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Recursed

値段 クリア状況 実績 プレイ時間
820 クリア 17 / 17 20時間
お勧め度 コスパ
★★★★★★★★☆☆ ★★★★★★★☆☆☆

パズルゲームという砂場は様々な概念を変換しうる土壌を持っています。同じ倉庫番でも、そこにキャラクター性を足せばHellTakerとなり、ルール構築という概念を入れればBaba Is Youとなります。
このゲーム、Recursedはパズルゲームに再帰をはじめとしたプログラミングの概念を組み入れた作品です。

ルールはシンプル、経路は複雑

ルールはシンプル 宝箱を持って入る

ゲームのルールはいたってシンプルであり、物をつかむ、直線上に投げる、ジャンプの3つのアクションを使って、ステージにある宝石をとればクリアとなります。
さらに、ステージはいくつかの部屋に分かれており、宝箱に入ることでその部屋に入ることができます。

しかし、このゲームは単純に一筋縄で解けるものではありません。物をつかむというアクションが、このゲームを複雑怪奇なものにしています。
このアクションでつかめるのは扉を開ける鍵や、足場となるブロックだけではありません。なんと部屋の入り口である宝箱すら掴んで持ち運べるのです。

また、部屋に入り直すことで、その部屋の状態は初期状態にリセットされます。例えば、ブロックが一つ置いてある部屋に入ってブロックを掴んで持ち出しても、入り直せばまたブロックが復活しているのです。

これらの性質をうまく活用していくことがこのゲームを攻略するカギとなっていきます。
ある部屋でブロックが複数必要なら、その部屋にブロックが一つ置いてある宝箱を持ち込んで、その宝箱からブロックを必要な数取り出すといったように、課題を解決するには複雑なアプローチが必要になっていくでしょう。

プログラムとの連関

static スレッド

そして、ここまでの説明で勘の良い方はお気づきかもしれませんが、この性質はプログラミングの概念として解釈できます。
部屋に入ることのできる宝箱は一つの引数(持ち運び)、一つの返り値(持ち出し)を持つ関数ポインタと考えることができます。
そう考えれば宝箱を持って入るのは関数ポインタを引数として渡したと解釈できますし、入るたびに状態がリセットされるのはローカル変数が初期化されたとでも解釈できます。

さらにステージを進むにつれて、より複雑な概念が現れていきます。ステージに必ず一つしか存在しなくなる緑色のオーラ(static)、水に沈めると状態が変わる宝箱(仮想関数?)、亀裂から出ることでその部屋で行った行為を状態保存して入り口を持って出てこれる瓶(継続)、入るとそれまでのすべての行為は保存されたままそれの対が置かれた別の部屋に入ることのできる大釜(スレッド)。
様々なプログラミングの概念がパズルに綺麗に落とし込まれています。

プログラミングにおいてカバレッジを100%にすることが難しいように、あらゆる可能性を考慮してRecursedのパズルを解くのは難問となります。
その分、結果からの逆算をちゃんと行ってクリアできた時の達成感は筆舌に尽くしがたいものがあります。

隠し要素もある

????

また、このゲームを進めていくと、ある条件下ではグリッチが起こせることに気づくでしょう。
このグリッチを見つけ出すことで、さらなる難問へとチャレンジすることもできます。

グリッチをステージから見つけ出すということも難しければ、グリッチのその先をクリアすることはさらに難しいものとなっています。最後まで歯ごたえのあるパズルを楽しめることでしょう。

再帰する思考

Recursedは再帰をパズルのギミックとして取り入れ、あたかもプログラムの様に解くパズルゲームとなっています。
一方で、このゲームはプログラムの知識を必要とするわけではありません。あくまで概念として取り入れて、パズルへと昇華した作品ですので、プログラマーの方以外でも気軽にプレイしてみてください。

感想

プログラマーが好きそうなパズルゲームという意味で、Induction なんかと軌を一にするゲームだと思っています。
別にプログラム的な知識を要求されたりはしませんが、思考の過程はかなりプログラマー寄りになってきそうな作品なので。

出来の良いパズルゲームをやると、クリアしたときに製作者は天才かと呟く時が来るんですが、この作品も例にもれずそういうタイプです。発想が天才的で、めちゃくちゃ美しく解けます。The Void の Escalate は控えめに言っても作った人は天才。

Interlock の複雑具合も、Escalate の頭がぶっ壊れそうな構成も、Flight の凄まじさも、大体全部好きです。好きなステージが結構多いゲームでした。

DUSTFORCE DX

値段 クリア状況 実績 プレイ時間
980 通常ステージ全クリア 0 / 1 15時間
お勧め度 コスパ
★★★★★★★☆☆☆ ★★★★★★★☆☆☆

同じ2Dプラットフォーマーでも、Celesteを誰にでもお勧めしたい作品と評するのであれば、DUSTFORCE DXは限られた人にだけお勧めしたい作品であると言えます。
万人受けするゲームデザインの作品ではありませんが、その限られた人にとっては何物にも代えがたい苦難と喜びを提供してくれるでしょう。

スタイリッシュ?

スタイリッシュ

この作品を買う前、すなわちトレーラーを見た時のこのゲームの第一印象は、「スタイリッシュお掃除アクション」でした。スタイリッシュに足元のごみを消していきながら、ステージを高速で縦横無尽に駆け回りゴールへと向かうその姿は、動かせばさぞや気持ちよいだろうなと思ってポチったのを記憶しています。

ほぼクリアした今、このゲームを改めて定義づけるのであれば、「たゆまぬ鍛錬の元スタイリッシュさを体得するゲーム」です。

飽くなき反復が動きを作る

加速のコツ 壁張り付き

DUSTFORCE DXの操作自体は非常にシンプルです。ダッシュ、ジャンプと攻撃と壁張り付きくらいのもので、行うアクションの数は決して多くはありません。
しかし、これらのアクションをチュートリアルにあたるステージで使ってみると、どうやってもトレーラーのようにスタイリッシュにはいきません。
動きの速度はやたら遅く、着地すれば着地モーションで動きが止まり、壁に張り付いてジャンプしようにも慣性が強すぎて上手く動けません。チュートリアルステージですら、時間をかけてやっとこさクリアできるレベルでした。

それもそのはず、このゲームにおいてスタイリッシュさを発揮するには、各アクションの練度を高めなくてはなりません。
動きを速くしたいなら、ダッシュのタイミングを考慮しつつ、坂にいる時は下キーを押し、上空にいるなら急速落下を駆使して加速する必要があります。また、着地はそもそも坂や壁張り付きで巧妙にキャンセルする必要があり、壁張り付きは別キーに割り当てて制御しやすくしておくと便利です。慣性については慣れるしかありません。
これらのアクションの組み合わせや派生を少しづつマスターしていき、ステージごとのジャンプタイミングや加速ポイント、攻撃ポイントを身体で覚えることで、ようやくスタイリッシュさを会得することができるのです。

スタートラインに立つことすら試練

ちゃんとSSをとらないと次に進めない 扉へのアクション

こうして少しづつ上手くなっていくことで、簡単なステージではある程度思い通りに動かせるようになってきます。そこで、難しいステージに挑もうとすると二つの壁が立ちはだかります。
まず一つは、難しいステージに入るには鍵が必要という要素です。鍵を獲得するためには、中級コースなら初級コースのステージ、上級コースなら中級コースのステージといったように、ひとつ前のレベルのステージにおいて、優秀なスコアを獲得する必要があります。単にクリアできるレベルでは次のステップへと進めさせてはくれません。

優秀なスコアを獲得するには、COMPLETIONとFINESSEを高める必要があります。
COMPLETIONはステージ内の汚れの獲得割合、FINESSEは汚れをノーミスで一定時間内に獲得し続けることで発生するコンボに応じて決まってきます。
つまり、次のステップに進むためには、ある程度ノーミスでステージ内の汚れをすべて回収しきる必要があります。ちょっとでも動きがよどんだり、ルートを間違えてしまうと良いスコアは得られません。ハイレベルなスタイリッシュさが求められています。

さらに、鍵を獲得しても終わりではありません。これに加えて、ステージに挑戦するにはそのステージの扉の前に立つ必要があります。
この扉は、初級コースであれば道すがらにおいてありますが、上級コースともなると高度なアクションを駆使しないと到達できない場所にあります。ステージに入るためにさえ、ハイレベルなスタイリッシュさが求められるわけです。
参考までに、上図は下の足場からギリジャンプをし、壁を駆け上がったら最高点でジャンプし、斜め壁に貼り付けるのでそこも最高位置でジャンプをし、最後の崖に引っかかるのでそこを駆け上がれば行けます。

この鍵と扉の要素により、上級コースに間違えて入る初心者は発生しません。鍛錬し、積み上げて来た者にのみ、この切符は発行されるのです。
筆者は見えている全ステージへの挑戦権を獲得するまでに12時間くらいかかっています。

たゆまぬ鍛錬がスタイリッシュを作る

このように、とにかく初心者お断りの厳然たる風体をしていますが、ステージ構成などのアクションの面では決して無理は要求してきません。
動きを一つ一つ点検し、ルートを把握し、冷静にすべてをこなすことができれば、最優秀のスコアをとることも不可能ではありません。
それらを補助するようにリトライ性も高く、ステージに一度でも入れば再度高度なアクションを経て扉の前に立たなくても挑戦できるように配慮もされています。

