒られそう。
ストーリーについてもアクション同様、視点が次々と変わっていくテンポの良い展開になっています。 大まかには大人の視点と子供の視点に分けられ、後半はそれらが混ざりつつ進行していきます。子供が活躍しないで足手まといになるパターンでなく、ちゃんと子供も活躍します。頼りになるタイプの少年探偵団。 場面転換もスピーディーですし、舞台となる所も相まって、冒険とか探検している感がいっそう強くなります。夏にやるには良いですよ、このゲーム。
一方で、0.0秒時に死んでるとデッドロックとか、倒したはずのチュパカブラがジャンプしてきたりとか、位置を保存してないのでマップ入り直すと初期位置に死体が動いていたりとか、会話時の名前が違ったりとか、立ち絵の暗転が違ったりとか、細かいレベルの不具合は結構遭遇します。 これが本当のデッドロック。多分、死亡による入力疎外と、それにより文章が送れないためにイベントが進まないのだと思います。最新版でも起きるっぽいです。若干意味が違うような気もしますが、何となく語呂が良いので書いてしまいました。
とはいえ、上記は狙わないとそう起きるものでもありません。なので、致命的な不具合はあんまりなく、動作にそこまで影響を与えてはいないと思います。そういうものとして受け入れたほうが良いです。 個人的には、不具合というよりは仕様よりなんですが、チュパカブラがジャンプするとジャンプ先にすでに判定があって進めなくなる方がやや厳しかったです。見た目上そこにはいないので、慣れるまでは迂回が結構難しくなります。
ちなみに抗体データ取りそびれていたので、30分かけて再走してGood Endを見ています。 フィルム集めもしようと思ったんですが、ナイフはともかくノーダメージクリアは無理っぽいので諦めています。
レビュー最後に夏と言ってますが、多分これ書き終わるころには秋になってますね。許してください。
11. バリバリダア
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
1.0相当
クリアx2
良かった点
BGMが良かったです
ルールはシンプルで分かりやすかったです
気になった点
コンボがあるにもかかわらず、画面情報にそれがありませんでした
特に序盤は目標スコアを超えた後は暇でした
レビュー せーのっ
バリバリダアはひたすらバリ資源という古紙みたいなものを破っていく、根源的な爽快感を携えたゲームです。
プレイヤーが使うことになるのはわずか二つのキーです。その二つのキーは、それぞれ紙の左右に対応しています。 ゲームでは、画面に出る紙のそれぞれのヒビに応じた回数だけ、対応した方向のキーを押すことで、バリ資源を完全に破ることができます。 こうしてバリ資源を可能な限り破り、スコアを高めていくのが基本的な流れになります。 なお、すでに破った方向のキーを間違えて入力するとコンボが途切れるため、ミスをしないことがスコアを高めるカギとなっています。 軽快なチップチューンサウンドをバックに、ひたすらバリ資源を破っていきましょう。
その勢いのあるゲーム性に相応しく、閑話となるストーリーも勢いでどんどん進行していきます。主人公の前に立ちはだかる様々なキャラクターと、それに応じてどんどん上がる目標スコアに食らいついていきましょう。
皆さんも、バリバリダアしてみませんか。
感想 2キータイプのミニゲームです。One Finger Death Punch といい、この手のタイプは明快さと爽快感の双方が要求されますが、このゲームはどっちも満たしています。 紙の状態に応じて一定回数キーを押せばクリアという単純なルールと、紙を破るという根源的な爽快感がセットになっていました。
勝利条件はやや特殊で、99秒経過後に目標スコアを上回っていれば勝ちというものでした。なので、特に序盤は10秒くらいでスコアを抜いて、あとは惰性で続けるみたいなことはあります。 ただ、終盤くらいになれば、ちゃんとミスなくテンポよくさばかないと負けてしまういい塩梅の目標スコアになってくるので楽しめます。
そういう意味でも、目標スコアを超えたら終了でいいんじゃないかと最初のうちは思っていたんですが、そうするとタイムアタックの様相をより強く呈してくるきらいがあります。 本質的には終盤はそうであれ、99秒までやり続けることにより耐久タイプである印象が強くなるので、そういうゲームを目がけているなら、今の方針がベターっぽい気もします。
ストーリーは勢いでどんどん進行するタイプで、ゲームの規模にちょうどいいくらいです。 その中の演出として、ボスが第二形態になってくれるのは好きなので、できれば目標スコアも500なり1000なり上がって欲しくはありました。
ただ、最終的にはすべての敵が目標スコアの違いくらいでしか差別化されないので、どうあがいても飽きがきそうなデザインではあります。 飽きる手前くらいで最後まで遊べる規模感のため問題にはなっていませんが、これ以上の規模になるなら妨害なりなんなりの差別化もいるかもしれません。
あとBGMがいいです。チップチューンと呼ばれるジャンルらしいですが、ゲームゲームしくて雰囲気に合っていました。若干ミスった音なのか判別つかない時がありましたが、あまりクリティカルに問題にはなっていません。
当たり前っちゃ当たり前ですが、たけしの挑戦状よりは簡単だと思います。ただ、たけしの挑戦状オマージュなら、エクスクラメーションマークは不要ですね。どうでもいいですが。
12. Parallel Challenger ~異界の侵略者達~
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
1.35
Exクリア
良かった点
戦闘バランスが絶妙でした
各マップにちょっとしたギミックがあり特色がついていました
ストーリーがコンパクトながらもまとまっていました
気になった点
マップのジャンプ可能範囲がやや分かりにくかったです
マップが左上寄りになっているため、左や上が視認しにくい、主人公を見失うなどの弊害が起きました
レビュー 簡便にカスタマイズ
自由度が高いということは、その性質ゆえに何をすればよいか分からないということにしばしばなりがちです。取れる選択肢が多すぎるあまりバランスよく選択しようとした結果、自由度を活かせないといったケースもあるかもしれません。
Parallel Challenger ~異界の侵略者達~もまた、カスタマイズ性が高く、自由度の高いRPGとなっています。敵を倒すと得られる素材値は、能力の上昇にも、技能の習得にも、持ち込むアイテムの選別にも、様々な用途で使うことができます。 しかしその一方で、この作品は制限と緩和と情報開示によって、この高い自由度の中でもプレイヤーが簡単に選択できるように設計されています。
まず、このゲームは割り振るパラメータの指向性を制限することで、プレイヤーが望むカスタマイズ性の高さを維持しつつ、選択肢を制限して考えやすくしています。 能力は耐久、速攻、物理、特殊の4パターンにそれぞれポイントを割り振る形式であり、耐久値や防御を上げたいなら耐久、物理面での強化を図りたいなら物理など、望むデザインはそのままに、調整するべきパラメータを狭めています。 技能の習得もまた、覚えた数だけ必要素材値が増していくシステムのため、残った素材値でいくつ習得できるかが明瞭であり、習得するべき技能の選択がスムーズになります。 加えて、状態異常の無効化などが可能な支援効果という設定は、素材値とは別のリソースを振り分けることで実現されているため、これらとは独立して考えることができます。
さらに、この素材値等の振り分けはいつでも行うことができます。これにより、どんな振り分けをしても戻せる安心感があり、ピーキーな設定も安易に行うことができます。 ボスなどの情報がオープンになっていることも相まって、敵に応じて変幻自在に、そして平易にカスタマイズすることができるでしょう。
そうしてカスタムして挑むATB形式の戦闘は、強烈な攻撃の応酬により素早く展開していきます。予め知ることのできるボスの情報をもとに弱点を整理して、敵の強力な行動に打ち克てるように調整していきましょう。 また、そのテンポの速い戦闘展開同様に、SFチックなシナリオもテンポよく進んでいきます。
パラメータを振り分け、最適な調整を見つけ出し、様々な強敵を撃破していきましょう。
感想 毎年きちんとしたクオリティのRPGをコンスタントに出しているので凄いなあと感じています。戦闘バランスも易しい場合と難しい場合がどっちもありますが、どちらかに振り切りすぎることなく安定しています。 今作の難易度は個人的には難しすぎず、かといって簡単すぎもしない好きなバランスでした。ラスボス、隠しボスあたりがちゃんと難しいのも好きです。
一方で、マップはやや以前のほうが好みではあります。 今作の場合、左上に寄ったので左と上方向に対する視認性というか視界が悪いというのと、キャラが中心にいないのでマップに最初に入った時に自分がどこにいるか一瞬分からなくなります。 前者はそういうギミックといえばそうなんですが、3-7だったかのあたりの怪物が端に行かないと見えないのでやや理不尽です。 後者については、最初のうちにエンカウントするケースは記憶の限りではないので困るというほどじゃないんですが、やや気になるという感じです。
ついでにマップに関して、多分3マス分の空きがあると移動できるのだとは思っているんですが、この3マスが結構認識しにくかったです。2マスと3マスは結構はっきりわかるんですが、3マスと4マスが意外と直感的に分からずマップの読解にちょっとだけ手こずりました。 多分2面のようなマップを作るための設計だとは思うんですが、慣れるまではちょっと難しかったです。 これに加えて、半歩移動になっているので微妙に飛べないケースもやや厳しかったです。どっちにも飛べる角の場合、思う方向に飛ぶのが難しくなります。言葉で説明すると難しいので画像を使うと、以下のような時に左に半歩移動しようとすると左に飛んでしまいます。
マップのギミック自体は色々あって、各マップの特色を楽しめる形なので好みでした。 適度にギミックっぽい変化が与えられ、適度に難しくなく遊べる範囲だったと思います。
話を戦闘バランスに戻すと、アイテムも素材値が必要になったのが面白いポイントだなと思っています。能力値に振るか、即効性があり強いアイテムを持つか、持つにしても配分をどうするかと、ダンジョン突入前にも色々悩めます。 筆者は能力至上主義なので、最低限初期に持たされたアイテムくらいは抱えて、あとは能力にぶっぱしていましたが。 後半どうしても素材値が余るので、そこをアイテムに回せるのも、素材値が余って勿体ない気持ちが少し緩和されました。
筆者はATBは早ければ強いという信条の元、速攻にしか振らないピーキーな調整をしていましたが、驚くほどギリギリのバランスで楽しめて良かったです。このバランスだと、相手の最大攻撃はこっちが最大まで回復してないとやられるくらいの強さをしているので、常に緊張感のある戦いを強いられます。 ちなみに速攻重視は道中の雑魚を瞬殺できるという意味でも刺さるので、意外とアリな選択肢なのかなとも思っていました。やはり火力と早さは正義。FFX-2のしぼりだす……とかも強かった。
なお、個人的に好きなのはラスボスとExボスのバランスです。 ラスボス戦でのギミックボスからの第二形態が楽しくて、ちゃんと一段階目が前座だけど強い良いバランスでした。やるかやられるかの痺れる戦いができました。 Exボスは、ギミック感もありながら、最後はとにかく火力に打ち勝つ戦いができるというのが楽しいです。連戦というのも歯ごたえがあって良いですね。最後 > 最初 > 中間 みたいな難易度になっている気がしているんですが、これも良いと思います。最初でゲームオーバーになったら再戦しやすいですし、最後は強くあってほしいので。 双方ともやたらHPが高いというわけではないので、火力で押し切るか、その前にジリ貧でやられるかのギリギリの戦いが楽しめます。
あとは、グラフィックについてあのソシャゲのフリー素材を使ってると思うんですが、こういうSFな世界観にはぴったり合っていて良いなあという気持ちです。あの素材はソシャゲ固有のバラバラの絵柄をどう御するかが難しそうですけど、ちゃんと統一感を持った上で、キャラ造形に対して説得力のあるものが選ばれていると思います。
最後にストーリーについても軽く触れると、この規模感できちんとオチまで付く良質な短編でした。こういう世界観で短くまとめるの難しいと思うんですけど、ちゃんとキャラを絞ってコンパクトにしつつ、押さえるべきところは押さえているので物語も世界観もしっかりと理解できます。
13. もふもふ彼岸花
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
3時間30分
1.02
エクストラクリア
良かった点
各ステージデザインと難易度のバランスが良かったです
各ステージに特徴があり、難易度もちょうどよく上がっていきます
敵の攻撃が可視化されるシステムにより、確認にかかるコストが大幅に削減されています
大量の敵が配置されるデザインにマッチしたシステムでした
戦略性のある戦い方が楽しめます
気になった点
スキップ時に画面が動かないので、やや不安になります
・・・を増減させる程度の変化でも動いている感じは出そうです
レビュー 困難への道は遊びやすさで舗装されている
何か複雑なものを解き明かして制圧した時、そこに達成感を覚えるのは自然なことでしょう。その性質をゲームに転化したものは、分かりやすくはパズル、あるいは難度の高いアクション、あるいは強力な攻撃パターンを持つRPGのボスと、枚挙に暇がありません。 難しく覚え、入り組んですら見えるその構造を見抜き、自身の手で活路を見出していくことは、ゲームにおける楽しみの一つに他なりません。
もふもふ彼岸花もまた、多量の敵を配することで困難に思える挑戦を与えるSRPGです。しかしその一方で特筆すべきことに、複雑さに打ち克つための補助として、ありとあらゆる配慮がなされています。
このゲームはシミュレーションRPGの戦闘形式で、大量の敵を相手取るデザインとなっています。時には数十からなる敵を捌くという行為は、それぞれの敵を考慮して対処していくという複雑な思考が必要となってきます。 しかし、この作品はその複雑な盤面を、出来得る限り簡単に遊べるように設計しています。
ステージを進むごとに徐々に敵を増やして慣れさせるレベルデザイン、3種のセーブによるリトライ性の高さ、直感的な操作性など、基本的な遊びやすさが徹底して貫かれ、極力攻略以外に思考を使わないようになっています。 その中でも、移動先で攻撃を食らう敵の可視化と、すべての敵の攻撃範囲を総合して可視化している点は白眉です。何体もいる敵の移動能力をいちいち調べて計算することなく、どこに行けばどれだけリスクがあるかを簡単に知ることができます。
このように思考以外の面倒が極力排除されることで、ゲームの本質である困難に向かう思考はより純化されていきます。こうしてより簡単に、あるいはその言葉に語弊があるのであればより本質的に、多数の敵が配されたステージを突破していくことができるようになるでしょう。 状態としての複雑さを失うことなく、その対応を可能な限り平易に行えるようにすることで、死中に活を求めて見つけ出す楽しみを純粋に味わうことができます。
この戦いとともに物語もまた並行して進んでいきます。生と死のあわいに存在するシナリオであり、いつでも死が近くにいる話であり、激烈な戦いのさなかであるにもかかわらず、主人公はどこか落ち着いた雰囲気を醸しています。 他方で、他のキャラクターたちは主人公と関わることで、良かれ悪しかれその人生が動いていくことになります。 この主人公の静とその他による動とのバランスは、物語が進行するにつれ混ざりあっていき、やがて渾然一体となり一つの物語を形成します。
この作品は、複雑さへの挑戦を遊びやすさで舗装したゲームデザインを、境界で揺らめく物語でコーティングしたゲームとなります。 困難を制圧していく楽しみを享受しつつ、シナリオも味わっていきましょう。
感想 常に改良され続けていくSRPGです。ゲーム性というか、コア的な戦略性は結構様変わりしていくんですけど、それ以外の部分はただひたすらに洗練され続けています。 今回で言えば、移動先で受ける敵の攻撃の可視化による遊びやすさと効率の上昇であったり、右画面で進行していくシナリオ要素なんかも細かいレベルでの物語のスピード感につながっています。
個人的に、前回の作品でのゲーム性はMap兵器による大量殲滅の殴り合いが強かったと思っているクチですが、今作のゲーム性は同じMap兵器でもパズル的な殲滅だと思っています。 レイダッシュが代表するような動きもそうなんですが、もふもふダイブによる無限の移動量とか、もやもやの大量生成によるENと威力を確保してからの攻撃とか、あらゆる要素がちゃんと思考すると最大効率の火力が出るようになっています。加えて、主人公以外が基本補助役なので、なおのことパズルっぽさを感じます。
ステージ設計のバランスも良くて、ちゃんと段階を踏んで戦闘がシビアになっていき、最後には良い感じの絶望感を受けます。 これはシステムからの援護も受けているとは感じていて、いちいち個々の敵を確認しなくても移動先の攻撃が可視化されるので、これだけ大量の敵がいても特に煩わしさを感じることがありません。このシステムでないと成立しないデザインだと思います。 また、各ステージごとに、チュートリアル的、複数戦、波状攻撃、数の圧力、包囲殲滅など、戦い方の特色が変わるので、最後まで飽きずにプレイできます。バラエティも豊富。 そこに配置される各ユニットの特性も分かりやすくて、どうさばいていくかの戦略性が生まれる設計になっていました。
後は、この設計だと手戻しを結構したくなることが多いんですが、そういう時のリトライ性も優れています。 毎ターンオートセーブが走っているので、そのターンのやり直しはすぐにできますし、マップセーブというクイックセーブ的なものもあるので、キーポイントに戻りたいときも即座にできます。ロードの読み込みも早いです。 特に考えることの多いクラシックでプレイしているときは大変お世話になりました。
ちなみに、個人的に好きなのは最終面とエクストラです。 最終面では、もふもふダイブにより縦横無尽にかき回して本丸を仕留める楽しさがありますし、エクストラは絶望的な包囲を強力な技により強引にぶち破っていく楽しさがあります。 最終面については、カジュアルでは覚醒が入ってしまいましたが、慣れた後のクラシックでは覚醒前にやれたので大分満足しています。
なお、時間配分的には1時間30分ずつでカジュアルとクラシックを終わらせて、30分でエクストラをクリアしています。公称より早くクリアできていますが、敵の攻撃範囲が事前に見える仕組みのおかげで、確認作業とか手戻りがかなり少なくなったのが効いています。
例えば以下のような四面楚歌は、攻撃範囲が見えなかったら作業が大変になるんですが、可視化されていることで非常にスムーズに戦略が立てられます。上記にも書いたんですが、システムの援護なしにこのステージデザインは作れない。
ストーリーはテーマからしても死生観というか、生と死のあわいが描かれるタイプです。生死がからむとどうしても必死さが生まれるものなんですが、なんというか全体的に主人公が死に対してぬるい感情を持っているので、ある程度落ち着いたストーリー展開になっています。死という強烈なファクターを介してるのに、このテンションを継続できるのは凄い。 ただ落ち着いているからといって起伏がないわけじゃなくて、ちゃんとストーリー的な展開の広がりもありますし、演出により感情の動きは表現されています。動と静のメリハリはついているという感じです。
話をシステムに戻すと、全体的にSRPGとしてこれ以上遊びやすくはならないないんじゃないかなというレベルの完成度をしています。 このレベルの作り込みで、割と処理負荷に問題がないところにも驚いています。さすがに最終盤は敵ユニットの移動を見るだけでも時間がかかるレベルですが、それだけいてもこちらのターンで気になるレベルの負荷は見ませんでした。技術力も高いですね。
14. てんてんすぴりっつ
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
10分
1.0
9 / 20 / 20 / 35sec / 46sec
良かった点
気になった点
レビュー あわせて10になるように
てんてんすぴりっつは、数字を足して10を作るだけの簡単なミニゲームです。 出現する数字をクリックで選び、10になるペアを選択できれば成功となり、この成功数が得点となります。
しかし、言うは易く行うは難し。限られた時間で正確にペアを選び、正確にクリックするのは意外と難しいものとなっています。 前回の問題のミスを引きずって次の問題のミスにつながることも多々あるため、集中しつつ適度に頭を切り替えて臨む必要があるでしょう。
また、この作品は単にミニゲームをプレイするだけでは終わりません。 そうして得られた得点に応じた得点画面をコレクションしたり、ちょっとした隠し要素をプレイしてみたりと、少し深掘りしていくのも一興です。
精霊さんに癒されながらミニゲームを遊んでいきましょう。
感想 Wii Fit Plus とかにもあった、足して10を作るゲームです。ルールが明快な上に、クリックだけで遊べるので息抜きにはちょうどいいかもしれません。
ただ、ルールは明快なれど、難易度は地味に高いと思っています。 ちゃんと集中しないと9は取れなさそうで、なあなあでプレイしていると7当たりでとどまりがちです。むずかしいに関しては、かなり眼が滑ってしまい、5のペアを見つけるのに苦労するレベルです。 ただ、ゲームオーバーのような概念は特にないため気楽にやれます。脳トレのつもりでやりましょう。
なお、クリックで選ぶので、互いの距離が離れるとそれだけでロスにつながります。このことから、最終的には近場にないと点が伸びないゲームではありますが、まあそういうことを気にしたらおしまいだと思います。のんびりやるのが正解です。どうしても気になるならペンタブかタッチデバイスを持ち出しましょう。
あと、ストーリー性とか、通してプレイする概念とかも特にありませんが、色々隠し要素はあります。 とはいえおまけ要素くらいなので、本当にさっと遊ぶミニゲームの印象です。精霊さんに癒されるためのゲームとも言えます。
15. ニアとアインの冒険
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
1.03
全ENDクリア
良かった点
二画面を同期させて操作させる仕組みを上手く活用したゲームデザインでした
マップジャンプ機能により面倒なマップ移動をスキップできました
二画面双方の雰囲気が見事に異なっていました
気になった点
レビュー 斬新さという面白さ
未知であるものとの出会いは、多くの場合驚きと喜びにあふれたものとなります。斬新なゲームというものはそのような驚きを提供し、そしてプレイヤーはそれが何をもたらすのかを楽しみにすることができます。
ニアとアインの冒険は、二つの画面を完全同期で操作するというシステムをもって驚きを提供し、そのシステムを活かしたギミックによる体験でもってプレイヤーを楽しませてくれる作品です。
このゲームでは、プレイヤーは二つの画面を同時に操作しつつ、主に探索を進めていきます。 それぞれの画面は、片方にとってのヒントであったり、あるいは片方にとっての障害であったりと、マップの状況に応じてその性質は様変わりしていきます。 それらのマップの中で、二画面を活かしたちょっとしたアクションや、二つの画面の世界間で交わるギミックを使った様々な謎解きを攻略していくことで進行していきます。
加えて二画面どちらにも描かれたストーリーもまた、並行して進んでいきます。 それぞれの世界観は明らかに異なり、グラフィックもまたその雰囲気の違いを如実に表しています。一方は絵本調のふんわりとした世界観で、もう一方は無機質な洞窟を描いた緊張感のある世界観です。 これらの物語が同時に進行する様は、新鮮な物語体験を与えてくれることでしょう。
斬新なシステムとそれを活用したゲームデザインを楽しんでみてはいかがでしょう。
感想 二画面を使うゲームというと、ウディコンでは第9回の 道の先はみえない/創造 を想起しますが、こちらの作品は一画面内に二つある上に完全同期タイプです。この作る側が七面倒そうなデザインでゲームとして作り切ってるのは素晴らしいです。
この世には二種類の人間がいて、マルチタスクに向く人と向かない人なんですけど、筆者は後者です。料理とかできる気がしない。 そういう理由もあって、二画面で同時並行する物語をちゃんと理解していくのにそこそこの時間を食ったんですが、割と双方がシンプルなおかげで助かりました。あとがきを見る限り、深読みしようとするといくらでもできそうなんですが、そこまでできるほどに脳が発達していない。 一見して双方のテンションというか雰囲気が違うのも脳みそへの混乱を加速させていました。なお、これはいい意味です。
基本的な要素としては探索ものの体裁なので、アイテムを集めて指定の場所に持ってくるお使いっぽいゲームになります。 しかし、二画面が連動するシステムのおかげで、ただお使いするだけの単純なものではなく、ちょっと頭を使う必要があるものになっています。ただ、頭を使わなくても総当たりで何とかなるところもありますし、頭というより観察力がいる場合も多々あります。 ソムについては偶然の発見以外で上手くいくのかよくわかってないです。ヒントあるんですかね、あれ。
システム的には、マップジャンプ機能が便利というかほぼ必須要件という感じでした。というのも、最初に地雷原があって、ここを毎回通るのがかったるいので行きも帰りも飛ばしがちです。HPはそれなりに削られますが、適度に戻ればそんなに問題にもならないので。
あと、それぞれ雰囲気の違うグラフィックも白眉です。片方が無機質な印象で、片方は絵本調な雰囲気を醸していて、区別の上でも、雰囲気の要請上でも高い効果を発揮しています。 加えて、水の吸い込み表現がやたら細かかったりと、細部にまでこだわりが垣間見えます。
個人的な最大の難関は、アクション面では熊で、探索面ではソムでした。熊はなんやかんやコツをつかめば行けるので、ヒントが特になかったソムのほうが厳しかったです。 ソムに限らず、ヒントは薄めで結局総当たりというかマップ全体を探索していく必然性にかられることは多かったです。 この辺は理解力が足りなかったのか、ヒントを見落としていたのか判然としませんが、目的が不透明なままうろつきまわるフェーズが多かった印象はあります。
16. チグハグ王子と未明の箱庭
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
40分
1.03
全ENDクリア
良かった点
全体的な絵のクオリティが高く、調和もとれています
必須シナリオは短めながら、色々と調べると世界観や関係性が見えてきます
気になった点
レビュー 精緻な世界を歩く
精緻なドット絵で作られるオブジェクトには空気感が宿り、それらを効果的に配したマップには良質な雰囲気が宿り、そのマップを連ねた構成には世界観が宿ります。
チグハグ王子と未明の箱庭が描き出す繊細なドット絵の世界には、そのような極めて良質な世界観が宿っています。調和の取れた雰囲気と、効果的な光の表現によって構成されるマップを歩いているだけでも、この世界に浸ることができるでしょう。 加えて、同じく精緻に描かれた立ち絵や、要所で挿入される一枚絵などもまた、この世界を豊かに彩っています。
こうして描かれた世界の中で展開するシナリオは、必須となる部分だけを見れば決して長くはありません。 しかし、マップを歩き様々なものを調べていくことで、キャラクター同士の関係性であったり、世界観であったりを知っていくことができます。マップの空気に浸って歩き回ると自然に調べることも多くなり、その結果世界が広がって、より一層の解像度をもってこのゲームを楽しむことができるでしょう。
ゲームとしては謎解きがメインであり、探索をしてパズルを解くことで物語が展開していきます。 きみのほんとうのさいわいを探していきましょう。
感想 ドット絵のクオリティが高い方です。全体的に調和の取れた雰囲気も相まって、毎回マップを歩いているだけでも楽しめます。 一枚絵のクオリティも高いものが多く、綺麗めな印象を与えてくれます。
ゲームとしては謎解きに分類されそうですが、この謎解きに関しては結構難しいです。 個人的には最初の部屋が最大の難問で、解き終わった今でさえ答えの理由はよくわかっていません。頂点の足し算な気はしてるんですが、色は何だろう。 それ以外にも、変則9パズルや、言葉遊びなど結構むずかしめなものもそろっています。ただ、後ろに行った方がむしろ平易になっていくので、最初を踏ん張ればクリアまでは行けます。
ストーリーは本筋自体は割とあっさり目なんですが、色々調べるとキャラ同士の関係性とか世界観が伝わってくるタイプです。さっくり物語を楽しみたいなら一本道で行っても良いですし、色々知りたい人は調べていくと楽しいので良いシステムです。 筆者は世界観を知るのが好きなのでタンスを漁るしツボも割ります。
なお、エンド分岐は分かりやすい方です。ちゃんと調べていれば伏線は分かりやすく提示されるので、そこまで迷うこともないと思います。 そしてあの中でも、人妻ENDの謎のはっちゃけっぷりがこれまでの雰囲気をぶった切っていきました。あそこだけ文章のテンションの時間帯が違う。
やや謎解きの難度が厳しいですが、短い時間で終わる探索ゲームとしては楽しめる作品でした。
17. Ploutonion -プルートニオン-
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
1.09
END1 2
良かった点
グラフィックが幻想的で美しいです
スキルを探す探索パートが良かったです
気になった点
アクションの操作性がややアクロバティックです
同時操作するキーの多さと、特にKキーの離れ具合が厳しめでした
アクションの当たり判定がやや理不尽です
当たっていそうな攻撃を避け、避けられていそうな攻撃が当たります
相手の被弾時などに画面全体にエフェクトがかかるため、弾の視認性が悪くなります
レビュー 完成されたグラフィック
ゲームにおけるグラフィックの質が高いと感じる時は、ただその絵が素晴らしいことだけではなく、その絵をもって描き出された画の美しさが誘因となるのではないでしょうか。 一つ一つの絵、演出、表現、それらが渾然となった画が突出した作品こそ、良いものを見せてくれたと記憶に残るものになります。
Ploutonion -プルートニオン- が作り上げた画は極めて高いレベルのものであり、確かに記憶に残るものとなっています。 立ち絵や一枚絵といった単一のグラフィックの質が高いのは勿論のこと、光源を意識した影法師、印象に残る場面の鏡面、落下していくしゃれこうべまで、様々な演出や表現とそれを構成する面においても極めて高いクオリティの作品です。 そうして構成された一つ一つのロケーションが、それぞれ異なる画として確かに成立したものとなっています。
こうした圧巻のグラフィックを背景に、このゲームでは探索をしたり、様々なボスとその時々のアクションで戦っていくことになります。 探索パートでたっぷりと品質の高い世界に淫しながらも、アクションパートでは歯ごたえのある戦いが待ち構えています。その時得たアクションをいかに使えるかが攻略のカギとなってくるでしょう。
また、探索パートでは様々な重要アイテムを取得することができ、それが新たなエンドへの条件となっていきます。色々なところを周って、隠し要素を探してみるのも一興かもしれません。
高いレベルのグラフィックに酔いしれてみませんか。
感想 グラフィックのクオリティがべらぼうに高い作品です。加えて、その高いレベルのグラフィックを効果的に使う演出面でも強いです。
内容としてはアクションと探索が交互に来る感じで、大体半々くらいのイメージです。特に探索しなくても進むところも多いので、プレイングによってはアクションの時間がちょっと長くなるかもしれません。 看板を見ないとスキルが習得できない関係上、ちゃんと探索しないと一部スキルを取りこぼしたりもします。
