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09. みかど出現

ジャンル 作者
戦略シミュレーション zabumaru
プレイ時間 プレイVer クリア状況
4時間 1.01 クリア

良かった点

  • 敵を分断して大将首を取る独特な戦略が楽しめます
  • ずっと世界観がゆるいです

気になった点

  • 特に終盤は大将が隙を晒すことを期待するお祈りが必要に感じました
  • 移動先をマウスで決めますが、この時に段差に落ちると再度登れなくなります
    • 特に、移動が始まる前にカーソルが落ちる方向にあると、ターンが回った瞬間に落ちます
    • 移動原点に基づいて移動可能範囲が算出されるか、テンポを損ないますがクリックなどの工程が挟まれるとケアできそうです

レビュー

わちゃわちゃパクパクSLG

みかど出現は、わちゃわちゃと動く友軍と敵軍がぶつかり合うシミュレーションゲームです。
一画面に収まるクォータービューの地形の中、両軍が衝突して戦うことになります。

このゲームが単なる戦略シミュレーションに留まらない特徴的な点として、敵軍がピンピンしていて友軍が虫の息だとしても敵の大将首を獲りさえすれば問答無用で勝利する、というシステムが挙げられます。反対に、主人公がやられればどんな状況でも問答無用で敗北です。
すなわち、主人公が倒されないように立ち回りつつ、何とかして大将を打ち倒す策を練るのがクリアのカギを握ります。囮で敵を分断したり、遠距離攻撃で肉癖を抜いたりして、上手く大将まで攻撃を届けさせましょう。

戦闘に勝利して倒した敵は、きびだんごをあげることでどんどんと仲間になっていきます。この、どこか緊張感のない緩い世界観も魅力の一つとなります。
そうして徐々に大所帯になっていきながら、さらなる強敵に挑んでいきましょう。

感想

前作では個人的に理不尽に感じていたアバウトな移動スタイルに対し、一部の指示を受け付けなそうなやつは自動で動き、そうでないのは手動で動かせるという折衷案的なシステムになっていたのは、これまた個人的には良かったです。
ある程度はこちらで、囮やら切り札としての温存やらを考えられるので戦略性が上がりました。
その一方、SLGとしてちゃんと操作できるようになったことで、前作にあったとりあえずマウス動かしておけば勝手に終わる独特のテンポはなくなっています。トレードオフという感じ。

沢山のキャラがわちゃわちゃ動いているのを眺める楽しさは健在で、攻撃の時のちょっとしたモーションも含めて見ているだけでも楽しめます。
幕間パートでたくさんの仲間を引き連れて動けるのがその中でも好きで、最後の方になると色んな敵と戦って仲間にしてきたなあと感慨を得ることができます。

難易度に関しては前作同様にまあまあハードに感じていて、特に終盤はかなり難しいです。
前半こそ上手く打ち合えば全滅も狙えますが、後半は絶対に無理なので何とかして大賞首を晒させる必要が出てきます。それでもラスボスまでは囮を左右に配置して分断するモーセ戦術が効いていたんですが、ラスボスはしばらく向こうから手を出してこないのでこれがかなり難しいです。
最終的には何とか勝ちましたが、正直なんで勝ったかは分かりません。大将がたまたま射程圏内に来たから殴ったら勝った。勝ちに不思議の勝ちありですね。
前作においてもマウスを動かして相手大将が良い感じに動く導線を探すゲームではあったので、その辺のプレイ感はそんなに変わっていはいません。

また、細かい話をすると見下ろしの仰角が割と小さいので、射程のカウントがちょっと難しいところがあります。これのためなのか分かりませんが、思ったのと違う技が出て負けたこともあります。私が見た感じでは強力な攻撃が出る方の射程だったんです。
そも相手の行動範囲や射程も一瞬しかビジュアル的には出てこないので、その辺は雰囲気で察するくらいのムーブが良いのかもしれません。

個人的に一番しんどかったのは段差による移動障害に対し、段差から一度でも落ちると段差の上に戻れなくなるところでした。
主に籠城っぽいことをしているステージで、相手の上を取るために頑張って速度の速いキャラで段差の上に動かしたのに、マウスが下にある時にその手番が回ってくると川の底に落ちて戻れなくなります。
マウス位置に勝手に動き、かつそれによって移動可能判定を兼ねているというシステム自体は面白いんですが、動く前にワンクッションないとこういう事故が起きそうです。特にきつかったのは、下方向にいる別キャラを動かしていて、その次のターンで段差上のキャラを動かそうとしていた時です。約束された落下。

シナリオというか世界観の話をすると、かぐや姫ベースかと思えば戦国武将が出てくるけど、それでも何となく納得してしまうような緩い世界観が面白いです。最後にロケットが飛んでも受け入れられるような懐の深さがあります。
加えて、どんな敵でもきびだんごを食べさせれば仲間になってくれるのも緩いですね。それ桃太郎印じゃないですか。さっきまで激闘を繰り広げていた相手だろうと、お構いなしに仲間にしていけます。どうせなら引き連れてた人達も引き抜いて欲しい。

どうやらアップデートで色々遊びやすくなっているらしく、自動装備がついたり装備制限が緩和されていたりしているようです。この辺の調整があれば難易度も緩和されていそうなので、現行バージョンなら大将首を獲りやすくなっているかもしれませんね。

10. オミくじ

ジャンル 作者
クイズ ビッワリアンチョコ
プレイ時間 プレイVer クリア状況
10分 1.00相当 エンディング

良かった点

  • シールの種類が豊富です

気になった点

  • シールリストがもう少し見やすい形式だと一覧性が上がりそうです
    • 各シールを横キーで順繰りに見れると見やすいかなと思いました

レビュー

オミくじを引こう

オミくじは、くじを引いてシールを集めるゲームです。
AI生成された様々なシールを集めては眺めてみましょう。色々なキャラクターが描かれたシールには、それぞれ新型コロナウィルスに関する知識も書かれています。

そうしてシールを集めてコロナの知識を獲得したら、マップのどこかで新型コロナウィルスにまつわるクイズに挑戦することもできます。
全問正解目指して解いていきましょう。

感想

キャラはAI生成っぽいんですが、某チョコっぽい背景はなんとなく後からレタッチしているなり付け足しているなりしているような気がしていました。レア度合によってちゃんと区分されているので。
結構はっきりと線が出ているのもありますし、大分濁った印象を受けるのもあるので、本当に玉石混交というか、石が多い感じもあります。石は石で見た目が割と良いのもあるんですけどね。GANで作っていた時代ぐらいの歪みを感じます。
具体例だと、V2891Iくらいのはっきりさなら実用上使えそうで、V483Aみたいな変なやつはある意味好きです。重なった状態で出力されたのかな。