トレーラーとゲーム体験のずれを、たゆまぬ鍛錬によって埋めていくことができるのであれば、自身が成長していくことに喜びを覚えることができるのであれば、このゲームをお勧めしたいです。

感想

だんだんアクションが上手くなっていくことに快感を覚えるタイプの人ならお勧めです。プレイし続けることで大分動きが洗練されてくるのは、得も言われぬ達成感があります。

筆者は最高レベルのSSはさすがにしんどいのでやめましたが、それでも全ステージに挑むためには銀の鍵のステージは全てSSを取る必要があります。この辺は本当に鍛錬という感じです。ただ、やればやるだけ上手くなっていくのは楽しいです。
ちなみに実績は全部SSの一つしかないので取れていません。  

CyberRebeat -The Fifth Domain of Warfare-

値段 クリア状況 実績 プレイ時間
1010 クリア - 6時間
お勧め度 コスパ
★★★★★★★★☆☆ ★★★★★★☆☆☆☆

ノベルゲームというジャンルはストーリーに主眼が置かれ、物語ることによって描かれるデザインをしています。このため、各ゲームの合う合わないが個人に大きく依拠することになります。
その観点では、CyberRebeatはプログラミングをやっていて、CTFをちょっとかじっていて、ノベルゲームが好きな人にお勧めしたい作品です。有り体に言えば、自分自身にお勧めしたい作品となります。

ハッキングを描く

ストーリーは一癖も二癖もあるハッカー達が巨大な陰謀に巻き込まれながらも奮闘するものです。巨大組織に立ち向かうあたりの下りなど、いくつかの描写や展開はシュタゲを感じないでもありません。
全文ちゃんと読むと6時間ちょっとと、ノベルゲームとしてはそこそこのボリュームがあります。

Haskell枠 Scala枠

ただし、このゲームは一般的なエンターテインメント作品によくいるハッカーを描いてはいません。このゲームの大体のスタンスは、冒頭のオープニングにあるキャラ紹介を見ればつかめるでしょう。この紹介では、キャラクターからは3つの情報しか得られません。いわく、好きなもの、属する領域、そして言語です。
言語といっても話す言葉では当然なく、プログラミング言語です。ヒロイン枠にはHaskell、謎の人物枠にはScala、お助けキャラっぽい枠にはRが割り当てられています。この言語の選び方を見れば、なんとなく感じるものがあるのではないでしょうか。

そのことからも察せられるように、このゲームはちゃんとしたハッキングを描いています。ハッカーが黒塗りのプロンプトの画面を前にキーボードを叩いている描写が巷ではお馴染みですが、この作品のハッカーはちゃんとソーシャルハックもして、ハッキングする際にはボットを使いツールを駆使しています。
本当のハッカー像はまた少し違うものとなっているでしょうが、多少なりとも現実に即したハッカー像を描いているといえましょう。

ソーシャルハックには気を付けよう 割とちゃんとCTFもハッキングもする

また、ハッキングに関連して、CTFもちゃんと描いているところも面白い点です。筆者が見てきた中で、最も熱くCTFを攻防戦式で描いた作品であり、そして唯一の作品でもあります。
そも、現実でもこのゲームの名前でCTFの大会を開くような方がこのゲームを作っています。

収斂する急

加えて、CyberRebeatはハッキングをしっかり描写しただけの作品でもありません。
この物語は全体を分けるならばおおよそ5章立てになる構成をしていますが、必ずその全ての章において、ルーデルもかくやというほどに急速落下に衝撃的に落とそうとしています。何なら落とせるほどの爆弾がなくても、無理やりにでも速度感だけは維持して落としに来ています。

多くの物語というのはどうしても紹介パートが存在しますし、どうしてもつなぎの物語は発生します。終わりに向けてちゃんと起承転結を作ってるつもりでも、承が退屈になってしまうことは往々にしてあります。翻ってこの作品は、シーケンスのレベルで序破急の流れを確保しつつ、さらに急をひたすら早く洗練させています。そこの徹底具合が素晴らしく、おかげで読んでいてリズムが出る上に、適度に糸を張ってくれるから中だるみがあまりありません。
記憶が定かではありませんが、さる高名な漫画家に 終わりはあっさりとすぐに引くべき との言があります。この作品は、ちゃんとシーケンスという単位でそれが成立させられている展開の組み方をしていました。

虚実均整のハッカーノベル

グラフィックにも展開にもやや粗いところはありますが、ニッチなところへの突っ込みは深く、そこにツボを持っている方なら最後まで楽しめること請け合いの作品です。

マルコと銀河竜

値段 クリア状況 実績 プレイ時間
7800 読了 15 / 15 6時間
お勧め度 コスパ
★★★★★★★★★☆ ★★★★★☆☆☆☆☆

筆者がこのゲームを買った理由はたった一つでした。ノベルゲームにカートゥーン調のアニメが収録されているという話を友人から聞いたからです。有り体に言えば、カートゥーンアニメにつられて買ったと言えるでしょう。
その時はマルコと銀河竜という作品が、銀河のように広大でつかみどころのない深淵を持つとは、未だ知る由もなかったのです。

尋常ならざる速度感

スチルは1000枚超 カートゥーンアニメもあるよ

マルコと銀河竜は、ノベルゲームとしては破格のスチルを用い、さらにカートゥーンスタイルのアニメーションまで収録することで、まさにアニメーション的手法によって紡がれていくノベルゲームとなっています。

主人公である記憶喪失の孤児マルコが、ドラゴンのアルコとともに自身の母親の手掛かりを探して地球でドタバタ活劇を繰り広げるのが基本的なストーリーとなります。

なんといってもこのゲームの特徴は怒涛のテンポ感です。尋常ないスチルの物量によって不要な情景描写を極力排した状況の中、ライターによってさらに先鋭化され磨き上げられた速度感は驚嘆の一言です。
余計な描写はスチルに委ねられ、冗長な幕引きはアイキャッチで強制的に遮断され、選択肢を排して一本道にすることで速度をさらに引き上げています。
ギャグを突っ込んでは余計な回収をすることなく矢継ぎ早に展開を進め、一寸先にはシリアスをぶち込んでくるジェットコースターのような感情体験はなかなか味わえるものではありません。

目まぐるしい勢い

テンポだけで押し切ってくる例 エモい

この世界が一巡しそうなほど早い展開を下支えしているのは前述したスチル、アイキャッチ、そして癖の強いキャラクター達です。
勢いだけで突っ走る無鉄砲から、後先考えない楽天家、頭まで筋肉な戦士などの個性豊かな面々が、狂言回しも追いつかないほどのスピードで物語を進めていきます。

加えて、要所要所のシリアスな場面をそれ一辺倒にさせないコメディリリーフのタイミングや、脇道にそれたようでいて本道へしっかり戻すストーリーラインといった構成の妙もあります。
疾風怒濤のテンポ感で流しきってくるストーリではありますが、テンポで展開の雑さを誤魔化している部分は余りありません。

そうして切り替わり、立ち代わり、物語は次第にシリアスに傾いていき、終盤に向けては勢いそのままに今度はエモさでも流し切ってきます。とにかく展開の潮流が早いため、様々な感情の洪水に押し流されて大きな感情が生まれることになるかもしれません。

反芻する深淵

さて、このゲームはちゃんと声を聴いても6時間ほどで終わります。
カートゥーンアニメを期待して買ってみたら思いのほか物語もよかったので、筆者は満足して布団に入って、物語を反芻して楽しもうとしたのを記憶しています。違和感を覚えたのはその時でした。

筆者はたまにこの深淵について考えていますし、いくつか仮説を立てて解釈を試みています。いくつかの部分では解釈できているような気もしますが、多くは未解決のままです。
たった6時間のプレイ時間よりも、考察している時間の長い作品になってしまいました。

映像と楽曲も良い

書き忘れていたのでここに補記しますが、お目当てのカートゥーンアニメも良いものでした。
思ったよりボリュームはありませんでしたが、止めと動きのメリハリがついた迫力や線の自由ななびき方、位置を表現するような大胆なカット割りなど、見ていて気持ちの良いものです。

また、マルコと銀河竜は楽曲も良い作品です。
最高潮のシーンで流れる主題曲「飢餓と宝玉」は、それを聞くためだけにこのゲームを起動してサウンドテストでループ再生することもあります。
シリアスシーンで流れる「でんでらりゅうば」というわらべ歌も雰囲気に合っています。なお、でんでらりゅうばという曲を採用したことにすら意味がありそうなのでこれもたまに思い返しています。

疾風怒濤の奥に深淵

カートゥーンアニメにつられて買ってみれば、マルコと銀河竜は怒涛のスチルの洪水で押し流してくる深淵でした。
もはやプレイ時間が飾りに思うくらいには、あれこれ考えたり、思い返してみている時間は長くなってしまっています。

プレイした後に感じる1クールのアニメーションを駆け抜けたかのような読後感と、様々な描写を点検して思いを馳せられる懐の深さが、この作品を素晴らしい体験へと昇華させています。

感想

物語のけん引力というか、突っ走っていき方の完成度が恐ろしく高いです。いくつか勢いで構成される物語を体験したことはありますが、群を抜いて上手く勢いを手なずけています。終盤に手を止められる人はいないんじゃないかというレベル。

