注意
このレビューは、筆者個人の独断と偏見によって書かれています。筆者の好みが多分に影響していますことをご了承ください。
出来る限り気を付けていますが、一部ネタバレを含む可能性もあります。問題がある場合は、プルリクやTwitter等にて指摘していただけると助かります。
レビュー内容は主にプレイ当時のバージョンに基づいています。最新バージョンと異なる場合がありますがご了承ください。
前書き
WOLF RPGエディターコンテスト(ウディコン)は、ウディタ製のゲームを競う、年一回開催のコンテストです。 今回で第12回を迎え、昨今の情勢の影響かなんと83作品ものゲームがエントリーされる運びとなりました。その多量の作品数の中、過去のコンテスト例に漏れず、RPGはもちろん弾幕シューティングからカードゲーム、ピクロスまで多種多様な作品を遊ぶことができました。 今年は1作品だけプレイいたしませんでしたが、ほとんどのゲームをプレイし、おおよそクリアすることができましたので、楽しませていただいた返礼としてプレイ作品のレビューをしていこうと思います。
なお、筆者は漫画でいえばARIAが好きで、小説でいえば米澤穂信さんが好きで、好きなゲームはFF10で、最近やったゲームではRecursed, CyberRebeatあたりが好みです。前回のウディコンで一番好きだったのはhereです。 また、筆者自身はプログラマーを生業としています。その辺りを評価から差っ引いて考えると、より公平に感じるかもしれません。
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補記。投げ銭 もあるので開催者の方に遠慮なく還元していきましょう。
凡例 タイトル 良かった点
気になった点
プレイ中に気になった点を書き連ねています
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レビュー
感想
ネガティブ/ポジティブにかかわらず感情側に寄った感想を書きます
より直截的な表現およびネタバレが多いので、基本は非表示にしてあります。読みたい方だけ都度以下のボタンを押して読んでください
なお、ここでは丁寧語を意識しません。書きやすくするためなので、ご了承ください
ずっとウディコンレビューやっていてなんとなく思うことがあったので、ここに感想を用意しようかと考えた次第です。 理由は大体三つです。感情の吐き出し先がほしい、ネタバレして書きたい、レビューの下地にとりあえず文章作りたい。 特にネタバレは避けるために曖昧表現を使いまくっていたりそもそも話題に挙げなかったしていたので、全部書きたい欲求が強いというのがあります。 下地があると、書くの捗るという面もあります。そのせいで、若干被るかもしれないけれど勘弁願いたいです。
ちなみに、後述するかもしれませんが、今回全作品遊べなかった理由はひとえにぼっちだからです。周りにフリゲやってる人ってあんまりいませんね。 レビューするかどうかは迷いましたが、一作品外すのもフェアじゃないかなと思ったので、一人プレイして二人プレイした場合のことを想定して書く方針にしました。
あとはウディコン全体についての話を少しだけ。 今回はエントリー数が異様に多い上に全体のクオリティが大体高いというかなりバランスが壊れた大会だったとは思うので、圏外にも面白い作品はかなりあります。私個人の好みの話で言うと、20: 妖精さんとダンジョン攻略, 21: 帝国の対外戦争, 24: Do you think I am a witch possessed?, 40: フォギー・ザ・サスピシャス, 58: フランケンシュタインの花嫁, 66: 塔と魔女, 75: カグツチ探訪記, 80: 星影のお散歩あたりですね。 また、単純にプレイヤーとして圏内入って嬉しかったランキングとしては、5: タナトスに沈む, 13: ラピッドスティール2, 35: 流星の射手, 31: ワールドサッカークロニクルあたりがあります。
ちょくちょくTwitterでお見かけしていた他プレイヤーの方の話について。 全作品を早い段階で網羅されたすたーあいすさんや、.com.comさん、加えて作品をプレイした上に動画にするというえらいコストのかかりそうなことまでされているにわりんさんなど、凄いプレイヤーの方が沢山おられました。にわりんさんはその上で、フォギー・ザ・サスピシャスの高レベル帯クリアしていたり、■■■■■の4文字帯にいたりとなかなかやり込まれてるのも凄いと思っています。
感想では、こんな状態の、あんまり文章になっていないやつを突っ込むので大丈夫そうな方だけどうぞ。 社会性フィルターの枚数は、レビューを10とすると、気になった点が5、感想は1です。
お品書き
レビュー 1. 空想兄弟
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間30分
1.01
全ENDクリア/おまけプレイ
良かった点
終盤の演出は目を瞠るものがあります
多くの点で遊びやすいノベルゲームでした
バックログの取り回しがききやすく、選択肢もわかりやすかったです
説明も見やすく目立たず常に在って助かります
キー操作で完結する点も良いです
RPG要素のバランスが良かったです
気になった点
レビュー 夢現の兄弟
空想兄弟 はホラー要素ありのノベルゲームです。合間に少しだけRPG要素もあります。
端的に説明するならば、流れ星に兄弟を祈った少年が、夢の中で不思議な兄弟と30日間過ごすという物語となっています。 しかしもちろんのこと、この端的な説明ではこのゲームを十全に語ってはいません。何せ、この粗筋にはどこをどう取ってもホラーの入り込む余地はありません。
不思議な兄弟が一気に5人もでき、夢の中で兄弟とコミュニケーションをとって楽しく暮らしていく様を眺めるうちは、粗筋通り平穏な時間が流れていくことでしょう。たまにはぶつかっても地は固まり、いろんなところへ出かけて、兄弟だけの夢の世界を過ごしています。 しかし、その裏でひたひたと、少しづつホラーが頭をもたげてきます。 終盤以降の演出はホラー要素を含めても圧巻なので、ぜひともその目でご覧ください。
また、こちらのゲームはノベルゲームとして安定して遊びやすい作品です。 キー操作ですべてが完結し、機能は揃えられ、マルチエンディングに向けての選択肢もわかりやすくなっています。選択式ノベルゲームを初めて触る方でも、特に混乱せず進めることができるかと思います。
最後に、ホラー要素があっても大丈夫という方は、ぜひともホラーをカットせずに最後までプレイすることをお勧めします。きっと満足ゆく体験となることでしょう。
感想 25日目以降とか、RPG要素とか、そのあたりの演出は際立っていて、今回のウディコンでも屈指の演出力だったと思います。裏ED2とか、このあたりの演出ってウディタでできたっけと思ってました。
ただ、これは本当に個人的な趣向がダイレクトに影響する部分なんですが、20日くらいはかなり遊んでいて間延びしていた感触です。大体飽き始めたのは5日目くらいで、そこから15日分くらいはゆるゆると断続的に読んでいるくらい。印象としては、日常系4コマを延ばしてるイメージです。逆に、25日目以降は一気に全ENDまで見ました。 私個人がせっかちかつ飽きやすいという、間を作る文化に馴染まない性格しているのが多分に影響してるとは思います。「けもののうた」なんかも最初の方でだれたりした経験があるので。TRUE REMEMBRANCE みたいな掌編を畳み込んで本編にするタイプのほうが好みです。
かてて加えて個人的な事情で、裏ED1のおそらく真ENDルートの会話にえらい拒否感を覚えました。これはもう価値観の相違であって、物語的な破綻とか倫理観の欠如とかそういうのは一切ないです。本当に単純な考え方の相違です。罪を贖うということと、他者の考えを推察するということへの。 ここだけは本当に個人的な事情で申し訳ないので、物語性は極力客観できるように努力しましたが、それでもちょっと得点が下がったかもしれません。ふがいなく申し訳ありません。
閑話休題。ノベルゲーとしての話に戻しますと、正解みたいな選択肢を上に大体固定して、大事な場面でしか外さないあたりの配慮も良かったです。常に説明キーが目立ちにくくわかりやすい位置にあったり、かなりシームレスにバックログ見れたり、選択式ノベルとしてお手本みたいに遊びやすい印象です。 大分初期に遊んだのに、かなり安定したつくりになっているのもすごいです。トップバッターを飾るに素晴らしい安定感。
あとこれは割かしどうでもいいことなんですが、服の柄が歪みに依存しないで貼り付けた感じだったのが最後までなぜか引っかかっていました。なんでだろう。
せっかくなので物語のほうも触れておきます。 不審者、彼は何がしたかったんですかね。てっきり刃物とか出てくるかと思っていたので、変化球が飛んできて驚いたきらいはあります。アクリフーズとか、チフス饅頭とか、意外と毒物殺人は多いんですがどうにも馴染みが薄いので。 あとはひかるくんが小4の割に言葉をよく知っているのと、言い回しが大分大人っぽくて、最初のほうはこれ子供になったという幻覚か幻視かなとちょっと疑ってはいました。そんな複雑な感じではなかったので良かったです。 好みの話をすると25~27日目くらいが表現含めて一番好きなところになります。ずーっと何のためにあるんだこのウェイトつき日数表記と思っていたんですが、ここにきてきっちり回収してくれたの良い。
最後にタイトルですけど、空想兄弟、空にいる兄弟を想う兄弟という解釈です。よろしくお願いします。
2. 266229
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
1.03
5031
良かった点
ルールがシンプルでわかりやすかったです
ベースはただの四則演算なので誰でも遊べます
気になった点
問題がランダム生成されているのか、難易度の振れ幅が相当大きいです
乗除で1になる組み合わせを使うパターンは簡単になってしまいます
レビュー 脳を鍛える四則演算トレーニング
266229(From Two to Nine) は、四則演算をベースにした高速暗算脳トレゲームです。 作者のKikiさんは前回のウディコンでは疾走感あるミニゲーム、さらに前のウディコンではRPGと幅広い作品を制作している方です。
この作品はさらに趣を変えて、ひたすら計算をこなしていくゲームとなります。 ただし、計算といっても単純に数式を解くのではなく、与えられた数字と四則演算を組み合わせて、目的の数字になるように調整するといったルールになります。4と6が与えられ、目的の数字が2ならば、「6 - 4」を構成するという形です。
最初の内こそ与えられる数字は2つで済みますが、進むにつれて3つ4つと、組み合わせは n!のオーダーで増えていきます。これに四則演算も合わさって、頭がどんどんヒートアップしていくことでしょう。
そのようにして、ただひたすらに頭をフル回転させていくのも良いですが、このゲームにはパスがあります。 面倒そうな計算に出会った時にいかに早くパスを選択できるかも大事な要素になってきますので、適度に頭を冷ましておきましょう。 パスは数字の数が増えるにつれてリセットされるので、たとえ中盤でも積極的に使っていくことができます。
脳みそを適度に働かせてはみませんか。
感想 ひたすらに頭の中で数字をこねくり回すゲームなので、そういうのが好きな人には無限にやれるゲームだと思います。私は好きです。無限にやれます。高速暗算あまり得意ではないので点数は大したことないですが。5個で無理な感じになります。SSSとってる人凄い。
最初のバージョンでプレイしたときは物凄い誤操作が頻発していて、たぶん枠が小さいせいかなとかおぼろげに思いながら遊びやすさに低い点数付けて放置していました。しかし、最終日に点数とコメント内容の見直しのためにプレイしていたら操作しやすくなっていたので、アプデで改善されたのか、なぜか慣れたのかどっちかです。多分前者。ぎりぎり評価をミスるところだった。
ルールが四則演算でその値にするというシンプルなもので、インターフェースもマウスで完結したシンプルなつくりなので、複雑なことを考えずにやれるミニゲームという感じです。久しぶりにやっても、特に思い出す工程なしにサクッとやれます。
OLDTVとか、あの系譜に近いゲームだとは思うんですが、その点でマウス操作なのが微妙に速度感を落としてはいそうとも思いました。ただ、ゲーム性的にはそこまで速度感を求めるのかという感じもありますし、何よりキーの時の綺麗な操作方法が思いつかないので現状が最善だとも思います。 数字が上限4個なら上下左右キー割り当て+スタック的選択方式でなんとかなるんですが、これ最大で6まで増えるんですよね。ただ、一応選択可能な数字の個数は4個に抑えられているようのでいけなくもない。どちらにせよ、操作が複雑になりそうなのとUndoできないのが課題ですが。 今考えていて思ったのは、キー的な思想に一番近いのはWii Fit Plusの腰振り10ですかね。あれくらい単純化しないとキー操作化は難しそう。
これは計算不得意人の戯言なんですが、難易度の振れ幅がかなり広いとは思っています。特に4以上だと、乗/除算の2ペアを作って加/減算する組み合わせは難易度高めで、加減算のみや5x9/9で5を生成するみたいな実質2つは簡単すぎたります。 そのあたりを緩和するために、各LvごとにPASSがリセットされて5回まで使えるのはうれしいんですが、それでもギリギリ振れ幅は感じます。情緒という感じもするんですが。 問題の作り方を知らないので何とも言えないんですが、数字は無視して四則演算の並びだけである程度難易度をグループ化して適度に混ぜれば幾分か緩和はできるかなとは考えました。実装してないのでやってみたらそうでもないかもしれません。思いつく範囲だと * x / x パターンで連続した数字が並ぶと簡単って問題はあるので難しいですね。(*は任意演算子、xは乗算です)
ものすごいどうでもいい話ですが、レビューではn!のオーダーと書いていますが正確ではなくて、数字の上限が4個までっぽいので同じものを含む順列です。いずれにしてもn > 10 で同じものは含むとか、そもそも数字個数上限6とかあるのでどうでもいいですが。
最後に検証ですが、何度かプレイしてみた感じ、計算結果は99を超えず、-9を下回らないようにしていそうです。もしかしたら6個になれば話は変わるのかもしれません。10正解でレベルアップで、パスが5あることから、全15問から10問解ければOKです。
3. SeekerMemoria
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
1.03
Durableでクリア
良かった点
弾幕が美しく展開されていました
各面でバラエティ豊かな弾幕や、それを内包するボスを楽しめました
残機無制限のおかげで下手でも最後まで楽しめます
かすりによるHP回復と、特殊ショットのHP消費というシステムが上手く噛み合っていました
気になった点
光線で一発で持っていかれるのが辛かったです
光線という役割上仕方ないかもしれません
光線をよけるために小さな弾にあたりに行くといったプレイングができるというメリットもあります
レビュー 極彩色が彩る弾幕の世界
SeekerMemoria は疾風怒濤のHP制弾幕シューティングです。
このゲームをプレイしていてまず驚くのは、その圧倒的な弾幕シューティングとしての完成度の高さです。豊富な弾幕、安定した動作、特徴的なボス、そのすべてがそろっています。 加えて、全7面のステージすべてが特徴的かつ豊富な弾幕で出迎えてくれるので、緩むということは一切ありません。常に展開される幾何学模様を縫っていく忙しなさと爽快感が味わえることでしょう。
さらに、このゲームはプレイヤーのスタイルに合わせて自機を大きくカスタマイズできます。全体性能を司るキャラクター、展開するショットの形、強力なショットの種別、追加で性能を決定づけるモード、この4種の組み合わせが存在しています。超攻撃的にも、徹底防衛にも、バランス型にも、お好みのスタイルで遊べます。
そうしてスタイルを決めて挑むシューティングでは、一部の弾幕シューティングでおなじみのかすりシステムが重要な意味を持ちます。 敵弾ギリギリを抜けると様々な恩恵が得られるので、うまいことかすっていきましょう。 また、HP制というシステム上、多少被弾しても問題ありません。むしろ、被弾してでもかすり続けた方がいいケースや、囲まれたら小さい球に被弾して無敵時間で切り抜けるという手もあります。 全てを避けきる自信のない方は、被弾してよいタイミングを冷静に見極めていきましょう。
是非、バラエティ豊かな弾幕を切り抜けていく楽しさを味わってみてください。
感想 まずはじめに断っておきますと、私は弾幕シューティング苦手です。というか、多分シューティングがそんなに得意じゃないです。魔女ボーグ メグリロは3週くらいしてクリアしましたし、Monolithは6時間かけてクリアしました。撃弾マキナはだいぶ苦戦してクリアしていて、ムラサキはクリアできてません。怒首領蜂とか東方なんかは触ることすらできてません。 ただ、シューティングのあの忙しなさと、一瞬の油断が命取りの緊張感と、アーケードの達成感は好きです。
第一印象は、弾幕の見栄えが綺麗だなという感触でした。各ステージの個性的なボスが個性的な弾幕を披露するのが楽しいです。7面あって、すべての道中とボスが新鮮に感じられます。 個人的には、2面ボスの弾幕と個性が一番好きかもしれない。
序盤くらいはパターン構築してクリアできるんですが、Normalでやってて4面ボスでこれが4面のレベルなら無理だなという気持ちになりました。このあたりでいったんおいて、そのあと残機無制限でクリアしました。確実に、残機無制限がなければクリアできてないです。 基本戦略は特殊ショット駆使して、減ったHPはグレイズで回収して、というループ回すのが良さそうに思えたんですが、そんな精緻な動きはできなかった。
私のシューティングのやり方は、こっちが被弾する前に相手削れば勝てるよねというバーサーカースタイルです。火力高い近接武器で多少被弾してでも仕留めるのが好きなので、弾幕シューティングの避けがめちゃくちゃ苦手なんだと思います。鶏が先か卵が先かはわからないですけど。 なので、ウディコン中はIDO+Formation+Smash+Strongでやっていたんですが、多分あんまり上手くない身としてはDischarger+Auto Guardあたりがベターだった気もします。後でやります。追伸、 Durableならこの組み合わせで8機残してクリアできました。Auto Guardが抱え落ちを許さないので偉大。
あと下手の目線としては、光線被弾したら一発で落ちるのが、やや優良誤認みを感じていました。一撃死あるんだと。光線なんでむべなるかなという感じもしますが。厳密には、光線はチュートリアルでも解説されているように貫通弾なので一撃死というわけではなさそうですが。 再プレイすると、小さな弾にあたって光線を無理やり避けるとか戦略性もたつのでこれでいいような気もしてきています。初見で対処が分からん時に軽い絶望を覚えるだけで、ルール把握すれば何とかなりますねこれ。
これだけの弾幕張って、動作が安定しているマジックは本当にすごくて、どうやってるのか良くわかんないです。配列のないウディタでどうやってこのレベルを実現しているんですかね。可変DB読みにいったりすると結構重そうなんですが。 しかもいろんな軌道を描く多彩さもあります。本当にどうなってるんだろう。
私は恩恵にあずかれませんでしたが、スコアの仕組みとか、かすりの仕組みとか、かなり細かいレベルまで練られていた作品で、かなり完成度の高い弾幕シューティングという印象でした。 正直弾幕見てるだけで楽しいので、上手い人のプレイ動画見たほうが良いまであるかもしれない。
最後にキャラクターは攻撃的な性能の射弩が好きです。
4. シルバの冒険~時の女神の導き~
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
1.00
全実績クリア
良かった点
とにかくストレスフリーなシステムとなっています
ダッシュとワープが移動を補助しています
一つ一つのダンジョンも複雑すぎません
グラフィックとノリの良さがマッチしていました
詰まるような要素がことごとく排されています
気になった点
物語もストレスフリーなため山場を感じませんでした
物語的な起伏はありますが、演出的な起伏がない印象です
レビュー サクサク進むRPG
シルバの冒険~時の女神の導き~ は、とにかくストレスフリーに重きを置いたRPGです。 作者のフィールMXさんは前回のウディコンでも同様に、徹底的にストレスフリーな作品を作っていた方です。
RPGとしてストレスフリーであることが徹底されており、ダッシュとワープシステムが移動を補助し、難易度選択が戦闘を補助し、各地のハニワが説明を補助し、ダンジョンの程よい複雑さが体験を補助します。 クリアまでの時間は1~3時間ほどですが、実体験としてはその半分程度にすら感じることでしょう。
また、それに合わせてストーリーも軽快に進んでいき、どんどんと仲間を増やしていくことができます。それぞれの仲間は個性的で、軽快なノリにマッチしたグラフィックも相まって愛着が湧くこと必定です。
仲間は総勢23名。うち3名をパーティーに入れて、多種多様な戦い方を演じることができます。状態異常で攻めるも、バフで堅実にいくも、物理で攻撃的にいくも、好きなスタイルで戦いましょう。 そうして進めていくと次々と解放される実績も、ゲームを進めるモチベーションとなることでしょう。
手軽にRPGを楽しみたい方は手に取ってみてください。
感想 おなじみフィールMXさんのサクサク進むRPGですね。このシステムでもう3作品くらいやった記憶があるんですが、全てに共通して、とにかく徹底して負担をかけてこない印象です。
システム面でストレスフリーなのは凄い助かっていて、迷路は複雑じゃないしダッシュはあるから多少広くても問題ないし、そもそもワープはあるしで至れり尽くせりです。RPGとしての遊びやすさは相当高いと思っています。1時間30分のプレイ時間計測ですが、体感的には30分くらいで終わったような気分でした。 ただ、そのストレスフリーが物語とかイベント側にも結構敷衍しているイメージがあって、会話イベントなんかもさらっと終わる感じがしています。何でもかんでもウェイト仕込むのもどうなんだと思っていますが、物語の山場でもさらっと流していくのもそれはそれでもやっとはしています。塩梅が難しい。
個人的には全部にウェイト仕込むのと全部にウェイト仕込まないのでは間違いなく後者を推すんですが、かといって後者が味気ないと言われたら何も言えないです。 ストレスといえば負のイメージがあるとは思うんですが、大事な要素ではある程度の負荷をかけるというのも重要ではあるんだろうなと思います。Getting Over It の操作性だったり、Downwellみたいなアーケードタイプのゲームが途中リトライなかったり。RPGでも重要な場面はあえて尺取ってみたりするケースは多々見かけますが、やりすぎると映画とか読み物とか揶揄されます。塩梅が難しいの極み。
ハニワへのこだわりが良いです。今回のウディコンでは83と並ぶハニワの伝道師ですね。向こうは消しますけど。 ウディタのデフォ素材にある中でもひときわ目を引くんですかね、あのハニワ。確かにマップ作っていて、意味もなく置きたくなる形しています。熊、女の子の人形と続く先のハニワ。というかこれは本当にハニワなのだろうか。
閑話休題。裏ボスの話題に入るんですが、だいぶん運ゲーに感じました。全体技二回通された時に勝てる未来があんまり見えません。逆に、全体技二回通されなければそうそう負けません。技にブレがあるなとは感じたんですが、なんかバランス悪い育て方なり編成だったのかもしれません。 Lv40くらいにして素早さと防御に振って、あとは回復を常時入れつつ殴り続けていたら勝てました。
あと、グラフィックはストーリーのノリに凄いマッチしているように感じました。言い回しから漂う妙に軽いノリの良さと、全体的に活発な印象を受ける絵が調和しているという印象です。23人もいてうまいこと被らないようになっているのも凄い。
最後に難易度についてですが、Normalでも弱点ついていたらEasyくらいの気持ちで進められます。ハードでやればよかったなと思いつつ、製作者がノーマルとしてお出ししてきたものは素直に受け取りたい気持ちが勝ちました。3みたいに無理と判断したものは別として。
5. タナトスに沈む
良かった点
短い中に不穏さがと不安定さが絶妙にない交ぜになっていました
要所の演出が雰囲気を高めていました
気になった点
移動箇所選択画面にギミックがない割にやや面倒でした
レビュー 落ち行き沈み戻れはしない
タナトスに沈む は、ほのぼの不穏なノベルゲームです。 作者のぴーたさんは、前回のウディコンでも不穏なノベルゲーム、虚構の君と夢遊病者のしゅうまつを出展されている方です。
この作品は、ほのぼのと不穏という相異なる表現が並立する紹介に相応しく、始終平衡感覚を喪失したような不安定感に浴することができます。 ほのぼのとした会話を主としながら、そこに確かに存在している揺らぎを常に覚えることとなる作品です。
物語としては非常に短く、1週10分から30分程度で終わるものです。しかし、内包した不穏さの濃度は極めて高く、密度の高い体験ができること請け合いです。また、密度それ自体の高さもさることながら、要所でピークに持ってくる演出にも舌を巻きます。 少しづつ表情を変えていく体験に引き込まれ、全てのエンディングを見るまで繰る手は止まらないでしょう。
全体を一貫した雰囲気も完成されています。不安定なキャラクターを描くグラフィックも、重要な場面の演出も、それらを下支えする環境音も、全てが雰囲気に寄与し、練り込まれ、混ざっていきます。存分に不穏な趣を感じ取ることができるでしょう。
不穏の渦へと身を投じ、沈んではみませんか。
感想 今回の刺さったランキングを作ったらトップに入る作品です。完全に好み。 好みすぎて多分ゲームを正確に客観視できないんですが、もともと評価は主観的に入れているので問題はないはずです。評定はどこまで行っても主観なので。 大体いつも刺さった作品は15~25位くらいにきて世間との乖離をまざまざと見せつけられています。緋色の研究所とか、hereとか、バケモノハイツとか。 ですが、この作品はもっと上に行ってほしいですし、それくらいの作品であるとは信じています。 ちなみにはまり方のパターン的には、第9回の僕らのスイソウに近い感じです。
作品としては本当に短くて、1週10分レベルなのに、その時間に配合された不穏さの濃度に侵されるゲームでした。 高々30分程度の体験に、不穏と不安定と救いが綺麗に織り交ざり、畳み込まれ、それが一見してどれだかわからないほどに混ぜられてしまう奇妙な感覚を味わえます。
一つ目の話が終わったくらいからもう魅入られた感じで、後は一気にやれました。ほとんど同じに思える展開やイベントでも、微妙な差異から零れ出る感覚が最後まで身を浸すので、3週するのに苦痛はないです。というか、3週はほぼ同じに見えて、実態はまるで違うやつなのでさもありなん。 最初っからフルスロットルに不穏な雰囲気を出しておきながら、最後までやればさらに奥にまで引きずり込んでくる力があります。
いくらでも書けそうなのでストーリーの話に転じますが、個人的には「家族」ルートが一番好きです。救いがありそうなのにどう考えても救いようのない感じが最高でした。 解釈については若干迷っていて、客観視点と情報が用意されているために結構ごちゃごちゃ考えています。最後のあれが本意なら「とうとい人」感はないんですが、「友達」人格の表出と捉えることもできそうに思います。「家族」ルート以外の外的証拠は若干薄いと感じているので、決着をつけるなら「家族」ルートが本筋かなとは考えています。 個人的には、全てのルートは名前が異なることから別の人物と捉えて、タナトスに沈んだ時に一つの存在にまとめられたのかなとも思っています。客観視した見た目のデータは多分ないので。死体を食してそうな描写もあるし、死は合一という救済なのかな。超常的存在がいると何でもありだから楽しいです。この説の場合はエンディングが複数あることの矛盾を説明できないのでダメっぽいんですが。
演出にも触れておかないといけないのでやっておきますが、ここぞって場面に効果的な演出を入れるのがはちゃめちゃにうまい。前回の「虚構の君と夢遊病者のしゅうまつ」でもそうだったんですが、本当に大事な場面において印象付ける動きをするのが素晴らしいです。 単純に結にだけ演出をつっこむんじゃなくて、承から転に入らんとするギリギリのところに突っ込まれているのも凄い良くできています。最初の展開のおかげで不穏なのは分かり切っているので、転に入るまさにその時に綺麗な演出を入れることで、予期された転における不穏さへの緩急をつけている。凄い。
一応マップをいちいち動かして選択する挙動がやや面倒みたいな細かい点で不満を感じたような記憶もないこともないはずですが、雰囲気良すぎてその辺の不満が吹っ飛んでるのであんまり語れません。申し訳ありません。
最後に、前回のBGMも好きですが、今回の環境音だけも良いです。こっちはこっちでゲームの雰囲気が引き立って感じました。
6. 左眼ジャック事件
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間/2時間
1.00/1.12
クリア/全Tips回収
良かった点
あちこちに豊富なイベントが仕込まれています
物語の組み立てが素晴らしいです
Tipsで描かれる情報を集めたくてついつい話しかけにいってしまいます
ダッシュはもちろん、イベント終了時のキャラクターの移動速度など細かい点で配慮がされています
気になった点
ゆとりなしではノーヒント全探索ゲームとなってしまいます
レビュー 弟タカオの不審な行動を追う
左眼ジャック事件 は、連続殺人事件を追うサスペンスADVです。推理要素はほぼ無く、おおよそが探索で占められた作品となります。
このゲームの特筆すべき点は、物語構成の巧みさでしょう。あらゆるところに伏線とミスリードを散りばめながら、最後に一気に回収していく様は素晴らしいの一言に尽きます。 多くを語るとネタバレになってしまうため、その結末はぜひご自身の目でご覧ください。
また、その物語を彩る点として、御殿場市を舞台にしたマップの作り込みと、その作り込みに引けを取らないサブイベントの豊富さにも触れないわけにはいきません。 本筋だけでも妙ある物語構成が、サブイベントも絡んでさらに奥深くなっていきます。霧の都 御殿場市を歩き回り、様々な人々と交流しつつ、その背景にある物語を堪能していきましょう。
加えて、豊富なサブイベントにかかわることで、ゲーム内のTipsという要素も同時に集めることができます。Tipsではどうでもいい情報からキャラの背景まで幅広く知ることができます。 Tipsを集めたくてついつい寄り道し、それによってサブイベントに関わっていくといった相補う関係となっています。収集が好きな方も、色々なイベントにかかわるのが好きな方も、どちらも楽しめるでしょう。
御殿場市を駆け回り様々なイベントを体験するもよし、本筋に絞って物語に唸るもよし、お好みのやり方でプレイしてみてください。
感想 とにかく物語の構成が上手くて、最後までプレイしたときにはしきりに唸ってました。 作者さんが神林家殺人事件の人だなと思ったためにゲームに対するメタ読みが発動してしまうので、最初っから最大限に疑ってかかりました。なので、最初のほうの展開の時点で、しばらくかたくなに主人公の名前は出さないし、サクラの部屋に入るときはなぜか聞かれるしで、完全に疑っていました。 ただ、この段階の疑い方は、主人公はサクラなのか?というものなので、後のほうで名前が判明するとちょっと疑いが揺らぎます。この辺が上手くて、最初に疑った理由の一つが消されると、疑いが解消されやすいのをついています。これで、最初のほうから主人公の名前はサクラでございという風であれば、別の怪しい点からずっと疑い続けていたと思います。 その後も、サクラの部屋の鍵をなぜか手に入れられたりとちょっとずつ疑いはあったんですが、シゲオとの会話中での発言とかもあって少しづつ考えるのをやめていました。疑わせる情報の出し方と、疑わせない情報の出し方のタイミングが絶妙。 結局、真相にたどり着くのに土曜の犯人に襲われるシーンまでかかってしまいました。
全体を通して、かなり出来のいい叙述トリックです。しかも、二つ仕込まれた叙述トリックで、それぞれが別の意味を持っています。 タイトルをもって叙述トリックの材料とするのもうまいですし、しっかりその後もダメ押しの夢を見せるのも強いです。ある意味Tipsですら叙述トリックっぽくなってますが、あちらは少しだけ配慮がされていそうなのもいいです。
とにかくサブイベントが異常に多いのも面白いですし、そのサブイベントごとにしっかりとドラマが用意されてるのも周到です。本筋以外で本筋の5倍くらいのボリュームがある感じです。 加えて、明言されないものの、注意深く見ればそれらの人物同士が大なり小なりかかわっているというのも凄くよくできています。ニワさんなんかは分かりやすい例ですけど、他にも結構ある上に、作者さんの過去作が絡んでいそうなネタもあります。 また、Tipsに乗らないような小ネタもちょいちょいあって、ミカンのエリザとかは失笑しました。
私が一週目で回収できなかったイベントは、龍宮千尋、ナガハル、ラセイ、猫の集会、早く帰れおじさんあたりのラインです。半分も回収できていたか怪しいレベルですね。 優秀なテストプレイヤーの存在なしでは完全回収は多分できなかったです。
Tipsでとにかく色々な不要情報が出るのは結構好みなので、全部読んでいました。らんだむダンジョンのアイテム説明を読破するタイプにはお勧めです。 ただ、Tipsの全回収はかなりハードルが高いので、そこそこ集めるくらいにしたほうがいいとは思います。
ちなみに初期バージョンでいったんクリアしたので、その時はマップのつながりとか、どの建物に入れるのかとかが大分分かりにくいのでつらいなあという気持ちになっていました。ただ、これも優秀なテストプレイヤーの存在によりマップが追加されているので大分緩和されています。確認しないと遊びやすさ落としたままでした。危ない。
あとは、マップは広いけどダッシュがついていたり、イベントでキャラクターがはける場面が多いけど遠ざかると速度上げてくれたりとか、画面スクロールくらいの演出ならすぐに動けるようにしてくれたりとか、結構細やかな配慮が入ってるのも探索かつイベントゲームとして良いです。
これはどうでもいい話なんですが、最後の最後に思いっきりコナンパロしてるのはシリアスなのに笑いかけました。月光殺人事件は名作です。
最後に、クリアした方は、ゆとりモードをONにして全Tipsを集めつつ、ナガハルイベントを進めてみていただきたいです。恐らくそうなんだろうなと思っているであろうことの確信が得られるので。
7. Sebastian and Little lady Butler of Love
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
1.01
クリア
良かった点
グラフィックが美しいです
絵本のようなグラフィックの雰囲気とあった物語でした
主人公二人の掛け合いが愉快でした
気になった点
ややマップのつながりが不明瞭でした
絵作りを破綻させずにガイドするやり方は思いつきませんし、些細な問題ではあります
レビュー 美しい絵の中を遊歩する
Sebastian and Little lady Butler of Love は、グラフィックにこだわった探索ADVです。
このゲームの特色は、なんといっても素晴らしいマップのグラフィックです。一つ一つのマップが一点物のグラフィックとして用意され、美しく装飾されています。綺麗に描かれたマップの中を歩き回るという体験は良いものです。
その絵本のようなマップの雰囲気に合わせて、ストーリーも絵本のような安心するつくりとなっています。お話それ自体は短いですが、理知的な子供と素直な大人というコンビの掛け合いもあって楽しく進めることができるでしょう。一番最後まで読み進めることができれば、大団円に癒されること請け合いです。
是非、美しく彩られた世界を歩き回ってみましょう。
感想 グラフィックが凄まじいなというのが第一印象であり、最終的な感想でもあります。商業作品にあっても何ら疑わないですし、なんならSteamなんかにありそうではあります。 作中でも言及がありますが、この世界を歩き回れるって感じからもMoonとか、ディスガイアとか、あのあたりを思い出しました。Moonが一番しっくりくる喩えっぽいです。 一つ一つのマップの出来が素晴らしくて、歩き回るだけでも見栄えがして楽しいです。 ついでに言えば、歩き回ってもあんまり破綻しないで、絵がきっちり保たれているのもすごいです。さすがに人物とか小さな草レベルでは上に乗っちゃいますけど、大体は破綻なく構成されている感じがします。インゲームの絵の完成され具合とかはForgotton Anne とか完成度が高いんですが、このゲームもかなり完成されているレベルだと思います。
グラフィック的な完成度の高さを担保するためとは思うんですが、どこに行けるかがかなり分かりにくいケースがありました。お菓子の町が結構顕著で、画面奥側への道をしばらく見逃していました。ただ、今見ると別に特段分かりにくい感じでもないので、なんで見逃したのかはわかりません。絵が全体としてできすぎていて、際が分かりにくかったのかもしれません。
ストーリーについても短くまとまる本編と、おまけ以上の規模感があるおまけで補完されていてよかったです。 ただ、本編の展開の終わり際のあっさり感は少しだけ拍子抜けはしました。まあまあ強めの覚悟を決めて乗り込んできていて、一言二言で心変わりするとは思わなかったです。もう一悶着くらいはあるのかなと。物語の雰囲気的にはもうひと悶着ある必要があるかといえばそんなにはないんですが。
ストーリーについてのどうでもいい話をします。 スペースシャトル、第二宇宙速度くらいあったとしたら搭乗者つぶれるんじゃなかろうか。夢だからいいんですが。あと、タイムマシンを車型に規定するのはBTFリスペクトでしょうか。大統一理論は成し遂げられたんですね。お嬢様は物理系だったんでしょうか。 あのごちゃごちゃした部屋は魔法か何かでゆがめられたと思っていたんですが、その前の段階ですでにあの状態なんですね。何の役割を持つ部屋だったんだろう。
あと、ストーリーに直接的にはかかわりませんが、やたら現実的な子供と素直な大人のコンビが良くて、前半パートはそのかけあいが愉快でした。いろんな場所に行くと色々と反応が見られるので楽しいです。
最後に、ゲームとしてはシンプルな探索で、頭を使うギミックもあんまりなく、基本誰にでも遊べるようなシステムに仕上がっていると思います。 グラフィックに魅せられる以外のところにかかずらう必要がない辺り、いい作りだなと感じています。
8. ■■■■■
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
4時間
9.3
5文字までクリア
良かった点
ほとんど思い通りの単語を入れることができました
オンラインランキングのおかげでスコアが競えます
スコアの付け方が面白かったです
つなぎ文字使いまくって横着するとしっかりスコアが下がります
気になった点
UIが分かりにくかったです
ボタンやタブとして機能するものが一見してそうは見えないデザインでした
レビュー ことばのパズル
■■■■■ は、制限された文字の中でクロスワードパズルを完成させるゲームです。
いわゆるクロスワードパズルというと、カギがあってそれをもとに埋めていくスタイルを想像する方もいるかとは思いますが、このゲームは違います。 このゲームでは、与えられたひらがな7文字と自分で選ぶ3文字を使って、基本ノーヒントで埋めていくことになります。すなわち、完成したクロスワードパズルで使う文字は、各プレイヤーによって十人十色のものとなります。
最大で3文字の枠しか存在しないステージまでは、総当たりやつなぎ文字を駆使することで何とかなりますが、4文字、5文字と最大文字数が増えるにつれて、否が応にも自身の語彙力と発想力に向き合う必要が出てきます。 クリアに向けて重要なのは、多くの語彙とローラー作戦です。迷ったら全て試してみましょう。
また、このゲームはオンラインランキングにも対応しており、全国のプレイヤーとスコアを競うこともできます。つなぎ文字を極力使わない、できるだけ使用文字数を少なくする、お題に沿った単語を作る、様々な方法でスコアを伸ばしていきましょう。クロスワードパズルの答えは一つではないのです。
己の語彙力の限界に挑戦してみてください。
感想 とにかく頭を使いました。持てる語彙力を総動員して、あとはまあまあ作業の総当たりをして、どうにかこうにかクリアしたという感じです。 18面とかは見た瞬間に軽い絶望を覚えましたからね。5文字単語をうまく作るのもしんどいのに、それが各位置で2文字単語を構成可能な4文字単語の頭文字と終わりの文字で構成しないといけないというのは、最初は無理かと思いました。 クリア後にランキングをのぞいたら、最初のほうから上位にいる方の名前が3つしかなくて、ふるい落とされた感がすごかったです。goma さんがとんでもなく凄い。スコア超えてるのは3-3/4-3くらいだし、多分この方ならおまけも突破してそうなので古いデータはあてにならない。 ちなみに、18面の5文字ですが、私のやり方では左については「いさみあし」、「さくびゅう」でいけました。〇〇びゅうでなんかできないかなあとしていたら「さくびゅう」ができました。誤謬とかと同系統ですけど初耳でした。
思いついた単語で存在しなかったのが2つしかない程度には、基本なんでも入れることができます。総当たりしてると、知らない単語がどんどん出てきます。収録語数は結構多めに感じました。これはクロスワードゲームとしてはかなりありがたいやつです。 特に後半ステージはかなり綿密に決めないといけないので、少しでも思っていたことが狂うと事故ることになるので、思い通りに文字が入れられるのは助かりました。
ただ、最初に遊んだバージョンのUIが絶望的に厳しくて、最初のうちはプレイ続行があまりできませんでした。Ver1になるんですが、ステージの進め方もお題の出し方もかなりわかりにくくて、チュートリアルから3文字に飛ぶだけでも苦戦しました。 現バージョンはガイド付き+選択タブ点滅ほか色々改善が加わっているので支障は出なくなったとは思います。このバージョンを遊ぶと遊ばないとでは評価にだいぶ開きが出そうです。
何より、マウスホバーだけで画面に動きが出るようになったのが、何をしているのかということが分かってよかったです。これがないと、どれがボタン的な役割を持つものなのか判然としないので。 例えば、このゲームは得点をクリックするとランキングが出るという仕様で、ゲーム内チュートリアルにもあるんですが、そもそもゲーム内チュートリアル自体強制でないのと、あんまりボタンチックでないただの文字をクリックするというシステムが相まって覚えにくいです。万物この調子で、ボタンっぽくないデザイン、タブっぽくないデザインという感じで、どれがどういった効果があるかが日直感的な状態となっています。 これについては、ステージ数が5かつタブ数が5であるせいで、明確にステージボタンとタブボタンが分かたれていないような印象を受けるのが問題そうです。 チュートリアルの画面にあった、タブ数が11とかになれば、ある程度差別化されて見やすくなるとは思います。そもそも、なぜチュートリアルの画面と実際のゲーム画面が異なるのかという話はありますが。いやもしかしてこれは、おまけ突破すると次があるということなのかな。
これを人に説明しようとしたら多分「もじぴったん」って話すんですが、結構考え方というかゲーム性が違うのでぴったりな説明が見つかっていません。そういうゲームにあんまり出会ってないというのもあります。
あと、ものすごくどうでもいいんですが、ググラビリティはおそらく最悪の部類に入るんじゃないでしょうか。そもそも、何と読むのが正解かもわかっていませんが。
最後に、BGMが全くないので、何かしら作業用BGMをかけながらプレイするといいと思います。
9. 怪異探偵委員会
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
1.00
クリア
良かった点
物語と醸す雰囲気、仕組みのすべてが綺麗にまとまっていました
キャラクターがそれぞれ立っていて、生き生きとしていました
物語の展開の作り方が素晴らしかったです
気になった点
時間制の存在意義が不明瞭でした
Insertがキャンセル扱いかつ推奨なのが不思議でした
プレイに一切の支障はありません(Xキーで代用可能でした)
レビュー 怪異を論理でぶった切れ!
