0%

37. サッカー好きがつくる ウディタサッカー

ジャンル 作者
球蹴り papik
プレイ時間 プレイVer クリア状況
10分 1.1 7-6

良かった点

  • シンプルに遊べます

気になった点

  • 味方がほぼお邪魔キャラの印象でした

レビュー

小学生のサッカー

サッカー好きがつくる ウディタサッカーは、サッカーのような球蹴りができるゲームです。

このゲームにはポジションがなく、パスという概念もありません。そもそもゴールキーパーすら存在せず、あるのはシュートとゴールだけとなっています。
フィールド上の全てのキャラクターがボールに向かって走り、先着した者がゴールに向かってシュートしていくサッカーが楽しめます。

シュートはQTEにより成否が決定され、ゴールに近いほど成功しやすくなっています。
とはいえ、高難度のQTEを決めれば自陣奥深くからでもゴールを決めることが可能でしょう。積極的に狙っていくのもありです。

いちはやくボールに追いつき、QTEを成功させてシュートを決めていきましょう。
このゲームは、7点取ったチームの勝利となります。

感想

サッカーというより球蹴りじゃないかなというのが第一印象にして最後までの印象です。
ポジションとか、パスとか、ドリブルとか、そんなもんはありません。シュートして得点を入れれば勝ちです。まだブリッツボールのほうがサッカーしています。

シュートは近いほど有利なQTE形式なので、やろうと思えば自陣深くからでも入れられます。本当に入った時は緑間かお前と思いました。
何でそんなシュートが入るかと言えば、そもそもキーパーいないですからね、このサッカー。ポジションがないというのまでは分かるんですが、キーパーまでいないというのは、もはやサッカーなのでしょうか。哲学的になってきました。

また、こういう形式ならシュートが実質パスになるかといえば、そうでもありません。シュートはやっぱりシュートなのでどこに飛んでいくか分からず、わちゃわちゃとボールをずっと追いかけることになります。
ボールに追いついたらシュート、飛んで行ったボールに追いついたらまたシュート、の繰り返しになってきます。

このように色々なシステムを廃している分、操作はめちゃくちゃシンプルです。球に追いついて蹴るだけ、本当に何も考えずにやれます。
あまりにもシンプルなので10分くらいで飽きが来そうですが、そのあたりで7点入ってゲームセットになるので問題ありません。終了条件までサッカーっぽくないですね。

最後まで通して遊んでみた印象なんですが、恐らく味方がいないほうが勝ちやすいと思っています。ありていに言えば味方が邪魔。7得点中6得点はプレイヤーのゴールでした。敵陣はちゃんと6得点入れていたんですが。
ゴール前で味方が先にボールに追いついた後に明後日のほうに蹴り飛ばされることが多かったので、本当に必要性を疑いました。

最後に細かいところになるんですが、最初の桃鉄のブーイングみたいな、使用用途がネタだけのコマンドは好きです。ゲーム性のシンプルさというか単純さに対しても良い感じでした。

38. ard3d-seq

ジャンル 作者
3DダンジョンRPG ar202626
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間30分 7/16 クリア

良かった点

  • 突き詰められたシンプルさがあります
  • 取得宝箱の割合を最後に出してくれるので迷いません

気になった点

  • 戦闘バランスがだいぶ大味です

レビュー

シンプルイズベスト

ard3d-seqはシンプルさを突き詰めた3DダンジョンRPGです。
3Dで構成されたダンジョンをひたすら潜り、敵を倒していくゲームとなっています。

このゲームを構成する要素はひたすらシンプルなものです。
装備はシンプルで、深い階層ほど強力なものを拾えます。それぞれ装備可能なジョブも限定されています。
スキルもまたシンプルで、火力の大小や状態異常が分かりやすく付与されています。

こうして装備を整え、有効なスキルを使って戦闘に勝利しつつ、とにかくダンジョンを攻略していくことになります。シンプルに戦闘と探索だけを味わうことができるでしょう。

ひたすら戦い抜いて、3Dダンジョンを攻略していきましょう。

感想

シンプルを突き詰めてあらゆる要素をそぎ落としたようなゲームです。前作と同じような雰囲気と言えば、伝わる人には伝わります。
二年前の感想を持ってくると殆ど言いたいことが書いてあるんですが、今回遊んだ感想も書いておきます。

戦闘バランスは割と大味です。ダメージが0か即死かくらいのバランスをしています。良くてもこれに大ダメージが入るくらい。
例えば、序盤の雑魚は戦士に来ればほぼノーダメ、中盤も実質ノーダメで、魔法を使われるようになると今度は即死が見えてきます。
ダンジョンでじりじりと削られていくという感じのバランスではありません。

また、全回復が無料である以上は、いくつかの道中を除けばSPをケチる必要はありません。
なので、色々な攻撃手段があっても、最大火力のものしか必要としなくなります。属性に応じた分類も特になさそうなので、純粋に一択に近くなります。

加えて、麻痺を習得すると今度は麻痺ゲームになります。麻痺の行動制限が強すぎて、ほかの状態異常がかすんできます。
最終層までくると、先に動いて麻痺をかけられれば勝ち、それ以外は負けみたいなバランスです。なので、お勧めは3人同時に全体麻痺をかけて、誰かがやられても完遂できるようにしておくことになります。

麻痺はウディタデフォルトと同じ設定なんだと思うんですが、ウディタデフォルトでは毒の消費SPは麻痺より低いうえに全体化がかかっているなど、それ以外の部分で調整された性能をしているので、純粋に同じ消費SPにすると麻痺一強になるのは仕方ないところです。耐性持ちもいなさそうですし。
ウディタデフォルトのバランスは別に万能ではなくてベンチマークなので、ゲーム性に応じて変化させる必要がありそうです。