この作品のシールのように、なんか大量に絵が欲しい場合はAIが割と強い選択肢に入ってきている気配はあります。
ウディコンの規約を始め世間の風潮が出展元の著作物明示化の流れになってしまっているので、Fireflyとか一部のサービスしか使えなくなるかもしれませんが。Adobe Stockに流し込めばロンダリング出来るみたいな話もあるので、結局のところどこまでうまく制御できるのかはグレーっぽいですね。LoRAを自分の絵柄でやる分には良いのかとかその辺の話もありそう。

コロナあるいは変異株については想像よりかなり詳しめにバリエーションしているので、まあまあ知らない情報が多かったです。
よっぽど丁寧に追っている人か専門家でもないと、この辺りカバーできる人はいないんじゃなかろうかと思ってしまいます。D614Gを言わずと知れたスーパースターと呼んでいますけど、言わずと知れているレベルなのかは分かりません。強毒化したアレだよと言われてようやくピンとくるレベル。

そういう意味ではクイズはかなり難しく、常識的なところはともかく、マニアックっぽいのは初見では通せませんでした。シールの説明を見て回答するにしても、シールの説明を順繰りに見るのがまあまあ面倒なので、その辺はあんまりやっていません。
シールについては色々説明があるので、アイテムの流用ではなくてカードリストとしてのUIで構成されていると色々と便利だろうなとは思いつつ、ちゃんとやろうとするとステータス表記みたいなUIが欲しくなりそうで、コスト高くなりそうだなとも思っています。変異株のステータス表記、それはそれで面白そうですが。

11. 竜と黄金の梨と焼け残り

ジャンル 作者
ローグライク スミスケ
プレイ時間 プレイVer クリア状況
5時間 1.07 クリア

良かった点

  • 細部にまで凝られたグラフィックが素晴らしいです
  • ステータスなどがファジーに表現される仕組みも相まって、緩い世界観が醸成されています
    • 体力を雰囲気で管理しているので緊張感もあります
  • ローグライクとして安定した作りとなっていました

気になった点

  • すべての演出が丁寧に作られている分、テンポ感が悪い印象を受けました
    • 毎回ちょっと待つなあくらいの温度感です
    • ※アップデートで対応が入った模様です
  • 製作について、適当に作ると何もできない上にかなり嫌なSEが鳴るのでモチベーションを削ぎます

レビュー

ゆるグラローグライク

竜と黄金の梨と焼け残りは、微に入り細を穿った高品質なグラフィックが特徴のローグライクです。
3Dで表現されたダンジョンを進み、敵と戦ったりアイテムを拾ったりしながら階段を探して最下層を目指す、オーソドックスなローグライク体験が楽しめます。

戦闘画面

ただし、ダンジョンで遭遇する敵との戦いは、自分のキャラクター達と敵がぶつかり合う一風変わったものとなっています。
3人のキャラクターにそれぞれ指示を出しながら、にぎにぎしく動く様を眺めていきましょう。折を見て石ころなどの投擲物を活用したり、厳しい相手には逃走を図ったりと、柔軟に対処をしていくのがダンジョン攻略のカギとなってきます。

また、ダンジョン攻略においては各キャラクターのパラメータも重要になりますが、その全ては曖昧に表現されています。
戦闘やイベントを経て成長していくパラメータは何となくの強弱をつかめる文章によって、キャラクターの体力はそれぞれのグラフィックのやられ具合によって判断できます。感覚的にパラメータを俯瞰して、直感的な判断をもとに選択していくことになります。
ボロボロになったグラフィックを見つつ、どのタイミングでどの回復までを必要とするかを見切ることも重要となってくるでしょう。

とにかく、全体を通して高い品質のグラフィックと、ぶつかり合いによる見目の楽しさに裏打ちされたローグライク体験が楽しめる作品です。
適度に敵を倒しつつ、アイテムを活用してダンジョンの深くまで下っていきましょう。

感想

常に画面が愉快なゲームです。特に戦闘画面が愉快で、左右でぶつかり合っている見た目も愉快なら、良く分からないキノコが爆走しているLIVE中継がなぜか流れているTVも愉快でした。
この辺の見た目が飽きない絵作りは高いグラフィック力に裏打ちされていて、ずっと楽しい感じの画が作られ続けていました。ダンジョン挑戦中に3人が色々とリアクションを取っているのが好き。

ローグライクとしてみるとオーソドックスな作りで、前半である程度強化して後半は逃げ切り体制に入ると楽なタイプです。
序盤のダンジョンならそのまま進めても良いかもしれませんが、後半は普通に敵が強いので上手く成長させていない限りはとっとと下るのが正解なのかなと思っていました。
作りや遊び方自体はそういう普遍っぽさがあるんですが、3Dダンジョンとぶつかり合いの戦闘という特殊な仕組みもあって、その一方で印象としては結構特殊なゲームだなというものにもなります。

ここから先は全体のテンポ感の話をするんですが、アップデートで改良されている雰囲気があるので、現バージョンでは問題ないかもしれません。予めご了承ください。
良く言えばすべての演出が丁寧、悪く言うと毎回ちょっと待つなあというのが全体の印象です。例えば、拠点に入るとしばらく待ってから選択肢が出ますし、拠点からエリア選択に行くとフェードアウト、しばらく暗転、地図画面でしばらく待機してようやくひよこが現れて動けるようになります。このように、全体を通して操作できるようになるまでの時間が長めに取られている印象です。
特に拠点や地図の、要素としてはすべて見えているにもかかわらず何も操作できない時間、というのがそこそこ辛く、ロード待ちでもなければ画面上の変化も大きくないので何で待たされているのか分かりにくくなっています。

インゲームというかダンジョンで言うと、3Dダンジョンの操作は非常に軽快です。簡易マップや向き固定移動も完備されていて、かなり動きやすく階層を周れます。通路でダッシュも可能ですし、ちゃんとその場合は敵にエンカウントするリスクも背負います。
その一方で、戦闘面ではこちらも演出が丁寧な分、テンポは遅めです。戦闘開始と同時に「まあまあちょうどいい相手だ」のような文字表示に、Ready Fightまでちょっとだけ時間を取ります。倒すとスローが入り、その後SEが何度か鳴る時間があって、勝利のマークが出てから戦闘が終わり、敵の消滅演出が入ったのちに「敵をねじ伏せた」文字表示が出て動けるようになります。場合によってはここでキャラクター強化の文字列も順繰りに表示されます。