怪異探偵委員会 は、会話メインの探索ADVです。探索要素は少なめなので、基本的には物語を楽しむゲームになります。
暴走する牽引車のような友人カンちゃんに巻き込まれる形で、怪異を信じない優等生サバッチョが学校で噂となっている怪異を調査していくというお話となっています。
このゲームの特筆すべき点は、短編としての極めて高い完成度です。 展開の構成の巧みさもさることながら、各キャラクターの個性が存分に発揮される会話劇、はっきりした線で描かれる学校と街並み、事件解決後のワンシーンと、とにかく全てが完成されています。 1時間30分というプレイ時間を余すことなく楽しませてくれることでしょう。
その中の一部である物語の展開だけをとっても、解決に向かう一連の流れを綺麗に描きつつ、終盤にその流れを効果的に生かす巧妙さには脱帽です。
また、物語を彩るキャラクター達も魅力的です。 とにかく物語を強引に引っ張っていく筋肉型のカンちゃん、なんやかんやお人好しでなし崩しに関わってしまう理性型のサバッチョの凸凹コンビが織りなす会話は楽しめること間違いありません。さらに、ここにアルビノの少女セツナも加わってますます物語は盛り上がっていきます。
是非、オーソドックスに良質な物語を心行くまで堪能してみましょう。
感想 オーソドックスに良いゲームです。物語の構成とかキャラクターの立たせ方とか、ゲーム性とか、多くの部分がオーソドックスに良いです。無駄に奇をてらってないから、凄い遊びやすいし、分かりやすいし、物語を純粋に楽しめます。
物語はなんというか諸々お手本みたいな出来だと思っています。キャラクターの凸凹っぷりとかも、そこに上手く差し込まれるセツナの存在も、3回かけてテンプレートを構築して後半の展開に活かしている構造も、全部素晴らしいです。 あと、シンプルに事件解決時にラムネ飲むシーンは好きです。事件が終わった後の清涼感があります。事件それ自体は少し暗い内容だったりするので、余計にこの清涼感が沁みわたります。
先にも触れてるんですが、カンちゃんとサバッチョが理想的な凹凸コンビでした。暴走機関車とそれを諫める人って組み合わせは好きです。 あまりにも噛み合いすぎているので第三者たるセツナが入って大丈夫かなとは思っていましたが、うまいこと調和してるのもよかったです。カンちゃんよりにして、サバッチョの気苦労が増える方向性で解決してますね。そっちのほうが確かに面白いのでサバッチョには頑張っていただきたい。
あとはテンプレートの上手い使い方なんですが、作中で言えば名乗りとラムネにあたります。 物語それ自体は短いので、そこで2, 3度繰り返し行った動作や言葉は結構印象に残ります。それに加えて、終盤でその展開が活かされるとより強く印象に刻み込まれることになります。また、単純に演出として説得力があり、かつ熱い展開に持っていきやすいです。 その分、印象に残る程度に切り詰めたものにしないといけないんですが、名乗りとラムネはその辺綺麗に収まっています。加えて、名乗りとラムネはそれぞれが役割が違うのでバッティングもしないです。 個人的に好きな作品としてマルコと銀河竜というゲームがあるんですが、あれもテンプレートをものすごくうまく使った作品でした。 アドベンチャーやらノベルの手法としては大分強い代わりに、印象に残るサイズのテンプレートをそのキャラクターに沿って構築するというなかなか難度の高いシステムだとは思いますが、このゲームはそのあたりが凄くよくできているので好きです。
グラフィックの話もしたいのでします。 立ち絵の躍動感も好きなんですが、横スクロールで描かれる街並みとかも趣があっていいです。個人的に好きなのはサバッチョの前向いた時のポーズです。キャラクターを表していて良い。 後はエンディング迎えた後のタイトル画面が、事件終わりのラムネのような清涼感があって良いです。
ちなみにシステムで一点よくわからないのが、時間制です。 時間によってキャラがいたりいなかったりするわけでもなさそうで、時間経過によるデメリットはあれど特別メリットもなく、単純にゲームプレイの阻害要因としてしか機能していなさそうに感じました。夕日に変わってカラスが鳴く情緒はあるんですが。もしかしたら、単純に見逃したのかもしれません。
後は個人的な話になるんですが、日常系推理ものだったので好物です。古典部シリーズとか、空飛ぶ馬とか、そういう類が好きなので。
最後に、全体を通して優等生という感じのゲームなので、広く人に勧めやすい作品だと思います。
10. 夢遊猫ネクロフィリア
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
6時間30分/7時間
1.01/1.07
クリア/ソウルリンクコンプ
良かった点
カードゲームとして多種多様な戦略を提供していました
加えて、豊富な戦術を敵側が提示してくれました
全体的なバランスもよかったです
バラエティ豊かな敵の戦略のおかげで常に新鮮な気持ちで戦えました
ストーリーは二人に焦点を当てることでテンポよく進行していました
イラストの数も質もすさまじいです
気になった点
レビュー 無限の戦略
夢遊猫ネクロフィリア は、多種多様なカードが織りなす豊富な戦略を特徴としたカードゲームです。 作者の明野さんが第9回ウディコンで出展した夢遊猫イミテイションのルールをベースに、新しいシステムとともにさらに豊富な戦略の加わった作品となっています。
カードゲームとしては、エナジーをためて技カードを使って攻撃して相手のモンスター3体のHPをゼロにすれば勝ち、こちらの3体のHPがゼロになれば負けというシンプルなものです。 しかし、総勢190を誇る各モンスターにはそれぞれ特徴のある技カードが設定されており、コストは高いが高火力、当たればエナジー加速、ランデス、次回のハンデス等々、様々な戦略を楽しめます。 また、それぞれのモンスターはリーダーに設定すると、特殊なスキルが付与されます。このリーダースキルをどう活用していくかも戦略の醍醐味です。
加えて、このゲームをより面白くしているのがソウルの存在です。敵を倒すごとにその敵のソウルを得ることができ、そのキャラ固有のスキル、ナイトメアスキルが扱えるようになります。 ナイトメアスキルはターンごとに1ずつ増えるSPを消費して、様々な効果を発揮できるスキルとなっています。エナジー加速のような基本的なものはもちろん、特殊カードの生成や、相手への直接攻撃など戦略の要ともいえるスキルです。 また、このナイトメアスキルは自分がピンチになると使えるファイナルナイトメアというものも含んでいます。あえてピンチになるように持って行って発動することで逆に優位に立つといった戦い方もできてしまいます。
こうして、ナイトメアスキルで戦略の方向性を決め、モンスターの中から3体を選んでリーダーを選びます。そして、技カードを選び、さらにはアイテムカード、2エナジーとなるネイチャーカードも選択肢として、60枚のデッキを構築しましょう。 技のバランス、ナイトメアスキルとの兼ね合い、リーダースキルとのシナジー、様々なことを考えながら改良を加えていき、自分だけのデッキを構築してみてください。
また、前作イミテイションとの違いの一つは、リバースゾーンの存在です。 回避や防御技をターン終了時にリバースゾーンにおいておくことで、防御時に使うことができます。手札に抱えるよりは、積極的に流していきましょう。 また、物語を進めていくと、このリバースゾーンを活用した高度な戦略も出てくるようになります。
このように、文字で説明すると大変難しく思えますが、プレイしてみると導線が丁寧なのですんなり理解できます。チュートリアル的な戦いで大体の要素は説明してくれますので、前作イミテイションをプレイしていなくても問題なく遊べるでしょう。
また、この作品は、豊富かつ迫力のあるイラストや、主人公二人に焦点を当てたテンポの良い物語も魅力の一つです。 進行はスムーズにカードゲームの楽しさを損なわず、しかし山も落ちもある良い物語が紡がれていきます。
ぜひともプレイして、このカードゲームの奥深い世界に沈みましょう。
感想 このカードゲームの恐ろしいところは、40超くらいいるキャラクターそれぞれが独自の戦略をもってプレイしているというところです。そもそも、40超のキャラクターが独自のスキルをもって戦ってるのでさもありなんといったところですが。 戦略自体も、マナブーストや速攻みたいな簡単なものから特殊カードの運用、アイテムの運用、リバースゾーンの運用まで幅広く取り扱っていて、どの敵と当たっても新鮮な感じがしています。全員に勝てるデッキを組めるかは正直怪しいレベルに多種多様な戦い方が存在しています。
私のデッキ構成は最初にもらった速攻をアレンジしてウィスプを左右に従えた連続攻撃型速攻デッキが主でした。これでクリアまでは行けました。 基本思想はリーダースキルで底上げされた火力を生かしてとにかく回転率を上げるというもので、ナイトメアスキルはいくつかの変遷ののちにブルーエルスの常時手札7枚を基本採用しています。速攻っぽくないですが、これが一番安定したので。 ソウルリンク攻略時は、それだと相性の悪い敵(イクシアなど)がいたので、マナブースト火力ごり押しデッキを作って、併用して進めていました。基本設計はグラスドラゴンでマナブーストして、ノームとヘルカーニバルの火力で押し切り、とどめにフィンクスを使うという感じです。ファンタズムノヴァによる大火力や、かえるになあれによる守備無視がかなり強かった。 こんな感じで、ソウルとにらめっこしつつ、強そうな戦略を編み出して、それを実践で決めていくというのがめっちゃ楽しいです。取れそうな戦略は無数にあるのもいいですよね。 ちなみに、カードゲームとしての前作イミテイションでは、ゾンビカードをメインとしたデッキを組んで楽しんでました。
イミテイションとの差異ですが、覚えている限りではリバースゾーンです。他にもあるかもしれませんが。 リバースゾーンはかなり戦略の幅を広げていて、単純に使うだけでも回避/防御をしやすくなっているってのもありますし、加えてリバースゾーンに特殊カード置くやつや、リバースゾーンから攻撃カードを飛ばして来るやつなんかもいて、バラエティに富んでいます。 なので、カードゲームとしてより豊かに、面白くなっていると感じています。
そもそも、イミテイションからしてこのカードゲームは面白くて、あまりに面白すぎてバイトの面接に遅刻したレベルで楽しかったんですが、それの純粋な進化であり深化であるこのゲームが面白いのはもはや疑いないです。
返す返すもリーダスキル、サブカードの選び方、ナイトメアスキルの選択でいくらでも戦い方が生み出せそうなのは凄まじいです。何より、様々な戦略が存在することを敵側が提示してくれるのも素晴らしいです。これだけのデッキを難易度的なバランス力も込みで計算して設計されていると思うと恐ろしいレベルです。 そして何よりも、敵側がバラエティに富んだ戦い方をしていることで、こちらも脳死ではなく様々なことを考えながら運用していく必要があって楽しいです。見事相手の戦略を叩き潰せた時は達成感があります。このゲームは、割とメタ戦略で勝利しやすいので。 ジャリネスハートなんかもめちゃくちゃ楽しかったカードゲームですけど、あれも戦略を敵側が提示してくれたり、頑張ってメタ戦略で倒したりと白熱しました。面白いカードゲームの作者さんのこの辺のバランス感覚は凄まじいの一言です。
バランスというかレベル設計についても触れておきます。多分これは意図的だと思うんですが、序盤にドロップをリムーブに叩き込んで火力を稼げるやつで速攻を組んでいたら、リムーブエリアにカードがあると発動するナイトメアスキルにぶち当たって負けてしまうということがありました。 たぶん色々なデッキを組んでみても、このタイプには相性悪いっていうのが出てくるんだろうなと感じたところで、うまくできてるなあと唸ることしきりでした。
ストーリーについても、露悪的なところがありながら進行していき、最後にきっちりと大風呂敷を広げて綺麗に閉じています。このあたり、イミテイションやらハローワールドに通ずるものがあって、終盤に熱い展開を感じることができました。 会話進行も二人の関係性についてはかなり深く掘り下げる反面、途中で出てくるキャラはちょっとした会話だけというのもテンポ感があっていいです。終わってみれば数人くらいしか物語にはかかわってない気もしてきます。 ただ、そのあたりの他のキャラの立ち位置とか、ソウルリンクにしかいないキャラとか、そのあたりはおまけで掘り下げられているのも良かったです。ただ、おまけの出現条件のシビアっぷりを考えても、ソウルリンク進行するだけ章立てが増えていくとかでも良かった気もします。一気に見たいという気持ちもあるので、この辺は難しいですが。 そもそも、世界観を共有してるようなので、詳しい関わりとかは前作をプレイすればわかりますね。全作品面白いのでやってみましょう。 なお、シルキィの部屋で一番印象変わるのはアグニでした。
かなりネタバレなので上には書いていませんが、ホスリーも倒しています。速攻では攻めきれなかったので、かえるになあれベースの高火力で落とし切りました。楽しかった。ホスリーのデウスエクスマキナ感は好きです。 ただ、まだ????が残っているので、なんかやってないのだとは思います。大会なのか、ホスリーショップなのか。ホスリーショップはソウルが増えるんだと解釈してるんですけど。
操作性もちょっと触れると、基本右クリックと左クリックベースでやりやすいようにできていました。よく使う決定キャンセルはよく使うボタンに、たまに使うリバースゾーンやナイトメアスキルは中クリックにとすみわけもできていました。 細かいところだと、中クリックしてリバースゾーンにおくと通常状態に戻るというのが、リバースゾーンに一枚しかおけないという制約を汲んでくれているようで助かりました。 個人的な操作ミスについては、右クリック暴発→何か技を選んでいるつもりで左クリックでターン終了する、中クリック1回しかしないので1つ目のリバースゾーンと交換くらいの自業自得ミスしかないです。
最後にグラフィックについてなんですが、毎作クオリティが高いです。 カードゲームのイラストとして190、キャラクターのグラフィックとして数十、全部クオリティ高いです。引継ぎがいくつかあるのかもしれませんが、それにしても毎回このクオリティを維持し続けているのは素晴らしい以外に言葉がありません。 すごく大きいアレに対するこだわりも含めて、ウディコンの風物詩みたいに感じています。
11. NewPreysAndPredators
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
15分
1.00?
クリア
良かった点
フロントビューとトップビューを切り替えられるシステムは斬新でした
気になった点
CTBというシステムと、タイマンと魔獣化というシステムがかみ合っていませんでした
戦闘に戦略性がありませんでした
マップ移動でキー入力をいちいち押すのが面倒です
レビュー トップビューとフロントビュー
NewPreysAndPredators はごく短いRPGです。
3Dマップのフロントビューとトップビューを着かえられる仕組みや、1対1のCTB制バトルなど、挑戦的な仕組みが実装されています。
サンプルゲームといった趣ですので、気になる方はどうぞ。
感想 おなじみケモプレデーションゲームスさんの作品です。毎回3Dに凝ってるイメージの方です。 フロントビューとトップビューの切り替えできる点や、それぞれでそれっぽい見え方になってるのはすごいです。
今回はどうも合作コモンウディタリオンのサンプルゲームとして制作されていたみたいで、ゲーム内容的にはあんまり語るべきところはない感じです。サンプルゲームといわれると確かになあという気持ちになりました。
たぶんここからあんまり気持ちのよくない話になるので、耐性ない方は速やかに閉じてください。
タイトルの話。直感的にはなんとなく分かるんですが、現在選択中の項目であることを示す何者もありません。せめて枠なり、文字のサイズが変わるなり、透明度が変わるなり、反応は欲しいです。
CTBの話。右側が一切アニメーションないので本当に機能しているか不安でした。 大前提として、1対1におけるCTBはあんまり効果的には思えません。せいぜい2回連続があるかどうかが分かる程度です。加えて、魔獣化による変化量を見ることができない+敵の魔獣化による変化量は一切考慮されないの二つによって、ほとんど当てにならなくなっています。後半くらいにそれを理解してからは、右側は一切見ないで戦っていました。 魔獣化による能力上昇が多分速度に効いているのは、システム的にものすごいかみ合わせが悪いとは思います。
戦闘の戦略性の話。魔獣化中に攻撃を受け、魔獣化状態でない敵に攻撃を与えるというルールです。 これに対し、1対1で取れる戦略は、タイミングを合わせて殴るだけです。戦略というより作業の領域でした。
メニューの話。プレイ時バージョンでも若干気になりましたが、最新バージョンでも気になるところはあります。はじめに、何故に一段かませているのかわかりません。キャンセルすると戻される位置が二個前だったり一個前だったりと統一感がないです。 ただし、この辺りは初期バージョンに比べてだいぶわかりやすくなっています。行先にセーブが入っていたりしないので。
マップ移動の話。キー入力をいちいち押す必要があるのがまあまあ面倒です。
設計の話。マップの宿屋、装備、ほか諸々ありますが、このゲームにおいて必要のない要素がかなりあります。サンプルゲームだからということとすると、規約違反ギリギリな気もしています。
最後に、技術力はすごいんですが、仕組みとゲームデザインがあんまりかみ合ってないという印象です。
12. SUMMONS TOWER
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
1.02
クリア
良かった点
戦闘システムはシンプルで分かりやすかったです
じゃんけんの戦略性がありつつも、じゃんけんにならない技も配されていて良かったです
バトルに全力に振った構成が良かったです
気になった点
ステータスや技構成が倒すまでわからないので、用意された戦略性が十全に活かされてないように思いました
レビュー 強力なフォロワーを手に入れろ
SUMMONS TOWER はひたすら戦闘を繰り返していく、バトルメインのRPGです。 作者のユメソバさんは、第10回のウディコンでポケットタッキュウという、カードーゲーム形式の卓球ゲームを出展されていた方です。
このゲームの特徴は、じゃんけんのような戦闘システムです。 自分が戦わせるフォロワー3体のそれぞれが攻撃手段として、強力なX技、小回りの利くY技、防御的なZ技を持っています。 戦闘ではこの中から一つを選んでいくことになります。X技は通せば強いですが、Z技などにより防がれやすく、そうなるとダメージが入らなくなります。かといって、Y技やZ技だけ通していても火力で負けてしまいます。 相手にどの技を撃たれると厳しいかを考えつつ、その場で最適な技を選んでいきましょう。
さらに、最大3つまで使えるサポートを使うことで、戦いを有利に進めることができます。 サポートには、HPを増やす基本技から、相手の技タイプを拘束する技まで、様々な種類があります。この中からどれを選び、運用していくかも重要なポイントです。
加えて、そうして戦闘に勝利すると、相手のフォロワーから一体引き抜いて、自分の手持ちと交換することができます。苦戦させられた相手のフォロワーを手に入れることで、その後の戦闘を有利に進めていくことができます。
次々とフォロワーを入れ替えていき、自分なりの強力なメンバーを作っていきましょう。
感想 戦闘システムは結構楽しくて、要するにじゃんけんではあるんですが、じゃんけんにならない技とかもあって面白いです。 所有キャラは割と頻繁に入れ替えた方が得なので、強いやつ以外は適当に入れ替えていくことで色々な技にも触れられます。
かなり速度が重要なゲームバランスだなという感じがしました。火力がだいぶものをいうゲームなので、先に叩き込んだほうが基本勝てます。速度と火力が担保できていれば、紙装甲でも大した問題ではないです。 そのことに気づいてからは、速度重視のユニットで組むことで結構勝てるようになっていきました。
個人的に辛かったのは、相手のステータスや技構成は初見では一切わからず、何なら二回目でも変わっていそうなところです。そのあたりは完全に運の要素が強かったです。 じゃんけんの戦略性を拡張して持ち込んでいるのに、相手の手札が見えないので戦略の立てようがないという状態です。 例えば、相手の技を見て、1発でこちらを落とせるX技があるなら、X技でくることを警戒しておくとか、そういった戦略は一切取れないです。相手がX技を撃ってきて初めて、こいつの火力はこんなもんかとわかります。そして、火力がかなり高いゲームなので、分かってからでは挽回は難しいです。 なので、クリアした後振り返ってみれば、運要素が大分強いゲームだったなという印象になっています。
全公開すると回避ないのがばれるとか、その辺のバランスの問題はあるのかもしれません。個人的には、パラメータやサポートを秘匿しておくことである程度戦略へのランダム性も担保できそうかなとは思っています。どちらが先行かくらいかは知っておきたい気持ちもありますが、その辺は微妙です。
ちなみに私の構成は赤い戦士(名前を忘れた。リザルト画面からは見た目しかわからない)と、ユーリア、竜騎士の3点セットでクリアしています。 基本的にはグレートウォールで相手のサポートをしのぎつつ、ユーリアでとどめをさす流れでいました。ユーリアがシャレにならん火力を持っていて、XXにして最高火力叩き込むだけで大体倒せていました。後半の強敵には竜騎士がだいぶ刺さっています。 クリアはウルファールを倒す方向で行いましたが、もしかしたらマルチエンディングかもしれません。
また、クリアの仕方としては、一回戦って上手くいけば勝利できて、上手くいかなくてもロードして相手の技を頭に入れて戦うという感じでした。 一回やられて、流れを理解してから再トライすれば、よほど絶望的な差がない限りは運が向けば勝てます。
最後にどうでもいい話ですが、多分相手のロジックはこちらのHPである程度技を決め打ちで選んでるっぽくて、HP80前後になったらY技しか撃ってこなくて完封するみたいなことがありました。ある意味わかりやすくて良かったです。
13. ラピッドスティール2
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
2.1.1
3モードクリア
良かった点
背景演出が良かったです
水しぶきや背景の移動、風切りの表現のおかげで疾走感がありました
3つの武装を使い分けつつ戦うシステムは楽しかったです
大ボスは迫力がありました
各部位がそれぞれ動くので大型兵器という納得感があります
アティルへの凝り方が凄いです
気になった点
ストーリーモードの会話でゲームが不自然に途切れます
アイテムと三角弾がたまに視認上ごっちゃになりました
レビュー 進化して帰ってきたシューティング
ラピッドスティール2 は、3種の武装を使い分けて戦うシューティングです。 作者のまたびさんは、第9回ウディコンでもシューティングゲームであるラピッドスティールを開発された方です。今作は、その作品がよりパワーアップして出展されたものとなります。
ゲームとしては、オーソドックスな横スクロールのシューティングです。 特徴的なのは、それぞれ3種類ずつからカスタム可能なメインウェポン、サブウェポン、特殊装備を使い分けて攻略していくことです。 それぞれZ, X, Cキーで運用できるため、敵機の位置や状態を勘案して適切な装備で攻撃していきましょう。
凝った背景演出も見どころの一つです。水面すれすれを飛べば水しぶきが上がり、風を切った疾走感があり、空中、水上、水中、宇宙と次々に背景は変わっていきます。 そうしてステージ最後までたどり着けば、迫力あるボスがお目見えします。画面の多くを占め、各部位がそれぞれ動く大型のボスは、シューティングの醍醐味として楽しませてくれることでしょう。
加えて、汎用猫型ロボットであるところのアティルも魅力の一つです。表情はよく変わり、動き、音声付きでしゃべりさえします。この手のキャラはサポート役であることが多いですが、この作品では自機となっています。ゲームオーバーで通信途絶とさせないように頑張りましょう。 もっとも、ゲームオーバーになってもスコア以外のペナルティなしでその場でリトライできるので、初心者でも安心してクリアまでプレイできます。
手軽にシューティングで遊びたい方にお勧めです。
感想 前作の時からそうなんですが、この作品は個人的に好きなタイプのシューティングです。 どの辺にそれを感じるのかはわからないんですが、撃ちっぱなしよりタイミングよく撃った方が強いシステムだったり、近距離でも攻撃できたり、何ならそれで反射できたりするあたりが好みな気はしています。相手の眼前で切り結んで、反射で追加ダメージを叩き込んでいくのが最高に楽しい。 横スクロールシューティングはグラディウスとかHydorahくらいしかやったことはないですが、特別好きということもないので横スクロールであることは関係なさそうです。
前作と比しても、全ての要素が進化していて、余計な要素の追加とか退化とかは一切なかったです。つまり私は前作の時点で好きだったので、今作はより好きです。前作好きだった方は多分もうやってるとは思いますが、やってない方はやりましょう。
大きく進化してる点は間違いなく演出で、海の水しぶきの演出みたいな細かい雰囲気作りから、大ボスの迫力、アティルの大幅強化など色々なところが強くなっています。これのおかげで、背景演出が凝っているので疾走感があって、大ボスがでかくて強そうなので倒すと達成感があって、アティルは良く動いてしゃべるので愛嬌を感じます。 背景演出については、最初は水しぶきで雰囲気出てるなと感じていたんですが、それを踏まえて色々観察するとボス戦前の進行向き変化を示しやすい風切りのエフェクトとか、上下運動すると地味に背景が動いたりとか、本当に細かいレベルで動きの気持ちよさを担保しているなあと感動しました。
シューティングの面でも、ZXCにそれぞれ割り当てられる装備を駆使するという楽しさそのままに、そこに割り当てられる装備をいろいろ選べたりと楽しめます。 私はデフォルトのエクスブラスター+クロスフレア+アサルトクロー改でプレイしていました。デフォルトが一番癖がなくて使いやすい気もしています。アサルトクロー改の反射だけは少し癖があるかもしれませんが。
あと、難易度もそんなに高くなくて、基本無限コンティニューなので初心者でも楽しみやすいシューティングだと思います。敵弾も後半とかエクストラを除けば、そこまで激しくはないです。
個人的には、敵弾とアイテムの区別が付かないものがあるのが若干きつかったです。アイテム周りにオーラが出ているのでよく見ると分かるんですが、色々画面に要素が増えて注意が散漫になっていると、三角弾とよくごっちゃになって被弾していました。 通常弾とはあまり見間違えなかったのでデザイン的なところなのかもしれないんですが、これはこれで注意散漫なら当たるという意味を作っているのでありかなとも思っています。
最後に、入力のレスポンスもよくて、演出もよくて、アティルがかわいいのでやりましょう。
14. マユとイト
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
1.10
全ENDクリア
良かった点
色々とわかりやすく、進めやすい作品でした
事前知識の必要のない謎解きでした
洋館の雰囲気が良かったです
画面効果と周囲の光、懐中電灯の明かりが重なって醸成されています
気になった点
レビュー 懇切丁寧なADV
マユとイト は、導線が親切な探索アドベンチャーです。驚かし要素もありますが、強いものではありません。
物語は、主人公たちが洋館に閉じ込められる所から始まります。主人公たちが洋館のあちこちを調べながら脱出の道を探るというシンプルなものです。
ゲームとしてもまた、探索物としてオーソドックスな作品です。洋館を探索してアイテムを集めたり謎を解きながら、少しづつ物語を進めていきます。洋館を歩き回っていると、画面効果と微かな明かりも相まって、ホラーめいた雰囲気を感じさせます。
アイテムは光っていたり、事前知識の必要な謎解きはなかったりと、探索においての導線はかなり親切で、ほとんど詰まることなくプレイできるでしょう。 手に入れた情報や目的などもメニューで簡単に見ることができます。
オーソドックスな探索ものを手軽に遊べんでみましょう。
感想 脅かし要素弱め、探索範囲狭め、探索物分かりやすいという三点がそろった、サクサク進む簡単な探索ものという感じでした。その分、ルートがある程度一本道になりそうでしたが、最後のほうでしっかり一本道以外の要素も組み込んであります。
個人的に好きなのは、事前知識を一切要求されない謎解きだったところです。 元素記号は調べれば出ますし、大体覚えているとは思うんですが、しっかりゲーム内にヒントがあればゲーム内で完結するものとなるので。フェイク情報が多分なかったので、解く難易度は大幅に下がりそうというのは若干の懸念ではありますが。 あとは洋館もよかったです。画面効果と周囲の光+懐中電灯の明かりでかなり雰囲気が増していました。
脅かし要素については、おおよそ画面効果として演出されています。この辺に主人公がノーリアクションなので、主人公とプレイヤーの乖離は結構大きめに感じました。 主人公も一緒に驚いてくれるのは中盤の熊が一番印象に残っています。あのイベントは、発生後にどうなったのか判然としなかったので大分混乱しました。
ストーリーについては割かし不完全燃焼感を覚えていて、もやっとはしています。Happy Endではあるんですが、博士がどうなったかよくわからなかったので。ただの学生がサイコ科学者をどうにかできるというのもなかなかご都合的ではあるので、ある意味まっとうなエンディングではあるんですが。 研究内容もふんわりしている感じがしていて、いまいち目的がつかみづらいのもあったかもしれません。ただ、彼女の研究に理由を求めるのも野暮ではあります。
最後の論理パズルについては、例のあれの名前をどう解釈するかによって正解候補が二つあった気がします。二つ総当たりで問題ないので、その辺はどうとでもなりますが。 これはプレイメモから拾ってきた感想なので、今となっては例のあれがどれかも思い出せていません。
15. DAY:0
ジャンル
作者
タワーディフェンス+RTS
PANO
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
1.008
NORMALでクリア
良かった点
常に戦況を判断して動かしまわる忙しさがありました
ラストのメタへの干渉のおかげで、最後は必死でプレイできました
各キャラに強みがあって良かったです
気になった点
コアにダメージが入る特殊条件がややわかりにくかったです
レビュー 東奔西走多事多端
DAY:0 はタワーディフェンスとリアルタイムシミュレーション(RTS)が混ざったようなゲームです。双方とも目まぐるしく変わる戦況に柔軟に対処するゲームであり、この作品ではそれぞれの特性をうまく融合させています。 コアとなるタワーディフェンス的な要素としては、ユニットをコストを使って配置強化すること、コアを守れれば負けないことと、敵が一定時間ごとにまとまって襲来するという部分が挙げられます。 そして、RTSの要素としては、敵の攻撃範囲やパターンに応じて柔軟にユニットを動かすことが挙げられます。
まず、ユニットを配置して敵を倒しつつ、得られた資源を使って新規ユニットを配置したり、既存のユニットを強化することでゲームは進行していきます。 ユニット数は、ゲーム開始時に全12体の中から5体を選んで運用することになります。それぞれ特徴的なキャラクターが多く、どれも優秀な面を持っているため好きなメンバーで挑みましょう。
そうしてユニットを配置し敵を攻撃しつつ、コアにさえ寄せ付けなければ負けはありません。ユニットが倒れたとしても、少し経てば復活します。コアに攻撃がいかないようにしつつ、敵をせん滅していく必要があります。
また、一定時間ごとにまとまって敵が襲来するため、それらをどう処理していくかというパターン的な戦い方もできます。このあたりはタワーディフェンスのフェーズに近い概念でしょう。さらに、ある程度進行させるとボスが出現します。ボス戦では、強力な火力や特殊な攻撃を乗り越えていく必要があります。
そして、このゲームにおいて肝要なのは、戦況を把握してユニットを柔軟に動かすことです。 敵の攻撃範囲と攻撃の性質を捉まえて、盾となるユニットでタゲをとりつつ遠くから攻撃をし続けたり、近距離ユニットを近くにおいて一気に削ったり、回復ユニットが分離しないように固まって運用したりと、局面に応じてユニットを適宜動かす必要があります。 ユニットを動かすのはドラッグのみで行え、移動コストもかからないので次から次へと戦場に攻撃ユニットを送り出すことも可能です。どんどん動かして敵数を減らしていきましょう。
なお、ユニットを動かすうえで必要となる足場もまた、こちらで構築する必要があります。構築するにも敵を倒したコストが必要なので、序盤のうちは考えて足場を広げていきましょう。 加えて、足場にはそれぞれ効果があり、かつ配置する足場もまたゲーム前に8個の中から3つ選べます。
こうした5つのユニット、3つの足場に加えて、このゲームではさらに一定時間ごとに発動できるスペルと、各ユニットに持たせるカードも選択できます。自分なりのカスタマイズを施して、戦いを有利に運んでいきましょう。
何度も挑みながら、ユニットの組み合わせや敵の対処を模索しつつ、是非ラスボスを打ち倒してみてください。ラスボスまでセーブといった甘えた要素がないFF3のラスダン仕様となっていますので、最後まで一気にプレイできる時間があるときをお勧めします。
感想 タワーディフェンスとRTSという脳が忙しくなるジャンル二つをかけ合わせた作品なので、当然脳が忙しくなります。ある程度パターン化するまでは、色々な不測の事態を判断して適宜対応する必要があるので、忙しなく動かす楽しさがあります。
NORMALで初見プレイしていた時は、回復する天使に翻弄されて画面内の敵が多量になりすぎて防戦一方になってしまったり、急に足場を消して来られてボコボコにされたり、あらゆるものを破壊してくるラスボスになす術なくやられたりと満貫の忙しなさを楽しめました。 特にラスボス戦でポーズが効かなくなるのは、これまで頼ってきた世界のシステムに裏切られた感じがして最高でした。一瞬の間思考が止まって、状況を理解したころには結構ズタボロにされています。
そういう経験を経て、色々試しながらプレイしてみて、水辺で稼ぐのがおいしいことと、回復2+フィフティでほぼ倒れなくなることが分かってからは結構あっさりとクリアできました。 足りないぶんの火力は、火力キャラを優先的に上げることと、倒れないこと前提でガラス装備で固めることで補っています。 多分これだとWORLDはクリアできないので、またそうなったら考えます。
個人的に好きというか、思い切ったつくりだなと感じたのが、一切の途中セーブを許さないところです。ポーズ使えば休憩くらいはできるんですが、明らかに区切りっぽいところでも途中セーブなどはありません。ラスボスまで一気呵成です。 結構疲れるタイプのゲームなので、途中で休憩を許されているっぽいものがあったら多分休憩してしまうんですが、その仕組みが全くないので最後まで一気にやってしまいました。疲労感はあるんですが、熱中したなという気持ちはそれ以上に湧いてくるので楽しかったです。頭がオーバーヒートした状態で、これで終わりかなと思ってから迎えた初見のラスボスが一番楽しかったまであります。
ゲームスピード遅いですらまあまあ早く進行するのも良かったです。このゲームに慣れてないうちは結局遅い固定にはなると思うので、それでもある程度のゲームスピードが担保されている印象でした。スローになってしまったなという感覚はほとんどないです。 この速度感の中、どれを先に倒し、どこを守って、アイテムも落ちたら見て、地形も変えられるなら変えて、みたいなことを機敏に対応するのが面白いです。
あとは、使えないというか弱いキャラが一人もいないのは凄いなと思います。実績のために全キャラ試しに使ってみるフェーズがあったんですが、どれも長所が光っていて、どのキャラも使いたくなりました。 最終メンバーはフィフティ、アインス、ジーヴェ、ジェニー、リューストンで、回復を優先しつつ超遠方から攻撃が入るリューストンと射程強化付きフィフティで遠距離からちまちま削るという戦略です。リューストンはひたすら動かす必要がありますが、そこさえ厭わなければかなり強いキャラクター性能をしていると思うのでお勧めです。 イーバーの超火力も好きだったんですが、いかんせんタゲ取りとか射程のケアとかを考える必要があって断念しました。
初見だとわかりにくかった点は、コアにダメージが入った時の条件くらいで、あとは大体やりながらなんとかなりました。コアにダメージが入る攻撃についても、2週目で慣れてきて冷静になったあたりで理解できるようになったので、良いバランスだと思います。
16. 色のない詩―ウタ―
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間30分
1.13
全END
良かった点
暗闇に恐ろしさを感じられるホラーでした
一歩進むことに緊張感のあるシステムでした
不穏な状況を続けつつも、唐突に変化を与える緩急もついていました
気になった点
一番最初の追いかけっこが一番面倒かつ難しいです
最初はシステム的導入の意味も含めてあっさり終わってほしいです
導線がそこそこ不親切でした
レビュー 一歩の歩みの緊張感
色のない詩―ウタ― は暗闇と光を効果的に使った探索ホラーです。
このゲームの特徴は、たかいばしょに向かうと疲れるというシステムです。スタミナゲージのようなものがあり、たかいばしょへ歩くたびにそれが減っていき、減りすぎるとどんどん足が遅くなって、つかれはててしまいます。 たとえ恐ろしいものに出会ったとしても、このシステムのもと逃げる必要があるため、一歩一歩緊張感をもって、にじりよる恐怖を踏みしめながら逃げることになります。
また、このシステムは枷としての役割だけではなく、ヒントとしての役割も担っています。みちにまよったら、このシステムを思い出してみましょう。 なお、もちろんたかいばしょが関係しないエリアではこのシステムは発動しないため、家屋などでは基本的に気にせず探索することができます。
探索ホラーとしての物語と、それを包む不穏な空気もまた外すことのできない特徴の一つです。たかいばしょをさがして歩み続ける主人公を通じて、少しづつ真相が明かされていきます。 要所要所でのホラー的な演出も相まって、常に恐ろしさの中に浸ることができるでしょう。
たかいばしょへと向かってみませんか?