いまだに深淵の底は見えないんですが、描写を確認して仮説を立ててみる時間が楽しいのであんまり問題ではないです。物語は一応の終点にたどり着いているので、安心して細部の仮説を考えることができます。

あと、飢餓と宝玉は個人的にだいぶ気に入ったので、ほぼこれを聞くためだけにサントラを買っています。

前書き

以下に連ねる駄文は全て感想です。何度かやったレビューとは異なり、10数回と推敲することはしません。
ネタバレ、不適切な表現があるやもしれませんが、ご容赦ください。問題がある場合はプルリクなりでご指摘いただけると幸いです。

なお、筆者はゲーム会社でプログラマーとして働いていて、好きな小説家は米澤穂信さんで、好きな漫画家は天野こずえさんで、好きなRPGはFF10、アドベンチャーならVA-11 Hall-A、パズルならThe Witnessです。最近はマルコと銀河竜をプレイしました。
ウディコンでは、ひとりぼっちの竜の神話、バケモノハイツ、君は空を渡り地に響く、おおきなものになりたかった。あたりが好みです。
以上を差っ引いて感想を読んでいただくと、いくらか公平になるかもしれません。

また、ネガティブな感想を見たくない方は、こちらのボタンを押していただけると、いくらか隠れます。
今回は感想なので、完全には隠れないと思いますが、ご容赦ください。

お品書き

凡例

タイトル

良かった点

  • 良いなあと思った点を列挙します

気になった点

  • プレイしていて引っかかった点を列挙します

感想

クリア後に振り返りながら感想をだらだらと書きます

感想

1. 比較!サカトマ間違い探し

サムネイル

ジャンル 作者
間違い探し サカモトトマト
クリア状況 クリア時間 クリアVer
全部クリア 10分 1.00相当

良かった点

  • サイゼリアかというレベルの間違いがありました
  • ゲームまでの操作がクリック一つで出来て、遊びやすかったです

気になった点

  • 3 2 1 が中心からずれているのに違和感を覚えました
  • 全問正解後に「再挑戦する」選択肢は必要に感じませんでした
  • 制限時間が分かりにくいので、ゲージとかあるとありがたいです

感想

一昔前のアハ体験タイプの間違い探しです。アナログではできないので、デジタルゲーム的。
やってみるとわかりますが、結構難しいです。10回くらいリトライしたやつもあります。

コツはとにかく半透明の時を狙い撃つことでしょう。そこを逃すと勝機はありません。色が変化するタイプは全体をぼんやり見ているとなんとなくわかります。

凄まじく個人的なことを言うと、これは一発目よりは8作品目くらいにあると、良い清涼剤になりそうだなあと感じました。

2. 追星カスケード

サムネイル

ジャンル 作者
ノンフィールドADV あきら
クリア状況 クリア時間 クリアVer
全EDクリア 10分 1.00

良かった点

  • 徹頭徹尾雰囲気が良かったです
  • 行動のバランスを上手くとらないと先に進めない塩梅がちょうどよかったです
  • 行動選択によってラグが生じず、テンポ良く進めました
    • 効果音やエフェクトでの待ちがなく、並列で動いていました

気になった点

  • テンポの良さがEDまで敷衍していてやや物足りなかったです
    • EDまであっさりという意味では貫徹しています
  • セーブしたデータでクリアすると達成済みENDが上書きされます

感想

手持ちの「 」リソースをうまい事管理して、戦ったり逃げながら進めるゲームです。

こういうの好きです。
静かに流れるBGMの中、選択時に時折流れる水滴の音を感じながら、テンポよく進めていけます。SEが本当にぴったりはまっています。
フレーバーテキストも好みのやつで、路傍の石に何もしないと猿が嗤うのが推しです。

流れる水のようによどみなくさらさらと物語も体験も流れ行くのが最高でした。

ちなみにSteamやっていて、Proコンを接続しているような方は、外しておかないとバッティングしてえらいことになります。

3. もしもウディタだったら

サムネイル

ジャンル 作者
お使い 汰和
クリア状況 クリア時間 クリアVer
トゥルーエンド 15分 1.00相当

良かった点

  • 始終物語のテンションは崩さなかったです

気になった点

  • 本棚だいぶノーヒントでした
    • クリア後に気づきました
  • 迷いの森に入りなおすと赤い画面エフェクトがかかりっぱなしになります

感想

一発ネタタイプのRPGです。ネタの数は一発ではないですが。

筆者は寡聞にして「もしも」シリーズは知らないんですが、別段問題なく楽しめました。
こういうネタタイプのゲームにありがちな雑さも無く、無駄な戦闘とか省かれているのが良かったです。

4. 癒しの隙間風

サムネイル

ジャンル 作者
会話 テツロン
クリア状況 クリア時間 クリアVer
クリア 5分 1.00相当

良かった点

  • トランジションが凝っていました
  • 色々と想像を巡らせることができる作品でした

気になった点

  • EDの文字がガビガビしています

感想

モノトーンな世界で誰かと話す作品です。

多分この作品を遊んでみて、それで得た体験の咀嚼は人それぞれ色々な解釈となっていくんだろうなと感じました。
筆者の感じとしては、この空間は様々な別が取り払われたものというイメージです。VRChatとかに近く、より分かたれていない感覚でした。

5. ケルトの冒険~ぶらり賞金稼ぎの旅~

サムネイル

ジャンル 作者
RPG フィールMX
クリア状況 クリア時間 クリアVer
実績全埋め 40分 1.01

良かった点

  • プレイヤーにかなり親切でした
    • 弱点を突いたことが分かりやすいのは結構ありがたいです
  • 実績のおかげで進みが分かりやすく、モチベーションも保てました

気になった点

  • 微妙に最初の宿屋へのアクセスが悪かったです
    • 微妙に遠いのもそうなんですが、ダッシュベースの動きがメインになるため、一マスしかない入口が入りにくいというのもあります

感想

オーソドックスなRPGです。

前作同様にプレイヤーへの親切心の塊みたいなゲームでした。
迷いはせず、詰まりもせず、雑魚戦はスムーズに、ボス戦は弱点を突く戦いとなっています。
クリア時間を見て、こんなにプレイしたかなと思う程度にはスムーズにプレイすることができました。

6. REGAINCACAO

サムネイル

ジャンル 作者
アクション テツロン
クリア状況 クリア時間 クリアVer
18370 1分 1.00相当

良かった点

  • 敵のタイプや状況に応じて武器を使っていくのは面白かったです
  • リトライ性が高かったです
    • ワンプレイが短いのもあって、ついついやりたくなります

気になった点

  • マウススクロールの武器チェンジが微妙にしにくかったです
    • クリックとの同時押し制限も作用していそうです
    • 銃で特に顕著ですが、クールタイム中に変更できない仕様も影響していそうです
  • 倒したのかわかりにくかったので撃破エフェクトなどが欲しくなりました
    • ノックバックが強いので、一瞬弾き飛ばされたのかと感じることが何度がありました

感想

チョコを撃破してカカオを集めるゲームです。

4つの種別の動きと位置を考えて、どういう立ち回りで動けばクリア可能かを考えるのが楽しかったです。
ギリギリ40撃破できた時は、銃での立ち回りの確立と、ハートを撃ち漏らさないことを念頭に置いて動いていました。

7. サキュバスのアビは誘惑できない

サムネイル

ジャンル 作者
RPG 真符
クリア状況 クリア時間 クリアVer
9510でクリア 15分 1.01

良かった点

  • イラストが可愛らしかったです
    • 誘惑状態で見た目が変わるあたりの細かさも好きです

気になった点

  • 住宅街マップがどこか一瞬迷いました
    • マップが大きく二つしかないのであまり問題ではありません

感想

シンプルな短めのRPGです。

自ら喧嘩を売りに、もといエナジーを吸収しに行けるので、手あたり次第戦っていました。
というのも、デフォルメで揃えられたイラストが可愛らしく、誘惑すると変わるのもあって意味なく誘惑を叩きこみたくなるからですね。

アビの顔グラがタイトルより更に目つき悪いのがなぜか印象に残りました。

8. ショートファンタジー ミカイルの大地

サムネイル

ジャンル 作者
RPG ヘビトンボ
クリア状況 クリア時間 クリアVer
クリア 4時間 1.02

良かった点

  • 話すで色々な掛け合いが聞けてよかったです
  • 持てるリソースを使い果たしそうでハラハラするような良いバランスでした
    • 状態異常がきちんと怖いのも良かったです
  • 雑魚敵が気持ちよく強いです

気になった点

  • 話すは高頻度で掛け合いが更新されるので、いっそワンボタンで呼び出せるようにしても良かった気がします
  • ガジェットでも武器が装備可能かどうかを知りたかったです

感想

レトロ風味のRPGです。

最初から最後まで、ずっとRPGしている気分になれました。
敵のレベルカーブの見本市という感じで、しっかりと雑魚も含めて敵が強くなっていくのが楽しかったです。武器の入れ替えをしっかりやらないと雑魚にすら屠られるバランスが好きです。
武器をきちんと入れ替えつつ、適度に戦っていれば、ボス戦はきついながらも勝てる辺りのバランスも良かったです。
雑魚敵含めて強い攻撃振ってくるかの運ゲームな要素もちょっとあるのはご愛敬ですが。