アクションについては、操作性以外は結構面白いです。逃げと弾幕がメインで、操作性を除けばさほど難しくはありません。 ただ、Spaceでダッシュを押しながらCキーでジャンプし、Vキーで攻撃してKキーで大技みたいなアクロバティックな操作をそこそこ要求されるので、ブラインドタッチでやるのは結構難しいです。矢印キーで左手は奪われていますし。 加えて、空中戦の左くらいに謎の当たり判定があってつっかかったり、被弾判定がそこそこ謎なので避けられてなさそうな攻撃を避け、避けられていそうな攻撃が当たったり、相手被弾時のエフェクトで弾の視認性が悪くなったりします。 この辺のとっつきにくさを理解できていれば、難易度はあんまり高くありません。実際、2周目は大体すんなり行けました。 もしこれに対して難易度が高いというなら、Celesteなどの方でなくてQWOP方面の難易度の高さです。
スキルについてはどこで使うか考えるのが楽しい所もあるんですが、VキーとDキーが役割被っているのは若干気になっています。何かを壊すためにDを使うのであれば、最後の逃げで捉えられたらDキー使うかなあと思っていたらVキーでした。分からない。
ただ、それらをおいてもグラフィックは素晴らしいです。 光に応じて影法師は動き、鏡面表現を適度に使い、街でのにじみなど、あらゆる表現が幻想的で美しいものとなっています。もちろん、一枚絵も立ち絵も綺麗です。 加えて、ボス戦に入る前の落ちるような表現もカットインも、曲とともにテンションを上げてくれます。
マップもそういう意味で素晴らしいんですが、見た目が綺麗な分、やや移動や各オブジェクトが分かりにくめです。特に看板の視認性はその重要性から見ればかなり悪い方で、初見ではだいぶ見逃していました。
ストーリーについても良くて、他のエンディング見るために二週目を始めるくらいでした。もっとも、条件一つが未達だったのでエンディングは見れませんでしたが。たぶんむらさきの街でスキル取れてないんですが、どこでミスったんだろう。あの即死部屋の条件か、ホテル当たりの条件かどっちかが怪しそうなんですが、いくら探しても出てこないので泣く泣くやめました。そういう意味で上記プレイ時間には換算していませんが、一周探し回って大体1時間弱です。
ちなみに、筆者はレビューを書く際に出来るだけ最新版を落として照らし合わせるんですが、ウディコンが終わったら公開終了していたのでこの作品については確認できていません。後でキーコンフィグが入ったらしいので、アクロバティック操作は多少軽減されているかもしれません。
18. ミニゲームコンピューター
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
10分
1.0相当
一通りクリア
良かった点
気になった点
かさましに近いゲームもあります
コモン集から持ってきただけという感じはぬぐえません
バグが散見されます
レビュー コモンイベント集はこちら
ミニゲームコンピューターは、ウディタのコモンイベント集にあるゲームを中心とした、様々なゲームのオムニバスです。
色々なミニゲームが遊べます。
ミニゲームをプレイしたいあなたに。
感想 ほぼこちら に感想は書いています。 なので、前は無かったやつについて書きます。
ぷよぷよの完成度が高いんですが、こちらはコモン集にあるやつです。
サイコロについては、もはや何が楽しいかもよくわかりません。 加えて、サイコロが消えないバグがついてます。テストプレイくらいはして欲しいです。
パズルについては、探索ゲーのスパイスとしてはありな場面もありますけど、何の報酬もなくやるとなかなかに虚無ですね。 パズルのデザイン的には面白いです。
全体的には他人の褌で勝負している感がぬぐえません。 フィードバックについては、サイト上ではフィードバックで、タブ上でField backなあたりもはやネタと解釈してます。
19. 売ルファール
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
2.10
クリア(125884)
良かった点
ギャンブルに興じることができる短さです
セーブが有償なため、乱数調整にも駆け引きが生まれます
気になった点
敵の技による火力のばらつきが大きめです
それでさえギャンブルという統一感という意味ではむしろ良いかもしれません
レビュー ギャンブル中毒になろう
ギャンブルは人を狂わせます。運否天賦に身を任せ、勝てば最高に気持ちよく、負ければその気持ちよさを知っているがためにもう一度やりたくなる、そういった危険性を潜ませています。 売ルファールもまた、そういった危険なギャンブルの一つでしょう。
最初のうちは、RPGとして普通の戦いが行われます。戦った結果得られたお金でアイテムを買って強くなる、健全な戦いができるでしょう。 しかし、すぐに現れるくじ引きおじさんによる、くじ引きという概念が心を惑わしてきます。これは、敵を倒すと得られる引換券を使うことで、ランダムで何かをもらえるものとなっています。その一方で、引換券は売ると1000Gとなり様々なアイテムを買って、堅実に強くなることもできます。 くじ引きで一発強いものを引くという危険なギャンブルに挑むか、堅実に行くかはプレイヤーに委ねられています。
また、このゲームは1ループがかなり短く、失敗してもすぐにやり直すことが可能です。そしてこのやり直しが簡単であるという事実が、心をギャンブルへと赴かせていきます。 プレイヤーがギャンブルに手を出したとしても、それは無理からぬことでしょう。
そうしてギャンブルに手を染めつつも最後まで戦い抜いて残ったお金の額が、そのままこのゲームのスコアとなります。 運否天賦に委ねつつも、お金を残せるように最適なプレイングをしていきましょう。
感想 運ゲーではありますし、戦略でどうにもならないことも多いんですが、一サイクルが短いのでついトライしてしまうタイプです。早い話がギャンブルですね。
例えば、ラスボスについて言及すると、ホーリーを何度も食らうと確実に落ちますが、これが恐らく確率で動いています。良い乱数が引けると楽に勝てますし、悪い乱数だと良く負けます。初見では半分くらいホーリーを撃たれて散りました。 ラスボス以外についても、技ごとの火力のばらつきはどの敵も大きいので、ここでも乱数勝負となってきます。 そも、くじ引きおじさんから良い装備を引けるかどうかも運です。 すべては運で構成されたゲームです。リアルラックあるいは乱数調整の力でクリアを目指しましょう。
ここでたとえばくじ引きでなく、引換券で装備を選ぶ方式にして、敵の行動がある程度パターン化した戦略性があれば、このゲームの運による支配はだいぶ抑えられますが、そんなことをすると別ゲーになります。 そんな無粋なことは考えずに、ギャンブル性が楽しいので運を受容していきましょう。理不尽も味です。すぐリトライできますし。
あくまでプレイバージョンの感想ですが、カポエイラキックが強かった印象です。HP10消費程度で、ミニブレイドとセットなら4倍出ます。これで一発で沈められれば、実質被弾なしに近い戦果を挙げられます。 あとはちゃんと良い装備が引けるまで粘ることです。ウディタの仕様上、セーブしていても何らかの乱数を使う行為を一回でも挟めば結果が変わるので、回復アイテムを無意味に使うとかでも効いてきます。上手く調整していきましょう。 ただ、セーブは有償なので、乱数調整を気軽に行えるタイミングは限られています。
筆者が見た時はオンラインランキングは異常なデータで埋まってましたが、アプデ後を見ると正常なデータに落ち着いているみたいなので、良い乱数が引けるまで粘ってランクインを目指すのも良いかもしれません。 最新版でさらっとやってみた感じ、敵のAIが改善されているような気もするので、もしかしたら敵に関しては運ゲーでなくなったかもしれません。依然ホーリーは強いですが。
最終スコアは以下です。 上位が人外魔境すぎる。
20. ウルファールの冒険~ウルファールと時の時間~完結編
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
1.0相当
到達可能範囲まで/ドラゴンまで
良かった点
気になった点
進行不能のバグがあります
迷路が厳しいです
第2部から始める場合、レベルよりも装備を何とかしてほしいです
レビュー We are waiting for you to come to this world
ウルファールの冒険~ウルファールと時の時間~完結編はRPGです。
武器屋をはじめとした色々な要素がマップ上に配されており、それらを周っていくことができます。そうして強くなったのち、ダンジョンに挑みましょう。ダンジョンでは諦めない心が大事になります。
前作は前ウディコンに出展されており、プレイ済みの人は2章から遊ぶこともできます。 2章もまた、迷宮のようなダンジョンに挑んでいくことになるでしょう。
クリアを目指してプレイしてみてはいかがでしょうか。
感想 ほぼこちら に感想は書いています。 変更があった個所について書きます。
全体的に戦闘バランスはぬるくなってそうです。特に序盤はぬるくなっている気がしています。もちろん、鬼のエンカウント率とかは健在なので面倒に変わりはないです。第2部のボスとミミックは除きます。あれは無理。
一方で、前回はなかった進行不能バグがあります。恐らく、男騎士を倒すと出口に送還されていた部分が消し飛んで無限に戦えるようになっています。このため、今回から始めた方は第2部にまっとうに行くことはできません。通しプレイくらいはしてほしい。
また、前回のセーブデータを普通に流用できたことから、バージョン更新もしていなさそうです。 ついでに言うと、前回のクリア直前セーブデータを使ったところクリア後に第2部には行けますが、白フェードがずっと消えないバグがあるので実質的に進行不能です。目隠しプレイみたいなものなので進行自体はできますが、クリアできるとは思えません。通しプレイくらいはしてほしい。
また、前回から第2部の影響でアイテムが増えているため、アイテム屋に変なアイテムが売っています。害はありませんが、通しプレイくらいはしてほしい。
また、第2部から始めると、レベルはともかく装備がしょっぱすぎて、森の奥のドラゴンと戦うのも困難です。これでクリアできるかどうか怪しいと感じたため、プレイを断念しました。第2部から始めた場合の通しプレイくらいはしてほしい。 もっとも、装備が強くても固定500連発の謎魔法を食らって生きれる気もしないので、装備が引き継げてもクリアできるか怪しいですが。
前回はクリアできるのでまだ良かったんですが、今作はクリアすら厳しそうだなあというのが正直な気持ちです。 おおよそクリアといっていいみたいな曖昧な言い方してる理由その一です。
22. ドール・ドレーゼ
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
40分
1.01
全ENDクリア
良かった点
戦闘がシビアで良いアクセントでした
程よく探索要素があります
気になった点
BADルートのイベントを回収してもあまり変化がありませんでした
手間と発見難度の割に、あまり達成感がなかったです
恐らく追加アプデで増えるものと思います
レビュー 絶妙な戦闘バランス
ドール・ドレーゼは、一見探索ものの様な見た目をしていますが、その実しっかりした短編RPGとなっています。
呪われた人形世界から脱出するというモチーフ、屋敷のようなマップと人形たちが織りなす世界観と、ガワだけ見れば探索系ゲームのそれに思えます。 しかし、その世界の中で体験できるのは、骨太なRPG的戦闘要素です。
各階層にはボスが待ち構えており、これを攻略するには装備を整え、バフデバフを管理していく巧妙なプレイングが必要となります。 難しすぎるほどに強くはなく、しかし決して作業では片付かない絶妙なバランスの戦闘が楽しめるでしょう。
かといって、探索要素の一切が抜け落ちているわけではありません。マップを探索していくことで起こるイベントでは、メインルートでは語られないものの一端が垣間見えてきます。 本編のシナリオは短めではありますが、色々なイベントを見ることでその世界観をより深く知ることができるでしょう。
このゲームは、確かに手ごたえのある戦闘を軸に、ちゃんと調べる必要のある探索要素を織り交ぜた作品となっています。 戦闘を楽しみつつ、マップを色々と探索してみましょう。
感想 絵が可愛い系の探索系が半分入ったRPGという感じです。 サムネや最初の印象からは探索要素が強めかなあと思いますが、意外とRPG要素も無視できないレベルであります。
RPG要素としては戦闘が主ですが、戦闘バランスが地味にシビアなので楽しめます。 階層ボスみたいな存在が結構強くて、バフデバフを管理しないと割とあっさり負けます。最後までこのバランスが貫徹されていて、見た目とは裏腹になかなかギリギリの戦いが楽しめます。多分レベル上げでごり押すことも可能だとは思っています。
また、探索要素としても、ちゃんと色々調べないと物語の表層しか拾えないんですが、探索するとほのぼのっぽい雰囲気の中にある暗さを垣間見ることになります。 この探索は割ときちんとする必要があるので、もはやBADエンドのほうが行くのが難しいレベルです。なお、BADルート用イベントを回収してもセリフが変わるだけのようだったんですが、アプデで追加EDが来そうな気配も感じています。 ちなみに、裏ボスも勿論そこそこ強いので、エリクサー抱えて挑みましょう。
ストーリーは探索なしだとあっさり目、ありでもやや深いところが見える程度で、匂わすくらいになっています。世界観に対する何となくの考察はできるので、それを踏まえて主人公がどういう存在なのかを考察するのを楽しむ感覚かもしれません。
RPGが案外歯ごたえがあるおかげで良いアクセントになっていて、探索だけやるよりも楽しめるのが特徴と言っていも良いかもしれません。
23. ライフゲームで遊ぶ
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
5分
1.0相当
一通り触る
良かった点
プリセットのおかげで、意味のある群を眺めやすいです
ライフゲームにおいて必要な要素はおおよそそろっています
気になった点
ライフゲームを眺めるだけで、ゲーム性はあまりありません
レビュー ライフゲームで遊ぼう
ライフゲームで遊ぶ は、ライフゲームを気軽に楽しめるゲームです。ライフゲームというものの仕組みの詳細はこのゲーム内の説明に譲りますが、簡単に言うと点群の生き死にを眺めるゲームです。
もちろん、ライフゲームのルールが良くわからなくても問題はありません。一般的に知られる形のプリセットが多数用意されているため、知識がなくてもそれっぽい動きをする点群を観測することができます。
ライフゲームを眺めて楽しんでいきましょう。
感想 プログラマーは大体初めて触ったものでまずはライフゲームかFizzBuzzを作りがちなんですが、そういえばウディタでは作ってなかったです。
プリセットが用意されていて、それを雑に置いて眺めるだけでもライフゲームが分かるのは良いです。意味のある群をおいて観察するのも楽しいものなので。あるいは無秩序に適当にばら撒いて楽しむこともできます。 個人的には、グライダー銃の動きが好きですね。
ライフゲームのもろもろの説明はだいぶ簡易的なので、ライフゲームを知らない人にはあんまり楽しめなさそうではあります。 そもそも、点がうごめいて振動しているのを眺めて楽しいと思う感性自体がもしかしたら特殊かもしれません。筆者は好きですが。
ライフゲームをウディタで再現して、DL機能やプリセットをつけた以上のことはしていないので、ゲーム性という観点から見るとあんまりないです。ライフゲームを眺めて楽しみましょう。
24. ゴルガン
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
5時間
1.045
全キャラでクリア
良かった点
良い世界観を丁寧に描いていました
戦闘バランスがちょうどいいです
オープニングスキップは周回時に助かります
気になった点
周回時、変化のないイベントはスキップしたかったです
レビュー キャラクターの関わりが世界を描く
人を描き、それにより世界を描き切るという手法は、様々な存在を通して世界を見ることができるものです。あらゆる視点から見ることで世界の輪郭をより明瞭に描き出しつつ、ある面では多層的に観測しうるために、そこからは奥深く重厚な世界観が表現されることでしょう。
ゴルガンは、ダークファンタジーな世界観をその世界で戦う者を通して存分に描いている作品です。 さらにこの作品が描いているのは人であり、また人と人との関わりです。人そのものだけではなく、その関わりを通すことでより世界の深みが増し、極めて重厚な世界観が実現されています。
また、ゴルガンはマルチエンドのシナリオとなっています。道中の選択に応じて、キャラクターに応じたエンディングを迎えることになります。 選択によってそのキャラクターをより知ることができ、それをもって、より世界は克明に描写されていくことでしょう。 全体としては決して長い物語とはなっていませんが、キャラクターとその関わりを通して世界観をより多層に見ることで、時間以上に深く世界を感じることができます。
なお、この作品はゲームとしてはサイドビューのRPGとなっており、基本的には戦闘を重ねて先に進んでいく流れとなっています。 ただし戦闘バランスは油断ならないものとなっており、気を抜くと負けてしまうことはしばしばあります。きちんとSPを管理してスキルを有効活用していかないと勝利はおぼつきません。 二人まで選べる同行者をどう選ぶかもまた、戦闘においては重要となります。パラメータやスキルと相談しつつ選択していきましょう。
このゲームは、奥深くダークな世界観をキャラクターを通して描き切った作品です。油断ならない戦闘の緊張感もまた、その世界観の醸成に一役買っていることでしょう。 その素晴らしい世界に没入してみてはいかがでしょう。
感想 世界観の描き方を含めて、ものすごく丁寧に作られたRPGです。 演出面とか、戦闘バランスとか、各キャラごとの会話とか、いろんな面で作り込まれています。
マップが横スクロールに適したものになっていて、自動進行なので自分で動かしはしないんですけど、良い雰囲気を出しています。 加えて、戦闘はそのマップからシームレスに疑似サイドビューへと移行するので、その特徴を戦闘への遷移という面でも活かしています。
戦闘バランスはそこそこ良くて、相手の火力が高いので油断するとやられるタイプです。適宜防御を張らないと、一瞬で持っていかれることもあります。 そのバランス上、難易度が相手の数に強く依存しますが、相手の命中率が低いので運よく助かる場合もままあります。一方でこちらの命中は高めっぽいので、外したところは見ていません。たとえ全段ヒットしても、こちらが挑発+防御なら耐えられるケースも多いです。 筆者はやりませんでしたが、前に戻ってレベリングもできるので、クリアに苦労するということはないと思います。
一方で、相手がこの敵だからこの戦い方にしようという戦略性はあまりないです。敵を倒す順序性くらいには戦略がありますが、スキルが少ない性質上あまり大きなものではありません。 ただし、戦闘に入る前に選ぶパーティー選択ではどういうスキルを持った味方を選ぶかという面では戦略性があります。
個人的な安定パターンは中盤までは高揚連発して、聖域全開を適度にやることです。SPが重要リソースなので、常に最大回復を狙った方が強いです。後半は打撃をやりつつ、防御する人がいないなら守るのが丸いです。防御する人がいないパターンのほうが少ないですが。 また、ブラウが個人的には最強に近く、スタン+高火力二連攻撃は大体の敵に強烈に効きます。
筆者がプレイしたバージョンだと、ラスボス周りのHPが極端に低いバグがありましたが、最新版ではちゃんと歯ごたえのある難易度になっています。ラスボスにふさわしく、面倒な敵の召喚と高火力を駆使してきます。
物語はダークファンタジーと銘打つ通り、そこそこ人が死ぬものとなっています。また、中途の選択肢次第ではエンディング及び道中のイベントが変化していくので、色々な角度から世界観を掘ることもできます。 基本的にはやや重めの話ではありますが、巻き込まれながらも最後まで戦い抜く主人公達と、覚悟を持ったサブキャラ達が織りなす物語は素晴らしいものになっています。
クリア自体は1時間で、周回にそれぞれ長くて40分くらいかかっています。 さすがに全キャラやると結構重めでした。途中イベントありの性質上仕方ないんですが、周回しようと思うと変化のないイベントのスキップが無かったり、単純に敵と戦う必要があるパートが長かったりはします。 特に、かなり初めの選択で一人落とすことになるので、ここからやり直すと実質初めからです。本当のオープニングがスキップできる仕様になっているのはそういう意味でもありがたかったです。
個人的には、ベックルートに入ると将軍との関係で熱いと思っています。戦闘面で言えば、ブランルートが楽でアベリアルートがきつかったです。パルマルートでプレイして、ここで吹き飛ばすビジョンが見えないなあと思っていたら本当に吹き飛ばさなかったあたり、キャラにそって物語が作られているなあと感じました。 最後の一人のENDを見る時に、ファジーを落としたケースを見ようかと思っていましたが、何となくベックを落としてしまったので、多分キャラ的にはファジーが好きです。
それにしてもこの物語、将軍と司教を失ったセレギアの被害が甚大すぎないかなあと思っています。
25. ANIMAL ISLAND
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
7時間
1.0.2
クリア
良かった点
気になった点
宝箱にラグを感じました
アクションパートで自分の現在HPが分かりませんでした
全体的にアクションパートの達成条件が説明不足に感じます
センパイと訓練しなきゃと言われて行くと何もありませんでした
レビュー 高難度なアクション
ANIMAL ISLANDは、シンプルなつくりながら所々が高難度となっているRPGです。 ウディタ製RPGの王道的な戦闘をメインとしつつ、各所で高い難度の二つの関門が待ち構えています。
片方の関門は、レベリングをしっかりしていかないと勝つことのできない戦闘です。 強力な攻撃を駆使するボスには、小手先の戦略だけでは太刀打ちできません。レベルを上げ、きちんと渡り合えるようにしておく必要があります。
もう片方の関門は、各所で遭遇する一発アウトもあるアクションパートです。 弾幕、追いかけっこ、回避といったアクションを、クリアのためには精度よく操作していく必要があります。時にはセーブした場所から大きく離れていることもあるため、スリリングなアクションも体験できます。
こうした様々な難関を潜り抜けて進んでいってみてはいかがでしょう。
感想 高難度を謳っていて、確かに高難度ではあります。ただ、どちらかというアクション的に高難度という側面もありますし、クリティカルが出ると即死するデザインという側面もあります。 ウディタのデフォシステムのクリティカルが防御貫通のため、クリティカルなら250ダメージ、それ以外は0みたいな極端なことになりがちです。クリティカルの発生確率を抑えたり、防御優位でない設計にしたり、色々工夫を入れないとクリティカルが来ないことを祈ることが大事なゲームになるという面はあります。
戦闘バランス的には、各ボス共にややレベリングしないと勝てない塩梅になっています。恐らくまっすぐ進行すると負けるので、適度に寄り道したり、場合によっては雑魚を狩り続けたりする必要はありそうです。 加えて、セーブが限定ポイント制のため、場合によってはボスの強さを確認したらゲームオーバーになって、ボスに到達するまでのレベリングも無意味になることがあります。一応、ボス前にはおおよそセーブできるようになっていますが、割と序盤のボスのイカがノーセーブでひたすら戦った後に出てきてしまうので、ここで脱落する人が多そうには感じます。
イカに限らず、海路は色々な面倒ポイントが多く、確実に何度か戦闘になったり、カジキが特に換金アイテムを落とさないので儲けも少なく、加えて一度クリアしても往復しようとするともう一度通過する必要があります。 ミステリーフィッシュについても、イン&ヤンかと思わせるほど時間のかかる行動をとってきます。レベルを上げていて、脅威でなくなっても通るのが面倒になる理由の一つです。
また、最初の森を抜けるとしばらくの間換金アイテムを落としやすい敵が激減するため、初見だとお金の使い方が難しくなります。 森に戻って稼げば良いといえば良いのですが、森に戻るとしばらく勝てないゴーレムが出現し、こいつを避けないと稼げるゴブリンの所まで行けないので結構難しいです。このゴーレムはのちに緊急クエスト対象なのが分かるんですが、クエストを受けていなくても入口あたりに出てきます。 ただ、お金の周回に関してはかなり終盤までモリゴブリンが安定するので、ここがお勧めです。
全体の戦闘バランスとしては雑魚も強めでボスは強いという調整で、時折連戦することになる雑魚のほうが凶悪に感じることもあります。セーブ不可のラストダンジョンが典型例で、ボスには全力を振っていいんですが、何体居るかわからない雑魚には省力でやらないといけないので難しくなります。 そういう意味では、このダンジョンはシンボルエンカウントなので避けられるのはありがたいです。
なお、最終盤の戦闘バランスは、乱数によりダメージの幅が大きい攻撃や確率即死攻撃を織り交ぜてくるので、より運に傾きます。お祈りの回数は増えますが、ちゃんとレベル上げしていればぎりぎり何とかなるかもしれません。 あと実質的な最終関門の蛇は、相当レベリングしてようやく勝負になったので、最後はちゃんとレベリング作業をしたほうがいいです。後半のシンボルエンカウントを面倒くさがって避けると厳しくなります。
このゲームを高難度たらしめている要因のもう一つは唐突に始まるアクションです。 最初のアクションでは避けゲーが要求されるのに、最後は体当たりしないと勝てない上に双方特に説明がないなど、全体的に不親切なきらいはあります。ただ、ちゃんとやればクリアはできるので、気づくか2回目以降ならすんなり行けると思います。ただ自分のHPの表示はないので、被弾は体で覚えましょう。どこかにゲージだけでも出してほしくはあります。 それ以上にシビアなのは、闇の館にある二つのアクションです。 一つ目がきつい理由はいくつかあって、セーブ地点から距離があるため戻し作業が辛いこと、終了条件が分からないこと、一回押すだけでなく連打が必要なこと、そこそこ複雑な地形ながら敵は壁を貫通すること、一発即死なこと、あたりが挙げられます。 もちろん説明不足なのもあるんですが、それ以上に戻し作業が辛いほうがダイレクトに響きます。これがアイワナだったり、Getting Over It であったり、あるいはCelesteみたいなゲームで戻された場合は、再びアクションをする必要があるというだけなので納得して進められます。 ただ、このゲームはこのアクションに至るまでは、どこまでいってもRPGなので、戻し作業が単純に面倒です。RPGは戦闘によるゲーム内部値の積み上げの文化で、アクションは繰り返しによるプレイヤースキルの積み上げの文化なので、ここがセーブ不可でシームレスにつながってると単純に辛いです。 逆に、二つ目は難易度こそ高いですが、直前にセーブがあるのでリトライしやすいです。初見殺しは満載ですが、一つ一つ攻略していく楽しみがあります。
ちなみに闇の館一つ目の攻略法は、とにかく角でひきつけてから動くことです。角周りで早めにUターンしてしまうと、敵が壁を貫通してくるため最短距離で詰められて負けます。後は道中のデスゴーストを避けるスキル。 二つ目の攻略法は、こちらに突進するフェーズで左側に立つと、しばらく左側でうろちょろしてくれます。この間に障害物をよけるようにすれば、案外何とかなります。最後は頑張る。
このアクションに限らず、乱数依存の上振れでやられてしまう可能性がある攻撃を持つ雑魚、エスパー力と高校数学の微分方程式くらいの知識が要求される謎解きといったように、闇の館は色々な挫折ポイントが詰め込まれているので、ここを抜けられるかでこのゲームを続けられるかが決まります。 なお、あの謎解きに関しては、f’(x) = g(a) で変数がxからaに化けてるので、この式のまま解釈するなら、g(a)は謎の変数を使っているか、定数関数な気がしています。
ストーリーは王道な雰囲気で、足も引っ張らないけど高難度でもやり切りたいと思わせる牽引力もない感じです。筋の通ったシナリオにはなっているので、普通に楽しめます。
めちゃくちゃ細かいレベルの話をすると、宝箱を開けた後の微妙なラグも気になっています。何か処理があるわけでもなさそうなので、純粋に疑問です。
最後になりますが、闇の館に入る前くらいまでは、イカやゴーレムみたいな関門こそあれど、ちゃんとしたシナリオに戦闘バランス、ちょっとした遊びも入ってるRPGです。 闇の館までならある程度RPGに慣れた人、それ以降は長時間のレベリングに耐えられて、根気のある人には勧めても良いかもしれません。
26. 雨宿りのパズル
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
1.02
クリア
良かった点
ドットの演出が良かったです
追加ルールを上手く探る楽しみがあります
全体的に落ち着いた雰囲気でパズルを楽しめます
気になった点
レビュー 法則を推測せよ
パズルというゲームジャンルの進化は、その複雑さが高じてさらに一段上から見るようなシステムをも生んでいます。 与えられたルールをもって解くのがパズルであるならば、そのルールそれ自体を推測し紐解くこともまたパズルであり得るというその発想により生み出されたゲームは、よりメタ的なパズルとしていくつかの作例を思い起こすことができるでしょう。
雨宿りのパズルもまた、そういったルールを推測していくメタ的なパズルとなっています。
ルールを推測すると言われると、難しい印象を受けるかもしれません。 しかし、この作品における推測は難しすぎはしません。与えられた形になるように、ピースを回転させて埋めていくという基本的なルールは直感的に理解できるようになっているからです。 その上で、それ以外にも存在する達成条件、すなわち隠されたルールを見出して解いていくことになります。形はできてもクリアにならない場合は、じっとピースたちを見つめて考えてみましょう。
また、ゲーム内で語られる物語やBGSはどれも落ち着いた雰囲気を提供してくれます。ゆっくりとした雰囲気の中で、じっくりとパズルを解いていきましょう。
ルールを推測するというメタ的なパズルの入り口として、まずこのゲームに浸ってはみませんか
感想 自分で隠れたルールを見つけ出すタイプのパズルです。その中でも基本ルールはある程度決まっていて、追加ルールを探るタイプです。Understand や The Witness が印象的には近いですかね。
追加ルールを探るために、一見正解でも間違っている盤面を見てあれこれ悩む必要がある場合もあって楽しいです。そこまで難しくはないので、少し考えれば見た目的な違和感に気づいて構成し直していくことはできます。 かなり個人的なこととして、Readmeを読んで別解が許可されない設計になっているんだということを知ってしまったせいで、これは別解なのか単純にルールが足りていないのか一瞬判断に迷う羽目になったのがダメでした。このダメは自分に対してのもので、ちゃんとゲームを最初から信じるべきだなあという気持ちです。
難易度としては、4面というか4段目が思いのほか簡単で、3-4が最難関でした。ただ、これは気づくかどうかが肝な上に、最初に置いた配置が正しければすんなりいけてしまうので、大分個人差はありそうです。
ステージ選択画面のクリア状態がややわかりにくかったり、全体的にホバーした時の反応が薄かったりとUIで若干気になるところはあるんですが、デザインそのものは雰囲気にあって落ち着いた雰囲気で良かったです。