感想 光を効果的に使ったホラーだなと感じています。 懐中電灯とか、周囲が少し明るく見えるとか、その辺の演出は探索ホラーではよくあるものなんですが、この作品は暗闇にきちんと恐怖を感じられます。 暗闇という未知の中に何かがうごめいているような、そういう雰囲気を作り出せている作品でした。
システム的には、一歩進むことに緊張感と恐怖を与えたいのかなと初見では思っていました。実際、一歩一歩踏みしめるように歩かざるを得ないので、一歩の重みはかなり大きいものがあります。ただ、序盤は何もないところでも面倒な歩き方を強要されるきらいがあります。家に舞台が移ってからは部分適用なのであまり気になりませんでした。
また、クリア後はそれに加えて謎解き要素と物語成分も含んでいるシステムであることが分かりました。 物語成分については不気味な雰囲気を醸し出しているのでかなり良いんですが、謎解き要素は少しもやっとしました。 高いところに行くと体力が減るというのがヒントと理解していたんですが、特定ルートでろうそくをつけるシーンでは、部屋内で特定ルート側に向かわなくても体力が減ります。これは、特定ルートを通過したということを示す以上の意味を持っていないということで、ヒントとしては大分薄いなと感じています。 部屋内で、正解側に移動するときだけ体力が減るとかになっていれば納得はしたと思います。実はそうなっていて勘違いしただけかもしれませんが。
そのルートの時もそうなんですが、全体的に導線はだいぶ不親切です。探索ホラーの中でも不気味系ジャンルというか、悪夢の中をさまよっているようなタイプの作品なので、移動やギミックに因果関係が存在しないためです。 この点に関しては因果関係は雰囲気上ないほうがいいので、難しいところなんだろうなとは思います。
あと、この作品については序盤が一番難しいですし、一番心が折られやすいです。 一撃でゲームオーバーになる仕組みの上、セーブできるようになるまでがかなり長く、かつルートを調べるのがそこそこ面倒という三つの重みにより折られかけました。 ここを抜けると、後は慣れれば簡単で出会い頭の事故も少なめなのでクリアまで行けるかと思います。序盤が一番ハードル高いです。
なにやら やたら不満っぽことを並べていますが、それを感じつつも最後までプレイして、全END回収するまでやりきるくらいには面白いです。 ホラーとして不穏な状況の作り方はうまく、加えて唐突な変化をきれいなタイミングで決めてくれます。ずっと不安な状況のはずなのに、そこからさらに心理的マイナス方向に緩急をつけてくるのは凄まじいです。
エンディングに向かうにつれて救いようのない真実が明らかになっていくのも空恐ろしい気持ちにさせてくれましたし、何よりエンディングが最高です。 真ENDではないほうのエンディングもかなり好きで、美しい演出とともにもの悲しさが迫ってきます。真ENDは真ENDで、救いのないところにそれでも救いを求めるとこうなるんだろうなという思いが去来して最高でした。
最後に、一番最初の追いかけっこで心を折られないように頑張りましょう。
17. 守って!勇者さま
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
1.07
クリア
良かった点
戦闘の画面構成が大胆でした
短編のような物語を積み上げて本筋とする構成はよかったです
各掌編もシーケンスとしてしっかり組み立てられています
気になった点
戦闘システムがやや運の要素が強く感じました
技構成が見えない、結局二択じゃんけんになりがち、といったところから感じます
レビュー なぜかツクールを想起させる
守って!勇者さま は、シンプルかつ物語性もあるRPGです。
このゲームは独特な戦闘システムで戦い、骨太のストーリーが展開していくというものになっています。
戦闘では、ターンごとに攻撃、カウンター、特殊スキルの三つから一つを選んで戦うことになります。ただし、前のターンで選んだ行動は取れないため、ずっと攻撃し続けたり、ずっとカウンターを狙うといったことはできません。 敵の攻撃タイミングに合わせてカウンターをとり、敵のカウンタータイミングを外して攻撃を通すといったことを狙う必要があります。
また、ストーリーは掌編が連なって本編を構成するタイプのものとなっています。 村に立ち寄ってなんやかんやで事件に巻き込まれたり、先に進むアイテムのために奮闘したりと、本編のストーリーはきちんと展開しつつ、各パートでも短いシーケンスが挟まります。 どのパートも短編として完成度高く組み立てられており、飽きることなく進めていけるでしょう。
物語を堪能しつつ、RPGとしても楽しみたい方はぜひ手に取ってみてください。
感想 タイトル見た第一印象が、ツクール作品間違って起動したかなというものでした。 これは多分意図したものだと思ってるんですが、盗人講座とか、ふしぎの城のヘレンとか、色々懐かしい作品を思い出しました。タイトル的に一番近い構図なのは海賊だとは思いますが。
起動した後の印象も、RPGツクールの面白かった自作戦闘型作品と同じような印象を受け続けていて、本当にRPGツクール作品なんじゃないかと錯覚をすら覚えていました。 上手くは言えないんですが、斬新かつシンプルな独自戦闘システムとか、このドット絵の感じとか、自作メニューの見た目とか、こう、絶妙にRPGツクールの面白かった作品感を覚えます。
それでは、まず戦闘システムについて触れておきますが、画面構成が大胆です。ほとんどタイマンみたいな状態だからこそ表現できる構図でした。ゲーム進行に合わせて武器が変わったりと細かいところも好きです。 システム的なところで言うと、かなり運要素が強いものでした。前と同じ手を出せないじゃんけんという感じで、敵の攻撃タイミングとかみ合えば一方的に殴れて、かみ合わなければ一方的に殴られる状況になりがちです。 一応、相手のスキルを把握することはそれなりに大事ではあるんですが、それよりも運要素強めのかみ合いのほうが大事にはなってきます。どれだけスキルを把握していても、相手が二択のうちどちらを選ぶかは運なので。 ただ、それでもパラメータをきちんと振っていれば苦戦しない程度にはできています。
個人的に好きなのはストーリーで、短編の連なりをもって本編を構成するタイプです。CyberRebeatといい、TRUE REMEMBRANCEといい、その手の話が好みです。 本筋はきちんと進行しつつ、短いスパンで見ればシーケンスとしての短編がしっかりと組み立てられていて、最後まで飽きずに物語を楽しめます。途中から勇者のアイテムを集めるという目標もできることで、より進んでいるという印象を与えることができてるのもいいです。 個人的には踊り子の話とか、従者の話とかが好きです。踊り子の話は特に、あの中では異彩を放つほどに残酷な話でした。アイテムとしては特に残るものを与えられてはいないのに、印象にはかなり強く残っています。
あとは、全体を通してなるべく悪者を作りたくない印象を受けました。 最初のほうで思いっきり悪役っぽく出てきて中盤でも悪役然としたディナイトですら、終盤の小物感で相殺させています。プレイ後は特に嫌悪感も残りませんでした。カルラが割と無茶してたんだろうなと思えたというのもあります。 当然、物語の要請上の悪役は密猟者とかがいるんですが、完全な名前付きの悪はあんまりいない気がします。ミヒとシクレはある意味被害者みたいに思っていました。
18. ボクとハカセと白いハコ
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
3時間
1.05
301までクリア
良かった点
アクションにレスポンスがきっちりつきます
揺れ動く髪やエフェクトなど、上手く動かせば気持ちよくなれます
慣れてくればワイヤーとゴムを活かした軽快な動きを楽しめます
気になった点
カメラがマウスについてくるのに違和感を覚えました
エイム可能なエリアが主人公の周囲だけにもかかわらず、その範囲外を大きく映すカメラになることがあります
マウスの動き+主人公の動きで二重の動きを持つため、それを計算してマウスを正確にエイムさせるのが難しかったです
レビュー ※筆者はこのゲームをクリアできていません。レビューは不十分内容になるかもしれませんが、ご了承ください。
高難度アクション
ボクとハカセと白いハコ は、高難易度のステージクリア型アクションです。 作者のピジョンさんは、以前のウディコンでバトロワなゲームを出展された方です。
バトロワと打って変わり、この作品は、ワイヤーでぶら下がり、その慣性や引っ張りを利用して進む骨太のアクションゲームとなっています。
ワイヤーアクションの多くはマウスなどで方向を決めて、そちらにワイヤーを射出する形式の物が多いですが、このゲームは違います。マウスで正確に地形をエイムして、そこに引っ掛ける必要があります。 適当に打てば引っかかることのある前者と比して、このシステムでは狙わないとひっかけることすらままなりません。このため、ただワイヤーをかけるだけでもなかなかの難易度となっています。
これに加えて、ひっかけられる地形の細さや、ゴールを開くために必要な通過ポイントの配置、感知された後に範囲内に入ったら即死のセンサーなど、ありとあらゆる要素が難易度を底上げしてきます。ステージを進めば進むほど、その高い難易度が牙をむいてくるでしょう。 さらにとどめとして、チェックポイント等は存在しないため、一つのミスも許されません。
このように、アクションとしての難易度はかなり高いです。しかし、その分クリアしたときの喜びもまたひとしおです。 折れない心で飽くなき挑戦を行い、ステージの突破方法を模索していきましょう。
また、このゲームのもう一つの特徴は動かしていて気持ちの良いレスポンスです。 ワイヤーでぶらぶらすればキャラクターの紙が揺れ、飛び出せば四肢が動き、ポイントクリックすればエフェクトとSEが気持ちよく出ます。 これらの要素も相まって、頭で思い描いた上手い動作を成功させると気持ちよくなること疑いありません。
我こそはと高難度ゲームに挑戦したい方にはお勧めの作品です。
感想 クリアできてない作品の一つです。301だけは根性でクリアしましたが、そののちに広がる400系を見て諦めました。
いわゆるワイヤーアクションでいえば、ニュー・スーパーフックガールとか、Remnants of Naezithあたりをクリアしたことがあります。海腹川背は触ったことある程度です。 このゲームがそれらと明瞭に違う点は、マウスで正確にエイムしないといけないというところと、カメラがマウスを動かすたびについてくるというところだと思っています。
マウスで正確に捉える必要がある点のおかげで、このゲームはかなりの高難易度になっていて楽しめます。Remnants of Naezithなんかはフック自体はできても、そこからのうまい操作が要求されるため難しいというパターンですが、こちらの作品はそもそもフックが難しい。もちろん、フックした後も難しいです。
個人的に慣れるまできつかったのは、カメラがマウスについてくるところでした。 エイムするためにはマウスを動かさないといけないんですが、そうするとカメラもついてきてしまうため、エイムの難易度が跳ね上がっています。これの対策は、あらかじめこの辺になりそうというところにマウスを置いておくか、目標点までのポイントに正確に画面上でマウスを動かして、画面を見ながらの調整をあきらめるか、このカメラに慣れるかの三択です。
先に挙げた作品でもキャラクター中心のカメラがベースでした。例えば、NSHGのカメラはキャラ追従で遠方にマウスを持っていくと画面がちょっと引くみたいなものだったような記憶があります。なので、この作品が難しいカメラを採用した理由は純粋に気になりました。正確にエイムしなくてはならないこのゲームと相性の悪いカメラだとは思うんですが。 マウスに追従するカメラの利点は、マウスを動かすと超遠方でもステージが見えるということくらいだと思っています。エイム可能範囲は結局主人公の近辺にしかないので、キャラクター中心にしたほうが遠くをエイム中でもキャラクターの状態が分かりやすくなりそうだなとは思います。
また、301をプレイして心を折ってくるのは途中セーブがないところです。Dustforce みたいな高難度ステージがあるゲームでも、途中でセーブがあるだけで最後までやり抜こうという力が湧いてきますが、この作品は白紙に戻されるのでちょいちょい砕けます。 Way To Yaatra みたいに、基本ステージはセーブあり/おまけステージはセーブなしみたいな区分けがなされているなら、心は保てそうなんですが、一律なので相当きつかったです。
つらつらと書いてきましたが、それらすべてが一律して難易度上昇に一役買っていて、操作性に慣れないうちは高難度なので、慣れて上手くプレイする喜びを得るというゲームデザインな気もしています。 実際、何度もプレイして301を突破で来た時の達成感は今ウディコンでも屈指のものでした。
あと、このゲームの素晴らしい点として、操作に対するレスポンスが常にあるところが挙げられると思います。 エイム時のエフェクトとSEなんかもそうですが、ワイヤーアクションで揺れ動くのに呼応して動く髪と動きに応じる肢体が良いレスポンスになっています。勢いよくワイヤーアクションで飛んでいくと髪もたなびいた感じになったり、円形運動している間もずっと揺れ動いていたりと、画が常に動いています。
最後に、慣れてくればワイヤーとゴムを生かした気持ちのいい動作ができるんですが、そこに至るまでの鍛錬と、ステージに応じた折れない心が必要だと思っています。なので、ウディコン期間中にクリアしている方は凄いなと感じています。 301で割と絶望的だったんですが、どうやら500系もあるらしく、そこは確実に301より難しいだろうと判断しているので私には厳しいです。
どうでもいいんですが、この手のゲームを私はワイヤーアクションとか呼んでいたんですが、一般的にはどうもラバーリングアクションと呼ぶべきっぽいですね。海腹川背がそうだったようなので。NSHGはフックアクションと呼んでますが。
19. 扉は君の鍵で開く
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
8時間
1.06
全END+4
良かった点
最大限に頭を使うゲームでした
後半以降の総当たりお断りの設計はよかったです
物語で描かれる閉塞感や閉鎖した社会という感覚が良かったです
主人公が外のものなのも、プレイヤーの気持ちにマッチします
気になった点
最初から答えが見えていても、やや迂遠な手段をとらないと辿り着けないことがありました
レビュー 推理で組み合わせ爆発の壁を破る
扉は君の鍵で開く は、後半になるにつれ頭を使わないとクリアが難しくなる謎解きアドベンチャーです。
このゲームの特徴は、なんといっても質問システムでしょう。 通常の探索アドベンチャーがひたすらNPCに話しかけながら聞き込みをして情報を得るといった受動的な仕組みであるならば、この作品は自分で質問を設定して聞き込みをしないと情報が得られない能動的な仕組みといえます。 質問内容は、ゲーム中に登録される単語帳から選んだり、手入力したりすることで選ぶことができます。落とし物を探すなら、その落とし物を単語にセットして質問したり、人を探すならその人の特徴を考えて質問したりと、その都度ほしい情報から逆算して考える必要があります。
そうして質問をして情報を得て、その情報をもとに質問内容を考えてまた質問をしていく、といった流れを繰り返すことで真相にたどり着くことができます。 特に後半になってくれば、単純に情報を集めるだけではうまくいきません。やりたいことと情報を突き合わせ、精査し、次のステップを思考するというプロセスを経ることで初めてクリアへの道が開けます。 常に謎解きに能動的にかかわることができるため、謎を解き明かした暁には自分の力で解いてやったと感じること必定です。
また、物語も外すことのできない重要な要素です。 変な部活に入ったせいで謎解きをするはめになった主人公が、徐々に大きな渦に巻き込まれていきます。物語の舞台にはいくつもの謎が散りばめられていますが、それをどれだけ紐解けるかはプレイヤー次第です。 歩き回って謎を解き、不審な情報を見つけたら考えてみてください。
自分の頭で考えて、行動決定していくプロセスを楽しんでいきましょう。
感想 およそゲームというジャンルにおいて久しぶりに最大限に頭を使いました。序盤は軽い総当たりで何とかなるバランスですが、中盤以降はしっかり推論していかないとクリアが覚束ない作品です。 そのおかげで、クリアできた時の解いてやった感がかなり高めでした。
グラフィックについても最初の紹介演出やOPが凝っていたり、いろいろな資料などがそれっぽく作られていたりとかなりレベルが高かったです。
前半については、素直に進めていけばそんなに難しくありません。 お菓子があればヒントとなる話も聞けるので、その情報をもとにある程度絞り込みながら進めることができます。ある程度の根気と推論があればさほど苦労せず前半を終えることができるかと思います。 ただ、最初から結論が見えているのにもかかわらず、そこそこ迂遠な手順を踏む必要がある場面もあります。私で言えば、鳥がとったことは早い段階でわかっていたんですが、それを確認するための段取りが煩雑ではありました。
そして後半になるにつれて、ヒントの出し方がものすごく回りくどくなります。回りくどいというのは貶している意図はなくて、むしろ賛辞を送っている言葉です。 明瞭なヒントらしいヒントはあまりなく、それっぽい資料を突き合わせつつ、色々な情報を勘案して次の行動を決めていくのが楽しいです。 簡易に言えば、後半は何がヒントかを明確にジャッジしながら推論や捜査を進める必要があります。自分の推理が合っているのか間違っているのかわからずに、それでも捜査して正しさを追い求めていくのは暗中模索感があって面白かったです。
以下は、後半のネタバレを含む感想になるので、まだ後半に行ってない方などはお控えください。
私は11話の初日に旧工場行くくらいには遠回りしながらも、何とか全ENDを拾うことができました。多分一番苦戦したのは、雨申子です。今にして思えば、なんであんなに苦戦したのかわかりません。 ちなみに、一番楽しかったのは隠し依頼です。まあまあ漠然とした依頼を受けて、そこから蓋然性の高い仮説を立てていく行程を楽しめました。
隠し依頼を例にとって、私の推論プロセスを大体追うと以下のような感じになります。
何から調べるか考える
当時の状況をまずは見るべきと判断し、領主宅の地図を見る
出入口は一つかつ監視下にあったので、それ以外に逃げ道があったことになる
さしあたって地下/堀(水路)が怪しいと判断
外に出るルートがあるならば、それは表出していないと判断
地下に隠し通路があるパターンをまず考えて、旧校舎1階と食客長屋あたりも念のためチェック
堀周りはあまり情報が集まらないので、水路つながりで池も調査
池周りにいた人に話を聞こうと思ったけどいない
ここで、そういえば隠し依頼探す段階で池の整備が云々みたいな情報を仕入れたことを思い出す
生物部にそのあたりの取材をしに行く
そこで新規情報が出てきたので、それを使って芋づるで聞くと、なんかイベント発生
追加されたマップは確実に怪しいので調べてアイテム取得+使用箇所発見
せきとめる話もあったので、とりあえずせきとめてみる
池に戻ると、明らかに怪しいので以下進む
骨についての謎が残るので調べる
とりあえず、骨は領主の身内のはずなので、領主の情報を調べに戻る
そこで家族構成をチェックして、怪しそうな母親と息子について質問
情報が出てくるので、ここで芋づるで聞く
旧姓は佐藤とわかる
佐藤で色々聞いてみるものの、あっちの佐藤が出てくるので手詰まり
とりあえず理事長に今まで出た情報をぶつけて反応を見に行く
なんかうまくいく
大体のプロセスなのでもっと無駄足は踏んでいますが、仮説をある程度立てつつ、だめそうなら深追いしないで、あとは情報が出てきたらごり押すみたいなスタイルでうまくいきました。 この辺の、どこを調べるべきかみたいなところを考えるのが楽しかったです。
また、物語についても怪奇小説や推理小説でよく見る、田舎のありそうな閉塞感と閉鎖感をひしひしと感じさせつつ、それらを軟着地させるのが上手かったです。彼らは所詮学生なので多くを変えることはできないけれど、一石を投じて流れを変えることはできるような感覚を覚えました。 個人的に好きなのは、悪役が割かし悪役然とした態度を貫いていたところで、今更覆しはしない潔さを感じました。
エンディングについても、幻の2番の歌詞を絡ませているあたりが好きです。中盤くらいに出てきた緩い伏線みたいなものを綺麗に回収してくるので、物語が上手くまとまって終わったように思います。
物語について唯一引っかかった点は、10話の麻薬で、退学に追い込むにしてもそこまでやるのかという気持ちになりました。異常性がだいぶ際立ったので、その点で言えば成功な気もしますが、それにしてもやりすぎな気配は感じます。もっとも、タバコが入ってるくらいで退学にしてくる学校もアレなので、特別代案はないんですが。後引っかかった点はあれですね、う〇この話でかりんとうをよこす奴。
ちなみにクリア状況を見るとわかるんですが、何か一つ見逃しています。蟲毒とかそれっぽいイベントはあらかた見たつもりなんですが、まだ足りないっぽいです。 また、この作品で読み解けてないことのもう一つに、タイトルがあります。 Aエンド★まで行きはしましたが、鍵について思い当たることがありません。せいぜいポエムの鍵くらいなので、何かまだ見ていないものがあるのかもしれません。
20. 妖精さんとダンジョン攻略
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間/1時間
1.20
真END+おまけ開放 / 実績2/3
良かった点
リソースの割り振りを考える楽しさを味わえました
加えて、リソース割り振りに慣れてクリアしたころに構築型の楽しみもあります
プレイヤーの習熟に合わせてうまく段階的に構成されていました
完全にランダム性を排しているため、純粋にパズル的な組み立てを楽しめます
気になった点
ルールがそこそこ複雑ですが、説明は弱いです
武器持ち替えは左右キーでやりたいです
レビュー 一粒で二度味わえる
妖精さんとダンジョン攻略 は、リソース管理的な要素をメインとするノンフィールドRPGです。
このゲームの面白い点は、リソース管理がすべてというところにあります。ランダム性のある要素は一切なく、己の管理能力が全てとなります。
基本的なルールは、二つの武器がそれぞれ四つの技をもつため、これを敵に対して振っていくというものになります。敵の攻撃力を上回る技を撃てればダメージを受けず、敵の攻撃力を下回った場合はその分ダメージを受けます。 そうして全ての敵をしのぐとフェーズが進行し、さらに強力な敵が増えて新たなフェーズが始まります。このループを繰り返し、最後まで体力を保てればクリアです。
しかし、ただ技を考えなしに振ればいいというわけではありません。技にはクールタイム、消費リソース、対象への相性の3つの要素が存在します。 技を振ればクールタイムが発生し、そのターンが経過するまで技の効力が落ちます。このため、技は満遍なく使い、強い技はここぞという場面に取っておく必要があります。 また、強い技ほど消費リソースも大きいです。加えて、リソースには毎ターン200回復するMPと、回復しない武器固有の耐久度の二つがあります。MPを多量に消費する技、耐久度を大きく減らす技、どちらも減らさないけど弱い技、どれをどのタイミングで選択するかが重要です。 また、技には相性があるため、特定の敵を倒すのに便利なものがあります。そういった技は温存しつつ、その敵に使えるようにとっておきたいところです。
これらのリソース管理に加え、さらにもう一つ重要な要素があります。技を使うと武器に覚醒値がたまっていき、これが100になるとその武器が覚醒します。覚醒すると威力が上がる上、耐久度が減らなくなります。このタイミングで大技を振ることで、強力な敵に対抗できるというわけです。 この覚醒のタイミングもまた、どこで持ってきて誰に振るかが重要となってきます。
このようにリソースとタイミングを管理しつつ、ランダム性が排された各フェーズを乗り越えることができればクリアすることができます。効果的な戦い方を模索していきましょう。
また、クリア後には武器や技を自分で構成して挑むことのできるオマケルームが存在しています。 ここではリソース管理の楽しみに加え、どういう構成で行くかを考える楽しみも生まれます。自分なりの強い組み合わせを発掘していきましょう。
ダンジョンに挑んでは敵の特性を見極めつつ、効率の良い立ち回りを見つけていってください。
感想 まず全く関係ない話から始めますと、CyberRebeatのあの曲ってやっぱりフリー音源なんですね。
閑話休題。このゲームは最初はリソースの割り振りを考える楽しさ、次に構築型の楽しみ方ができる一粒で二度おいしいゲームです。 色々なパラメータを勘案しつつ、次の戦闘も加味して効果的な技選択を試行していくというのはかなり楽しかったです。
特に重要なのは、どの負債を抱えることが長期的に見て強いかというのを考えることです。先まで見据えた節約とゲージ調整なしでは、ラストバトルにすら満足にたどり着けません。 ノーダメージクリアを目指さないのであれば、多少ダメージを受けてでも安い手を撃ったほうがいいこともありますし、逆にMP消費が多少かさんでもそちらを撃つべき時もあります。基本慎重に、時には大胆に技を決めていきましょう。 なんかレビューみたいな文章になりましたが感想です。
おまけ開放後は、武器と技のシナジーを考えて組み立てていく構築型の楽しさが味わえます。 技の消費量と武器の性質と相談して組み方を試行錯誤するのが楽しいです。常に敵は一定のため、メタ的戦略の元、これは使いやすかった、こいつはあんまり使わなかったみたいなことを考えつつ進められました。
ハードモードノーダメージクリア時は、エピタフ/シルバーレイピアのとがった性能ペアをベースに、雑魚を粉砕しやすいスライムハンマー、一部の敵に刺さり回転率もいいダークサンダー、一部の敵に刺さり消耗が少ないフレアブレスをエピタフに、特定条件下では強い無限の成長、強力な敵を落としやすい触手乱舞、いざという時の破壊力零距離メガフレアをシルバーレイピアにセットしました。 一応ノーダメージでは行けましたが、無限の成長はあんまり使えなかったのと、触手乱舞とフレアブレスは逆ではという気持ちが今はしています。 最終試練については、LAST WAVEに全力を尽くしていたらBOSS WAVEがきてやられました。無限の成長->地獄の火炎ループでドラゴンを止めるのは有効そうでしたが、決定打に欠けていました。最後に耐久がほぼ残らなかったのも災いしています。
やや気になったのは、入りの説明が少々不親切なところです。一応マニュアルは用意されているんですが、読み解くのがちょっと面倒なので、プレイしてみて慣れる方が多分早いです。 特にわかりにくいのは下の技の性能欄ですが、防御性能と、削られるMP/耐久度、クールタイムの時間さえ理解していれば大体戦えます。覚醒値の増加量も分かるとより楽です。 私が最初にわからなかったのは消費MP/耐久度がどこに記載されているかなんですが、今見るとなんでわからなかったのかがわからないです。多分、アイコン対応されていても、現在値と消費値が同じアイコンで描かれることを理解するのに時間がかかったんじゃないかとは思っています。マイナス書いてあるんですけどね。
加えて細かいラインでは、武器持ち替えを左右キーでやりたいとか、メニューで武器選択するときに一発で性能を一覧表示で見たいとか、小さい不満はないわけではありませんが、大筋で操作しやすく楽しかったのであんまり気にはなっていません。
21. 帝国の対外戦争
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間30分
2.0.1
全章クリア
良かった点
展開と兵科を見て兵を割り振っていくのが楽しいです
地形効果や塔により、突っ込ませるだけでない戦略が生まれています
物語は仰々しくテンポよく進んでよかったです
一画面に戦闘が収まるつくりのおかげで運用にのみ集中できました
気になった点
最初のオープニングを毎回スキップするのが面倒です
クリア済み情報はシステムセーブデータに入れておいてほしいです
ルビがちょくちょくかぶっています
移動速度の変化などがないので、平面的な戦いになりがちでした
レビュー 100vs100
帝国の対外戦争 は、兵を指揮して敵をせん滅するリアルタイムシミュレーションゲームです。 作者のスパローさんは、第10回ウディコンでも革命の外敵要因という戦術RTSを出展された方です。
このゲームの肝は、敵の展開と兵科を見て自軍をどう展開していくかを決定していくことです。 敵が攻め込んでこないなら層の薄いところから各個撃破を狙いに行き、攻めてくるのであれば有利な地形まで退いて対応し、といったように敵の行動にあわせて的確に自軍に指示を出していく必要があります。
兵科は基本的には、歩兵、遠距離を得意とする銃兵、機動力が高い騎兵の3種があり、ストーリーが進むにつれてこれらがパワーアップした兵科も登場していきます。 これらの兵科の中からコストと相談して自軍の編成を決め、戦闘に挑みます。
戦闘では、戦況を見ながら自軍にリアルタイムで指示を出していき、敵をせん滅していきます。 歩兵を盾に銃兵で撃ち崩すもよし、騎兵で横から突撃して隊列を乱して撃ち取るもよし、展開に応じて様々な運用をしていきましょう。 終盤になってくれば圧倒的な戦力差の中戦う羽目になるので、最小の犠牲で最大のリターンをとる必要があります。
また、この戦いを彩る物語も忘れてはなりません。戦記物でみるような表現を使うことで、仰々しくテンポよく進んでいきます。
兵を操り敵陣を打ち崩し、勝利の凱歌を上げましょう。
感想 この方のRTSはよほど終盤にならない限りずっと安定した速度で動く上に、かなり忙しなく考えを巡らせる必要があって楽しいんですよね。この作品も前作革命の外敵要因同様そんな感じがします。
敵の展開と兵科を見て、攻める方向と守る方向を決めつつ兵を割り振っていくのが楽しいです。 基本的に二正面作戦はご法度ながら、せざるを得ない場面もあります。そんな時、危ないときでも騎兵を向かわせればギリギリ助かることもあるので、常に盤面全体はみておく必要があります。このあたりを考えながら戦うのが楽しい。
また、近接を盾にして遠距離で攻撃するのが強い行動ではあるんですが、近接が戦闘狂なので指示してなくても近くに敵がいれば向かっていきます。 全体の指示を出しているのはこちらなのに、勝手に持ち場から離れていく連中を押さえつけて、思い描いた戦略を実行するのは骨が折れます。ままならない指揮官の気持ちが味わえます。勝手に渡河しはじめて全滅とか結構あります。
戦略的には、地形ブーストが強いときと、塔ブーストが強いときで別れるので、どっちを優先して戦略を立てるかが大事ではあります。 後半は塔を占拠するころにはあらかた片付いていることが多いので、地形ブーストが要になることが多いです。いかに相手を不利な戦いに引き込むかを考えて兵を置く必要があります。 また、終盤の異常なまでの敵数に対抗するには、単純な各個撃破だけでは限界があるので、デコイ的な盾の運用と、銃の網、騎兵による横からの攻撃などを織り交ぜてできるだけ有利に戦うしかありません。慣れてくれば、ほぼノーダメでせん滅する楽しさがあります。
個人的には、狙撃兵が鬼のように強いと思っていて、盾さえいれば無類の火力で削ってくれます。騎兵も強いんですが、無傷の相手に正面からぶつかると意外とすぐやられるので、運用ベースの強さという感じします。
システム的な話をすると、編成データが残っていて、次の戦いでもそのまま使えるのが便利です。だいたい得意分野は決まっているため、そこまで編成を変える機会は多くないので、引き継いでくれるのはだいぶ楽でした。 他方で、最初のオープニングを毎回スキップするのが面倒だったり、クリア後データをいちいちロードしないとクリア済み情報を読み込めないのも面倒だったりというのはあります。システムデータにセーブしておいてほしくはあります。 また、戦闘中のポーズはリトライできるのに、ゲームオーバーではリトライできないのがそこそこ面倒ではありました。
後は、一画面で戦闘が収まり続けるので操作がシンプルに収まっていて良かったです。これでカメラの概念とかがあったらややこしくなっていたこと疑いありません。それはそれで楽しいかもしれませんけど。 個人的には、地形の概念はあれど移動速度の低減なんかも多分なかったので、常時平面的な戦いと運用になってしまったのは気になっています。前作は確か川をわたるとものすごい時間がかかるので橋を使わざるを得ないみたいな戦略があった記憶があるんですが、今回はそれがないので移動しやすい反面、フィールドが平面みたいな印象を受けています。
諸々モデルになってる国家が明らかに分かりつつもぼかしているのに、ベネルクスはそのまんま出しているので世界観がいまいちよくわかっていません。あとはイギリスはそのままでも、フランスはそうじゃなかったり。都市名は同じで、漢字一字にしたらまんまなので、そういうものだとは思っていますが。 あと、ラストの名字が東郷なのは多分意図的なのでしょうか。有能な艦隊司令官になりそうですけど、多分そっちじゃない。
物語は仰々しくテンポよく進んでいくので良かったです。言い回しがいちいち癖があるのと、特に戦術指南で顕著な兵科含めた用語をガンガンつかって話を進めていくのが面白い。 ただ、ルビがちょくちょく被っているのが若干気にはなりました。
22. ピクロジカル
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
3時間
1.05
全パズルクリア(Lv7)
良かった点
UIがスタイリッシュで綺麗に整えられていました
ドラッグ時の操作が直感的でした
ストーリーはフレーバーながら完成されています
初心者でもスキルである程度カバーできます
気になった点
残り時間が5分を切った時のアラームが心臓に悪かったです
レビュー マス塗りお絵描きパズル
ピクロジカル は、ピクロスもといイラストロジックに、ストーリーをかけ合わせたゲームです。
このゲームはイラストロジックを遊びやすく整えて、そこにストーリーを付与したというものになります。UIはスタイリッシュに操作しやすくなっており、安定してプレイすることができます。
メニューからステージを選択すると、イラストロジックが始まります。 各ステージには制限時間が設けられており、これを超えるとミスとなります。ただし、クリアできなかったとしても経験値が入り、これによってレベルアップすることができます。 このゲームにおけるレベルアップとは、制限時間が伸びたり、使うことで一定のラインが自動的に塗られるスキルを習得したりといった恩恵が得られるというものです。 このシステムにより、プレイし続ければ必ずクリアできるようになっています。
また、ステージを開放するたびに進行するストーリーは短いながらもきっちり山も落ちもあり、ステージを進める動機になってくれます。
イラストロジックをサクッと遊びたい方はプレイしてみましょう。
感想 ピクロスが任天堂の商標だったのは記憶していたんですが、Wolfさんのツイートを見てイラストロジックも商標だと知りました。コナミがめっちゃ取ってる。これは個人ブログなので何も気にしないでおきます。
UIがスタイリッシュな感じで、グラフィックも綺麗なのでかなり整えられた作品という印象です。動作も問題なく、ピクロスを楽しむうえで障害になるものはありませんでした。
頭は結構使いますが、やっていることはまごうことなくピクロスなのでピクロスの流儀に従えばおのずとクリアできます。とはいえ、制限時間があるために終盤くらいのものは焦る必要があります。制限時間ギリギリでミスに気付いた時の絶望感たるやすさまじいので、慎重にしかし間に合うように進めていきましょう。 またスキルがあるので、ある程度難しくてもスキルを使えばカバーは可能です。
クリアまでは特別詰まることなくプレイできるんですが、クリア後の2問が難しくて楽しいです。 一つ目は二度目、二つ目は三度目でクリアしています。パターンは大体わかっているんですが、何分大きいせいで頭がバグって、変なところをマークして全滅となってしまいました。もしかしたら、誤操作で誤マークしたうえで見逃してしまったのかもしれません。
直感的で良かった操作として、ドラッグ時の挙動があります。×あるいは塗りつぶしの場合はそれをずっと行い、消したアクションの場合はそれをずっと行うという一貫性があって、ドラッグが使いやすかったです。
ちなみに、BGMは特別設定しない場合は30%になっていました。環境音程度でどうぞという意思を感じます。ただ、BGMの音が小さい割には、残り時間が5分を切った時のアラームは心臓に悪い音でした。
ストーリーはフレーバー程度ですが、しっかり落ちもついていて物語として完成されています。ミニゲームストーリーとして好きでした。
めちゃくちゃどうでもいい気になる点として、ステージ選択画面で「現れるほうは画面内に収まってから出現する」、「消えるほうは画面外に出てから消える」の不整合があります。画面上は前者に従い、画面下は後者に従うで統一すれば、文字にかかって見えにくかったりもしなさそうだなとは思いました。もちろん、どうでも良すぎるので上には書きません。
23. 時の掛け橋
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
10分
1.01
1人用モードでクリア
良かった点
二人で協力しなくてはクリアできない仕掛けがきっちり用意されていました
やるべきことを探す情報交換と、やるべきことをやるための情報交換が上手く織り交ぜられています
プレイのミスで詰まりそうなところを仕組みでカバーしています
気になった点
ミライ編をやったプレイヤーがカコ編の物語も知りたいとなった時に、もう一度同じ体験を繰り返すのかは気になります
レビュー ※筆者はこのゲームを一人でプレイしています。そのため魅力の半分も体験していませんが、ご了承ください
二人で協力して謎を解け!
時の掛け橋 はプレイヤー二人が協力して謎を解く脱出ゲームとなります。 作者の白玉餅さんは、以前のウディコンでも斬新なアイデアを作品にしてきましたが、この作品もまたウディタの可能性を拡張させるものとなっています。
このゲームをプレイするには、まず一緒にプレイする人が必要です。友達は付属していません。 一緒にプレイする人ができたら、カコ編とミライ編のいずれかをそれぞれ選択します。そして、相手方に乱数を伝えることで、全く同じマップが生成され準備が整います。
こうして、同じマップが生成されたことで、いずれかの方の状態をヒントに、もう片方にそれを伝えつつ部屋を脱出していくことになります。 やるべきことが明確なら情報を伝達し、やるべきことがわからないならひとまず情報を共有してみるなど、お互いに情報交換を重ねてクリアを目指していきます。
なお、万一ミスしても元の部屋に戻るための仕組みは整えてあるため、詰む心配はありません。安心してプレイできます。
心行くまで協力し、共に謎を解いていきましょう。
感想 ぼっちなのでプレイできませんでした。全作品プレイならず。一応、感想を書くために一人用モードでコンテスト後にプレイしています。 ただ、これはあくまで二人用を一人でプレイしているので、どう考えても面白さは半減以下だと思います。あんまり当てにはしないでください。
それでは本題に移ります。何年も連続で、よくこんなにも斬新なネタをウディタに叩き込めるなあと感心しきりです。 シード値である程度のランダム性を担保して謎解きの部屋を作りつつ、絶妙にうまく伝達できないとクリアできない塩梅になっています。
ジャンル的に近しいのは、「ある2つの通信基地からの脱出」ですかね。あちらはアナログゆえの手法で、こちらはデジタルゆえの手法で、それぞれ楽しませてくれます。 あと、これの一人プレイ専用がSecreTalkかもしれません。
以下だいぶネタバレになるので気を付けてください。
私がプレイしたときは、荷物->花->穴->出口でした。 荷物の場合は、お互いの部屋の差異をまず口頭で確認しあって、看板のヒントをもとに荷物を動かせばいいと判明したら、後は場所を伝える難しさがあります。なんやかんやこれが一番難しいかもしれません。 花の場合は、お互い部屋の差異を確認するとだいたい見えてくるので、そのオブジェクトに話しかければ後はなんとなくわかります。やるべきことを探すのがちょっと難しく、分かればすぐにできるパターンです。 穴の場合はやるべきことは割とはっきりしているので、伝達ゲームになります。 こんな具合にやるべきことをお互いの情報交換で知るという面と、やるべきことが決まったらそれに必要な情報を渡すという面の二つが上手く織り交ぜられたゲームでした。
仕組み上どうしてもプレイミスして詰まることがありそうなんですが、その辺を別の仕組みでうまくカバーしているのも考えられています。 オートセーブのおかげで間違って進んでも戻れますし、それでも何か起きてしまった場合ですら、はじめからにすれば復旧は可能です。 二人プレイしていて完全に詰んだら白けることこの上ないとは思うので、その辺でプレイを止めない工夫がなされていると思います。
また、ミライとカコの会話もおおよそ短く終わるので、相方との間に大きい待ちも生まれなさそうです。あと、短い会話が発生する装置が残り続けるのは、見逃し防止ですかね。ああいう装置はたいてい一回見ると消えるイメージがありました。