ストーリーは王道の風味漂ういいもので、仲間キャラの掛け合いがフレーバーとして良い味を出していました。とりあえず会話は全部回収しましょう。そんなに多くはないです。

筆者は入れ替えるのが面倒だったのもあって、スケット、マージョ、ガイのメンツで最後まで行きましたが、特に支障はありませんでした。

9. ぬりぬりすぴりっつ

サムネイル

ジャンル 作者
お絵かき+ミニゲーム すぷりー
クリア状況 クリア時間 クリアVer
655 5分 1.0

良かった点

  • お絵かきできます
    • dotpictみあって楽しいです
  • 息抜きできます
    • バリエーションも適宜変わって最後まで楽しめました

気になった点

  • マウスの動きによる線補完がなかったです
    • 物凄い野暮ですが

感想

お絵かきできるゲームです。ミニゲームもできます。

ドット絵を描く上で必要そうな機能は大体揃っているので、休憩も兼ねてお絵かきしていました。
一通り触った後は、ミニゲームもできるので締めにどうぞ。

10.≡ひ

サムネイル

ジャンル 作者
ミニゲーム rute.
クリア状況 クリア時間 クリアVer
43 / 45 3分 1.00相当

良かった点

  • 一発ネタとしてちょうどいい時間で終わりました
  • ひが回転して飛んでくるシュールさがありました

気になった点

  • スナイプは低弾道が回転率良いので、連打になりがちでした
    • マウスでスナイプするなどもありかとは思いますが、シンプルさが欠けてしまうので難しい所です

感想

ひを飛ばすゲームです。

何で「ひ」なのかと一瞬考えましたが、良く考えたらテーマが「ひ」でした。

11.黒き鬼の研究室

サムネイル

ジャンル 作者
探索ホラー Asteroid
クリア状況 クリア時間 クリアVer
TRUE END 30分 1.00

良かった点

  • 無音の中のスリルがありました

気になった点

  • 最後のアレに関しては別EDと出口が違ったので混乱しました

感想

青鬼ライクな探索ホラーです。青鬼フォロワーでしょうか。

どこから現れるのかドキドキしながらマップを回るのがこわ楽しいです。

最初に置かれた紙の意味を回収するタイミングが絶妙に丁度良かったなと感じました。

最後の方だけ胸焼けしたのでもうちょっとコンパクトだとありがたかったです。青鬼ですとあの面は、分かりやすく下方向に一度行くだけのものでした。

12.アウターストーン

サムネイル

ジャンル 作者
RPG やなぎ
クリア状況 クリア時間 クリアVer
クリア 2時間 1.00

良かった点

  • ボイス付きは面食らいました
  • 地面に応じて足音が変わる細かさが好きです
  • 最初からいくらかゲージが溜まっているおかげで、雑魚を一瞬で消し飛ばせるのが爽快です

気になった点

  • マップにおける次のマップへの接続点が分かりにくかったです
    • 行けそうと感じながらもどこにも繋がっていない画面端が多い印象です
  • メニューの選択で最初少し戸惑いました
    • 白が選択、灰が非選択でカーソルめいたものがないので、一つしか対象がない時に一瞬戸惑います

感想

独創的なシステムが楽しめるRPGです。

レーン式リアルタイムバトルがシステムとして面白かったです。
行動のたびに変わるエレメントの状態や、此方のステータスなどを加味してレーン移動して相手の攻撃を塞ぐのが楽しいです。
リベンジ込みでないとほぼデバフはかけられないので、そのあたりをやりくりしつつ、溜まったリベンジでギリギリ逆転できた時は気持ち良くなれます。

エレメントサーキットでいつでもステータスを割り振れるのが便利で、組み合わせを考えるのも楽しいです。スキルセットも同じ。
雑魚戦では攻撃重視のスピード決着タイプにしておいて、ボス戦では相手の弱点を考えつつ組み合わせを変えて試していました。

メニューのUIが触っていて気持ち良かったです。最小レベルで気持ちいい程度にアニメーションしてくれました。

13.グレートサクセス

サムネイル

ジャンル 作者
ランゲーム HMKEY14代目
クリア状況 クリア時間 クリアVer
全ステージ金 1.00相当 30分

良かった点

  • 自機性能に応じたプレイングができて面白かったです
    • 最初は慎重な機体、後半は速度重視など習熟にも合わせられました

気になった点

  • ステージが多いわりにギミック的バリエーションがあまり無かったです
    • 火山ステージのちょっとだけ見えるやつなどのバリエーションがもっと欲しかったです

感想

得点アイテムを回収しつつ敵を避けるランゲームです。

いろんなエリアがあったり、いろんなキャラがいたりで面白かったです。
なぜか、ついやりたくなってしまう手軽さがありました。

結局猫が強くて猫で最後まで行ってしまいました。他もいろいろ触ってみたかったです。
一番笑ったのは乙姫です。

サムネイル

ジャンル 作者
RPG comecomepig
クリア状況 クリア時間 クリアVer
クリア 2時間 1.01

良かった点

  • 敵のイラストがいい感じに不気味でした
  • 序盤やある程度広いマップでは戻る手間をなくしています

気になった点

  • 選択効果音が高音で耳が辛くなりました
    • 1時間くらいやると慣れてきます
  • 衰弱全体攻撃への明確な正解が見つかりませんでした

感想

王道を往くRPGです。

ちょっと昔のRPGをよりコンパクトにした感じでした。
敵グラフィックがなんか不気味という感じで良かったです。

戦闘バランスは結構厳しめで、雑魚が硬いし強いです。下手にパターン入るとボスより強く感じます。
衰弱、毒、麻痺などの状態異常への回答が予防ではなく治療なので、全体にやられるとジリ貧に陥ります。特に衰弱は致命傷になるので、祈るほかありません。
そういう意味でも、確実に勝ちやすい雑魚でレベリングし、道中は全部逃げるが物凄い安定しました。
ボス戦前に回復とか甘いものはないので、ボス戦にはできる限り温存したいという気持ちもありました。

きっちり硬くて強い雑魚がうようよいるという意味では、昔のFFを思い出しました。

個人的には、装備のレベルカーブに違和感を覚えました。急に大分強くなったり、全然強くなかったり。購入前にパラメータ見たかったです。
また、最後の方のあの武器屋もまたもやっとしました。同タイミングで、武器に関しては完全に空気になります。解放タイミングは、その一個先のダンジョンクリア後とかで良かった気がします。

15.ミサイルを飛ばすだけの簡単なおしごと

サムネイル

ジャンル 作者
マウスアクション Dot蜥蜴
クリア状況 クリア時間 クリアVer
609385 10分 1.00

良かった点

  • とにかくリトライ性が良かったです
    • マウスをどこにおいていようが2ボタンでとっとと始められます

気になった点

  • ステージ開始時のマウスクリックも判定に含まれてしまいます
    • 一部右クリック旋回開始面が面倒でした
      • 開始時は右クリックを許容していますが、死亡後リトライ判定時は左クリックのみなので

感想

マウスだけで遊べる簡単なおしごとです。

リトライ性を上げるために余計な者は全部省いている勢いで、気づくと何度もリトライを重ねてしまいます。
スコアが1単位刻みなのも、なんかもっと詰められそうな気分になってやりたくなりました。

16.魔法少女がーるずふぉーめん

サムネイル

ジャンル 作者
ADV うさねこはむ
クリア状況 クリア時間 クリアVer
全END視聴 20分 1.00

良かった点

  • オープニングの出来が最高でした
    • バンクも凝っています
  • それぞれの物語が微妙に雰囲気が違っていて良いです
    • 周回が楽なようにスキップもついています

気になった点

  • モブに豚がいる世界観が気になります
    • これは純粋に何故いるのか気になっています

感想

物語ベースのアドベンチャーゲームです。

中華感とファンタジーが良くわからない融合を遂げた結果のカオスが良かったです。一部ストーリーではこれに現代まで混じってなおのことカオスでした。
ストリーミング=チャンを思い出します。
このテンションだけで突っ切っていく感じが好きでした。

それぞれ別の方が作ったからなのか、シリアスに一瞬振れる場合もあれば、もう単純に勢いで突っ走っていくのもあって楽しかったです。

17.天葬 体験版

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ジャンル 作者
探索ADV 凍土博覧会
クリア状況 クリア時間 クリアVer
到達可能点まで 10分 体験版

良かった点

  • マップの奥行きが上手く表現されていて立体感があります
  • 荒廃し、自然に覆われた世界が精緻にドット絵で描かれています

気になった点

  • 特にありません

感想

荒廃した世界を鳥となって進みゆく探索アドベンチャーです。

とにかくドット絵で描かれた風景がツボでした。荒廃した世界、根に貫かれるビル、水の表現、全部好きです。
ちょいちょい進むと朧気に見えてくる過去とか、こんな状況でものんびりしている動物とか、見るだけで最高でした。
後半の方に出てくるあの動物が個人的には推しでした。背景含めて絵になっています。

美術館ネタも結構面白かったです。我が子を食らうサトゥルヌスとか。

18.ポリアンナ・コレクション

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ジャンル 作者
シミュレーション? 広背
クリア状況 クリア時間 クリアVer
クリア 15分 1.00相当