個人的には、各階の終わりで回収アイテムを出してくれるシステムは良かったです。取りこぼしがあるかをその階限りで分かるので、後腐れなく先へ進めます。
あとは、隠し道の設計は結構面白いので、戻りのヒントもつけるか、戻りからは見えるようにしてあるとより親切な気がしています。帰る時は実質ノーヒントで壁にタックルをかます必要があるので。

39. 魔法剣士の冒険者ギルドとボスラッシュタクティクスRPG

ジャンル 作者
戦闘RPG テイク
プレイ時間 プレイVer クリア状況
3時間 1.02 ふつうクリア

良かった点

  • ターン経過ごとに双方が強力になるシステムは面白かったです
  • ストーリーが終始良いコメディ調でした

気になった点

  • 終盤の戦闘バランスがやや行動運に偏り気味でした

レビュー

一気に畳みかけろ

魔法剣士の冒険者ギルドとボスラッシュタクティクスRPGは、ターン制の戦闘をひたすら繰り返していくゲームです。
戦闘がメインとなっていますが、合間合間に閑話も展開していきます。

このゲームの特徴は、全ての戦闘が10ターンで終わるということです。10ターン以内に敵を倒す必要があります。
加えて戦闘システムとしても、このターンという概念は重要となってきます。なぜならば、ターンが進行するにつれて、味方の強力なスキルがどんどん解放されていくからです。その一方で、敵の攻撃もターンが進むにつれて苛烈さを増していきます。
敵の強力な攻撃を上手くいなしつつ、逆にこちらの強力な攻撃を通していきましょう。

激しくなる敵の攻撃を捌くには、それぞれのキャラクターの役割を理解して活かすことが肝要となっています。
それぞれの使えるスキルは異なり、性質もまた個性があるため、そのターンでどういった立ち回りをするかを常に考えて行動しましょう。
たとえ格上の敵が相手であっても、立ち回りを見直せば勝機が見えてきます。

なお、一連の戦闘の合間にイベントで繰り広げられる、ノリが軽い掛け合いも魅力の一つとなっています。
ストーリーというよりは会話劇を楽しむことができるでしょう。

このゲームにおいては、あるターンが分水嶺となることが多く、一つ一つのターンが重要な戦闘システムとなっています。
ノリの軽いメンバーたちの役割を上手く捉まえて、チャンスを見極めて並みいる強敵を撃破していきましょう。

感想

10ターンバトルをどんどんやるゲームです。
タクティクスとついていますが、戦略性は半々くらいで、とにかく強い攻撃をぶっ放せれば勝てるイメージがあります。

難易度については、ふつうでもあんまり稼がずに進められる程度で、かんたんでは経験値が増えるらしいので恐らくよりサクサク進められると思います。
序盤のプリースト一人の時だけちょっと稼いだのと、後半の運エリアで何回か負けたくらいです。

ターンが進むとスキルが強くなっていくシステムは結構面白くて、5ターンくらいからこっちも動けて、相手の火力も上がって真剣勝負の様相を呈してきます。
最初は準備運動なので、4ターンくらいの序盤はあんまり重要性はないです。流しておきましょう。いっそ5ターン制の勝負でもよかったんじゃないかという気持ちもあります。

敵との戦いにおいては、こちらの総合的なレベルが5つ下でも、バフデバフを駆使すれば序盤から中盤にかけては割と立ち回れます。
このあたりの戦闘バランスはちょうど良くて、うまくスキルを当てていって倒していく楽しさがあります。

一方で終盤のバランスはだいぶ大味で、攻デバフを帯びた敵がひたすら単体に強攻撃して全回復から戦闘不能になってしまうなど、かなり行動の乱数に左右されます。
加えて大事なのは、敵が全体大回復を使わないことをお祈りすることです。これをやられると状態異常が消し飛ばされるので、色々立てていた戦略もおじゃんになります。勝負は時の運。

まず、こちらが取れる選択肢は割と戦略的で、色々な状態異常やターンの順番を駆使して立ち回れます。
その一方で、相手の行動が完全に乱数であり、それで容易に破壊されうるので、全体としては半々の戦略性という印象でした。戦略を立てないと勝つことは難しいけれど、戦略を破壊する運も存在しているかなという感じです。
特に召喚した雑魚が、召喚酔い無しで殴ってくるのはなかなかの理不尽であり、かつ理屈がよく分かっていません。たまに殴ってこないこともある。

戦闘面の最後の話になりますが、個人的に好きな技は反射技で、敵をあえてたくさん埋めた後に全反で沈めるのが、効率が良いうえに爽快感もあってお勧めです。
後は、一か八か、当たった瞬間にボスが沈んだのを見た時は笑いました。お願い技としての性能が高い。

システム面で言うと、序盤は一人プレイパートから始めてそれぞれの特色を理解し、徐々に人が増えていく設計が理解の助けになるので便利です。
ただ、途中から3人と1人に分かれる上に、一人パートもやらされるのは時間つぶしでしかないので若干面倒ではありました。最初は導入の意味を兼ねていますが、こちらはただの作業なので。自動的に裏でやっていたことにしてくれると嬉しかったかもしれません。

また、チュートリアルバトルが負けイベントなのが、撤退コマンドのことも知れるという意味では上手い構成だなあと思いました。惜しむらくは、このゲームの敗北と撤退にほとんど差はないので、撤退コマンドに意味がないということです。