ストーリーも簡素ですが、落ち着いた雰囲気にちょうどいい物語でした。文字がクリックで送れないため、せっかちだとやきもきしますが、長い待ち時間があるというほどでなくて、余韻程度のものです。
どうでもいい話ですが、掲示板で見かけたgomaさんは、多分前回の□□□□□で凄まじい記録出してた方ですね。パズルの達人。
27. ECO2
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
3時間
1.0相当
クリア
良かった点
色々なアイテムを取得して武器を作っていく楽しみがあります
仲間の自律式AIが優秀です
寄り道要素も楽しめます
気になった点
旧バージョンのウディタ製なのか、二重入力バグがあります
しれっと落ちるAバグがあります
プレイヤーキャラの当たり判定がやや怪しいです
キー割り当てがやや押しにくかったです
レビュー 頼りになる相棒たち
ECO2は、強力な味方と共に戦うことのできるアクションRPGです。
システムはオーソドックスなものであり、攻撃や回復、特殊能力を駆使して、ダンジョンにはびこる敵をどんどん倒していくという流れとなっています。 加えて、敵が落とす様々なアイテムをもとにプレイヤーキャラを強化していく楽しみも感じることができるでしょう。
そして、何といってもこのゲームの特徴は、自動で動く強力な味方です。 アクションRPGの自動で動く味方キャラと聞くと、あまり戦闘に参加してくれなかったり、あるいはすぐ特攻して死亡しては足を引っ張ったりといった未来が想像されてしまうかもしれません。しかし、この作品において味方キャラは大変頼りになるものとなっています。
第一に、味方のAIは超攻撃的です。どんどん敵を見つけては攻撃してくれるため、敵を次から次へと倒してくれます。加えて、そのような特攻をしてやられてしまっても、一定時間ですぐに完全復活します。 この二つのシステムにより、味方キャラは無限に再生するバーサーカーのような八面六臂の活躍をしてくれます。
強い味方を引き連れて、アクションを楽しんでいきましょう。
感想 味方が凄い好戦的な上に頼もしいゲームです。とにかく近場の敵をガンガン殴ってくれるし、倒れても短い時間で復活します。大体味方に任しておくだけでも戦えるレベルです。 この無限復帰、超好戦的のコンボはともすればプレイヤーサイドが何もする必要が無くなってしまうので、結構思い切ったデザインだなあと感じました。ただ、後述する要素も相まって、個人的にはこれがないと立ち行かないゲームだと考えていて、このシステムはかなり良い設計になっていると思います。
というのも、プレイヤーの攻撃の当たり判定がやや怪しくて、明らかに当たった見た目をしていても当たらないことが多々あります。 目の前の敵に向かって明らかにエフェクトが出ていて、こちらはダメージを受けてるのに向こうには当たらないケースは一度や二度ではきかないレベルで発生します。最初は命中していないのかなと思いましたが、外れた場合はMissと出るので、単純に判定が怪しいだけのようです。
これが当たらないんですが、当たるときもあります。条件はいまだによくわかりません。 それでも、味方のAIは百発百中で当ててくれるので頼もしいです。頼りになるか分からない自分の攻撃より、味方の確実な攻撃がだいぶありがたかったです。
バランスとしては、中盤くらいまでは簡単目で、雪面くらいから難しくなります。急に雑魚が硬くなるので、魔法を使えという設計な気もしていますが、それをおいてもここのレベルカーブの上がり方は結構急です。 これ以降は、被弾すると状態異常にされるパターンが増えるので、被弾しない立ち回りがだいぶ重要になってきます。そのためこの辺から、ほぼ中遠距離武器一択な感覚を受けていました。 加えて最終盤は壁抜けしてくる敵があちこちから迫ってくるので、正直ラスボス戦より難しいです。雑魚戦のほうが囲まれる分難しく感じます。
ダンジョンに潜り、敵を倒しアイテムをガンガン稼いで武器を作って強くなるサイクルは結構よくできている印象で、色々なアイテムが手に入るので楽しいです。オリジナルの敵キャラのグラフィックも味があって良い。 また、寄り道要素として釣りもあって、これが結構無心でやれるので楽しかったです。
キー割り当てだけちょっと操作しにくくて、Aが攻撃、Rが回復なのが慣れませんでした。多分、AttackとRecoverの頭文字だと思うんですけど、ツールじゃなくてアクションゲームなので、押しやすさのほうに配慮してほしくはありました。特に、とっさに回復したいときにRを押すのは結構難しいです。
ストーリーは世界観が迷子になるレベルでメタメタしくはありますが、環境問題を取り扱っているものです。王が敬ったり急に横暴になったりフランクになったり忙しい口調をしているのはうっすら気になりました。立ち位置が良くわからない。
28. 色は黒に包まれて
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
1.06
読了
良かった点
構成力が極めて高いノンフィクションでした
演出力が高いです
気になった点
レビュー 物語へと昇華されたノンフィクション
実話を物語として成立させるということは、非常に難しい課題となります。どれだけ興味深いエピソードを内包していようと、それらすべてを書き出しているようでは、物語として面白くない部分も否応なしに多くなってしまうからです。 ノンフィクションを物語へと昇華させるには、編集力、そして構成力が不可欠となるでしょう。
色は黒に包まれて が描き出す自伝的内容は、疑うことなく物語へと昇華させられています。実話をベースに、徹底的に編集し、構成されたその物語は、確かに読ませられるものとなっています。
主人公が不穏な企業に就職してしまったところから、この物語は始まります。そういった企業で勤める現実が描かれる一方で、その裏では全く異なる空気感の虚構のような内容も描かれていきます。この現実と虚構が徐々にない交ぜになりながらも、物語は進行していくことになります。 そうして描かれる物語はただ時系列的に語られていくノンフィクションではなく、確かに編集し構成された、けれどフィクションというにはあまりにリアルな世界となっています。
中盤までの暗い展開に向けての構成は、現実感のある展開と虚構とのバランスにより、より一層心を抉ってきます。そこに高い演出力が上乗せされることで、この物語は心のさらに一段深いところにまで届くことでしょう。 もちろんそれは終盤以降の展開にも言えることであるため、最後までプレイすることをお勧めします。
こうして完成された物語には、最後まで読ませうる力があります。その一方で、最後まで読むことができるのは、その力のためだけではありません。 細部まで配慮されたノベル的な読みやすさと、アドベンチャー的な表現がプレイ感の向上につながり、終わりまで読み切れる後押しとなっています。
このゲームは、努めて人間を人間として描くことでリアリティを演出しつつも、物語は綿密に編集し、構成されたものとなっています。この実話と編集のバランス感覚により、読ませるノンフィクションとして高いレベルに位置した作品と言えるでしょう。
感想 読み終わった後の感想は、良くこれ書いたなあというものです。傷口抉るどころか、抉るところを凝視してどう抉れば良いかに思考を埋めるくらいのことでもしないと、この完成度にはならないです。メンタルが強いというより、覚悟が強くないとできないと思います。
単純に自伝を描いたり、単なるノンフィクションを時系列そのままでお出ししたりすると、実はあんまりおもしろくはならないと思っています。プロジェクトXが面白かったのは、そのエピソードの秀逸さとともに、それをいかに編集したかどうかにかかっています。 フィクションなら徹頭徹尾編集であり構成の力を振るうことになりますが、ノンフィクションとなるとその力をあまり意識しなくなります。ただ、ノンフィクションを読ませるには、何よりも編集と構成の力が必要になると思っています。 その点で行くと、この物語は自伝的内容を徹底的に編集し、構成し、読ませる物語へと昇華させた作品になっていると感じました。
構成部分における上手い点は筆者が感じるだけでも何個かあって、恐らく気づかない範囲でも色々と手を加えられているであろうと思います。 個人的には、過去の出来事を上手く出し入れして時系列を操っているポイントや、ところどころほのぼの世界を差し込むタイミング、ほのぼの世界にかけている時間配分の調整あたりが好きです。 これは自伝としては虚構になる所ですが、新しい上司が携帯で会話しているシーンなんかも良いです。あそこで主人公に寄り添いすぎると、転換がものすごい難しくなるので、そこだけ自伝としての視点を捨てて神の視点に戻しています。
物語そのものの内容については、筆者自身はブラック企業に勤めた経験がなく、この前もウディコンからお盆の時期に16連休取って遊び惚けていた身なので、これがどの程度身に迫るものなのかはわかりませんが、少なくとも世間でいうブラック企業の感じはひしひしと伝わってきました。 それでいてブラック企業であるということは崩さない状態で、あまりにも悪く描いていないのも特徴的です。こういう体験を経たら上司や社長を悪魔のような人間にでも描きそうなものですが、努めて人間として描かれているのでリアリティがあります。
ゲーム性としては選択肢を選んで最終評価されるくらいで、あまり大きくはないんですが、ノベル特有の漫然と読むだけになりがちな受動的な時間に能動的行為ができるのが良いアクセントにはなっていました。 最終的な評価要素でSSS取れるのかだけ気にはなっています。何度かミスりましたが、それでも厳しそうかなという印象です。
あとは、演出力がかなり高いです。ややグロに寄った箇所での演出も勿論良いですが、それ以外の部分のクオリティも高いです。 分かりやすい例で言えば人生テレビなんですが、その他でも徐々にアラーム音が狂っていくところなど、細部の演出もちゃんとしています。こういう細部の演出がノベル的なメリハリにもつながっていて、結果読みやすさにもつながっていると思っています。
めちゃくちゃどうでもいい話をすると、将来安パイという単語が出るたびに安泰ではという気持ちが出てしまい、真面目な場面で出ると感情が乱されました。字面的に間違ってないような気もしますが、安パイは切っても良い牌なので微妙に意味合いが違う気もします。
最後に、決断の結果です。バランスを取ろうとした人みたいになった。
29. 黄昏の時に巡り会うもの
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
0.08
クリア
良かった点
良い具合にインフレしていました
グラフィックが美しいです
気になった点
カナタが10連攻撃できるため、戦略が実質固定化されていました
レビュー 絶対的なるボス
黄昏の時に巡り会うものは、能力値やダメージがインフレしていくRPGです。
戦闘は極端なバランスで構成されており、物語の進行とともに、ダメージの桁は見る見るうちに膨れ上がっていきます。 膨大なHPを誇るボスに挑むためには、こちらも絶大なダメージソースが必要となってくるでしょう。
加えて、このゲームはグラフィックもまた圧倒的なものとなっています。 マップや絵のクオリティもさることながら、画面を覆いつくさんとするボスの迫力は圧巻です。莫大なHPを誇るボスに相応しく、画面を余すことなく使って強烈な存在感を演出しています。
様々な面で圧倒的なるボスを、インフレした火力で下していきましょう。
感想 インフレする戦闘と、画面を覆いつくさんばかりのボスが特徴の方です。
能力強化アイテムをちゃんと使わないと雑魚なのを忘れていて、最初のボスに思いっきり瞬殺されて負けイベントかなと思っていました。 このゲームでのレベルはスキル習得くらいしか意味はないので、とにかく能力強化アイテムと武器で能力値をインフレさせていく必要があります。
戦闘バランスは前回よりぬるく大味になっている印象で、早い段階でカナタの通常攻撃が10連にできるため、実質戦略も固定されています。 パラメータが足りていて大勝ちか、パラメータが足りなくて大負けしかしない印象です。 ただ、このゲーム性で難易度を上げるとパラメータがとんでもないことになりそうなので、難易度としてはちょうどいいのかもしれません。インフレしたバランスをまとめるのは難しそうです。最終的にはFFXのデアリヒターみたいになるんですかね。
暗転による待ちはありますが、会話は短くなったので、個人的には以前より間を感じにくくなりました。会話内容はこの先どうなっているんだろうをずっと問い続ける印象ではありますが、人数が減ったせいなのかトータルの会話量が減った気がしています。会話エリア自体が少なくなっているのかもしれない。 暗転による待ちについても、雰囲気を保つレベルのもので、めちゃくちゃ待つ印象ではなくなりました。
グラフィックのレベルは高く、マップの背景も時々に応じて印象が変わりますし、何より節目のボスのグラフィックはやはり圧巻です。 画面全体をボスで構成して出す迫力については素晴らしいものがあります。 あと、FFっぽい曲が流れるエリアは雰囲気にもあっていてよかったです。
30. ALICE IN ANOTHER WORLD -鏡の国のアリス-
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
6時間
1.09
クリア($101万)
良かった点
色々と驚きのあるギミックがありました
スキルによる一足飛びの強化が面白かったです
確認を極力排してスムーズに遊べる仕組みでした
気になった点
マップ移動の単位が粗いので、動き回る必要のある距離が長いことがありました
前作前提の説明がそこそこ見受けられました
レビュー まるで将棋だな
パズルは一般にはいくつかの手で終わることから、詰将棋のようなものと言えるかもしれません。その手筋は長くなることはあっても、大抵は一つのステージに収まる範囲にとどまっています。 それでは、何百という手を要求されるパズル的なものは、将棋や囲碁のようなものと呼べるのではないでしょうか。 そこで必要になるのは、達人を除けば何百手という先を読む思考ではありません。その中の一部の短期間における最適行動を考えていき組み合わせていく力と、先を見据えて強くなりうるであろう布石を打つ勘あるいは定石です。
ALICE IN ANOTHER WORLD -鏡の国のアリス- は、WWAというジャンルのゲームになります。 ステージにある敵、鍵、扉、アイテムと自身のパラメータをにらめっこしながら、可能な限りダメージを受けずに突破していくことが基本的なルールとなります。 有限である鍵をどこで消費して扉を開けるか、どのアイテムを優先的にとってパラメータを上げるか、その上でどの敵を倒していくのがトータルの被弾が抑えられるか、そういったパズル的な思考を要求されるでしょう。
ただし、このゲームのステージはいくつにもおよび、それに応じて配置されている敵も数百を数えます。アイテムや鍵、扉の数もそれに類するほどにあるため、すべてを読み切るのは困難です。 すなわち、このゲームを攻略するには、短期的に見て最適な行動をとりつつも、時に全体を見据えた視座でもって考えていく必要があります。 ここでカギになってくるのは、将棋や囲碁のような感想戦であり、すなわち検証です。どこの行動が最適でなかったか、あるいは全体的に何の要素が抜け落ちていたか、これを検証し、詰めることでより深く攻略できるようになります。
加えて、このゲームは単なる完全情報ゲームには留まっていません。ちょっとした隠し要素や、変化のある敵などの様々な驚きも待ち構えています。初回に詰めるのはいずれにしても困難なので、まずは色々なギミックを楽しんでいきましょう。
走り、検証して、詰めて、また走る。そういった己との戦いを楽しめる作品となっています。
感想 このゲームとは直接関係のない理由でプレイを躊躇っていた時期があったんですが、ちゃんと手を出してよかったです。楽しい。
WWAという点では、同コンテストに出ているワドルーと同じですが、こちらは完全情報ではありません。 擬態するミミックめいた敵とか、倒すと幽霊になるゾンビとかのギミック面、抜け道ロジックで発生する動き、未達のマップが見えない、といった色々な面において、未知が待ち構えています。 前者二つは短期のセーブ/ロードでどうにかなるとはいえ、初見で完璧にプレイングするのは恐らく不可能です。 ただ、このジャンルについて詳しくはないんですが、どっちにしても初見で完璧にはできない気はしています。一回通してガバやったとこを見直していくのが筋だと感じているので、それならば初見で色々と驚きがあるこっちのタイプも好きです。
一方で、マップ数がものすごく多いので、最初にプレイしたときにどこでミスったかを把握するのは結構困難です。ゲームの特性上、ミスが後のほうで響いてくるので、一回通しただけでルールへの理解が足りないと、ミスを発見するのは至難の業になります。 殴る前にアイテム取り忘れたくらいなら良いんですが、ここはSP2を使わずに待って別のスキルを習得すべきだったとか、ここはATKよりDEFをあげるべきだったとか、ここでRESを取っておくといいタイミングでボーナスが発生していたとか、細かいレベルの失態はなかなか難しい。
そういう意味で難易度は高いとも言えるんですが、ゲームオーバーの概念は基本的にないため、どんなに下手でもやり切ることはできます。 やり切ってしまえばギミックがすべて把握出来るので、プレイ前に作者さんの紹介動画を見て何がガバだったかを理解しておけば、二回目にはノーコン/ノーショップは出来るとは思います。 筆者は最初コンティニューをべらぼうに使ってクリアして、色々詰めたら二週目にはノーコン/ノーショップは何とかなりました。その時点で87万ドルで、終盤の鍵をミスったのは理解していたので、その辺を詰めて101万ドルに乗っています。
これが(1週目)
こうなって(2周目)
こうじゃ(2周目を詰める)
これは割と偏見なんですが、ちゃんと詰めようとすると大体1プレイ3時間弱かかる将棋みたいな印象です。なので、最初にクリアした人がもう一度3時間弱かけて走るかなと思うのは、なかなかにハードル高いのかなあと思っています。 と言うのも、先に書いたような何が失敗だったのかをちゃんと理解してスコアを伸ばすには、大体2時間くらいかかるルート構築を見直す必要があります。これの第一歩は、ルートを重要点を基準に分割して、それぞれの部分で失敗を精査していくのが割と大事になると思っています。これをしないと、途方もない長さのルートを検証することになるのできついです。 また当然、攻撃に振りすぎていて防御ペラくて特定の敵がきつかったみたいな話もあるので、全体的な視座も持っておく必要はあります。 この検証をちゃんとやれるようにするというのは、結構難しいんじゃないかなと感じています。 後は単純に時間もかかるので、二週目に行くハードルは総じて高いという印象です。
シナリオはノリと勢いで進行していくタイプですが、世界観は勢い任せでなくちゃんとあります。前作があるらしいので都度都度置いていかれる気分にはなりますが、あくまで勢いの部分に関してはそのまま流されれば楽しめます。 キャラについても、大体会話を聞いていればどういうキャラか分かるようになっているので、前作を知らなくてもある程度は楽しめると思います。
あとはシステム面で言うと、一部マップで敵確認が使えないのが若干面倒な時もありました。主には畑とアムネジアのあそこですが、計算するためにいちいち外に出ることにしていました。何か有効な解決法あったのかな。
余談ですが、レビューでは詰将棋と将棋を分けるにあたり、何百という手みたいな表現をしていますが、百手を超える詰将棋は普通にあります。1525手詰めとかいう意味わからないものもあります。この世は広い。
31. エルの死神
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
1.03
全ENDクリア
良かった点
探索ものとしての作りが丁寧でした
グラフィックの雰囲気が良いです
気になった点
カエルをはじめ、ややノーヒントの謎解きも多かったです
レビュー 正統派ホラー探索
エルの死神は、正統派なホラー探索ものです。 屋敷を探検し、様々な謎を解いていくことでゲームを進めることができます。
ゲームとしての作りは非常に丁寧で、導線でつまることはほとんどないでしょう。そうした丁寧なつくりの上で、様々な謎解きに挑むことができます。 謎解きの難易度は程よく難しいものが多く、ちゃんと考えて解く楽しみがあります。
そうして進めていくシナリオは道中の行動や選択肢によって6つのエンドに分岐していきます。どういった決断を下し、エルがどうなるかは、プレイヤーの判断に委ねられています。
また、キャラクターを中心に屋敷のマップなども含めて、綺麗なグラフィックも魅力の一つです。ややホラーな雰囲気を強く演出しています。
雰囲気のある中で探索や謎解きを楽しんでいきましょう。
感想 オーソドックスな探索ものです。つくりも丁寧で、謎解き難度もちょうどよく、全体的な画も各グラフィックとしての絵も綺麗です。 即死トラップの数は気持ち多めですが、ホラー探索は大体頻繁にセーブしがちなのであんまり問題にはなりません。唯一の不満は即死があるけど、タイトルのContinueにカーソルが最初に合わないことだったんですが、どうやらアプデで修正されているようなので完全に問題なくなったと思います。 なんなら、死ぬパターンを探すのも結構面白いかもしれません。
謎解きは難易度自体にはややばらつきがありますが、総じて何とかなるレベルです。最初の謎の段階で、適当に選ぶと失敗するようにリンゴが遠くにあったり、雑にやると上手くいかないようにはなっている気はします。 一部あんまりヒントがない謎解きも混ざっていますが、取れる選択肢は多くないので感覚で何とかなります。
マップについては、最初の舞台である屋敷は比較的広いですが、ダッシュもあるのでそんなに気にはなりません。向かうべき部屋数もそんなに多くなく、後半はほぼ部屋での活動なので迷うことも少なめです。
プレイ時間1時間のうち、30分くらいはEND1を探すために再走したものなので、実際は30分くらいでクリアできます。END1の出現条件の一つが、多分かなり前の選択肢に依存していそうで、そこだけ難しくはありました。 END1がGood Endなのかなと思うんですが、END3も別の正解っぽさを感じます。絵もちゃんとついてますし、別のTrue End感あります。
初期の初期くらいは、キャラチップと立ち絵の髪色が違うように見えて気になっていたんですが、かなりどうでもいい違いなので、少ししたら全く気にならなくなりました。亜麻色っぽい気がしてるんですが、キャラチップだと金の印象が強いです。
33. ヒエンタン
ジャンル
作者
アクション or RPG
Masaqq
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
1.31
クリア
良かった点
アクションとしてもRPGとしても楽しめる面白い仕組みでした
戦闘省略がテンポ感を上げていました
気になった点
キャラの切り替えがやや煩雑でした
掘るためやジャンプのためにイヌを呼び出そうとすると、戻す分も含めて4回押す必要があります
レビュー このゲーム、アクションと見るか? RPGと見るか?
ヒエンタンを、アクションと見るかRPGと見るかはプレイヤー次第と言えるでしょう。
基本的なシステムは、ダンジョンに潜り、ボスを倒してストーリーを進めるというものです。ダンジョンは2Dアクションのような構成であり、ジャンプも使いつつ進んでいくことになります。
そして、このゲームにおいては、敵との遭遇はすべてシンボルエンカウントで行われます。このシンボルは、すべて回避可能であるようにデザインされているため、すべての敵と戦うことなく進めることができます。 加えて、道中でキーアイテムを取得しておけば、ボスですら戦わずに回避することができます。 この性質を完全に利用するのであるならば、このゲームは多くの面においてアクションであると捉えることができます。
一方で、シンボルにひたすら挑んで出来るだけ敵を倒すことも、もちろん可能です。一ダンジョンにおける戦闘ターン数には制限がありますが、それを越えない限りはいくらでも倒すことができます。 また、一度倒した敵について条件を満たせば次回以降は戦闘を省略できるという仕組みのおかげで、スピーディーに戦闘をこなしていくことも可能です。 そうしてお金を貯めて街の設備を拡充して、より強い敵と戦えるようにしていくという楽しみ方もできます。 この楽しみ方は、アクション要素のあるRPG的なものであると言えるでしょう。
どちらの遊び方も、あるいはそれらをハイブリッドした楽しみ方もできる、一粒で二度以上おいしいゲームとなっています。
感想 昔のアクションゲーム感あるマップやドットの雰囲気がいい作品です。
前作にもあった戦闘省略システムは本当に便利で、一度上手く倒せれば後は省略できます。加えて、すべての敵を避けられるシンボルエンカウントの仕組みのおかげで、別の楽しみ方もできそうです。 シンボルエンカウントにアクションを組み合わせて、良い点を上手く使っている印象です。
個人的な攻略としては、一人に火力を集中させておくと戦いやすかったです。最終ダンジョンでツケを払う羽目にはなりますが、逃げていれば何とかなるのでやっぱり強い。
アクションとしてはだんだんキャラを切り替えられるようになって、最終的には4キャラになるんですが、掘れる+初期ジャンプ力が強化されたイヌとそれ以外という印象です。 人間3人は戦闘時以外には特に違いが出ないので、あんまり印象に残りませんでした。イヌだけは掘るアクションと、ジャンプ力の高さから酷使されがちで、実質メインキャラかイヌしか使わない遊び方になっていました。敵の属性ごとに人を切り替えていくのが想定されているのかもしれませんが。 そうでなくても、掘るためにイヌに切り替えるために最大3回キャラ切り替えキーを押す必要があるのはやや面倒ではありました。このキャラ切り替え方式は出来れば二人、最大でも三人向けのシステムに感じます。
戦闘については、ターンをかけすぎるとゲームオーバーになるので、一戦闘ごとに戦いを上手くコントロールする必要があるのが面白いです。 最速でやれない相手はアクションで遭遇拒否を選択するなど、アクションを用いた戦略性も楽しめます。 一方で、スキルや装備を確認するには戦闘する必要があるんですが、その戦闘ができれば最小限にしたいものなので、実験のための戦闘がしにくい印象でした。拠点でテストの戦闘ができる相手がいると捗るかもしれないなあとは感じました。
かなり細かい話ですが、Ctrlキーと言われたときに左Ctrlキーを押して反応しなくて若干戸惑いました。右CtrlキーをCtrlキーとする派閥のゲームだったようです。
最終スコアはこんな感じです。途中まで狂ったように敵を倒し、後半はそこそこ逃げていました。
34. 城跡のアリュイラ
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
9+3時間
1.06
前後編クリア(スタンダード/全取得)
良かった点
アクションの手触りが良かったです
段階ごとに難易度の上がる良いレベルデザインでした
ステージの設計が見事でした
気になった点
ラスボスに顕著ですが、スキップの仕様がやや面倒でした
キーを押して入らないとスキップされないので、毎回キーを押しっぱなしで扉に入る必要があります
一度イベントを見たら二度見なくてもいいかもしれません
レビュー 手触りの良い高難度アクション
高難度のアクションが面白くあるには、アクションの結果に納得できる必要があります。ほとんど完全に自分の操作が悪いと信じられるからこそ、困難なステージに挑むモチベーションが保たれるというものです。 すなわち、難しいと形容すべきアクションは、それだけより丁寧に作り込まれている必要があります。
城跡のアリュイラのもたらすアクションは高難度と呼んで申し分のないものであり、そして失敗に対する確かな説得力があるものでもあります。 基本的なジャンプアクションに重力を反転する能力が付加されたゲームデザインは、手触りが良く、丁寧に作られたものとなっています。操作にはちょっとしたコツが要るものの、慣れてしまえば思いのままに操ることも可能でしょう。 ふわふわとした操作をマスターし、危険地帯をノーミスで抜けられるようになった時には、大きな達成感が得られるはずです。
加えて、難しい箇所はとことん難しいものの決して理不尽でないステージデザインに、段階的に難易度を上げていくレベルデザインが合わさり、常に今の実力ではちょっと難しいステージに挑戦することができます。平易ではないハードルを越えていくことで、少しずつ練度を培っていくことができるでしょう。 要所要所に待ち構えた、極めて攻撃性の高いボスに勝てるようになるころには、そのステージにおける練度は十分と言えます。
また、このゲームにはアイテムを集め能力を増やし、行けるところを増やしてくメトロイドヴァニア的な楽しみもあります。 各所に散らばった封印石に触れれば少しパワーアップし、いくつかある宝箱を開ければ特殊能力を得たり、より強くなったりできます。どうしてもクリアできないのであれば、まだ集めきっていないステージでパワーアップを狙うのも一つの手です。
この作品は、高い難度のアクションという障壁に、心行くまで挑戦できるものとなっています。 自らの練度だけが頼りになる戦いにチャレンジしてみてはいかがでしょう。
感想 楽しんだかどうかで言うなら、アヴァロンと双璧で楽しみました。どちらも本気で難しいけれど、リトライだけは最後までしてしまうという意味では似たような中毒性がありました。
ゲーム性は重力反転を肝にしているので、イメージ的にはVVVVVVです。ただ、あっちが着地するまで反転しない一方で、こちらは変幻自在に慣性をつけて行えるので、気持ちこの作品のほうが難しくは感じます。難易度そのものもそうなんですが、慣れるという観点でもかなり時間がかかりました。 大体慣れたかなと思えたのは、朱色の塔を全部回収できたくらいのタイミングです。あの辺で培った練度がなければ、YABAI ZONEを抜けられていたかは正直分からないです。
ただ、難度は高くともアクションとしての手触りは良い感じなのでプレイを続けられていました。高難度アクションは大体操作性がちゃんとしていないとプレイ意欲がどんどん低下してしまうので。Celeste なんかはその辺がちゃんとしてるから続けられますが、こちらも操作性は良いので続けられます。 ふわふわ重力アクションの雰囲気があって楽しく、Flappy Bird のような経験と手元の感覚で上手く動かすタイプの面白さです。 一点、リトライだけはちょっと手順多めではありますが、死にゲーというほどには死なないステージも多いので何とかなりました。全編YABAI ZONEだったらさすがに気になってたかもしれません。 あとリトライで言うと、特にラスボスに顕著なんですが、スキップの仕様がやや面倒でした。スキップのキーを押して入らないとスキップできないので、一回見たら覚えておいてもう再生しないでもいいのになあとは思いました。ただ、宝箱も同じ仕様で、宝箱でそうだったのは理解できるので難しいところです。
難易度の上がり方はおおむねちょうど良く、ステージが上がるごとに段階的に難しくなっていく感じは好きです。 YABAI ZONEだけ異次元に難しいきらいはあるので、正直おまけステージでもよかったのではないかとも思うんですが、個人的には最終盤で地獄を見せてくれたので好みでした。 傾いた常識で成程これは歯ごたえがありそうだと思わせてからの、断崖の悪夢の絶望感はなかなかでした。本当にこれクリアできるのかなと不安になるレベルです。
それでも人間は慣れるもので、朱色の塔で命からがら全回収できる程度の腕でも、気づけば空一面の悪意で被弾2程度に抑えられるようになります。Furiの「卓越とは技ではない。単なる慣れだ。繰り返し行うことで体得する」を思い出していました。