良かった点

  • メタいシステムが面白かったです
    • クリアするために不適切表現を目を皿にして探しているのが示唆的でした
  • 落ちには笑いました

気になった点

  • すり抜けアイテムの意味が結局分かりませんでした
    • これを使って無理やりにでも見つける不適切表現があるのかと思って探し回ってしまいました
    • 探索の補助か、デバッグというネタでしょうか

感想

RPGをプレイして不適切表現を取り締まるゲームです。

昨今のあれこれを彷彿とさせるネタが散りばめられていて良かったです。
最後の持っていき方も含めて秀逸でした。ついつい2度プレイして回収したくなってしまいました。
不適切表現を探し回る姿はまさに、そういった人々を追体験しているようで恐ろしくもあり面白くもあります。

19.ウルファールとにじいろの塔

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ジャンル 作者
アクション coin
クリア状況 クリア時間 クリアVer
6個 1時間 1.03a

良かった点

  • なんとなく暗号を解いて謎を解いた気になれました
    • なんとなくで分からないところも、偶然達成して意味が分かる場合があります
  • ちょくちょく能動的に暗号を解く必要がある場面が差し挟まれています

気になった点

  • このゲームデザインなら、(最初のいくつかの)宝箱を取得できない場合は初めの階に戻すなどのほうが親切かなとは思います
    • しかしこの理不尽さはある種この時代のゲームを模倣しているので難しい所です

感想

ドルアーガライクなアクションゲームです。

未知の暗号に出会った時にとりあえず色々試しつつ、方向性を見定めていくのが楽しかったです。
試行錯誤しつつ、閃いた時の快感があり、そういう難しめの暗号にはきっちりご褒美が用意されている辺りが良かったです。
一方で、操作的に面倒な奴は半分くらいひどいのを掴まされたりするので注意しましょう。

20.Scottish Covenanter

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ジャンル 作者
RTS あちょう
クリア状況 クリア時間 クリアVer
クリア(56410) 1時間30分 1.02

良かった点

  • 歴史物全開のストーリーが良いです
  • 各部隊の得手不得手を捉まえて、リアルタイムに指示を出していくのは楽しかったです
  • 色々なシチュエーションが用意されていて思考を転換する必要があって良かったです

気になった点

  • 密集すると兵力や士気が読みにくくなります
    • 文字で表現されているせいかもしれません
  • 指示しても、近くに敵が現れると勝手に照準を合わせてしまいます
    • 指示後しばらくはその指示に従ってほしいです

感想

リアルタイムな戦略シミュレーションです。

序盤の方で、タコ殴りすれば良いんじゃないかなと思って集中砲火戦法をとっていると、後半の方で戦力差の前にひれ伏すことになるのが良くできているなと感じました。
正しく勝つためには、槍を盾に、進行する騎兵を銃で止め、砲台の火力で遠くから殲滅するなど色々考えてプレイする必要があって楽しかったです。

ただの攻防戦だけでなく、シチュエーションや舞台がどんどん変わるのもやっていて楽しいです。防衛戦、攻略戦、離脱戦、橋と川、その時々に応じて動き方も変わってきます。
それでも基本の考え方は変わらず、槍で止め、銃で士気を下げ、騎兵でとどめを刺せば大体うまくいくので、そこまでもっていくという過程が楽しかったです。

部隊のクールタイムとか、移動頻度とか、諸々可視化されていないので、割と指示が通っているか不安に思うあたりはちょっと厳しかったです。
ある意味、指揮官の気持ちになれたのかもしれません。

21.ScarecrowFarm

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ジャンル 作者
タワーディフェンス シグラル/memeso/さくらば結城
クリア状況 クリア時間 クリアVer
クリア 30分 1.00

良かった点

  • 単純に動きを止めるのではなく、動線を誘導するという仕組みが面白かったです
    • 動線を誘導できない敵や、誘導のリターンが大きめの敵、小さめの敵などバリエーションがあるのも楽しかったです
  • キー操作でフルーツを切り替えられるのが便利でした

気になった点

  • 目標の開示が遅く感じました
    • ある程度察することはできるので理不尽というほどではないです

感想

敵を誘導するタワーディフェンスのようなゲームです。

敵のパターンに応じてフルーツとバリケードの二者択一を選んでいくのが楽しかったです。
敵の出現位置、強さ、密度なんかを鑑みて、うまいこと配置して刻限まで迎えられると達成感がありました。
特に、畑目前で敵が力尽きるようにコントロールしたり、時間いっぱいまで逃げ切れるように配したりするのがはまると気持ちいいです。

レベルカーブもかなり良かったです。最初はチュートリアル的に少なく、後半は慣れてきても忙しないくらいに多い。

まだストーリーだけしかやっていませんが、フリーとかサバイバルなら上位フルーツを置く機会もあるのでしょうか。

22.WILD SIDE

サムネイル

ジャンル 作者
RPG さかあがり
クリア状況 クリア時間 クリアVer
True End 15分 1.00

良かった点

  • キャラに応じてウィンドウ変わる演出が良かったです
  • 掛け合いが適度に差し挟まれるのが好きです

気になった点

  • イノシシに対しての逃げがあんまり効きませんでした
    • 恐らく、ちょっとひるませて動かない時間を作るとか、プレイヤー側に無敵時間設けるなどが必要そうです

感想

二人で廃墟を探索するRPGです。

めっちゃコンパクトながら、色々背景を想像できたりして楽しいです。二人の関係性とか、過去とか。
色々なところ行くと、その辺の会話が発生して掛け合いが見れるのが良いです。
この辺が全部よく感じるのは、大体キャラがきっちり魅力的に描けているからなのだと思います。

戦闘バランスも油断するとやられてしまったりするので、結構良いバランスだと感じました。

23.眠りの王国

サムネイル

ジャンル 作者
ARPG Ms.クロ
クリア状況 クリア時間 クリアVer
クリア 20分 1.01

良かった点

  • 遮蔽物に隠れてのヒットアンドアウェイが楽しめます

気になった点

  • 移動速度が遅く感じました
    • その割に敵の移動速度が早いので余計そう感じたのだと思います
      • 移動頻度だけでなく速度の方でも調整して欲しかったです

感想

シンプルなアクションRPGです。

結構難しいです。プレイヤーの移動速度がめっちゃ遅く、かつショットガンだと更に遅くなるので、基本近接されたら負けです。
せめてナイフ時くらいはもっと身軽にさせてほしいなとは思いました。移動にストレスを感じてしまいました。

途中の彼は本当に救世主という感じです。

24.COSMIC☆U1

サムネイル

ジャンル 作者
アクション 秋月ねこ柳
クリア状況 クリア時間 クリアVer
END1 30分 1.00

良かった点

  • かすりシステムが良かったです
    • リスクをきっちり取れば分かりやすくリターンが得られます
    • 避けるだけで何もせずに上がるよりは常に能動的でいられました
      • ダメージを受けていないときは積極的に狙い、それ以外はパン狙いの能動性となります

気になった点

  • 1回見たEDくらいはデフォNOで良いなと感じました
    • 割と見たくないタイミングでも誤爆しますし、経験値もあるのでリセットするわけにもいきません

感想

ニワトリ大砲です。

トゲとかを回避して上に登るというゲームデザイン自体はスマホの無料ゲームにあふれていますが、このゲームはそれにとどまってないので楽しいです。

かすりシステムがあるおかげで、狙ってかすめていくことで序盤をスムーズに進めていくことができます。
ついでに言うと、後半くらいに狭いところを飛びぬけて行った時のグレイズが気持ちいというのもあります。

パンとトゲが絶妙に飴と鞭で、パンを欲張ってトゲに当たった時の何とも言えない感じが良いです。下手って思わずつぶやいてしまう。

筆者は体力とかすりと食欲に全振りしていて、結構快適にプレイできました。ただ、最終スコアを高めるには回避に振っていかないとしんどいとは思います。

25.幻想剣客浪漫譚

サムネイル

ジャンル 作者
ノベル 鏡読み
クリア状況 クリア時間 クリアVer
読了 10分 1.00相当

良かった点

  • 剣戟の表現が良かったです

気になった点

  • 開始の数ページの間に覚えるべきキャラの数と関係性が多く感じました
    • 兄弟子など名前以外の関係性の呼び名を使って名前列挙フェーズを分散してほしかったです
      • ただ初期のテンポ感の関係もありそうなので難しいです

感想

ファンタジー風味のノベルです。

開幕に名前が出てきてウッとなったので、あの海外小説の最初の方にある人物表が欲しくなりました。りーどみーに突っ込んであるかなと思ったけどなかったです。

名前と関係性を理解してからはそんなに難しくなく読み進められました。
剣戟周りの表現が面白くて、演出的にも綺麗でヴィジュアルノベル感がありました。

26.アクティべーターズ

サムネイル

ジャンル 作者
あいしう
クリア状況 クリア時間 クリアVer

良かった点

  • 毒を起点に戦うというのがなかなか戦略性あって面白かったです
    • 盾の張り方とかも楽しめです

気になった点

感想

雑魚戦ですら戦略性をもって戦うというのが好きです。
軽めのノリの幕間も、丁度いい時間で終わるので楽しめます。

時間がなかったのでクリアはお預けとなりましたが、また時間をとってやりたいと思います。

27.退屈な姫さまは薄幸少女になりたい

サムネイル

ジャンル 作者
ノンフィールドRPG 空梨 歩
クリア状況 クリア時間 クリアVer
クリア 25分 1.00

良かった点

  • ノーツの量とか、与えなくてはならない攻撃回数とかのバランスが良かったです
  • ストーリーが短いながらも面白く、伏線めいたものも張られていました

気になった点

  • 最後の方の演出は、半分削ったら無理な量のノーツをぶん投げてくるとかでも良かったんじゃないかと思いました
    • あれ入りが悪いなあと思っていたら、ダメージ与えていないことに気づいた時は割と気落ちしました