ダンジョン1階層ごとに敵とのエンカウントは2~4回程度あることが多く、20Fあるとだいたい60回くらいこれをやることになります。重要な演出や意味の感じられる間ならともかく、何度もやることになるこの要素で待ちがそこそこ発生するのは若干辛くはありました。
個人的な印象としては、スローは演出的に好きで、勝った感覚を得られるので良かったように思います。SEを鳴らすタイミングをスロー中に混ぜて文字表示もやってしまう、最初のテキスト表示もReady Fightに混ぜつつ命令操作くらいはできるようにする、敵の消滅演出中についでにテキストも出す、みたいな感じでまとめてやると多少待ちが少ない印象を覚えるかもしれません。
ただ、順繰りにやることのメリットもあって、それぞれのテキストがプレイヤーにちゃんと読まれるし、それぞれの演出がちゃんとプレイヤーに見られることになるんですね。この点も踏まえると、どこを単独で見せたくて、どこまでは複合的に見られても良しとするかの線引きの話になるのかなと思います。演出も大事だし強くなったことも分かってほしいなあというオーダーなら、今の形がベストっぽいですね。
なお、罠を踏んだ時の一瞬待つ演出は個人的に好きです。あ、踏んでしまったヤバい、みたいな間があるのでドキドキします。演出としての間って難しいですね。

さらっと流してしまった3Dダンジョンの操作の軽快さについてもう一個触れておきたいんですが、個人的に好きなのは敵が近づくとSEが鳴るところです。
3Dダンジョンゆえに敵を見つけられないことは必ず発生し得るんですが、この仕組みのおかげで近くなったら必ず分かるようになっています。この辺の配慮が素晴らしい。これに命を救われたこともありました。

ランダムイベントについても結構面白く、ゆるゆるとしたグラフィックにあったゆるゆるとしたイベントが色々とあります。
容量拡張が一番嬉しいところはありますが、地味に食料をもらえると有難くなります。10F連続で食料を拾えず、クタクタの状態でイベントで食料をもらえた時は中々感動しました。

パラメータのファジー表現についても触れておくと、個人的にはおおよそ好きでした。
特に体力がファジーなのは良くて、今はどのくらいの回復をしてやるべきなのか、今戦闘にどの程度耐えられるのか、といったものが常にファジーな状態で進めることになるので結構緊張感があります。
もともと体力は結構ファジーに見て管理することが多いパラメータなので、こういう表現と相性が良さそうに感じます。グラフィックによる表現というのも、高いグラフィック力も相まって可愛らしくて良いですし。

一方で、あらゆるものがファジーであるがゆえに、厳密にやりたい部分も曖昧で良く分からなくなっている、というのもありました。
個人的には所持数制限がこれに該当していて、例えばプレイ中に何かを拾ったら急に制限がかかり、この後に4つほど作るでぶっ壊しても解決されませんでした。各アイテムに重量パラメータが設定されている故なのか、それともまとめて持てるアイテムがあるのか、といったようなことが不明瞭なため、解決法が見えないのが辛かったです。
体力と違って所持数制限はギリギリを攻めるのが一番強く、そうしたいが何をもってそうできるかが分からない、というのが厳しかったのかなと思います。
この辺の何を厳密にやり、何を曖昧にやっているか、というのはゲーム側でコントロールできるものなのかもしれませんし、個人によって変わり得るものなのかもしれません。もし前者ならファジー表現を采配するのが良さそうですが、後者ならトレードオフになるのかなと感じています。
なお、その辺のデメリットを考慮しても、ファジーにいろいろ表現されているのは、そのテキストの面白さも含めて結構好きでした。

製作というシステムについてもちょっとだけ話します。
製作それ自体は、いらなくなったアイテムを良い感じに処分したかったり、ダンジョン中で分解と共に上手く活用して生き残りやすくしたりと応用の利くシステムで楽しかったです。
ただ、SEが本当に辛かったです。めちゃくちゃ悪いことをした気持ちになりました。しばらく我慢してたんですが、後半からはもう辛くなったので製作せずに全部売ってました。これは多分個人的な好みです。

最後に何度か言及したグラフィックの話をするんですが、本当に良いグラフィックです。
タイトルを見れば大体察するところだとは思うんですが、キャラクターが上手いのみならず、背景とかその辺の質感までもが調和しています。ここ読んでいてタイトル見てない人なんていないとは思うんですけど、とりあえずタイトル見てください。
あとは焼け残りの「り」のフォントが焼け残りっぽく煤なのか何かが零れ落ちているのも細かくて好きです。

キャラクターもそのグラフィックのおかげでゆるく魅力的に描かれていて良い雰囲気を作っています。
食料の略奪が平然と行われるくらい資材不足が深刻そうな世界なのに、コーヒーを飲んで落ち着いている几帳面な人が好きです。そのコーヒーはどこから仕入れたんだ。
後は言わずもがなにひよこが良くて、あらゆるメニュー画面のフレーバーとしても出てくるので、常に画面がこのゆるさで固定化されています。一番好きなひよこは中断周りのひよこです。あなたの好きなひよこは何ですか。

しかし怪しい洞窟、クエストは受けたけど遠征先に見つからなかったので結局挑戦できずじまいでした。交流を始めたら、特にイベントも発生せずに情報だけ出てきてしまっていたのが、もしかしたら不具合だったのかもしれない。

12. 不屈のスペラ

ジャンル 作者
デッキ構築ローグライク テイク
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.02 HARDクリア

良かった点

  • 最初に選んだ妖精のパッシブを軸にデッキビルドしていくのが楽しいです
    • 程々のランダム性と戦略性が備わっていました
  • ピンチをチャンスに、というシステムにより、意識的にハイリスクハイリターンの選択が取れるようになっています
  • プレイヤーが選択する要素を極力省いているため、サクサクとゲームを進行できます

気になった点

  • デッキ枚数に対してややカードプールが薄く感じました
    • HARDクリアまでならそれほど気にならないレベルではあります

レビュー

ピンチをチャンスに変えろ

不屈のスペラは、RPG風の戦闘をカードで行って進めていくデッキ構築型ローグライクです。
戦闘やイベントで増減するHPというリソースを上手く活用して、40層からなるステージを攻略することになります。