24. Do you think I am a witch possessed?
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間20分+70分
1.06
全ENDクリア
良かった点
キャラクターが良かったです
綺麗なグラフィックも相まって、それぞれ魅力的でした
本などで世界観がきっちり作り込まれているのを感じました
謎解きの難易度が程よく難しかったです
気になった点
エンドのための周回が数が多く、かつ同じことを延々とし続けるので厳しかったです
レビュー エンド回収RTA
Do you think I am a witch possessed? は謎解きと物語要素強めの探索ゲームです。脱出ゲームと言い換えてもそこまで外してはいないかもしれません。
このゲームは程よく難しい謎解きを越えて、豊富なエンディングを迎えるゲームとなっています。
謎解きの難易度はそこそこ高く、しっかり探索しないと答えを導き出すことはできません。怪しいポイントはかなり明確なので、ちゃんと調べて考えれば答えはおのずと明らかになるでしょう。
そうして謎解きを進めていくことで物語が進行していきます。短いながらもキャラクター達の背景が分かる会話によって、どんどんと魅力的になっていきます。 綺麗なグラフィックも相まって、各キャラクターのことが好ましく思えるようになること請け合いです。
こうして全ての謎解きを終えることで、晴れてエンディングを迎えることができます。エンディング数は8個あり、それぞれのキャラクターや選んだ主人公によって決まってきます。 各エンディングでは、各々のキャラクターが掘り下げられます。好きなキャラのエンディングだけを見るもよし、全て回収するもよし、好きにプレイしていきましょう。
キャラクターが好きになれたら楽しいタイプのゲームとなっていますので、そういった方にはぜひすべてのエンディングを見ていただきたいです。
感想 館ものの探索は数あれど、当たり前のように魔法がある世界というのは初めて見ました。なんとなく新しく感じます。
とにかくストーリーもといキャラクターが良いので、各END回収したくなります。ですが、回収するのがとてつもなく面倒です。 主人公変えて、キャラ変えて、全く同じ謎解きを5回はやらないといけません。分岐への理解が足りなければもう少しかかります。両パート慣れれば7分で回れますが、とはいえ7分同じ行動をとるのは至極面倒です。もはやRTAをやっている気分。 しかしキャラがいいのでキャラごとのENDは見たいからやりました。それくらい良いです。
キャラクター達はそれぞれ大して喋ってはいないんですが、みんな個性的で何より魅力的でした。 短いながらもキャラクターの特性が分かる会話と、プレイヤー投影型の空気主人公と思いきやバリバリ動く主人公たちのおかげで、どのEND進行でも良い物語が展開されていきます。 後は、絵が綺麗なのも物語とキャラクターの立ち方に一役買っています。
個人的な話をすると、リオンが男の娘という情報に驚いていたせいで、テオをずっと男だと思っていました。まあまあ後半になるまで男だと思い続けていたので、柱を押す役目を押し付けたりしていました。申し訳ない。 さらに個人的な話をすると、リオンENDとリリーENDが好きでした。全部面白くはあるので選ぶのも野暮ですが。
細かいところを言うと、本のような文字好きや世界観好きしか読まないところに、作り込まれた世界観をきっちり表現しているところが好きです。 ただプレイしているだけならこの世界のことは断片的にしか理解できないんですが、そのあたりを本が割と補完してくれるので世界が敷衍され広がります。
謎解きもしっかりできていて、クリアするにはそこそこ迷います。ひたすら探索する必要もありますし、弾にはしっかり考える必要もあるバランスです。作中ヒントが少なめなので、やや難しい部類に入る気はします。 個人的には解釈をミスる場面もあって、テオ/リリールート最終面の本については青だと思っていました。青と黒の見間違いです。
25. 天使のさいご
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
1.01
クリア
良かった点
細かい演出が描き込まれた作品でした
お絵描きのミニゲームは面白かったです
ストーリーはどうしようもなくどうにもならないもので良かったです
気になった点
迷いの森のミニゲームはノーヒントかつテキストのみという辛さがありました
せっかく町の雰囲気は形作られているのに、テキストだけ延々と見せられるのは厳しいです
レビュー 雨降る街を彷徨う
天使のさいご は、町の中をさまよい歩くアドベンチャーゲームです。
雨降る町の中、石畳を足音なくさまようおばけ君を操って物語を進めていくというのが基本的な流れになります。 3Dで描かれた町の中を探索し、色々な人に話しかけてみましょう。
お願いを聞いたり、アイテムを集めたりと色々なことを進めていくと、物語はある転換点を迎えます。そこでどういった決断をするかはプレイヤー自身に委ねられています。どのような結末を迎えたいのか、自分の心に問いかけて選んでください。
物語を彩る雨の演出や影、マップの質感など、細部までこだわられたマップもまた見どころの一つです。ただ歩き回るだけでも、空気の重みを感じることができます。
虚ろな存在となって、町を歩いてはみませんか。
感想 Nanasi Project さんというと、CircleなんかをSteamでお見かけしたことがあります。雰囲気が強いタイプのゲーム作者さんというイメージです。
3D表現のマップとか、しっかり影ついているところとか、雨の演出とか、細かい部分が描き込まれた作品でした。 そのマップも雰囲気があって、歩き回るだけでもその緩やかにほの暗い世界に浸れます。別段、町民が嘆き続けているだとか、一切の希望がないだとか、そういったことはないんですが、どこか空気の重みを感じるような世界でした。
歩行速度から察することのできる雰囲気重視なタイプのゲームですが、遠いところではさっさと加速させて動かしてくれる配慮がありがたかったです。雰囲気を損なわないようにしつつ、あまりにも厳しい所には救いがあります。
個人的には、お絵描きのミニゲームなど面白い試みもあったんですが、なぜか差し込まれる9パズルと、ノーヒントかつ文字だけの迷いの森のおかげでミニゲームにあんまり良い印象を抱いていません。 特に迷いの森については、せっかく雰囲気ある街を歩いていたというのに、何が悲しくて代わり映えしない文字ウィンドウとにらめっこしなくてはならないんだろうと滅入っていました。
ストーリーについても、どうしようもなくどうにもならない物語で好きでした。登場人物が大体身勝手なのが最高に事態を悪くさせています。途中まで頑なだった神父ですら、天使に自死を迫る身勝手さを出してきますからね。 古びた紙切れ持った状態で町を出るとあの部屋に行けるということは、そういうことなのかなとは思っていますが、いずれにしても救いはないですね。どれを選んだところで。
26. いろもどき
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
1.2
94424/3575011(実績全開放)
良かった点
回避と、当たりに行くことという相反する思考を共存させる必要があり面白かったです
変態によるゲーム中のゲーム性の変化も面白いです
マウスを使うと別ゲームと化します
気になった点
当たりに行くゲームですが、すり抜けるバグがあるため辛かったです
ルールの説明側にドラッグによるスクロールの説明がありません
メニュー表記上、下にあるスコアの稼ぎ方のほうには記載があります
レビュー 相反する思考の共存
いろもどき は、基本回避をしながら適宜当たりに行く当たり屋ゲームです。一見すると矛盾する表現ですが、このゲームにおいては一切矛盾のないものとなっています。
まず、このゲームは四方八方から飛んでくる弾幕を避けるゲームです。 弾に当たるとダメージを受け、初期値で5の体力が尽きたらゲームオーバーです。すなわち、弾は回避する必要がります。
しかし、弾に当たることで上から回復アイテムが降ってきます。1回被弾すると1つ、2回被弾すると3つ、3回被弾すると6つと、a_n = a_{n-1} + n … (a_0 = 0) の勢いで増えていくことになります。 つまり、できる限り多く被弾したうえで全ての回復アイテムをとれば、むしろ体力は増えるということです。すなわち、弾には当たるとメリットがあります。
この避けなくてはならないけれど、当たることによるメリットも享受したいという相反する思考の元、ひたすらゲームを進めていく必要があります。 進めれば進めるほど弾幕は苛烈になり、体力はゴリゴリ減りつつ回復アイテムが乱れ落ちる混沌とした様相を呈していきます。その中で少しでも長く生き残れるように動かしていきましょう。
避けるか当たるか、都度判断していく楽しみを味わってみてください。
感想 避けつつも、必要なタイミングでは連続してあたりに行くという相反する思考を共存させないといけない面白いゲームです。 単なる弾を避けるゲームではないので、当たることで得点が稼げ、連続して当たることで体力回復アイテムが多く降ってきて結果得になります。リスクとリターンを面白いバランスで確保しています。弾はそのままリスクであり、上手く使えばリターンになります。
また、途中でいきなり変態が始まり、それぞれ空に強いやつ、水に強いやつなどになってしまうというのも面白いです。 当たりに行く弾の色によって変態は決まるので、うまく当たる弾を選ぶ必要があります。また、だからと言って同じ色の弾に当たってばっかりいてもスコアが伸びないあたりの調整もよくできています。
ただ、これは当たりに行くゲームバランスになっているので、すり抜けバグが割と致命的でした。 避けゲーなら、最悪当たらないというバグはプレイヤー的にはうれしいんですが、短時間で当たる必要がある以上、すり抜けると結構辛いです。 多分高速で移動しているから判定が抜けてるんですけど、さすがにこの量のSSV判定したら処理落ちしそうなので難しそうです。
あとは説明にやや不満があるとすると、ルール説明とスコアの稼ぎ方の双方がドラッグによるスクロールで動かすんですが、ルール説明側にその記載がなくて、スコアの稼ぎ方にはその記載があるところです。 メニューの並び的に、逆ならあんまり気にはならないんですが。 というか、ホイールを使わせてほしくはあります。ウディタのホイールは特定環境下で地味にバグって使い物にならなくなることがまれによくあるので、使わないというのも一つの選択肢のような気もしますが。
ちなみに、マウスを使うと別ゲーと化します。具体的には、変態による効果を受けなくなり、高速化するので、かなり快適にプレイできてガンガンスコアを稼げるようになります。 こっちはこっちで別の楽しみ方があるので面白いです。マウスのある相対的な方向を入力方向とするみたいな実装にしなかったのが意図的かどうかわかりませんが、バランスの違う楽しみ方ができるので個人的には好きでした。
27. DevilTower
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
6時間
8/5
ほんとうにおわり
良かった点
いつでもパーティーを組み替えて挑める楽しさがあります
属性のシステムも相まって、パズル的な戦闘を楽しめます
後半の装備が整ってきたあたりからハクスラとしても楽しめます
気になった点
装備の一覧性が悪いです
付与効果もない装備なのに同じ種類がまとめられていません
データをいちいちロードしたうえで、「ダンジョンへ」を再度押す必要があります
レビュー やられる前にやれ
DevilTower は、ひたすらダンジョンに挑んで戦い続けるハクスラ風RPGです。
プレイヤーはゲーム開始もそこそこにパーティーを編成し、ダンジョンに挑むことになります。 そして、ダンジョンを攻略したら次のダンジョンへ行ったり、装備が不足しているなら前のダンジョンを周回したりするなどして、ゲームを進めていきます。
ダンジョンは3~4階層から構成されており、各階層で1度戦闘を行って進みつつ、最終階層にはボスがいます。それぞれのボスは強力なので、打ち勝つためにはパーティー編成や属性など、様々なことを考える必要があります。
まず、パーティーは10のジョブから重複を許して6人を選ぶことができます。前線を防御性能の高い重戦士で埋めるもよし、全員格闘家にして短期決戦を挑むもよし、プレイスタイルとボスの性質と相談して決めていきましょう。 レベルという概念は存在しないため、いつでもパーティーを解散して再編成できます。
次に、戦闘システムを理解する必要があります。戦闘はオーソドックスなものですが、技を使うと場の属性値が変化するという特性があります。 場の属性値が偏ると、その属性に応じてフィールド効果が発動します。敵も味方も物理が強くなったり、回復力が上がったりと属性に応じて効果は異なりますので、ボスの性質などと相談して最適な属性になるように技も選んでいきましょう。
そうして準備万端で挑みボスを撃破することでダンジョンをクリアでき、装備を得ることができます。 前述のとおりレベルの概念はないため、強くするには強い装備を得るしかありません。ダンジョンを周回して、良い装備を集めていきましょう。
ボスを倒し、装備を集め、より強いボスに挑んでいくハクスラ的サイクルを楽しんでみてはいかがでしょう。
感想 相手のボスの動きを考えて、チーム編成からちゃんと考えるのが楽しいゲームです。 ジョブを偏らせることも満遍なく配することもできるので、お好みのパーティーで向かうことはできますが、相性の悪いパーティーで向かえばあっさり全滅します。パーティー構築の段階から勝負は始まっていました。
これに加えて属性のシステムも相まって、いかにボスを崩すかというパズル戦闘的なイメージを持ちました。武器のドロップ数がしょっぱいこともあって、特に前半はハクスラによる強化の恩恵をあまり感じなかったこともあるかもしれません。 後半のどこに挑んでも勝てる自由度を手に入れてからは、適当にダンジョンに潜り続けて強い装備がドロップするまで粘る戦略がとれるので、結構ハクスラっぽく感じていました。
個人的に一番つらかったのは、装備のUIというかUXです。ハクスラ要素として装備が重要な意味を持つゲームなんですが、持っているアイテム一覧が非常に見にくいです。 特別付与効果もなさそうにも拘わらず同じ名前のものが全部並んでしまっているのも厳しいですし、そもそも一覧画面が装備欄のみで、ステータスも選択しないと性能が分かりません。 有効な装備を選んでハクスラしていくのが楽しいんですが、その装備を選ぶのがまあまあしんどかったです。
ハクスラで好きな作品にSalt and Sanctuaryというゲームがあるんですが、あれは装備欄のそもその数が少なかったのもありますが、グラフィカルに選択可能なインベントリと、常に横に表示されるステータスのおかげで武器の選択に迷いませんでした。 もっとも、あちらは装備以外のハクスラ要素も盛り盛りなので、装備特化のこの作品とはベクトルが違いますが。
ついでにシステム面で若干気になったのは、データをロードするでタイトルに戻るところです。その仕様なら、最初からオートロードでもよい気はしています。
後は、タゲとる技が先行しないためあまり機能しないように見えたり、呪い猫のお守りが機能していなさそうだったり、自然回復は超過するけどヒール掛けたらリミットされたりと、仕様なのかバグなのかそれ以外の何かなのか判別がつきにくい困難が多かったです。多分真ん中はバグで、残りは仕様だとは思っています。
他にも、何が起きたかわからず負けるケースが結構あって、殴殺という文字とともに一人消えた時は一瞬混乱しました。多分即死の仕様だとは思うんですが、アニメーションを切っているせいなのか何が起きたのか判断がつきませんでした。とはいえ、アニメーションをつけておくとテンポがものすごい悪いので難しかったです。
ただ、その辺のことはおいて、戦闘だけに注力できるデザインとか、大ボスの大ボス然とした豪華な流れとか、属性を組み込んだ戦略的なバトルシステムとか、全体的に戦闘は存分に楽しめる出来だと思います。戦闘中や戦闘前にちょっとノイズが入るくらいで、戦闘それ自体の面白さはかなり担保されている印象です。
ちなみに、クリア時パーティは格闘家x5+神官でした。 灯魂が最強で、これある限り回復は最小限で済むので、ひたすら乱れ打ちをしていました。雑魚なら良ければ1ループ以内で仕留められるうえ、複数ボスでも2~3ループすれば1体くらい倒せます。 さらに、単体ボスならひるみもたまに入るので戦いやすくなります。 正直、どれだけこちらが固めていても敵の攻撃が苛烈だと大体死ぬ上、たまに即死があったり、後衛をぼこぼこにする技を二連続で打ってきたりと運要素で軽く召されることがあるので、早期決着こそ正義だと思っています。
なお個人的には、裏ボスよりもボス然とした表ボスのほうがより豪華に感じて、倒した時の達成感がありました。SFC時代の大ボスって感じがします。裏ボスはなんか小物っぽさが。
28. DREAMT
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
1.0
クリア
良かった点
不思議な世界の感覚に浸れます
独特な言い回しのキャラクターも良かったです
気になった点
レトロ風がゆえに単色マップで把握しにくいなど多少厳しいところはありました
レビュー レトロで不思議な空気感
DREAMT は、1980年代風の空気漂うRPGです。
このゲームの特徴は、なんといってもレトロな空気感の再現です。どぎついまでの原色マップや、ファミコンを感じるBGMがそれを支えています。
そのレトロな世界の中で描かれるのは、これまた不思議な感覚のする物語です。 独特な言い回しのキャラクターが織りなす、物語とも雰囲気とも言える何かを感じ取りつつ進めることができます。
戦闘でもその独自の雰囲気は通貫されており、例えば攻撃手段であるアタックの説明文一つとっても「さあ こくはくの じゅんびは いいかい」となっています。HPを削り切っても、あいてはすなおになるだけで、倒すことはしません。
レトロな空気感に触れつつ、不思議な物語を体験したい方にお勧めです。
感想 どぎついまでの原色マップとか、ファミコンを感じる音とか、これでもかと漂うレトロな雰囲気に浸れる作品です。しかも、単純にレトロではなくて、ずっと不思議な世界にいて足がつかない感覚を覚えます。浸るというよりはおぼれているのかもしれません。
舞台が夢現の世界なので、起承転結やら序破急やら合理性なんてものはなく、夢然としたストーリー展開がなされていきます。 独特な言い回しのキャラクターが織りなす、物語なのか雰囲気と呼ぶべきなのかわからない何かを感じ取りつつ進めることができます。
ストーリーの終わりまでプレイした感じではなかなかに救いがないのか、それともあくまで覚めない悪夢なのかは判然としていません。後述するところも相まって、解釈に足る情報がないような気もしています。 現状の情報を整理して、ここを夢と解釈すると、夢の中で自己が分裂していって止まらなくなったんだと考えています。その中でも罪を犯したのか許されざる自己が存在していて、それが存在する限り彼の心の中に愛が存在しえないため、どこかの自己がその許されざる自己を殺して愛を復活させつつも、結局その自己もまた自分殺しにより許されざる自己になっているという解釈です。 ただあの世界についてとか、現とのかかわりとかがあんまり説明できないのでだいぶ不十分な解釈ですね。
LIMBOとかこういった類の解釈しないと何も物語が見えてこない系の作品は好きなんですが、私の解釈力が足りないのであんまりうまい解釈ができたことはありません。
ちなみに、クリアしても釈然としなかったのでうろついていたら、にんじゃマンの後ろ側から謎の世界に入れはしたんですが、ここで何をすべきかがよくわかっていません。完全なおまけなんですかね。
29. 夜の流刑地
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
1.00
クリア
良かった点
トイレくんが良いキャラでした
触れるオブジェクトの数が多く、小話も多彩でした
エンディングの演出が素晴らしかったです
気になった点
RPG要素があまり必要には感じ取れませんでした
ボスは理由が分かりますが、道中の雑魚がよくわかりません
レビュー 流された先のトイレ
夜の流刑地 は、トイレを相棒に旅する短編RPGです。トイレといっても無機的なものでなく、よくしゃべるようなトイレです。
夜の流刑地と呼ばれる場所を舞台に、主人公の謎を解き明かそうと進むゲームとなっています。
このゲームの特徴は、多くの罪人の家それぞれに様々なものがあり、そのおおよそで小さな会話が聞けるというところです。 主人公の少女むじなとトイレくんの軽妙かつ意味深な会話を聞くことができます。ついつい色々な場所を探してみたくなることでしょう。
そうした会話と合わせて世界観を構築するグラフィックも見逃せないポイントです。 独特な色遣いで構成されるマップは、主人公たちが存在する場所の異質さをありありと感じさせつつも、ビビッドな光源により夜の闇を引き立たせています。 また、その中に住む罪人たちの目を基調としたデザインは何かをこちらに訴えかけてくるかのような感覚を覚えます。
また、このゲームについてレビューするうえで、エンディングに触れないわけにはいきません。エンディングではBGMとも合った素晴らしい演出が堪能できます。見たい方はぜひプレイしてみてください。 筆者がプレイしたバージョンは古いので、現在はもっと良いものになっているかもしれません。
不思議なトイレを相棒に歩き回ってみませんか。
感想 トイレくんが良いキャラです。むじなも好きだけど、トイレくんが良いキャラすぎる。この手の気の良い人外キャラに弱いという面はあります。個人的には、今ウディコンではCigarと並ぶ愛されキャラでした。 さも当たり前のように無機物がしゃべるという違和感のくすぐったさが良いです。
探索ゲーとして欠かせない触れるオブジェクトの多さと、そこで発生する小さな会話は完備されていました。先述したようにキャラがいいので、会話も楽しいです。 結構なんでも調べればリアクションが返ってくるので、意味もなく家にお邪魔してはあちこち見ていました。
あと、触れないわけにはいかないエンディングですが、最高でした。予兆なく急に始まる動画アニメーションとBGMの融合は美しかったです。 プレイ中常に感じていたむじなという存在の特異性が象徴されるようなエンディングでした。 ゲーム中は点滅すれど消えはしなかった電灯が消えるということがどういうことなのか色々思考を巡らせていましたが、特に答えは出ませんでした。もしかしたら新バージョン見たらまた印象変わるのかもしれません。
あと、生きとし生けるすべてのものは罪を抱えるというのは、うっすら原罪よりの考え方なのかなと思ってはいたんですが、「生まれてきたこと」それ自体ではなくて、「生きたことのどこか」に罪を感じているようなので、大分違いました。罪人それぞれ十人十色の罪がありました。 それならばむじなのような境遇だけでなく、赤ん坊のうちに亡くなっても資格はあるんでしょうか。その時点でおむつを汚したとかの罪が計上されるならどうしようもありませんが。
個人的には探索ゲーにしてはなぜかRPG要素があるのは若干不思議で、迷路は特によくわからない印象でした。特別触れられるオブジェクトもないので、箸休めくらいに感じていました。 戦闘難易度も相当緩いのですが、この辺は罰されたがってるのでストーリー通りだなという印象です。ならばなぜ抵抗するんだろうとも思わないではないですが。
30. 三種の神器
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間30分
2.3
クリア
良かった点
強敵がきちんと強敵をしています
ラスボス戦周りの演出はよかったです
気になった点
雑魚の火力が大雑把に大味でした
加入する仲間のレベルが低めなのがあまりうれしくなかったです
レビュー スタンダードRPG
三種の神器 は、スタンダードなRPGです。
三種の神器に選ばれた主人公が仲間を増やしつつ各地を回るという、非常にオーソドックスな流れのRPGとなっています。
このRPGでは、ボスや強敵がきちんと強敵としてデザインされているので、道中の敵をしっかり倒して進めていく必要があります。少しでもさぼっていると、ボスの強力な攻撃により粉砕されてしまうことでしょう。 各メンバーをちゃんと成長させ、それぞれの役割を果たさせることで、ボスを打ち倒すことができます。
とにかくスタンダードにRPGを楽しんでいきましょう。
感想 デフォ戦闘で王道なRPGでした。ボス戦周りとかよくできていて、強敵がきちんと強敵をしています。 特にラスボス戦は寄り道せずに進めているとなかなか強いです。Lvが37, 35, 31, 30のパーティーで突入しましたが、割と苦戦しました。 攻撃はうまくかばうでいなして、高火力の力ため草薙で屠るのがおすすめです。プロテイン飲んで、クリティカル率上げておけば2000とかの火力がでます。
そのあおりなのか雑魚の火力は結構大雑把で、文字通りの0か100かみたいな技構成で攻撃してきます。最大HPは200ちょいです。まあまあランダムな感じで振ってくる印象でしたが、もしかしたら法則性を見逃したかもしれません。
一番大味なのはクリティカルで、序盤でこれを拝むと一撃必殺で倒れることが結構あります。 ここはまったくもって運なので、ハードラックとダンスっちまったと思ってあきらめるしかないです。 終盤くらいでもたまにクリティカルが猛威を振るいますが、序盤よりはリカバーがきくので取り返していきましょう。
個人的な印象としては、レベル上げをそこそこ推奨したバランスかなと思っています。そのまま一気に進んでボスまで行って、一気に倒せるみたいなバランスではなさそうです。 適切なレベル帯が見えないので、どこまで努力すべきかはやや判然としませんが、少なくともぬるい戦闘ゲーにはなりません。
留守以外は鍵を開けているフリーダムな慣習かと思っていたんですが、普通に留守でも鍵が開いているし、そこに普通に入るしで分からなくなりました。勇者が家に入ることをみんなどう思っているんだろう。
個人的な引っ掛かりポイントとしては、仲間が加入するという嬉しいイベントで、仲間のLvが結構低めなところです。推奨レベルにしても低めに感じる。 最大Lvとか贅沢は言わないので、せめて平均から1-2下くらいにとどめてほしいです。30クラスしかいないところに20来ると嬉しさがもにょる。 あとは、リアカの加入タイミングでいったん戻って装備整える必要があるのは、どうせ加入しそうなんだし先に買っときなさいということなんでしょうか。買っていないと戻らないといけないのはやや面倒です。
どうでもいい細かいポイントだと、手分けして探そうと言っておいて、主人公の後ろについてくるのがシュールで笑いました。手分けしていない。
ワールドマップで右に行くと警告が出るタイミングなのに右の敵とエンカウントしちゃったり、宿屋のマップチップに壁が使われていてだまし絵みたいになっていたり、細かい点で作りが荒い点はあるんですが、しっかりと物語があって、ボスが強くて、ラスボスの演出も良いバランスの取れたゲームでした。
31. ワールドサッカークロニクル ウディコンエディション
ジャンル
作者
サッカー運営シミュレーション
papik
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
3.0
リーグ/WC優勝
良かった点
データを見ているだけなのに、熱くなれるゲームでした
選手の成長を考える必要がないので、完全に運営と指示に終始できました
気になった点
説明量がものすごく多いです
重要な情報だけ抽出したものと、そうでないもので別途に分類してほしかったです
ゲームの流れが分かるチュートリアル的要素が欲しいです
最初に大会などで戦う前にオファーが入るので、戦いをうまくイメージできないままオファーする必要があります
レビュー データの集合に熱くなれる
ワールドサッカークロニクル ウディコンエディション は、サッカーの監督となってチームを運営するシミュレーションゲームです。
プレイヤーは選手ではなく監督なので、サッカーの試合自体には関与しません。 シーズン前はチームメンバーのオファーに始まり、シーズン中は調子やケガを考慮してスタメンを決めていくことでリーグ優勝などを狙っていくことになります。
最初に行うメンバーのオファーでは、各ポジションをバランスよくとっていきつつ、資金力のある限り優秀な選手を集めていきましょう。ポジションが偏ると、後でつらい目に遭います。
オファーが終わるとメンバーが確定するので、いよいよ試合へと移っていきます。 紅白戦を行いメンバーの調子を見極めつつ、能力やポジション適正なども勘案してスタメンを選んでいきましょう。監督が試合に介入できるのはここまでです。
ここまで来たら後は試合をするのみです。試合が終わったら、また次の試合を行っていき、1シーズン戦い続けることになります。
こうして、オファーし、試合を繰り返し、またオファーするといったサイクルを繰り返していき、チームを強くしていきましょう。試合で好成績を残せれば資金力も上がり、オファーできる選手の幅も広がるので好循環が形成できます。
こうした一連の流れや選手の情報は、ほとんどグラフィカルには表されません。全ての選手は、年齢、能力、ポジション適正、調子などを持ったデータに過ぎない存在です。 にもかかわらず、そのデータが活躍すると熱くなれる何かがこのゲームにはあります。それは、リーグ優勝のかかった試合という緊張感だったり、オファーした選手の活躍だったり、能力よりも調子ベースで決めた選手の失態だったり、そういった要素が感情を動かしてくれます。
ひたすらデータを弄繰り回して熱くなってはみませんか。
感想 データの羅列をいじって見ているだけのはずなのに、自分でプレイしているスポーツゲームより熱くなれるゲームでした。 WCの決勝戦はまさに手に汗握る死闘でした。ここだけは試合のスキップ機能を切っています。PK戦の末勝利した時の喜びはひとしおでした。
リーグ戦でも、トップを走っている最中に2位と直接対決した時は、これは勝ちたいなあとか思いつつ選手起用して、負けた時はわがことのように悔しく覚えました。はたから見れば超高速で得点が入ったり入らなかったりするだけなんですが、感情を動かす何かがあります。
それは、大金を払って招き入れた選手が上手く活躍した喜びであったり、信じてポジションに置いた若手選出がゴールを決める喜びであったり、調子いいから入れた選手が振るわなかった悲しみだったりします。 終盤の勝ちたい試合でウルファールがハットトリックを決めた時は熱かったです。
完全な運営シミュなので、選手の成長とかを考えなくていいのが良かったです。この人数全員の成長なんかを考え出すときりがないので。 とはいえ、若手は勝手に伸びていくけれど、ベテランは伸びしろなしなので年齢バランスも気にしつつ、常に新陳代謝を考える必要がありそうなのもよかったです。
ゲームの説明はものすごい多いんですが、大まかに流れを覚えればそんなに難しくはありません。 資金の許す限り選手とかコーチを選ぶフェーズでは、評判やポジションを勘案して、必要な選手をとります。 実際のシーズンのフェーズでは、紅白戦をやって選手の調子を見つつ、起用する選手とポジションを決めては日を進めるだけです。 ここにインタビューやら引退やら色々な要素が入るからややこしいので、この辺はおいおいプレイして慣れていくつもりでいいと思います。 ぱっと見めちゃくちゃ多い説明の大半は、大まかな流れではなくて細かいアドバイスです。
そういう意味でも、ゲーム内で大まかな流れが分かるチュートリアル的な要素は若干ほしくはあります。説明書を全部読めば大体理解できるんですが、いかんせん多いので。 監督研修期間とか、そんな感じで用意された選手で大会に挑んだりする数か月が最初にあると便利かもしれません。 ついでに、最初に大会で運用することになればポジションごとにバランスよくほしいなとか、このポジション重要だなとかが肌で感じられるので、オファーにもつながるかなと思います。現状、オファーが先に来るので、ゲームの仕様を把握する前にキャラをそろえなくてはいけないので。
ケガの情報が視線移動絡むのできついとコメントに書いたら即時反映されるなど、アップデートも盛んでした。ただ、セーブデータを持ち越せないアップデートが頻繁に来ていたので、この辺は辛かったです。 選手情報とかは外部データに逃がせばある程度更新に耐える設計になりそうですが、データ量がそこそこ膨大なのと、その処理がそもそもバグの温床になる可能性があったりと難しいところです。互換性はやはり難しいので、WindowsとかPS3がああなるのも頷けます。
32. 青は藍より出でて藍より青し
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
.
3ルートクリア
良かった点
気になった点
拠点と次のマップへの接続点が迷路なため、戻るのにいちいち迷路を経由する必要がありました
せめて迷路でないほうに接続点を配してほしかったです
イベント発生後にアイテムが湧くので、最初に隅々まで探すと無力感を覚えます
レビュー 物語主体のRPG
青は藍より出でて藍より青し は、ストーリーに重きを置いたRPGです。
記憶を失った主人公が屋敷の中を歩き回ることで、少しづつ物語が明らかになっていくという展開となっています。物語を進めるにつれて伏線やミスリードがうまく回収されていきます。 クライマックスでは様々な事実が明るみに出つつ、熱い展開となっていくことでしょう。
また、RPGなので戦闘もありますが、こちらは1対1のシンプルなものです。HPを減らしていくと浄化ができるため、それを意識して戦っていきましょう。
屋敷を探索して、ストーリーを読み解いていきましょう。
感想 伏線がありますと宣言されている所からもわかる通り、物語主体な感じのするRPGです。戦闘より物探ししていた印象のほうが強い。
その物探しについても、イベントが発生してから始めて拾えるようになるので、結構同じところを何度も行き来します。なので、私のように何かないかなと思って隅々まで探した後にイベントを発生させるとちょっと萎えます。イベントを先に発動させていかないといけません。
また、RPGだから合間に戦闘が入って緊張感なりを演出するというわけではなく、シンボルエンカウントかつ二回湧かないので誰もいないところを歩き回ることになります。 アイテムを探しているときや歩き回っているとき、この辺はありがたい反面味気なさもあります。 なお、戦闘それ自体はSPがなくなると成仏するシステムなど結構面白いですが、基本1対1なのであんまり変わり映えはしません。
あとは、イベントごとに少し歩かないと戻れないのが微妙なストレスとなっていました。 特に、最初のマップから次のマップへの接続点が迷路になっているので、毎回迷路経由で戻らないといけないのがそこそこ面倒です。せめて、迷路でない直線だったらなあと思わないではないです。
ストーリーについては、以下でネタバレになるので見たくない方は戻してください。
エンディングを最初に見た感想は、なんか飛ばしたかなあでした。 残りのエンドを見た限りだと、私が最初に見たエンディングが多分良いほうのエンドで、本来悪いほうのエンドを経由してから見たほうが良いやつだったように思います。 具体的には、師匠が幽霊なことに、大体わかっていたとはいえ勝手に納得したりとか、勝手にもう一人の俺をツキと呼び始めたりとか。 特に後者は別のエンディングで紆余曲折合ってツキと判定されるのに、こちらのエンドではお構いなくツキ呼びです。というか、システムで出す名前にすらツキと明示され始めます。 ここは、同じ人間ではなくてツキという別人で、しかもそっちが本当の師匠の子だったという、大事なミスリード伏線回収シーンだったので、結構置いてけぼりを食らった印象になりました。
紹介文から勝手に想像したイメージとして、断片的な情報を得ていき、こちら側で解釈して読み解くのかと思っていたので、しっかり答え合わせしてくれるのはむしろ意外でした。 断章を組み合わせて、間を自分の想像でのりづけして構成する物語というよりは、きっちりとストーリーに一本幹があって、その幹を追いつつ通り過ぎた枝の持つ意味を考えるみたいな感じです。伏線やら情報を回収し損ねるケースがあまりなく、それらは最後にきちんと物語に還元されます。 なので、こちら側で再解釈する必要はあんまりないと思っています。紐解くというよりは、紐解かれるイメージでした。
なお個人的には、好きな展開がそれでも良いエンドにはつながらない無常は好きでした。 あと、最初のほうの部屋構成に違和感があったので後々考えたら、多分花っぽく作ってあるんですんかね。Game.exeも花っぽいですし、何かモチーフがあるのかもしれません。彼岸花っぽくはないので、たぶん蓮ですかね。
あとタイトルが若干に気にはなっていて、原義から考えて師匠に対してなんか展開あるのかなとおぼろげに考えていたので、結局そちら側にはあまりない感じで終わったぽくて微妙に捉まえ切れていないです。結局超克せんとしてたのは兄弟子だったり弟弟子だったりしたわけなので。
ちなみに、努力値は何だったんでしょうかね。
33. ard3d
ジャンル
作者
3Dダンジョン探索型RPG
ar202626
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間30分
05
クリア
良かった点
3Dのマップギミックは面白かったです
シンボルエンカウントの採用のおかげでストレスなく3Dダンジョンを歩き回れました
気になった点
向きを強制的に変えられるギミックについては単純に面倒でした
回復ポイントで回復できたかどうかを判断する方法がメニューを開いてみるくらいしかありません
レビュー 3Dダンジョンをさまよう
ard3d は、3Dダンジョンを探索してひたすら戦うRPGです。
特に物語もなく3Dダンジョンに放り出され、パーティーとなるジョブを選んだら、すぐに戦闘であふれるダンジョンに挑むことになります。 そして、そのあとはひたすら最下層を目指して下っていくことになります。
シンボルエンカウントで発生する戦闘もまたシンプルなもので、各階層ごとに変わる敵を倒していけば問題ありません。極めて特殊な行動をする者もいないので、いくつかの行動を覚えておけば良いです。 しかし、階層が深くなるごとに回復をしてくるようになったり、魔法を撃ってくるようになったりと、敵も強くなっていきます。これらをうまく対処していかなくては、安定してダンジョンを攻略できません。
また、3Dダンジョンは各階層ごとに様々なギミックがあります。敵を排しつつ、ギミックの謎も解かないと先には進めません。ヒントは基本的に分かりやすいので、落ち着いて考えていきましょう。
ひたすら戦闘をしながらダンジョンに潜ってはみませんか。
感想 3Dダンジョンをひたすら潜るゲームです。本当にひたすら潜る。ストーリーなどない。 何なら世界観を感じさせるようなアイテム名も敵の名前もないし、職業名もシンプル。徹底的にダンジョンを探索して戦闘する以外の要素は排除されています。
戦闘バランスについては、序盤脳筋、中盤魔法無双、終盤運という感じでした。 序盤は魔法使いが攻撃魔法を覚えないので、ひたすら殴りましょう。魔法使いは回復薬とみなしたほうがいいです。 中盤は攻撃魔法を覚えるので積極的に使いましょう。火力が凄まじいので大体一発で屠れます。 終盤は、先行沈黙が通ることを祈りましょう。通らなくて、かつ運悪くブレスを2回吐かれたらほぼほぼゲームオーバーです。もっとも、このパターンは2回しか遭遇していないので、よほど運悪くない限り発生しません。細かくセーブしましょう。
3Dマップのギミックは結構面白いんですが、向きを強制的に変えられるのは単純に面倒なので好きではありませんでした。数字で示した穴とかは好きです。ワープは一瞬何が起きたかわかりませんが、頻繁に起きないため理解すると何とかなります。 合計数に関しては、合計数ということは分かりましたがどれが1なのかやどういう数列なのかはわかりませんでした。なので、総当たりめいたことをしています。この辺りはやや不親切です。
3Dダンジョンでランダムエンカウントではなくシンボルエンカウントを採用しているのはありがたいです。このタイプのダンジョンだと唐突にエンカウントしてしまうことで道を忘れそうです。 また、勝手に階段を上がり下がりしなかったり、勝手に敵にエンカウントしなかったりと、意図しない誤操作は大分抑えられている印象でした。
個人的に気になるのはなんで英語なのかと、回復ポイントで回復したかどうかがわかるエフェクトもSEもないところです。せめてエフェクトは欲しかった。
34. うおうさおう
ジャンル
作者
ミニゲーム
ゾイ!Fly high
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
1.01
クリア
良かった点
ゲーム性は面白かったです
目的がどこにあるかわからずうおうさおうするコンセプトは通貫されていました
リトライも早く、要素も少なめなのでルールの把握はしやすいです
気になった点
ゲームの進行条件のノーヒントっぷりはさすがにつらかったです
文字の可読性が低かったです
レビュー 目的分からずうおうさおう
うおうさおう は、名状しがたいうおうさおうするミニゲームです。ただし、ミニマムな時間で終わる作品ではありません。
プレイヤーはいきなり謎の世界に放り込まれます。そこには、パン、袋、チーター、亀など様々なものが置いてあります。そして、プレイヤーは向いている方向に向かって歩き続けています。 何度かプレイすることで、それらの意味が解ってくるでしょう。例えば、チーターをとれば速くなりますし、亀をとれば遅くなります。
次第に、このゲームにおいて重要なアイテムもわかってきます。どくろ、メモ、パン、矢印です。 どくろを取得するとゲームオーバーになりますし、メモを一定時間とらないでいたり、パンで空腹ゲージを回復しなかったりしていてもゲームオーバーになります。これらは適宜取得していきましょう。 加えて、矢印を取得することで、プレイヤーは進む向きを変えることができます。これだけはクリックしても効果が得られるので、取りたいアイテムがあった場合は周りの矢印も考えてルートを選んでいきましょう。
そうしてゲームを進めていても、このゲームは時間を計測することも、スコアを計上することもありません。それもそのはず、このゲームにはクリアが存在します。 クリアのためには、メモを参考にしつつ、とにかくうおうさおうするしかありません。
目標も分からずにうおうさおうする体験を味わってみてはいかがでしょう。
感想 これは面白いんですが、ものすごくきつかった作品です。何がきついかといえば、タイトル通りにうおうさおうし、目的がどこにあるかわからない苦痛を味わうためです。 ただ繰り返しますが、クリアまでやるくらいには面白いです。苦痛も意図したデザインだと思います。
ルールはすぐには理解できませんが、リトライが早く、要素も少なめなのでやり続ければ大体把握できます。速度遅めで行くか、速度速めで行くかは個人の進め方次第。 個人的には、ある程度早いほうがいろいろ楽でした。いざというときは停止を使えば割と何とかなります。
ただ、最も難しいルールであるゲームの進行条件は理解に時間がかかりました。 まず一つ目については、とりあえず示された方向に行っても何もないので右往左往していたら、たまたま見つけた豪華な本をとって、ようやく理解しました。そこに至るまでがまずちょっと難しい。 次に、それらが1ループしたっぽい状況からです。ずっとプレイしていると、なんかTwitterが見えてくるので、それを拾います。ただ、Twitterの位置についての理解にはかなり時間を要しました。いまだに確信はないんですが、たぶん指示される方向の逆です。 最後まで行けば、むしろやることは明瞭です。思う存分戦いましょう。
この進行条件という目的が一切見えず、また条件らしきものがあってもそれの確信が一切得られないあたりは、タイトル通りにうおうさおうする他ありません。
なお、ボス戦はなかなかにシビアながら、頭をフル回転させつつ上手く動かせば、ギリギリ戦えるいいバランスでした。進行方向のどくろを消しつつ、落ち着いて戦う必要があります。焦るとかなりの確率で負けるので。 パンチのタイミングによっては動いていて当たらないんですが、そんなことも言っていられないので、最終的には取れるときに取る方針にしていました。
ちなみに、ストーリーの文字の可読性は結構悪いです。
35. 流星の射手 ~亜人大戦争~
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間30分
1.12
クリア(端末コンプ)
良かった点
アクションとして、動かしていて楽しかったです
レスポンスが良いことや、敵や箱に当たった時や倒した時にきっちりエフェクトが出るあたりのリアクションの良さが効いています
水に入ると制御できなくなる代わりに速くなるというシステムが良かったです
ボス戦がバラエティに富んでいて、戦っていて楽しかったです
各キャラクターがきちんと良いキャラとして立っています
気になった点
レビュー 楽しいアクション
流星の射手 ~亜人大戦争~ は、シューティング的なシステムのアクションです。
このゲームの特徴は、プレイしていて気持ちの良いアクションになります。 操作のレスポンスが良いのはもちろんのこと、箱や敵に対するエフェクトが出るなどの手ごたえ感、単なるシューティングに留まらず敵の弾を打ち返せるシステム、これら全てがアクションの気持ちよさを下支えしています。 このような撃てば響くようなアクションで、ステージを巡っていく楽しさを味わうことができます。
さらに、アクションの楽しさのもう一つの醍醐味として、バラエティ豊かなボス戦が挙げられます。 各ボスは特徴的な攻撃手段をそれぞれ持っているため、それらをいかに対処しつつ攻撃を当てていくかを考えて実行する楽しさを味わえます。突進する敵なら軌道を読み、ジャンプしてくる敵なら移動してかわし、といったように攻撃に合わせてこちらの行動を決めていきましょう。
また、物語を進めつつ収集品を集めると見えてくる世界観や、良いキャラをしている亜人達も外すことはできません。人間のほぼいない世界観で強くたくましく生きる亜人達の、一癖も二癖もある言動は見ていて飽きません。
是非、気持ちの良いアクションを体験してみてください。
感想 動かしていて楽しいアクションなので、個人的にだいぶ好きな作品です。 アクションの楽しみ方はいろいろあって、歯ごたえのある難易度をクリアする喜びを感じるタイプ(They Bleed Pixels)、ステージを把握して攻略する喜びを得るタイプ(RosenkreuzStilette)、強力なボスを打ち倒す喜びを得るタイプ(Titan Souls)など多岐にわたるんですが、この作品は動かして楽しいタイプです。遊んでいて常に楽しいので一番強い。 2DプラットフォームならCeleste、メトロイドヴァニアならHollow KnightやThe Vagrant、2D見下ろしアクションなら同じくTitan Soulsもそんな感じです。 個人的には、ゲーム性はだいぶ違うんですが、Titan Soulsをやっていた時に感じた楽しさに近いです。
アクションとして重要なレスポンスの良さは十二分で、他にも箱が壊れた時にしっかり散らばったエフェクトが出るなどの細かい部分での手ごたえ感もあります。 また、単純なシューティング的アクションのほかに、敵の弾を打ち返すというアクションが存在することで、ただ弾を撃ち続ける単調性も排しています。単に私が相手の弾を打ち返せるシステムが好きなのもあります。
また、水に侵入すると制御できなくなる代わりに、速くなるというシステムも好きです。水に侵入することはかなりのデメリットを背負うことになりつつ、きちんと不快にならない程度にメリットが入っているからです。不利とわかりつつあえて水に入るという戦略も生まれます。おかげで、水に対してストレスをあまり感じることはありませんでした。
ボス戦がバラエティに富んでいるのも良い所です。この辺が、Titan Souls的面白さを感じるゆえんかもしれません。各ボス特徴があって、適度に緊張感を保ちながら、楽しく攻略していくことができました。 何より楽しかったのが、ボスが順当に強いところです。理不尽な技はほとんどなく、回避可能であることは理解していながらも、攻撃に脳のリソースを割いていると当たってしまう絶妙なラインをついていました。
ラスボスについては大技の回避方法が分からず苦戦していましたが、何とか理解してクリアしました。 理解できた原因は、あの技発動前に倒すのかと勘違いして全て放置して撃ち続けたためです。あの棺桶は攻撃もしてくるので今まではとっとと破壊していたんですが、破壊しなくなったことにより道が開けました。 このデザインなら、いっそ破壊できないシステムでもよかったかなとは思います。例えば、毛色は違いますが、htol#NiQ のボスの大技回避ギミックも破壊されるようなものではありませんでした。
あと苦戦したボスは、突進系のやつです。あいつは結局、ラスボス撃破後に挑んでいます。監視塔の騎士といい、この手のボスには弱いです。
ストーリーについても、各キャラクターがきちんと立っていて、短い会話の中でも特徴がありありと分かります。個人的に好きなのは諸葛孔鎮の名前とそのキャラ付けです。クリア後にコーチンと掛けているのに気づきました。
36. 廃館少女
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
50分
1.05
クリア
良かった点
グラフィックが不安定さや恐怖を表せています
曲線を帯びた館のマップチップや、良いタイミングでくる脅かしの絵などです
アイテムと資料が完全分離されているため検索性が高いです
導線が親切でした
気になった点
最後の追いかけっこはどちらに逃げるべきか判断がつきませんでした
レビュー 不穏な館、不穏な雰囲気
廃館少女 は、廃館を彷徨い歩く探索ホラーです。
このゲームは、なんといっても廃館に漂う怪しい気配と、それを支えるグラフィックが魅力的です。曲線で歪んだ館の輪郭が、そのままこの廃館の不安定さを表しているようで、常に不安な気持ちにさせてくれます。 良いタイミングで襲ってくる一枚絵とその不気味な雰囲気もまた、それを増幅してきます。
そのような廃館の雰囲気も相まって、探索ホラーとしての雰囲気もしっかりと、しかし不定形に形作られています。ホラーとしての驚かしが来るタイミングも絶妙で、その恐怖を煽ってくれます。
その一方で、ゲームとしての導線はかなり親切なので、どこに行けばいいのか迷うことはないでしょう。サクサクと進めるがゆえに、ホラーもまたテンポよく迫ってきます。
不安定な雰囲気の探索ホラーを楽しみたい方にはお勧めの作品です。
感想 グラフィックが良くて、良いタイミングで繰る脅かし要素の絵もそうなんですが、曲線を帯びた館のマップが不安定さを感じて好きです。このかっちりしていない感じが絶妙な雰囲気を漂わせています。
素晴らしいグラフィックで支えつつ、要所要所できちんと脅かしてくるあたり、ホラーとしての雰囲気作りは良いです。脅かし要素やら一枚絵やらのタイミングが良くて、適度に脅かしてくれます。また、鏡の演出などの細かい演出も雰囲気を醸成しています。
歩行速度はホラー探索の歩きですが、館の作りがその分かなりミニマルになっているので、あんまり気になるレベルにはなっていません。雰囲気作りと遊びやすさのいい落としどころだと思います。
遊びやすさで言うと、細かい点ですが、アイテムと資料が完全分離されているので、検索性が高いのもありがたいところです。探索ホラーのインベントリは鍵と資料とどこかで使うアイテムで埋められてカオスになりがちなので、せめていつでも見れる資料は分離してあるのが良いです。
あとは、導線が結構親切です。行けない場所は明示され、行ける場所には大体何かあり、行ける場所が多くなってくると行くべき場所が明示されます。そんなに迷うこともないですし、必要なものがあればかなり分かりやすく書いてくれています。 プレイしていて、ほぼ迷うことなくクリアまで行けました。
唯一迷ったというか戸惑ったのは、追いかけっこのシビアっぷりで、加えて最後の追いかけっこに関してはどのルートで逃げるのが正しいのか一回目では判断できませんでした。
ストーリーについては、色々追っておぼろげに分かってきたつもりが、最後の最後にひっくり返されたので何もわからんという感じです。掌の上で踊っていた。 断片的な情報を整理した感じでは、アインザーム新聞が伏線なんですかね。
フォルカー氏とリリーは似ても似つかないので、この姿は完全に妄想上で構成されていたもので、ラストに揺らぐのはそのためと解釈できそうではあります。 リリーは院長に殺されていて、エリーザは生き残っているようなんですが、事件の断片を見る限りだと、エリーザがまともに生き残れている気がしないです。全員殺して自殺ならなおのことです。リリーが逃がそうとして、実際に逃がすことには成功したうえで殺されたんですかね。 それにしても、手記を見る限りの精神状況で、懇意にしていたはずのリリーが亡くなったにもかかわらず、あるていど安定した精神状態でフォルカー氏について語れるとは思えないんですよね。ここが解決していないのでやっぱりなんもわかりません。
37. ウルファール忍法帖
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
3時間
1.02
クリア
良かった点
様々な術を使える楽しさがあります
ウルファールの衣装にこだわりを感じます
ボスはきっちり強いです
気になった点
プレイヤーの操作性を奪って難易度を上げてくるきらいがあります
攻撃の判定とエフェクトが一致していないような気がします
チャージショットのクールタイムが分かりにくいです
レビュー 術とワイヤーを駆使する忍者アクション
ウルファール忍法帖 は、忍術やワイヤーを使ってステージを攻略していくアクションゲームです。
このゲームの特徴は、忍者的なアクションです。 忍者となったウルファールを操り、ワイヤーを使ったアクションと、様々な忍術を使いつつ、敵をばったばったと切り倒していきましょう。
攻略するステージの各所にはフックが仕掛けられており、ここにワイヤーをひっかけることで縦横無尽に動き回ることができます。 このフックによって、敵のど真ん中にダイブしたり、一時避難したり、離れ小島に移動したりと様々な用途で使うことができます。
また、ステージをクリアしていくと使える忍術はどんどん増えていきます。 単純に強い技から追尾弾、カウンターまで多種多様な技をどのタイミングで使っていくかもステージ攻略の鍵となっていきます。
忍者となったウルファールの姿をあなたの目でご覧ください。
感想 色々な術が使えたり、ワイヤーアクションが楽しめたりするアクションです。 個人的な印象としては、難易度を上げる手段として、プレイヤーの操作性を奪ってくるタイプのゲームと感じました。
日常茶飯に移動速度を落としてきたり、そもそも足場をだいぶ制限してきたりと、中盤くらいから難易度を上げるためにこちらの操作できる範囲を絞ってきます。 これのせいで、中盤以降は遅い足場や狭い足場で頑張ってヒットアンドアウェイするゲームになります。ならばワイヤーアクションを使えば解決かというと、ワイヤーアクションをすると無防備状態で相手のエイムに引っかかるので高確率で攻撃を受けます。厳しい。これは下手したら、移動先にいることにされていそうにさえ思います。 Getting Over Itなんかも操作性を制限するゲームですが、あれは鍛錬すれば普通に動かせるようなる一方で、こっちはシステム的に絞ってきているので抗いようがないのが大きな違いです。
また、こちらが狭い足場で苦労している中、敵は簡単に地形を抜けてくるのも厳しいポイントです。鳥が来るのは良いとして、海上にいたスライムが何段か上にある橋に来たり、狸もキノコも地形を越えたりと、相手は自由自在に動きます。その分、自分が制限されていることが対比で鮮明に浮き彫りになってしまいます。
また、攻撃の判定が分かりにくいのもつらいポイントです。 エフェクトが出ているところの外にある時もあり、内側に入っても大丈夫な時もあります。判定の残り方とか、判定の広さとか、全体的にエフェクトにあっていない印象です。
こちらの攻撃手段としても、チャージショットがやや使いにくいものとなっています。 撃った後にクールタイムが用意されているんですが、これがどこにも表示されていないので、次回の発動タイミングが慣れないことにはわかりません。これに加えて、押しっぱなしでも1発目はチャージじゃないほうが出てしまうため、無駄撃ちになるケースもあります。
細かい不満点としては、台詞がウィンドウの右端に張り付いている感じがして、ちょっと読みにくいところです。後半くらいには慣れたのであんまり気にはなりませんでしたが。
なんかやたら不満点ばっかり書いてしまいましたが、ウルファールの衣装などのこだわり方や、各種術の豊富な性能、なかなか強いボス戦など楽しめる要素は結構あります。 特に、様々な術を習得した後半はいろいろ試して遊ぶこともできます。強力なカウンターや、近距離に強い技、追尾弾、いろいろな技を駆使して、ボスを追い詰めていくのは楽しいです。
38. A GOBLIN’S TALE FOR ME
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
1.0?