感想

外に出ていくノンフィールドRPGです。

キャラクターが個性的で、展開もテンポが良くて好きです。
決め所はきっちり時間を使うのも良かったです。

ノーツベースの戦いでは、全弾パーフェクトでしのぎ切った時の、全部ジャストガードしたような気持ち良さが癖になります。
敵の攻撃によってノーツの叩き方が違うので、必殺技の鬼のラッシュを全部防げるとより気持ちいいです。

28.Chickens

サムネイル

ジャンル 作者
ランゲーム tento & シグラル
クリア状況 クリア時間 クリアVer
130 1分未満(ワンプレイ) 1.00相当

良かった点

  • 3匹生き残らせようとすると結構手元が忙しくなってきます
    • その分3匹生き残らせるリターンが大きいです

気になった点

  • 敵の法則性が良くわかりませんでした
    • 真上から急に降りてくるパターンとそうでないパターンの判断がつきませんでした

感想

にわとりのニワトリによる鶏のためのランゲームです。

運ゲーではあります。パンしか来ない時とか、全然ジャンプしなくて良い時とかに高得点が来ます。どうしようもない配置の時は、点が伸びません。
避けようと思ったら相手も同じタイミングでジャンプすることもあるし、しないこともあります。唐突に急降下することもあるでしょう。

ただ、そのへん含めてスピーディーに始まって終わるので、別に気にならないあたりが良いゲームでした。

29.THE CANDLE LIGHT ウディフェスver.

サムネイル

ジャンル 作者
ウォーキングシミュレーター 鉄人37号
クリア状況 クリア時間 クリアVer
25本 10分 0.1

良かった点

  • 雰囲気が良かったです
    • 暗い空間に揺らめく灯が綺麗でした

気になった点

  • 操作しにくかったです
    • 先に進むためにはプレイヤーより前の位置で押し続ける必要があるため、画面端の操作でマウスポインタを動かすことを強要されます
    • どこまでプレイヤーが到達したら蝋燭付けられるのか、調べられるのかが分かりにくかったです
      • 掲げていると進めないので、蝋燭につけられるかどうか蝋燭の位置にマウスポインタを置いておきつつ進むとかもできませんでした

感想

灯りをつけて、歩みを進めるゲームです。

光の醸し出す雰囲気が最高で、それだけでもやる価値のある作品です。
薄暗い屋敷の中、蝋燭を持って灯りを点けていくという不思議な体験ができます。

30.あなたは勇者です

サムネイル

ジャンル 作者
RPG たう
クリア状況 クリア時間 クリアVer
クリア 20分 1.00相当

良かった点

  • 演出スキップと戦闘速度2倍があるので、慣れてきてもサクサク遊べました

気になった点

  • オートセーブなら、セーブしたタイミングをどこかに明示してほしかったです
    • どのタイミングでセーブされたかわからないので止めるとき不安でした

感想

リアルタイムな戦闘メインのRPGです。

結構戦闘自体はシビアなので、4体の雑魚に絡まれたら厳しく、リターンも小さいです。
なので、序盤は1~2体くらいしかいない時を狙って戦うようにしたほうが多分いいと思います。
回復アイテムをほぼもらえないのもあり、最適行動は実質キュア連打でしょう。これをしないと、あっという間に体力を持っていかれます。

ラスボス含めて歯ごたえのある戦いが楽しめました。

31.とある二人の脱出話

サムネイル

ジャンル 作者
RPG ろぜちは080
クリア状況 クリア時間 クリアVer
クリア 1時間 0-02

良かった点

  • 雰囲気が良いです
  • イベント戦が始める前に分かりやすいです

気になった点

  • 全体的に演出が長く感じました
    • ゲーム起動から始めるまで、ゲームオーバー時なども含みます
    • オープニングは、しばらく真っ暗で始まっているか不安になりました
    • EDのスタッフロールなどは10分くらいでさすがに見きろうという気持ちになれませんでした
  • 戦闘が良くわかりませんでした
    • ノーダメージの時と、えらいダメージ食らう時があります
    • たぶん固定分散系しかダメージが通ってないのかなとは思いました

感想

装備を付けて物理で殴るゲームです。最後は熱核を連続で撃たれないように祈るゲームです。

ゲームとしての雰囲気や、絵の雰囲気、敵グラフィックの雰囲気とかは凄く良かったです。
エフェクトなども凝っていますし、印象としても整っています。

マップが物凄い単調なのと、戦闘バランスが大味なのがつらかったです。
ラスボスは祈りで、正直厳しかったので、バージョン落として強引にクリアしました。

32.エンカウントシンボル「夕一」

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ジャンル 作者
RPG ケモプレデーションゲームス
クリア状況 クリア時間 クリアVer
クリア 20分 1.00相当

良かった点

  • 3Dでした
  • Cキーを押せば戦闘が高速化出来て楽になります

気になった点

  • 何が起きているのか分かりにくいです
    • チャージや自己グループ対象でも倍率表示しているのでごっちゃになります
  • 手動で仲間に加える手順が必要な理由が分かりませんでした

感想

3D世界を進みウルファールを助けるゲームです。

33.あかりちゃんと七不思議の怪

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ジャンル 作者
シューティングめいたアドベンチャー こっぺぱん工場
クリア状況 クリア時間 クリアVer
ノーマルエンド 30分 1.00相当

良かった点

  • いろんなお化けと交流できます
  • イラストが可愛らしいです

気になった点

  • 廊下で進める方向が分かりませんでした
    • マップ見ればわかりますが
  • ピクチャ残る系も含めてバグが多いです
    • 部屋から戻れないバグで積むと辛いです(2-7)

感想

いろんな教室を回ってお化けと交流するゲームです。たまにシューティングします。

いろんなお化けが出てきて、全部統一された可愛いイラストになっていて良かったです。
雰囲気とか、ちょっと差し挟まれるホラーな演出とかが凝っています。

ちなみにマップは初めに確認しておいてメモ取る方針にしないと辛いと思います。移動先を明記する機能が弱いので。

トゥルーエンドに行きたい気持ちはありましたが、今いけない理由がバグなのかこちらの手落ちなのか判断できなかったのでやめておきました。

34.プチ旅ゲームス

サムネイル

ジャンル 作者
主にアクション ケースヶ
クリア状況 クリア時間 クリアVer
42404/4/最速5/1:29:54/(13/158/109/138/101) 15分 2.00

良かった点

  • 色々遊べます
  • 全てサクサクと遊べるようになっています

気になった点

  • 特にありません

感想

色々なミニゲームが詰まったオムニバスです。

ランゲームから簡易ガンシューティング、刹那の見切りまでいろいと遊べます。
クオリティは安定していて面白く、自分基準でクリアを設定して高スコアを目指そうとしてしまいます。

個人的にはサーフィングフローの疾走感が好きです。

35.SG&HD:THE GAME

サムネイル

ジャンル 作者
名無し
クリア状況 クリア時間 クリアVer

良かった点

  • 昔のFFみたいなイラストがふんだんにあります

気になった点

  • 必中が当たらないのは仕様でしょうか

感想

各所を回り、倒せる敵を倒して得られる経験やアイテムを基により強くなっていくというのが、コンパクトなマップ内で表現されていました。

個人的な目標設計が上手くいかなかったので途中でやめましたが、どこかで時間があればやりたいと思います。

36.眠りのための安らかなところ

サムネイル

ジャンル 作者
ノベル kaza
クリア状況 クリア時間 クリアVer
読了 10分 1.00

良かった点

  • 死をそれへと変えるという発想が良いなと感じました
    • 実在性のあるものからないものへの変異にも拘らず、真に実体としての実在を感じます
  • 肝要な所でビジュアルノベルとしての利点を活かしています

気になった点

  • 特にありません

感想

短いビジュアルノベルです。

死を音へと転換するという設定が好きです。

死に対して先駆した際に、それ自体を確実性のある無と捉えながらも音として残すことに可能性をかけているという辺りが好きです。
残された二人もまた死に対して先駆できるようになって初めて、その無を捉えているような感じがして好きです。

37.星見の丘

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ジャンル 作者
星座を作る Rtt
クリア状況 クリア時間 クリアVer
エラー出るまで 20分 1.00

良かった点

  • 星をつないで命名する楽しさがありました

気になった点

  • 名づけるはデフォでさっきまで引いていた線が示す星座を選んでほしかったです
    • 星を結んで、命名するという流れが基本なので
    • 実装上は恐らく、最後に触れた星になります

感想

星を結んで星座を作るゲームです。

ぼーっと見ていてつないでみたくなることもあれば、なんか適当につないでみたらそれっぽく見えることもあったりと発見があります。実際の星座の成り立ちはどっちなのかと思いを馳せました。