ステージ 戦闘

挑戦するステージは手前3マスから発生するイベントを選択する形式となっています。
敵と戦ってカードを集めるもよし、ショップでHPを消費してカードを買うもよし、特殊なイベントで何かを得たり、回復するといった手段も取れます。現在のデッキの状況や自分のHPと相談しながら、最適な行動を選択していきましょう。
先の状況が前方5層まで確認できるため、先々のマスを見てプランを定めるのも肝要になってきます。

ステージを進む上で避けられない戦闘においては、それまで集めてきたカードによるデッキで挑むことになります。
現在のMPを消費してカードを選択し、敵に攻撃していきましょう。カードは、消費するMP、状態異常や攻撃対象、攻撃性能が異なってきます。特にMPを多く消費するカードは強力ですが、MPは原則毎ターン1ずつ増えていくため、強力なカードばかり集めるとデッキが重くなってしまいます。コストとバランスを意識して、自分なりのデッキを構築していきましょう。

また、デッキ構築にあたっては最初に選択する妖精のスキルも重要です。
被ダメージ軽減や回復スキルから状態異常の強化まで、それぞれの妖精が持つスキルに合わせたデッキ構築を目指すことで、高いシナジーを得ることができます。

そうして取捨選択してデッキを構築しつつステージを攻略していくと、当然ながらHPは消耗していきます。そうなった場合、回復マスやカードの効果でHPを回復させることで継戦していくことになりますが、このタイミングは慎重に見極める必要があります。
このゲームにはピンチをチャンスにという仕組みがあり、こちらの被ダメージが大きいほど攻撃性能が倍化していくためです。HPがギリギリになるリスクと引き換えに、高い火力を得ることができます。特にボスなどの強力な敵を相手取る時は、どのタイミングで回復し、どのタイミングで強いカードを切るかの戦略性も求められてくるでしょう。

こうした様々な要素が一体となったシステムは一見複雑に見えますが、手厚いチュートリアルとテンポの良いゲーム設計で、プレイしていくうちに自然とマスターできます。
言葉を尽くすより遊んでみた方が分かりやすく楽しいものとなることは請け合いなので、安心して妖精に合ったデッキを上手く構築し、最後のボスまで打倒していきましょう。

感想

序盤丸々チュートリアルに使っている思い切りの良さも含めて、かなり導線が丁寧なゲームだなという印象がありました。シナリオもそれに沿って動いていますし、難易度解放時にちゃんと要素解法演出もついているので、一貫した気持ちのまま最後の難易度まで挑戦できます。

デッキ構築型ローグライトとみると、DungeonMakerとかその辺に作例はあるんですが、この分岐型カード選択による行動の選択はやっぱり面白いです。先のプランをある程度こちらで決められるという戦略性と、不測の事態があった場合のリカバーも効くという即時性もどっちも加味されています。
ここに加えて、マス配置の都合上ある程度のランダムと決定性をどちらも付与できるので、要所のイベントは制御しつつも何度か遊べるリプレイ性も同時に担保していました。
また、マスが戦闘、強敵、ショップ、イベントとシンプルなもので揃っているのも良くて、ある程度簡単に予測できつつも、イベントというランダム性の高いものも含めて幅を持たせているように感じました。

デッキ構築の面で言うと、正直な話カードプール自体は狭めな印象を受けたんですが、妖精というパッシブ要素を軸に組み立てられるところで掛け算的な広がりは担保されていました。
特に妖精を最初に決められるのは面白くて、最初に自分でどういう方向性にビルドしたいかある程度考えて進められます。何もない地平から考えるのも面白くはあるんですが、軸が一つ定められているほうが迷いが少なくて助かりました。
妖精解放タイミングについても良くて、ある程度ゲームが分かってきたら増えて、大分理解が進んだらさらに増えます。応用タイプみたいな妖精が後に回されるので、その能力を使うイメージが湧きやすくなっています。

続いて戦闘システムの話をします。
全体的に余計な選択を省いたデザインになっていて、これがゲーム全体のテンポ感の向上にかなり寄与している印象があります。
カード選択時に対象を選ぶ工程がないというのもありますし、序盤はカード入れ替えが勝手に行われていくというのもあります。これによって、40層程度あっても30分もあれば辿り着けるようになっています。リプレイ性の高さには、このテンポの良さが間違いなく効いていました。

また、前作にもあった最大MPが溜まって徐々に強いカードが使えていくシステムも、かなりうまく機能していました。
雑魚との戦いは大体序盤のMPで終わりますし、ボス級との戦いでも、序盤は状態異常を撒いたりカードを補充したりと明確にやることがあります。低コストカードでも明確な役割があるので、どのターンでも考えて行動することが必要になってくる良い仕組みとバランスでした。

細かいところだと敵のタイプ表記が出ているのも良くて、初見の敵であったとしても、どういう順番で倒すのが理想かをある程度組み立てやすくなります。
対象選択の工程は省いても、そこにカードごとの特性を持たせるあたりや、この辺のタイプ表記あたりからも感じられるんですが、可能な限り考えて戦えるように制度設計されている印象を受けました。
簡単に操作できて、テンポを良くして、その上でちゃんと思考を回す余地を残すのは割と難しそうですが、その辺が上手くカバーされたデザインです。

個人的に好きだし発明だと感じたのは、ピンチをチャンスにという機能です。平たく言うとダメージを受けてるほど火力が伸びるんですが、これにより低いHPでも敵に挑むことのインセンティブが確保されていました。
特に序盤において、回復に傾倒せず出来るだけ敵を狩ってカードを取得するチキンレースをして手札を集めていく、というのがデッキ構築型ローグライトの強いパターンですが、システム的にこれをプレイヤー側に後押しする仕組みだなと感じています。
また単純に、ボス戦などでピンチになった時に最大火力のカードを温存しておくと勝てる、という熱い要素でもあります。どこで大火力カードを切るかの駆け引きも生まれますね。筆者はラスボス相手に2桁残したギリギリの状態で全火力を投じて勝った時が一番気持ち良かったです。
その分ダメージ計算が難しくなる面はあって、確定一撃とかの計算はちょっと難しくなるかなとは思うんですが、ゲームの設計上数値が大きい上にぴったり合わせるタイプでもないのでマージンをとれば調整できるようにはなっています。予想ダメージ表記も出ますしね。