クリア
良かった点
ゲームとして完成されていて、コンセプトも一貫していました
気になった点
マップがやや雑です
カジノの存在意義が分かりませんでした
レビュー ※この作品は、ウディコンのエントリーからは外れています
地下に眠るカルマ
A GOBLIN’S TALE FOR ME は、地下によろしくないものを抱えるゴブリンを操るRPGです。
地下にアレなものを隠し持つゴブリンとなって、人を助けたり、助けなかったりして物語を進行させるRPGとなっています。 人助けをしていけばやがて英雄にすらなれるかもしれませんが、己の欲望に忠実に生きることもできます。
いつものウディコン作品では物足りないあなたに。
感想 クリアできないことも覚悟してプレイしましたが、きちんとクリアできました。良かったです。
ラスボスを除けば敵も無茶苦茶なバランスでなく、マップもやたら広くなく、戦闘頻度も普通なので、当初想定していたよりはだいぶ遊びやすいゲームでした。
また、ウディタ規約ギリギリなんじゃないかというコンセプトもきちんと通貫しつつ、プレイヤーの意思によっては英雄ともなれるあたりの矛盾性も良かったです。腹のうちというか、家の地下にはなかなか黒いものを抱えていても、英雄にはなれるんですね。
マップがやや雑なことや、話しかけると変わるキャラチップとか、最初からなぜか地下室にいたりとか、なぜかカジノがあったりとか、その辺の細かい気になる点はいくつかありますが、大まかに遊びに影響はない範囲だったと思います。
39. 案内人と迷い人
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
8/9
全エンド回収
良かった点
案内人が魅力的なキャラクターとして描かれていました
Good Endが良かったです
会話で色々と哲学チックな考え方の披歴をしていくのが良かったです
周回時のスキップ機能が便利でした
気になった点
選択肢の操作性が悪く感じました
タイトル画面のようなホバー時のレスポンスがないからな気がしています
レビュー Good End へ至る細い道
案内人と迷い人 は、出口を探しつつ案内人と会話するノベルゲームです。
暗い世界に迷い込んだ主人公となって、案内人を名乗るキャラと一緒に出口を探していくという構成となっています。 暗い世界の様々な場所を案内人とめぐりながら、様々な会話を楽しむことができます。
会話には時折選択肢が現れます。この選択肢次第でエンディングは分岐していき、案内人について見えてくる姿も変わっていきます。時には疑い、時には信じて、時には鎌をかけて、案内人の本心と本当の姿を探っていきましょう。 Good Endを目指すのであればその道はか細いものです。リアクションを見て情報を集め、適切なルートを模索していく必要があります。
また、この作品は案内人に始まり、案内人に終わるゲームです。そのため案内人以外のキャラクターはほぼ出てきませんが、それが気にならないほどに魅力的なキャラクターとして描かれています。 魅力的な案内人という存在を追いかけることにより、最後までプレイすることとなってしまうでしょう。
ぜひとも案内人との会話を楽しんでみてください。
感想 作者さんの名前から漂う安心感とともにプレイできます。ハッピーエンドの解釈が異なるといっても、メリバはきちんとバッドエンドと呼んでいる文化もあるので、それほど方向にずれはないと思っています。ただ、しずくのおと のED4くらいの感覚が来ることもちょっとは覚悟しました。あれはハッピーというよりはTrueという感じがしますが。
閑話休題。やはりこのゲームは、Good Endが一番いいですし、Good Endが一番力が入っています。ただし、Good Endに入る条件はかなり面倒です。プレイ時間の半分くらいは、ここにたどり着くまでのルート調査となっています。
Good End について話すので、とりあえず未読の方はバックしてください。
恋とか愛とかで済ますレベルはやや逸脱していそうだなと思いつつ、人外だし、人智の外にある存在だしなあという気持ちがあります。あと、これは完全に妄想なんですが、最初のうちは積極的に殺してなかったとは思っていて、幾度となく死を見ることで麻痺していったんじゃないかとは思っています。 そういった存在であることを受け入れて、かつ誰よりもその虚無ループに陥っている案内人のために在り方を再構築しようとするのは好きです。執着を博愛へと転換させれば、抱えきれなかった思いも分散されるでしょう。多分。
あとは個人的に好きなのは案内人とやや哲学めいた考え方の発表会をするところで、それに対応して主人公の考え方も色々変わるのも含めて良いです。The Red Strings Clubとかでもありますが、明らかに思考を持っているキャラクターに対して、それでも感情移入させる手法っぽく感じます。
また、このゲームは徹頭徹尾、案内人というキャラクターに依拠するゲームなので、案内人というキャラクターをいかに魅力的に描くかが全てを決めるほど重要な作品なんですが、十分に魅力的に描かれていました。良くも悪くも純粋という印象を受けました。どっちに転ぼうとも。 加えてとにかくこのゲームにおける画面構成の半分をほぼ常に担っているので、会話でいちいちリアクションしてくれたりするのは良かったです。
システム面では、周回時のスキップ機能がかなり便利でした。これなしではルート探索は厳しかった。一方で、選択肢の操作性がちょっと悪く覚えました。選択してもタイトルのようなレスポンスがないせいな気がしています。
最後に、3Dミニゲームがウディコン中の突貫とは思えないくらい良く動きます。
40. フォギー・ザ・サスピシャス
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
1.08
7までクリア
良かった点
常にせわしなく動く楽しさがあります
逃げを要求されつつ、そのためには動き回る必要があるシステムが面白いです
気になった点
最終的にはかなり運の要素が強くなりそうに感じています
レビュー 隠れるために動き回れ!
フォギー・ザ・サスピシャスは、良からぬ者から逃げ回るスニーキング的なそうでもないようなアクションゲームです。
えげつない額の借金を返すために、浦間ちゃんを操って良からぬ者につかまらないようにするスニーキング的なアクションが主となっています。 9部屋くらいある部屋を行き来しつつ、良からぬ者と同じ部屋にならないように逃げ回る必要があります。良からぬものは一定ターンごとに隣接する部屋に移動するので、それも考慮して逃げるルートを決めましょう。 つかまることなく一定時間逃げ切った後に所定の部屋に行けばクリアとなります。
しかし、このゲームは単なるスニーキングアクションではありません。部屋にランダムで配置される特殊なアイテム、オーブとお札を使うことが攻略の鍵となるためです。
オーブはクリアまでの時間を短縮させてくれます。取得すればするほど、クリアまで速く辿り着くことができます。見つけたら積極的に砕きましょう。
お札は透視、潜伏、束縛の三つがあり、それぞれのいずれかがランダムで1枚取得できます。 透視があると、良からぬ者の場所が分からなくなるためクリアしやすくなります。 潜伏があると、良からぬ者と同じ部屋にいてもゲームオーバーにならなくなります。 束縛があると、良からぬ者はその場から動かなくなります。 これらの札は1ターンごとに1枚消費されていくため、その恩恵を受けたいのであれば、プレイヤーはとにかく部屋を歩き回ってお札を回収し続ける必要があります。
このように、ひたすら逃げ回りたいけれど、逃げ回るためにはアイテムが不可欠なのでリスクを承知で動くしかないというバランスが成立し、スニーキングなのに隠れないゲーム構成となっています。
忙しく歩き回るかくれんぼという体験をしてみてはいかがでしょうか。
感想 いわゆるスニーキング的な逃げ方を要求されるゲームですが、見つからないでいるために動き回らなくてはならないという一見矛盾をはらむシステムが面白いです。
もちろん、敵からは逃げる必要があるので、詰みが発生しないようにルートを決めて逃げることも大事なんですが、それ以上に大事なのがマップを回ってアイテムを回収することです。 アイテムによって見つからないターンを作り上げ、その間にまたアイテムを探し、といったループ構造で楽しめます。 スニーキングにジャンル分けしましたが、かくれんぼではなくて、常に動き回る忙しめのゲームとなっています。
敵が2体以降になってからが本番で、詰みパターンが明確になってくるためいかに避けつつアイテムを集めていくかが重要になります。
プレイ中は、常に何かしらの行動をしたいので待ちもほぼ発生せず、どんどん遊べるゲームだと思います。ただ、1プレイのクリア時間は気持ち長めな気もしています。とはいえ、これ以上短くするとぬるくなりそうなので微妙なところです。
あと、最終的にだいぶ運ゲーになりがちな気がしているんですが、上手い方は普通に長時間生存しているので、運を超える何かがありそうです。お札が拾えないと立ち回りでリカバーするにも限界があるかと思っているんですが。
41. オバケ・ファミリー Stay Away, Stay Home
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
1.0.0
HARDクリア
良かった点
3D表現をうまく使ったコミカルな演出が良かったです
短い中でのゲーム要素数のバランスがちょうどよかったです
難易度を上げる際に、ケアする要素数を増やすという対応がなされているのが丁寧でした
気になった点
画面外のシャンデリアを発火させるのは難しかったです
レビュー 逆ゴーストバスターズ
オバケ・ファミリー Stay Away, Stay Home は、ベイビーオバケを抱えながら人間から逃げ回るスニーキングゲームです。 作者のsemicolonさんは、前回のウディコンで合作という形で世界荒廃少女を出展された方です。
このゲームは、たがいに隣接した9つの部屋を行き来しながら、3人の人間に見つからないようにギミックを活用して一定時間逃げ回ることを目指しています。 ギミックには、隠れられるクローゼット、注意を引くピアノ、足止め攻撃可能なシャンデリアなどがあるため、これらを有効に活用して刻限まで捕まらないようにしましょう。
しかし、ただ逃げているだけでは上手くいきません。移動するたびに少しづつベイビーオバケのゲージが溜まっていき、溜まり切ると泣き出してしまいます。そうなるとすぐに人間に見つかってしまうので、定期的にベッドで寝かしつけてやる必要があります。 当然、ベッドに寝かしている間に人間に見つかったらアウトなので、見つからないタイミングでどこまで寝かしつけられるかというチキンレースを行う必要があります。
このように、ギミックを駆使して人間から逃げつつベイビーもケアしていくという慌ただしい時間を過ごすことができるでしょう。 HARDではこれに加えてケアするべき要素も増え、さらに忙しくなっていきます。
また、オープニングやエンディング等の演出も見逃せません。 3D表現とそれを活かしたカメラワークによりコミカルに演出されたイベントは、見ているだけでも楽しくなること必定です。
ベイビーオバケを守るためにも東奔西走していきましょう。
感想 オープニングで心つかまれた作品でした。3Dアニメしてるのもすごいんですけど、カメラワークとか、個々の動きのアニメーションとか、そのあたりの演出力がものすごく高いです。キャラクター達の動きがいちいちコミカルな感じがしていて、見ていてとても楽しいOPでした。 ただ単純に3D化してアニメーションしただけのものでなくて、きっちり3Dにした意味のあるアニメーションだと思います。
ゲームとしても短くバランスの取れたゲーム性で、全員どこにいるのかなんとなく把握しながら、赤ちゃんをベッドにいつまで置いておけるかのチキンレースができます。 隣の部屋にいてもある時間はキョロキョロしているので、その時間ずっと待ちながら、今だというタイミングで持って逃げだすのが最高に楽しかったです。
ゲーム要素数もかなりバランスが良くて、ピアノ、クローゼット、シャンデリアとそれぞれ運用の異なるギミックの使いどころを考えていくのが良いです。 個人的にはピアノがかなり強くて、ピアノで全員集めることでベッドに置く時間を稼いでいました。HARDでは特にお世話になりました。
説明が非言語ベースなのも面白いポイントで、オープニングと説明さえどうにかすれば英語圏にも出せますね。 文字で説明されるより、ああしてグラフィカルに説明されたほうが良いところもある反面、微妙に理解が及ばないところがありました。私の場合は、電気ギミックが見つからないので、何かの条件で発火するものだと思い込んでいたところです。
あとは、HARDの難しさをケアする要素の増加で対応したのが個人的に好きです。 単純に敵の移動速度や行動速度を上げるとか、赤ちゃんのペースを上げるとか、その辺の強化が真っ先に思いつくんですが、そうではないので、きちんとデザインされた別のゲームをやらせてもらえた印象です。またシンプルに、自分の性能が相対的にも落ちていないというのが好印象でした。
個人的に遊んでいて難しかったのは、画面外のシャンデリア発火をする必要があるときが運によって発生することです。 これも含めて、コンテスト中は一画面が全体に収まらないので難しいのかなとは感じていました。ただ、この画面サイズだからこそ、画面外であいつらが何をしているのかわからない緊張感が存在しているので、やっぱり画面外シャンデリア発火が難しいほうの対策が必要かもしれません。 単純にランダム生成時にある程度法則性を決めればいいような気もしつつ、それも味と受け入れたほうがいいような気もしているので、難しいところです。
HARDクリアしておくと嬉しいことがあるので、まだクリアできない方はやってみましょう。
42. ウルファールの冒険ウルファールと時の時間
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
1.10
クリア
良かった点
最初のほうのマップは、マップの大きさに応じたエンカウント率でした
色々な要素が配されています
気になった点
中盤の迷路が厳しいです
意味を感じない迷路と、高エンカウント率の合わせ技でした
強さと経験値などが比例しないモンスターは多かったです
レビュー ダンジョンも迷路を簡単にして遊びやすくしました
ウルファールの冒険ウルファールと時の時間 はRPGです。
武器屋をはじめとした色々な要素がマップ上に配されており、それらを周っていくことができます。そうして強くなったのち、ダンジョンに挑みましょう。ダンジョンでは諦めない心が大事になります。
クリアを目指してみてはいかがでしょうか。
感想 このゲームの今の率直な印象を言いますと、食虫植物です。チョウチンアンコウでも良いかもしれません。
最初のほうのダンジョンではしっかりマップに応じたエンカウント率になっていたり、そんなに無茶苦茶なバランスにしていなかったり、最初の印象は遊びやすい感じではありました。 ただ、作中中盤くらいに存在するダンジョンで印象が変わりました。ウディコンでよく見かけるタイプの、自動生成っぽい広大迷路+超エンカウント率ダンジョンです。迷路を簡単にしてという言葉を信じるべきではなかったと心が折られかけましたが、スライム以外は逃げるコマンドをできるだけ早く押す技術を身に着けて、どうにかこうにか突破しました。
武器屋の豊富さとか、建築イベント、経験値屋や戦闘屋といったように、色々な要素がある点とか、そういった点は豊富に作られているので好印象です。
戦闘バランスについては、毒/麻痺が相当強いんですが、それを除けばほどほどです。 強さと経験値/金が比例しないモンスターはちょいちょいいますし、敵のレベルカーブが微分不可能な感じもしますが、大まかにはクリアできないというほどではないですし、強すぎも弱すぎもしないとは思います。
後はプレイメモから拾ったコメントを並べます。 宿屋高かったですね、しかも同衾してませんかこれ。 レストランはキャンセルないんですね。 Lv10になったらついてくるキャラがLv5なのはなかなか高度なギャグでした。 魔王倒すより犬倒したほうが経験値多いのは罠っぽいです。
43. けもみみアイランド
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間
1.0.2
全部プレイ+スタンプラリー
良かった点
気になった点
背景と前面の絵の輪郭が馴染みすぎている印象を受けます
アクションが頭身を上げている割に動き少なめです
人狼とTRPGは一人向けデジタルゲーム用にはデザインされていませんでした
レビュー け〇〇〇〇〇ズ
けもみみアイランド はミニゲームが色々と入った、基調はアクションのゲームです。 作者の賀茂川家鴨さんは、前回のウディコンでも様々なゲームの入ったルナークの瞳――かなえのこころ + αを出展されています。
テーマパークをアクションで回りながら、スタンプラリーを集めたり、その場でミニゲームで遊んだりして進めていくことになります。 ミニゲームにはランゲームから人狼まで様々な種類があります。好きなミニゲームを選んで遊んでみましょう。
テーマパークを周りながら、様々なミニゲームを楽しんではみませんか。
感想 目パチやら背景動くのやらと凝っている印象のゲームです。
グラフィックについての第一印象は、色遣いがまぶしいなというものでした。 輪郭線が描かれていないのかと思っていたんですが、よく見ると馴染む感じの輪郭線はしっかりあったので、背景との兼ね合いとか、輪郭性が黒っぽくないせいとか、そのあたりが理由な気はします。 同じ理由で、アクション面のコインとかも、黄色背景に黄色コインを置く割には輪郭線が存在しないので、分かりにくい見た目になっています。
ミニゲームについては色々な種類があって楽しめます。ジャンルや操作はばらけているので、それぞれ独立したゲームを遊べる印象です。 とはいえ、人狼とTRPGについては、やっぱり一人でやるもんじゃないなと思いました。人狼をゲームに落とし込んでいるグノーシアとかレイジングループはどうやってるんだろう。
アクション面については色々と難しいところというか不思議なところがあって、よく地形抜けをおこすのは良いとして、そもそもなぜ頭身を上げているのかが分かっていません。 頭身を上げてアクションするタイプのゲームはプレイして思いつく範囲ではGRISとかThe Vagrant、メツァルナなどがありますけど、それらはその頭身に即したマップデザインになっています。ただ、このゲームの場合は2Dで2頭身のゲームに依拠したマップデザインという印象があります。 あと、ジャンプなどのアクションでも棒立ちなので、頭身を上げたことによるアクション見た目の変化もない印象です。
ただ、アクション面によるスタンプラリーは良かったです。ミニゲームを探しつつ、スタンプラリーも探しつつ、と探し回る体験ができました。ミニゲームを探さないとファストパスが発行されない仕組みだと、もう少し探し回る意欲が高まる気もします。そうなるとDustforceめいた感じになりそうです。
最後に、これは明言していないので規約違反じゃないって認識なんですかね。
44. DolL
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
3時間
1.21
1週クリア
良かった点
ちょっと干渉できる自動戦闘という仕組みが面白かったです
死へのペナルティが重い設計は良かったです
気になった点
武器強化は作業感強めでした
一括強化ができない、各所にばらばらに配置されているあたりが面倒です
レベル上げも作業感強めでした
ホーリーへの回答が分かりませんでした
レビュー プレイヤーは傍観者
DolL は、ほぼ自動戦闘で戦うRPGです。
プレイヤーはよりしろというキャラクターを操り、ダンジョンをひたすら攻略して最下層にあるアイテムを目指すという構成となっています。
このよりしろというキャラクターが特徴的で、一切ダメージを受けない無敵の存在で、最初のうちは「みる」という行動しかできません。見ているうちに、パーティーメンバーが自動で攻撃を始めて自動で敵をせん滅します。 少し行動できるようになっても大きくは変わらず、基本的にはメンバーの自動戦闘に任せることになります。
このため、安定して勝つためにはメンバーを強くするほかありません。レベルを上げ、装備を強化してはダンジョンに挑んでいきます。 そうして一定階層以上進むとレベル上げしやすくなったり、武器のグレードが上がったりします。定期的にメンバーを強化して、より深くまで潜っていきましょう。
ただし、キャラクターのロストには注意してください。一度死亡すると、階層ボスを倒すことなどで手に入る復活の薬なしでは復活できません。安定して立ち回れるように気を付けることが肝要です。
メンバーの死亡に気を付けつつ、ダンジョンの深くまで潜っていきましょう。
感想 死へのペナルティがめちゃめちゃ重いゲームだなと感じています。後半くらいにリカバーできるとはいえ、序盤は1体のボスで1つの復活の薬というバランスです。 序盤の死亡はゲームオーバーと同義くらいにとらえていたので、セーブはこまめに、もろもろ慎重に行っていました。中盤くらいまでは倒れた時は大体油断していた時なのでやられても納得感がありました。この辺の設計は好きです。いのちだいじに。
戦闘バランスは面白くて、3F行くと急に強くなったなと思っていたら、経験値魚を倒してレベリングしないといけないバランスになっています。 だいたい3Fごとくらいに区切りがあって、そのたびに何かしないと進むのが難しくなる感じです。ダンジョンをただ進むだけではダメなので、戻って情報収集しつつ効率良さそうなレベル上げ手段を探す必要があります。
後は武器もキャラも成長させないと進めないシステムなのは結構面白いです。 ただ、武器の強化が多分意図的にばらばらに配置されているので、その辺が面倒でした。いかなエンカウント削ったとしても、ぐるぐる回るのは面倒です。一回ダンジョンのそこまで行ったら、町にも配置されるようになるとかが欲しいところでした。武器強化するルーチン組むだけで10~20分かかります。
ついでに言うと、最大強化に16個の無印が必要で、それらすべてを一つ一つ手作業で強化させるのも面倒です。例えばA武器一つあって、それをA+4にしたいなら、8+4+2+1回ぐるぐる選択肢を連打する必要があり、しかもその場所に向かう必要があります。 さらに、選択肢の位置は保存してくれないので、真ん中の選択肢を選びたいならただの連打では無理というダメ押しもあります。この辺のせいか、強化の作業感はかなり強めです。
同様に、レベル上げも結構作業感強めです。先述したように魚を倒す必要があるので、レベリング用の敵を倒すという体験になります。 はぐれメタルとかは見つけて倒せたから嬉しいと思っているので、確定はぐれメタルを延々と倒すことでレベリングとしているのは若干もやっとします。たぶん魚レベリングが必須っぽいのがもやもやの原因な気もしています。閣下が最低レベルまで引き上げてくれるようなシステムにするのと何が違うんだろう。 終盤くらいの黄金魚も結局レベリング対象になったりしているので、レベリング作業が苦じゃない人は便利なのでいいと思います。
あとは、敵の強さの付け方は結構思いきっています。レベル上げて装備整えれば楽勝で、そうでなければ全滅くらいの温度感です。メリハリが強い。 そして、レベルをどれだけ上げても終盤ボスのホーリーでほぼほぼ なぶられます。性能上げても1200近辺のダメージになっていたので、これの回答がクリアした今でもわかっていません。やられる前にやれ以外方針がない気もしています。 一応、MP切れは観測したので、よりしろが蘇生できれば勝機はあるのかもしれません。 ここに関しては、ホーリー2連発されたら負けるのでその前に勝つゲームだと思っています。
よりしろの蘇生などについては、結局戦闘中にどうやって発動するのかわかりませんでした。みる、たたかう、アイテムしか選択肢がないです。蘇生自体はメニューから選べるんですが。何か特殊な手続きを踏むと、特殊技能が開放されるんですかね。
最後に、裏ボスがものすごく弱かったです。 あのストーリー自体はよかったので、よりしろ君の戦闘会話のバリエーションは欲しいかもなとは思いました。あそこは演出の入れどころな気もします。 それだけに、裏ボスの一発で沈む弱さがいまいち達成感に結びつかないのがちょっと物足りなかったです。
45. L0ST M@IL
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
1.01
クリア
良かった点
探索物として必要な要素がすべて揃えられていました
会話ベースで描かれるSF的世界観が良かったです
いろんなオブジェクトにちゃんと反応がついています
気になった点
レビュー 失われた手紙を届けに
L0ST M@IL は、短くまとまった探索ゲームです。
手紙を届けた先にいたアンドロイド、ロゼットの記録を探すために、部屋のあちこちを調べていくというゲームになります。 部屋のいたるところで物を調べると会話が聞けて、それにより物語が進行したり、ただの世間話が聞けたりします。どんどん調べていきましょう。
調べていくにつれ、博士の人となりや、この世界のことをちょっとずつ知ることができます。気になる人は二回以上調べてみるのもお勧めです。
こうして物語を進めていくと、ロゼットの失われた記録が明らかになっていきます。全体を通して短いですが、心に残るような物語となっています。
ちょっとSFな世界観に浸って物語を体験していきましょう。
感想 短編の探索ものが押さえていると嬉しいツボが全部抑えられているので満願です。 調べて出てくる会話の量、単体としてみた会話のテンポ、会話が匂わす世界観、大事な場面でポンッと入る一枚絵、物語の規模感とマップの規模間の調和、そのあたりが全部入っています。
特に、会話ベースで語られていくSF世界を想像するのが楽しい作品でした。あとは断片的に見えるシイナ博士の人物像も良いです。ずぼらで優しくて優柔不断な性格を伝聞のみで感じ取れます。色々なことから逃げ出してしまう人間としての弱さはあっても、執着は捨てきれないし執着に対しては頑とした強い意志があるあたり好きです。
短編なので短いことは短いんですが、その短さに探すのが好きな人は楽しめる仕掛けは入っています。結構な数のオブジェクトで会話が聞けて、そのうちの多くが2回目に別の会話も聞けます。個人的にはもっと聞きたかったので、後一部屋くらい絡みが欲しいくらいです。 聞きたい人はとことん聞いて、そうでもない人はそこそこで済ませられるようになっていると思います。
これは所感ですが、最初にコアの入れ替えで別人になる云々の会話が提示されるので、そちらがキーなのかと思ってプレイしていました。最終的にはどちらかといえばテロのほうがキーだったように思っています。
46. ゲー製ゲーム
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
40分
1.02/1.21
優勝(185/404点)
良かった点
UIの反応と動きが気持ちよいです
ランダム性に翻弄されつつも、リソース管理でそれを制圧するバランスが良かったです
ゲーム制作あるあるネタが豊富で良かったです
行動とレスポンスの繰り返しのテンポ感が早めでした
気になった点
アイテム上をマウスホバーしても、アイテムそれ自体の説明が見れませんでした
アイテムをクリックしないと説明を見ることができません
レビュー 進捗どうですか?
ゲー製ゲーム は、サイコロによる運をリソースで制圧していくすごろくゲームです。
プレイヤーはゲーム制作者となって、ウディコンを目指します。ゲーム制作は苦難の道のりなので、サイコロを振った先のマス目には、シナリオが泥沼に陥ったり、突然仕様変更したり、はてはヤギに轢かれたりといったイベントが待ち構えています。 そういった苦難を乗り越え、ウディコンにゲームを出していきましょう。
基本的なルールはすごろくなので、サイコロを振って出た目の数値だけ進めていき、そのマスのイベントを消化するという流れになります。 しかし、このゲームの場合はサイコロが二つある上、アイテムという概念があります。
まず、サイコロは二つあるので、どちらかの出目を選ぶことができます。先々を見据えつつ、今どちらを選ぶべきかを考えましょう。 さらに、アイテムの効果によっては、これらの出目を操作することもできます。この二つの要素を上手く使うことで、ランダム性を制御することができます。
また、アイテムにはHPやMPを回復するという重要な役目もあります。ゲーム制作は前途多難なので、妄想がはかどってMPが回復することもあれば、残業でHPが減ったり、バグが増えてMPが減ったりもします。特に、ゲーム完成直前はHPもMPも減りがちです。 そこで、GABAやら魔剤を摂取していくことで、減った体力を回復してくことが大事になってきます。これはゲームなので、後のことを気にする必要はありません。ガンガンカフェインとお菓子をとっていきましょう。
そうしてゲーム制作の波乱万丈なイベントをこなしつつ、一定ターン数が経過すればウディコンが開催されます。泣いても笑っても期日は伸びません。たとえそれがβ版であっても完成品として提出するしかありません。できるだけ練度も完成度も高めて出展することを目指してください。
ゲーム制作者の身に降りかかる数多の試練を、簡単に追体験してみましょう。
感想 この作品は、UIの反応が気持ちいいです。ぷるぷる動きます。ウルファールは進む時も平行移動ではなく跳ねるように進むし、アイテムやサイコロも使ったときはアニメーション付きで消えるし、サイコロは転がって現れるし、カードは気持ちよく現れます。
あと、常にわかりやすく説明が入っていて、しかも悪目立ちしていません。画面がすっきりしています。何より、説明が常に同じところに出ているので、何かわからない点があったらマウスホバーしてそこ見るだけで済みます。情報が分散していないのもプレイしやすいポイントです。
ゲーム性としても、常にランダム性に翻弄されつつも、それらをアイテムと二個あるサイコロのどちらを選ぶかという判断によって封じ込めていくという楽しさがあります。 ランダム性は確かにあって、出目やMP消費とかクリティカルな部分にも関わるんですが、それらを調整するための仕組みがいい塩梅で入っているので、運をプレイスキルでねじ伏せた錯覚を覚えられます。スコアアタックまで行けば運の要素が顔を出しそうですが、楽しむ分にはプレイスキルでねじ伏せれば十分です。
どれくらい遊び方で何とかなるかというと、初見で遊んだ「彷徨の都ポギス」が81%★52に対し、二作目「ゴリラのためなら消える」が113%★60です。どちらも優勝はできましたが、明らかに後者の方がクオリティ高めです。やはりゲームを1本完成させるという経験が2作品目のクオリティアップにつながりますね。皆さんもウディコンにゲームを出しましょう。
閑話休題。ゲームのあるあるネタもいいです。ウディコンという、割と作者サイドも遊ぶことが多いコンテストならではという感じがします。 αまでとβまでとマスターアップまででイベントが違ってくるのもそれっぽくなってますし、それぞれ本当にあるある感があります。 ベータ終わり際に待っている沼とか、マスターアップまであとはブーストして作るだけなのに、ちょいちょいバグが出てくるから掃討しなきゃいけないのとか、その辺がすごろくでうまいこと表現されています。
一回の思考というか、取れる行動が少ないのも好きです。少ない中にも、先々のマスも見てどのアイテムとサイコロを使えば後々有利かを判断できるという、迷うポイントはきっちりあります。 行動とレスポンスと次の行動の提示が交互にテンポよく迫ってくるので、気持ちよく最後までプレイできます。
唯一気になった点といえば、アイテム上をマウスホバーしてもアイテムそのものの説明が出るので、アイテム固有の説明はクリックしないとわからないことくらいです。ほぼいちゃもんの領域です。 これは、アイテムという仕組み自体の説明をどこかにはさむ必要があるので当然といえば当然なのですが、アイテム使用後に別のアイテムの説明が見られない点がやや厳しいです。買い出し後に知らないアイテムが出た初見時の戦略の組み立てに影響します。
最後に、オンラインランキングが魔境ですね。スコア算出の計算式は分かりませんが、40000超が恐ろしいことはよくわかります。私は17000くらいのペーペーです。
47. 冬呼びの旅路
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
1.03
全エンド/トロコン
良かった点
全体を通した完成度が高いです
グラフィックのクオリティも、配する箇所に応じた解像度も素晴らしいです
マップの細かい要素が雰囲気を醸成しています
実績システムとありとあらゆるところにネタを仕込む作品性がマッチしていました
気になった点
マウス操作由来らしきバグが散見されました
そもマウス操作できることのメリットがあまり見受けられませんでした
別ゲーからのセルフ共演のためか、キャラの掘り下げが弱く感じたこともありました
レビュー タンス漁りがちな人へ
冬呼びの旅路 は、完成度の高い探索RPGです。 作者のさかあがりさんは、前回のウディコンでも探索型RPG 一朶の仇花を出展されています。
このゲームの特徴は、細やかな要素にまで手が入れられたマップによる雰囲気の醸成と、それにとどめを刺す一枚絵の美しさです。 大理石や水面の反射から、焚火のほのかな明るさ、影あるべき所に影が差すところにまで、マップが一つの演出のように組み上げられています。 そこに印象的な一枚絵が差し込まれることで、作品の印象を一気に高めてくれることでしょう。
作者さんの前作からの客演も含めて、様々なキャラクターが登場するのも魅力の一つです。 大きく掘り下げられるのは主人公二人だけとなっていますが、他のキャラクターについても、もっと知りたくなることでしょう。
また、RPGでタンスを漁りがちな人向けには、実績システムが存在しています。とりあえず片っ端から色々と調べることでイベントが発生し、実績が解放されていきます。とにかくタンスというタンスを漁り、ツボというツボを割る方にはぴったりの設計となっています。 もちろん、ただの実績なので興味のない方は完全にスルーすることもできます。
美しい世界でタンスを漁ってはみませんか。
感想 前作もそうなんですが、完成度が毎回高い方の作品です。クオリティが担保されています。 グラフィックのクオリティが高いのは見ればわかるので言うまでもない所ではあるんですが、とにかく一枚絵が美しいです。あと、立ち絵、歩行グラフィック、戦闘グラフィックとそれぞれ存在しているんですが、それぞれの解像度が完璧です。描くべき所を描いているという感じがします。
演出と大かっこでくくれそうなものはオープニングや各章の終わりにあります。特にオープニングのシームレス演出がかなり好きです。ただ、それだけではなくて、他にも細かなレベルの演出というか雰囲気を出す仕組みが埋め込まれています。 大理石と水面の反射とか、焚火のほのかな明るさとか、影あるべき所に影さすところとか、画面を構成する小さな要素にも気を遣われているのが分かります。
そのうえで、色々と挑戦的な内容も含まれています。クォータービュー戦闘に関しては、戦闘がメインというわけでもない作品にもかかわらずきっちり作られています。 良くアニメーションしますし、技を打てばエフェクトもきちんとクォータービューに即した見た目で出ます。おそらくクォータービュー向けでないエフェクトもあるんですが、うまくキャラクターを横に並ばせることでそれっぽく見せています。 個人的に一つクォータービュー戦闘システムで悲しいところがあるとすれば、プレイヤーキャラクターの顔が見えないことくらいです。
あとは、実績を開放していけるシステムと、あらゆるところにネタを仕込もうとする作品のやり方がいい感じにマッチしていました。各章ごとに実績が見えるシステムなので、見逃してもある程度は挽回が効くのもよかったです。
個人的にプレイしていて気になったのは、決定キーを連打されないためなのか、文章が終わってからちょっとウェイトが挟まります。ただ、せっかちでないと気付かないレベルだとは思います。 あとは、マウスでも操作できるようになっているんですが、それ由来っぽいバグが散見されました。そもそもキーボードというRPGや探索を操作しやすい媒体があるのに、わざわざマウスで操作する必要があるかはやや疑問ではあります。スマートデバイス向けを視野に入れると意味はありそうですが。
システムとかの話をしたので、次は物語というかキャラの話をします。 登場キャラクター数が結構多いですが、みんないいキャラをしています。さっと出てさっといなくなるのがもったいないくらいです。幾人かは別ゲーからのセルフ共演らしいので、あんまり掘り下げないのもそのあたりが要因でしょうか。主人公二人以外の掘り下げは弱めでした。 個人的にはニグラくんが一番良いキャラをしていると思います。
48. チップドロボーン
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
5分
1.00
14枚
良かった点
気になった点
借金許容、回数4回固定のため、あまりギャンブル性はありませんでした
レビュー 0 or 9
チップドロボーン は、4回のギャンブルに挑むゲームです。
0-9枚のチップを提出したのち、胴元が1-9の数字を公開し、それ以上のチップを出していたのであれば、胴元の数字の2倍のチップが得られるという流れとなります。
期待値としては0か9の二択ですが、時にはギャンブルに出てもいいかもしれません。 簡単なギャンブルをやってみましょう。
感想 これはゲームというか性格診断な気もしています。リスク取ってでも儲けを得たい人なのか、あんまり損をしたくない人なのか。ゲームだからリスク取るんでしょうけど。
何回かやって0が出なかったので、1-9が出ると考えて、期待値的には9をかけ続けるのが最良です。最悪ケースで最悪の被害を受けるかけ方ではありますが、基本的には得をします。 本当に損をしたくない人なら、少しでも得になった瞬間に0枚で逃げ切ればいいと思います。
例えば、手持ちにチップがあって借金を許さないならば、最大枚数かけである9を選択するのにはややためらいが出るかもしれません。初期チップが10枚で借金できないなら、最初に9枚をかけて1が出てしまって3枚手持ちになったらジリ貧です。
この辺、借金を許している部分と、かける回数が4回と決まっているあたりがギャンブル的な駆け引きがあんまりないところな気がしています。この手のゲームに対して、そういう話は野暮というものだとは思いますが。
49. 神話解体論
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
3時間
1.07
全エンド
良かった点
ドット絵で描かれる人物が美しいです
トウソウパートがゲームに緩急をつけています
主人公が主人公らしくない存在であることが良かったです
気になった点
CメニューXダッシュの割り当てが混乱しました
Cキースキップなので、同じ高速化処理としてダッシュもCキーだと混乱しなさそうです
レビュー トウソウせよ
神話解体論 は探索を経てトウソウするアドベンチャーです。
まず基本的には探索をし、アイテムや要素を集めていくことになります。 その中で人に話を聞く際は、あらかじめ質問をセットしておくことで、色々な話を聞くことができます。必要な情報を聞き出すために適切な質問を選んでおきましょう。
探索を進めていくことで、トウソウパートに入ることができます。ここでは、闘争か逃走を選ぶことになります。能力が足りていれば闘うこともできますが、足りないのであれば逃げるしかないでしょう。闘う意志があるのであれば、あらかじめ能力を上げていくことをお勧めします。
こうして探索とトウソウを繰り返して、落園からの逃亡を図るというシナリオとなっています。 このシナリオの中でトウソウを成功させて良いエンドへと向かうには、様々な情報を集めておく必要があります。しっかり質問をしつつ、トウソウに立ち向かっていきましょう。
また、このゲームの特徴であるデカダンスな美しさを彩っているのは、精緻に描かれたドット絵です。美しく描かれたマップはもちろんのこと、目も口も動くキャラクターのグラフィックは生きているかのような生々しさをもって迫ってきます。
退廃的な雰囲気を存分に浴びながら、トウソウに身を投じていきましょう。
感想 これは主人公が救われるべき存在でないのがいいです。救われるべき存在が順当に救われるのはプレイヤー心理に適当なので、すんなりと感情移入できます。ただ、救われるべきとはいえない存在が、それでも救いを求めて救いを手にする時には、感情移入の前に大きめの壁で隔たりが生まれていると思います。それをタイトル画面をもって示している気がして、この演出込みで好みです。
ドット絵で描かれる人物が美しいのはそうなんですが、目パチ口動くでより生きているという感覚を覚えます。オープニングの段階で映えるなと感じていました。
トウソウというシステムについては、動きが機敏なので良かったです。UIや動きのスタイリッシュさで、割かし作業めいたゲーム性をカバーしていました。制限時間や相手に応じた特殊挙動、襲ってくる向きによる違いや、トウソウ中のランダム性なんかは一切ないんですが、探索の合間にスピーディーな展開が差し挟まれるので良い緩急になっています。
システム的な個人的混乱ポイントとしては、CメニューXダッシュです。ウディタのよく見る割り当てと逆だからですね。あとは、CキースキップでXダッシュというのが、同じ高速化手段なのに別キー割り当てなのがやや混乱します。ダッシュして会話したときにスキップしないためなんでしょうか。
キャラクターや世界観については、必要最低限掘っておいて、あとは諸々想像するスタンスな気がしています。想像可能なレベルの情報はありますが、見えていない部分は結構多いです。そこら辺を創造で埋めていくのが楽しいです。
あと、エンディング分岐に応じたストーリー展開も好みです。Trueに行くのはそこそこ難しいんですが、探索していれば何とかなります。ストーリー展開の中では、祝に対するあのセリフが、Badを最初に向かった時と、Trueに向かった時とで大分印象が違っていて、言い回し上手いなあと感嘆していました。
神話解体論それ自体についてもある程度は謎で、断片的には想像できます。集合の形成する常識が神を作り上げていくのは、宗教史的にも正しいように思います。殺人とか強盗が良くないのは、集団の心理的安全性が崩れて和が崩壊する結果、群れて生きることが難しくなるせいで群れる恩恵を獲得できないためだと思っているので、個の視座で見るとそこまで悪いものでもないときもあります。それが悪たりうる常識付けにおいて、運用的に神は相当優秀な概念だと思います。なので神を解体せしめるのはまあまあ危険な概念ではあって、それを断片的に摂取して己の信念に符合させていたアドルフの思考は気になります。
50. よるよるすぴりっつ
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
40分
2.0
全アイテム
良かった点
精霊さんも効果音もかわいらしいです
クリア時のわちゃわちゃした演出が良いです
気になった点
レビュー おなやみ中の精霊さん
よるよるすぴりっつ は、色を配置してつなげるパズルのようなミニゲームです。 作者のすぷりーさんは、前回のウディコンも含めて、精霊さんシリーズともいえるすぴりっつ作品を出展されている方です。
四色が四方にランダムで配された正方形を、色がつながるように次々と貼り付けていき、ある程度溜まったら還元ボタンを押して得点とするという流れが基本となります。 つなげればつなげるほどポイントが高くなっていくため、どこまでつなげてから還元するかも考えていきましょう。
そうして進めていくと、最後に精霊さんを起こすゲームが始まります。そこでは、これまでとやや趣向が異なり、最後に到達するまでに取得したアイテムが重要となってきます。
アイテムは、きっちり得点を稼ぐことで入手できます。また、得点を稼いで隠しステージに入ることで、さらに取得することもできます。 最後に向けて、しっかり道中のステージをクリアしていきましょう。
精霊さんのお手伝いをしてみませんか。
感想 この方の作品ではクリアが一番難しいんじゃないかと感じています。ただ、コツをつかむと安定してクリアできるようにはなります。ルールを把握するのにはそこまで時間がかかりませんが、要領を把握するのにちょっと時間がかかる感じです。
最初にプレイした時は次に何が来るかもわからず、手元に来た札に対する依存の強い運ゲーだと思っていました。クリアできない時の理由が見えなかったのもあります。 ただ、やっていくにつれて、上手く並べることよりも、回転率を上げていくことと盤面を埋めていくことのほうが重要だとわかり、ぐっとクリアしやすくなりました。ハイスコアを狙えば運ゲーかもしれませんが、少なくとも運が相当悪くない限りクリアは可能です。確かに、裏パートについてはたまに全然来なくてミスになることもありますが、そこは愛嬌です。
精霊さんがかわいらしく、効果音もかわいいので癒されながらやれます。 クリア時の演出というか、あのわちゃわちゃ感もいいです。それまでお馴染みの精霊さんの特色ある喋りを聞けてなかった分、ここで聞けて良かったです。
51. 雪子の脱出
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
1.02相当
全ENDクリア
良かった点
誘導は親切でした
絵柄が可愛らしい雰囲気のものでした
気になった点
触れるオブジェクトが一見して分からないので、総当たり気味になることがあります
レビュー 謎の家からの脱出
雪子の脱出 は誘導が優しめの探索型脱出ゲームです。
閉じ込められてしまった女の子の雪子を操って、部屋からの脱出を試みていくというお話になります。 全体的な雰囲気は穏やかで、絵柄も可愛らしいものながら、終盤の展開はほんのりダークなものとなっています。
ゲームとしては短く、導線も親切なのでサクッとプレイしてクリアできることでしょう。 迷ったとしてもマップは狭いため、色々なものを調べていけば活路が見いだせるはずです。
コンパクトにまとまった脱出ゲームはいかがでしょうか。
感想 短くまとまった作品という印象です。破綻なく、規模感もちょうどよい程度に作られています。
誘導自体は割と親切で優しく、たまにわからないことがあっても物を調べていけば何となく見えてきます。 ただ、触れるオブジェクトかどうかの区別はあまりついていないので、とにかく決定キーを連打していくことにはなります。総当たりして分からないということはないけれど、総当たり自体はどこかで必要くらいのバランスです。 マップの規模感的には、総当たりしても問題ないくらいではあります。
顔グラフィックが結構凝られていて、アイテムの耳をつけるとちゃんと耳がつきます。絵柄それ自体も可愛らしい雰囲気のものでした。
どうでもいい話ですが、一時期エントリーから外れたため、保存していた投票が吹っ飛んだことがありました。エントリー外れるとそうなるんですね。多分エントリー外れた状態で送信すると、その投票がない状態で上書き保存するということでしょうか。
52. やどにげ
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
1.00
9 / 9 (6超クリア)
良かった点
安定ルートを見つけ出して構築する楽しさがありました
敵の性能が優秀です
リトライを即時にできるのが助かりました
気になった点
画面が4:3なので、奥行き側の敵が予兆が見えないうちから発射してくるケースがあります
レビュー 殺意高めの動物から逃げきれ!