なお、スキル習得に当たって重複が無いかを注意書きしてくれるんですが、そこは重複してたらキャンセルさせる処理をはさんでくれればいいのではと思わないではないです。
あるいは、そもそも対象者しか列挙しないという方法がありそうです。単純な全列挙だと面倒ですが、確かウディタには文字列変数を使った選択肢のハックがあったような記憶があります。

ストーリーは終始コメディ調で、大分明るい話になっています。掛け合いが緩いタイプ。重戦士が何一つとして擁護できるところがない以外は、割とまっとうな人たちだと思います。多分。
戦闘が10ターンで終わるテンポの良いものであるように、物語もそこまで重いバックグラウンドのない気軽に楽しめるものでした。

40. 7100本の想いを込めた一作

ジャンル 作者
クリッカー 天野ガム
プレイ時間 プレイVer クリア状況
10分 1.11 クリア

良かった点

  • 一日で完成させています

気になった点

  • カーソルが毎回最上段に戻るので周回が面倒でした

レビュー

ぽちぽちクリッカー

7100本の想いを込めた一作は、レベルを上げていくクリッカーめいたゲームです。

このゲームではダンジョンに潜り、そこで経験点を稼ぎ、レベルを上げて次のダンジョンに潜る、という一連の流れをテキストベースで淡々と行うことになります。
そこに激しいエフェクトや余計なイベントはありません。粛々と進行していくこととなるでしょう。

どんどん潜ってどんどん強くなって、クリアを目指していきましょう。

感想

一日で作ったということで、そういうゲームなんだと思っています。
とりあえず、タイトルが微妙に中央にそろっていないのがすごく気になりました。

要素というかプレイ感的にはクリッカー系のゲームのそれで、ぽちぽちやっているとパラメータが上がって、よりパラメータを上げやすいものが解放されていくゲーム感でした。
戦闘システムも特にあるわけではないので、RPG風の何かというコメントは正しいものと思います。

ただ、クリッカーにしても全部手動で、自動でリソースが上がっていく感じもないので、本当にクリックするだけのゲームではあります。Coockie Clicker を始めとしたクリッカー系ゲームのような自動化による加速度的な効率の改善を目指せるわけではありません。
また、昔のFFAみたいなインフレしていく数値があるわけでもなく、なんとはなしに無心でやっているといつの間にか終わっているタイプでした。本当にガムみたいな作品です。

加えて、いちいちカーソルが上に戻るのがクリッカーとしても辛くて、毎回余計な操作で作業を続行する必要が出てきます。連打でやりたいのに絶妙に上下アローキーを使わないと上手く周回ができない。
マウスで選べればよりクリッカーぽいなと思いつつ、そもそも単純に選択肢におけるカーソル位置を記憶して、そこに合わせてくれるだけでも違うだろうなあと思っています。

41. 非城口

ジャンル 作者
プラットフォーマー 僕はネット民
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間 1.42 クリア

良かった点

  • ピクトグラムでうまく表現された世界でした
  • ステージがプラットフォーマーしているので割と難しいです

気になった点

  • 当たり判定がスカスカに感じました
  • ステージ設計が近接攻撃向けのデザインっぽくありませんでした
  • 強化の仕組みの使い勝手が悪いように思います

レビュー

ピクトグラム・プラットフォーマー

非城口は、ピクトグラムをモチーフとした2Dプラットフォーマーです。
突然ピクトグラム化した世界の中で、非常口のあの人を操作し、多くの障害を乗り越えてステージをクリアしていくゲームとなっています。

それぞれのステージでは、様々な種別の敵が待ち構えています。
操作キャラクターは基本的には目の前に攻撃することができるので、被弾を避けつつ、ステージ上に点在する敵に上手く攻撃を当てていく必要があります。もちろん、無視して逃げることもできるでしょう。
また、プラットフォーマーとしてのアクション性も要求されるため、落下やトゲにも警戒が必要です。

そうしてステージを攻略していくと、ピクトと呼ばれるポイントが手に入ります。このピクトを使うことで、自身の性能を強化することができます。
攻撃力を強化して少ない攻撃回数で敵を倒せるようにする、HPを強化して多少被弾しても持ちこたえられるようにするなど、自分好みに強化してステージを有利に進めていきましょう。

ステージが進行するにつれその難易度は上昇していき、最終ステージともなると総決算の趣があります。
そうした数多の障害をアクションで乗り越えて、ピクトグラムと化した世界を救っていきましょう。

感想

ウディタでプラットフォーマーを素直に作ったという感じがします。
ピクトグラムをベースにして色々とわかりやすく敵キャラを構成した発想が面白い。

アクション部分はかなり癖が強くて、慣れるまでに大分時間がかかります。クリアした今でも、慣れているとは言い難いかもしれません。
丁寧目の動きよりはごり押しが効くステージもあるので、突っ切っていくのもありです。

個人的には長押しすると二段ジャンプ判定になるのが癖強めに感じるんですが、落下が放物線過ぎてこの機能がないとそもそも最高高度二段ジャンプができないので難しいところです。
このゲームのジャンプ挙動はキー入力をやめた瞬間から落下しているように見えるので、最高到達点でキーを離してもう一度押すというのは事実上無理だと思っています。

また、攻撃の当たり判定というか持続がかなり信用できず、恐らく攻撃時の1Fしか存在していません。
エフェクトは結構残り続けるので、なんか当たったように見えるけど当たらない、と言ったことが良く起こります。タイミングを合わせるしかないですね。