後編については、序盤はともかく、ちょっと進めれば前編より正直簡単でした。 一部のステージについては難易度が上がってる気もしますが、おおよそのステージで易化します。何なら、最大難度であるYABAI ZONEとか、結構苦労した雲のエリアでは結構簡単になってるのでスムーズに行けました。 これが慣れによるものなのか、単純にアクションの馴染み度合いの差なのかは難しいですが、個人的には後者だと思っています。後者ゆえの慣れという見方もあるかもしれません。
ただ、ステージ構成をさほど変えてない(あるいはまったく変えてない?)にもかかわらず、ジャンプ+直進方向への無敵でも成立するステージデザインになってるのはすごかったです。 もちろん、重力反転アクションに重きを置いたステージデザインになっていることは前提なんですが、ちゃんと後編のアクションセットでも楽しく遊べるようになっているというのは素晴らしかったです。
なお、筆者はスタンダードでやり切りましたが、意地で進めた部分があるので、難しいなと思ったらパワフルに鞍替えしたほうがいいと思います。 試してはいませんが、HP2倍くらいがちょうどいい難易度になる気がしています。全回収を目指すにしても、スタンダードよりパワフルのほうが体力のごり押しが効きそうですし。 ノーダメ回収ルートについては見えてはいるんですが、これを本当に人間ができるのかという気持ちになっています。できる人がいるから用意されているわけで、人類の裾野は広い。
ちなみに、筆者はこのゲームを大体携帯機でやっていました。電車に揺られながらとか空いた時間でもできますし、手触りとしてもかなり快適にプレイできたのでお勧めです。GPD WIN3はいいぞ。
35. ヒアリ対策シミュレーションゲーム Dr.Gのヒアリ防除
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
0.9
S(100)
良かった点
ヒアリという見えない敵との戦いを表したゲームデザインでした
浸食度、進行度のような概念がないため、完全に手探りで戦うことになります
スパコンという反則級のシステムによる落差を味わえます
気になった点
ベイト剤の副作用の説明が薄かった印象です
冗談という言葉により、それから先に続く話でチュートリアルがすべてだと勘違いしていたという個人的な問題もありました
助手に喋らせても良かった気がします
レビュー 見えないものとの戦い
外来種やウィルスが問題となった時に、よく水際対策が大事と言われます。確かに、入れさせないことが出来るのであれば、それは何よりも完璧な対策となること請け合いです。 しかし、水際対策と言っても、それがどういったものなのか、いまいち実感が湧かないという方も多いのではないでしょうか。
ヒアリ対策シミュレーションゲーム Dr.Gのヒアリ防除は、そんな水際対策を少しだけシミュレーションすることができる作品です。 完全に可視化できないものとの戦いが一体どういうものであるかを教えてくれることでしょう。
ルールはシンプルで、ヒアリを国内に広めないように、各港に様々な対策を講じていくというゲームとなっています。啓蒙したり、虫を根絶する薬をまいたり、ちゃんと調べて駆除したり、様々な対策が行えます。 ただし、それぞれをやるにはお金が必要であり、予算は限られています。やりくりを上手くしていきましょう。
こうして対策を行うものの、ヒアリがどこに何匹いるかは常に未知数です。時には、効果が分からない施策を打つ必要があるときもあります。 それはまさに見えないものとの戦いであり、最終結果が出るまで勝利できたかは判然としません。
可視化の難しい敵と戦う水際対策の難しさと、予算の世知辛さが分かる作品と言えるでしょう。
感想 最初はとりあえずヒント無しでやるのがいいと思っています。 正直、ヒントがないと何もわからず、自分の打った作戦が効果的かどうかもあんまりわからない状態で、いるかどうかすらわからないヒアリのために金を注ぎ込むことになります。 結局、すべての評価が行われるのはすべてが終わったタイミングだけで、そこで初めて自分の戦略がどうだったか分かります。大体このタイミングでわかっても、何が悪かったかを検証するのも難しいです。 そうすることで、ヒアリ対策というもののリアリティを感じることができるでしょう。それが、このゲームの唯一無二の特色です。
とりあえず啓蒙してみたり、コスト安めの作戦を取ってみたり、少しづつ減る予算の中でどう割り振っていくか決めたり、暗中模索で色々やっていく必要があるということが、すなわち見えない敵であるヒアリとの戦いというものをつぶさにシミュレーションしています。
そうしていったんクリアしてからは、スパコンを開放してプレイすれば、一気に難易度が下がります。見えない敵が見えるようになっただけで、完全にぬるくなります。見えるということがどれだけ有難いことが分かったところで、このゲームは個人的には終了しました。 完全に個人的な感想ですが、この落差を感じ取れるという所に、このゲームの本質があると思っています。
ゲーム性で言うなら、スパコンがあまりにも強いので、年の終わりにしか見えない、3年に1回分かるみたいな中間難度があった方が良いような気もしますが、上記の理由からこのゲームに必要だとはあまり思っていません。 そも、浸食度のようなものも何もなく、ヒントを開けなければ対策が与えた意味すらも十全に分からないまま進めていくしかないゲームデザイン自体、なかなかに挑戦的ではありますが、このヒアリ対策シミュレーションゲームという目的に対しては最適な設計だと感じています。
一応ゲーム内で説明が薄い気がしているけれど重要な要素として、ベイト剤は予算無いからといってばらまけばいいものではありません。後半はともかく、前半ならむしろ撒かないほうが良いケースも多いです。その上で、水際対策を徹底していけば、何とか対策は取れるでしょう。
36. 終焉
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
40分
1.00相当
クリア
良かった点
無名チェックがされていました
ガチャで良い装備を引けると嬉しいです
気になった点
進行不能がありました
現在再びダウンロードできなくなっているので確認できていませんが、多分修正されています
ゲーム内の説明が適切ではありません
ろくな本がないと言っているのに、本棚に行かないとシナリオが進行しません
乱数の説明が間違っています
オープニングの操作不能時間が長い印象です
レビュー ガチャを回そう
終焉は、短編のRPGです。
戦闘をメインとしつつ、物語が進んでいきます。 戦いに勝つには、ガチャがカギとなります。ガチャを回すことで良い装備を引き当てることができれば、戦いを有利に進められるでしょう。
ガチャを回して良い装備を集めて、強敵に挑んでいきましょう。
感想 Editor同梱だったり、しばらくダウンロードできない時期があったりしましたが、クリアはできました。修正バージョンがダウンロードできなかったので、むしろEditor同梱だったのが助かったという面もあります。なお、ウディコン中にダウンロードは復活したそうです。今はやっぱり切れています。
あと、これはあんまり関係ない話なんですが、名前を入力させられるときに、最初が空白だったらまず無名を試す癖があるんですが、このゲームはちゃんと無名をはじいていました。無名を許すかどうかはどっちの立場もありそうですが、個人的にははじく方が好みです。
とりあえず戦闘バランスはウディタデフォの未調整という感じで、クリティカルお祈りゲーです。通常は0、クリティカルなら20入るいつものという感じです。 一番強いのは間違いなく最初のボスであるところのミミックで、以降は特に詰まることなく進めます。
また、このゲームはガチャで良い装備が引けるかどうかにすべてがかかっているんですが、その攻略法としてゲーム側が提示していることに少し誤りがあります。売るファールの感想でも触れた気がするんですが、ウディタの乱数はセーブ時にちゃんと保存されるので、ロードしただけではばらけません。乱数を使う何らかの行為の後にガチャる必要があります。 シード値をその時の時間ベースに毎回置き換えるなどをしていれば、ゲーム内説明通りにはなるんですが、そこまではしていないようです。
あとは、ろくな本がないと行っていますが、この本棚経由でしかストーリーは進まないという罠があります。全体的にゲーム内説明があてにならないので、ちゃんと調べておきましょう。
ストーリーについても一応触れておくと、ぽっと出てきたキャラが雑に終わらせてくる以外は、筋的には普通です。つなぎはやや雑ですが、意味は通っています。操作できないオープニングの期間は結構長めなので、せめて宝箱あたりで操作可能にしてプレイヤーが逃げる動きをしつつ、追い詰められたようなイベントになっていれば良かったなあとは思います。
ちなみに、もし初期バージョンだけ持っていて、もうダウンロードできないから進行不能という方に向けて、一応修正方法を共有しておきます。もっとも、該当箇所を見れば割と一目瞭然ではありますが。 要件は二つあって、一つは事前に羊に会っていると条件を満たすことができなくなります。ここは事前に羊に会っていても、条件チェックを行うように修正してください。もう一つは単純に比較が間違っているので上に登れなくなっています。比較の式を直しておきましょう。
そしてこれは全く関係ない話なんですが、Editor同梱ゆえ存在が確認されてしまっているコガ君のゲームは何なんでしょう。もしかしたら何かの条件を満たせば起動できるのかもしれません。気になる。
37. My Sweet Blossom
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
1.10
クリア
良かった点
良い狂気をはらんだ物語でした
各動作が軽快なため、周回が楽でした
ランダムで植える行為が序盤の良い導線になりました
気になった点
理解してしまうと作業ゲーになります
ただし、理解するまでにそこそこ時間がかかるので作業ゲーになるまではだいぶ遅めの印象です
レビュー 狂気めいた不穏
狂気が描かれるとき、それが自然であればあるほど、その狂気はより洗練されて恐ろしさを増していきます。 当人が自然に感じていればこそ、そして徐々にそれが当然のことであるかのように描写されればこそ、狂気と正気のあわいが溶けて曖昧になっていくことでしょう。
My Sweet Blossom が紡ぐ物語は、その種の狂気を鮮明に描いています。すべての狂気に侵された時、良い狂気を摂取できたと感慨に浸れること請け合いです。
このゲームは、お花を育てることで進んでいきます。お花を育てて納品できれば、狂気の片鱗を見せる掌編を読むことができます。あるいは、掌編を読むためにお花を育てているのかもしれません。 そうして納品したお花ごとに掌編は異なり、それらが連ねられていくことで、物語は展開してきます。掌編と掌編の間には行間があり、それがより一層狂気を引き立てています。
ただ、お花を育てるといっても、簡単にいくものではありません。 このお花は特殊なものであり、どんな肥料が良いか、水はどれくらい与えるべきか、どれくらい枯れやすいか、といったデータは最初のうちはありません。植えて色々と試していくことで、お花をどう育てるかを発見していくことになります。 適切に肥料を与え、水をやり、時には探検に行くことで、お花を育成していきましょう。
お花を育てて質の良い狂気を浴びてみてはいかがでしょう。
感想 良い狂気が摂取できるノベルゲームです。お花を育てるとノベルが読めます。お花とノベル、どっちが主従かは人によりそう。
色々なことを手探りで調べていくタイプのゲームで、分かってしまえば作業にもなるようなゲーム性です。 ただ、手探りで調べないとわからない時間が結構あるので、大体のノベルを開放するまでは、色々調査するフェーズがちゃんとある印象です。有体に言えば、本当に作業に感じるのは最後くらいなので、あまり気にはなりません。
特別ゲームオーバー的な要素もないので、試行錯誤は無限にできます。例えば、水は土が白くなるタイミングであげるのと、常にあげるのとでどれだけ違いが出るかの検証などもすぐにできます。他にも、日数を考慮した咲かせ方の検証、各花の効果的な肥料の検証、イベントの検証など、検証するにあたってペナルティがないのは非常に気が楽でした。
加えて、各動作が軽快で反応を待つようなこともないので、サクサク進められるのも良かったです。検証をスムーズに進められるのもそうですし、最後に若干作業になってもだれるほど長くならないのが助かりました。ミスった周回を雑に流す際も便利です。
また、ランダムで植えるという選択肢があるのも結構重要で、これがないと最初は謎が並んだ種から適当に拾ってくる何もわからないフェーズが発生してしまいます。ただ、ランダムという要素があり、かつほんの少しでも恩恵があるので、本当の初見ではランダムを選択し、一回種という概念を捨てて肥料などの選定や散歩といった行動のほうを理解するフェーズを入れることができます。 当然、行動を理解するとランダムで植える種はあんまりうまみがないことが分かるので使わなくなってしまいますが、この最初の理解の段階を分けるという意味では割と重要なファクターだったと思っています。
あとは、花を育てていこうと思えるほどに、ストーリーが良いのがやはり強いです。 花を渡すことで開放する物語は、どれも短編かつある程度独立しているものの、この短編の連なりがどういう結末を迎えるのか気になる展開です。また、一つ一つの短さもちょうど良いので読みやすいです。 断片を拾って朧気ながら見えてくる真相と、それでいて一番深いところは想像の余地がありそうなシナリオはかなり興味を惹きます。タナトスに沈む系の不穏も好きなんですが、このタイプの狂気じみた不穏も好きです。
ちなみに、個人的なプレイ体験としては、しばらくの間アジサイとライラックを運ゲーだと思っていました。この辺は検証不足なだけで、最後の方でまとめて育成するタイミングで初めて気づきました。 独り言が雰囲気だけでなくヒントでもあったということにさっさと気づくべきではあったなあと思っています。
38. 毒薬
ジャンル
作者
探索
{(C6H9O5)2[Cu(NH3)4]}n
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
10分
1.01
2END
良かった点
Twitterや日誌のランダムな話が良かったです
エンドに至る演出とその意味を強めるための工夫が良かったです
気になった点
探索要素はややわかりにくかったです
探索範囲が狭いので、気になり度合いで言えば薄めです
レビュー 夢
毒薬は、ごく短いアドベンチャーゲームです。
探索すべき箇所は少なく、少し探索すれば、エンディングを迎えることができるでしょう。 ただし、アイテム欄にあるスマートフォンでTwitterを眺めたり、日誌を見ることで、色々な話を見て時間を過ごすこともできます。
そうしてエンディングへと辿り着いたときに、このゲームがどういう結末を迎えるかはプレイヤー次第となります。 願わくば、取り返しのつかないようにならないことを。
感想 筆者も理系の研究室には行きましたが、情報系だったのとブラックではなかったので、そういう研究室があるという漏れ聞こえてくる情報しか知りはしません。そも、学部で就職してしまったのでなおのことではあります。ただ、こういう悲哀はあったのだろうなとは感じています。
探索要素は少なめなので、クリア自体は平易です。 そして、恐らく普通にプレイしているとGOOD(と言っていいような気がする) ENDに行くものと思います。その後、条件を満たしさえすればBAD ENDらしきものに入ることもできるでしょう。
このゲームの面白い要素の一つとして、Twitterや日誌をのぞくと、ランダムで色々見れるというものがあります。 そこそこの回数見ましたが、重複したものしか見かけなくなるまで割と長かったので、結構な数が用意されていそうです。どちらの内容も、怨嗟を感じるものとなっています。
もうひとつ面白い要素として、Saveフォルダが隠しファイルで同梱されています。理由はおそらくBAD ENDにいった人向けなのだと思っています。取り返しのつかないことというものを表現するのに、こういう手法があるんだなあと唸りました。 確かに、Saveファイルを一般に見えなくする手法の一つとして有効な手だと思います。ただ、ウディコンという場は開発者が多そうな偏見があるので、大体隠しファイル見える設定にしてるんじゃないかなとは個人的に考えています。
なお、プレイ時間が無限なのは、どれだけ進めてもGOODっぽい終わり方はループして終わらず、BADっぽい終わり方はそこですべてが打ち止めされてしまうことを意味してるのだと推測しています。 ある意味で主人公は良い終わり方を迎えることが許されておらず、必ず最後にはBAD ENDを迎えるように仕向けられている印象です。 ただ、筆者が何かトリガーを見逃してるかもしれません。これを抜ける方法がどこかにないかな。
39. ブロックを崩すゲーム
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
1.02
2面までクリア
良かった点
ブロック崩しにスキルと反射を入れたアイデアが秀逸です
全体的な雰囲気に統一感があります
ボスの弾幕に特徴があって楽しいです
気になった点
敵弾が多すぎると処理落ちします
敵が一画面で出す最大数を決めたほうが良いかもしれません
敵の弾が重なると見た目一つで即死の弾が作られます
ステージ進行で弾の位置が保持されるため、開幕で意図せず敵に当たって詰むケースがあります
レビュー 変則ブロック崩し
ブロックを崩すゲームは、独特なルールを持ったブロックを崩すゲームです。 このゲームでは、ブロック以外にもいくつかの敵が配置されており、それが撃ってくる弾を打ち返さなくてはなりません。さらに、そうして打ち返し続けると敵の弾を自分の弾にできたり、様々なクールタイム制のスキルが使えたりと、他のブロック崩しとは異なるプレイ体験を感じることができます。
敵の弾を一定数返せなければゲームオーバーのため、敵は早く倒しておきたいと考えるかもしれません。しかしその一方で、敵がいないと弾を撃つものがいなくなり、自分の弾にすることもできません。早く倒したいのは山々ですが、適度に残さないときつくなるジレンマに悩まされることでしょう。
また、ステージの最後には特殊な攻撃パターンを持つボスが待ち構えています。さながら弾幕のような弾を打ち返し続けて、勝利をつかみ取っていきましょう。
スキルも使って上手く立ち回り、2つのステージをクリアしてみませんか。
感想 スキル制、敵の弾を反射すると自分の弾にできるといったように、アイデアとしては面白いブロック崩しでした。体力性になっているのも嬉しいポイントで、体力が尽きるまでは練習としてプレイできるため慣れるのも楽です。
一方で、体力が減るとバーが縮むせいで、ちょっとでも体力が減るとバーが減って返せなくなり、結果またバーが減ってみたいな悪循環に陥りがちではありました。ピンチをチャンスに変えることはできず、ピンチがさらなるピンチの呼び水になります。あえてピンチのほうがバーが伸びるくらいやっても良かったかもしれません。
敵の弾を自分の弾にできる都合上、できるだけ弾を出す敵は残しておきたいが、敵の弾が多すぎると処理しきれないみたいな二律背反が楽しめるのは面白いゲームデザインでした。ここくらいまでは倒して良くて、それ以降はできるだけ倒したくないみたいな戦略も立てられます。 惜しむらくは、弾のコントロールがかなり大雑把にしか付けられないので、その戦略をあまり実行できないことです。 加えて、ステージが進んだときに存在していた弾の位置が維持される仕様上、ステージ開始とともに大量被弾して敵が消えるみたいなことが割と頻発しました。2面の途中でこの現象により弾が消失し、何とも言えない気持ちになりました。 ステージ上に存在する球をいったん下段にばらばらに配置して、バーが触れたら飛ぶようにするみたいな設計だと、事故は減りそうです。
また、1-3あたりでプレイしていると良く起きるんですが、敵の弾が無尽蔵に出るため処理落ちし、しかも敵の弾が重なっているため、見た目一つの弾を見逃すと即死するという現象が発生します。 上手く重なりを分かりやすくする手法は正直思いつきませんが、せめて敵の弾の一画面内最大弾数くらいは設定されていると処理落ちくらいは防げるかもしれません。
敵を開幕で倒す可能性がある問題と、耐久性が良く枯渇するという性質、加えて反射した敵の弾の耐久は1しかないのですぐ消えるからうまみがないという話も相まって、このゲームのある種の最適解として、筆者は以下の手法をとりました。 耐久回復スキルを持ち込み、上下にずっと動く膠着状態を作ってひたすら回復しておくことです。 メインの弾くらいは消えないでほしいので、この手法で耐久度をひたすら上げ、ついでに敵の弾も初期値1ではしょっぱいのでちょっと上げられます。 この手法でやるとボス戦含めてステージの攻略自体は楽しめたので、メインの弾くらいは耐久度が取っ払われていても良い気もします。ただ、それでも何回か反射して味方にした敵の弾が1回で消える無常は若干気になりはしますが。
グラフィックの統一感は良くて、メカメカしいデザインです。いや、メカというよりは歯車基調なのでサイバーパンクというべきなのか、それでも語弊が出てきそうな気もするので、詳しくはやってみてください。
なんかこう、アイデア自体は凄い面白くて、ボスが張ってくる弾幕の対処とかもすごい楽しいんですけど、微妙なところの仕様とか、ステージデザインとかで十分に楽しめない感じの作品です。調整が入ればめちゃくちゃ面白くなりそうと感じているんですが、これがNot fot meなのかどうかは判然としていません。
40. 神絵師シミュレータ
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
10分+
1.0
全実績達成
良かった点
ドット絵が描けて、いいねがもらえます
良い感じにばらけていいねをもらえるので色々と思いを馳せられます
気になった点
レビュー あなたは神絵師
神絵師シミュレータは、神絵師になれるゲームです。
あなたは神絵師なので何を描いてもいいねをもらえますし、フォロワーは増えます。 とはいえ、出した作品ごとにいいねのばらつきはあるため、落書きがいいねを多くもらえたり、ちゃんと描いたものがそんなに伸びなかったりといった体験も得られます。
思い思いのドット絵を描いては放置して、神絵師になった気分で楽しみましょう。
感想 ドット絵が描けて、いいねとフォローがもらえるゲームです。ゲームなのかな。
ドット絵を描くだけならEDGEなり、dotpictなり使えばいいですし、当然そっちの方が機能は上なんですが、このゲームで描けば誰でもいいねがもらえます。 上手いドット絵だろうが、何かを模写しようが、シュルレアリスムにかぶれようが、どんな作品を書いてもいいねがもらえます。何なら秒でもらえます。なぜなら神絵師だからです。
実績を気にしだすと半分放置ゲーになる上に面倒なので、実績はあんまり気にせずに、好きに描いて放置してぼーっと眺めるのが楽しいと思います。ちゃんと描いたやつがまっとうに伸びればうれしいですし、適当に描いたやつに抜かれるとこれが世の中かみたいな気持ちになれます。神絵師は落書きのほうが伸びるとぼやいてますからね。やはり神絵師シミュレータです。 こんな感じで、伸びる絵とかが良い感じにばらけたランダムになっているので、色々思いを馳せられるのは良いです。
仕様的な話をすると、マウス選択位置の補間処理がないので線を引くのが面倒なのと、塗りつぶしがないので大雑把に塗ろうとすると面倒なの以外はおおむね問題ないです。筆者はドット絵が描ける人ではないので、本職の人だともう少し思うところがあるのかもしれませんが、素人的にはそんな気持ちでした。 あとは、やたらロードが長いのが少し気になっています。
なお、最終的に神絵師が辿り着いたのは、無の境地でした。これでもいいねが入る当たり、フォロワーはもはや絵など見ていないのかもしれない。
41. カニを滅するゲーム
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
10分
1.01
56 / 1:50 / 164
良かった点
ミニゲームとしてのレベルデザインが良いです
カニの動きの段階的な強さ調整がちょうどよいです
気になった点
レビュー カニ滅
カニを滅するゲームは、まさにその名が冠するように、カニをひたすら滅するゲームです。
カニに恨みがあろうとなかろうと、すばしっこいカニをひたすらクリックで潰していきましょう。潰すにつれてカニは怒り、よりすばしっこくなりますが、所詮はカニです。どんなに早くても、隙をついて滅していくことができます。
タイムアタックから指定数撃破、耐久まで、様々なモードでひたすらカニを潰していくことができます。 どんどんカニを滅していきましょう。
感想 筆者はカニに特に恨みはないんですが、世の中にはカニに何らかの恨みがある人がいるようで、ケンカをさせたり滅したりするようです。 駄弁はともかく、ミニゲームとしていい感じの作品です。
ちゃんとランキングが完備され、明快なルールのもとランキングに記録された数を他者と競い合うこともできます。オンラインランキングでもあれば、さらに白熱した戦いが繰り広げられていたかもしれません。
レベルデザインも良い感じで、カニがだんだん早くなっていく段階がちょうどいい感じでした。最高レベルも集中していれば何とかなるけど、集中し続けないと難しい良い塩梅です。 動きとしても、常に動き続けていて押せないみたいな調整でなくて、ちゃんと隙を見せるんだけどすばしっこくて難しいという良いバランス調整になっています。 多分気のせいなんですが、マウスを避けていくように感じてもいました。その様にはなぜかGを想起させます。
一方で、若干選択肢表示が見にくく感じました。選ばないと線が出ないタイプの設計で、最初の選択肢はまだ良いんですがプレイ確認画面がややわかりにくい印象です。 多分、うっすら黒くしているのが弱く、選択肢ウィンドウが半透明なのも相まって馴染んでしまっているのとか、選択肢ウィンドウに枠がないので目立ちにくいのとか、下に目が向いているところに上に選択肢が来るので視線的に目に入らないとか、色々な要因が重なっていそうです。 今プレイしたら特に感じなくなっていたので、恐らく慣れれば気にならない類のものではあります。
なお、マウスなら連打が安定で、最高効率を目指すならタッチデバイスかペンタブ使うのが良いのかもしれません。
42. 蒼杖の魔導士~深色の森~
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
1.07
裏ボス撃破
良かった点
強力な魔法で戦い方が一新されるのが楽しかったです
アクションは割にシンプルで、プレイヤーキャラも早く動いてくれるので快適でした
エンドロールの演出が良かったです
気になった点
ダメージの硬直で理不尽に連続ダメージを受ける印象がありました
倒木取得後に、マップ上の倒木が消えないことに微妙に違和感を覚えました
レビュー 強力な魔法を使いこなそう
ゲームを作業と呼ぶ時、それは同じことをひたすら繰り返すことに抱く感情が一つの要因でしょう。 しかし一方で、ゲームそのもののコア的な部分は往々にして同じことの繰り返しです。それを作業と呼ばせないためには、そこに差す変化とバリエーションの豊かさが必要となってくるのかもしれません。
蒼杖の魔導士~深色の森~のベースは一般的なARPGです。迫りくる敵を攻撃で倒し、先に進んでいくという流れになります。 そのシンプルな行程は、けれど決して作業的なものではありません。覚えたスキルによる一新と、相対する敵による一新が確かに存在するためです。
プレイヤーは、二つのキーを用いて物理と魔法を使い分けて戦うことになります。 さらに、先に進んでレベルが上がるにつれて、様々な魔法を習得していくことができます。こうして習得した様々な魔法をキーに割り当てて使うようにすることで、色々な戦い方ができるようになります。 最初のうちこそ近づいて戦うしかなかった主人公は、いつしか長大なリーチ、強力な特殊効果、絶大な威力をも手に入れ、あらゆる戦い方を楽しめるようになっていくでしょう。
また、打ち倒すべきボスの攻撃パターンによっても、戦い方は変化します。相手に対して効果的な魔法を使うことで、効率よく攻めていくことが可能となります。
様々なスキルを駆使して、戦いを楽しんでいきましょう。
感想 前作をプレイしたことのある身としての感想ですが、前作より格段に面白くなっていました。 アクションが面白くなったのもそうなんですが、色々な遊びやすさとか、ビルド性とか、細かいポイントでも楽しくなっています。
成長すると強力な魔法が使える楽しみがあったり、戦い方に応じて魔道具作って有利に進めたりする楽しみがあります。特に、魔法は習得すると戦い方が一新されるレベルのものもあって、使っていて楽しかったです。凍結を覚えると世界が変わります。 アクションとしてもZXCの三キーで出来るのである程度操作しやすく、プレイヤーキャラはそこそこ早く動いてくれるのでストレスも少なめです。
個人的に気になったのはダメージのノックバックなのか硬直なのかで一瞬止まり、それが原因で連続で攻撃を食らって倒れるケースが多いことです。おおよその死因は、ジリ貧ではなくてこのヒットストップもらい続けていつのまにか倒れているパターンでした。 ラスボスでより顕著だったことからも、なんとなくそういうゲームデザインな気もしているので難しいんですが、理不尽さをやや感じるといった気持ちです。 あとは魔道具を作る際に、1ずつ振るのでなくて、一気に振れるコマンドがあると捗るかもしれないなあとは思っています。
ストーリーについては分かりやすく、ちゃんとキャラも引き立てているので良いです。個人的には、エンドロールの演出が好みでした。 あとこれは当たり前の話ですが、杖がずっと杖と呼ばれているのが地味にツボでした。
裏ボスのデザインも結構好きで、相手が反則レベルの攻撃を仕掛けてくるので、こっちも反則レベルの攻撃で撃ち合うという殴り合いが楽しめます。 凍結+剣二連撃が個人的に好きで、理想的なヒットアンドアウェイができました。それにしても、凍結抜きで裏ボスに勝てるのかは知りたいところです。
ものすごく地味な違和感としては、倒木を取得してもその場に残るのが微妙に気になっていました。運んでいるのであれば消えたほうが良い気もします。
43. W・ワドルーの冒険
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
3時間
2.1
ハードクリア
良かった点
すべての情報を煩雑な操作なく簡単に見ることができます
ショートカットキーがUIに常に出るため使いやすいです
イージーが用意されているため、初心者でもまずは通して遊べます
規模感が小さいため、短い時間で全体を振り返ることができました
気になった点
宿屋の使用制限が割とシビアな印象を受けました
イージーくらいは条件付き無制限にして、まずは通せるようになっていると初見だと助かるのかなという気持ちがあります
レビュー どんどん先を読んでいこう
思考の過程で情報が必要になるということは往々にしてあるものです。一方で、その情報を得るために操作をして調べていると、当然ですがその間は思考できなくなってしまいます。たとい数手で終わる簡単な操作であっても、その断絶は確かに存在しています。 もしも完全に情報が目の前にあってほとんど操作を要求されないのであれば、思考はより純性を保つことができると言えるのかもしれません。
W・ワドルーの冒険はWWAというジャンルのゲームです。 各階層にある敵や鍵、扉、アイテムといったそれぞれのオブジェクトと、自身のパラメータとを勘案して、可能な限り被ダメージを抑えて進めていくということが目的となっています。