筆者は「へび」とか普遍そうなやつから、「でゅらはん」とか「にぶんぎ」みたいに適当につけたやつとか色々と遊んでいました。
メフィラス星人は今見たら全然見えなかったので、なんかプレイしていると良くわからない目が啓かれるのかもしれません。

Salt and Sanctuary

値段 クリア状況 実績 プレイ時間
1780 クリア 25 / 37 17時間
お勧め度 コスパ
★★★★★★☆☆☆☆ ★★★★★★★☆☆☆

寡聞にして、筆者はソウルライクのゲームをプレイしたことがありませんでした。従って、初めてプレイしたダクソ系と呼称される作品が、この2Dダクソの呼び声高いSalt and Sanctuaryになります。

重厚感のあるプレイフィール

Salt and Sanctuary を一言で言い表すのであれば、プレイフィールの重い作品です。
呪われた島に貧弱な装備で流れ着いたプレイヤーキャラクターの動きは、とにかく鈍っています。初めに盗賊を選べば幾分か早いですが、それでも攻撃にはきっちりと重さを感じます。これらの挙動は、今までプレイしてきた2Dプラットフォームタイプのゲームと比してかなり重たいものでした。
しかし、この重たいプレイ感覚がSalt and Sanctuaryを重厚なゲームへと仕上げています。

攻撃の後隙は大きめ 着飾らなければ軽い

初めのうちは、大きめの後隙を持つ攻撃が加えてスタミナも消費することに苦労したり、装備を固めると足が遅くなって厳しい思いをしたりすることもあるでしょう。
しかし、次第に慣れていくにつれ、攻撃のヒットアンドアウェイの感覚や装備のバランス感覚が徐々に身についていきます。そうして遊んでいく内に、これらの要素が良い塩梅のプレイ体験を提供していることに気が付きます。

まず、攻撃や回避行動のローリングがスタミナを消費し、一定以上待たないと回復しないことから、ただ闇雲にアクションするのでなく、ここぞというタイミングを計るゲームデザインとなっています。
そのためには相手の予兆を見逃さず、不要な行動を極力避ける必要があります。いわゆる暴れのような行動は避け、慎重に立ち回りましょう。
また、装備の重厚さで速度やスタミナが変わるシステムのおかげで、とにかく身を固めてじっくり攻めるか、鎧を取っ払って回避を中心とするハイリスクハイリターンの戦略をとるかが選べます。
筆者は素早いアクションが好きなので終盤くらいは超軽装備で過ごしていましたが、速度感のある戦いが苦手な方なら盾で防いで立ち回るじっくりしたプレイスタイルでも遊べる間口の広さがあります。

このように一見して重いプレイフィールは、重さそのままにじっくりと戦う人にも、重さを脱ぎ捨て軽快さを手に入れて遊ぶ人にとっても共通の入り口として機能しています。

歯ごたえのある戦闘

強力なボス スキルもビルドの一つ

また、このゲームは雑魚もさることながら、ボスとの戦いも歯ごたえがあります。
強力ながら後隙の大きい攻撃を打つボスもいれば、素早く動き回り翻弄するボス、二体の動きを見極める必要のあるボスまで、バラエティに富んでいます。

これらの様々な特徴を持つボスを倒すには、成長と武器が欠かせません。
敵を倒すことで得られるソルトをセーブ地点で使えば、プレイヤーは成長してスキルを取得することができます。これにより、基礎能力を上げたり、装備の幅を広げたりすることで、攻略の糸口をつかむことができます。
また、敵を倒した際のドロップ品などを使うことで、強力な武器を作るのも重要な要素となるでしょう。

このように、Salt and Sanctuary は成長と収集の要素を兼ね備えつつ、ベースを探索とボス戦においた作品となっています。

翳りのあるデザイン

陰惨かつどろどろとしたデザイン

また、Salt and Sanctuaryのもう一つの特徴は、その陰惨なデザインにあります。
画面は常に靄がかかったように白んだり、薄暗かったりと、とにかく陰鬱な様相を呈しています。
加えて、その陰惨なステージに合うように、敵もまたおどろおどろしい見た目となっています。特に、ボスのデザインは名状しがたいものを覚えることでしょう。
この重苦しい世界観もまた、プレイフィールの重さとマッチしています。

重量感ある2Dダクソ

Salt and Sanctuaryは、このような重苦しい雰囲気の中で少しづつ成長していきながら、厳しい雑魚も強大なボスも打倒していくゲームです。
自在に動き回る爽快感はグリッチなしでは達成できないかもしれませんが、他方で地に足のついたじっくりした成長と達成感を得られることでしょう。

Hollow Knight

値段 クリア状況 実績 プレイ時間
1480 神殿2 51 / 63 37時間(クリアは20時間)
お勧め度 コスパ
★★★★★★★★☆☆ ★★★★★★★☆☆☆

メトロイドヴァニアというジャンルは、その指す領域が曖昧で広大であることを考慮してもなお、インディーズゲーム界隈で多数のゲームがしのぎを削っている隆盛を誇る分野です。
しかしその数多のゲームの中でなお、Hollow Knightは燦然と輝く一つの巨星であると思っています。

死角のないハイクオリティ

Hollow Knight はあらゆる点においてクオリティの高いゲームとなっています。
ムシをモチーフにしたキャラクター造形や、ロケーションごとに様変わりする美しくも奇妙な背景デザインといったグラフィックの面は無論素晴らしいものです。
加えてそれだけではなく、ゲームの核である探索しがいのあるマップや歯ごたえのあるボス戦も丁寧に作られています。殊にその緊張感あふれる戦いにおいて、楽しくないボスはいませんでした。

それでは、その高品質な各要素の中から、いくつか掻い摘んでお話しましょう。

広がる探索の世界

地図を埋めよう チャームによるビルド

まず、メトロイドヴァニアにおいて外してはならない探索要素がちゃんと整備されています。
広大なマップを探索し、様々な場所に訪れて地図を拡充していきつつ、新たなスキルを得ることでさらに探索範囲が広がっていくというループがきっちりと作られています。
いくつかのエリアに分かれたマップは、それぞれのロケーションごとに景色も敵も移ろっていくため、楽しみながら探索することができるでしょう。

また、探索により得られるものはスキル以外にもあります。各所で入手できるチャームと呼ばれる装飾品を身に着けることで、様々な恩恵を受けることができます。
チャームには様々な種類があり、その構成の仕方によって超攻撃的にも、防御重視にもすることができ、自分に合った戦い方の補助をしてくれることでしょう。

緊張感高まるボス戦

強力なボス

また、この作品を彩る強力かつバラエティに富んだボス戦を語らないわけにはいかないでしょう。
30以上を数えるボスのどれもが個性豊かな行動パターンと攻撃を持っており、各々のボスのいずれも楽しく苦戦できること間違いありません。
特に終盤以降のボスはどれも歯ごたえがあり、攻撃一辺倒の一筋縄ではいきません。きちんと攻撃パターンを読んで後隙を狩っていかなければ、リスクなく安定したダメージを与えることは叶わないでしょう。

そして、そのためには常に緊張感をもって相手の動きを注視しつつ、操作精度と練度を極限まで高めていく必要があります。
例として、上図の個人的に一番楽しかったグリムという敵を挙げましょう。彼は出現箇所から攻撃パターンを判断できるため、見えた瞬間にその攻撃にふさわしい回避態勢を瞬時に取る必要があります。
画面を凝視し、そのパターンを繰り返し身体で覚えることにより、ようやっとクリアすることができる塩梅になっています。

洗練されたデザイン

ムシをベースにしたデザイン

また、ムシをベースにしたデザインにより描かれる独特なアートワークも面白いところです。
NPCなどのキャラクターはもちろんのこと、敵やボスにいたるまで、そのデザインはムシを捨象し特徴を大胆に抽象化したものとなっています。
また、各エリアごとの荒廃した空間の描き方もそれぞれ特徴的となっており、そこにムシが暮らしていたかのような、言語にしがたい美しさを秘めています。

ただ、ベースがベースだけに拒否感を覚える人はいますし、筆者も地下水道あたりは結構クるものがありました。そういう方はプレイしないほうが良いかもしれません。

完成された意匠

総じてHollow Knightは極めて完成度の高いメトロイドヴァニアであり、そのゲーム性においては万人に勧められる作品であると思っています。(そのデザインにおいてそうであるかは微妙ですが)
殊に、ボス戦の楽しさは屈指であるため、アクションゲームのボス戦が好きな方にはお勧めしたいゲームです。

Bomb Chicken

値段 クリア状況 実績 プレイ時間
1500 ジェム全回収 8 / 10 6時間(クリアは5時間)
お勧め度 コスパ
★★★★★★★☆☆☆ ★★★★★★☆☆☆☆

一般的な2Dプラットフォーマーの主人公は皆健脚です。マリオは背丈の何倍もの土管を飛び越え、足の速さがウリのソニックでも背丈以上にはジャンプでき、何なら一部のキャラは空中でもジャンプできます。
足場から足場へ渡っていくこの手のゲームにおいて、ジャンプ力は欠かせないもののはずです。

翻って、Bomb Chickenの主人公であるニワトリを見てみましょう。この見るからにでっぷりしたニワトリは、その太った体躯ゆえかジャンプができません。多くのアクションゲームの要であるジャンプという機能が、この丸く太ったニワトリには備わっていないのです。