全体的な難易度はやや易しめかなというレベルで、HARDで(自分のミスで)1回敗北はしましたが、それ以外はそのままクリアできるバランスです。通した印象としては、クリアできるように作られたバランス、くらい。
よっぽど不運を引くと怪しいのかもしれませんが、序盤でデッキ構築に失敗しない限り中盤以降は安定する感じはあるので、失敗するとしても序盤の範囲に収まりそうです。序盤ならリトライも楽ですね。

NORMAL HARD

筆者のプレイ履歴としては、NORMALはシルフ、HARDはバンシーで突破しました。
シルフクリア時は悪魔契約、ヘブンズウィング、救済による回復可能な設計で突き進んでいます。持久型にはめちゃんこ相性が悪いんですが、継戦能力は極めて高く、回復マスはほぼ踏むことなく最後までたどり着くことができました。大ボスで火力が足りず、オーバーライブラリーアウトしかけたのはご愛敬。
バンシークリア時は、とにかく強力な5コスト以上のカードで埋めてぶっ放すデッキを構築しています。救済などの5コストカードはあえて合成しないくらい徹底しました。その性質上被弾は多めになるんですが、そこはグングニルによる大量回復でしのぎつつ進めています。被弾が多いのを逆手に取って、ラスボスではギリギリまで被弾してからウンディーネをぶっ放して蹂躙しました。
このデッキ構築は性質上カードが揃わない序盤が一番しんどく、そこで無理した結果の一敗でした。

シナリオの面にも触れておくと、ストーリーが必要ラインでちゃんと描かれていて、ゲームのテンポを損なうことなくモチベーションにはなるレベルの塩梅に落とし込まれていました。
特にオープニングから開始までの流れが良いです。ここでキャラ紹介とばかりに会話劇が入るとゲームに入るのが遅れるんですが、ここをチュートリアル中に会話で進めていくことでカバーしています。実際にゲームを遊ばせつつ、キャラクターからのアドバイスを通じてその性格を描写していました。
色味的にも性格的にも某っぽいアレなのかと思っていて、そのくらいのテンションと世界観なのかなと考えていたら、まあまあなシリアスをお出しされて驚いたのも良かったです。あの入りで、腕切るレベルのシリアスが来るのは意表を突かれました。

このゲームについては、個人的にはHARDまでちゃんとやらせるゲーム性としての完成度が高いと感じています。
冒頭で触れた導線の丁寧さもあるんですが、NORMALがクリアできないとHPが増える仕組みがあるらしいことや、そこから先ではシナリオ面でここで止めると後味の悪いところで切るようにしているところなどにより、とにかく最後まで遊ばせる牽引力が仕込まれています。もちろんこれは全体的なテンポ感の良さ、それにも関連したリトライ性の高さなどの総合力からなせる業でもあるんですが。
現に、NORMALクリア時に作者さんの想定はここだろうしHARDはいいかとなりがちな筆者が、何の疑いもなくHARDを即時に始めてクリアまで遊んでいます。あそこで止められないですからね。

13. 煽り時計の誕生の旅

ジャンル 作者
分岐式ノベル んどどど
プレイ時間 プレイVer クリア状況
50分 1.04 読了

良かった点

  • 煽り時計にマスコット的な可愛らしさがあります
  • クリア特典がダウンロード式なのは面白かったです

気になった点

  • キャラクターの台詞と地の文で内容が重複していることが間々ありました
    • キャラクターが「電気工事の実習あったこと完全に忘れていたよ」と発言した後、地の文で「電気工事実習があることを完全に忘れていた」と書かれる、等
  • 煽り時計について、特別煽っていた印象はないので名づけの由来が気になりました

レビュー

煽り時計の旅を追体験しよう

煽り時計の誕生の旅は、煽り時計と主人公の少年にまつわるノベルゲームです。
煽り時計と呼ばれることになる喋る時計との交流、そしてあることを契機に始まる旅路を描いています。

ホームドラマのような温かなやり取りを軸に、物語はいくつかの場面の元展開していきます。
その中では、煽り時計のマスコット然とした一挙手一投足を見ることができるでしょう。

物語を読み進めていき、煽り時計の旅の行く末を見届けましょう。

感想

タイトル通り、煽り時計の旅を見届けるゲームなのかなと思っていました。パートとしては旅をしていると言いそうな時間は僅かかもしれませんが、あるいは拾われてから戻るまでのすべてが旅路ともいえるのかもしれません。

煽り時計の構造は時折気になっていて、鼻提灯出せるし、はさみ持てるし、コントローラを持ってゲームができるらしい構造になっています。どういうサイズ感なんだろう。
鼻提灯を出せるということは息をしているということなんでしょうか。この辺を考えるのは野暮なのかもしれませんが。コントローラを持ってゲームができるなら指があるのかいやしかし、みたいなことを考えながら読んでいました。

後は、この世界の母親はかなり起きている現象に対して素直で寛容でした。自分の子供が喋る時計を持っていて、一日でそれを理解したり支援したりしているの、なかなかに肝が据わっているというか受容能力が高いというか。良い母親ですね。

オイルショックと時計が売れなかった相関関係が不透明だったり、新幹線で時計を落とすほどの人ごみになるのかなと思ったり、プログラマーの説明がアバウトだったり、なんやかんや引っかかるところはあれど、その辺は多分オマケで言及されているあたりによるものなのかなと思っています。

個人的に気になっているのは句読点の位置とか、台詞と地の文のバランスとか、どちらかと言えばそういうあたりでした。
筆者もこのレビュー、特に感想では徹底できてない所はあるんですが、句読点はダイレクトに読みやすさに影響を与えるので、長い文章を読むことになるノベルでは結構気を遣った方がいい分野なのかなと感じています。句読点がない長い文章、意味をとるのも難しい上に、結構文字による圧迫感もあるので。演出としてそういう意図があるなら構わないとは思います。

序盤あたりから抜粋すると、「こんな、コーナー初めて見たなぁ」の句点がある一方で、「誰も居ないし何も動かしていないのに」あたりに句点がないのは違和感がありました。「いいか、煽り時計しっかりと俺の~」あたりもでしょうか。
「こんな」がかかっているのはコーナーなので、この間に句点が入るのは違和感があったのと、中者は長い文章だったのでどこかに句点が欲しい気持ちになりました。後者については、文の区切り的には煽り時計の後ろに読点が入るか、「いいか煽り時計」までつなげて句点でもいいような気もします。呼びかけを明示化したいのなら、いいかの後に句点があるのが適切っぽくもあります。