そのゲーム性ゆえに、相対する敵のパラメータ、各階層の扉の状態やアイテムの配置など、様々な情報を見て戦略を立てることが重要になってくるでしょう。 このゲームにおいては、それらの情報を得ることは極めて容易なものとなっています。敵のパラメータは画面の左に常に表示され、各階層の状態はキーを押してマップを送っていくだけですべてを確認することができます。 ほぼ操作なく得られる情報群を見ていくことで、戦略を立てる思考だけが研ぎ澄まされていくことになるでしょう。
目の前の敵を倒してアイテムをとるか、階段に先に向かって次の階層のアイテムを優先してとるべきか。鍵の使いどころはこの扉なのか、さらに先の階層の扉なのか。このゲームでは、様々な選択に迫られる場面があります。 そういった選択に際して、遅延もリスクもなく情報を参照して、平易に計算していくことが可能となっています。
常に得られる情報をもとに、ちょっと先まで見据えた計画を思考していきましょう。
感想 情報が分かりやすく全部出るゲームでした。最初からラスボスの能力値まで見れます。 使うキーの種別というかショートカットは結構多めなんですが、常にUIにちゃんと書いてありますし、使用不能なやつをグレーアウトしてくれたりするので扱いやすいです。
イージーならそこそこ考えても30分かからない程度で終わるので、大分ミニマムに楽しめました。ハードまでくると大分時間かかるので、イージーくらいの規模感で最初プレイできるというのはだいぶ助かります。慣れるまでに時間がいるけど、前半のミスを後半に取り返すのは難しいタイプのゲームで、かつ一周通さないとミスを振り返りづらいタイプにも感じているので、さっと通せる程度のボリュームのモードがあるのはありがたいです。
敵の情報から各マップの情報まで、最初から最後まで全部見ることができるので、パズル的な部分の思考は大分捗ります。 先の階層にあるアイテムを見て、これを取ってからのほうが効率が良いなとか、先の階層の敵を見て、こっちのパラメータ伸ばす方が強そうだなとか、先を見据えたムーブがしやすいです。 加えて、ATKどこまで上げたらカットできるか、DEFを+3したらどれくらい減るかが少ないキー操作で網羅的に見ることができるので、パラメータ調整の指針を立てるのも楽です。
ゲームバランスとしては、イージーは割と何とかなり、ノーマルは宿屋切らないときつく、ハードは宿屋切ってもきついくらいです。あくまで初見プレイの感想かつ、筆者はこのジャンルに疎いので参考程度ではありますが。 ノーマルの時点でそこそこ難しく、序盤に宿屋を切ってしまう程度には苦戦しました。ハードは中間セーブを行ったり来たりしてどうにかこうにかクリアしています。
筆者はATK上げたがりなんですが、即効性のあるDEFを上げたほうが強いケースの方が往々にして多い気がしています。ATKを重点的に上げていたら、ハードでちょいちょい詰みそうになっていました。 あと個人的な感想としては、このゲームをちゃんとクリアするためには、そこにあるアイテムの価値を経験則的にある程度正確に測れるようになって、鍵とかダメージを勘案してどうするかを判断できるようになる必要があると思っています。剣をとる行程をどこに差しはさむのが効率良いかとかは、このあたりの勘がいりそうです。
テキストの話をすると、全体的にひらがなが多そうなんですが、ちょくちょく漢字もあって何を基準にしているのかよくわかりませんでした。 説明文だと漢字を解放しているのか、与ダメのようなシステム的用語にだけ解放しているのか、そのあたりな気はします。
ハードのスコアは最終的には以下です。 宿屋使わざるを得なかった序盤から中盤にかけてを詰めないとSランクは無理ですね。後半の動きはちゃんと出来ていた気がします。 なお、HPが9999までしか保管されないのを失念して一回余分にとりすぎるミスをやらかしました。最終ボスのダメージ量を考えたら、10000以上HPを保持してくれても良いかなと思っています。
なお、セーブ/ロードをよく使う割に毎回1ページ目スタートなのが若干煩わしかったんですが、バージョンアップで修正されています。これはだいぶやりやすくなったと思います。
44. Hopeful
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
1.00
20問クリア
良かった点
全体的に落ち着いた雰囲気でまとまっています
パズルの難易度がちょうどいいです
ヒントも用意されています
気になった点
レビュー 素朴なパズル
シンプルイズベストとは、余計なものをそぎ落とすだけでは成立しません。肝要なものをそぎ落とさずに残し、その周囲にある不要なものを取り除いて重要であることを顕わにできればこそ、ベストなものと言えるのではないでしょうか。
Hopeful は非言語的なパズルであり、シンプルイズベストな作品です。 その非言語性に相応しく、ルールは直感的に理解できるものであり、かつ考えれば分かるちょうどいい難易度となっています。
言語的な説明が省かれていることを始めとして、パズルとストーリー以外に冗長な部分は無く、純粋にパズルを楽しみ、ストーリーに興じることができるでしょう。
また、言語に頼らず語らないことで、ストーリーにおいても、またパズルにおいても、その雰囲気は良いものとなっています。
ささっとパズルを楽しんではみませんか。
感想 UI含めて、全体的にスマホのアプリとかにありそうな感じでした。Umiroとか、そういうタイプの非言語的なパズルの良さを感じます。
ルールは動かせば誰にでも分かり、Undoも容易で、ちょっと考えればわかる程度の難易度と、気軽にパズルをやるには良い要素が詰まっています。InductionやRecursedとかと違い、脳みそを破壊してこないタイプのパズルです。肩ひじ張らずに穏やかな気持ちでパズルに向き合えます。
非言語で統一された物語も、落ち着いた雰囲気の曲も、この根詰める必要のないパズルにマッチしていて、ずっと気楽にパズルができます。 雰囲気の落ち着き具合は今ウディコンの雨宿りのパズルと双璧です。奇しくもどちらもパズルですね。
ついぞ使っていないので便利度合いは分かりませんが、ヒントも完備されているのでこういうのが苦手な方でも楽しめるようになっているのだと思います。こういう要素も抜け目ない当たりが良いゲームです。
追加されたパズルもまた、本編よりは難しいもののUndoしながら落ち着いて考えれば解ける程度でちょうど良かったです。難しすぎないけれど、本編より明らかに簡単だなと思わない程度で絶妙でした。
なお、初期のほうのバージョンだと落とし穴っぽいギミックでUndoできなくなるのがやりにくくはありましたが、最新バージョンだとちゃんと一手戻せます。これで隙はない。
45. AccelerRing -転生したら指輪だった件-
ジャンル
作者
シミュレーション戦闘式RPG
わらとし
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
4時間
1.124
1週目クリア
良かった点
一つ一つの戦闘がスピーディーです
敵のHPが低かったり、キーによる補助が効いています
どのスキルを習得するかの取捨選択が楽しめます
味方も自由に選べるなど、全体的な戦闘の自由度は高めです
気になった点
採取が後半に行くにつれて回数が増えて面倒になってきます
一回の採取で取れる数が増えるなど、ミニゲームの実施回数を減らす方向で強化してほしかったです
2周目の物語の序盤にあまり変化がなく、モチベーションが続かなかったです
後半になったら変わるかもしれませんが、序盤にモチベーションがないとそこまで辿り着けません
アップデートで修正された模様です
レビュー 自由な育成
AccelerRing -転生したら指輪だった件-は、SRPG的な戦闘がメインとなるRPGです。 このゲームの特徴は、キャラクターの育成やその構成における自由度の高さになります。
この作品にはレベルアップの概念はなく、敵を倒すと得られるSPを自由にスキルに割り振っていき、成長させることができます。 スキルには戦闘に有利なものと、マップを探索する上で有利なものがあります。それぞれのバランスを取るのも良し、戦闘に特化させるのも良し、その構成はプレイヤー次第となるでしょう。 SPは敵を倒すほかに、イベントや探索時間によっても取得できます。こまめに割り振って、どんどん強くしていきましょう。
加えて、仲間もまた自由に選ぶことができます。 仲間はジョブ、性別、種族によってスキルが異なっており、また属性によっては相性が異なってきます。 それぞれのバランスを取って組むのも良いですし、何かに特化させたパーティーにすることもできます。好みの編成を組んでいきましょう。
そうした自由な育成システムで成長させて挑むのは、SRPG的な戦闘です。 さほど広くはない戦場で、味方の様々なスキルや、敵に隣接した場所に移動するショートカットキー、敵のHPの低さなども相まって、雑魚とはスピーディーな戦いが楽しめます。 その一方で、ボスには一定ダメージを与えると強力な技を撃ってくる性質があり、歯ごたえのある戦いも楽しめるようになっています。
自由に育成してSRPG的な戦闘に挑んでみましょう。
感想 スキルに自由に割り振っていけるSRPGです。レベルの概念がなくて、スキルをどう割り振るかだけで決まってくるのでかなり成長の裁量が任されている印象です。 主人公からして色々選べて、仲間も自由に決めていけるので、どういうパーティーを組んで、どういう戦い方をしていくかは好みが出そうです。
戦闘バランスはプレイヤー次第だとは思いますが、おおよそ易しめになると思います。シンボルエンカウント全部倒す人なら、より易しくなります。多分、シンボルエンカウントを全部避けて、ランダムエンカウントだけで戦えば歯ごたえのある難易度になるのかなと思っています。 それとは別に、シンボルエンカウントシステムを用意しているのに、わざわざランダムエンカウントも混ぜているのは、全部避けて成長させない人への救済措置なんでしょうか。シンボル避けても戦闘してしまうので、結局苦労してシンボルを避けようとはあまり思えなくはなりました。
一つ一つの戦闘で戦う敵のHPが低いおかげで、戦闘自体はスムーズに行えます。ちゃんと成長させていれば、雑魚なら大体単発、多くても2回も攻撃すれば倒せるので、サクサクと戦闘を片付けることは可能です。クイック移動みたいなキーもあるので敵に隣接させるのも簡単でした。 序盤はキルリアクトなどの特殊スキルを発動させるために、色々立ち回りを考える必要もありましたが、中盤くらいには大体確定一撃になってくるので、無思考でも戦えます。敵を見るというよりは、勝ちやすいパターンを見つけたほうが楽です。
また、スキルの割り振りによっては戦闘で有利になったり、マップで有利になったりするので、その辺の調整も楽しめました。 マップのギミックをどうにかするために割り振りつつ、どの程度戦闘も重視するか考えられます。加えて、マップで有利になるものに割り振ったとしても全く成長しないというわけではないので、ある程度気楽にそういったスキルにも割り振ることができました。 ギミックは武器にもかかわる上、中盤以降はなかなかにトラップも多くなってくるので、マップ系スキルもちゃんと取っておくのはそこそこ重要そうでした。
筆者のプレイスタイルは、属性、性別、種族をばらけさせたバランス重視のパーティーを組んで、戦わない二人にはひたすらマップ系のスキルを習得させていました。 ただ、属性によるダメージ差が思ったよりあって、ボス級ともなると全体攻撃2発で刈り取ってくることもあったので、メインメンバー以外も戦えるようにして、属性で有利取ったほうが良いのかもなとは思っています。対戦前にデータ取れないケースもあるので、事前に把握するのは難しいかもしれませんが。
また、採取がかなり大事で、これとブラックスミスの組み合わせで強い武器を早めに精製しておくと、かなり有利になります。武器や防具によるパラメータ変化は結構馬鹿にできないレベルで高いので、せめて武器だけでも最強装備にしておくと大分戦いやすくなります。 ただ、そのための採取はまあまあに面倒です。採取レベルも上げておくことにはなるんですが、同じ採取ミニゲームを11回くらい連続でやることになります。採取レベルによる変化は、回数だけでなくて1回で取れる素材の数も増やすなどでバランスを取ってほしかったなあと思っています。ある程度まで素材集めた後は、戦闘がぬるくなってきたこともあって採取を無視していました。
こんな感じでスキルをちゃんと振って、素材を集めておき、加えて見敵必殺とばかりにシンボルエンカウントを倒していると、後半くらいは戦闘難易度がかなり落ちていました。なので、後半はシンボルエンカウントを出来るだけ避けて、SPを振らないようにして進めて歯ごたえをキープしていた感じです。もっと言うと、戦闘に飽きてきたので戦いを避け、SP振るのが面倒になってきたのでやめたとも言えます。 最終的に金が15000くらい余ったことを考えても、戦いすぎたんだろうなという気持ちです。 なので、シンボルエンカウントを出来るだけ避けるようなプレイングをして、適度に戦闘をしたほうが楽しいと思うのでこれからやる人にはそれをお勧めします。ネタバレの多い感想を初見の方は見てないとは思いますが。
ストーリーの話に入る前に一つ断りを入れます。 筆者はストーリーを3分の1で終えています。読みたかったかといえば読みたかったので2周目を始めて、ああ今度は指輪ではなく物言わなかった主人公側の話になって補完してくれるのかなと期待していたんですが、その後はほぼ同じストーリーになってしまったので。 一応、以前行けなかった分岐に行けたり、二週目世界としての選択肢もあるにはあるんですが、それ以外の物語の繰り返し感の強さと、それでも繰り返しでない所があるかもしれないからスキップを封じていく気持ちが出てしまうところのあたりでちょっとモチベーションが尽きました。 その前提のまま、この後に続きそうな話をエンディングから考えた感じ、まあまあな傲慢を感じないではありません。果たして予想が合ってるかは知る術もないですが。
操作についても軽く触れておくと、パッド前提の操作系統をしているのでキーボードだと若干厳しいです。操作UIが常に出ているので操作はしやすいほうですが、そちらもパッド前提なので何とも難しい。 基本的にはなんとなく直感で触れるんですが、L/R相当のキー位置を覚えておかないと色々使いにくいところが出るかもしれません。 また、使うキーの多さと、メニュー、戦闘においてのキーが使える場面の多さも相まって、習得にはちょっと時間がいります。この感想を書くために久しぶりに触ってみたら、色々忘れていて苦労しました。
現在は1週で3END見られるようになったりと色々な変化が加えられているようなので、筆者がプレイしたタイミングとはだいぶ異なるプレイ感になっていそうです。 2周目のセーブデータで間違って上書きしなければ、この記事を書いている間にでもプレイして確かめられたんですが。残念。
47. グランドグレイザー
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
40分
1.12
全ステージクリア(盾未使用)
良かった点
色々な弾幕パターンが楽しめました
弾にかするとエネルギーが溜まる仕組みが良いリスクとリターンになっています
ボスのレベルデザインが良かったです
気になった点
レビュー 究極のリスクとリターン
リスクに対してリターンあるいはリワードを返すという関係は、ゲームの理論的な説明をする際にしばしば引き合いに出されるものです。 意識的にリスクを取ったことに対し、リターンを適切に返しているがゆえに、プレイヤーは達成感と楽しさを覚えることができるというものでしょう。
グランドグレイザーが組み上げたデザインはそれがより先鋭化されたものであり、リスクなしにリターンをとることが不可能なゲームデザインとなっています。
基本的には、各ステージでボスと戦うシューティングとなっていますが、特徴的なのは自分が放つ攻撃です。プレイヤーはエネルギーを貯めることで攻撃ができるようになるのですが、このエネルギーは相手の弾にかすることでしか貯められません。 すなわち、攻撃を行うためには積極的に被弾のリスクを背負う必要があるということです。
さらに一歩進むと、敵の弾をより多くかすらせることで、より多くのエネルギーを効率よく貯めることができるということが分かります。 リスクをダブルアップすればリターンはより大きくなっていくこの設計により、敵の大量の弾をすんでで避けて攻撃を打ち込むという楽しさがコンスタントに味わえるでしょう。
また、数多くのボスが張る弾幕は、そのボス固有のバリエーション豊かなものとなっています。この弾幕を攻略し、より上手くかすらせることができれば、短い時間でノーダメージで倒すことも夢ではありません。
加えて、被弾しても即時復帰する残機のないシステムにより、それぞれの弾幕を学習しやすくなっています。かするというハイリスクは自然に被弾を多くさせますが、それによるリトライの面倒さはこのシステムにより大幅に軽減されています。 ただし、残機がない代わりに一定時間経過すると負けとなってしまいます。被弾しなくてもチキンプレイでは勝利はおぼつきませんし、被弾していても最後まで諦めなければ勝つことも可能となっています。
相手の攻撃をぎりぎりで避けていく緊張感と、一気に貯めたエネルギーをぶち当てる爽快感を楽しんでいきましょう。
感想 色々な弾幕が楽しめる作品です。よくこんなにいろんなタイプの弾幕考えるなあと思っていました。 色々差別化されているので、どの弾幕も楽しめます。個人的には、最後の速度を落とす奴がシステムとかみ合って好きですし、向き変えるやつは自分で活路を開くために弾をコントロールしている感じがして好きです。要するに、このゲーム独自のシステムを活かしていた弾幕が好きです。
個人的に好きなのは、1ゲームのループが短くなるようになっているところです。敵の体力にもよりますが、最大ためなら大体3発で落ちる程度で、上手く動けば早く終わります。 グレイズでエネルギーが溜まる仕様も秀逸で、リスクをとればものすごく早く溜まるので、リスクをとって最大リターンを返すのも、慎重に稼いでいくのも、どちらでも楽しめます。また、最大ためまでいった後に、さらに時間をかけるというリスクをとればダブルアップできる仕様も良いです。どこまで欲張るかを冷静に見極める必要があります。
これに加えて、何度でも被弾していい代わりに制限時間以内に倒せないと負けというシステムのおかげで、何度も試行錯誤できるのも良いです。 弾幕を攻略するという設計上、何度も弾幕を見て覚えて避けていくのが肝になってくるんですが、これが残機性だと毎回リトライをはさむ必要があります。しかし、このゲームは制限時間内なら何度でも挑めるので、中断なしにコツをつかむことが可能です。
個人的にきつかった弾幕は3D系のもので、バウンドとか床貫通っぽいやつです。被弾するのかしないのかいまいちわからないのと、床貫通はしばらく原理が分からなかったのが原因だと思います。どちらも、3D的移動をするゆえの問題で、あんまり解決策は思いつきません。プレイヤー側が3D感覚を養うしかなさそうです。 もっとも、人間は慣れる生き物なので、何度かやれば被弾なしでクリアできます。
あとは、ボスに段階があるのが好きです。こういうボスがちゃんと強いタイプに弱いところがあります。 ちゃんと通常敵と差別化できているのもそうですし、段階が変わって弾幕パターンが変化するのも良いです。戦略を切り替える必要があって楽しい。特に、ラスボスに至っては3段階まであって非常に楽しめました。
48. 独立理想国家アヴァロン
ジャンル
作者
弾幕避けTD
CUSTOM BRAIN
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
3時間30分
1.09
完
良かった点
面白かったです
操作性がシンプルでした
自機を動かすというただその一点に強く集約されています
リトライまでがスムーズでした
シナリオが熱いです
気になった点
一部面の敵について、出現位置による難易度のばらつきが大きく感じています
プレイスキルでリカバーできる程度のばらつきではあります
レビュー とにかく面白いのでこんなレビュー読んでないでプレイしよう
面白いという感情の中には、極めて原始的なものがあります。ただ、これは名作だと感じる小説、ただ、これは素晴らしいものを見たと感じる映画。そういった感情を抱いたことはないでしょうか。 それらは根源的でありすぎるがゆえに、そこにはいかなる語彙も通用しません。色々な言葉をとってつけてみても、どれも何かを外しているような気がしてしまいます。これを表現するには、面白いとか、素晴らしいとか、尊いだとか、端的な表現こそが本質的であるようにすら思えてくるかもしれません。
独立理想国家アヴァロンをプレイした時の感想はまさにそこに帰着するものであり、プリミティブな楽しさを体験できるゲームとなっています。 ただ、これは面白いと感じたゲームであると言えるでしょう。
この作品は、理想を掲げる独立国家アヴァロンのただ一つの戦力であるディスパラダイマーを操って、並みいる列強諸国の攻勢から都市を守り切るゲームです。 ディスパラダイマーは範囲内の敵に自動的に弾を打つため、プレイヤーができるのは一画面の中からクリックで移動先を決めて、ディスパラダイマーを動かすことのみとなります。 そうして、全方位から迫りくる敵をすべて殲滅すればクリアとなります。一方で、相手の弾に自機が当たってHPが無くなるか、相手の機体が画面中央の都市まで来たらゲームオーバーです。 ゲーム性としては、全方位弾幕シューティングにタワーディフェンスが少し混ざったものと言えるかもしれません。
こうしてステージをクリアしていく度に得られるポイントで、自機をカスタマイズしていくことが可能になります。 移動性能を上げても良いですし、攻撃性能を上げても構いません。ただ、移動性能と一口に言っても、移動可能になるまでのスパンを短くする、一回の行動で移動できる距離を増やすなど様々です。こうしたパラメータを、ステージに合わせてどういうバランスで組むかはプレイヤー次第となります。
ステージを進め、列強諸国を退けていくうちに、アヴァロンは激動の時代を迎えることになります。アヴァロンに関係する人々、そして列強諸国の人々をすら巻き込んだ、理想と理想が鎬を削る熱いシナリオを存分に味わうことができるでしょう。
そうしてステージを重ねるにつれて、その難易度はどんどんと上がっていきます。敵の攻勢はより苛烈になり、弾幕はより激しさを増していきます。そして、その激しさに従って、シナリオもどんどんと熱を帯びていきます。 アヴァロンが掲げた理想の行く末を見届けるには、極めて高い難度の攻勢を退けなくてはいけません。持てる力のすべてを尽くし、アヴァロンに明日をもたらしていきましょう。
一方で、難易度は青天井に上がっていきますが、リトライ性は常に高いままとなっています。 敗因を考えて自機を組みなおすのも良いですし、同じ轍を踏まないような動きを考えるために、即座に再トライしていくのも良いでしょう。
ディスパラダイマーに乗り込み、自らカスタマイズした機体で列強の猛烈な攻勢を退けていきませんか。
感想 プリミティブにゲームというものを楽しみました。楽しさの原型のような体験という、得難いものを得られます。 正直に言えば、プレイ中は今の当たってないだろとぼやき、出現位置依存の運ゲーじゃないかなとひとりごちることもありましたが、終わってみればずっと楽しんでいたような気のするゲームです。
筆者は面白いゲームをやると何が面白かったか言語化しようとして色々思案するタイプなので、このゲームも例にもれず考えていました。 ただ、このゲーム的な面白さがかなり原始的なところにあるのは何となく分かっているのですが、これを言語化するにあたってはあまりに根源にありすぎて難しく、未だにうまいこと考えられていません。
ゲームの性質としては、全方位弾幕シューティングに近いです。タワーディフェンスな要素もありますが、一部の敵のギミックとして働くくらいの影響度と感じています。大事なアクセントではありますが、主要な構成要素ではないと思っています。 なので、このゲームが与える体験は、いかにして避けるか、いかにして当てるかの二つになります。 そしておおよそのシューティングがそうであるように、いかにして当てるかを考えれば射線上に入り避けにくくなり、いかにして避けるかを考えればこちらの射程から外れるので当てにくくなります。 この関係性はごく短い間にリスクをとってリターンをとるべきかを考え続けるという面白さにつながっています。 また、行動の結果被弾しなかったことや、行動の結果当たるようになったことは即座にわかるため、自身のアクションに対するレスポンスも極めて良好です。殊に、このゲームの場合は射程内に入ると自動で打ち始めるので、行動の結果弾が出るところまでを見られれば反応としては十分というのも効いています。 この、リスクをとったアクションの反応が短いスパンで返ってくるという楽しさもあります。
さてもここまででは、一般的なシューティング的楽しさに依拠しているような気がします。しかし、ここでさらに変化を加えているのが移動クールタイムと離散的な移動手段です。 シューティングにおける自機は大体連続的に動作します。なので、弾幕を避けるという体験も、相手に当てるという体験も、すべては連続的な体験として作用します。そこにリスクがあるならそれは連続的なリスクであり、リターンが得られているならそれは連続的なリターンです。アクションに対する反応性ですら、設計によっては一連のすべてを避けたかどうかに寄与することもあるかもしれません。 一方で、アヴァロンの移動はクールタイムを持ち、時間的に離散です。移動はある時間待つ必要があり、そのアクション一つは紛れもなく独立した行動であり、独立したリスクです。加えて空間的にも離散であることでこの離散性がより顕著に精神に作用している気がしていますが、ここについてはよくわかっていません。離散同士のシナジーがあるのかな。 何にせよ、アヴァロンは連続的な移動という行為をあえて離散的にすることで、リスクのある行為とそれによって得られるリターンというものをも分離しています。このことが、極めて短いスパンで自身のアクションに対するリワードを認識できるようにして、脳汁が出るような体験を提供してるんじゃないかなと思っています。
まあ色々読み飛ばされそうな御託を並べましたが、要するに面白いのでみんなやりましょう。
それと、あと一つ話し忘れた点として、操作が自機を動かすという一点に集約されているのも良いポイントです。 マウス方向に向いてそっちを打ち続けるとか、キーボードの上下左右なりを使ってエイムするとかも考えられるんですが、このゲームではそれをしていません。あくまで弾は自動で打ち続けるものであり、プレイヤーがすべき操作は動かすだけです。(ロックオン等の特殊能力はまた別ですが) この操作の単純性が、ミスをした時のあと一歩届かなかったという思いに強く作用している気がしています。 あと少しで届いたとか、あと少しでクリアできたという気持ちは、リトライしたいという考えを強く惹起します。リトライまでの導線が短ければ、もう何も考えずにリトライボタンを押すでしょう。 このゲームの場合、被弾したら大体あと数マスずれたところに移動していたら助かっていたケースが多いです。なので、ここでちゃんと判断してこのマスに移動できていれば助かっていたという、あと少し感とでもいうべき感情が簡単に湧き上がってきます。 この辺が、このゲームのリトライ性の高さにつながっていたのかもしれないなあと感じています。
とりあえずステージというかレベルデザインの話もします。 最初に述べたように、出現位置に応じて難易度が変わる印象は強いですが、それでも立ち回りさえちゃんとすればクリアできる雰囲気のある良いデザインです。どれだけ敗北を重ねても、あの移動座標が横に一つずれていれば良かった、みたいに反省点がかなり明確なので次はクリアできるような気がしてリトライしたくなります。 ここも離散的な強みが出ていて、自機を2ドットずらせば被弾しなかったは分かりにくいですが、一マス横に動けば被弾しなかったとか、一秒早く動いていれば被弾しなかったとかはめちゃくちゃ分かりやすいです。
特に好きなステージは最終面で、無限に続くかと思われる猛攻をしのいでいると、唐突にボスらしき者が出てきます。こいつは確かに強いんですが、今までの猛攻に比べれば大したことはありません。実際に危なげなく撃破してからのあれです。何が人を絶望させるかよくわかっている人の設計でした。 個人的には最終面までくると薄毛以外で勝てるビジョンが一切浮かばなかったんですが、男の娘でも勝てるのか気になっています。
あとは、途中からパイロットの概念が出てきて、バランスを一気に変えてくるのも面白いです。これまではすべてのパラメータのバランスをとったほうが色々優秀だった面も多いんですが、ここにきて何かしらに特化した戦略を求められます。 ただ、あんまり各パラメータが均等に優秀なわけではなくて、移動範囲は移動クールとセットじゃないと強くなかったり、射程がないとせっかくの火力が通らなかったりで、結局それ単独で強い薄毛を使いがちではありました。
シナリオもかなり好きな上に、ゲーム体験を損なわないレベルの短さにちゃんと抑えているので猶更好みです。 これがフリゲだといってしまうといささか独善的なきらいがありますが、少なくともこういう作品をやりたいからフリゲをやっているんだろうなという気持ちにさせてくれます。 あらゆるものから自由であれとするような思想を押し付けるようなこともなく、ただ理想と理想がぶつかり合っていく様には熱がこもっています。ひたすらに難しいステージを攻略して疲弊しつつある気持ちに活力をつけてくる熱い展開は、このゲームを最後までやり切ってしまう魔力の構成要素の一つではあるでしょう。
各キャラクターがそれぞれ良い味を出しているのも良いです。キルヒアイスは2巻で退場するゆえにさらなる強烈な印象を与えたのであり、この物語もまたそういった印象が強いです。理想を語り実現していくサイドのみならず、いっそ群像劇のような語りにすら感じました。
話は全く変わりますが、ディスパラダイマー、国連はともかくアメリカだったら大量破壊兵器持ってる国あったら黙っていなさそうではありますね。実際ミサイルも戦闘機も戦艦もたった一機で落としてくる兵器があったら空恐ろしいです。
終わりのほうに言うのもどうかとは思いますが、弾幕ゲーと見た時に、さすがに弾の視認性はちょっとだけ悪いです。全方位からくる上に、自分も弾を出すので、それらが被るとやや影響が出てきます。特に、自機の弾が大きいと小さめの弾の視認性は相当落ちます。 一応、色がついているのでうっすらとは確認できるのですが、とっさの判断をしたいときにはやや不利に働きはします。 まあそれでもリトライはするんですけどね。
最後に、感想書いている間に追加EDがあるとかいう話を聞いたのでやりました。
この画面を見るために、大体2時間くらいもっていかれました。そんな暇があるならレビューを書けという気持ちはあったんですが、まあ面白いのでしょうがない。追加シナリオも良かったので満足しています。 もはやここまでくると大分運に左右される気もしないでもありませんが、それでもプレイヤースキルなしではクリアは無理です。おかげで、画面を見て弾がない所を発見するスキルだけは異常なまでに発達しました。 なお、ウディコン中ではないし、これをプレイ時間に加えるのもどうかと思っているので加えていないのでご了承ください。
ちなみに、上のレビューでも書いていますが。レビューなり感想なりを書いている現段階でもって、まだこのゲームの楽しさを何らかの語彙をもって、あるいは理論をもって説明する術を持っていません。 ならレビューする資格がないかなと思ったんですが、レビューするのに資格とかはいらないだろうと思ったので書きました。感じた想いと書いて感想なので、許してください。ある種評してはいないと思っています。
49. ESCHATOLOGY2
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30時間超(もはや分からない)
1.04
クリア?