やどにげ はジャンプを駆使して迫りくる動物と弾丸から逃げきる回避ゲームです。 作者のYADOさんは、前回のウディコンではパズルのようなクイズのようなアクション、言葉週間を出展されていた方です。
はじめのうちこそ接触しない限り攻撃しないうさぎを相手にしますが、徐々に弾丸を撃ち始める犬やら、長射程のカメレオンやら、はては誘導弾を持つ狐を相手取るようになっていきます。 これらの殺意が高い攻撃に対抗するには、ジャンプが不可欠になってきます。 ジャンプを利用することで、一定時間無敵になることができるため、この機能をうまく使ってやり過ごしていきましょう。
そうしてステージを攻略していけば、さらなる高難度ステージが開放されていきます。全部で9ステージある上、それぞれクリア条件を大幅に満たすことで超クリアという状態にもできます。
超クリアを目指すには、どれだけ安定したルートを構築し、どれだけそれを正確に実行できるかが鍵となります。何度もリトライし、相手の行動を固定化できるルートを探りましょう。 上手くルートがはまってクリアできた時には、大きな達成感を得られること必定です。
見た目とのギャップがある高難度の避けゲームをやってみませんか。
感想 この見た目でそこそこ難しいので、そのギャップが凄い作品でした。 避けるタイプのゲームはよく見るやつでは相手の性能がそんなに高くなく、数で押されるから辛いみたいなものなんですが、このゲームは相手の性能が高いうえに数で押してきます。
基本的には瞬時の判断力以上に、安定したルートを発見するほうが大事です。反射神経を求められる場面が最小ですむルートを見つけて、それを正確に実行すれば大体クリアできます。 そのルートを知るためにはなかなかリトライが必要とはなりますが、リトライ自体は即座にできるので楽でした。
瞬時の判断を難しくしているのは、敵の性能の高さです。予兆エフェクトはかなり一瞬で、反射神経をフルで使いつつ、そこにいることを知らないとほぼ分かりません。加えて、カメレオンなどの一部の敵は見えないところで予兆を出して撃ってくるのでそもそも無理です。そして、弾の速度はまあまあ速いので、弾を見て避けるのにも反射神経が要求されます。 なので、瞬時判断で避けるというよりは、ルート構築で敵を固定化する方が安定します。
特に誘導弾の性能がものすごく高くて、シューティングでプレイヤーが打つような性能をしています。多少左右に振った程度では当たるので、直角で曲がるかジャンプでやり過ごすかの二択みたいなところがあります。ジャンプ回避したとしても、進行方向が同じなら着地後にヒットすることもあるので、ジャンプ回避と相性の悪い攻撃でもあります。
敵の性能が高いついでに言うと、自機の性能はまあまあ低いです。ジャンプによる無敵時間はかなり短めなので、慣れないうちはジャンプ回避もまともにやるのは難しいです。
個人的にしんどかったのは、画面が4:3であることです。 横方向の敵は感知しやすいんですが、縦方向にいる敵は感知しにくくなっています。相手の索敵能力は多分円形っぽいので、カメレオンなどは上下で遭遇したら見えない位置から弾を打ってきてダメージを負うみたいなことになります。 全方位ゲームなので、どの進行向きも平等の視認範囲が欲しくはありました。
あとこれはどうでもいい自分語りですが、作者のYADOさんのサイトYADOTはツクールでゲームを作っていた時代には大分お世話になりました。このサイトの自作戦闘を見て組んでいた時代がプログラミングの走りとも言えます。 おかげさまでゲームプログラマーにもなれましたので、この場を借りて御礼申し上げます。
53. げきをつくろう!
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
4時間
Ver3
全エンド/おまけ全部
良かった点
とにかく勢いのあるストーリー展開でした
ただし、構成は勢いに任せずにしっかりと組み立てられいます
げきをつくるSLGパートで活気づいていく感じが良かったです
キャラクターは勢いに負けない力強さがありました
気になった点
あまり重要でない三点リーダ近辺でもウェイトが挟まるのがテンポを落としていました
終わり方がもやもやします
レビュー ハチャメチャ活劇
げきをつくろう! は、途中にSLG風ミニゲームもありつつ、基本的にはノベル風味のアドベンチャーです。シナリオが主体となってゲームが進行していきます。
親友かつトラブルメーカーであるアイに流されるまま劇団を作り、その準備に追われていくがという物語となっています。
とにかく勢いのあるストーリーラインが特徴的で、アイを始めとしたアクの強いキャラクター達が次から次へと現れては活躍していきます。どんどんと賑やかになりつつ、そのキャラクターたちの勢いのまま物語の展開も二転三転していきます。 目まぐるしく変わっていく流れの中で、ストーリーは当初想像もしなかったところに着地していくことになります。
しかし、そんな勢いに飲まれることなく、キャラクターたちはそれぞれが生き生きと動き、物語の構成も空中分解することなくまとまっています。 ジェットコースターに乗ったような物語展開ながらも、振り落とされる心配はありません。
また、途中のげきをつくるSLGパートも忘れてはいけません。 各パートに人を割り振りながら宣伝も欠かさずにいれば、様々な人が合流して劇団は活気づいていきます。劇団をしっかり活気づけておかないと、ちょっとした問題が起きることもあります。しっかりと宣伝にも力を入れてやっていきましょう。
鮮烈な勢いに身を任せてドタバタな物語を楽しんでいきましょう。
感想 勢いのあるストーリー展開が凄まじいです。どれくらい凄まじいかというと、ともすれば置いていかれるレベルです。勢いで突っ走っていく主人公の友人が理由の一つで、もう一つは途中から入る急展開です。
2時間やっていた時の感想が、この物語はどこに着地するんだろうという感覚で、4時間やり切った感想はそこに着地点を見出すのかという気持ちです。 世界観が渋滞を起こしているように見えながらも、濁流のような勢いで停滞させずに押し流してくる勢いがあります。途中くらいから何を読んでいるのかわからなくなりつつありました。
ベースはノベルゲームだと思っているのでジャンルもノベルにしましたが、微妙に歩き回るところもあります。公称もADVっぽいRPGです。 マップの当たりがちょっと引っかかりを覚えたりしますが、近づくとその部屋名が出るシステムとか、キャラチップが個性的なところとか、見どころはあります。特に、近づくと部屋名が出るシステムは、入れない扉が明示的に分かるので良かったです。
あと、途中にげきをつくるSLGめいたところがあり、そこも楽しめます。どんどんと人が増え、活気づいていく感じが好きです。 惜しむらくは、分岐にあんまり影響を与えてくれないのと、リザルトやその後のストーリーで触れるといった展開がなかったところです。ざっと見た感じ、BAD行く以外では特に影響なさそうですし、しれっと劇を作らなくなっていくので、完全になかったことにされます。そこそこ面倒な工程を踏みつつ成長させてきたパラメータが破棄された悲しみがあります。 せめて、おまけ最終エンドでちょっと触れてくれるくらいでもあると嬉しかったです。 あと、パラメータの伸びがあまりよくないので、達成感が薄かったのもあるかもしれません。
ノベルパートが本編であり真骨頂だと思うのでそちらに触れます。 前半、中盤、後半でそれぞれ別の物語かというくらいに展開が急転直下で変わってきます。ついでに言うなら、おまけも別の物語です。 そんな忙しさをしているので、アイという勢いの化身みたいなキャラクターがいなければ間に合わないレベルでしあ。というか、アイに限らずそれぞれこのキャラクターでなければ出せない勢いがあります。
展開自体はぶっ飛ばしているんですが、中盤~後半くらいの骨子は姉妹のそれぞれの形を軸に構成されているので、空中分解はしません。展開それ自体は勢いで突っ走っている部分はあるんですが、勢いだけで突っ走った物語構成ではありません。そのあたりの構成が凄くうまいです。 色々と姉妹の形はあるとは思いますが、個人的には狂っているなと思いつつも会長の姿勢が好きでした。全員基本的に一貫しているので良いです。
なお、私が置いていかれかけたのは後半のハードコアストーリーで、最初に思っていた世界観から唐突に切り替わったので混乱していました。最初のうちは、そもそも殺傷能力がそんなにある武器を使っているとすら思っていなかったです。 戦闘描写自体はうまくやっている印象なんですが、世界観への理解が足りていないので状況を理解するのに時間がかかっています。
最後にエンディングというか終わり方ですが、伏線をどれだけ張っても回収はあんまりしません。そういう意味で、読み終わったときに終わったという感覚は覚えませんでした。 結局、開かずの扉は何だったんでしょうか。
54. Cigar In The Room
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
1.04
クリア
良かった点
Cigarが良いキャラでした
画面全体のシックなデザインが良かったです
バグすらネタに昇華するメタ具合は好きでした
気になった点
レビュー 首なし男とのひと時
Cigar In The Room は、白い空間Roomから脱出するため、首なし男Cigarと協力して謎を解くという脱出ゲームになります。
脱出ゲームではありますが、アイテムを拾って行くというタイプではなく、パズルを解くということがメインになります。そのパズルは、ソリティアやハノイの塔のようなパズル的なものから、メタ的なものまで様々あります。 それらのパズルに対して、Cigarと話しながらクリアを目指しましょう。
このゲームの魅力は、なんといってもCigarというキャラクターにあります。 小粋な言い回しから平気でメタネタを言い放ちながらも、それを自然に感じさせる魅力があります。 ゲームが終わるころには、Cigarを友人だったかのように思い、別れることを悲しく覚えることでしょう。
Cigarと謎を解くひと時を過ごしてはみませんか。
感想 センスで作り上げた世界であり、ゲームという感じです。 描かれている世界はただの白い空間で、共にいるのは頭のない黒塗りの人型なのに、醸し出している雰囲気は魅力的です。どういう理屈なのかうまく言葉にはできていないので、とりあえずセンスと呼称しておきます。
画面構成成分は白と黒と茶色というシックなデザインで、Roomの白が、黒いCigarを上手く目立たせています。色彩を持った色というか、原色というか、そういう目立つ色を使わずに、落ち着いた空間を構成しています。
たぶん、原色が使われた一般的な見た目の部屋なりマップで、同じようなミニゲームをやらされたら飽きるような気がするんですが、このゲームはそのデザインで頭を使うシンプルなパズルをプレイできる空間を作り上げています。
世界観は常にメタメタしいんですが、それを自然に感じさせるCigarというキャラが凄く良いです。このゲームにおける唯一のキャラなので、こいつが好きになれるかどうかだけでゲームの評価が決まるレベルで大事な存在なんですが、完全に勝利しています。強い。案内人と並ぶ二強。 バグですらネタにし、それをこのキャラクターに言わせることで許容ラインどころか魅力にまで押し上げているのはズルいとすら言えるかもしれません。
Cigarのこの愛すべきキャラっぽさもまた、どういう理屈なのか全く言葉にできていないので、これもセンスと呼称しておきます。言い回しが好みというのはありそうです。
謎に関しては、最高難度は一つ目のソリティアだと思います。ゲーム時間のおおよそはこれを解いていました。他はちょっと考えれば大体できます。ハノイの塔なんかは何回か解いたことがあるやつです。ゲームでも7th Sectorとかでやっています。
55. エメラルドパラディン
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
1.1
クリア
良かった点
色々なシステムが盛り込まれていました
ストーリーは王道として完成されています
気になった点
スキルストーンの戦闘開始時文章が決定キー押しっぱなしでも進行しないのが面倒でした
イベント中に主人公だけ歩行モーションをしていないのが目立っています
会話でキャラが切り替わるたびにウェイトが入るのがテンポ感を落としています
レビュー 聖属性のRPG
エメラルドパラディン は色々なシステムが盛り込まれた、軽度の百合表現を含むRPGです。 友達に支えられながら成長していく少女の物語を軸に、RPGを楽しむことができます。
このゲームの特徴は、とにかく全体的に清くある雰囲気です。物語の展開、台詞の選び方に至るまで、あらゆるところが大体清い作品となっています。 清く正しく美しく成長していく少女の物語が、純粋に描かれています。
また、RPGとしても敵を倒すと買える武器が増えたり、スキルストーンというアイテムを得ることでスキルを使えるようになったりと、様々なシステムが盛り込まれています。 どうしても勝てなくなったときは、スキルを見直すか、レベルを上げることで乗り切っていきましょう。
清いRPGをプレイしていきませんか。
感想 この作品は、聖属性のゲームです。物語の展開とか、台詞の選び方とか、あらゆる所が大体清いです。先生のあのシーンだけは除いてもいいかもしれませんが。 私はプレイしていて良い意味でむずがゆさを覚えていたので、多分聖属性が弱点だと思います。
色々とシステムが盛り込まれていて、敵倒すと買える武器増えたりとか、スキル習得の仕組みとか、属性の概念とか、スタンの概念とか、諸々あります。 ただ、戦闘バランス自体はレベルを上げて物理で殴れば大体大丈夫なバランスになっています。せっかくいろいろ用意されているんですが、戦略立てる時間とレベル上げで対策とする時間が同じなら、戦略立てるのが面白くない限り後者をやってしまうのでやや勿体ないです。 戦略を立てないと勝ちにくいボスなんかは用意してもよかった気もします。
あと、スキルストーンというシステムがあるんですが、これが戦闘開始時に文章を表示し、かつ決定キー押しっぱなしでは進行しないという面倒さがあって、最後まで外したままでした。雑魚戦でもお構いなしなので、結構テンポ感を損なってしまっています。
グラフィック周りで言うと、最初のころは人物絵の透過漏れが気になっていたんですが、割とすぐに気にならなくなりました。単に慣れたのか、最初のあのシーンが透過漏れが目立つ背景だったのかは定かではありません。 あとは、細かいんですがイベント中にずっと主人公だけ歩行モーションしていないのが目立っていて、こちらは結構最後のほうまで気になっていました。多分、主人公以外はイベントで歩行モーションつけていて、主人公はプレイヤーなので歩かない限り歩行モーションにならないからですかね。 それとこれは余談ですが、先生のあのシーンでの主人公の立ち絵、左腕正常に見えます。
ストーリーについては、冒頭で言ったように聖属性で、王道として完成されています。 キャラクターが大体良い子な上に、思想もあんまり曲がっていない素直な感じで、物語としても素直な展開で進んでいきます。最後のほうの展開も好きです。 闇龍が罪と言い出した時は、いやあなたが力を与えたが故の所業だし、あなたが認めた力の使い方じゃないのかと思わんではなかったですが、振り返ると神の傲慢さっぽくて良いです。
一点気になるのは、会話でキャラが切り替わるたびにウェイトが挟まるところで、これがイベントのたびにやや辛かったです。文章出したままウェイトするのはまだ文章読むためとわかるんですが、そのあとのウェイトはウィンドウも何もない中の待ちなので、そこそこ虚無いです。
56. 異の時の城塞と封印の魔竜
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
6時間
0.08
クリア
良かった点
グラフィックが素晴らしいです
エンディングが良かったです
演出の面でも物語の終わりという面でも良いエンディングでした
気になった点
物語が行き当たりばったりな感じでした
マップで結構な頻度でイベントが入るのがテンポを落としていました
戦闘バランスは意図した壊れ方をしていますが、攻撃力とHPの関係性が釣り合わないことがありました
レベルが足りないと敵わない強敵ではなく、HPが多くて倒すのに時間のかかる敵という印象です
レビュー ダメージは100万を超えるもの
異の時の城塞と封印の魔竜 はダメージがインフレしたRPGです。最終的には、レベルや武器によって100万を超えるダメージを与えていくようになります。 作者のろぜちは080さんは、ウディフェスでこの作品の外伝的立ち位置の、とある二人の脱出話を出展されています。
インフレしていく戦闘を乗り切るには、レベルを上げることはもちろんのこと、装備も重要になってきます。城をしっかりと探索し、装備を拾い集めることを忘れないのが肝要です。 もし勝てなかったり時間がかかるようであれば、いったん戻って装備を探すのも必要かもしれません。
また、このゲームはグラフィックも凄まじいものとなっています。 線の迸りを感じる敵グラフィックはもちろんのこと、外に出た瞬間に広がる赤く染まる背景から、エンディングなどのカットシーンの一枚絵に至るまで、並々ならぬクオリティとなっています。 特に、画面全体を覆うようなボスのグラフィックには圧倒されることでしょう。
美しいグラフィックの敵に100万超のダメージを与えていきましょう。
感想 グラフィックが凄いゲームです。敵とか背景の線が迸っています。人間キャラクターのほうは普通に描かれているので、見にくいということもありません。終盤くらいの外に出た時の景色とか美しいです。
あとは、エンディングもよかったです。全力でグラフィックによる演出を突っ込んできます。最終的には物語がうまいこと着地するのも良いです。この件も含めて、総じてグラフィックのクォリティは高いです。
マップのグラフィックも美しいんですが、ものすごく広いことに加え、同じような部屋が続くので、迷子になる可能性は高めです。親切にも終盤以外はイベントでワープして目的地側へ誘導してくれるので、それに従うのが吉です。うろつきまくれば、多分戻るのには苦労します。 ただ、ワープのせいで今どこにいるか全くわからなくなることもありはします。目印もないので、それっぽい分かれ道の形状とかで覚えましょう。
個人的には、マップで結構な頻度でイベントが入るのがテンポを下げているように感じました。 そのうえ、そこで行われる会話は、
ここはどこだろう
進んでいるんだろうか
分からないけど進むしかない
のパターンで構成されるものがほとんどのため、大体は内容を感じませんでした。物語展開上必要そうなのは全体の1/5くらいかなとは感じているので、それ以外はイベントをまとめると丁度良い塩梅になりそうです。
戦闘については、表記にある通りぶっ壊れています。文字通り桁が違います。ただ、その桁の外れ方はFFAやディスガイアのようなものではありません。それらの作品の場合、明らかにレベル違いと戦ったら大体秒殺されます。一瞬で、ここは立ち入るべき所ではないと明瞭に分かります。 このゲームの場合は、レベル違いというかステータスが足りなかったとしても、防御力とHP面では何とかなってしまうことが多く、攻撃力が主に不足します。この結果、何分も殴り続けるみたいな事態を引き起こす可能性があります。
私は前作をウディフェスでプレイして該当現象に見舞われたので、今作では徹底して歩き回り、アイテムを回収することを決めていたので、事なきを得ています。ジャンルを探索RPGにしたのもその辺が理由なので、これからプレイされる方はできるだけアイテムを回収することと、戦闘を回避しないことを念頭にするとやりやすいと思います。
ちなみに、それを示す一番わかりやすい例は、ドラゴンマミーです。この時点では明らかに倒すのに時間がかかるHPながら、攻撃力は全くないので時間だけが過ぎ去っていきます。 強敵のバランス調整として、HPをひたすら引き上げるというデザインはあんまり好きではないので、もう少し別のバランスもとってほしくはありました。FF12のヤズマットもただHPが高いのではなく、凶悪な連続攻撃やらサイクロンやらがあるから強敵だったので。
続いて物語ですが、行き当たりばったりに最後まで付き合わされる気持ちを覚えました。こっち行こう、じゃああっち行こうの繰り返しになっています。 その中で少しづつ真実が明らかになりはするんですが、やや知らないキャラの知らない話が展開されるので追うのが辛いところはあります。ただ、最後のエンディングあたりの展開は分かりやすく、綺麗にまとまる良い展開でした。
個人的に気になったのは、あれだけ避けていたドラゴンに対して、とりあえず埒が明かないし助けに行こうというふわっとした理由で挑んだあたりです。この展開も行き当たりばったり感は出ています。 あとは、書物のところで、本がいっぱいというコメントとともに映る画面に本が一切なかったのが、どこまでもプレイヤーとの実感と乖離していくなあという気持ちになりました。
Readme読んだ感じだと、隠し武器前提でバランス調整しているようで、結構思いきってるなとは思っています。加えて、隠し武器をせっかく持っていても、それを無効化するように後半は動いてくるので結局効いていないあたりもどういう調整したのかは気になるところです。
57. おしまいのーと。
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
3時間
1.04
11/15 (END BCDE)
良かった点
家という身近な空間をホラーへと昇華させています
宿木陽花のキャラクター造形は良かったです
謎解きがひねられていて良かったです
物語構成が見事でした
気になった点
レビュー オシマイ
おしまいのーと。は、自分の家という空間を舞台にした和風ホラーです。 作者のカッパ永久寺さんは、第9回ウディコンでロンリテキに敵を倒すロンリークエストを出展された方です。
このゲームをプレイすることで、TV、ゲーム、風呂場など、見知ったはずの自分の家というテリトリーが、恐怖に塗り替えられていく様を体験することができるでしょう。あくまで家そのものは大きく変えず、様々なそこにあるものを使った恐怖を演出しています。
それに加えて、ストーリー構成の巧みさも見どころの一つとなっています。 この作品はエンドが全部で15個あり、幸せなエンドにたどり着くには、全ての真実を明らかにする必要があります。 真実にたどり着くためには、ただ漫然と調べているだけではいけません。しっかりと調べ、違和感の正体にたどり着く必要があります。そうしてその正体に気づいた時には脱帽すること請け合いです。
さらに、ストーリーを盛り立ててくれるのが、主人公の宿木陽花です。 およそホラー作品の主人公とは思えないのほほんとした顔の彼女ですが、いざという時には誰よりも思い切りよく、妹を守るという覚悟を持っています。 彼女の覚悟を垣間見れるエンディングでは、そののほほんとした顔に凛とした雰囲気を感じ取ることができるでしょう。
また、ホラーを彩る様々な謎解きとギミックも忘れてはいけません。 それぞれの謎解きはひねられているため、一筋縄では突破できません。よく考えて、冷静に対処していきましょう。どんなに道がないように見えても、必ず突破口はあります。
数々の苦難を乗り越えて、ぜひとも幸せなエンドをその手に獲得してみてください。
感想 ホラーは閉鎖空間かつギミックを配置しやすい洋館みたいなものをベースに構成されることが多いと思っているんですが、この作品は「自分の家」を舞台としています。 そして家にありそうなものを使って恐怖を演出していて、身近な空間をホラーへと染め上げた作品となっています。
隠し部屋はともかくとして、スマホ、TV、ゲーム、風呂場、ありとあらゆる所に差し込んできます。家というごく限られた空間で、見た目をあまり変えることなく詰め込んでくる密度は高めです。突然の目覚まし、物が落ちるなどのランダムギミックもいい味を出しています。 サムネがブラクラめいていて、そういう類なのかと思っていたんですが、それ以上の恐怖を味わえました。
それにもかかわらず、プレイヤーキャラの顔グラフィックがものすごいのほほんとしているので、恐怖のピークアウトは早めです。内実は陰惨でも、宿木陽花がのほほんとしているので優しめのホラーに見えます。 それいでいて、宿木陽花はやる時は思い切りよく、妹を守らんと覚悟を決めるので格好よくもあります。このキャラクター造形は素晴らしかったです。
また、作中の謎解きもなかなかひねられています。注意深く観察して、6桁に変換する癖をつければいける塩梅です。特に、TEKTEK QUESTは発想もさることながら、演出面、ゲーム性、隠し場所の表現方法としても画期的に感じました。
色々作品として好きなところは上記のようにあるんですが、中でも一番好きなのは物語の構成です。 伏線の張り方とミスリードの構成が絶妙で、冷静にすべての情報を照らし合わせて、必要な情報をそろえない限りきっちり誤解するように作られています。目の前のわかりやすい事実に飛びつかない精神力が必要でした。
全体的にホラー作品としてかなり好きな作品でした。多分、私が物語がはっきりしているほうが好みで、ホラーはその辺をぼかすことで恐怖を演出しているケースが多いせいだとは思います。そういう意味で、クロエのレクイエムとか、狂い月とかは好きでした。 この作品は、物語の骨子がきちんと成立していて、クリアするまでずっと楽しむことができました。
58. フランケンシュタインの花嫁
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間20分
1.00相当
クリア
良かった点
ストーリーが醸し出す雰囲気が良かったです
必要なアイテムは光るので探索の助けになりました
気になった点
謎解きの難易度は序盤のほうが難しく感じました
マップが広いうえに、部屋名が分かりにくいです
レビュー つぎはぎの怪物
フランケンシュタインの花嫁 は、ストーリー主体の探索ゲームです。多少追いかけられる要素も含んでいます。
愛犬ヴェルデを探しに屋敷内に迷い込んだ少女が、その屋敷に囚われたアクアと出会い、屋敷の主人の秘密に迫っていくという物語となっています。
基本的には探索をメインとして進行していき、アイテムを集めたり人を探したりすることでストーリーが進んでいきます。 時には謎解きに直面しながらも、指定のアイテムを探して館を歩き回っていきましょう。
ストーリーそれ自体は短いですが、きっちりと転を挟みつつ、結に向かって落ちていくような展開を楽しむことができるでしょう。
雰囲気の良いストーリーを味わってはみませんか。
感想 ストーリーが醸し出す雰囲気が良く、遊び終わればテーマが一貫して返しもある良い物語でもありました。短いながらも物語としての線は切れることなく通貫されています。
物語の展開自体もいくつか転を挟みつつ、落ちで一気に持っていくのがいいです。終わり際に 変に引き延ばしてきません。 私はこの手のゲームで最初に良くしてくれる人は黒幕ポジションと疑う癖があるので、ダイさんを大分疑っていましたが、最後まで善い人でした。疑って申し訳ない気持ちがあります。
あと、セオが老夫婦を監禁しているのはエドのためなのかなとか、メイドがつぎはぎである理由は何なんだろうとか、いろいろ考えることがあって楽しいです。
ゲームとしての第一印象ではマップ広いなと感じていて、それに加えてネームプレート的なものもないというのが追い打ちをかけているので、マップの把握はちょっと難しいです。 ただ、導線ではどこそこの部屋に行こうといわれるので、まあまあ迷います。中盤くらいでようやく地理を大体把握できました。
私の中の利便性を司る部分が館のスケールは1/4でいいだろうと言っていて、私の中の雰囲気を司る部分が、いや主人公の頭身が高いんだから下手に狭くすると違和感あるよと囁いてきます。この辺りは判断が難しいところです。 せめて全体マップか、部屋の前に部屋名を示す何かがあれば助かるかもしれません。
ただ、マップは広いですが、必要なアイテムは光ってくれるので部屋の総当たりだけで大体何とかなります。部屋数自体もそこそこありますが、別館的な部分に立ち寄ることはまずないので、部屋から部屋への移動自体は楽です。
謎解きについては、手ごたえがあるものと、本質はお使いに近いものの二つに分けられると思います。序盤の二つをはじめ、最初のほうは前者が多く、中盤から終盤にかけては後者が多めです。 そういう意味でも、一番難しい「謎解きしないと進めない」ところが序盤に固まっているのがちょっと厳しいです。ストーリーを継続してみたいかどうかの判断がつきにくいタイミングで来るので。ただ、個人的には序盤の謎解きは骨があって好きです。
あと、これは余談ですが、フランケンシュタインは怪物を作った博士なので、この場合はセオの花嫁という意味になります。エンド名を見る限り意図的だと思うので、怪物の花嫁は見つかれど、フランケンシュタインの花嫁はついぞ見つからなかったということでしょうか。
59. QUEST OF FIRE
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
4時間
1.31
クリア
良かった点
戦闘バランスが良かったです
戦闘省略システムのおかげで、上手く戦うモチベーションがありました
強い雑魚を何度も同じルーチンで倒す必要もなくなっています
豊富なサブイベントがあります
砦や城壁がそれらしいマップとなっています
気になった点
重要な要素の時間を見るためのアクセスが面倒でした
王国の復興をもう少しグラフィカルに見たかったです
レビュー 王国を復興し、魔王を討て!