地の文については、キャラクターの台詞の繰り返しがちょっと見られていて二度手間に感じることがありました。上記以外にも、「アメ ヤムマデ マツ」の直後に「雨が止むまで待つことにした」とかも該当します。
多分、地の文をそこからつなげるための役割があるんだとは思うのですが、その場合は台詞側をバタバタして何か探しているだけのものにするなどすればバランスが取れるかもしれません。

ちなみに筆者は物書きを嗜んでいたことはありますが、別に文系出身とかではなくバリバリの理系なのであんまり正しくないことも言っているかもしれません。ここまでのことは話半分で良いと思います。
さらにここからは個人的なお勧めになりますが、こういう文章の見直しをするときはボイロが便利です。入力した言葉をしゃべってくれるので、何となく違和感があると気付きやすいです。誤字脱字もチェックしやすい。

宣伝になって感想でなくなってしまったので閑話休題。
クリア特典がダウンロード式になっているのは面白い試みだなと思いました。ZipのパスワードとかURL提示は見たことあるんですが、確かにこれなら何が降ってくるかもわからないし、手に入れるのはゲーム内で完結していて楽ですね。

最後に、このゲームの一番の謎は煽り時計の名前の由来かもしれません。そんなに煽ってましたか。
加えて言うと、誕生の旅でもない気がしてきました。いや、煽り時計の旅をゲームとして作ったそれ自体は誕生の旅と見なすべきなのかもしれません。その場合は、煽り時計がここまで辿った道筋それ自体が煽り時計というキャラクターの誕生の旅と解釈すればいいんでしょうか。

14. プリティアックス外伝 ~斧姫~

ジャンル 作者
AXE HOT・W
プレイ時間 プレイVer クリア状況
5分+25分 1.1.1 クリア/おまけクリア

良かった点

  • 脳みそを空っぽにしてAXEに委ねられる作品でした
    • 戦闘においても、とにかく爽快感に振っていて気持ちいいです
  • ツクール2000風の完成度が高いです

気になった点

  • 特にありません

レビュー

AXE!!

プリティアックス外伝 ~斧姫~は、ひたすらAXEし続けるAXEゲームです。

ツクール2000風のタイトル画面から始まり、冒頭のイベントからも察せられる通り、全てがネタと勢いに振り切れた作品となっています。その勢いはエンディングまで留まるところを知らないので、思う存分AXEを装備してAXEし続けていくことができます。
このAXEは主に戦闘で力を発揮し、全身に装備すれば装備するほど連続でAXEしていけるようになります。全身AXEで身を包み、6連続攻撃を叩き込んでいきましょう。

また、エンディング後のおまけでは、リソース管理風のゲームにも挑戦できます。
制限化の中で、AXEやほかのスキルにも頼って上手く得点を稼ぐスコアアタックに挑むのも一興でしょう。

ひたすら頭を空にしてAXEのことだけを考えられるように、ゲームとしての作りも導線も丁寧かつシンプルな作品となっています。
心行くまでAXEに体を委ねましょう。

感想

今ウディコンにおいて最もタイトルで笑えた最高のゲームです。
ツクール2000でゲームを作ったことのある身としては、これ以上ないほどに見慣れた景色でした。エミュレートとしての完成度があまりに高すぎる。ネットミームのカニの画像を思い出していました。

その温度感のまま、最後までAXEで突っ走っていく本編も良いです。AXE一本槍で勢いを殺すことなく最後まで走り切ってくれます。AXE一本槍って変な言葉ですね。
AXE AAAAAXE あたりは叫んでいると解釈できるんですが、AXE PAIN あたりはもう良く分からないままノリで楽しんでいました。
なお、個人的に好きなところは木をなぎ倒して進める箇所で、敵を倒す以外にも爽快感を感じる仕掛けが用意されているあたりが良いです。

とはいえやはり真髄は戦闘で、ドリル装備っぽい感じで全身斧人間になって連続攻撃をぶち当てていくのは強い爽快感をもたらしてくれます。病みつきになりそう。
敵が障害というより斧を当てる的みたいな扱いになっている気がするんですが、とりあえず楽しいので満足できます。この規模感なら戦略性とか考えることとか要らないのかもしれません。気持ち良ければそれでいい。でも、ちゃんと魔王はちょっと強いあたりのバランス感もあります。

このあたりの小ネタとか、勢いを殺さないようにしている一画面マップとか戦闘テンポとか、ちょっとした敵のバランス感とか、勢いだけで構成されているゲームに見えてかなり丁寧に作られているあたりも個人的には好きでした。
そもここまでツクール2000に寄せて作るのは逆に大変に思えるんですが、それでも作り切っているあたりがすでに丁寧と言えるかもしれません。

なお、敵のパラメータまでツクール2000のデフォルトパラメータになっていると面白そうだなと思いつつ、手元にツクール2000がなく確認する手段がなかったので諦めました。HPくらいはそれっぽそう。

リソース管理っぽいおまけ要素についての話もします。
何ならこっちの方がプレイ時間が長いんですが、何度かゲームオーバーになったからです。
かなり運の要素が強いリソース管理ゲームで、AXEなり有効択を引いた後にひたすら強い敵を倒していくことになります。敵がランダムだったり、そもそもスキルなどもランダムだったりするので運によっては厳しいですが、引き直しもあってコツをつかめばクリアは割といけそうな印象を受けました。
さすがにスコアアタックをちゃんとやれば運の要素も強くなってきそうですが、それにしても上位陣のスコアは良く分かりません。何をやったらそんなに高くなるんだろう。

ツクール2000っぽさ、AXEで押し通すインパクトの強さと、とにかくプレイした後に強い印象を残す作品でした。この短さなのに、印象が心に叩き込まれています。

15. ウラミコドク

ジャンル 作者
謎解きRPG なごみやソフト
プレイ時間 プレイVer クリア状況
7時間30分 1.06.1 全エンドクリア

良かった点

  • 状態異常をギミックとした思考を使う戦闘が楽しめます
    • レベルの概念は無いので戦略で勝ち切る必要があります
  • 推理ものあるいは論破ものとしてのシナリオの完成度が高いです
    • ヒントが用意されているので詰まることもありません
  • その時のメンバーに応じた会話の変化など細かいところも作り込まれています

気になった点

  • 最後のオチに関して、ギミックとしては素晴らしいですが展開としては若干強引なものを感じました
    • この辺りは好みだと思います

レビュー

矛盾する言葉を祓え

ウラミコドクは、高い戦略性を備えた戦闘と、正しい証拠を突き付けて事件を解決に導く推理パートが融合した、RPGあるいはアドベンチャーです。二つの異なる方向性で頭を使っていく作品となっています。