良かった点
凄まじいボリューム感でした
戦闘システムが攻撃的に尖っていて楽しいです
ボスごとに戦略を立てる楽しみがありました
気になった点
一部の敵がCTBの行動順を隠します
常にCTBに一行動ぶんしか記載がないため、後ろに回った時に実際どれくらい間に行動が来るかが未知数になります
味方ならたたかうを使った場合を仮として、敵ならばとりあえず暫定的に決定された行動を仮としておいてあると助かりそうです
レビュー 大冒険
ESCHATOLOGY2はアクションRPGです。 敵にぶつかってダメージを与えて、ボスを倒すことを目指すことになります。 どんどん敵にぶつかってレベルを上げて、ボスに挑んでいきましょう。
圧倒的ボリューム
ゲームのボリュームを上げるということは、それが大きくなっていくほどに困難な課題となっていきます。 全く同じゲームデザインで単純にボリュームを引き延ばした時、それがもともと適切な長さであったのであれば、ただ体験の密度が薄くなってしまうことを意味します。 規模を大きくしつつ、それでも密度が薄いと思わせない程度に各部分を組み上げていくという設計は、極めて難しいものといえるでしょう。
ESCHATOLOGY2というゲームが提供するのは、凄まじいボリュームのRPGです。 しかし、その圧倒的な規模感の中でさえ、体験密度は決して薄いものとはなっていません。
その体験を支える一つの柱が、戦略性のあるCTB形式の戦闘システムです。 まず、強力な魔法を使う前には、必ず詠唱が必要となります。しかし、詠唱中にダメージを受けるとキャンセルされることがあるという性質もあります。このため、相手の行動順などを鑑みてリスクの高い詠唱行動をとるかを決めたり、相手の詠唱に攻撃を加えてキャンセルをさせたりといった戦略をとることができるでしょう。 また、相手に攻撃が当たった時などに溜まるCPというパラメータを使うことで、キャラ固有の特殊な技を使うことができます。それぞれのキャラは強力な固有技をいくつも持っているため、これらをどう運用していくかは戦略の要となってくるでしょう。
もう一つの柱は、そういったシステムで戦う数々の敵です。 ランダムエンカウントする雑魚敵ですら、様々な特徴を持った行動パターンや性質を持っています。中には強力な火力を捻出する敵もいるため、油断していれば雑魚にも負けてしまうスリリングな戦いが楽しめます。
加えて、ボスともなるとそれを超越してさらに強いものとなっています。敵の行動を理解し、強力な行動パターンや攻撃に対しての対策を練った上で戦わない限り、勝利は望めないでしょう。 また、バフやデバフと回復で整えて安全にボスと戦おうとしても、ジリ貧で回復し続けることになって負けるほどの高火力も併せ持っています。隙があれば、時には博打でも攻撃を打ち込んでいくことで、ようやく勝利の光明が見えるようなヒリついた戦闘バランスが存分に味わえるでしょう。 こうした強力なボスは、その強力さにおいてもバリエーション豊かであり、同じことをして倒せるボスなど一つもいません。すべてオーダーメイドな戦略の上で撃破していく必要があります。
最後の柱は、その体験を包む広大で作り込まれたマップと、そこで描かれる濃厚なシナリオです。 プレイヤーが探索することになるマップの数は膨大であり、そのどれもが丁寧に作られています。そこで出会う強力な雑魚敵や、圧倒的なボスのために、どのマップも印象深いものとなるでしょう。 加えて、そうした戦いの中で描かれるシナリオは、あくが強く、そして胃の奥に残り続けるような展開となっています。このボリュームの中で、しっかりとした芯を通してくれることでしょう。
この作品は、このような圧倒的ボリュームの高難度RPGとなっています。 長く険しい戦いを乗り越えていきたい方にお勧めです。
感想 どれくらいプレイしたか分かりませんが、ついぞ本当の意味でのクリアには辿り着けませんでした。筆者が何か見落としているのかもしれないんですが、少なくとも5時間で終わる作品ではありません。50時間のタイプミスかな。
最初のアクションを完全に振りのためだけに、割とちゃんと作っているところからも分かるんですが、あらゆるところが作り込まれています。その後の描写もまた、その一回こっきりの演出にえらい力が入っています。 さらに、いくつかのステージを周っていくのかなと思っていたところに、一つのRPGと見てすらもボリュームがあるロストエルサレムが待ち構えています。ボリューム感が異様の域に達しています。
戦闘は極めて高難度で、どんなにレベリングして装備を整えていようと、確かな戦略と柔軟性がないと絶対にボスを突破できません。そもそもレベルキャップがあるので、レベリングにも限界はあります。 相手の技の属性や状態異常を熟知し、様々な攻撃パターンに対するリスクを正確に計算し、けれど回復だけのジリ貧にならないように攻め込むべきタイミングでは攻め込む、みたいなひりつく戦いしかありません。楽に勝てたボスなど一人もいない。 この戦闘バランスは、レベリングして脳死で決定キーでたたかうと回復をぽちぽちするゲームをまあまあ揶揄したセリフがあるので、さもありなんという感じではあります。
ただ、このゲームにおいてもレベリングはある程度したほうが戦えます。ちゃんと雑魚も倒していきましょう。 また、戦略を立てる上で必要なアクセサリをそろえるためには、そこそこお金も要ります。なので、ただまっすぐ進むだけだとクリアできないような印象です。途中で稼ぎは確実に要りそうです。 稼ぎにあたっては、すごろくをクリアしておまもりこばんを手に入れておくと捗ります。半分くらい必須アイテムな気持ちです。
個人的にはこのやられる前にやれの究極系みたいなバランスは好みではあります。自陣が整ってから叩こうみたいな気持ちを持っていると勝てません。現状置かれているリスクを鑑みて、勝算のある博打を打てないと大体ジリ貧で負けます。 バフデバフを常に管理して、HPも管理してみたいな戦闘バランスももちろん好みではあるんですが、このそっちが整える気なら都度全部ぶっ壊してやるみたいな戦闘バランスも良いものです。
筆者のプレイでは、中盤以降に活躍したのが高速詠唱+アルカナ、ブレイブリーです。 高速詠唱の恩恵をアルカナが受けると色々な戦略が広がるのでお勧めです。一瞬だけかかるバフにすべてをかけた火力で、ボスが覚醒する前に倒せると色々と楽な時も多いので。 あとは、その時々に新規で覚えたスキルは大体強いので、上手く使えると活路が見えます。
あと、ボスもそれぞれ特徴的なので戦っていて楽しいです。どういう強い行動があるかとか、どういう点を気を付けないと壊滅的被害を受けるかとか、その辺をちゃんと知らないと多分勝てないでしょう。 最後のほうで倒したボスの、左右の敵を倒さないと本体に攻撃が通らないのはいかにもRPG的で楽しかったです。
マップについて、色々と仕掛けがあるのも面白いです。ちょっと難しめの謎解きとかもあり、そこそこ頭を使う時があります。 また、ロストエルサレムに顕著ですが、いろんなところを周って色々なものを見つけるのも楽しいです。特にあのイベントが終わるとナイツオブラウンドの島を探す気分で遊べます。 ちなみに、滝の上にあるエリアでなぜかストーリーが進みますが、ゲーム性的にこれがバグなのかネタなのか判然としなかったのでとりあえずスルーすることにしました。
ストーリーについては、ずっとシリアスな展開が続くものです。選択肢がそうでないように思うかもしれませんが、それにも意味は恐らくあります。 ただ、タイトルに2とあるように、前作からの続きものっぽく、バグとなる元データへの思い入れがないと少し入りにくいきらいはあります。その辺で、読み取れなかったり、共感できなかったり、小ネタがあっても気づけなさそうなので、先に前作プレイしたかったなという思いがあります。
それにしても、最後を本当に終わらせるには、終末の残滓を全部集める必要があるんですかね。一応、球は集められたんですが、どうも最後を突破できる気がしません。 あとは全く関係ないんですが、あのボスと戦う前にセーブできたのは温情だと思っています。ありがたい。
最後に、プレイ記録から引っ張ってきたとりとめのない感想を羅列して終わります。 リアム村のやむ、意味が分かるまで少し考えてしまった。 エルダートレント、完全にCTBの部分を隠すギミックとして機能している。 作者さんはポケモン好きなんですかね。
50. ウユニてつどうのよる
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
v2
クリア(画像のところも)
良かった点
自ら世界観を掘る楽しみがあります
良い世界観が描かれています
気になった点
履歴システムが使いにくいです
一単語しか覚えてくれないのもあり、操作が煩雑になりがちです
選択肢の一番上が文字入力のため、履歴がリセットされることがありました
文字入力からキャンセルで戻れないため、履歴がそこで入力した文字になります
選択肢の先頭が履歴で良い気もします
レビュー あくまのねがいごと
ウユニてつどうのよるは、自ら世界観を調べていくゲームです。
このゲームにおいては、プレイヤーは出会うキャラクターに対して、単語を使って質問をすることができます。 質問に対して答えが返ってくることもあり、そこで単語を得られることもあります。ここで得た単語を同じ人や、あるいは別の人にまた質問をしていくこともできます。
そうして質問を繰り返していくことで、このゲームの世界観は徐々に現れていくことになります。 キャラクターが話してくれて受動的に知るのではなく、あくまで能動的に世界を知っていくことになるでしょう。
自らの手で世界観を掘り下げていきましょう。
感想 自分で調べないと何もわからないゲームです。この手のやつは、調べてみようと思うために導線を用意するか、チュートリアルなり用意するようなタイプが多いんですが、このゲームにはそれがあんまりないです。ストロングスタイル。丁寧な道などどこにもないので、自らの手で世界観を切り開く面白さがあります。
聞きなじみのある単語のある世界で、全く聞きなじみのない単語が混ざってくるので、世界観はなかなかにカオスです。 これが完全に現実に近くて超能力があるみたいな一点の違いバージョンや、逆にすべてが現世と違うファンタジーだったらよくあるんですが、現実に近いように見えて全く異なる概念の上に成立した世界というのは面白いです。知っているものの原点とか延長に知らないものが鎮座している異物感というか、並べられた要素の上に立つ常識が明後日の方向にある次元の違う感じというか、そういうものを感じ取れます。
基本システムは前年度の君の鍵で扉は開くに近いもので、質問すると答えが返ってきます。 全く違う点としては、向こうはある程度導線がついていて何を調べるべきかは明瞭であり、かつその返答はある程度物語を進めるような内容であったのに対して、こちらはほとんど何を調べるべきかわからない状態のまま、その返答が曖昧に世界観を表現することです。 前者は物語を描く手段としてこのシステムを使っていますが、後者は世界を描く手段として使ってるくらい違います。最たる例は、常にメニュー画面で検索してその単語の意味を調べられるあたりでしょうか。 単語を調べると、別の単語が出てくるのでまた調べていく過程は、Her Storyを思い出します。
ただ、システムは使い勝手が悪く、質問は結構面倒です。 割と長く、聞き覚えのない単語を聞くケースが多いので、基本的には履歴システムを使いたいところなんですが、これが一つしか覚えてくれません。なので、一度何かで履歴が上書きされると再設定する必要があります。そして、質問時に間違って最初の選択肢を選ぶと、文字を入力する画面かつキャンセルで戻れないので、確実に履歴が消し飛びます。 この辺は履歴が履歴的でないのが厳しかったり、最初の選択肢があまり使わない入力式なのがきついポイントっぽいです。
細かいところだと、マップの上下とか通行判定のテキトーさ加減も若干気にはなります。 また、それとは別で個人的な最たるものは、病院の階段です。なんで二つあるのかと思ったら上りと下りでした。どっちが上りでどっちが下りか分からないのもそうなんですが、行くことのできないB1と4Fへの階段もなぜかあるのも微妙に気になります。
51. POLI太朗
ジャンル
作者
おもしろ ダイス コマンドバトル
パチ屋賭太朗
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
3時間
1.1
GOOD END(249)
良かった点
SPによるダイス運の制御システムが秀逸でした
全体的に運と戦略性のバランスが良いです
最後までゲームオーバーがない仕組みのおかげで最後まで学習できます
気になった点
レビュー おもしろ ダイス コマンドバトル
ボードゲームとダイスの関係は深いものがあります。一見すれば運否天賦に身を任せるように思えるダイスという仕組みも、しかしボードゲームのルールの上では上手く御することが可能となっています。 ボードゲームの醍醐味の一つは、ダイス運による波を戦略により乗りこなしていく楽しさにあるでしょう。
POLI太郎もまた、ダイスによりあらゆることが決定されるデザインでありながら、そのダイス運をねじ伏せる戦略が可能なゲームとなっています。さながら、ボドゲ的RPGとでも言えるかもしれません。
全21階層のステージの各階層では、そこで振られたダイスによって取れる行動が制限されます。大きいダイス目を出せれば多くの行動から選べるのに対し、小さいダイス目では回復することしかできなくなってしまいます。 また、各階層での敵との戦闘においても、ターンごとに振られるダイスによって使える攻撃が制限されます。ダイス目が大きければ強力な攻撃を選べますが、小さければ弱い攻撃しか選べません。
しかし、プレイヤーはSPというパラメータを使うことで、好きな時にこのダイスの出目をプラスすることができます。やりたい行動のために思い切って使うのも、悪い目が出た時のために取っておくのも、すべてはプレイヤーの戦略となります。
さらに、敵を倒すことなどで選択して得られるトークンを消費すると、策略と呼ばれる能力を発動できます。 策略には様々な種類がありますが、先にランダムで取得しておかないと発動はできません。しかし、取得してさえいればどれを発動するかは選ぶことができ、大きな戦略の分岐点となります。
そうして全21階層を抜け、最終的にはvpと呼ぶポイントの総量によってクリアしたかどうかが決定されます。このため、ゲームオーバーは最後までありません。戦闘に負けても進められるため、最後までプレイして必要な情報を集めることも簡単にできます。 vpを稼ぐには戦闘に勝ったり、そのタイプの策略を発動したりと、知識なしでは立てられない戦略が必要になるでしょう。まずはこのゲームを知るためにも、最後までプレイすることをお勧めします。
ダイスや策略の引きによる運を、トークンや発動する策略、SPなどの戦略的な選択により打ち負かしていく面白さを体験してみてはいかがでしょう。
感想 筆者はボドゲをよくやる方ではないんですが、あの手のゲームの中でも、ダイスのような運要素を口八丁なり戦略なりでどうにかしていくタイプのゲームが好きです。完全に戦略だけで勝負が決まるゲームも勿論好きなんですが、ダイス運が絡むと戦略に波が出るので毎回楽しめます。麻雀みたい。
そういう意味では、POLI太郎はかなり好みの部類に入ります。行動も戦闘もダイス運で決まるという、一見すれば完全なる運ゲーですが、SPと策略の存在でこの運をねじ伏せることもできます。人事尽くして天命を待てるタイプの運ゲーです。
ルールというかシステムはそこそこ複雑なので、やりながら覚えていくのが良いと思います。筆者は初回の周回をプレイしてクリア条件には届きませんでしたが、その時得た知見を活用していくことで二週目でクリアできました。 システムを知り、強い行動を知り、運の下振れへの対策を知れば、おのずとクリアの道は見えてきます。
また、戦闘に負けてもゲームオーバーにならず、あくまでも最後の点数で決定されるという仕様のおかげで、初回の周回を確実に行えるのも大きいです。最後まで進めた際の所感や、各ボスに対しての向き合い方は終わりまでプレイしていかないと見えないものもあります。
返す返すもダイス運をねじ伏せる要素としてのSPが秀逸でした。行動で切るか、戦闘で切るかの選択や、次の階層のことも視野に入れた思考をするなど、常にSPという思考要素が入っていることでダイスの出目に対して受動的になるのでなく、能動的に行動を示していくことができます。 加えて、ダイスと策略の引きは完全に運ですが、金の使い方、成長、Tokenの取得は一切運にからまないというバランスも見事です。特に、戦闘結果のTokenドロップが運でなく、必ず欲しいものが引けるというのが戦略性を程よくしています。
それでは、個人的な戦略もついでに書きます。一時的にはランクインしましたが、上位層が異次元すぎるので多分もういない程度の戦い方です。 喧伝、集中学習が最初のほうで獲得できるとかなり強かったです。世の中金で結構回ってますし、資産家の獲得効率がそこそこ良いのも効いてきます。パトロンもとれるなら取っておきたい。 明鏡止水を使う戦略で行くなら、Healの最低レベルをとっておかないとどうしようもないケースが発生しかねないので注意しましょう。ただ、最後までやってみた感触では、明鏡止水は諦めてZen-kai使った方が優秀な気もしています。 戦争は全部勝っておきたいです。これだけでもかなりポイントが稼げる上に、トークンも稼げます。勝てるうちはやらない選択肢は無いですし、ここで勝ちきれないようならラスボスには勝てません。なので、戦争屋はどこかでは確保しておきたいです。 行動レベルはさっさと上げておいて、行動ダイスを増やしておきます。ある程度無理してでもこれは遂行するべきだと思っています。老師敬服でも弟子と技を先に確保することは勝利への第一歩になります。行動が一つ多いというのはそれだけ尋常でないメリットを持っています。 武力レベルもちゃんと上げて、戦闘ダイスの数は増やしたいです。筆者のムーブは行動と武力を7にした後に初めて精神力を上げています。バランス理論戦略のためでしたが、かけたコストのほうが高かった気もします。ストイックでいった方が良かったかもしれない。ただ、戦闘では間違いなく役立ちました。 これはできなかったことなんですが、可能なタイミングではできるだけ闇市を使った方が、ブローカーが効いてくるので優秀な気がしています。
この辺を考えながら、2周目で出したスコアが以下です。 上位勢がこの2倍くらいのスコアを出しているのを見て、見ている世界の違いを感じていました。
あとは曲が良いです。これを書いている間に画像音声の点数ミスったかもなと思うほどには選曲が良いです。
それにしてもPOLI太郎、語感の良いタイトルですね。声に出して読みたい日本語。 おもしろ ダイス コマンドバトルもまさにこのゲームを表しています。
52. 魔王討伐クエスト
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
3時間
1.01
ゴブリンの巣+魔王討伐
良かった点
資源と戦闘の要員のバランスを取るのが面白いです
全体的な難易度は難しすぎません
おおよそ操作は直感的に行えました
気になった点
最後のほうはごり押しの作業になりがちでした
ターン経過しすぎたら敵も強くなっても良いかもしれません
ターン終了、ゲーム終了で二重チェックがありません
下でメニューを開くとゲーム終了にカーソルがあってしまうのでそこそこ危険です
レビュー バランスが大事
魔王討伐クエストは、資源確保と戦闘人員確保のバランスが大事な戦略シミュレーションです。
このゲームで出撃させることのできるユニットは機能的に特化したものです。 戦闘要員は基本的に資源を採取できませんし、資源確保要員は基本的に戦闘ができません。また、建築できるユニットでなければ、建築という行動もとれません。 これらの機能を持つユニットを、どういった割合で出撃させていくかが肝要となっていきます。資源ユニットが少なく資源が取れなければジリ貧になりますし、戦闘ユニットが少なければ攻め込まれると厳しくなってしまいます。
さらにこのゲームでは、どこにでも様々な建造物を建築することができます。その中にはユニットを生産できる副拠点もあるため、どんな場所でもそこを起点に戦うことができます。 資源はどこで採取しても平等に使えることから、実質的に補給線の存在しない独特な戦略シミュレーションとなっています。
上手くユニットのバランスを取って、建築で拠点を増やしながらクリアを目指していきましょう。
感想 割とシンプルなつくりの戦略シミュレーションです。つくりそのものはシンプルですが、資源も同時に採取していかないといけないという点では結構違いが出てきそうです。
何か施設を建てるにも、人を増やすにも、レベルを上げるにも、資源が必要になります。この資源は専用のユニットで採取する必要があるんですが、出しすぎると戦闘要員が足りなくなります。しかも、ユニットを自分から消すことはできないので、ちゃんと計画を立ててユニットの配分を決めていく必要があります。 しかも、拠点付近の資源はいつか枯れる時が来るので、ちゃんと別箇所にも移動しないといけないようにもなっています。
このため、序盤から中盤にかけては向かい来る敵を上手く捌いていくフェーズとなり、後半以降は攻め上がりつつ中間拠点を作るフェーズになっていきます。 リソースが整ってくれば、ユニットによるごり押しも効くので、最初のうちにどれだけ資源をとって強化するサイクルを回せているかが大事になってきます。 最終的には、拠点周りの木を狩りつくすぐらいのタイミングで終了したので、周辺にあるリソースはやや過剰気味くらいありそうです。
戦略的には、どこにでも拠点が作れるので、継戦にはそれほど苦労しません。 大戦略なんかの戦略シミュレーションだと、敵拠点を占領していく形式なので決まった位置にしか生産できないので、補給路がカギになってきます。しかし、こちらは資源さえあれば実質どこでも生産できるので、補給線を一切気にせず戦えます。 資源についても、遠く離れた本拠点でちまちま掘っていれば回収できるので、前線と後ろが完全に分断される形になります。 この補給を軽視していいシステムが、ごり押しを有効手にしています。
また、魔王討伐では左上に相手の拠点があるのですが、左上端のため、抑え込んでしまうと完全に作業になります。 例えば、さらに左上端にも領域があって生産拠点があるなら、魔王を抑え込んでもヘルプが飛んできて二正面作戦にならないように注意するみたいな戦略もあったかもしれませんが、そういうものはないので最終数ターンというか、魔王の右にある副拠点さえ抑えればほぼ勝ちになります。
ちなみに、相手のユニットのAIについては、そこそこ賢いです。中途半端な移動を駆使してきたり、ちゃんとHPの低い支援ユニットを狙い撃ちにしてきたりします。
操作性は基本的に良好で、大体直感的に動かせます。 個人的には、右クリックがキャンセルとメニュー双方の性質を持っていて、キャンセルを連打するとメニューが開くのが若干危険ではありました。メニューでは、上のほうで開けば再度聞いてこないターン終了、下のほうで開けば再度聞いてこないゲーム終了にカーソルが合うので、かなり危険に感じています。実際、ゲーム中にターン終了の誤爆は数回、ゲーム終了の誤爆が2回はありました。 メニューを開くの自体は自然だとは思うので、終了系選択肢はポップアップを出すとか、一番上の選択肢は中断セーブにしておくとかのほうが安全な気はします。
それにしても、魔王を倒して一安心したら魔王が出てきた時は驚きました。量産型魔王。
53. 怪人五輪2021
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
5分
1.0相当
クリア
良かった点
気になった点
レビュー 奇々怪々
怪人五輪2021は、ただひたすらに訳の分からない気分になれるノベルです。
ぶっ飛んだ世界観の中で、ぶっ飛んだキャラクターたちが織りなす物語は、予想などとてもつかない、始終常に置いていかれる展開を見せます。 しかし一つ一つの物語は極めて短いため、置き去りにあって呆然としている間に一つの話が終わり、その感情はもはや余韻と区別のつかないものとなっていくことでしょう。
意味不明な気分になりたい時にお勧めの作品です。
感想 一つ読み終わるたびに何だこれはと思い続け、最後まで読むと何だったんだこれはという気持ちにさせられます。 面白いか面白くないか考えないでもなかったんですが、ひたすらに何だこれはという感想に終始してしまいました。多分面白いと思います。
デザインから話までめちゃくちゃぶっ飛んでいるんですが、ちゃんとその燃料で行けるところまでで終わらせてくれるので読めます。このノリで30分続いていたらさすがに脱落する自信があるんですが、そこはそれ、基本的に3分もありません。 会話についても、あと2ループくらい往復したら冷めるだろうなというところで確実に終わらせてきます。賞味期限を完全に把握しています。
素材もすさまじくて、一目見て何なんだこれはという思いがちゃんと巡ります。VRoidはこんな珍妙なこともできるのかと感心していました。一目見て変なことが分かるけどそこまで崩壊もしていないバランスとしては良い所に落ち着いています。
もはやノベルゲームと呼んでいいのかもわからないので、ジャンルは怪奇ノベルというより怪奇です。
54. 黄泉廻道
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
1.03
クリア
良かった点
心に染み入る良い物語でした
細かいイラストが効果的に使われ、雰囲気が途切れず醸成されていました
ちょっと動く立ち絵を効果的に使っています
気になった点
マップに入った瞬間だけ死者たちの位置がずれていました
レビュー 温かな物語をどうぞ
素直に、どこまでも優しく物語を描くことは非常に難しいことの一つです。 平坦な物語は飽きをもたらしてしまうが故に、起伏として何らかの衝撃を与えるというのは、物語の手法としては間違いなく正しいものです。そして、その衝撃が強いほどに与える印象もまた強くなることから、それを強く大きくしたいという誘惑に勝つのは極めて困難なことでしょう。 ただ優しく、けれど平坦でなく、それでも衝撃に外連味を出さないでいるということは、ある種の高潔さが必要かもしれません。
黄泉廻道が描く物語はそのような優しさで包まれており、それゆえに穏やかな気持ちになれる作品となっています。
システムとしては謎解きやお使いを行う、一般的な探索系のゲームとなっています。列車の中を進み、色々なお手伝いをしていくことで物語は進行していきます。 難易度はそれほど高くないので、気楽にプレイすることができるでしょう。
その中で描かれる物語は、主人公の少女の内面に優しく寄り添うものであり、心の琴線に触れるものとなっています。 暖かいタッチで描かれているイラストと、感情豊かにアニメーションする立ち絵は、その雰囲気を穏やかに包み込むことでしょう。
このゲームは全体としては短い物語ながら、暖かい読後感を得られる作品となっています。 物騒なことに荒んだ時や、心が疲れた時に、プレイしてみてはいかがでしょう。
感想 これは完全に偏見なんですけど、探索ADVはおおよそ不穏だと思っています。そして、不穏である方が印象に残りやすい気がしています。 クロエのレクイエム、狂い月、オロホスの夢、Ib、アイシャの子守歌、不穏な探索ADVは枚挙に暇がないんですが、不穏でない探索ADVはなかなか思い出せません。もちこさんとかそうですかね。あれも不穏な部分あった気がしますが。 そも探索ADVとホラーがセットになるケースが多いというのもあるかもしれません。まあ不穏なゲームばっかりやってるだけかもしれない。
閑話休題。不穏でない話で終わるADVといえど、中途は波乱に満ちていたりしますし、何らかの暗さを残すケースも良くあります。 その中で、黄泉廻道は最初から最後まで雰囲気が優しく、気持ち穏やかなゲームとなっています。一応若干の動はありますが、誤差レベルの時間で終わるので。 フリゲの探索系の善意を煮詰めて固めた金平糖みたいな作品です。
探索系によくある謎解きは、謎というほどでもないのですぐ解けます。 それだけでなく、席ごとの注文にイラストがあったり、配膳時に暗転でなくServingのイラストが入っていたりと、謎解きにも細かいイラストで雰囲気を上手く作っています。 これのおかげで、謎解きというゲーム的な動作を出来る限りシステマティックなものに見せていません。雰囲気の醸成が上手い。
シナリオはかなり短いですが、ちゃんと話としては完成していますし、物語にちょっとした緩急をちゃんとつけています。それでいて、かなり細かめなところにも反応がついているので、探索としても楽しめるようになっています。 そして、この短さであり、不穏でもない中で、この物語は確かに感じ入るものがあり、記憶に残るものがありました。短さに対して、テーマというか主人公の悩みが一貫していたのが良かったですね。 個人的には、コマチがあの登場頻度で立ち絵を与えられる上に、あのやり取りで大体キャラをつかめるような造形をさせているのが良かったです。EDの絵面の説得力を、あの数回のやり取りだけで出しています。
あと、グラフィックも良いです。立ち絵がちょっと動くだけでこれほどキャラクターに感情が宿るとは思っていませんでした。Live2Dとかのふわふわした感じは特に何とも思わないんですが、こちらの動きはなぜか感情を感じました。ループではなく単発だからかもしれません。動きにメリハリがついていて、驚きなら驚きとしてのワンアクションを感じられます。 ちなみに、ドット絵のほうの初期印象は、眼の占める面積が広いなあというものでした。ずっと見てると慣れてきます。
55. Twelve Novel; ~二人の探偵編~
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
40分
1.0相当
クリア
良かった点
オープニングが豪華でした
世界観が作られています
推理は補助付きなので平易です
気になった点
世界観に対して推論が科学的でした
会話のたびに暗転が挟まるので、話しかけるのが億劫になります
物語が尻切れトンボで終わってしまいます
レビュー 推理しよう
Twelve Novel; ~二人の探偵編~は、探索して推理するゲームです。 情報を集めて選択肢に答え、謎を解くことで物語が進行していきます。
冒頭の豪華なオープニングで語られる独自の世界観の中、主人公たちが列車の中の密室殺人に巻き込まれるという物語が本筋となります。 誰が犯人なのかを、これまでの情報などから推測していきましょう。
そのためには、足で情報を集めていくことも大事です。そうして情報が出そろったら、最後の推理パートに答えていきましょう。
感想 とりあえず前提として、筆者は推理小説が好きです。好きな作家で米澤穂信さんを挙げてる段階で何となくわかるかとは思いますが、クリスティーなども大好物です。都島燈理は推理するとかも読んでいました。 というわけで、推理系を標榜すると思考にバイアスがかかって厄介なプレイヤーになります。予めご了承ください。
全体的に世界観が作り込まれている作品です。科学で説明できないものを非科学とし、非科学でもって栄えた世界ということで、安易に魔法とか呼ばないあたりにこだわりを感じます。あの原理だと、飛行機が何で飛ぶかも非化学の部類にいそうです。 また、世界貴族が世界の全体5%と結構います。フランスだと革命前には1.5%ほどが貴族だったそうです。ここまで貴族が多いと、貴族間にも大分格差が出てきそうですね。 あとはこの貴族達は結構物分かりが良くて、自分たちが犯人候補になっていても説明されたらおとなしくなります。
物語に関しては、始終一貫して推理というか蓋然性の高い推論です。そう考えたほうが諸々のつじつまは合うよねという気持ちです。 例えば、ディナーで忙しいから乗務員を除外していますが、忙しいがゆえに乗務員一人いなくなっていても誰も気づかない可能性もあります。ただ、ディナーの準備はそれぞれが関わりますし、いなければ誰か気づいているだろうという方が蓋然性が高いので、そういう結論に落ち着いている、といった具合です。 ただ、ちょっと会っただけの人物同士に対し、接点が見えないという理由で推論を進めるのはいささか乱暴にも感じてはいます。
推理パートは、基本的にプレイヤーキャラが勝手に話してくれて間を埋めるという感じなので、いまいち推理している気分にはなれませんでした。そうでなくても、ヒントがかなり明確なので迷うようなこともあんまりないです。 ついでに言うと、この世界における推理はいわゆる、魔法の存在を許容した場合のミステリに分類されます。折れた竜骨とか、アンデッドガール・マーダーファルス とか、あの辺のジャンルです。 にもかかわらず、そういった行為をあんまり想定しているように見えなかったのは残念ではありました。せっかく良い世界観があるので、この世界観の上で推理してほしかったです。
システム面では、会話終了のたびに暗転をはさむのがかなり目に悪いです。推理ものは話しかけてなんぼなのに、話しかけるのが億劫になります。なぜか話し終わった販売員などは暗転なしの通常セリフだけになっていたりと、基準も良くわかりません。