また、単純に攻撃判定が下を拾ってないので、段の下にいる敵に何もできないのも辛めです。こっちは恐らく意図したデザインな気もします。ただ、せめて自分の座標あたりには判定が欲しかったところでした。密着された敵に全く当たらない。
必殺技も下を拾わないことがあるので、全体的にエフェクトとあんまり合ってない判定をしているという印象です。攻撃が不便。

ステージデザインは結構ちゃんとプラットフォーマーしているので、割と難しいです。
操作性が難しいというのを差し引いても、後半は歯ごたえのあるステージを楽しめます。道中の雑魚が厄介なので、最終ステージまで来るとスルースキルも求められるかもしれません。

なお、世界観の関係上、トゲの視認性は最悪の部類に入ります。他と比して目立つ感じではないので、慣れないうちは見逃しやすいですし、意図してそう言う配置をしているところもありそうです。

また、プレイヤーキャラは近接攻撃主体のデザインなのに、敵の配置がロックマンとかマリオのそれな印象を受けました。
遠距離から叩けることも少なく、上から踏んで倒せるわけではないんですが、どことなくそういうステージデザインっぽさがあります。
Khimera: Destroy All Monster Girls が、ロックマンっぽいけど近接に割と振ったデザインをしていたのを思い出していました。

細かい話だと、強化も割と面倒でした。
まずもって、わざわざ家に入って一番遠いところに歩かされるところから面倒ではあります。これに加えて、現在持っているお金が見えない中、数字入力以外で強化できないのも辛いポイントです。
強化ポイントを決めた時に初めてかかる金額と所持金が出るんですが、どれくらい上げるのにどれだけかかるかが未知数なので、手探りで上げるほかありません。数字を上げたらかかる金額がリアルタイムで変わりつつ、所持金も見せるUIだと嬉しかったです。

というか、これは2桁オーダーですら上げることはまれなので、なんで3桁まで用意されているのかが良く分かっていません。デバッグ用でしょうか。
初見では2~3桁のオーダーで上げるゲームなのかと勘違いしていました。

そういった細かいもやっとポイントのあるアクションゲームで、ウディタにある機能で奇をてらわずにアクションゲームを作ったゲームだなあと感じていました。ピクチャで自機を動かしていなさそうですし、色々とメッセージウィンドウでUIを代替しています。
まあRPGエディタですからね、ウディタは。

42. 竜と仔共の小さな冒険話

ジャンル 作者
RPG ろぜちは080
プレイ時間 プレイVer クリア状況
5時間 8/6 真END

良かった点

  • ワールドマップなどが良いグラフィックでした

気になった点

  • 多くのエリアが似通った見た目になっています
  • 終盤のボスがキーの押しっ放しをして時間がかかって倒せるような戦闘バランスでした

レビュー

インフレした戦闘を

竜と仔共の小さな冒険話は、インフレしていく戦闘が特徴のRPGです。
始めこそ普通のRPGですが、徐々にダメージや能力値がインフレーションしていくその様相を呈してくることでしょう。

進行形式は一本道の通常のRPGとなっています。
ただし一般的なものと大きく異なる点として、拾ったアイテムを使うことで、対象の能力値を甚大な単位で引き上げることができるというものがあります。
アイテムは積極的に使っていき、能力値をどんどん上げていきましょう。

そうしてインフレした力を得ることになりますが、当然相対する敵も強大な能力値を備えています。殊にボスともなると、それはさらに突出するところです。
そうした戦闘においては大火力と大火力のぶつかり合いとなるため、インフレした攻撃性能をもって、その超大なHPを削っていくことになるでしょう。
いかなインフレした能力値を持っているとはいえ、油断していると負けることもあります。ボスに対しては、特に警戒を怠らないようにしましょう。

また、このゲームのもう一つの特徴は、目を瞠るほどのグラフィックです。
ワールドマップの空気感などもさることながら、圧巻となるのは豪奢で強大なボスの敵グラフィックです。インフレし続けた敵の性能をこれ以上なく説明する、神秘性をも湛えたものとなっています。

インフレした戦闘を乗り越えてボスを撃破していき、エンディングを目指していきましょう。

感想

いつもの素晴らしいグラフィックと、インフレした戦闘ができるゲームでした。
若干序盤の難易度が上がっている気もしますが、中盤以降は特に変わりなく殴るゲームです。

特に今回はワールドマップが好きで、地平に向かって消えていく(ように見える)見え方が良いです。FF6とか、ああいう空気感を感じます。
お城の景観も良くて、豪奢な雰囲気で差別化されていました。

それ以外の空間は閉所か自然洞窟か最終ダンジョンになるんですが、殊に閉所と自然洞窟はだいぶ似通った見た目になっています。
殆ど一方通行なのでかろうじて迷いませんが、迷子というか現在の地点を見失う要因の大部分は、ほとんどのマップが同じ見た目をしていることにあります。

ほぼ同じ見た目のマップをぐるぐる回ることになるので、いかな良いグラフィックでも飽きてきそうになりました。
最終ダンジョンやその先は結構雰囲気が違っていたので、序盤とお城に至るまでの道中あたりがそういう空気を強く感じていたのだと思います。
例えば、神殿に入る時にキャラクターがえっと驚くんですが、プレイヤー目線ではほぼ同じ内装なので神殿っぽいねと思えないので何に驚いたのか一瞬惑う、みたいなこともありました。

戦闘バランスについては、割と序盤がシビアで、特に最初のボスはだいぶ強いです。
防御の石をちまちま使って耐えて反撃をお祈りして倒したんですが、いまだに想定解法なのかよくわかっていません。
なんとなく防御の石前提のバランスっぽいので、うまくタイミングを合わせないと負けます。全体回復+大破壊x3 - 石x2のループをやれば基本負けないはず。