QUEST OF FIRE は、戦闘をしつつ王国を復興させ、魔王を討つこと目標としたゲームです。
基本的にはRPGのため、戦闘をしてレベルを上げ、ダンジョンを攻略していき、最後には魔王に立ち向かうというものになります。 雑魚でも上手く戦わないと負けるバランスとなっているため、気を抜かずに攻略していきましょう。
しかし、魔王に立ち向かうには足元がしっかりとしていなくてはなりません。国が衰退したままでは装備もろくにそろえられず、兵力も低いため魔王軍に攻め込まれたら一貫の終わりです。 そのため、プレイヤーは戦闘で得たアイテムを国に納めたり、各地に散らばった人員に話しかけて戦力としたりすることで、国力を上げていく必要があります。 そうした地道な活動を経ることで、装備は充実し、地方の食糧事情も改善し、魔王軍が攻めてきても撃退できるようになり、いよいよ魔王に拮抗できるようになっていきます。
また、そういった地道な活動をしていく中で面倒な雑魚戦を、便利に省略できるシステムがあります。このシステムを使うことで、以前戦ったときの消費を払うことで勝利したことにできます。 このシステムを上手く使うには、雑魚をできるだけ消費少なく倒す必要があります。上手く考えて最小消費で撃破し、以降は楽していきましょう。
加えて、様々なサブイベントがあることも魅力の一つです。パーティーの性能を上げるイベントから、ちょっとしたイベント、釣りやバードウォッチングといったものまであります。 ご褒美もあるので、息抜きにやってみるのも良いでしょう。
パーティーのレベルを上げ、国力も上げていくことで、魔王軍を討ち倒せる力を身に着けていきましょう。
感想 戦闘バランスがいい感じになっているゲームでした。私がほぼレベル上げすることなくダンジョンを攻略していったのもあると思うんですが、雑魚でも上手く戦わないと負けるヒリヒリした戦いができます。
遺跡入口なんかはきちんと準備しなかったらぼろ負けしましたし、ラスボスも装備と攻略方針を決めてから挑まないと完膚なきまでに叩きのめされました。 大事なのは火力で押し切る力と、それを安定して叩き込める準備です。終盤はファランクスがかなり強かったのでお勧めです。
加えて、戦闘省略システムというのがあって、これがかなり画期的かつうまく機能していました。 上手く戦うことでその情報を残して、以後同じ編成の敵に対して同等の消費を払って勝ったことにするというものです。
上手く消費少なく戦うことで、今後の周回もしやすくなったり、雑魚に出会ったときに何も考えず省略できるようになるので、雑魚相手でも上手く戦ってやろうというモチベーションにつながります。 あと、そこそこ雑魚が強いんですが、このシステムのおかげで強い雑魚と何度もやる面倒が避けられています。最初の雑魚との戦闘で強く思い、2回目の戦闘で攻略をぶつけ、うまくいけば3回目以降はスキップできます。 一回ルーチンを構築した敵に対して、再度そのルーチンを適用する作業をしなくていいのも助かります
王国復興をゲームコアに掲げているように、そのあたりの演出も良いです。 最初のうちこそ各地がボロボロですが、アイテムを納品して国力を上げていくことで、徐々に各地の事情が良くなるのを観察できます。 きっちり、買える装備が強くなるといったゲーム的な還元要素もついてくるので、王国を復興させるために色々奔走したくなります。 個人的には、もうちょっとグラフィック的な面での演出もあると、より復興感が強まって良さそうに思っています。建物が徐々に修復され行くとか、砦が最初は見るにも耐えない陰惨な様相を呈していたりとか、そういった落差がグラフィックの面ではあまりありませんでした。
あと、個人的に好きなのは砦というか城壁が城壁っぽいマップになっていることです。他のマップと比して、この辺に力が入っているのがうかがえます。
豊富なサブイベントもあって、ミニゲームから各地の人物に話しかけるイベントまで色々とイベントがあります。 これと国の情勢やパーティー構成を選べる自由度も相まって、最初に把握するべき情報量はまあまあ多めに感じます。ただ、必要なタイミングで聞けるように、いつでも話しかけた時にしか説明を始めない形式になっているのでプレイの阻害にはなりません。
その中でも重要な要素の時間という行動制限があるんですが、これへのアクセスはちょっと面倒です。メニューから2階層下にあるので、見に行くのがややおっくうになります。常に画面右上に時計などのUIを表示するシステムとかが欲しくはありました。片道勇者みたいなイメージです。 ただそれを用意すると、今度は時間変化でライトが変わるなんかのシステムも欲しくなりそうなので、単に残り時間表示だけでもいい気はします。
クリアと書いてあるのはネタバレ防止のためで、私はラスボスを倒したのと、アインもクリアしています。アインのモードは戦闘だけでサクッと終わるという感じでおまけとして面白いです。 尻切れENDは見られていないですが、マルチENDを謳っているわけではないので良しとしています。
60. わたしがあなたを悩ませる
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
1.3
51/51/57(達人)
良かった点
シルエットクイズとしてイラストが豊富でした
イラストの図鑑にはフレーバー的な楽しさがあります
ゲーム1回が絶妙な短さをしているのでついついリトライしてしまいます
気になった点
レビュー あなたがわたしを悩ませる
わたしがあなたを悩ませる は、降ってくるシルエットを当てるシルエットクイズです。 作者のHMKEY14代目さんは、ウディフェスにてサクセスなランゲーム、グレートサクセスを出展されている方です。
まず、生物、食品、美術品のジャンルと難易度を選んでからゲームは始まります。一つのシルエットが降ってくるので、そのシルエットに合うイラストを二択の中から選んでいきましょう。 成功すれば次に行き、失敗すれば少し時間を置いてから次に行くことになります。連続で正解していくことでタイムラグなく進められますが、あんまり悩むくらいなら適当に選ぶというのも大事になってきます。
また、全部で3x50種ある画像の中には、明らかに分かりやすいペアから、ぱっと見では判断が難しいペアまで多彩に存在しています。目を皿のようにして瞬時に判断していく必要があります。
ゲームに集中して疲れてきたら、それぞれの画像の図鑑を閲覧してみましょう。図鑑を開いて、どういったものがあったかをゆっくり眺めるのも乙なものです。 フレーバーテキストやその画像の名前も用意されているので、妙な画像の由来もわかるようになっています。
悩ましいシルエットクイズにチャレンジしてはみませんか。
感想 何かついついやってしまう魔力みたいなものがあるゲームです。今回のウディコンだと星影のお散歩なんかと同じタイプです。
シルエットクイズ3種がきちんと遊べる程度にイラストが用意されているのが、まず凄いです。 加えて、シルエットにすると絶妙に難しいものからそうでもないものまで、幅広く用意されています。とはいえシルエットにして回答不可能とならないように、ある程度特徴が残っているのも素晴らしいです。このあたりの塩梅が完璧でした。 htol#NiQ のシルエットクイズはなかなか理不尽な速度で消えますが、このゲームは特徴を見る時間くらいは残してくれています。
また、各イラストに図鑑の説明が付いているのも良いです。やりすぎて疲れてきたあたりにフレーバー的楽しみを味わってから戻ることができます。 ついでに、どういったものがあるかを見ておくことができるというメリットもあります。 個人的には、サモトラケのニケとイヌガミケのミケのセンスが好きです。
ゲーム1回1回も絶妙な短さをしているので、ついついリトライしてハイスコアを目指したくなる楽しさがあります。 操作性もシンプルなうえに直感的なので、脳からの電流でそのまま動かせるような気持ちになれます。何度もやっていくうちに、指がある程度勝手に動くようになりました。 ちなみに、私が50超えるまでに一番粘ったのは食品でした。蛇を筆頭に、焦るとミスりやすいのが多い印象です。
どうでもいいですが、これだけ彼女と書いてありながら、なぜかあのキャラを男だと思っていました。
61. 6選ミニゲーム
ジャンル
作者
ミニゲームオムニバス
HRGAME
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
10分
1.00
一通りプレイ
良かった点
気になった点
コモン集から移植しただけという感じがします
テトリスや鬼ごっこ、シューティングは遊びにくいです
レビュー HorLorRはコモン集で配布中
6選ミニゲーム は6種のミニゲームが入った作品です。
落ち物、鬼ごっこ、じゃんけん、おみくじ、HorLorR、シューティングゲームというラインナップとなっています。
ミニゲームをプレイしたいあなたに。
感想 感想としては、公式のコモン集にあったものとかを混ぜたやつかなという感じです。個人的にはHorLorRが一番好きなんですが、これは公式のコモン集にあるやつです。
落ち物については、テトリスではないのでストレス強めとなっています。スコアがないのは置いておくとしても、壁際回転ができなかったり、テトリミノのワンセットが順列で振ってこないで完全にランダムで抽選されていそうだし、画面上で回転もできません。 テトリスもどきを作るならば、テトリスを観察しないといけないことが分かります。霊石重ね などのゲームはきちんと処理されています。
鬼ごっこはメニュー開けば止まります。夜は制限時間がないかもしれません。
シューティングについては、自機の当たり判定が辛めです。画面の狭さと弾の密度から不可避もあり得ます。あきらめましょう。
ちなみに、この作品が今回のウディコンで数少ない配信前に許可が必要なタイプです。 このコンテストは大体ご自由にとなっている緩めのやつが多いので気を付けていきたいですね。 フィールドバックと感想も受け付けていないようなので、ここは章立てが感想と書いていますが、つぶやき程度だと思っていただけると幸いです。
62. フェイタルスピア
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
1.00相当
クリア
良かった点
気になった点
おそらく何らかのバックボーンを共有していないとストーリーを追うことが難しいです
レビュー 不可思議なる世界
フェイタルスピア は、不思議な異世界で展開される物語を楽しむアドベンチャーです。 作者のみずゆさんは、前回のウディコンでも不思議な世界を描いたfor getを出展されています。
ゲームを始めると、近年の異世界ものへのアンチテーゼかのような物語が展開されていきます。次々と目まぐるしく変わる展開と物語は、最後に一気に収束されます。
異世界ものへの理解がある方はプレイしてみてください。
感想 この作品を端的に言い表すと、not for me です。私がこれを理解するに足るバックボーンを持っていなかったという感覚を得ました。
おそらく背景に某氏絡みの影響があるのか、近年のなろうと呼称される異世界ものへのアンチテーゼがあるのか、そのあたりはおぼろげに了解できるんですが、そっち方面に疎いのでメッセージが受け取れなかった感じです。 前作for getは夢の世界という了解のもとある程度咀嚼で来たんですが、異世界という了解が己の中に構築できていなかったようです。申し訳ないです。
世界観の解釈に失敗しているため、ストーリーの大筋を追うのにすら大分苦労しました。 そもそも、会話の中のどれが人名で、今がどういうシチュエーションで、どういった感情が動いているのか、それを追うことすらあまりできたとは言えません。
ただ、後半の展開と、リボルバーをぶっぱなし続けていく体験はなんとなく良いような気がしました。そこはかとない熱を感じることができます。
後半の全員集合的な展開は某氏の展開に似ていて熱いんですが、某氏の場合はそれまでのゲーム中での協力という積み重ねと、何らかの理由でそれが失われてしまったという(デスパレートマンションのように場合によってはプレイヤー体験も含む)喪失感を経たものであったので、この作品の場合は入り込めなかった分ちょっと浅い体験となってしまいました。
そんな感じで、浅瀬でぴちゃぴちゃして帰った人による感想なので、もっと深く潜った人から感想を得たほうが有意義かもしれません。
63. THE CANDLE LIGHT
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
40分
1.0
全ENDクリア
良かった点
グラフィックという面において頭二つくらい抜けた作品でした
芸術品が芸術品然として作られ、それらの魅力を演出で際立たせています
一本道になりそうなところを様々な装飾で飽きさせないものとしていました
気になった点
クリアのためには、全体ではなくてメイド近辺を見る必要があるので、画面全体の美しさを感じるのが難しかったです
レビュー 洋式陰翳礼讃
THE CANDLE LIGHT は、メイドを操って洋館の絵画を調べたり蝋燭をつけたりする、一方通行横スクロールゲームです。 作者の鉄人37号さんは、ウディフェスにてこの作品の元となる作品を出展されています。
一方通行とあるように、プレイヤーが操作するメイドは前進しか知らず、後退の二文字は辞書にも説明書にもありません。そのため、絵画や蝋燭の取りこぼしがあっても戻って取得することはできなくなっています。 一歩一歩、慎重に進んでいきましょう。
このゲーム最大の特徴は、芸術然として描かれている美術品の数々です。 美術品に限らず、館の廊下や書架からメイドに至るまで繊細に美しいグラフィックで描かれていますが、殊に美術品はそれ単独で物語るレベルのクオリティとなっています。 進むにつれて変容していく絵画と、それから暗示されるヘンリーの末路に、残酷なまでに美しい美術品が導いてくれることでしょう。
加えて、それらの美術品を覆う蝋燭の頼りない明りと、あらゆるものを飲み込む陰影が美術品の美しさをより際立たせています。
美しき美術品の数々に呑まれながら蝋燭に火を灯していきましょう。
感想 ことグラフィックという面においては頭抜けた作品でした。絵で物語ることができるレベルのグラフィックをしています。芸術品が芸術品という説得力を持って、芸術品足りえている作品ともいえます。
30枚用意されているそれらすべてがきちんと芸術品めいたクオリティを維持しつつ、それらが物語まで演出しているのには脱帽です。 個人的には熟れた果実が狂気を内包しているようでいて好みです。最後に迫力ある提示で強く印象に刻み込まれる復活の日も好きです。
加えて、ただでさえ良いグラフィックを、塵の表現などの光の表現で陰影を際立たせていて、より美しく仕上げています。終盤一気に引きになるカメラなんかも荘厳な美しさを演出していました。 全体的な画面が常に完成されていて、これでもかという感じで雰囲気を味合わせてきます。歩く道に破綻した画は一つもありません。
ストーリーそれ自体は短いものながらも、絵画作品で彩られる雰囲気抜群の廊下を歩いていくことで、重厚な世界に浸っているような気分が味わえます。 館の中というバリエーションが乏しくなりそうな廊下を、絵画作品と書架、鎧などを駆使して飽きさせないものとしていた点も素晴らしいです。
これは大分個人的な体験の話になるんですが、ウディフェスでやっていたバージョンに比べて、かなり遊びやすくなっているのも印象的でした。マウスクリックで移動+マウスクリックで蝋燭をつけるみたいな操作性は統一感はあったんですがやりにくいので、今作でキーボードで動かせるようになったことで大分やりやすくなっています。
64. 君はヒの魔法使い
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間30分
2.07
全エンド制覇
良かった点
クリックしたらパラグラフに飛べるなど、電子ゲームブックとしての利点を活かしていました
魔法の画数を足す、謎解きを挟むなどにより、ただの読み物でなく能動的なものとしていました
一文字の魔法で色々とできる世界観が面白いです
気になった点
アイテムでもクリックしたらパラグラフ遷移してほしいケースがありました
レビュー 干、日、火、氷、飛、悲
君はヒの魔法使い は漢字魔法使いが存在する世界観の中で描かれる電子ゲームブックです。 作者のうどんのたまごさんは、前回のウディコンではとにかくドラゴンに挑むことにドラマ性を描いた、ひたすらドラゴンを倒すだけを出展されています。
漢字を描いて魔法とすることのできる世界において、ヒの漢字を扱える主人公が同級生を連れ戻すために遺跡に向かうという物語となっています。
遺跡にたどり着くためには様々な困難を乗り越える必要があり、そのためには漢字が必要です。 乾かしたければ干、燃やしたければ火、飛びたければ飛と、状況に応じて魔法を使っていきましょう。魔法を使うことで、ゲームブックのページをその画数分だけめくることができ、状況が変化することになります。
また、遺跡にたどり着くには謎を解く必要もあります。魔法が絡むものもあればそうでないものもあるため、しっかりと考えて取り組みましょう。いざとなればパラグラフをめくれば進められますが、それはズルという最終手段です。
そうしていくつものパラグラフをめぐり、時にはあきらめたり、時には失敗しながらも、同級生のもとへと辿り着くために進めていきましょう。
デジタルで遊びやすくなったゲームブックを遊んではみませんか。
感想 プレイしやすいゲームブックでした。電子ゲームブックの強みとして、クリックしたらそのパラグラフに飛べるという機能があるのが便利です。 他にも、ひとつ前に戻るなどが可能な履歴もあって、電子ゲームであることの強みを十全に活かしています。
それでいて、システムそれ自体はプレイヤーの善性に任されているのはアナログで良い感じです。 ワンループでアイテムを取り上げはしないですし、漢字をチェックしたかどうかを判断する機構もないです。表面的な操作は電子の強みを活かしつつ、根幹のシステム部分はゲームブックのアナログな所を感じさせるバランスだと思います。
単なる読み物ではなく、魔法の画数を足すという行為や謎解きを挟むことで、能動的に色々とできるのもよかったです。 謎解きはそこそこ難しく、全エンドを確認するのは結構難しかったです。魔法が絡むところは大体総当たりで行けますが、そうでないところは意味を考える必要があります。
私のやり方は地図を作りつつ、そこで発生するイベントを雑に覚えてルート構築していました。3週目くらいでGoodEndらしきものまではいけました。 各ポイントの大きさが分からなかったので、地図はずいぶん不格好になってしまいました。見比べた感じでは、十字路あたりがごちゃごちゃしています。
ストーリーについても、一文字の魔法でいろいろできて、分離やら結合やらがあるという世界観が面白いです。 また、どのルートに入っても、分かりやすいように丁寧に描かれた物語の展開を楽しめます。
個人的に気になったところは、アイテムでもクリックしたらパラグラフ遷移してほしい場面がちょっとあるくらいです。全体を通して遊びやすい作品でした。
65. 女神様の育てかた
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
4時間30分
1.08
クリア
良かった点
基本的に放置で行けるくらいにプレイヤーの移動が賢かったです
ショートカットのおかげでインベントリの整理は捗ります
ストーリーは緩くコミカルでした
気になった点
お金がだいぶ余ります
装備の際に、現在装備のデータが下に、選んでいるデータが上に来るのが違和感がありました
レビュー 賢いAIに探索は任せよう
女神様の育てかた は、放置でも動かせるリアルタイムストラテジー風のゲームです。
プレイヤーはダンジョンを探索するウルファールさん達に指示を出すことで、敵と戦わせたり、アイテムを拾わせたりすることができます。
基本的にウルファールさん達は賢いので、こちらが特に指示を出さなくても近場の敵を倒し、アイテムも拾って、ゴールを目指してくれます。 しかし、たまに詰まっている時や、次の階層に向かう時、ボス戦で効率よく戦う時などはプレイヤーの力が必要です。放置しておきながら、ちょくちょく状態を確認してあげましょう。
そうしてダンジョンを潜っていきつつ、装備を拾ったり強化したりしてさらに深く潜っていきましょう。 ダンジョンを潜るにつれて、ゲームも進行していき、始終コミカルな物語も進んでいきます。
AIに探索は任せつつ、ちょっと操作してウルファールさん達のお手伝いをしましょう。
感想 基本的に放置で行けるのはよかったです。完全に放置にはならない面はあって、次の階層に向かう時やらキャンプやらで止められはしますが、大まかには放置で楽できます。 行動が結構賢くて、あんまり無駄もなく、あんまり壁にもぶつからず、適度にうまく回っている印象でした。出口を見つけると固まることもありましたが、頻度はあまり多くはりません。
個人的には、もうちょい移動速度を上げてほしいところではありました。敏捷性で速くなるシステムなので限度もあるかとは思いますが、(x1.5みたいな)ゲームスピードの増加システムなんかでも補えそうです。実装は面倒そうですが。
私がやったバージョンでは、敵を倒すと金がドロップするシステムに変わったせいか、戦闘のバランスはそこそこ良かったように思います。いい感じに倒しつつ装備を集めていければ、ちょっとやられるくらいでクリアできました。 ただ、金は余ります。前述のように、後からのテコ入れなのでしょうがない面はあるとは思いますが、余った金を突っ込める施設があると良かったです。 倉庫の拡張とか、訓練場みたいなシステムとか、ランダムで装備が手に入るとか、その辺ならコスト安そうな気がします。
操作性も面白くて、キーの組み合わせによるショートカットが慣れると捗ります。インベントリの整理を頻繁にするゲームなので、この辺の配慮はありがたいです。もちろん、ソートシステムはさらに偉大でした。
若干戸惑った点としては、ステータス画面で装備する際に、現在装備のデータが下に、選んでいるデータが上に来る当たりです。 選択データは常に選択される可能性があり、装備はそうでない以上この並びなのだとは思うんですが、インベントリが下側にあるので逆転している印象を受けます。
ストーリーは短くとも、ゆるくコミカルに進行していくのがいいです。ヒゲが一回性能落ちた時は誰よりも強くなる布石だと思っていたんですが、そんなこともなくテキトーに強い程度で済んでいるのが彼っぽくて良かったです。
66. 塔と魔女
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間
1.11
クリア
良かった点
戦闘バランスが程よく難しかったです
ボスが各々戦い方のバリエーションを持っています
気になった点
ワープに乗らないと地点登録されないのが罠に感じます
レビュー 技能を盗み、戦術を構築しよう
塔と魔女 は、敵の力を抽出して戦うRPGです。 敵と戦いながら塔を上り、道中のボスや強敵に挑むというオーソドックスなRPGとなっています。
このゲームの特徴は、敵から技能を抽出することができることにあります。 戦闘中に抽出コマンドを実行することで、勝利後にその敵固有の技能を得ることができます。主人公はこうして得た技能のうち最大で4つまでを装備することで使えるようになっていくという寸法です。
序盤のうちこそ攻撃スキルや回復スキルなどの基本形ですが、徐々に補助やら状態異常など癖の強い技も得られるようになっていきます。 それらの技能を上手く使うことで、強力なボスとの戦いを有利に進めることができます。様々なスキルを試してみましょう。
スキルを組んで強敵に挑んではみませんか。
感想 戦闘バランスが程よく難しく、短い中で戦闘を楽しめるように配されていたゲームでした。 スキルを使っていかないと雑魚にも負けるバランスなので、程よく緊張感を持って進めます。一定以上進まないとワープできるようにならないので、退くか進むかを選んでいく緊張感もあります。 ただ、ワープに乗らないと地点登録されないのは若干罠なので気を付けましょう。
雑魚は雑魚で強いんですが、各ボスや強敵も各々戦い方のバリエーションを持っていて良いです。役割が被っていない印象です。 火力特化の脳筋やら、魔法を乱発するタイプやら、仲間を呼び集めるやつやら、それぞれの特性を捉まえた戦略をぶつける必要があります。 上手く戦わないと苦戦し、悪い行動をすればやられるくらいのちょうどいい塩梅のボスでした。
個人的なお気に入りスキルは「病毒の腕」+「霞重ね」のコンボです。かなりの高確率で毒にするので、ダメージソースにもなりつつ攻撃力を抑えることもできます。ラスボスの猛攻に対しても、これを突っ込んでおくだけで大分安定します。 状態異常が強いゲームは好きなので、このゲームは好きです。
ストーリーは戦闘メインだからなのかあっさり目ですが、流れが良かったです。たまに誰がしゃべってるのかわからなくなる時と、そのせいか感情というか文脈を追えないタイミングはありましたが、大筋が良かったです。 名前は表示されているので、多分どっちがシンでどっちがライカか分からなくなっていたんだと思います。
67. コロットブレイバーズ
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
5分
1.00相当
クリア
良かった点
サイコロの演出や、ごたごたして戦う演出は良かったです
気になった点
ルールは把握できませんでした
逃げるの意味が掴めませんでした
レビュー 良くできた未完成
コロットブレイバーズ はサイコロを振って敵と戦う戦闘ゲームです。 作者のかみぶくろさんは、前回のウディコンでは愛憎劇をノンフィールドRPGに落とし込んだヒルドラクエストを出展されています。
サイコロを振るとごたごたと戦います。 アイテムを使うことで、戦況を有利に進めることもできます。
サイコロを振りたい方に。
感想 コメントにある通り未完成で、ウディコン中に完成にも向かわなかったので評価の難しい作品です。規約ギリギリチキンレースの出走者の一人でしょうか。
クリアまでやってはいるんですが、いまいちルールはつかめていませんでした。サイコロが何を意味しているのかもよくわからなかったですし、説明文と効果の違うアイテムもよくわかりませんでした。 &の横にある数字もよくわからなかったですし、何ならサムネのようにもなってないので謎です。
なんとなくサイコロの出目の火力を出しているような気がしつつも、どの賽がどいつに割り振られているかもよくわからないので結局よくわかっていません。
サイコロを使った演出とか、ごたごたして戦う演出は良かったです。戦闘の演出面の見た目は面白そうでした。操作のレスポンスもサクサクしていて良いです。
ちなみに、私はきちんと全部倒してクリアしましたが、実際このゲームを手早くクリアする方法は全部逃げることです。ボス戦はないので、全部逃げれば終わります。 全部倒すつもりがあるなら、ダーツで一人消してから、適宜回復で人数をキープすれば割と戦えました。戦闘システムは理解できていないので、とりあえずやられないことを目標にしました。
68. 暇人の冒険 Mini Adventure
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
1.00相当
おそらくクリア
良かった点
気になった点
レビュー ※この作品は、ウディコンのエントリーからは外れています
因果の外
暇人の冒険 Mini Adventure はシュールなアドベンチャーです。
因果の成立しない世界を巡り、クリアを目指して歩き回りましょう。
カオスに呑まれたい方へ。
感想 カオスと虚無が入り混じった作品でした。ゲームの流れとしては混沌としながらも、内容としては虚ろなゲームです。 フェイタルスピアに関しては、バックボーンが分かれば片鱗でも掴めそうな気配を感じてはいたんですが、この作品については鱗一枚つかめる気配がありませんでした。
会話文もマップもすべてが不安定の中に構築されていますが、それでもクリアまでの道筋は存在しています。ただし、先に進んでいるかどうかは常に定かではありません。
因果をどこかに見出すことが難しく、突然の死に対する因果も、クリアに対する因果も、あらゆるものの原因と結果が混沌としています。 そこに行くことによる必然性も、そこで発生する物語も、全てはがらんどうの中にあります。
一応マルチエンディングらしく、多分クリアっぽいエンドには行ったので終わりとしていますが、これが終わりだったかどうかもよくわかってはいません。
69. フォールリーフ
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
1.00
クリア
良かった点
コンパクトにまとまりよく作られた作品でした
イベント一つ一つの動きに至るまで丁寧に作られています
気になった点
一部のイベントキャラがちょっと長めに尺をとりすぎているように感じました
レビュー オーソドックスなアドベンチャー
フォールリーフは、お使いメインのアドベンチャーです。 作者のダラダラアリさんは、第9回ウディコンでおにぎりが海に焼きに来たRice Ball Summerを出展されています。
モミジの木さまを救うため、主人公ダラリスがあちこちに向かってアイテムを調達するという流れとなっています。 ゲームの内容はオーソドックスな探索系お使いものであり、動物やそれ以外に話しかけたり調べたりすることでストーリーは進行していきます。
物語はコメディチックでとにかく緩やかな雰囲気が漂っており、プレイしていて癒されること請け合いです。 ストーリー中に現れる様々な良く動くドット絵のアニメーションも、見ているだけで楽しめます。
シンプルなお使いを楽しんではいかがでしょう。
感想 ものすごくオーソドックスなつくりの上、それぞれが丁寧に形作られているので破綻もない良い作品でした。 どんなに単純なイベントでも、動きにSEをつけて何をしているかわかりやすくしていることなど、とにかく細やかに丁寧に作られているという印象があります。
触れられるオブジェクト数もマップ数もだいぶ絞っているコンパクトな出来なので、迷うこともありませんでした。導線もだいぶ親切です。特に、最初に出会う森が一番親切にちゃんとなっていて、手近なところを順繰りに回れば必要アイテムが大体そろうようになっています。
戦闘システムも世界観にあっていて、シンプルで良いものでした。重ね重ね、全体的にコンパクトにまとまりよく丁寧に作られた作品だと思います。
個人的には、イベントがだいぶ丁寧に作られているせいか、ちょいちょい長くは感じます。一部のイベントキャラについては、そこで止まるかなと思っていたらもう2倍くらい動くイメージです。
70. 十二の願いが叶うなら
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
6時間
1.22
The End
良かった点
様々なシステムが喧嘩せずに盛り盛りに入っています
経験値の自動振り分けは面倒になるタイミングからお世話になりました
ストーリーの脇道の会話が良かったです
戦闘システムはほぼ見ているだけですが、スキルの組み合わせや燃費を考える必要もあって面白いです
気になった点
雑魚を狩ってオーラをためるシステムが雑魚狩りを半強制しているようで面倒に感じました
雑魚を狩るモチベーションとしての意義はあると思うので難しいところです
レビュー 2つの画風で楽しめる
十二の願いが叶うなら は、様々な仕組みが導入されているオートバトルRPGです。 作者のチーム クロノスさんは、画風モード名からも伝わるように4人のチームとして構成されています。
各々が様々な目的を胸に秘め、全国各地を回りながら事件を解決していくという物語となっています。そうしていくつかのトラブルを解決していくうちに、壮大な事件に巻き込まれていきます。
そんな事件に巻き込まれつつも、スキットのような仕組みにより緩く楽しい会話が聞けるのが魅力の一つです。各キャラクターの性格が分かり、愛着がわくことでしょう。
このようなスキットをはじめとして、このゲームには様々なシステムが盛り込まれています。経験値を割り振るカスタム式の成長システムから、それを自動化してくれるシステム、材料を持っていくと装備を安く作ってくれるシステムまで、多くの仕組みが入っており、プレイをサポートしてくれます。
さらに、戦闘の仕組みもまた独特です。 基本的にはオートで進行していきますが、そこで使うスキルは自分で付けることができます。 ダメージを受けている相手を集中して狙うスキルや、高火力な代わりに次に行動する敵しか狙わないスキルなどから、戦略的にスキルを選んでいくことになります。 これに加えて、一定の条件を満たすと発動するTスキルの選択が戦いを左右します。回復を中心で組むか、攻撃メインで押し切るか、お好きなやり方をお試しください。
また、このゲーム最大の特徴として、ゲームの画像を二つの画風からいつでも切り替えることができます。簡略化された味のあるサカトマモードと、可愛らしい絵柄のおさかなGunモードの二つから選んでいきましょう。
色々なシステムが組み込まれた完成度の高い長編RPGをやってはみませんか。
感想 色々とシステムが盛り盛りで入っているゲームです。これだけ入っていながら、ちゃんと喧嘩しないで共存してるバランスも良かったです。
個人的に好きなシステムは、経験値の自動振り分け機能と、材料を消費すると安く済むシステムです。
経験値によるカスタムは好きなところがある反面で、やり続けると振り分けるだるさが勝ってくるシステムと感じています。 アンダーグラウンドヒーローくらいリソースを突き詰めて、カスタム性すら戦略につぎ込んだバランスになっていない限り、途中で大体面倒になってきます。その辺をうまくカバーしているシステムとなっていて、好きな人だけが振り分けによるカスタムを楽しめます。
また、材料を消費すると安くなるおかげで、とりあえず装備を手に取るという機会が増えました。高い装備は金を出すのに躊躇しがちなんですが、お安くなっているというお得感でついつい買ってしまうため、いろんな装備を手に取って試すことができます。
グラフィックに2倍のコストをかける仕組みは面白いなと思いました。ただ、ドラクエなどはドットと3Dグラフィックといった明確な分け方をしていますが、こちらはそれほど明瞭な違いがあるわけではありませんでした。 画風を変えることによるギミックみたいなものもなさそうだったので、結局終始おさかなGunモードでやっていました。
ストーリーについても、テイルズのスキットのような、見たい人だけが見れる脇道の会話があるのがいいです。キャラそれぞれの個性が見えてきて楽しいです。 最初はトマテルが父親かと思っていたんですが、大分早くに否定されてしまいました。読みが浅かったです。個人的には、占い師のドロシーに対しての学ばない仕打ち加減が人間っぽくて良かったです。
戦闘システムもほとんど見てるだけで良いシステムながら、スキルの組み合わせやら燃費を考える必要もあって面白いです。 相手の行動パターンに応じてスキルを組み替えるということも楽しそうですが、私個人はどんな相手でもうまく立ち回れるパターンの構築を楽しんでいました。HPに依存しない徐行回復付与なんかはかなり有効です。
一方で、雑魚を狩ってオーラをためることで強くなれるので、ボスを倒せることを保証したい場合は雑魚狩りが半強制になっているシステムがやや面倒には感じました。雑魚完全回避してもボスを倒せるかどうかはボスに会わないと分からないうえ、負けるとダンジョンの初めからなので安定行動をしたくなります。 雑魚を狩るモチベーションとしての意義はあるとは思っているので、難しいところではあります。
どれくらい雑魚を狩ってオーラをためることが大事かといえば、最後のボスのダンジョンで面倒になって敵を倒さずに進んだらぼろ負けして、同じステータスで全ての敵を倒しに行ったらアイテムすら使わず勝てるくらいにはオーラが大事です。
システムとか規模感からして、最初のうちは安定していないという読みの元、後半くらいにプレイしていましたが、それでも微妙に安定していない部分はありました。 装備を外さないと正しく選択できなかったり、次の階層に進みますかでXキーを押すとメニューが開いたり、小さめの不具合っぽいものは散見されました。ただ、この規模で致命的なバグには出会わなかったので良かったです。 Super Phantom Cat なんかは、バグで全アイテムロストして一気にやる気なくなったこともありますし、致命的バグはプレイヤーのやる気全てを削いでくる部分なので、これがないのはありがたいところです。
最後に、バグシーン集、笑えるシーンが多くていいです。NGシーン集で笑えるのと同じ感覚でした。
71. 封獄のモノクローム
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
4時間
1.23
クリア(実績1)
良かった点
戦闘の戦略性が高くて楽しいです
ターン制と前方を攻撃するというシステムの親和性が高かったです
ある程度宝箱を回収できればそこそこ苦戦する程度の良いバランスでした
宝箱回収時のミニストーリーのノリがいいです
気になった点
別ギミックが絡む草むらでは、先が見にくいのもあり初見だと理不尽な印象を受ける時もありました
レビュー パターンを掴んで敵を屠る
封獄のモノクローム は、戦闘メインのRPGです。 作者の秋月ねこ柳さんは、前回のウディコンでは高難易度アクション、ヴァーミリオンの青空を出展された方です。ただしこの作品に近いのは、前々回のウディコンに出展されたエライザの食卓騎士でしょう。
この作品の特徴は、高い戦略性を備えた戦闘システムです。 ターンベースで進行するシステムとなっており、各攻撃にはそれぞれ攻撃後のウェイトが設定されており、その分待たないと次の攻撃タイミングが回ってきません。 強い攻撃はその分ウェイトが大きかったりとデメリットもあるため、上手くウェイトを調整していく必要があります。
加えて、このゲームでは攻撃対象を基本的には選べません。単体攻撃の場合は、お互いに最後に行動したキャラクターに対してしか攻撃ができないという仕組みです。 このシステムにターンベースの仕組みが合わさることで、ウェイトを調整して誰に攻撃を受けさせるかという戦略が生まれています。
また、大技を打つにはTPという時間とともに増えていくパラメータが必要になります。 この溜まる速度は自身のHPの低さに依存しているため、HPが低い状態を保つことで逆に有利な状況を作り出すこともできます。ウェイトを調節してダメージを受ける先を固定化することができれば、大きな恩恵を得ることができるでしょう。
このようなシステムを駆使して、スキルを付け替えながら様々なパターンを持つ強敵に挑んでいくというのがこのゲームの醍醐味でしょう。 パターンをうまく構築でき、相手を封殺できた時には大きな達成感を得ることができます。
また、どうしても勝てない場合は、道中の宝箱を開けることによりキャラクターを強化することができます。加えて会話イベントも楽しめるので、見つけたら積極的に開けていきましょう。
ぜひ戦略性の高い戦闘を楽しんでいきましょう。
感想 戦闘が難しくて楽しいです。それに尽きます。前作と同じようなターン制の中のパターン構築の仕組みでありつつ、技の構成を変化させられることでさらなる戦略性を生み出しています。 何よりうれしいのは、最初から技が全開放されているので、面倒な手続きなしに戦略を試せるところです。レベル上げなどの工程なしで、気軽に戦い方を変えられます。
戦闘のUIも直感的かつ分かりやすく、動かしやすいです。敵を選ぶという工程すら省いた仕様が操作のサクサク進む感じも演出しています。 そのうえで、前方の敵を攻撃するというシステムと、ターンが重要視されるシステムの親和性が極めて高く、相乗効果でより戦闘を面白くさせています。
この辺のウェイトが強く影響するゲームといえば、ふしぎの城のヘレンとか思い出しますが、このゲームは複数対複数にすることと、先述した最後に行動した奴が狙われるというシステムによって全く違うものに仕上げています。
草むらのパズル的配置も良くて、戦闘が面倒な人は上手いルートを通れば結構回避できて、戦闘したいときはすぐにできるバランスです。 完全にやるには綿密な攻略がいりますが、ちょっと避けたいくらいなら割と簡単に達成できるのも良いところです。肩ひじ張らなくても、そこそこの恩恵は受けられます。 ただ、別ギミックが絡むところでは先が見えないのもあるなどして、やや面倒な印象も受けました。
特に縛らずにある程度宝箱を回収できていれば、ボス戦はそこそこ苦戦する程度の良いバランスでした。一度くらい負ければ大体勝ち筋が見える戦い方をしてきます。 個人的にはエリクサーをラスボスまで温存するタイプの人なので、、エリクサーを使いたくないラストひとつ前のボスより、じゃぶじゃぶ使えるラスボスのほうが弱くすら感じました。 振り返ると、指+左右が一番苦戦したかもしれません。
また、慣れてくればシューバで耐えてロメリアで仕留めるルーチンを上手く構築すれば勝てることが分かってくるのですが、そのパターンにもっていく戦略を見出す必要があるので一筋縄ではいきません。試行錯誤していく楽しさがあります。
ストーリーの本筋はあっさり目なので、宝箱を回収してミニストーリーを回収していったほうが結構楽しいです。基本的にノリは軽いです。
72. クオリア
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
1.00
クリア
良かった点
緩く乾いた会話の応酬が良かったです
最後のシーンは印象的でした
気になった点
いくつかフラグをおかしくできる時があります
ただ、それも世界観的には間違っていないように思います
レビュー 意識の表層、感覚の際
クオリア はおおよそストーリーメインの探索ゲームです。 作者のお魚UFOさんは、前回のウディコンでおもちゃ箱のようなRPG、フラグメントワールドを出展された方です。また、今回のウディコンでもチームの一人として、十二の願いが叶うならに関わっていらっしゃいます。
このゲームは、どことも知れぬ部屋に閉じ込められた少女を操作して、どことも知らぬ場所へと向かう作品となっています。 始終圧迫されるような空間で、乾いた会話を楽しむことができます。
一つのループは短いながらも、周回していくことでおぼろげに世界のことが見えてくることでしょう。
雰囲気の良い鬱屈した空間での会話劇を楽しんでみてはいかがでしょうか。
感想 悪い夢のようなゲームというと悪口に聞こえそうですけど、このゲームは良い意味で悪い夢のようなゲームです。乾いた会話の応酬が好きでした。
与えられる選択肢はあんまり多くはないんですが、きちんとそれぞれの選択に応じてイベントが発生します。それでいて、周回時にスキップできるように会話分岐を入れているあたりも良いです。世界観を壊すことなく、物語的なスキップが用意されています。 あと、最初に選択されている選択肢が質問でかつ押しても意味がないのが、物語を飛ばすための連打による被害の防止になっています。このあたり、周回時のストレス面を上手いこと回避している印象です。
いくつか分岐というか演出的に破綻している面はあって、最初の部屋に入り直すとバグっぽい見た目になったり、色々フラグをおかしくしたりできるんですが、設定というか世界観的に壊れていても受け入れられます。何なら、それっぽく感じることすらできます。
個人的には、最後の最後に鬱屈したどん詰まりの世界から外に出た天気が雨なところが結構好みです。上手くは表現来ませんが、この作品をこの作品たらしめる終わらせ方だったように思います。
最後に、この作品の比喩的な部分というかぼやかした点は作者さんがあらかたテキストで説明しています。少女の状態の解釈はおおよそ一致していましたが、拾えなかったディテールも結構あって楽しかったです。 操作キャラクターにクオリアがない点については悪魔の証明かなとは思っていまして、操作キャラクターの主観性というか感覚をこちらが観測できない時点で証明不可能だと感じています。私はこういう川原泉さんの作品みたいな哲学めいた話は好きなので楽しめました。
73. ベビーシッター2XXX
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
2時間30分
1.05
クリア(称号5)
良かった点
仮名のリソース管理という斬新なシステムをゲームに落とし込んでいます
先の先を見据えた神経を使う戦いをする分、クリアできた時の達成感が大きいです
各単語に対する性能やリアクションがそれっぽく揃えられています
ストーリーがテンポよくコミカルに進んでいきます
気になった点
単語ロック機能が簡単な操作で暴発してしまいます
せめて中クリックなど暴発しにくい設計にしてほしかったです
レビュー 単語を以て相手を制す
ベビーシッター2XXX は、仮名をリソース管理するという斬新なノンフィールドRPGです。 リソース管理が重要なノンフィールドRPGは数あれど、この作品は仮名をリソースとして管理するという先進的な仕組みを取り入れています。
物語は、少女ククルが幼女コトと出会うガールミーツリトルガールにより始まります。 そうしてノンフィールドなマップを進んでいく間に、二人の愉快な掛け合いを見ることができます。 始終仲良く落ち込むことのない、明るいストーリー展開となっています。
戦闘では、手元にある始めは18個の仮名を使い、3文字の単語を作ることで攻撃、防御、回復などを行っていきます。衣服や体の部位などの単語なら防御に、食べ物や音楽などなら回復に、それ以外の多くは攻撃に分類され、それぞれの能力が発動していきます。
ただし、ただ考えなしに単語を作るだけではクリアはおぼつきません。単語を作るたびに、攻撃なら2文字、ほかなら1文字をロストすることになるためです。 よく使う仮名を残しつつ、ロストする仮名を慎重に選んでいき、どこかのタイミングは仮名をきちんと補充する必要があります。 防御なら足し引き一つ増えるため、それを活用する手もあります。また、それ以外でもイベントやお店、「増殖」という特殊な単語も使って、仮名というリソースをうまく管理していきましょう。
そうしてフィールドを進むと、ボスとの戦闘となります。しかし、ここでも漫然と戦っていただけでは苦戦することでしょう。 ボスを攻略しやすくするためには、感情や気分の単語を作ることで得られる能力「上昇」の効果を、道中でどれだけ差し込めるかも重要となるためです。 たかが1回の雑魚との戦いでも、どこで仮名を消費し、どこに上昇を差し込み、どこで防御や回復を取るかといったことを考える必要があります。
また、仮名により作られるそれぞれの単語は、その言葉に応じて種別だけでなく威力も変わります。「ころす」のような物騒な単語は攻撃力が高く、「てんし」のような単語ならば回復力が高くなっています。できるだけ強そうな言霊を試してみてください。 加えて、それぞれの単語に対するキャラクター二人のリアクションも見どころの一つです。「うんこ」を入れればコトコは喜び、「むいみ」と入れれば二人とも不機嫌になってしまいます。
仮名リソースをうまく管理して、相手を制していきましょう。
感想 仮名のリソース管理という、新たな次元のノンフィールド型リソース管理RPGを切り拓いた作品です。このアイデア自体もすごいんですが、それを実現せしめた作業量も恐ろしいレベルです。これだけの単語に分類と効果とリアクションをつけていったのが素晴らしいです。
物騒な単語を入れれば二人とも怖がり、「うんこ」を入れればコトコは喜び、「ころす」みたいな物騒な単語はしっかり強かったり、それっぽいリアクションに、それっぽい技能種別と威力が設定されています。
一つ一つの戦闘に神経を使うゲームで、手札のリソースに「増殖」が構成できるひらがなを常に抱えつつ、防御と回復も確保していく必要があります。先の先まで見た文字使いが生存を左右するなかなかハードなバランスです。気を付けていないと、雑魚でも容易に詰みが発生します。
加えて、ボスを倒すためには雑魚戦で隙を見つけてパワーアップすることも肝要になってきます。ただでさえ一つの戦闘でも先の先を見据えなくてはならないのに、ステージレベルですら先の先を考える必要があります。 このあたりは神経をかなり使いますが、その分突破できた時や、行動が上手く回った時の楽しさは格別です。
ただ、単語ロック機能は邪魔に思うことはあっても、ロックしたくなるタイミングがほぼ発生しませんでした。長押しでロックしてしまうため、誤操作で割かし頻発します。中クリックくらいに割り当てられると個人的な温度感としてはちょうどいい気持ちです。 逆に、残す単語を中クリックで選ぶのはちょっと指が疲れました。ここは左クリックくらいの温度感です。
個人的な体験では、ジジイを倒す必要は別にないとはわかっていながら、それでも倒すためにいろいろやったのが楽しかったです。 ある程度は増殖で来る手札の運ゲー感はあって、「ぬ」なり「を」なりが来た時の絶望感はなかなかです。一方で、防御/回復を安定して作れる札は強くて、「てんし」や「かなん」にはお世話になりました。「ん」と「い」は相当強いです。
ストーリーも緩くコミカルな感じで、コトコとククルが良いキャラをしているので楽しめます。キャラの軽快なノリと物語のコミカルさの雰囲気があっています。 敵グラフィックは格好いいのに、名前がこれ以上ないレベルでシンプルな世界観も好きです。
74. 冒険譚~18の場合~
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
40分
修正版
クリア
良かった点
気になった点
ユーナの表記統一など、全体的に文章が不安定です
30ターンダミーを殴るのはつらかったです
せっかく世界観の設定があるのに、マップやキャラにはほぼ活かされていませんでした
レビュー Shiftで会話は早くなる
冒険譚~18の場合~ は、RPGです。
モノローグやセリフが長めで、探索要素などはありません。 基本的には、ストーリーを追っていくことになります。
戦闘中に武器を切り替えられるシステムも使いつつ、敵やボスをなぎ倒していきましょう。
感想 最初にめっちゃ長いモノローグがあるゲームです。台詞のデフォルトの文字送り速度がかなり遅いので、Shift押しっぱなしで速くなるということはとりあえず頭に入れましょう。それを知らないと最初の文字送りの遅いモノローグはなかなか厳しめです。
付属テキストを読むと世界観がいろいろあるのはうかがえるんですが、ゲーム中でそれを拾えそうなのはマガーとリマガーくらいで、あとは拾えませんでした。せっかく設定があるので、上手いことマップとかに反映して欲しくはあります。
マップはどういうマップなのかよくわからない時と、立体感のない地面と立体感のある壁が張ってあってだまし絵みたいになっているマップがありました。そこが何のための空間であるかが分かりにくかったです。
戦闘については、戦闘中に武器を変えられるというシステムは良いです。惜しむらくは、武器を変える必要のある敵はいなくて、レベルが足りなくてボコボコにされるか、レベルが足りていて瞬殺できるかの二者択一にしかならないところです。
あとは、Yuunaとユーナで台詞内でも安定していなかったり、ユーナの口調も安定していなかったり、ロビーの人は敬語を使おうとして使えていない人っぽい喋り方をしたり、全体的に話というか言葉が不安定です。
個人的に一番きつかったのは30ターンダミーを殴るという罰ゲームめいたイベントでした。あとは、緊急離脱の誤爆が多かったので、事前確認が欲しかったです。
75. カグツチ探訪記
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
1時間40分
1.09
コンプリート
良かった点
戦闘もダンジョンも余計な装飾が省かれていて、テンポよく進められます
ダンジョンは必要最小限のもので構成されていました
気になった点
レビュー スキルとステータスを操り戦い抜く
カグツチ探訪記 は、ステータスや技能をカスタマイズして挑むRPGです。
魔物の駆除を依頼されたニニギとイコナの二人が、カグツチの遺産を巡る陰謀に巻き込まれていくという物語となっています。 物語のテンポは軽快で、サクサクと戦闘も物語も楽しむことができます。
特徴的なのはその育成システムで、戦闘などで得られた素材値をいつでも自由にパラメータやスキルに振り直すことができます。 パラメータは耐久、速攻、物理、特殊の4つにしか分かれていないため振り直しは煩雑ではありません。敵に応じて上手くパラメータを変えていきましょう。
素材値をスキルに振り分けることで、様々なスキルも習得できます。スキルはこれまたいつでも変えられる属性によって性質が異なり、攻撃属性から付与する状態異常、耐性のある状態異常まで変化します。 相手に対して効率の良い属性を選び、スキルを構成していくのも戦略の一つとなってきます。
そうしてパラメータとスキルをカスタマイズすれば、いよいよ戦闘となります。 シンプルなマップをうろつくシンボルエンカウントの雑魚敵はあっさり倒せるかもしれませんが、ボス敵や特殊条件下で現れる強敵はそうはいきません。 相手の行動パターンを見て、しっかりと対処していきましょう。
スキルとステータスを上手くカスタマイズして、強敵を打ち倒していきましょう。
感想 戦闘もダンジョンも余計な装飾が省かれていて、テンポよく進めることのできるゲームです。 物語も王道に寄りつつちょっと返しも入っていて、やはりこちらもテンポがいいです。展開は早めですけど、飛ばすことなく筋は通っています。
ダンジョンの構成は最小限ながら、分かりやすいギミックと程よいシンボルエンカウント、程よく強敵が配されていて全体を通して楽しく進められます。 すべる足場が斜めでも行けるみたいな裏技っぽい機能を許容しているのも面白かったです。最初にやった時は仕様なのか判断がつかなかったですが、作中で言及されたので仕様と把握できました。
マップのカメラには少し違和感があって、画面外を見せまいという強い意志を感じます。 ただ、その方法が実際のマップ端に行くまでの間に緩やかに補間されるというものなので、画面端が見にくい印象を受けました。端の要素を隠したいのかとも思っていましたが、それが有効そうなマップも特になかったです。
戦闘の難易度は前作と比べると易しめで、裏ボス以外は適度に戦えばクリアは平易です。裏ボスもめちゃくちゃ強いというわけではなく、冷静に戦っていけば初戦でも突破できます。 ぬるく感じたらハードでやれということだとは思います。私はハードの存在にクリア後に気づいたので無理でしたが。 第8回から、戦闘バランスは易化と難化を単振動しているイメージです。
76. Treasure Hunter 玖主
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
1.02
クリア
良かった点
説明的会話ができるだけ省かれているため展開がスムーズでした
熱い展開への持っていき方は良かったです
立ち絵が綺麗です
気になった点
展開が早い分あっさり目で、熱い展開に入るまでに感情移入できないケースがあります
戦闘がおまけ要素でした
レビュー 玖主は「たまかず」と読みます
Treasure Hunter 玖主 は、物語メインのアドベンチャーです。やや戦闘要素も含みます。
パチンコ狂いの主人公、玖主が働けと言われて町に叩き出されるところから物語は始まります。 ベースはコメディながら、熱い展開も繰り広げられる作品となっています。
ストーリー主体がゆえにあまりレビューで語るわけにはいきませんが、シーケンスごとに短くまとまった物語を楽しむことができます。
サクッとストーリーを読んではみませんか。
感想 説明的会話がしっかり省かれているおかげで展開が早く、最初のうちは過去についても回想入ったりしないのでスムーズでした。キャラクターに馴染むまではこの回想が発生しなかったのは良かったと思います。
一方で、展開が早い代わりにあっさりとしているので、色々と知って感情移入する前に熱い展開が来て、その熱さを別キャラにバトンタッチするイメージでした。一つ目については熱い展開を感じられましたが、二つ目はかなり置いていかれた印象です。 ただ、この展開の持っていき方それ自体は好きです。
あと、戦闘がおまけ要素的な感じで、最初にやられて、覚醒したら瞬殺みたいな流れにしかなっていませんでした。覚醒した後に、その力を使って多少いい戦いをしたい気持ちはあります。 全戦闘がイベントバトルという雰囲気でした。
77. ミルクティーのやさしい魔法
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
10分
1.00
2章まで
良かった点
キャラクターの絵が優しい雰囲気でした
マップの組み方が綺麗でした
気になった点
顔グラが横からフェードインする演出に違和感を覚えました
感想 ※この作品は、ウディコンのエントリーからは外れています
いつもはエントリー外もプレイしてクリアするんですが、この作品は手元にVer1.00しかないので断念しました。さすがにアイテムの回復効果縛りでクリアするのは厳しいと判断しました。 このため、あんまりプレイできていないのでレビューもしないでおきます。
マップの組み方が美しく、キャラクターの絵も優しい雰囲気でグラフィック面で良い作品だと思います。完成を楽しみにしています。
なお個人的には、顔グラに枠があるので、横からフェードインするような演出には違和感を覚えました。
78. ひよこが育つまで
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
1.00相当
9END
良かった点
気になった点
Trueに必要な工程が総当たりというのが辛かったです
ゲームオーバーが実装されていない雰囲気を感じます
レビュー あなたは何に育つでしょう
ひよこが育つまで は、チュートリアルが親切な探索メインのRPGです。
このゲームでは様々な所を調べることで、ひよこは色々なものに成長していきます。 上手く立ち回り、アイテムをしっかりと取得していくことで、ひよこはより大きく成長できることでしょう。
様々なエンドを探しながら、真実に辿り着いてみてください。
感想 チュートリアルがやたら親切なゲームでした。歩行のチュートリアルすらあります。そこのチュートリアルに向かうためには歩行する必要があるので、歩行できない人は服を買いに行く服がない状態になるとは思いますが。 化け人のチュートリアルだけは必須かもしれませんが、他はあんまりいらないかもしれません。
色々なところにエンドが配置されているので、それを探す楽しみはあります。 一方で、負けても進むあたりゲームオーバーがなさそうに感じていたんですが、最後のエンドが見つからないので多分ゲームオーバーエンドが正しく動いていないんじゃないかとも疑っています。 このあたり、ゲーム的に不安な印象を受けているので、探すにしてもいろいろ疑う必要はあります。
特に、Trueに必要らしき工程が、見た目でわからない人に対する総当たりになるのがまあまあ辛いです。せめて、見た目でわかるように変化をつけてほしくはありました。
なお不安な要素としては、負けると真ん中に小さい何かが出て何事もないようになることが挙げられます。他には、タイトルでロードをキャンセルすると最初の注意書きが出るのは、たぶんタイトルに戻るをしている気がします。ラベルジャンプしてほしかったです。
79. メカウルファールの「H」なシューティング
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
20分
2.2
クリア
良かった点
探索パートで集めたアイテムをシューティングに持ち込む仕組みが良かったです
実作技術が素晴らしかったです
気になった点
レビュー 火炎放射で焼き尽くせ
メカウルファールの「H」なシューティング は、やや弾幕めいたシューティングゲームです。
ステージは探索パートとシューティングパートに分かれます。 探索パートでは30秒以内にアイテムを集めてゴールまで向かうことになります。そして集めたアイテムを使って、シューティングーパートをクリアしていくという流れとなっています。 30秒以内にできるだけアイテムをかき集めましょう。
シューティングパートでは、アイテムを活かしつつ敵の弾幕を潜り抜けていくことになります。 被弾すると一気に持っていかれることもあるため、慎重にプレイしていきましょう。
「H」の本当の意味を探してはみませんか。
感想 実作技術が素晴らしかったです。あれは思いついてもやるのが凄いですし、やるにしてもしっかり作り上げるのも凄いです。
ゲームについても、探索パートで集めたアイテムをシューティングに持ち込んで戦うというのが面白いです。自分の戦い方に応じてアイテムを狙うのもいいですし、単純に近くのアイテム根こそぎかっぱらいながら進んでいくのもよいです。 私は体力回復しながらのごり押しで行こうとしていたので、草をひたすら拾っていました。
シューティングパートでは、弾が一瞬で消えた後にダメージ判定が残っているみたいなケースが間々発生するので、基本的には弾を消せる火炎放射器で戦っていました。 避けながらちまちまやっていると、見えない弾に当たってごっそり削られてしまうので、避けるよりは打ち消したほうがむしろパフォーマンスは良いです。
なお、セーブ含めてSEのチョイスはやかましいです。意図したものだとは思いますが。Electronic Super Joy みたいなものなんだと思います。They Bleed Pixelsのやられた時のSEも思い出します。
80. 星影のお散歩
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
1.02
470/13590(実績コンプ)
良かった点
操作性はシンプルでルールは明快と、ミニゲームとして遊びやすかったです
ハイスコアとオンラインランキングもあって何度でもやりたくなります
敵とキャンディーのみでなく、ボーナス的なくまの要素によりゲームにアクセントを加えています
実績システムのおかげで魔境と化したオンラインランキングに入れなくても達成感は得られます
気になった点
レビュー ミニゲームをやるならこれ
星影のお散歩 は、ランゲームめいたミニゲームです。 作者のてんこさんは、前回のウディコンで物語を紡ぐ、星紡ぎを出展された方です。
このゲームはいたってシンプルなミニゲームとなっています。 プレイヤーは上下移動のみを許され、右から迫りくるおばけを避けて、キャンディーとくまを取得して体力を回復し、できるだけ長い距離飛び続けるというルールも明快です。
しかし、そのリトライ性の高さや、おばけやキャンディーが来るテンポ感の良さ、たまにくるボーナス的な存在のくまも相まって、ずっとプレイしていしまう中毒性を持った作品でもあります。
そうして得られた最長距離を、全国の方とオンラインランキングで競うこともできます。 5桁が当たり前の厳しい世界に挑戦してみましょう。
また、別の楽しみとして最短距離を競うこともできます。オバケにわざと当たりに行ったり、ちょっとしたバグを使って稼ぐことで、できるだけ短い距離で終わらせることを目的としたものです。 こちらも上位勢は魔境となっているため、挑戦し甲斐があるでしょう。
ミニゲームで時間をつぶしてはみませんか?