オープニングの演出は良くて、かなり豪華です。最初の「なにこれ無駄に豪華ね」というセリフを自虐的なメタセリフと一瞬捉えてしまう程度には豪華です。念のため、もちろん無駄ではありません。 それだけに、その期待値のまま進めてしまうと、物語自体が短いのもあって尻切れトンボで終わってしまう印象があります。何ならレスターには会わずに終わったほうがいい感じもします。
後はどうでもいい話として、量少な目で文字だけの説明書ファイルをなんでPDFにしたのかは気になっています。今時ブラウザでも開けるので問題はないんですが。
56. やかまシルフのヒァナ ~天才魔法剣士は自爆しない~
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
1.03
クリア
良かった点
楽しい戦闘システムでした
ヒァナがちゃんとやかましいです
気になった点
レビュー マナを支配せよ
ゲームにおいて、ルールを駆使して場を支配できた時の楽しさは格別のものです。ずっと自分のターンが継続しているような、すべてが手中に収まったとすら思えるその感覚は、高揚感と満足感を与えてくれることでしょう。 ただ、場を支配するというのは難しいものです。ルールが複雑であればあるほど、すべてを制圧したような状況を作り出すのは至難となっていくことでしょう。
やかまシルフのヒァナ ~天才魔法剣士は自爆しない~ の戦闘におけるシステムは、プレイヤーの一挙手一投足に大きく委ねられるものとなっています。
この戦闘システムにおいては、攻撃などの行動はマナと呼ばれるリソースを消費しなければ行えません。マナは基本的に4色に分けられ、行動するためには特定の色のマナが必要になります。 このマナは毎ターン山から引くことができ、行動に応じてさらに追加で引くこともできます。こうして4つまでストックできるマナをどのタイミングで消費して行動していくかは、プレイヤーの手に委ねられています。
ここで、山にあるマナは敵味方共通のものであり、ターンの開始時に一番上にあるものを引くことになります。すなわち、プレイヤーが一枚多く引く行動を取れば、相手がとる予定だったマナを一つずらすことも可能となります。
加えて、山はいくつか先が見えていることと、相手の手札が完全にオープンなことから、相手の手札の構成と山を見て戦略を立てることが可能になります。 相手が赤いマナを欲しがっているなら赤いマナを渡さないように立ち回ったり、あるいは自分の欲しいマナが自分の番で引けるように山をコントロールしたりと、山を引くという行為だけであらゆることができます。 すべての起点となるリソース源が一つというゲームデザインにより、山をどう引くかという判断だけで場を支配する楽しさを味わえるでしょう。
また、ゲームはノンフィールドRPGとして進行する上、状況説明からチュートリアル、セリフ回しまでヒァナがやかましく並行して伝えてきます。 このサクサクと進んでいく仕組みにより、戦闘システムの面白さに短いスパンで浸ることができるでしょう。
リソースを徹底的に制御して、敵の行動をも制御していく面白さを存分に味わってはみませんか。
感想 かなり短い作品ですが、かなり楽しい戦闘システムでした。アップデートで長くなったらしいので、今ならより長く遊べるはずです。
相手と自分でリソースを一つずつ取り合う、次に来るリソースはある程度の数分かる、という二つの仕組みのために、相手の技構成を見て上手くコントロールしていく面白さがあります。相手にとって不要なリソースを上手く押し付け続けて完封できると楽しい。 そういう意味でも、山を消費できるタイプの技はかなり強いです。水1消費の腹式呼吸は必須技で、エーテルスキルのエリクシールはめちゃくちゃ強い。
この戦闘システムだと、色々ギミックも仕込めるのも良いところです。実際に、すべてのリソースを特定色にするみたいな敵もいます。他にも、エーテルの順番を入れ替えるとか、相手とエーテルをとっかえるとか、色々と考えられます。拡張性も高そうな面白いシステムです。 また、操作もかなりシンプルで、チャージ集中以外はほとんど直感的に理解できます。チャージ集中も、使ってみれば理解できる程度です。手持ちが埋まっていると左端から消費されていくというルールさえ押さえておけば、あとは特に問題ありません。
また、ちゃんとノンフィールドRPG固有のイベントもあって、エーテルも絡むので色々考えられます。大体戦闘時に抱えているエーテルと、場にあるエーテルの流れで戦い方が大きく変わるので、戦う前から戦闘は始まっている感じがします。
これだけ楽しい戦闘なんですが、ノンフィールドのダンジョンはかなり短いです。ああこれは面白いシステムだなあと思っていたらもうラストダンジョンに到達しています。尺が3倍に伸びたそうですが、それくらいがちょうどいいと思います。 最初の印象だと、3ステージあるにもかかわらず、それぞれ1-1, 1-2, 1-3みたいな印象です。クッパにも辿り着けていない。
また、ヒァナが左でちゃんとやかましいのも良いです。ずっと話してますし、そこそこ有用な情報もちゃんと喋ってくれてもいます。世界観的な所と、雰囲気作り的なところと、チュートリアルめいたところまで、大体ヒァナが何とかしている印象です。
57. 終末の案内人
プレイ時間
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クリア状況
4時間
1.09
クリア
良かった点
スキル構成を考えるのが楽しいです
列の概念など戦闘システム全体が良くできています
グラフィックが戦闘、メニューどちらもぬるぬる動きます
気になった点
スキルセットを保存できるとより便利そうです
雑魚戦のスキルは割と固定化されていたので、それを保存したいのがモチベーションです
レビュー ぼくのかんがえたさいきょうのスキルセット
RPGの戦闘において強敵を倒す時、プレイヤーは二つの思考を要求されます。事前の準備により強敵に刺さる構成で挑む思考、そして戦闘中の自分の状況や相手の行動如何で立ち回りを柔軟に変えていく思考です。 これら二つが合わさることにより、戦闘前に工夫を楽しみ、戦闘中に即興を楽しみ、戦闘後には自分の考えで勝てたという達成感を得ることができるようになるでしょう。
終末の案内人における戦闘は、この二つのデザインが組み合わさって、考える楽しさが実現されたものとなっています。 その戦闘システムは特殊であり、毎ターン各キャラクターごとにスキルを示すカードをランダムで引くことができます。それらについて、ターンごとに決められたコストを越えずにカードを消費して行動することができるというものです。
ここで引けるスキルの構成は、習得しているスキルの内からデッキのように構築することができます。 あまりスキルを入れすぎると欲しいときに来ないかもしれませんが、少なすぎると戦略の幅が狭まって応用が利かなくなります。それぞれのスキルについて、意味をもって取捨選択していくことが重要になっていくことでしょう。
また、戦闘中に引けるカードの枚数と消費できる総コストは、各キャラクターの属する列に応じて決定されます。 前衛にいればそのターンに使えるコストが増えますが、次のターンで引ける枚数が減り、後衛にいればその逆となります。各キャラの手札の枚数、そこで使いたいカードのコストを考えて列を決めるのは勿論ですが、敵の行動の攻撃対象がどちらにあるかを考えるのも大事になります。 様々な状況を加味して、前衛と後衛を巧みに入れ替えていきましょう。
このように、強力なボスに挑むには、そのボスのとる行動を見極め、事前のスキルセットで対策を打つ戦略と、戦闘中の列の入れ替えやコストの使い方といった戦略の双方を駆使する必要があります。 すべてが上手くいって強敵を打ち倒した時、確かな達成感が得られること請け合いです。
思考し、スキルを組み立て、上手く運用していくことで、強力な敵を撃破していきましょう。
感想 ボスを倒すためのスキル構成を考えるのが楽しいゲームです。戦闘中の動きも割と大事ですが、スキル構成次第では難易度がかなり変わってきます。特に、ラスボスに関してはスキル構成をちゃんと考えないと大体負けるバランスです。 雑魚は攻撃スキルだけ配したスキルセットにしておけばさっくり倒せて、ボスはやや考えて戦う必要のある良い戦闘バランスです。相手の技を確認して、装備構成なりスキル構成なりを変えていけば大分戦いやすくなります。
スキルの数はあんまり多くありませんが、ゲーム全体の尺を考えるとちょうど良いと思っています。 進化したスキルと元のスキルどちらもセットできる仕様上、スキル編集時に何となく見にくくは感じているので、個人的には強化スキルはどれか一つだけ選べる形式でもいい気はします。これは好みです。
戦闘システムも良くて、列の概念が攻撃対象と機能の分散でセットになっています。 手札補充のためといって全員下げると全体攻撃でひどい目に遭いますし、相手の技によっては後ろに下げる方が危険な場合もあります。現在の手札の枚数と自身のHP、相手の技を勘案しながら手札の枚数をバランシングしていくのは楽しいです。 何も行動していないうちはちゃんと列の入れ替えができるようになってくれているのも、地味に嬉しいポイントでした。
ボスは色々とスキルとかに特徴はあるんですが、やはり印象に残ったのはラスボスでした。バフデバフを駆使し、相手の技を理解し、ODを潰すことに全力を注がないと勝てない良いバランスです。 ダメージなしとはいえコスト1ブレイク3の破格であるディメンションゼロΩ抜きでは勝てなかったかもしれません。
どうでもいいマップというか町の話になるんですが、意地でも2階に行かせない構成になっています。これ住人不便じゃないのかな。
シナリオについては、担当の方がFFXプレイされているのか気にはなっているんですが、大筋そんな感じです。換骨奪胎と言うべきか、オマージュと言うべきか。 アイリス側の物語が大分削られている印象で、その分物語がコンパクトにまとまっています。ルール―ポジの葛藤まで描いていると、話にもう一段階いりそうで、一回砂漠に飛ばす必要がありそうなので、この形式は良かったと思います。 ストーレの覚悟はタイミングがそうでなければ案内人に徹したものだったので、その辺はだいぶ違ってきます。ユウナレスカがラスボスだった世界観みたいなイメージです。
グラフィックは綺麗な上に、戦闘中良く動くので彩りが与えられています。メニュー画面もそうなんですが、何かしら動いているものがあるというのは良いです。 特に、戦闘中のモーションは本当に紙芝居か疑うレベルでぬるぬる動きます。それはロードも長くなるというものです。
他にも、戦闘の高速化であったり、マップ上でのアイテム可視化、探索したことのある範囲をちゃんと見せるなど、細かいシステム面での配慮も行き届いてる作品でした。
58. 竜と黄金の梨と蔵そうじ
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
1.02
クリア
良かった点
グラフィックのクオリティが高いです
右下の三人のリアクションが楽しいです
気になった点
既知の問題ですが、装備のパラメータ増減が見えないのは痛いです
特に通路においてダッシュをしたいです
通常のローグライクと違い、ランダムエンカウント式なので通路に緊張感がありません
全体的に回避率が高めのバランスに感じました
レビュー ゆるグラフィック
グラフィックというものは、時にそのゲームの世界観を決定づけるものになります。ノベルゲームが多くビジュアルノベルと呼ばれるように、ゲームという媒体の中でも視覚に訴える力は極めて強いものがあります。 プレイしている間、常に目に入ることになる絵という存在には、そのゲームそのものの雰囲気をすら決定せしめるだけの力があることでしょう。
竜と黄金の梨と蔵そうじの高いレベルのグラフィックもまた、その世界観を余すことなく表現し、そのゆるい空気感を巧妙に演出しています。 イベントの演出や一枚絵をはじめとして、主人公や雑魚敵から、その様々なリアクションに至るまで、画面に映るありとあらゆる要素が、統一された非常にゆるい雰囲気を醸しています。
ゲームとしては3Dのローグライク的なダンジョンに、RPG的なランダムエンカウントと戦闘が導入されたものです。有限リソースであるHPをいかに消費せずに進めていけるかが攻略のカギになります。 そして、このようなローグライク特有の緊張感のなかでさえも、画面全体を揺蕩うゆるい空気感のおかげで、始終和やかな気持ちでプレイできることでしょう。
ゆるい雰囲気を画面全体から感じつつ、ダンジョンに潜ってみてはいかがでしょう。
感想 グラフィックのクオリティが高い作品です。探索中に出てくる右下の三人につい目をとられてしまいます。 オープニングの尺なんかは結構長めだったので、漫画調の演出とこのグラフィックがなければ途中でだれていたかもしれません。
ダンジョンに潜ってるとは思えないほどに緩い敵、とんでもない目に遭っても緩いリアクションの三人と、ともかく緩い気持ちで最後まで遊べます。特に、ダンジョン中に常に右下で色々なリアクションをとってくれている三人を見るだけでなごんできます。
ダンジョンは不思議のダンジョン系で、3D形式になっています。3Dになっているせいなのかダッシュがどうもなさそうで、そのせいで移動はそこそこ不便です。不思議のダンジョンではありますが、ランダムエンカウント方式なので、通路にも特に緊張感はありません。なので余計にダッシュしたい気持ちが湧いてきます。 あと、お馴染みの罠も出てきます。目の前に攻撃を空振りする手段とかはないので、罠を踏むかどうかは完全にランダムです。発生頻度は高くはないので、ランダム発生イベントとしてみれば良いと思います。
戦闘については、一見シンプルなんですが知らないと戦闘が難しくなる要素も多いので、最初にちゃんとアイテムからチュートリアルを読んだ方が良いです。特に、捕獲は性質を知らないと、相手のHPも見えない上にあと1発でも通らないことがあるリスク高めリターンが不明な技に見えてしまいそうです。
後は、全体的に回避率が高いので攻撃が当たる想定で戦わない方がよさそうです。体感、半分くらいは回避される敵がそこそこいます。アイテムも回避してくるので、あんまり確実な攻撃手段はない気がしています。やるきの上げ下げで何か変わるのかもしれませんが、そのあたりは未検証です。 もたもたしてると援軍が来るシステムも相まって、回避が続くと戦闘がかなり長引いてしまいます。スキルはケチらずに使うのがよさそうです。
割と致命的に難しいのが、装備によるパラメータ上昇が機能していないところです。せっかく手に入れても差分が見えてこないので、いちいち付け替えて調べる必要があって、まあまあ面倒です。というか、ここが信用できないせいで、波及して防具の能力もあんまり信用できていませんでした。赤いリボンが効いているように見えない。
演出に関しては、筆者の生きている世界の3分の2くらいのテンポ感です。めちゃくちゃ軽微なメイドインヘブン。 漫画のコマ割りによる演出の雰囲気は良いんですが、コマが浮き出るまでに待ち、そこから文章が表示されるまで待ち、の2段階待ちが発生するので、あんまりテンポ良く感じていませんでした。もっとも、この緩い雰囲気を勘案すればこれくらいのテンポ感が良い気もしています。
59. Wizarga -DEMONS SAGA-
プレイ時間
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クリア状況
1時間40分/45分/4時間30分
ver.7
クリア
良かった点
3種のシステムのRPGが楽しめます
全体的に戦闘バランスが良いです
シビア目ながら相手のHPも低い、ちょうどいいバランスでした
不確定名称を出す仕組みのおかげで戦闘の取捨選択が捗ります
ZEROのお金の概念が使い切り前提になっていて気持ちよく使えました
気になった点
SUMMONER の警報がメニューを開いて閉じると再度発生します
倒した後即座に回復や装備の確認をしたい気持ちはあるので、ややストレスではあります
レビュー シビアな戦闘を楽しもう
シビアに思えるように、しかし難易度を決して高くしすぎないようにするという調整は難しいものです。そのためには、シビア感を演出する部分は徹底的に演出し、それ以外の面では可能な限りプレイヤーをサポートする必要があります。 そのように構成されたゲームのプレイ体験は、難しいものをクリアしたという達成感を得られる素晴らしいものとなることでしょう。
Wizarga -DEMONS SAGA-は、シンプルなおおよそダンジョン探索型RPGです。 3作品のセットになっており、それぞれ少し違うシステムで遊ぶことができます。
ゲームとしては、基本的にはどの作品もシンプルな構造になっています。 ダンジョンをクリアし、そこで得たお金などをもとに装備やアイテムを買い、またダンジョンに潜る。このRPG的なループを繰り返し、どんどん難しいダンジョンへと挑んでいくというものとなっています。 また、それぞれの作品ともにダンジョンは基本的にシンプルな形状であり、3作目以外には特別なギミックもほとんどありません。多くの場面では、戦闘を楽しむこととなるでしょう。
ゲームの主軸となる、その戦闘のバランスはシビアなものとなっています。 相対する敵の火力は高く、様々な敵が持つ特殊技や状態異常は非常に厄介なものです。敵を見極めて倒す順番を考えるのが肝要であり、時にはMPを消費してでも強力な魔法で一気に倒した方が良いこともあるでしょう。
このように一つのダンジョンを進める中で、もらうダメージと消費MPとを常に相談し、有限であるリソースをどういう風に使うかを考えていくことになります。 敵が強いからと言ってMPを使いすぎるとすぐにガス欠になり、満足に戦えなくなってしまいます。特に最後に出現するボスに対してガス欠では勝負にならないでしょう。 ボスに辿り着くまでにどれだけ温存し、それでも使えるべき所で使えるかが重要となってきます。慎重さと大胆さを磨いていきましょう。
その一方で、戦闘バランスはシビアでも決して難易度は高すぎるものではありません。 おおよその敵のHPは低いため、上手く立ち回ればダメージをかなり抑えていくことができます。加えて、ボスでさえもHPは低めの設定になっており、MPを温存していれば強力な魔法で一気に片を付けることも可能でしょう。 また、デスペナルティも基本的には小さいため、万一失敗してゲームオーバーになってもさほど問題なくリトライできます。
シンプルながら遊びやすいシステムの中で、シビアな戦闘を存分に楽しんでいきましょう。
感想 3作品のセットなので、とりあえず共通の感想の後に、3つの作品の話をします。 全体的に、プレイしたことがない身で言うのもどうかとは思うんですが、ウィザードリィ風の見た目をしたRPGながら、現代的に遊びやすくなっている印象です。 各ゲームにちゃんとチュートリアルもあるので、特別前知識なしに全作品遊べるのも良いところです。
全体的に戦闘バランスはシビア目で、MPをケチらずに使うかどうかの選択を迫られることが多いと思っています。 相手の火力がやや高めなので、そのダメージを余分にもらわないためにMPを消費して魔法を打つか、今後のために温存しておくかを考えながら戦えます。雑魚のHPは低めなので、魔法さえ切ればかなり早く倒せます。 雑魚戦でどこまで節制できるかが、ボス戦の行方を占うといっても過言ではないレベルです。
そのボスですが、裏ボスでさえも決してHPは高くないので、MPを大分温存できているとかなり楽な戦いができます。 一方で、HPも半分くらい、MPも魔法一発みたいな状態で戦うこともあるので、そういう時はスリリングな戦いになります。ただ、HPそのものが低い都合上、どんな状態になっても先に攻撃を入れれば勝てることが往々にしてあります。 味方が壊滅し、一人しか残っていないキャラの渾身の魔法で倒せた時は、なかなかの達成感を味わえました。
あとは、ダンジョンで落ちる装備のほうが良かったりもするので、一種のハクスラめいた気持ちにもなれます。装備を一式買うというよりは、不足している部分を補うパターンが多かったです。 つまり、街で装備を整えたら、ダンジョンでそれが落ちていて萎えたみたいなことがほぼ起きないということです。これは良い。
#1 戦闘バランスは先述のとおりで、基本的に二発、多くても三、四発で倒せるものの、相手も回復1発分くらいの火力がある敵がいるシビアな塩梅です。 毒や麻痺といった状態異常がちゃんと怖くて、優先的に敵を叩いておこうという気持ちになれます。特に、割と序盤から即死を決めてくるのには驚いていました。蘇生手段があんまりないので、確率とはいえ即死が怖いので以降は早く倒すようにしています。
とはいえ、全体的な難易度はさほどではありませんでした。 即死食らった一回だけ帰還しましたが、それ以外は順調に進行してクリアしました。 ただ、敵の倒し方を間違えると一気に崩れる印象があるので、その辺を上手く捌いていく必要があるんだろうなという印象です。強力な敵を知っておいて、魔法リソースをちゃんと割く決断が必要でした。
このゲームは、固定パーティー型の通常のダンジョン探索で、固定パーティゆえに色々考えることも少なめで良かったです。3作品あるうち、システム的に始めにやるなら#1かZEROだと思うけれど、バランス的には確かに#1から始めるのがよさそうな印象です。
扉を見ると不確定名称が出てきて、そこで敵を推測して戦う相手をガチャれるのは面白いシステムでした。毒カエルに会いたくなければ、カエルの部屋を避けるようにすればよいなどの、ある程度戦いたくない敵との調整ができます。それでもつけあわせのカエルが出ることはありますが、大体1体でメインじゃないので対処しやすくなっています。
ストーリーは王道的で良くて、さらにこの後の作品を最後までプレイするとまた違った思いも出てきます。そういう意味でも、この後の作品にも手を出しておくことをお勧めしたいです。
ZERO 戦闘バランスはやや平易に感じました。#1プレイ済みだからかもしれませんが、一度も失敗することなく裏ボスまで倒しています。 最初に選んだパーティに強く依存するのかもしれません。あるいは、人数を減らして挑むことが想定されているっぽいせいかもしれません。 また、敵を全部倒したほうが効率が良いかなと思ってすべて倒していたんですが、倒さないプレイングもできるので、そのあたりで調整が効くのかもしれません。
このゲームはパーティを最初に自分で組めるので、好きなバランスで挑めます。 筆者はプリースト、サムライ、ニンジャで挑みましたが、回復を抜く強気なバランスでも、逆に魔法使いで固めたバランスでも、好きなように組めます。 個人的にはニンジャがお勧めで、序盤に絶大な火力を誇り、終盤でも安定して強いということと、装備ができない分お金が浮くのが大きいです。後半くらいには打たれ弱いなという気持ちにはなりますが、それをおいても先行して二回殴れるのはかなり強いです。
あとは、全体的に短めな上、もともとのマップには多分戻れない構成なようなので、一回で走り切るタイプのゲーム性だと思います。長さ的にも周回プレイに向いてそうです。
あとは、お金の概念が面白いシステムでした。 ダンジョン内で獲得した累計ポイント分だけ毎回チャージされて、ダンジョンに入るとリセットされる仕組みです。 なので、お金を余らせると逆に勿体ないということになり、諸々買うことにためらいが無くなりました。このゲーム性じゃないと実現できないシステムですが、お金を使いきれて気分も良いので良いシステムでした。
SUMMONER 多分一番難易度が高い気がしています。ダンジョンから帰還することになるケースが一番多かったです。ランダムエンカウントかつある程度の広さをもったマップが現れたので、戦闘回数の調整が難しくなったのは一つの要因としてありそうです。 ただ、理不尽ではなくて、ちゃんとダンジョンに潜り、構造を理解し、次に入ればクリアできる良い塩梅でした。そういうゲームデザインなのかなとも思っています。
このゲームではパーティを分割して組むので、パーティに割り振るバランスも大事になってきます。最終的には3パーティにまで分かれるので、がれきの塔みたいな気持ちで各キャラクター同士のバランスを考えて構成する必要があります。 キャラクターがそろってくると楽しい反面、それぞれの装備を考える必要があって手間も増えてくる印象です。 システムは前2作と同じようなものなので、特にどの装備が誰に装備できるものかわかりにくいのと、買い物のときに単一パーティー分しかチェックできないあたりがやや厳しかったです。Cで見えるパーティーの変更とかができると助かりそう。
あとは、先述した通りダンジョンが広がったので、ダンジョンを探検している感がかなり強くなりました。迷いの森みたいなポイントとか、落とし穴みたいなギミックもあって、これまでのただ戦闘するためのエリアみたいな印象とはだいぶ異なります。 特に厄介なのが警報で、これを踏むとかなりの確率で戦闘になります。しかも、同じ位置でメニューを開いて閉じるとまた踏んだ判定になります。警報の敵を倒して、回復するかとか落とした装備を見るかとかでメニューを開くと、無情にももう一回戦闘する羽目になります。
また、そのダンジョンでパーティを強制的に切り替えて進んでいくというシステムが良かったです。ある地点に到達するまでは同じパーティーを使い続け、その地点で次のパーティーにバトンをつないでいく感じです。 切り替えポイントギリギリでリソースを使い果たし満身創痍になっていると、むしろ上手く調整してやった感が出て楽しめました。共通の回復アイテムの使用をどれだけケチるかという別のレベルでの節制も生まれているのも面白いです。
物語については、この作品をやらないと、このゲームのストーリーの筋が十全に分かりません。どういった経緯があって、ZEROや#1の物語が生まれたのかは、SUMMONERをやって初めて分かります。 終わりの方の展開は明瞭に読めるであろうものなんですが、ある種の王道なのでやはり良いです。
60. Different World
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
1.23
クリア
良かった点
気になった点
全体的に不具合やバグが多いです
このバグの多さなら、ロールバックを簡単にするために単一セーブデータシステムを取らないほうがよさそうです
戦闘バランスがあまり調整されていません
アイテム取得で操作を止めないので、宝箱が空の時も操作を止めない方が統一感がありそうです
レビュー 単一セーブデータに注意
Different World は基本的にはRPGであり、ダンジョンやミニゲームなどいくつかのシステムを内包した作品です。
迷路のようなダンジョンを攻略していくことで次のステージに進めるようになり、そうして進めることで物語もまた進行していきます。 敵と戦うには、装備をきちんと整えていくことが重要になってくるでしょう。
ちゃんと装備を充実させつつ、ダンジョンを攻略していきましょう。
感想 色々なものを入れたかったんだろうなということが伝わってくるゲームです。家購入とか、果実採取とか、色々な世界とか、えんえんトンネルめいたミニゲームとか、ダンジョンとか、いろんなことをしたかったんだろうなと感じています。ただ、色々と入れたせいでどれも作り込みが甘くなってしまているきらいもあります。
現在時間に応じて暗さを変えるシステムは面白くて、それによってどうやら敵も変わるらしいです。ただ、そのためかどうかは判然としませんが、時刻表示が常に出ていてこれが絶妙に邪魔です。途中からON/OFF切り替えできるようになったんですが、この仕組みも結構面倒で起動の度に設定する必要があったり、タイトル画面中でやると変な見た目になったります。
戦闘バランスはプレイヤー側にぶっ壊れていて、装備を整えればダメージを受けなくなります。相手の防御力もやたら固くはあるんですが、ホーリーが防御無視なのでホーリーをぶっ放していれば勝てます。実質ホーリーのゲーム。 ただ、2階層の毒蛇だけ常軌を逸した強さをしていて、ボスをはるかにしのぎます。次の層まで到達して装備をそろえても勝てないので、素直に諦めましょう。
また、ヒロインが二人に増殖したり、特定地点でセーブすると動けなくなったり、急にゲームが落ちたりと、バグはあるものとして受け入れたほうが良いです。 ただ、単一セーブデータシステムなので、もし何も対策していなければあっという間に詰みます。ちゃんとファイルのバックアップを取っておきましょう。なんで単一セーブデータシステムなんだ。
マップについては、町がだだっ広かったり、ダンジョンがまあまあ広い割にマッピングが無かったりしますが、同作者の別作品のダンジョンよりは良いです。ダンジョンにフロアがちゃんとあるので、大体見た目を覚えておいて脳内マッピングが効きます。 また、ダンジョンにおいてメッセージでいちいち止めずにアイテムを取得できるのはありがたいです。そういう意味でも、この宝箱は空をいちいちメッセージで出す必要はないように思えますが。
どうでもいいんですが、木のみの採取システム、段差越えて取れるので主人公の腕は多分長いです。
61. 見よ、天を衝くインの塔
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
2.04
全END
良かった点
電子ゲームブックとしての機能は使いやすかったです
シナリオが良かったです
気になった点
全体的に周囲の道とブロック数の説明、跳躍の結果などのシステマティックな文章が多めでした
塔という無機質な雰囲気で通貫している分、繰り返しの印象が強くなります
方眼紙によるマッピングともやというギミックの食い合わせが悪いように感じます
レビュー マッピングがすべてを握る
見よ、天を衝くインの塔は、電子ゲームブックです。ゲームブックの面倒なページ送りをゲーム的に省略できるようになっており、快適にゲームブックの楽しさを感じられるようになっています。 また、ただ省略するだけではなく、考える必要のある謎解きなどで、そのゲームブック的なシステムを上手くギミックへと転用しています。
加えて、このゲームでインの塔を登っていくには、マッピングがカギとなってきます。 塔の中は複雑な構造になっており、脳内マッピングだけでは同じところをぐるぐる回って収拾がつきません。 ゲームの外で、方眼紙なり何なりを用意して、自らの手でマップを作っていきましょう。どこに向かうべきかわからなくなったら、きっとそのマップが役に立ってくれます。
そうして塔を登り切った先には、塔の中にいたというそれまでの閉塞感を打ち破る良質なシナリオを読むことができるでしょう。 そのエンドはいくつかに分かれており、それまでの行動如何によって変わっていきます。何かが足りないようであれば、マップとにらめっこすると良いかもしれません。
ひたすらマッピングを行って活路を開き、謎解きを越え、エンディングまで辿り着けた時、きっと大きな満足感と清涼感が待っています。
感想 おおよそプレイ時間の半分くらいか、あるいはそれ以上をマッピングに費やすゲームです。ゲームブックとしてのパラグラフ合わせも大変そうなのに、マップまで辻褄合わせる設計やるのは凄い。
電子ゲームブックとしての機能は前作と同じく使いやすく、クリックでパラグラフが進んでいくのは楽です。ギミック以外ではサクサク進めることができます。
説明文とか方眼紙が入ってる当たりから覚悟はしていましたが、思っているより二段階上くらいマッピングが重要視されるゲームです。 いろんなところをぐるぐる回ることになるもそうなんですが、時にはちゃんと跳躍しないと進めないので、綿密にマップ取っておかないと跳躍の決心がつきません。
ただ、個人としてはもやのギミックが出たあたりで方眼紙を捨てて、矢印ベースで記述する方針に変えていました。進んだマス数が不明な中書いていくのはまあまあ面倒だったので、矢印で記述して関係性だけ理解していました。 その後はもやが消えたんですが、また来るかもしれないと思ったので結局矢印ベースで通してしまっています。多分もやが消えたら方眼紙に戻したほうが楽。
その分、漢字を使った謎解きや、パラグラフを使った謎解きは少なめな印象です。前作では使いまくった漢字魔法は、今作ではだいぶ鳴りを潜めています。要所要所で使うポイントはありますが、要している時間ベースではマッピングの方が圧倒的にかかっています。
個人的には、前作だと森以外にもいろんな景色があって、森の中でも色々な変化が楽しめた印象です。ゲーム的にも冒険している気持ちになれました。一方で、今作は無機質な塔をひたすら登っていた印象です。ひたすら塔を登るだけ。 パラグラフの説明の半分くらいは周囲の道とブロック数の説明に使われていますし、変化があったと感じるポイントもかなり少なめです。ぶよぶよ、もや、繭くらいで、もやはギミックなので雰囲気としてはあんまり変わっていません。 アクションの内容も漢字魔法があまり使われていない影響で跳躍くらいしかなく、同じことを繰り返している印象が強くなります。
機能的な記述以外の部分で織りなされたシナリオは良いです。 ずっと鬱屈した塔の中にいたことも相まって、最後の解放感に対して感じる清々しさは素晴らしいものがあります。
ENDを全回収してから見られていないパラグラフを見ていましたが、大体取りやめていた跳躍の部分でした。後は、隕鉄の謎解きのミスとか、木の合成を一度やっていたので他でやらなかったところもあります。
62. くまやきゅ~
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
10分
1.0相当
4 - 14
良かった点