ガナフくらいまではこの傾向が続き、ガナフまでくると凍結を使ってくるので戦線の維持も大変になってきます。多分一番強いのはガナフ。ここは割とちゃんと戦う必要があるので楽しいです。
それ以降はこちらのインフレが進んだのか、バフかけ終わったらあとはZCキー押しっぱなしで勝てるバランスになっています。HPが高い壁みたいなものなので、十連+二十連+全体回復+状態回復を毎ターンやっていれば負けないはずです。

ストーリーはこれまでの流れに近く、よく分からないけど迷い込んだ世界でよく分からないまま立ちふさがるドラゴンをばったばったと倒していくお話です。この子たちには進むか倒す以外の選択肢はありません。ずっとジェイドが引率の先生に見えていました。
そして最後にはいろいろ了解出来て、一気に解決に導かれる展開なのが良かったです。

細かいポイントでは、特に序盤はよくゲームオーバーになるので、タイトル起動をスキップできると嬉しいなと感じました。意外と長いので。
あとは、アイテム製作のCキー詳細が何に使えるのかいまだにわかっていません。

なお、公称エンディングは4時間で、実際それくらいでクリアはできました。
残りの40分は裏に辿り着くためにボスを倒していた時間で、うち半分以上は決定キーとサブキーに重しをのせていた時間でもあります。FF7の攻略本にあった自動稼ぎを思い出していました。確かこういうことをしていると、どこかのテイルズシリーズでバルバトスにお仕置きされるんでしたっけ。

43. 午後の死

ジャンル 作者
転売RPG みずゆ
プレイ時間 プレイVer

良かった点

  • 独特な世界観です

気になった点

  • 銃だけをもって敵と戦うと詰みの起きかねない設計をしています
    • 逃げるがないのはともかく、敵がこちらにダメージを通せないことがあるのが要因です

レビュー

シャンパンは昼下がりのご馳走です

午後の死は、説明の難しいRPGのようなものです。
上記のジャンルに記載してある転売RPGですら、十全に説明できているとは言えません。

このゲームに目的があるかは定かではありませんが、やることは存在します。
広大なマップをさまよい、ポツンと存在するタンスなどからアイテムを拾うことで、そのアイテムを転売することができます。そうして得たお金は武器や弾薬に変えられ、マップ内で遭遇する敵の撃退に役立てられます。
そうしてマップをさまよってアイテムを拾っていくうちに、ストーリーも展開していくことでしょう。

その手段の虚しさを表すように、この作品では始終虚無的な感覚にとらわれることになります。ナンセンスでもなければ、意味が明瞭なわけでもない、そういった徹頭徹尾独特な世界観に呑まれていきましょう。

感想

独特というか突拍子もない世界観ながら、突き放しきってはいないギリギリの塩梅を保っています。
理解できないわけではないけれど、常識というか、こうありそうというところからは外れている感じでした。

プレイ後の感想としては、何すればいいのか分からないうちにイベントが始まって、いつのまにかクリアっぽい感じになるゲームという印象です。
特定イベントのトリガーがどこなのか未だに判然としていないんですが、多分友達な気がしています。脈絡はないですが、それはそういうものなので。
後半のイベントのトリガーは割と分かりやすい気もしつつ、そもそもイベントをこなすことそれ自体に意味があるのかすら良く分かっていません。クリアなんてものはないのかもしれない。

戦闘はだいぶ尖っているというか説明がなく、銃だけ持って特攻すると弾が無いので詰みます。敵の火力が低いと、こちらもやられないのでリセットしかできなくなる、ということも起き得ます。筆者はこれで一敗して最初からになりました。
銃を使うためにも、ちゃんと補充はしておいた方が良いです。弾薬は高いんですが、漁ると無限に出てくるので、それで押し切るのが良さそうでした。

ゲーム中に出てくる転売アイテムはいろいろと危ないネタが多いんですが、全体を漂うシュール感で幾分か緩和されて、それほど危なくは感じていません。
ワードサラダに変な単語混じっていても気にしないのと似た感じで、それらのネタに強い指向性がないからこういう印象なのかなと感じています。

ワードの選択とか、それぞれの向きとか、ゲーム中の扱いとか、そういったものに脈絡が無いので意志というかベクトルが見受けられないということに、こういった面白い利点があるとは思いませんでした。
全体的にネタを無作為にばら撒いて、疎結合で繋げて、それぞれのバランスが危うい中で世界を成り立たせようとしている良い意味で妙な雰囲気があります。

出てくるものについては、解釈したければいくらでも解釈可能なのだろうとは思っています。
例えば映画チケットについて、拾うと一度に大量に手に入る割に儲けが少ないのが、プぺルめいているのかなあとか、草原がやたら広いのは売るもの欲しさに東奔西走する転売ヤーを揶揄しているのかなあとか、色々と考えようと思えば考えられそうです。もちろん意味などないのかもしれません。

ちなみに、最大まで金を貯めてもキャップがあるのでゴムガトリングが買えないのは仕様なんでしょうか。
全てのものに対してかなりざっくりとした値段がついているので、狙ったものなのかそうでないのか判然としません。

それにつけてもwitter、何の意味もないけれどとりあえず覗いてしまいますね。現実に即しています。

44. 宝珠使いシズクのかえりみち

ジャンル 作者
パズル風RPG はるしし
プレイ時間 プレイVer クリア状況
3時間30分 1.0.2 クリア

良かった点

  • いい意味で頭を壊すくらい忙しい戦闘システムでした
    • ルーチン化とアドリブ力が双方程よく求められます
  • 戦闘中のUIが発動スキルを見ることができるなど親切です
  • 緩い良い世界観でした