たった一つのアクション

段差を超えるのも爆弾 敵も爆弾で倒す ギミックも爆弾で起動

しかし、ジャンプもできないニワトリにも、たった一つできることがあります。それが、足元に爆弾を産み落とすことです。
Aボタンを押そうと、Bボタンを押そうと、X、Yボタンを押そうと、RボタンだろうがLボタンだろうが、このニワトリにはその一つのアクションしか許されていません。
このたった一つのアクションで、敵とトラップに支配されたステージを抜け、ボスと対峙していく必要があります。

ジャンプができないニワトリは、代わりに爆弾を産み落とすことで段差を乗り越えます。
この丸々しいニワトリにとっては、爆弾を産み落とすことが自分を押し上げるたった一つのさえたやり方なのです。

また、道中の敵やギミックの解決にも爆弾は役立ちます。産み落として爆発する前にタックルすることで飛ばすことができ、攻撃手段としても使うことができるからです。

爆弾というリスクとリターン

しかしこの爆弾、ただ便利なだけではありません。一定時間経過するか、何らかの刺激を与えられると爆発してしまいます。この時、この肥えたニワトリが近くにいようものなら、情け容赦なくローストチキンにされてしまいます。

すなわち、このゲームにおいて爆弾を産むというワンアクションはリスクとリターンを演出する要素となっています。
敵を倒すために爆弾を出したけれど、その敵が突撃して誘爆したことで自分もこんがりと焼ける、などということは日常茶飯なので、ちゃんとリスクを回避して行動する必要があります。
敵を倒すにも、ギミックを作動させるにも、あるいは段差をただ越えるだけでも、このコケコケよく鳴くニワトリは命がけの選択を迫られることになります。

画面奥の鎖が揺れる

なおかつ、ゲームを通して一番見ることになるであろう、爆弾を爆発させた時の気持ちよさはちゃんと担保されています。
爆発すれば音と共に地鳴りを起こし、周辺の鎖やらランプやらが衝撃を受けて揺れ動きます。このあたりは手ごたえ感に寄与するものだと改めて感じました。

アクションに沿ったステージデザイン

また、このゲームはステージデザインも整えられています。
プレイヤーがボタンにより発動できる行動こそ一つしかありませんが、敵の様々な行動パターンや豊富なギミックにより色々な動き方を要求されるデザインとなっています。

その上で、初見の敵やギミックが無害な形で始まり、パズルめいた部分は適度に難しく、収集要素は理不尽でない程度には隠れているなど、配慮が行き届いているのも嬉しいところです。

一つの行為が多様に分かれる

このように、Bomb Chickenはたった一つのアクションを駆使して、様々な敵やギミックを攻略していくゲームとなっています。
爆弾を産み出すワンアクションだけという一発ネタっぽい特徴ながら、その仕組みを綺麗にステージデザインに組み入れた良作でした。

Monolith

値段 クリア状況 実績 プレイ時間
798 クリア 7 / 42 7時間
お勧め度 コスパ
★★★★★★★★☆☆ ★★★★★★★★★☆

ローグライクというジャンルは様々なジャンルに融合され、驚くべき親和性を発揮することがあります。リズムゲームと組み合わせたCrypt of the NecroDancerはローグライクの即時判断の極致を示し、Dungetrisはテトリスと組み合わせることでルートを巡るデザインを構築のデザインへと置き換えています。
その中でMonolithは、ローグライクをシューティングと融合させ、ローグライクのランダム性による当意即妙な戦い方をシューティングへと延長させた作品となっています。

一画面で完結するシューティング

1部屋1画面のローグライクシューティング

ローグライクとシューティングの融和においては、先達としてEnter the Gungeonの名前が挙がるかとは思いますが、そちらは不勉強ゆえ未履修なので比較はあまりしません。
トレーラーを見る限り、1部屋1画面制であることと、全5階層とライトなところが違いかもしれません。

Monolithにおいては一つの部屋が一画面で完結しているため、その部屋での戦いは必然的に短いものとなります。そのため、部屋を巡るテンポ感が非常に良い作品です。

変化する戦略

武器の取得 アップグレードの取得

Monolith は多くの部分をローグライクに依拠したゲームです。
全5階層のダンジョンはいくつかの部屋で構成されており、それぞれの部屋には様々な役割があります。敵と戦うことになる部屋が基本ですが、他にも店で買い物をしたり、武器やアップグレードを選んで取得したりといったことができます。

これらの毎回変わるダンジョンと取得できる武器やアップグレードの違いから、周回ごとに戦い方もおのずと変化していきます。一発に込めるレーザーを取得したなら避けつつ狙いを定めますし、連射するマシンガンならとりあえず撃ちまくります。
その場の状況と自分の状態をもとに最適な行動を探っていく形はまごうことなくローグライクです。

本格シューティングなボス戦

こうしてダンジョンを進み、階層ごとの中ボスを探して撃破することで、階層ボスに挑むことができます。
階層ボスはそれぞれ特徴的な攻撃手段を持ち、本格的なシューティングのボス戦といった趣があります。様々な攻撃手段を初見でいなすのは難しいかもしれません。ただHPは10もあるため、そこそこ被弾しても耐えることができ、すぐにやられて見極める暇もないということにはなりません。

一発ロストの緊張感

持ち越し可能な要素は少ない

そしてローグライクな極めつけは、なんといっても一度やられると初めからという全ロストの仕組みです。これはアーケードタイプのシューティングにも存在する概念なので、この点においてローグライクとシューティングの親和性はかなり高いと言えるかもしれません。
一応、いくつかの要素を持ち越すことはできますが、武器のアンロックや、一回だけ持ち込める通常アイテム程度であり、メインゲームにおいては毎回最初からのスタートであるといっても過言ではありません。

この常に一発でロストする緊張感により、1部屋1部屋での戦いはより歯ごたえがあり楽しいものへと仕上がっています。
ただ、ここでロストするのは自機のみであり、戦った経験は失わせしめられるものではありません。経験から敵の攻撃パターンを把握しつつ、今あるビルドで最大の効果を発揮する立ち回りをしていきましょう。

軽快なBGM

また、Monolithの特徴の一つとして、レトロなグラフィックと軽快なBGMも挙げられます。
殊にBGMは耳に残る曲となっており、よく聞く1面や詰まっていたころの4面のBGMは脳内で勝手に再生されていました。

当意即妙なシューティング

Monolithは、ローグライクによるランダム性によってシューティングの緊張感をさらに押し広げた作品となっています。
武器やアップグレードの取捨選択のためリプレイ性は高く、常に状況や所与の道具に応じた戦略を組み立てていくことが求められることになるでしょう。

感想

およそシューティングで一番楽しめた作品です。一サイクルが短いことと、HPが高めなのでちゃんと相手の攻撃を見る時間が確保できるのが良いポイントでした。
また、アップグレードなしの武器もそこそこ強いので、アップグレードが全然うまくいかなくても割と戦えるのもイライラ感がなくて良いです。

個人的にはステージ2の曲が好きなんですが、あまりにもステージ4で戦いすぎてそのBGMばかり脳内再生されます。

To the moon

値段 クリア状況 実績 プレイ時間
980 クリア 1 / 1 6時間
お勧め度 コスパ
★★★★★★★★☆☆ ★★★★★★☆☆☆☆

To the moon は特別なギミックもなければ、ゲームとしての大きな仕掛けもありません。物語にしても、とんでもないどんでん返しが待っているわけでも、極めて芸術的な構成がなされているわけでもありません。あるいは、いたって平凡なアドベンチャーゲームとも言えるかもしれません。
しかし、To the moonが描くその物語は、確かに胸の内へと残り続けるものとなるでしょう。

追憶し描き直す過去

月へ行きたい 一生を追っていく

To the moon は物語に重きを置いたアドベンチャーゲームです。
二人の医者が臨終間際の患者の記憶を操作して、患者の夢をかなえようとする物語となっています。患者であるジョニーの夢はただ一つ、「月へ行きたい」というものでした。

プレイヤーは二人の医者を操作して、ジョニーの一生の一部を追体験することで物語を進めていきます。基本的には、ジョニーの一生を追っていくことで、彼がどういった理由で「月へ行きたい」という願いを持つに至ったのかを探っていくことになります。

筆者がこのゲームをプレイした時はまだSteamで和訳がされておらず、全編英語でプレイすることになりました。序盤は読み進めるのに苦労し、休憩をはさみながらプレイしていたのを記憶しています。
しかし中盤以降から急激に読み進めるペースは上がり、終盤にいたっては英文は読めないけれど何を言っているかは分かる状態となり、夢中で読み進めていました。それほどまでに、このゲームの中盤以降には魔力が込められています。

美しい情景

美しいドット絵

また、この良質な物語を彩るのは美しいドット絵と、静かに心へと訴えかけてくるピアノ調のBGMです。
終盤のシーンでは、美しい情景と心地よいピアノ、綺麗に収束した物語のすべてが渾然一体となり感情を揺さぶってきます。

良質な物語

To the moon は、ただただ良質な物語を浴びることのできるゲームです。
ちゃんと和訳されたものがSwitchにもあるので、そちらで買うのもお勧めです。