基本的なゲーム進行は、会話のやり取りからなるストーリーとマップの探索を経ていくような、アドベンチャー然としたものです。デスゲームめいた展開の中、続発する事件の真相に迫るため、正しい証拠を選び出す推理パートに挑んでいくことになります。
推理パート中は証言の矛盾あるいは発展性を指摘し、その根拠となる証拠を提出する流れで進んでいきます。それぞれの発言を吟味し、既出の情報との矛盾や、より深めることのできる証言の選出などを通して、容疑者を絞り込んでいきましょう。証拠はアイテムのみならず、ゲーム中の様々な要素からも選出されます。あらゆる情報に目を配り、推理の糧としていくのが大事になるでしょう。

この推理フェーズをけん引していくシナリオもまた良質なものとなっており、次々と起こる事件と渦巻く不信感、その中での主人公やバラエティ豊かなキャラクターたちの行動が周到に描かれています。
また、その多彩なキャラクター達は全てプレイアブルとなっており、パーティを組んでダンジョンに連れていくことで好感度を上げつつ主人公との会話を見ることもできます。気になるキャラクターや気に入ったキャラクターがいれば連れ回すのも良いでしょう。

さらに、良質なシナリオからなる推理パートに引けを取らず、むしろ本丸と言って遜色ないのが戦闘パートです。ストーリーが一区切りつき、マップを探索するタイミングになったら、好きな時にダンジョンへ挑んで戦闘に臨むことができます。
ダンジョンはコンパクトながら簡易なギミックも搭載されており、それらを突破しながら進んで雑魚敵を倒していき、最奥に待ち構えるボスを倒していくのが目標となっています。挑戦することになる各ダンジョンはストーリーを阻害しない程度に短く収まっていながら、その攻略は一筋縄ではいかない壁としても成立しています。

ダンジョンひいてはボスの攻略に重要となってくるのは、状態異常の理解と運用、そして各キャラクターのスキル仕様と敵の攻撃の性質の把握です。
戦略のベースとなる状態異常は基本的なものでも十種を越え、特殊なものを含めればそれ以上となります。敵味方のスキルも状態異常に密接にかかわるものが多いため、状態異常を制したものが戦いを制することとなるでしょう。
状態異常を熟知していけば、一部状態異常が重複しないことを利用して自身にデバフがかかるスキルをあえて多めに運用するなど、トリッキーな戦い方を選ぶこともできます。ボスに挑んで行動パターンや状態異常を捉まえ、こちらのスキルでどう対応していくかを考えていきましょう。
おおよそいつでもパーティーを変更することができるため、どうしても勝てなさそうなら組む相手を変えてみるのも良いかもしれません。

このように、証言と証拠とにらめっこして推理を導くストーリー、強力なボスをいかに攻略するかの戦術、その双方が別ベクトルの頭の使い方を要求するため、思考の交互浴のような体験を得られる作品となっています。
並みいる強敵を打ち倒しながら、事件の真相を解き明かしていきましょう。

感想

ギミックバトルも好きだし推理ものも好きなので、好きと好きが掛け合わさって、すごく好みの作品です。
双方ともクオリティが高いというのがそれに拍車をかけていて、どっちを摂取しても楽しいゲームになっていました。

とりあえずギミックバトルの方の話をします。
雑魚戦はダンジョンの賑やかし、あるいはこちらの技を含めた予習としての役割を担っていて、それを完遂する程度のボリューム感で良かったです。多すぎず少なすぎずの良い塩梅。
もらえる巫の総量からしても、全部倒さなくても良いバランスにもなっている印象でした。そもレベルアップがないので、倒さないこともある程度推奨されていそうです。

真打というか真髄はやはりボスとの戦闘で、状態異常を軸とした戦略性の高い戦いが楽しめます。
相手のギミックをつぶし、こちらのギミックを通すための立ち回りを考えて動くのが楽しいわけですが、これは敵の多様なギミックと、それに負けない味方サイドのバラエティ豊かな技構成によって下支えされています。
基本的な概念としては状態異常とフィールドと考えるべき対象は少ないながらも、そこから様々な方向へ広がっていく多様性は相手にしていても自分で使ってみても楽しいものとなっています。

個人的に好きだったのは実際のBGMのテンポも変えながら攻守をコントロールする歌と、こちらの有利を押し付ける天気の制御でした。フィールドの制圧が好みなのかもしれない。
反対に、トリルと鈴による行動制御と回復や、結界術あたりのテクニカルな所は上手く使えなかった印象があります。特にトリルが難しかったですね。結局キヨヒメをトリルパーティーで倒すのは諦めて、慣れていたクルハとユミヤのタゲとって高火力で押しつぶすパーティーで攻略しています。パワーでごり押せる余地があって助かりました。

他のメンバーについても、盲目というシンプルな状態異常を最初に持ってきつつ、異常を自身に付与するアタッカーやら回復性能が高いキャラやら特定ターンに強いキャラやら未来に攻撃するキャラやら、それぞれの特徴を上手く使って戦えると楽しいキャラが多いので、こちらから戦略を仕掛けていく楽しさが十分に担保されています。
相手のギミックを攻略するという側面自体ももちろん楽しいんですが、こちらのやりたいことを通すという戦略性もまた楽しく、この両輪が上手くバランスされた戦闘なのが良いです。

相手のギミックという点で言うと、ボスの中で楽しかったのは最終決戦感が強かったのもあってラスボスでした。ほとんど使っていなかったピンキーとマナエを軸に据えて戦わないといけないヒリヒリ感もあって良かったです。下記のリザルトからも分かるんですが、最後ということを差っ引いても一番苦戦している気配を感じますね。
一番難しかったのはキヨヒメで、前述の通り最初に挑んだパーティーで何度か負け、パーティー構成から考え直して倒しています。特にクリティカルがしんどく、相手の残り体力僅かの所でクリティカルが連発しなければ勝ちという盤面までは行けたんですが、クリティカルが連発して負けました。

なお、遭遇率97%なのはなんとなく引っかかるので何とかしようとは思っていたんですが、図鑑から出現個所が推察できなかったので断念しました。
多分敵をスキップできるあの迷宮なんじゃないかとは思うんですが、自信がないです。あの迷宮ならほぼすべての敵をスキップした記憶があるので可能性が高いんですが、いなり寿司の可能性もちょっとだけあります。