気になった点

  • スキルや装備の画面で名前も姿もなく色だけでキャラを判断するのは少し難しかったです
    • 特に慣れていない序盤の内は間違いやすいです

レビュー

頭を忙しなく使って強敵を打ち倒せ

脳みそを使い倒し、過負荷をかけ、そうして成し遂げた勝利の達成感には得も言われぬものがあります。
宝珠使いシズクのかえりみちは、その独特なパズル風コマンドRPG的なシステムにより、とにかく頭が忙しくオーバーヒートしていくことで、そうした達成感を得ることができるゲームとなっています。

このゲームの戦闘では、各ターンにおける制限時間の中、画面下のパズルのような画面で宝珠を揃えて消していくということが主眼となります。
消された宝珠の種類でキャラが決まり、その数で技が決まり、ターン終了時にそうして決定された行動がそれぞれ発動されます。
紫を2つ消せば単体回復、3つ消せば全体回復であったり、赤を消した数で攻撃属性が決まったり、どの宝珠をいくつ消すかというのは、そのまま取るべき行動の選択へとつながります。
このため、戦闘中は宝珠の数を上手くコントロールしていくのがカギとなるでしょう。

なお、揃えた数に応じたスキルは自由にカスタマイズすることもできます。
変化していく戦況に柔軟に対応できるようにスキルを選択するのも良いですし、そのステージに特化した編成にするのも良いです。自分好みのスキル編成を作っていきましょう。

また戦闘中は、相手の行動や自陣の状態を正確に把握して、最適な行動を考え、それを実現できるように消す宝珠を選んでいくということを、時間内に行わなくてはなりません。
こちらが2人のうちはまだ余裕がありますが、味方が増えるほど、どんどんと忙しくなってきます。そうなると、徐々に時間内に行動を確定させるのが難しくなってくるはずです。
攻撃モーションの時間、エフェクトの時間、敵の行動中も揃えて消す準備をするための大事な時間です。全ての時間を有効活用して、場を支配していきましょう。

加えて、このゲームはハクスラ的な要素も孕んでいます。敵を倒し、強力な装備を取得できれば、後のステージを有利に立ち回ることも可能です。
どうしても勝てなければ、前のステージに戻って装備を集めてみるのもありかもしれません。
たとえ要らない装備が手に入ったとしても、パラメータ強化のためのポイントに変換できるため無駄にはなりません。積極的に集めていきましょう。

頭をフルに使って宝珠を揃えて適切な行動を選択し、強敵相手であっても怯まずに場を制圧していきましょう。

感想

今ウディコンのめちゃめちゃ忙しい枠の一つです。ずっと頭を動かしてないとクリアできない。
そして頭を常にフルスロットルで働かせているのは楽しく、それで課題解決を完遂できるとより楽しいので、このゲームは楽しいゲームでした。

宝珠を単にいっぱい揃えればいいだけなら楽なんですが、このゲームはあくまで宝珠の揃える数で発動スキルが決定する仕組みなので、ちゃんと考える必要があります。
一応上の画面を確認して体力や有効打を見つつ、適度に回復や防御、有効な攻撃パターンを考慮し続けるのが難しい。

初期の頃こそ猶予時間に対してキャラ数が少ないのでいくらでも対策できるんですが、4人パーティあたりからはだいぶ忙しいです。スキル発動時のエフェクト中にも揃え続けて、とにかく手を動かし続けないと間に合わないレベル。
その分、敵の攻撃を捌き切って倒せると達成感があります。忙しくて楽しい。

殊に最終的な6人パーティはかなり忙しくて、少なくとも最初のターンでの期待通りの動きはある程度捨てる必要があります。落ち着いてパターン化しつつ、適度に状況に即した行動をとるしかない。
お勧めとしては、状況に応じたパターンを組んでおくことと、攻撃系はルーチンで揃えられるようにあらかじめ準備しておくことです。

例えば、全体回復したいならヒール3と癒しの舞1 を作っておくとか、そういうパターンを持っておくと、即応性が上がります。
一方で、エフェクト発動中には攻撃向けを揃えておくのが丸いです。可能であれば現在ターンで揃え終わった後、次回発動分も装填しておければより安全でした。

ただ、1手先まで見た宝珠配置やルーチン化も大事なんですが、後半の強敵にはアドリブ力が要求されるあたりは歯ごたえもあります。
敵の攻撃が結構苛烈なので、基本的には殴るための札を揃えつつ、パーティー状況を鑑みて回復を優先したりする判断が求められます。

筆者は回復については上画面を見て調整しつつ、常に癒しの舞1とガードを優先した立ち回りをしていました。
後はデバフを必ずかけ続けるのは大事です。タイミングを忘れていたのなら、二重になってしまってもいいからとにかくかけるのが肝要。

また、戦闘バランスが良い感じなので、あんまりレベル上げというか装備集めをしなくても突破は可能です。
明らかに強敵で、一撃でこちらの体力を刈り取るレベルであったとしても、ガードをちゃんとやれればかなり抑えられます。
加えて、最後のバハムートを含めて、強攻撃を一方的に打ってくるような設計にはなっていないので、態勢をかろうじて立て直すくらいの時間はあります。とにかく焦らないことが大事。

このあたりの戦闘バランスは難しすぎず平易過ぎない良いラインを突いていると感じています。
強敵を作りたいと思った時に、強い技だけではなくてシステムに即したクールタイムのような技も用意しておくことで、理不尽になりすぎずに強い敵を表現しているように思います。