じゃんけんに対して良いバランスでカードの戦略性を足しています
グラフィックは可愛らしくて緩いです
気になった点
レビュー ウルファールはどこでも強い
くまやきゅ~は、じゃんけんにスキルの戦略性が加わったミニゲームです。
ルールのベースは野球となっており、攻撃側が三回倒れると交代となる中で、ヒットをつなぎランナーを返せば得点が入るという仕組みは変わっていません。 しかし、このゲームにおいてはアウトもヒットも、果ては四球もホームランさえも、すべてはじゃんけんの結果に委ねられることになります。じゃんけんに勝てば得点が入ったり、アウトを取れたりする一方で、負け続ければどんどんとチャンスは失われ、ピンチが広がっていきます。
このような攻撃側ならチャンスを作るため、あるいは防御側ならピンチを切り抜けるため、プレイヤーはスキルを消費して使うことができます。 スキルを使うことで、相手の手が偏ったり、こちらの攻撃や防御が強化されたりすることで、チャンスならばよりチャンスに、ピンチならばそのピンチを軽減させることができます。 どこでスキルを切っていくかが、ゲームを有利に進められるかのカギとなっていきます。
また、じゃんけん結果による成果は打者ごとに異なり、先頭打者ならあいこでも塁に出て、クリーンナップなら勝てばホームランを叩き出します。こういった打者の性能差やカードの使い方、そして何より時の運によって、その回ごとに異なるドラマが生まれていくでしょう。
気軽にじゃんけんで野球を遊んでみませんか。
感想 やってることはCPU相手のじゃんけんというどこまでも運ゲー感のある代物なんですが、カードとか、キャラクターの個性とかでうまいこと戦略性っぽいものを出しています。それでもどこまでも運ゲーなので上振れすると楽しいです。 勝つだけなら割と簡単で、スキルを適切に使えばグランドスラムを高確率で出すこともできます。
キャラクターによって、出せる手は限られてるけど強力とか、一発が怖いとか、あいこでも塁に出るやつとか、ちゃんとバラエティ豊かに作られているので同じじゃんけんになりません。もちろん、本質的にはじゃんけんではあるんですが、どこでカードを切っていくかとかの選択はあるので、この多様性がちゃんと活かされています。塁を貯めた後のクリーンナップには本当に迫力があります。
このキャラ傾向の差や、それを起点にしてランダム性のあるカードをどう使っていくかとか、回ごとの戦い方が微妙に変わっていくシステムのおかげで、ミニゲームが単調になりません。局所的に見ればやってることはじゃんけんの手を出しているだけに近いんですが、漫然と手を選ぶのと、いくつかある戦略の中で選び取って手を出していくのではまるで違います。
あとは可愛らしくてゆるい絵も良いです。それぞれの選手に特徴づいています。こいつはやばいなという奴がちゃんとやばいのも良いです。ビヨビヨ伸びたり震えたりするUIも良い。多すぎるとUIがおかしくなる不具合がありましたが、アプデでどうやら修正されたようです。
ちなみに、新しいバージョンだと限定じゃんけんみたいなルールでも遊べます。はまると大量失点、大量得点のチャンスが増えたような気がします。試合展開が大きく動く場面でのクリーンナップがより怖い。
63. 鬼竜島戦記
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
1.31
クリア(トレジャー3つを除いて全回収)
良かった点
移動も行為も自由なシステムで楽しめました
スキルによって様々な攻略ルートがあるのが良かったです
オープニングの演出が良かったです
色々と収集要素も楽しめます
気になった点
復活する敵の区別が難しかったです
マップ切り替え、日数、あるいは復活しない敵がいました
原則進み続ければいいので、ものすごく気になるというレベルではありません
レビュー 高い自由度の中で遊びつくそう
ゲーム進行において、ひとくちに自由度と言っても様々なパターンがあります。どこに行っても良い、どうやって行っても良い、いつ行っても良い、何をやっても良いなど、色々な自由がそこには内包されています。 これらすべてを満たせば、そのゲームの自由度は極めて高いといえるでしょう。しかし同時に、何をしてよいか分からないという状態になりやすくなるかもしれません。自由にある程度制限を加えていくこともまた、大事な要素の一つです。
鬼竜島戦記の自由度の高さは素晴らしいものがあり、そのバランスもまた優れたものとなっています。 このゲームでは、どこにどうやって行っても良い点が重点化され、何をやっても良い点をサブイベントへと回すことで、メインルートへ至る道筋が非常に分かりやすくなっています。 自由度の高い進行ができるにもかかわらず、その進め方について迷うことはありません。
まず、プレイヤーはどこに行っても良いです。 最初からラスボス手前まで行くこともできますし、まずは堅実に近場から固めることも、いきなり一番遠い街まで行ってアイテムだけ回収するのも、すべてはプレイヤー次第です。 その一方で、ボスなどのランドマーク的地点ははっきりとしており、どこに行くべきかの目標は明瞭になっています。
また、プレイヤーはどうやって行っても良いです。 ボスなどの重要な地点を攻略する際は、目的さえ達成できればどのような手段を使っても問題ありません。 正面突破で敵をぶちのめしていくのも良いですし、開錠やハッキングのようなスキルを使うことで裏道からこっそり行くのもアリです。あるいは、より搦め手で挑むこともできるかもしれません。
さらに、サブイベントにおいては、プレイヤーはいつ何をやっても良いです。 釣りをしたいならすればいいですし、ボスとは関係のないポイントを探索したくなったらすれば良いです。そこで、思わぬ発見が得られるかもしれません。
鬼竜島戦記はこのような高い自由度を満喫しつつ、けれど決して迷うことのないRPGとなっています。 あの手この手で敵を打ち倒していってはみませんか。
感想 なんというか、硬派なRPGでした。題材とか中身が王道かと言えばそんなことはないんですが、内実がかなり質実剛健です。
割と序盤のうちから、島のどこにでも行こうと思えば行けるフリーなシステムなので、早めに先のマップにいてアイテムを回収するみたいなこともできます。その上で、敵ボスの撃破順は固定されていないけれど、何となくこの順番だろうなとは思わせてくれます。 加えて、本当に強いアイテムは前準備なしには取れないようにも工夫されています。 この辺のバランス感覚が良くて、最後まで安定して戦いと冒険を楽しめます。
さらに、スキルを駆使することでボスを倒すという行為にすらフリーな戦い方ができます。 正面突破して武力でごり押しても良いですし、ハッキングみたいな行為や鍵開けなどのスキルを駆使することで、困難なところをショートカットしていくこともできます。 全回復するには日数を進める必要があるシステムと、日数が進んだりマップをまたぐと大体敵が復活してるシステムの兼ね合いで、適度に連戦を強制されるようになっています。このため、この連戦パートをスキルで裏道的に突破していくという選択もとれるというわけです。 ただ、このスキルも日数を進めないとなかなか回復しないSPというリソースを使うので、どちらが得かの判断が必要になってきます。
ちなみに、この全回復処理である日数を進めるという行為にデメリットはありません。ただ、個人的にはペナルティがないのが分かっていても、なぜか日数が経過してしまうという事実だけで、できるだけ使わないようにクリアしていました。
全体的に戦闘バランスも良く、ボスがちゃんと強い場合がほとんどです。連戦後に戦う必要があるという点でもそうです。 個人的に一番強かったのはロケランを定期的にぶっぱなしてくるやつです。逆に、恐らく強いんだろうなとは思いつつ、ラスボスはすべてが整った状態でアイテムを惜しみなく使えるのでそんなに難しくはありませんでした。
ストーリーも展開が良くて、特にオープニングはスピード感に演出も加わって素晴らしいものになっています。車の演出とか、二画面分離のカットが格好いい。 味方側はFF7の序盤のアバランチに正義感がいない奴もいるくらいのレジスタンス組織で、完全に正義とはみなしてないのが良いです。そもそも、味方に入るキャラからしてもろくでもない奴もいます。 暴力と暴力のぶつかり合いを描いているあたり、どこまでもフリーダムな感じがしてきます。
フリーに駆け回るのに相応に、色々と収集要素もあります。 ヌシ釣るのはちゃんとやればできるんですが、トレジャーコンプリートは結構難しかったです。どこかで見逃したらしく、3つほどとれていません。色々回ってもトレジャーの取りこぼしはなかったので、何かのマップに入りそびれている気がします。どこだろう。
64. お見舞には4つのお花
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
1.0相当
全ENDクリア
良かった点
気になった点
END2周りのフラグ管理が怪しいです
おばあちゃんちになぜか入れるパターンと、エリアから引き返せるパターンがあります
レビュー お見舞いに行こう
お見舞には4つのお花は、短いアドベンチャーとなっています。
物語は、赤ずきんがおばあちゃんのお見舞いに行くものですが、道中では不気味な怪物に襲われることになります。 この怪物を避けて、無事おばあちゃんの家に向かっていきましょう。
怪物に気を付けつつ、森を進んでおばあちゃんの家に辿り着いた時にどういった結末を迎えるかは、プレイヤー次第です。
感想 相当短いですが、雰囲気のあるグラフィックがある作品です。相当短いといっておいてなんで20分もやっているかについては後述します。 ドット絵も含めて雰囲気が良く、物語としても急転直下のホラー展開ではありますが、ちゃんと作られています。
敵の追従能力がそこそこ高いので、ちょっとした緊張感もあります。上手く通路に誘導するアクション性も多少は求められますが、軽い運動で避けられる程度でもあります。バランス的にはちょうどいいです。
特に、包丁を持つと唐突に出てくる目玉には驚かされました。あれはおそらくEND2に初見で行くように仕込んでるんだと思います。
ただ、END2の条件が目玉をすべて倒すだと思うんですが、ここのフラグ管理がやや足りていません。 例えば、目玉を一つ残しておばあちゃんちに行くと、もう一匹倒そうとはいわれるんですが、おばあちゃんちには入ることができます。ここで、おばあちゃんちを出ると牙の移動演出になって飛ばされ、ここで目玉を倒すとEND2の演出が流れます。 あるいは、目玉二つ倒しておばあちゃんちに入ってイベントを見ても、その後のエリアで引き返せます。ここで引き返すと、恐らくどちらのENDにも辿り着けなくなります。
この辺のフラグ管理の地雷を踏みまくったので、エンド回収に時間がかかって20分位を費やしています。
フラグあたりの進行不能があることを除けば、さっとプレイできるちょっとしたホラーとしていい作品です。
65. 勉強をなぐる
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
1.04
Normal持ち込みなしクリア
良かった点
ローグライクとして欲しい機能がそろっています
ピンチをアイテムを使って切り抜けていく楽しみがあります
各教科の敵ごとにその概念にそった特性を持っていて覚えやすいです
気になった点
やや横の線を捉えられないことがありました
主人公が2頭身かつ、敵がやや浮いているためかもしれません
レビュー 勉強ローグライク
不思議のダンジョン系のローグライクが面白いシステムであるということは、もはや言葉を尽くす必要すらないかもしれません。 一度のミスですべてが失われる緊張感、強敵に囲まれた時の絶望感、そういった窮地を蓄えてきたアイテムで乗り切っていく快感。それらのスリリングな体験を常に感じることのできるゲーム性は、クリアできた時の大きな達成感とともに記憶に残るものとなります。
そして、勉強をなぐるというゲームもまた、このローグライク的楽しみを存分に味わえるものとなっています。
この作品では、教科をベースにしたユニークな敵キャラクターが特徴的なものと言えるでしょう。 英語のTom、国語のひらがなといった、様々な概念が敵として出現します。これらの敵は、Whereならばマップを忘れさせ、2x2なら倍速移動してくるなど、その概念に応じた一癖も二癖もある特殊能力を持っています。
このため、単体でも強い敵から、セットで出会うと厄介な敵まで、様々な敵に対処していくことが必要となってきます。 時にはアイテムを惜しみなく使い、難局を乗り切っていきましょう。それまでのアイテムの取捨選択が、その難局の未来を占うかもしれません。
また、本格的なローグライクとしてのシステムを備えながら、決してその難易度は高くありません。加えて、初心者に向けてイージーモードも用意されています。 ローグライクの入り口として、まずはプレイしてみるのもよいかもしれません。
アイテムの取捨選択と、切るべきタイミングに悩む、ローグライク的楽しみの世界に足を踏み入れてはみませんか。
感想 良くできたローグライクでした。簡単なシレンという感じです。テーブルマウンテンを登頂するよりは楽だと思います。 なお、ここでいうローグライクは、不思議のダンジョン系を指しています。
ローグライク的に欲しい機能は一通りそろっていて、特にCキーで敵に振り向いたり、アイテムを整頓できたりする機能は便利です。この辺の操作性のツボは押さえられているので、ある程度快適にプレイできます。 他にも、通った経路がちゃんと記録されているのも地味に助かる場面が多いです。主に、罠を絶対に踏みたくない時に。
あとはTipsを毎回教えてくれるのも良いポイントです。せいとんとか、ダッシュに関してはこれで気づけました。
システム的にも、種族の概念を教科にしているのが面白いです。加えて、各教科に属する敵の名前というか概念を、そのゲーム的な特性に絡めているのも面白いです。点Pならば近くに移動してきますし、Panicならパニック状態にしてきます。 一見して分からない場合も、能力を使ってくれば大体紐づいて覚えることができます。重力あたりは事前には分かりませんが、やられれば覚えますし、何より下に叩き落してくれる親切仕様です。 こういうオリジナルで設定している作品で、ちゃんと敵と能力の関係が明瞭で覚えやすくなっているのは素晴らしいです。
ローグライク的な話に戻ると、ちゃんとピンチをアイテムを使って切り抜けていく楽しみが担保されています。アイテムの出現率は割と高いので、取捨選択をしつつピンチにはケチらずに使っていきましょう。 とりあえず、二体以上に囲まれたら迷わず使った方が良いですし、ピンチとか強敵なら一体でも使った方がいい場面も多いです。この辺のバランスが実に楽しい。
一応システム的な懸念点として、微妙に横の線を捉えられないことがありました。このせいで割合攻撃を被弾して、マップ攻撃だとしばらく勘違いしていました。 恐らく、キャラの等身が2頭身かつ、敵が地に足ついていないと勘違いしやすいのかなと思っています。ただ、マップを見れば一目瞭然ではあります。
難易度は恐らくやや簡単めくらいで、Hardで挑むと少し歯ごたえがありそうだなと思うくらいです。破壊の草とか不穏なものもあるようですし。 途中までは階層+1くらいのレベルをキープしつつ、終わり際はひたすら階段に潜るいつものプレイでクリアできます。
欲を言えば、他のダンジョンもやってみたいなと思わせてくれる作品です。ブフーとかガイバラみたいな変形に寄っても、フェイみたいなシンプル高難度によっても面白そうです。
なお、筆者の結果は以下です。成長の指輪がそこそこ早くとれたのが大きくて、レベル上げに苦労しなくて済みました。後半の5階層くらいは階段即下りスタイルで進めています。
66. フェイカー×フェイカー
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
1.01相当
ストーリークリア 実績 8 / 20
良かった点
気になった点
レビュー 本物を見抜け
フェイカー×フェイカーは、間違い探し的なミニゲームです。 出てきた3枚の画像から、一定時間以内に違う画像をクリックするというシンプルなものになっています。
しかし、シンプルだからと言って単調なものではありません。次から次へと出てくる画像はどれも奇天烈であり、判断を狂わせてくること必定です。 そんな数々のおもしろ画像に惑わされずに真贋を見極めていきましょう。
また、シナリオモードでは物語を読み進めながらノルマをクリアしていくことで、どんどんと次の物語へと進んでいくことができます。 ミニゲームの奇妙なイラストとは温度感の違う、熱い展開のシナリオを堪能することができるでしょう。
巷で噂のこのゲームをプレイしてはみませんか。
感想 ミニゲームかと思ったら熱いシナリオがついてくるゲームです。絵も良く動いていて、ストーリーとして面白かったです。 ああいう集結していく系の展開に弱いので、こういうのは好みでした。
ミニゲームとしても、難易度の変え方として部分的に明滅させたり、点滅をさせたりするのが面白かったです。ジャンルとそこに属するものによってはこの明滅や点滅がかなり効いてきます。芸術だと、四角形の絵画全般がわけわからなくなってきます。
ストーリーモードの達成目標である15はその辺の魔境にも入らず、かつそんなに難しくないので、導入としていい感じです。ほとんどストーリーの添え物くらいの難易度に落ち着いています。 一方で、実績を目指す場合の達成目標となる100は結構長く、集中力との戦いになります。集中力が切れてくると、明らかにそうでないものを選ぶミスをし始めるので、そういう場合は休憩しましょう。
個人的には、達成目標100は途中で飽きてくる程度には長く感じたので、半分の50くらいでもいいのかなとは思っています。あるいは、50くらいから待ち時間1秒にしての70くらいでしょうか。 100となると、制限時間も変わらず、とにかくやり続ける時間がどうしても長く感じてしまいました。ただ、この辺は感覚による部分なので、大分個人差がありそうです。 制限時間制の場合は早く回答することに意味があるんですが、このタイプの残機性の場合は早く答えることに意味はないので、途中の緊張感が薄れるのも原因の一つかもしれません。
ちなみに、この手のゲームに対してずっと書いていますが、タッチデバイスを持ち出すと早くなります。その上マウスを動かすより思考的に直感性が増すので、普通のゲームよりさらに高得点を出しやすくなるような気がしています。お勧め。
個人的得点 評価基準 基本的には昨年と同じです。 大体5がベースっぽいつけ方をしていますが、評価時に出てくる文言にもそこそこ従っています。
得点表
結果発表を受けて 以下はあまり推敲せず、レビューもしていない完全な感想です。 思いのままに書いていますので、多少不適切な表現があるかもしれませんが、ご勘弁ください。
1位 銀竜奥義伝 意外でもあり、全体のクオリティの高さを考えると分かるなあという気持ちもある結果です。 終末の案内人同様に、全体がそつなく高クオリティで隙もないってタイプの作品なので、総合優勝を飾りそうなタイプです。 初心者でも遊べるSRPGという設計は、遊びやすさにつながってるんでしょうし、画像音声はもう当然ですね。
2位 色は黒に包まれて ここにこの作品がいるということは、結構多くの人の精神を削ってきたということですね。何より己自身を削り取らないと書けないタイプの物語だったので、個人的には好きです。己からそぎ落としていくものには切実さがあります。 物語性が高いのはそういう意味で分かりますし、遊びやすさはノベル系の勘所を抑えていたので分かります。 しかし熱中1, その他1, 物語2, 斬新2 と 物語3 遊び3 その他2 で後者が上に来る当たり、遊びやすさはコンテストの順位的には大事ですね。
3位 独立理想国家アヴァロン 個人的に一番の推しです。個人的な得点上でも1位になってますね。 熱中度1位は謎の中毒性からして当然として、その他1位なのもなぜかしっくりきますね。あの要素で表せない何かをひしひしと感じます。 斬新、物語も上に来てるのもよくわかります。特に物語が個人的にだいぶ好き。 弾の視認性だったり、動作が重くなる件だったり、どうしてもその性質上遊びやすさが下げられそうではありましたが、それを補って余りある魅力のある作品です。 考えてみれば、画像音声と遊びやすさがおそらく相対的に低いであろう中この順位なのは相当ですね。
4位 黄泉廻道 物語が始終優しいので心にも優しい、今回最大の癒し作品ですね。何かの作品で疲れたり心が荒んだりしたら黄泉廻道をお勧めします。今ウディコンのバファリン。 4位に入るのは正直意外ではありますが、物語、画像音声、遊びやすさあたりが高いのはなんとなくわかります。というか、筆者の得点傾向がそんな感じです。
5位 終末の案内人 得点をつけようとすると高くなりそうな作品です。全体のクオリティの高さに加えて、隙が無い。個人的な得点上では4位になります。 なので、全体的にバランスよく上にいるという結果は分かります。画像音声が最高というのも、ぬるぬる動くキャラだとか、UIの洗練され具合とかを鑑みれば納得できますね。
6位 ゴルガン こういう渋いRPGがちゃんと上に来るからウディコンは良いですね。個人的な得点の上では同率8位です。 重厚な世界観の上に、各キャラごとにシナリオが展開していく様は素晴らしく、物語性1位も頷けます。最後まで気の抜けない戦闘バランスも手伝って、熱中度が上がるのも分かります。
7位 やかまシルフのヒァナ ~天才魔法剣士は自爆しない~ この戦闘システムは好きなので、上位来ると嬉しいですね。 斬新なシステムもさることながら、それを初見でできるようにする遊びやすさも強いです。納得の順位。 あまりにも短かったんで、熱中度だけネックになるかと思ってましたが、ギリギリでボリューム3倍のアップデートが来たのが効いたんでしょうか。
8位 精霊さんと世界樹探索 気づいたらずっとやってるタイプの個人的に好きなゲームです。個人的な得点の上では同率8位ですね。 全体的な評価が高く、突出型タイプでないのは大体頷けるんですけど、熱中度は高めに入るかなあと思っていたので意外でした。ついずっとやってるので個人的には高めなんですが、なんやかんや転生が若干作業感を覚える部分も無いわけではないので、その辺が減点要素になったのかもしれません。
9位 My Sweet Blossom 狂気が良いゲームです。花という題材も良くて、人を惑わせる魔性っぷりが雰囲気に合っています。 その狂気性を短いやりとりの連なりで表現した物語性の高さが評価されるのは至極当然のことに思えます。 斬新さが上に来てるというのは、お花を育てるゲーム性に対する評価なのか、お花とテキストに対する評価なのかは判然としませんが、全体的に新しいと感じる要素があったということでしょう。
10位 もふもふ彼岸花 個人的にはもっと上かなあという気持ちです。個人的な得点の上では2位になってますね。 SRPGのシミュレーション部分をパズル的とはいえがっつりやるので、この辺の順位が妥当な気もします。 割と絶望的な数的差をひっくり返す方法を考えながらあれこれプレイしていくことになるので、熱中度が高いのは非常に分かるなあと感じています。個人的には、あの移動先に対する敵の攻撃数を即座に教えてくれるシステムが遊びやすさにめちゃくちゃつながったんですけど、あんまり評価されてないのかな。 第9回から面白い面白い言い続けてきたので、今回12位以内に入ったことに驚きはないんですが、とっつきにくそうなシミュレーションというジャンルで着実に順位を上げてきたのは素晴らしいと思います。
11位 ニアとアインの冒険 斬新さ1位はむべなるかなという感じですが、全体でも高いのは意外でした。 物語性が高いということは、両方で並行して進んでいく物語の評価が高いんでしょうか。あるいは、色々な裏事情を上手く匂わせたテキストが強いのかもしれません。
12位 Wizarga -DEMONS SAGA- 見目が古めかしいゲームは大体遊びにくいものなんですけど、このゲームは遊びやすいです。できるだけ昔のゲームに雰囲気を寄せつつ、現代的にチューンナップ可能な箇所はことごとく改善している印象です。 そういう意味でも、古い操作性を要求されそうな見た目とのギャップも相まって、遊びやすさがかなり高くなるのは頷けます。 加えて、3本セットでお得な上にボリュームも十分ですね。このボリュームで熱中度取れたのは凄いかもしれません。
以下は好きな作品だけ拾います
13位 城跡のアリュイラ この順位なんだという気持ちが大体を占めています。個人的な得点の上では2位ですね。一番乖離してるかもしれない。 めちゃくちゃ難しいのはそうなんですけど、そのせいなのか遊びやすさがやたら低くなってますね。操作性自体に問題があった気はしないので、難易度のせいなのかなと思ってるんですが、どうなんでしょう。 物語が後編までいかないとやや薄味っぽいのも若干影響していそうです。 なんにせよ、アクション好きならやっておいて損はないゲームだと思ってるので、是非。
17位 鬼竜島戦記 個人的な得点はそこまで高く入れてないんですが、そこそこフリーなRPGとして結構好きでした。 こういう設定はぶっ飛びつつも、内実は硬派めなRPGでも圏内の上にいるというのはいいですね。ゴルガンでも似たようなこと言っていますが。
19位 くまやきゅ~ この作者さん、ミニゲームの完成度というかミニゲームたるミニゲーム作るのがめちゃくちゃ上手いんですよね。 こういう完成度高めのミニゲームでも相応に評価されるというのも、ウディコンの面白いポイントの一つです。
20位 POLI太朗 この作品は、ボドゲ好きには刺さると思います。特に、ダイスみたいな運要素を、出来得る限りの戦略でカバーしていく楽しさが好きなタイプには確実に刺さります。 そういう意味では、はまる人にしかはまらなそうではあるので、このあたりの順位になるのが妥当という気もしますが、個人的にはもっと上にあってほしかったです。何なら12位以内でもいい。
21位 UMAFILE 最後まで飽きさせない工夫がされたアクションだったと思います。個人的には同率5位です。これも大分乖離してますね。 なんやかんやで遊びにくいポイントはあったかなと思わないではありませんが、それ以外は平均的に高いかなと思っていました。なので、この順位はちょっと驚いています。もう少し上かなあと思っていました。
圏外 Daylight 今ウディコンで最もRPGをやっている気持ちになれたRPGでした。 圏内には入っていて欲しい気持ちもありましたが、圏外ということで残念です。 ウディコンのRPGは何か一目でわかる特色がないとプレイされないという偏見を個人的に持ってるんですが、なんとなくそれに該当している気はします。多分プレイすればおおよそ好意的な評価になりそうだとは思うんですが。
圏外 ESCHATOLOGY2 こちらに関しては、うすうす圏外だろうなと感じていたのであんまり驚きはありません。 どう考えても人を選ぶサムネしてますし、内容もやたら難しいRPGで、かつ選択肢のノリも一見するとふざけていることに加え、別作品の続編と思われます。 コンテストという側面から見ればおよそ向いてないなあとは思うんですが、個人的にこのゲームに会えたのは良かったですし、筆者は好きです。 フリゲのRPGの濃縮された味わいを、尋常でない高難度な戦闘でコーティングしてるので、そういう作品が好きな方にはお勧めです。
後記 以上で、長々と書き連ねてきたレビューを終わりたいと思います。
今年もまた、様々なジャンルの作品を楽しめる年だったと思います。加えて、ランクの外に漏れてしまった作品のクオリティも全体的に高く、どれを遊んでも面白いコンテストだったのではないでしょうか。
面白さの権化「独立理想国家アヴァロン」、システムによってデザインされた爽快感「もふもふ彼岸花」、感触の優れた高難度アクション「城跡のアリュイラ」、考えることを楽しむ「終末の案内人」、間口の広いSRPG「銀竜奥義伝」、清々しい探検譚「UMAFILE」、心を抉るノベル「色は黒に包まれて」、永遠に遊べる「精霊さんと世界樹探索」、人を通して世界を描いた「ゴルガン」、ボドゲ的楽しさの凝縮「POLI太朗」。
今年のウディコンは、多種多様な面白さを提供する場でした。 遊びやすさで間口を広げるものもあれば、遊びやすさでゲーム性を突き詰めたものもあります。心を抉る物語があれば、心を優しく包む物語もあります。 それらがどういった方向に目掛けたものであれ、その目標点には面白いものが常にあり、楽しさが常にあったと思っています。
これらのゲームを楽しく遊べるのも、ひとえに制作者の方々のおかげです。改めてここに感謝の意を申し上げたいと思います。 それではまた、ウディコンで再び多くの作品と出会えることを願い、この文章を終えたいと思います。
感想 ウディコン中に感じた全体的な感想です。駄文レベルがさらに上がるので、厳しい方はブラウザバックをお願いします。 なお、ほとんど箇条書きなのは、文章をつなげるのが面倒だからです。
なんか物語性の評価が若干話題になっていたので、私見を書きます。所属する団体の意見も代表しないし、他者に何かしてほしいと思って書くタイプのものでもないアレです。 実は、第8回のウディコンの投票でそこそこ後悔していることがあります。Defence saviors の物語性を下げていたということです。 次のウディコンで全作品公正に投票しようと思って投票の文言を検討すると、物語性は雰囲気についても言及してるんですよね。なので例えばフレーバーテキストだとか、キャラの生い立ちだとか、描かれている世界観だとか、いくつでも物語性を構成できる要素はあったはずだなあと感じました。 それ以来雰囲気も勘案して点を入れることをちょっと意識しています。ただ、雰囲気がいいから10点とか8点とかするとまた問題があるので、その辺も気を付けてはいます。このあたりのバランスはまだわかってないので手探り感あるんですが。 個人的には、雰囲気の文言が5点から消えるのに少し引っ張られているきらいはあります。
得点がらみでうっすら悩んでいるところとして、得点の低いものは投票を省くというスタンスの人をそこそこ見かけるというのがあります。 それで言うと、筆者もそこそこの数の投票を見送ったほうがいいのかなと思ってはいます。ただその自分にとって相対的に低いと感じた点が、そのゲームに対する相対的に低い点になっているかは不透明な上に、一応合計点も考慮されるコンテストだしなあという気持ちのせめぎあいもあり、今年は全部ちゃんと得点を入れることにしました。 この辺はどっちがいいのか分かんないですね。
得点がらみで言うと、筆者の得点表の合計点の順番が、筆者の好きなゲームの順番というわけではありません。念のため。コンテストという観点で見て各項目をジャッジしているので、そういう偏りはどうしても出ます。 例えば、11回で一番好きなのはhereですし、12回で一番好きなのはタナトスに沈むと扉は君の鍵で開くで迷っています。 筆者は人なので、好きな作品の点が高くなる傾向は当然あるのでその辺はご勘弁願いたいんですが、一応全部10点みたいなことはしないように気を付けています。 それはそれとして、気を付けすぎて第9回以降から最高点がどんどん下がっているのは別の問題として認識しています。塩梅が難しい。
今回レビューを書くにあたり、推敲回数を減らしたいなあと思っていて、VOICEROIDを導入しました。感想はいつも通りあまり推敲しない方針なので、主にレビューに適用しています。 書いた文を読んでもらうと、誤字脱字の発見率はもちろん、なんとなく冗長だったり、響きが重なっていて読みにくい所だったりが明らかに分かるようになります。めちゃくちゃ便利。 このこと自体はTwitterのどこかで聞いた話だったのですが、これは確かに便利なので文を書く方にはお勧めです。
WWAという知らなかったジャンルの作品が二つも出たのに驚いていたんですが、プレイ感はどっちも違うのでやっぱり違う方が作れば同じゲームにならないもんなんだなあと感動していました。 WWA素人の目線からすると、アリスのほうは検証の力が強く作用して、ワドルーの方は先読みの力が強く作用する感じでした。別にどっちが優れているとかはなくて、どっちにもその性質がもたらす楽しさがあります。
今回レビューを書くにあたり、大体の作品は、このゲームは何が面白かったかなと一つか二つ案を出してからそれを中心に書いているんですが、独立理想国家アヴァロンについてはそれができていません。 人から、POLI太郎は何が面白いのと聞かれたら、ボドゲ的な楽しさがあってなと返せますし、城跡のアリュイラはと聞かれたら、手触りの良いアクションと達成感のあるステージデザインがなと返せます。ただ、アヴァロンについて聞かれたら、とりあえずやってくれ面白いからと返すしかありません。なんで面白いのこれ。
前書きにも書いた通り、昨年長すぎたことを反省して、短めで行こうと思った結果14万字に収まりました。昨年は20作品多かったことを考えると、例外もありますが3/4くらいになっているのが妥当かなと思うので、若干オーバー気味ですね。短めとは何だったのか。 来年こそは短めにするというか、仕事が忙しい気がするので、作品に手を付けるのも縮小していきたいですね。これ昨年も言ってた気がするんですが。 めちゃくちゃ個人的な話をすると、この期間は積みゲーが減らなくなるので危機感があります。70作品くらい積んでるんですが、いつ全部やればいいんでしょうか。