感想 程よくミニゲームでした。空いた時間にいくらでもやることができます。 プレイ時間は30分と書いていますが、空いた時間にちょいちょいやっていたので総プレイ時間は自分でもよくわかっていません。
操作性もシンプルで、ルールは明快ですぐに分かり、繰り返し遊べるハイスコア要素も、オンラインランキングも搭載されています。今回のウディコンでミニゲームをやろうと思ったら、この作品を強く勧めたい気持ちです。
また、取るとデメリットの敵と、メリットのキャンディーだけではなくて、極大メリットのくまが用意されているのがこのゲームを面白くしています。 敵とキャンディーだけだと途中から同じパターンの連続で飽きてきそうですが、時折現れるくまがちょうどよいアクセントとなって無限に遊べます。 くまのメリットが大きいから何としてでも取ろうという動きをすることによって、ゲーム内の行動に変化を与えています。
これにさらにでかい敵みたいなデメリットを足すというのも考えられますが、そこまでするとミニゲームとしては複雑になりすぎる上に、メリットよりもデメリットの印象が強くなりそうなので、この辺がいい塩梅になっていると思います。
これはどうでもいい話なんですが、キャンディー側に寄せてケーキとかにせず、くまという明確に違うものを選んだ理由は気になっています。少なくとも視認性という面では完全に違うものなので最強でした。
ランキングについては最初のうちは割と簡単にのれましたが、今は魔境なので厳しくなっています。なので、実績システムで確かにやった感があるのもありがたいです。
81. わちゃわちゃダンジョンズ -ルセルッカの冒険譚-
ジャンル
作者
放置RPG
Strayひろま あたりメ ポルゼンヌ小林
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
6時間
1.10
TRUE END
良かった点
ほとんどあらゆる動作中に裏で冒険してくれます
アイテムが高頻度で落ちてくれるので、仕分けをしつつ進めつつというループを回すことができます
グラフィックもUIも高いレベルでまとまっています
気になった点
装備の整理がちょっと面倒です
ソートの種別として攻撃力や防御力などのパラメータ別が見られません
スキルのフィルタなどもできません
わちゃわちゃしているので、どの技が有効かいまいち判断が尽きませんでした
レビュー ほぼ放置でラスボスまでいこう
わちゃわちゃダンジョンズ -ルセルッカの冒険譚- は、戦闘を完全に放置できるRPGです。 作者の一人であるStrayひろまさんは、第8回ウディコンでタワーディフェンスDefence Saviorsを出展された方です。
このゲームの特徴は、何といってもどんな動作中でも勝手に裏で冒険してくれている並列性です。 仲間を選びに酒場にいる時も、アイテムを整理しているときも、装備を付け替えているときも、キャラクターたちは裏でしっかり冒険をしてくれています。 プレイヤーはメンバーを編成してダンジョンを選ぶだけでよく、後の攻略は彼らの自動戦闘に委ねられることになります。
ダンジョンをなかなか攻略できない場合は、ひとつ前のクリアしたことのあるダンジョンをループで回すことでレベルアップしてから挑むこともできます。 また、その周回中に装備を吟味することでも攻略の糸口が見つかることでしょう。裏で勝手にレベルを上げてくれつつ、プレイヤーは装備という別の切り口でもトライすることができます。 敵はじゃんじゃん装備をドロップしてくれるので、様々な装備を付け替えて試してみましょう。
そうして放置で次々とダンジョンを攻略していくことで、徐々に物語が進行していきます。 もちろん、物語を読んでいるときも裏では冒険を進められるので安心です。どんどんキャラクターにはダンジョンを攻略してもらいつつ、ゆっくりと物語を読んでいきましょう。
また、わちゃわちゃしているキャラクターたちのイラストも魅力の一つです。 シンプルで可愛らしいイラストがわちゃわちゃと戦っているのを見るのもまた放置の醍醐味でしょう。
何か作業をしながらでも、武器を整理し続けながらでも、放置しながら冒険してみてはいかがでしょう。
感想 放置可能というシステムを高い完成度で作り上げられている作品です。完全に別のことをやっていても、裏できっちり冒険していてくれます。 グラフィックやUIも高いレベルでまとまっていて、全体的なクオリティは高めのゲームとなっています。
完全放置でハクスラ要素でアイテムを回収して、そのアイテムを整理している間も冒険は継続のループが発生するので、ついつい整理しながら無心でプレイしてしまいます。 大方は放置で済むんですが、装備の取捨選択は割と大事な部分なので手動でやっていました。装備の整理がプレイヤーが能動的にやる数少ない行為の一つでした。
個人的に詰まったのはアイテム所持数制限があるところで、放置していたらあるタイミングから装備がドロップしなくなる罠にはまりました。 壺から精製した場合は言ってくれるとはいえ、限界値が決まっているならどこかに明示してほしくはあります。と思って今見たら、左上に記述されるようになっていました。これは助かります。
装備の整理で問題になりがちなところとして、装備のソートがID/入手順/レベル/レア度しかないところがあります。 割と重要な攻撃性能によるソートも、どんなスキルを持っているかのフィルタも、諸々できません。
加えて、FF6のさいきょうみたいに、攻撃重視みたいな自動装備はできるんですが、これはバランスを欠きます。特に、終盤くらいは防御も攻撃も重視したほうが生存率が上がって有利なので、結局いくつか手動でつけることになります。 この時、攻撃重視ボタンを押さないと全体で一番強い装備を探す手間が発生し、押した場合はせっかくつけていた防具をもう一回探し直してつける手間が発生します。ロック機能か、ソート機能の充実さが欲しいところではありました。
戦闘については、基本的に最強装備にしつつ、後半くらいからはノーマルを切って付与スキルを大事にしていくバランスでクリアできます。 苦戦するならダンジョンを周回させて放置もできるので、クリア自体は簡単にできました。レベルで押し切るだけだと厳しいと感じたのはHARDラスボスくらいです。ちょうどいい塩梅の難易度でした。
ただ、わちゃわちゃしているのでどの技が有効なのか分かりにくいのは難しかったです。 技とダメージの相関を観測するのがなかなかにハードなうえ、なんで火力が出たかもよくわからないのでどの技が強いかは結局あんまり把握できませんでした。とりあえずヒール系は強いですが。
音についても触れておくと、戦闘のSEが一切鳴っていないのは良かったです。6列並行でSEなり始めたら大変そうですし、最終戦だけとしてもそこにリソース割くのは無駄な気もします。 代わりに、BGMが耳に残る曲なので、そちらで印象づいています。
82. ウルファールと鬼ごっこⅡ
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
30分
1.1
シヌマデ クリア
良かった点
気になった点
レビュー ウルファールから逃げろ!
ウルファールと鬼ごっこⅡ は、ウルファールから逃げ回るスニーキングアクションです。 作者のはてなんさんは、第9回ウディコンでもスニーキング作品、ウルファールと鬼ごっこを出展されている方です。
ウルファール達から逃げつつ、箱から鍵や仲間を手に入れて脱出するというのが基本的なルールとなります。 ウルファール達には行動ルートなどにそれぞれに特徴があるため、それを考えて立ち回っていく必要があるでしょう。
また、難易度設定も豊富にあり、さらなる縛りプレイも可能となっているため、幅広い難易度で遊ぶことができます。自分に合った難易度で、程よくハラハラする体験をしていきましょう。
恐ろしい姿で襲い来るウルファール達から逃げきっていきましょう。
感想 前作と比すとかなりカジュアルに遊べるようになっている印象です。前はクリアすら難しかったような記憶がおぼろげにあります。
1対1なら部屋を使えばかわせても、通路では厳しかったり、そもそも複数で会うと厳しかったりと、良い感じにハラハラします。特に、シヌマデのラストのほうはかなり敵も強く、ギリギリの緊張感をもってプレイできました。
いきなりルートがぶった切られてゲームオーバーになることがたまにあって、これだけは結構理不尽に感じました。ルートが消える前にシャッターが落ちる演出みたいなものもなく、一瞬で分断されるせいな気もしているので、何かしら予兆があれば緩和されそうではあります。
ちなみに、私はクリア後にダッシュの存在に気付いたので、セルフ縛りプレイをしていたようです。ダッシュなしでも普通に動けていたので全く気づきませんでした。
83. R.P.G. of Classical Music -Piano Hikitaro’s Memory-
プレイ時間
プレイVer
クリア状況
4時間
2.3
クリア
良かった点
クラシックがテンションを上げる曲として機能していました
戦闘バランスが程よくシビアです
特にボスにありったけのアイテムをぶつけていくのは楽しかったです
クラシック豆知識を見られる一覧画面も良かったです
気になった点
レビュー クラシック音楽がBGMで流れるRPGやりてェ!
R.P.G. of Classical Music -Piano Hikitaro’s Memory- はクラシック音楽がBGMで流れるRPGです。
このゲームの特徴は、タイトルからも説明文からも明らかなように、クラシック音楽が流れているということです。 町のBGMから戦闘BGMまですべてがクラシックの名曲により彩られています。
特に、戦闘BGMは敵1体1体に個別の曲が割り当てられており、それぞれ異なる名曲を楽しむことができます。 個別のクラシックBGMが奏でる旋律が、戦闘のテンションを引き上げてくれること請け合いです。
しかし、戦闘はクラシックBGMが流れているだけの普通の戦いではありません。 店売りのアイテムを使うことで敵に効果的にダメージを与えることができるため、どの程度の消費で仕留めに行くかを考えながらも、アイテムをケチらず使っていくことが重要となってきます。 そうして上手くリソースを管理したら、ボス戦では派手にアイテムを使って対抗していきましょう。
また、敵と出会ったり物語が進んだりするごとに流れたクラシックの曲が記憶に保存されていきます。この記憶を見ることで、クラシック豆知識を得ることもできます。 気になる曲があれば、これで調べてみるのもよいでしょう。
クラシックの名曲を存分に浴びてRPGを満喫しませんか。
感想 クラシックが戦闘曲として流れるRPGでした。存分にクラシックの良い曲を浴びてゲームができます。選曲が良くて、戦闘のテンションを上げられるクラシックがそろえられています。半音階的大ギャロップとか、月光が好きです。
戦闘バランスがまあまあシビアなのもよくて、雑魚でも相当強いです。終盤の雑魚ともなると、しっかり戦わないと負けます。アイテムを雑魚だからとケチろうとするとすぐ負けるので、大量消費に慣れていくのが大事です。 とにかく、アイテムというが重要な要素として機能している良いバランスです。
ボスも当然強いので、アイテムをフル活用して乗り切っていくのが楽しいです。回復アイテムも毒も底をつきながら、ギリギリで65x2で仕留めた時は気持ちよかったです。 ボスがそれぞれ強い行動をしっかりと持っていて、必ず苦戦させられるバランスに感じました。
また、クラシック豆知識が見られる一覧画面も良かったです。ついでにゲーム内情報も見られるので、一粒で二度おいしいやつでした。41と42だけ埋められてないんですが、私の好きなドヴォルザークがいるのかは気になっています。 あと、リストの無茶苦茶っぷりが垣間見られるのも面白かったです。
ぴあのひきたろう とか、てきみな とうこ とかのネームセンスも好きですし、その名前に違わない脳筋ぷっりで解決していくストーリーも良いです。竹を割ったような性格を活かしてサクサクと進めていってくれます。
単純にRPGにクラシック音楽を流しただけの作品でなくて、戦闘バランスもきちんとしつつ、敵に応じてそれにあったクラシックを流し、テンションを高めてくれる良い作品でした。
個人的得点 評価基準 私はあんまり客観的評価する気がない上にできる気もしないので、主観的につけています。客観的評価の客体を内に持つことができるほど、まだゲームを遊んではいません。
以下は各得点の大体の気持ちですが、全作品に当てはまるというわけではありません。また、若干表記を崩しているので、見たくない方はスルーしてください。
熱中度
10 はとにかくやっていて楽しかったもの、真剣にずっとやり続けたもの。DAY:0 は脳みそ忙しくしながら最後までやれたし、夢遊猫はカードゲーム楽しいし、流星の射手はアクションが楽しい。
9 は次点クラス。楽しく夢中になれた。熱中させる何かがあった。
8 はかなり楽しかったやつ。多少途切れはあれど、最後まで楽しめる。全体バランスよい奴。
7 は楽しいやつ。無駄はないし、最後まで飽きは来ない。のめり込めたって感じではない。
6 は大体楽しいやつ。たまに辛かったり虚無は来るけど、大体は楽しめる。
5 は半々楽しいやつ。ちょいちょい飽きたり、萎えたりする。
斬新さ
10 は凄いという感情が支配的なやつ。ゲームにうまく落とし込んでる素晴らしさもある。ベビーシッターはリソース管理混ぜてリアクションも混ぜるという挑戦的なところとか、ゲー製ゲームは進捗をサイコロにたとえ、運をアイテムやらでねじ伏せるゲーム性とか。
9 はコアとなるアイデアもすごく、実現力も高いやつ。
8 は随所にみられるアイデアのきらめき。ゲームコアレベルまで高めてはないけど。
7 はどこかにみられたアイデアのかけら。あるいは小さなアイデアの積み重ね。
6 はアイデア的には並みだけど、個性は存在するレベル
5 はどこかで見たようなデザイン。目あたらしさもないでもない
物語性
10 は素晴らしい物語。読後感も最高。タナトスは不穏をあの短さに集約させ、左眼はトラップとロジックを巧みに織り交ぜ、おしまいのーとは綺麗に返している。
9 はすごく良い物語。ゲームをけん引する力となり、背骨となる存在。
8 は良質な物語。ゲームを進めたくなるし、終わった後も反芻できる。
7 は良い物語。体験していて良い気分。
6 は普通の物語。雰囲気としてもよい感じ。
5 はそこそこの物語。雰囲気としての物語性はある。
画像/音声
10 は驚きをもって迎えられる。Sebasianは美しいマップを、CANDLE LIGHTは絵で物語る。
9 はきわめて高いクオリティ。ゲームの雰囲気を盛り上げ、あるいはプレイを支える。
8 は高いクオリティ。強くゲームに良い影響を与える。
7 は良いクオリティ。安定してゲームに寄与する。
6 は安定したクオリティ。違和感のない仕上がり。
5 は概ね安定。たまに違和感。
遊びやすさ
10 は一切の不満がないようなデザイン。
9 はプレイしやすいようにデザインされている。細やかな配慮もされている。
8 は遊びやすい。様々な配慮の上に成り立っている。
7 は概ね遊びやすい。たまにちょっと遊びにくい。
6 は半分くらいは遊びやすい。残りはちょっと遊びにくいけど、まあなんとかなる。
5 は割と遊びにくい。プレイしたくないって程でもない。
その他加点 10点以上つけたいなという気分。 ちょっと上記のジャンル分け難しい評価だなという気持ち。
得点表
結果発表を受けて 以下はあまり推敲せず、レビューもしていない完全な感想です。 思いのままに書いていますので、多少不適切な表現があるかもしれませんが、ご勘弁ください。
1位 DAY:0 順当以外の何物でもない順位です。優勝候補を挙げている方は大体この名前が含まれていました。 全てにおいて高いレベルのゲームで、もうSteamで整えて出せば多分ちゃんと売れると思います。 死にキャラがいないことも含めて、その辺のバランス力も高い作品です。
ただ、どのジャンルでも1位にはなっていないんですね。物語を除いた各ジャンルが極めて強いのが決め手だったようです。 私は2位につけていますが、気持ち的には優勝の位置づけです。
2位 怪異探偵委員会 これは多分全体平均の高さがそのまま出ましたね。斬新を除くあらゆるジャンルで強いです。 完成度という面では最高レベルに高い作品で、冬呼びと並んで今ウディコンで完成されているなと思わせるADVの一つです。 別に他が完成されていないわけではなくて、あらゆる要素がきちんと折り合いをつけて存在しているくらいのニュアンスと思ってください。
読後感がとてもさっぱりとしているので、タナトスに沈むとセットで摂取するとちょうどいい感じになるので個人的にはお勧めです。
私は10位に入れていますが、点数平均のバランスが結果のそれに近いです。様々なプレイヤーが似たように思い、高得点をコンスタントに入れられるような作品だったと思います。
3位 ゲー製ゲーム かなり納得の順位です。 ウディコンという作者の多い場も味方したかもしれませんが、いずれにしてもゲーム制作をサイコロとイベントに見立てつつ、運以外できっちりカバーできる部分を作るのが綺麗でした。 個人的には、ゲーム性とUIの洗練され具合なら間違いなくトップレベルです。 そりゃあ熱中度も斬新も遊びやすさも1位になります。
私は同率5位に入れていますが、気持ち的にはTOP3くらいのつもりです。
4位 扉は君の鍵で開く 熱中度1位だと思ってたんですが、人によっては合わない仕組みだったということでしょうか。 少しばかり人を選ぶ割に、サムネは人を選んでないあたりから考えても、ミスマッチが起きていた可能性がありますので妥当な順位かもしれませんが、個人的にはもう少し上かなという気持ちです。 物語性1位が納得の出来で、聞き込みの作り込み具合は恐ろしいレベルの域に達しています。
私は3位に入れていますが、気持ち的には優勝の位置づけです。気持ちだけならTOP3が10作品くらいありますし、優勝は5作品くらいあります。
5位 ピクロジカル 熱中度1位がこの作品なのは意外でした。順位という面でも、上位作品では一番意外だったかもしません。 ピクロスというシンプルなゲームに、物語性を付加することでウディコンでも戦えるように仕上がった作品でした。単にピクロスをやらされる問題集ではない所が秘密な気がしています。
私は26位につけていますが、確かに熱中度が一番高くついているので、そういう風に感じる方が多かったということでしょうか。
6位 夢遊猫ネクロフィリア もっと上で良い作品でした。何なら1位でもいいです。私は1位につけているのでそう思うわけですが。
イミテイションをプレイした人が斬新さを落としたのか、今回はちょっとだけ物語薄目だったからそのあおりなのか、単純に周囲のレベルが高いので相対的に落として見えるのか、いずれにしても残念でなりません。6位は今回のハイレベルなウディコンでは十分高いとは思いはしますが。
今回やっていてゲームとして純粋に楽しい作品の一つでした。
7位 Sebastian and Little lady Butler of Love 物語性3位は結構最後までやった人が多い証かもしれません。おまけまでちゃんとみるウディコンプレイヤーが多かったのでしょう。おまけを見ることで物語がまとまった印象を受ける作品でした。 ちなみに、この発表段階で画像音声が3位なのを見て、2位がどこなのか分からなくなりました。合計点でDay:0がもぎ取っているのを見て納得しました。あちらの絵も素晴らしいです。
8位 タナトスに沈む 発表一テンションの上がった順位かもしれません。でも、もっと上でいいです。
間違いなく物語として素晴らしいので是非にやってほしいとは思います。ただ、私はやや信者よりのムーブをしているので勧めるのは若干ためらいます。やりたくなったらどうぞ。
私は5位につけていますが、この作品が今ウディコンでは一番好きな作品です。一番好きでも順位が一番上に来るとは限らないのが得点制というものの面白いところですね。
9位 THE CANDLE LIGHT グラフィックに関しては過去のウディコンを通してですら抜きんでて高いレベルにあると思う作品です。Steamの雰囲気ゲーにこのレベルがあったら、ウィッシュリストにとりあえず叩き込むレベルのグラフィックのインパクトがあります。 プレイ感も、ウディフェス版から格段にレベルアップしてるので大分やりやすくなっていました。
10位 わちゃわちゃダンジョンズ -ルセルッカの冒険譚- グラフィックは商業レベルながら、それを放置という所に置いている贅沢さがあります。 放置は熱中度低くなるんじゃないかなと思っていましたが、なんやかんやの総合力の高さが光ったということでしょうか。 放置といっても、意外と放置せずとも遊べるあたりが熱中度を下げなかったゆえんかもしれません。
11位 ベビーシッター2XXX リソース管理+単語攻撃という斬新さがいいですよね。グラフィックもよくて、物語も明るくてよく、単語に対していちいちリアクションがついているのも芸が細かいです。 そういう意味で、もう少し上かなと期待してはいたんですが、そこそこ高めの難易度がちょっと厳しかったかもしれません。
私は7位につけていて、今ウディコンでは一番斬新に感じている作品でもあります。
12位 オバケ・ファミリー Stay Away, Stay Home ゲームとしての完成度が高い上に、3Dアニメによるグラフィック的ブーストを考えると妥当以外の何物でもない順位です。 ミニゲームチックなもののため物語性はあまりふるってはいませんが、それ以外の各要素が満遍なく高い優秀な作品ということがうかがえます。
以下は好きなものをつまみ食いします。
17位 ラピッドスティール2 前作からの大幅パワーアップを受けて、より楽しいシューティングとして帰ってきた作品です。 シューティング初心者でも手軽に遊べる難易度ももちろんのこと、要所要所でしっかり演出が組み込まれている芸の細かさも良いゲームです。
余計な情報もなく、シューティングに集中できるので初心者にお勧めの作品です。
18位 流星の射手 ~亜人大戦争~ 今ウディコンで一番楽しかったアクションです。 とにかくレスポンスとリアクションがしっかりしているので、動かしているだけでも楽しいタイプのアクションに仕上がっています。
ボス戦も歯ごたえがありバリエーションも豊かで、最後まで飽きることなく夢中でプレイできる作品でした。 なので、もうちょい上に来ていても良いかなとは思っていました。私は同率3位につけてあります。
22位 封獄のモノクローム 戦闘の戦略性が楽しいうえに、テンポもよい作品でした。 戦略性の高い戦闘は得てして長考して時間がかかりがちなところがありますが、このゲームの戦闘は選択肢が限られている中で最大のリターンを得たり今後のリターンを考えたりするというものなので、あまり長考せずにすみます。
私は同率12位につけているので、当然もっと上かなと思っていました。
25位 左眼ジャック事件 物語構成の巧みさが光る一品です。点数が物語性とその他に集中していることからもうかがえます。 推理ものでは確かにないのだけれど、良質な推理ものの小説を読み終わったかのような読後感を得られる作品でした。
これまた私は同率12位につけているので、もっと上かとも思いつつ、物語性一本釣りなので厳しいかなとも思っていました。
29位 Cigar In The Room 私はこの手のおしゃれさに弱い傾向があります。自分にセンスがないからなのか、センスにぶん殴られると好きな作品に化けてしまいます。
これがどうして心に残る作品なのかを説明しようとしても上手く言語できていないので、とりあえずセンスという言葉でお茶を濁していますが、どこかのタイミングでもう少し解体したいと思っています。
35位 おしまいのーと。 この作品もまた物語構成が素晴らしいゲームとなっています。今までやってきたホラーの中でも、物語構成の巧みさは狂い月と並ぶ高いクオリティです。
そもそもホラーは不可思議への恐怖なので論理的に進行する物語構成とは対極の概念にありそうですが、この作品はうまいことミスリードを活かすことでそれらを融合させていました。
物語がいいホラーを堪能したいならお勧めの作品です。
なお私は同率8位につけているので、もうちょい上でもいいかなとは思ってはいます。
37位 R.P.G. of Classical Music -Piano Hikitaro’s Memory- 単純にクラシックを流しただけのRPGとなっていないのが良いです。 物語もちゃんとあり、戦闘バランスもシビアに整えられているという舞台がそろってこそ、クラシックの良曲の旋律が心に届くというものでした。
名曲ぞろいのBGMのおかげで、常にテンション高く戦闘に臨めるのはクラシックを据えた良い点の一つだと思います。 この作品で知った半音階的大ギャロップは好きでした。ちょっとリストの作品を漁ってみようと思います。
38位 わたしがあなたを悩ませる ネタをただのネタで終わらせない物量がありました。 これだけのシルエットクイズを成立させられるイラストを、短期間で描き上げたのは素晴らしいです。ちゃんとフレーバーもつけているあたりも素晴らしいです。
39位 ワールドサッカークロニクル ウディコンエディション 私が見ていたのは数字だけだったはずなんですが、たぎる熱は確かにありました。サッカーにあまり明るくない身としては、これほどサッカーに熱を感じることができるとは思いもしませんでした。
その熱は間違いなく多くの情報の物量に後押しされているものだとは思います。 今ウディコンで自分に一番驚いた作品です。
圏外 Do you think I am a wich possessed? 周回は確かに厳しかったんですが、周回したくなるほどに物語がいい作品です。物語というか各キャラクターが良いとも言います。 今回のウディコンで好きなキャラクターを挙げていくなら、全員上のほうに入るくらいにはすべてのキャラクターが良かったです。
謎解きも結構本格的で楽しく、全体的な脱出ゲームとしてのクオリティは高く感じたので、圏内から外れたのは残念でした。今回がハイレベルということは差っ引いても、もうちょい上にあってほしいです。
圏外 塔と魔女 戦闘バランスのよくできたRPGだけに、圏外にいるのが残念です。 返す返すも、今回のウディコンのレベルが高すぎていくつか良い作品も落ちてしまっているように感じます。60位くらいまで圏内でいいんじゃないですかね。
敵から抽出したスキルを効果的に活用して強敵を倒していく戦略性はなかなか楽しく、ラスボスがしっかり強い作品なので、状態異常が強い作品が好きな方はプレイしてみるといいと思います。
圏外 星影のお散歩 ミニゲームだからわかるとは思いつつ、ミニゲームとしてしっかりできているしもう少し上でという気持ちもあります。
下手なゲームよりは何度もやってしまう中毒性がありますし、人によってはこの作品を一番プレイしているという方もいそうです。 かなり運に左右されるところがあるとは思うんですが、テンポ感の早さのせいか、ほわほわした雰囲気のせいなのか、あまり気にならないのも良いところです。
後記 以上で、長々と書き連ねてきたレビューを終わりたいと思います。
今年は例年以上の作品数と活況で、大いに楽しむことができた年だったと思います。
数多くの戦略性「夢遊猫ネクロフィリア」、タワーディフェンスの新たなる地平「DAY:0」、現実への推論の敷衍「扉は君の鍵で開く」、爽快なアクション「流星の射手 ~亜人大戦争~」、不穏の煮凝り「タナトスに沈む」、運を制圧するすごろく「ゲー製ゲーム」、仮名をリソースとする斬新さへの挑戦「ベビーシッター2XXX」、和風ホラーと物語性の融合「おしまいのーと。」、細やかな演出光る「冬呼びの旅路」、ラムネのような読後感「怪異探偵委員会」、放置による並列性「わちゃわちゃダンジョンズ -ルセルッカの冒険譚-」、ターン制戦略の極致「封獄のモノクローム」、物語構成の雄「左眼ジャック事件」、安心できるノリの良さ「守って!勇者さま」、首無し男と友人になれる「Cigar In The Room」。
今年もまた、様々なジャンルから、様々なことを目がけた作品が出展されていました。 遊びやすさに特化する作品もあれば、グラフィックが頭抜けた作品、戦闘の戦略性を高めた作品から、物語構成で魅せる作品まで、どのような作品でも遊ぶことができるのが、ウディコンの楽しさの一つだと思います。
楽しいゲームを作っていただいた製作者の方々に、改めてここに感謝の意を申し上げたいと思います。 そして、ウディコンでこれからも様々な作品と出会えることを願って、この文章を終えようと思います。
感想 ウディコン中に感じた全体的な感想です。駄文レベルがさらに上がるので、厳しい方はブラウザバックをお願いします。 なお、ほとんど箇条書きなのは、文章をつなげるのが面倒だからです。
時間に間に合わせるというのは一つの才能なので、コンテストに合わせてきちんと仕上げてる作者さんはすごいと思います。 コンテスト中に出た意見とかに対応して、色々と改良していく作者さんも凄いです。作り終わった後に直す気力があるのは素晴らしいです。 そういう意味でも、未完成品はあんまり好まないので、嘘でも完成品とは書いておいてほしい気持ちはあります。 別にエンディングがなかろうか、バグだらけだろうが、ちゃんとゲームシーケンスさえつながっていれば完成品ではあると思っているので。
なんか特殊なシステムなりがあって、それを不便に感じたり、あるいは必要に思えなかったりするときに、なんでこのシステム入れたんだろうと思うことがあります。 ただ自分が実装するときは、新規システムの実装が楽しいからという理由でよくわからんシステム突っ込むことがあるので、プログラマーにありそうな気質なのかもしれないなあとは思っています。 トップダウン型じゃなくてボトムアップ型みたいな感じでしょうか。多分設計はトップダウンのほうがまとまるんだろうなとは思っています。udさんとかその辺が上手くてシステム的な無駄がない印象です。
バグがあるゲームは、それが進行不能系でなくても悪い影響を与えそうと感じています。 フリゲなんてあんまり信頼性はないので、一つでも明確なバグがあると、仕様であるところすら疑うことになります。加えて、ここはバグがあるんじゃないかとおびえながらプレイすることになるので、必然面白さはだいぶ落ちます。 なので、バグというのは徹底的につぶしたほうがいいんですけど、そうもいかないんですよね。
私は大体全部やろうとしているんですが、何故全部やろうとするかといえば全部やったほうが機会平等だからというよくわからない義務感と、単純にいっぱい遊べて楽しいというのがあります。2:8くらいの感覚です。 もっと言えば、トリアージ勇者とか、サムネで判断すると拾い損ねそうな作品を拾っていきたいという気持ちもあります。見えた地雷に思えても踏まないと地雷とはわからないので。
今回はさすがにMarkdown形式で書いて18万字、おそらく純粋な文字数なら14万字くらい書いてしまったので、次回はもう少し抑えようと心に決めています。プレイ数も絞るかもしれません。 感想書くのは楽しいんですが、精神と時の部屋にはいないので無限に時間が吸われてしまいます。
そういえば自分のことを表現するのにプログラマーとしていますが、どういうタイプのプログラマーか追記し忘れたのでここに書きます。 一応ゲームプログラマーを生業としていて、趣味でもゲームっぽいプログラムをしています。近い時期だと、Woditor2Unityを書いていましたが、企業さんがより強いの作っていたのでモチベーションは落ちています。
以下の動画みたいな感じで、Unity上にウディタのマップを再現するくらいのところまではいけました。企業さんのやり方とはちょっと違うので、パフォーマンス面などでは落ちそうです。