個人的には宝玉をめちゃくちゃにするギミック技とかがあるとより頭を壊されそうなんですが、そこまでやると厳しすぎるような気もして難しいです。
やるなら対策可能な特定方向に強制的に寄せる大風とかそういう類でしょうか。

戦闘中のUIについては割と親切で、揃えた宝珠で何が発動するのかについてちゃんと下画面に表示されるというのはありがたかったです。
また、ステージ終了後にやり終わった選択肢に済マークがつくので、どの準備を終えたか分かりやすくなるのも地味ながら良い配慮でした。

一方で、スキルや装備でキャラクターの名前も姿も表示されず、色だけで判断する必要があるというのはちょっと厳しかったです。順番を何となく覚えるか、色を何となく覚えるまでは苦労します。
特に最初が橙とピンクで何となく似ているので紛らわしいというのがあって、赤と青みたいに明確に違う色が初期に来ないのも混乱の一助になっていそうです。

後は、ストーリーが緩めの会話進行なのも個人的には好きでした。戦闘はめちゃめちゃ頭を使って忙しいので、なんとなく和みます。
特に、魔物みたいな存在をケモノと称するのが世界観を構成していて良いなあと感じました。
こういった独自用語は、欠点としてはすっと文章を読めなくなるくらいだと思っています。ファルシノルシガコクーンデパージみたいな案件です。その一方で、 ケモノは聞きなじみのない単語ではないので、ある程度読みやすさも担保されていました。魔物みたいな漢字表記されているよりはかなり緩い世界観になっている気がします。

とにかく全体を通して、プレイ中の思考が良い意味で忙しいので楽しいゲームでした。
ガードして、ああ回復は全体か、じゃあ3つ作って、後足りないのなんだとりあえずマジックブレイクにしておいて、ああ魔法出来てないけど遠いから3で妥協して…、みたいなことをエンドレスに考えながらやることになります。楽しいですね。

45. 対戦エネミーズスクランブル

ジャンル 作者
対戦 クロァ
プレイ時間 プレイVer クリア状況
10分 1.0 全キャラプレイ

良かった点

  • 動作が軽快でぬるぬると動きます
  • キャラごとの性質の違いも上手く表現されています

気になった点

  • 1Pのデフォルトキーコンがやや使いにくいものになっています

レビュー

殴りあう4人対戦

対戦エネミーズスクランブルは、最大4人で対戦ができる戦闘ゲームです。
なお、1人でも遊ぶことができるようになっています。

ゲームのルールはいたってシンプルです。セルと呼ばれる青いモンスターを叩き潰せば得点となり、相手プレイヤーを殴ると得点を奪い取れるというものです。
得点を効率よく稼ぐためにも、上手く立ち回っていくことが肝要となります。

立ち回りの肝は、個性のあるキャラクターから誰を選択するのかに掛かっています。
それぞれのキャラクターには固有の特性や運動性能があり、戦い方もおのずと変化していきます。自分に合ったキャラクターを選び、戦闘に挑みましょう。

それぞれのキャラクターの個性を活かした立ち回りで、勝利をつかみ取りましょう。

感想

ウディタで違和感なく4人対戦が実現できていることは凄いなあと感じました。
キーボードをぎりぎりまで分割して4人分のキーコンを割り当てているので、ものすごく頑張れば4人対戦もできそうです。実際は簡素化しても二人が限界っぽいので、JoyToKeyとか使って誤魔化すしかなさそうではあります。

その割り当ての弊害で1Pのキーコンが/\で決定キャンセルなのが大分攻めている印象です。最初は混乱しました。
一人でプレイしようとした時の最初の操作形態がこれなのは、設定すればいいとはいえ厳しい印象です。せめて最初にキーコンのセットがあると嬉しいかもしれません。

アクションについてはかなりヌルヌル動き、大分扱いやすいです。
ジャンプ挙動に若干の癖はありますが、それぞれのキャラごとの性質の違いもうまく表現していて面白いです。例えば、ワイバーンは地上の足の遅さを飛んでカバーできる性能になっていたりします。
このあたりの運動性能差も考えてキャラピックする必要があります。

個人的に強いと感じたのはダークメイジで、思ったより遠距離攻撃の連射が効くので、近づかずに連射する立ち回りができます。これが強い。
このゲームにおいての近接戦はリスクがかなり高めです。何しろ、近接するということは相手からも殴れるので。そういうゲーム性である以上、安全圏から技が振れるというのは大きいです。
なんやかんや素直っぽいのはゴブリンなので、近接でやるならこっちがお勧めかもしれません。

特にCPU戦においてはCPUが受け身を取って即反撃するみたいな挙動をしている気配を感じるので、なおのこと遠距離戦のダークメイジが光ります。反撃をもらわないのは大事ですね。
そうでなくてもCPUは結構強いので、CPUのレベル調整があると一人用でももう少し遊べたかもしれません。そもそも一人用ゲームではなさそうですが。

ゲームから外れた余談ですが、スマブラめいた格闘ゲーム的な基盤が完成されているので、ルールの構成次第で色々と応用が利きそうなのも面白いです。
操作性が良好で、4人対戦可能な格闘ゲームのベースというだけでも良く完成された作品のように思います。

46. フォゲコマ!

ジャンル 作者
コマンド忘却RPG Masaqq(マサック)
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間 1.053 ノーマルクリア

良かった点

  • コマンドを忘れるという仕組みを、上手くゲームシステムに落とし込んでいました
  • 制限されたリソースをやりくりする面白さがあります

気になった点

  • 仲間の呪文を使う時など、全体的に選択肢の階層が深くなりがちです
  • HPや状態異常の確認でいちいちメニューを開く必要があります

レビュー

コマンドがない、ということ

フォゲコマ!は、コマンドを忘却した状態から始まるRPGです。

このゲームにおいて、コマンドを覚えていないということは、攻撃魔法などのスキルが使えない、というレベルに留まりません。
応答のための「はい」「いいえ」や、果ては「どうぐ」といった大本の選択肢そのものすら存在しないという徹底っぷりになっています。

ゲームの進行としては戦闘をしつつステージを進行し、各所で失われたコマンドを取り戻しつつ、手持ちのコマンドを上手く使って攻略していくことになります。
どのコマンドを取り戻すかは非常に重要となるので、慎重に選択していきましょう。

また、戦闘システムは簡略化されており、ステージ上のシンボルに触れてコマンドを選ぶだけのものとなっています。現在のステータスやコマンドの状態を考えつつ、戦闘すべき相手も選んでいくことが重要です。
戦闘を有利に進めるには仲間を集めたり、攻撃魔法を強くしたりといった様々な方策がありますが、そのどれを行うにもコマンドが不可欠となってきます。戦闘も見据えたコマンド選びが大事になります。

加えて、そうして倒した敵は二度湧かないので、敵がドロップするお金も重要な要素となってきます。
お金の使いどころがゲームの行方を左右することもあるので、上手く使う必要があるでしょう。

そうして様々なリソースを管理しつつ、コマンドを適切に構成し直していく体験は、さながらパズルのようでもあります。
習得すべきコマンドを取捨選択し、仲間も上手く選び、リソース管理の果てにボスの元へと辿り着いていきましょう。

感想

コマンドを忘却しているので、色々もどかしい思いをしながら進めるRPGです。
ちゃんと覚えると一気にやれるようになってくるので楽しい。

コマンドを忘れているという発想およびシステムが秀逸で、それに応じた様々な問題が待ち構えているというのが面白いです。
例えば、はいといいえはセットで覚えておかないと、選択肢が出たら肯定か否定のどちらかしかできなくなってしまいます。不自由な二択どころか、不自由な一択というわけです。

このシステムに加え、触れたら即終わる戦闘システムも相まって、かなりパズル的な印象を受ける作品でした。
実際、そのままだと稼ぎのやりやすい仕様だからなのか、敵が消滅するようにな設計になっていて、この結果詰みが明確に発生しそうなデザインになっています。手順を大きく間違えると、取り返しのつかないことになりそう。
プレイ途中は、パズルに使っていた脳みその部分を多少使っている気持ちになりました。

またある意味では、コマンドとお金のリソース管理とみなすこともできそうです。
お金は一定量なので、これを上手くやりくりしつつ、コマンドの解放順序の優先度付けをしていくことで効率良く動くことができます。
なお、ノーマルでやる分には結構お金が余ったので、大きく外さない限りは恐らく問題がないように感じました。

ちなみに、システム的な罠の一つとして、アイテムの所持数制限があります。
所持数がいっぱいだと敵の落とすアイテムが無条件で捨てられます。ここでどちらかを選ぶ選択肢を作ると、それもコマンドになりそうなので撤廃されてしまったのかもしれません。
調子に乗って敵を倒しまくっているとすぐに限界まで所持してしまうので、逐一うまく対処する必要があります。あんまりサクサクやらないほうが恐らく安定します。

また、コマンド忘れの弊害として、選択肢がだいぶ複雑になる傾向にあるというのもあります。
例えば、仲間の呪文を使用したい時、なかま、仲間の名前、じゅもん、使う呪文の名前、とかなり長くなってしまいます。状態異常のたびにナオールを使うのが億劫になりがちです。
それ以外でも、連続で売り買いした時にいちいち選択肢まで戻されるなど、地味に面倒なポイントもあります。

中でも個人的に一番やりにくかったのは、戦闘後のHP減少がいちいちメニューを開かないと確認できないことです。後は状態異常。
回復するかどうかの判断のためには半ば必須なので、毎回いちいちメニュー開いて確認していたんですが、どうにか常時表示されないかなあという印象です。

通常のRPGなら戦闘が入るので否が応でもパーティメンバーのHP状態とかは分かるんですが、これは即終了する設計なので、目に入る機会が能動的にメニューを開くほかありません。
また、これに併せてダメージをどの程度食らったかが曖昧で、ちゃんと計算しないと敵の強さが分からないというのもちょっとだけ気になりました。

ともあれ、このゲームをクリアした後に改めて振り返ってみると、コマンドを忘れたことよりも、リソース管理と戦闘パズルの印象のほうが強かったです。
アイテムの所持数制限への対処、状態異常への対処、おかねの管理、このあたりに割いた時間のほうがコマンド吟味より長く、苦労したという印象もまたこちらの方が強くあります。なので、印象的にはリソース有限RPGのほうが近いように感じます。

多分、ハードでやると違う遊び味になるのかなあと思うので、慣れてきたらハードで遊ぶ想定なのかもしれません。初手では作者さんの規定した通常難易度であると勝手に決めているノーマルで遊ぶとしている身なので、そのあたりは深く知るところではありませんが。

ここからは大分余談なんですが、はい、チーズでこっちを向いてくれるという仕組みが、細かいながら割と好きでした。
たとえ対象が毒沼で暴れていようとこちらを向いてくれるあたりの芸が細かい。
あんまり意味が無くても、積極的にやってしまう魅力がありました。

はい、チーズ