ボス 仲間

続いてシナリオの話をします。
設計としては変則的な密室推理もの、あるいはデスゲームっぽい雰囲気です。インシテミルが印象としては近いでしょうか。状態異常や技能を含めた特殊な設定を加味した推理劇というあたりは、折れた竜骨やアンファルを彷彿とさせます。
ともかく、変則密室デスゲーム特殊設定付き推理ものという色々盛りだくさんな内容になっていて楽しめます。

シナリオの運びも綺麗で、 何かしそうなやつを先にどんどん殺していきます。加害者ポジになりそうな奴から潰していっている印象で、被害者が明確に選ばれている感覚を覚えました。作劇が上手い。
ゲームシステム的に推奨というか想定されていそうなメンバーの入れ方とその退場のさせ方も上手いので、メンバー構成をいじらなければキャラクターについて知ることが出来た上で推理に突入することができるようにもなっています。上記仲間の信頼度を見ても分かる通り、大体満遍なく信頼度が上がり、そこから退場していきました。

推理ものとしては徐々に証拠が出そろってくるタイプなので事前に推察するのは難しいか不可能ではありますが、その分論理と共に証拠が出てくるので推理そのものは筋道立てて行いやすくなっています。
さっきまで仲間にしていた彼女、そういえばああいう特性があったよな、みたいな戦闘パートの情報も使えるあたりも面白いです。戦闘で色々触っていたことがシナリオにもつながっている感覚を得られます。

なお、推理システム的にはダンガン□ンパなんだろうなと思いつつ、それほど該当作品を知らないので詳しいことは分かりません。
個人的には祓いと倣いがあるのが良くて、一方的に論理の破綻を突くのではなく、時には論理から発展させていくことも思考に入れる必要があるので、考えに奥行きが出ます。
証拠提出については、おおよそ議論を追っていれば推測できる範囲のもので、ちょくちょく誤解はありましたが大体は一発で通せる納得感があります。誤解と言っても、水の話があったからリアのアクアバレットで穴をあけるんだと思ってた、とか、血の所在を血封居断で血がついたのかと思ってた、といったレベルで、そうでないなら別の方に思考を飛ばせる程度の勘違いです。

とにかく全体を通して先が気になる謎をちょくちょく撒きつつ、一つ一つの事件を完成度高く組み立てることで各シーケンスのレベルでも満足感の高いシナリオとなっています。その情報がそこにつながるんですね、と膝を打ちながら楽しんでいました。

ここからは個人的なシナリオに対する感想になるので、蓋然性も客観性もへったくれもない話になります。
インシテミルやそして誰もいなくなったといった作品に触れていた影響もあって、頭の片隅にジュジュが残り続けていたゆえに最後の展開を十全に驚けなかったのが若干心残りになっています。あの辺の記憶を消せればもっと楽しめたはず。
あとは、最後の最後のシステム的な大オチは凄い好みで、叩きつけるべき対象が明瞭であり、かつそれは第4の壁を壊してみれば違和感しかないものである、というのはかなり良かったです。一方で、物語の展開としては第4の壁を登場させる導線が弱い印象で、やや唐突な感じを受けていました。

最後に、ゲーム全体の話をします。
ゲームとしては戦闘パートとADVパートがある程度明確に分かれていて、ADVパートから戦闘パートを参照することはありますが、基本的に関わりはありません。技能についても、説明だけなら戦闘パートが必要とも限りません。
そういう意味では、分岐としての意味はあれど、それほど密接なつながりはない設計という印象を受けます。

しかし、それぞれのパートが独立して完成度が高いゆえに、戦闘パートをやって頭を使ったギミックバトルを楽しみ、それが終わったらADVパートで別の頭を使った推理劇を楽しむという交代浴みたいなことができて、これが個人的には好きな体験でした。
どっちもやり続けると飽きか疲れがきそうなんですが、適度に交互に楽しむことでずっとプレイし続けるモチベーションが継続します。双方高いレベルで完成されているからこそ成し得る技なので贅沢ではあるなと思いつつ、RPGにシナリオがあると嬉しい理由の一つなんだろうなと納得していました。

ボスを攻略していく戦闘が楽しめる方ならお勧めですし、推理もの好きな方にもお勧めですし、両方好きなタイプには間違いなくお勧めできる作品です。

16. めっちゃ危険なダンジョンだろうとみんなで潜れば怖くない

ジャンル 作者
デッキ構築型半自動戦闘 Qbit
プレイ時間 プレイVer クリア状況
3時間 1.01 エンディング

良かった点

  • 演出が少なく淡々と進行するのでテンポが良く、ゲームに没入できます
  • 数の暴力に対して、より多い数の暴力で蹂躙していく楽しさがあります
  • 各ダンジョンごとに特色があって面白いです

気になった点

  • カードの種類が少ないため、ビルドは単調になりがちです
    • ただしデッキ構築だけのゲームではないので、戦闘面で単調になるといったことはあまりありません
  • 戦術書が始め何のことだか分かりませんでした
    • 緩い用語説明が本棚なりのどこかにあると嬉しいです

レビュー

みんなで戦えば強敵も怖くない

めっちゃ危険なダンジョンだろうとみんなで潜れば怖くないは、自動戦闘をデッキ構築と数の暴力で攻略していくゲームです。次第に難易度の上がっていくダンジョンに挑むにあたり、適宜ユニットを雇って数に頼めるような兵の運用を上手くこなしていくことになります。

ゲームはいたってシンプルに、ダンジョンを攻略し最下層まで到達することが目的となっています。
いくつかのイベントが待ち構える部屋とそれをつなぐ通路からなるダンジョンを探索し、ユニットが全滅しないように気を配りながら進んでいきましょう。
各部屋で発生するイベントは敵との戦闘のほかに、カードを集めたり、トラップがあったり、回復ポイントであったりと様々です。これらを見極めて訪れる順序にも気を付けたいところですが、あまり長く探索すると食料が底を尽きかねません。バランスを保った探索が攻略のカギとなるでしょう。

自律したユニットの戦闘

そうして探索していく過程で発生する戦闘においては、事前に組んだユニットの編成とダンジョンで入手したカードが大事になってきます。
戦いは、一画面のエリアを各ユニットがほぼ自動で動き回ることで進行します。敵と味方のユニットがもみくちゃになって戦う最中、プレイヤーは大まかな移動指示と、デッキから引いたカードを用いてスキルを発動させることで干渉することができます。
特に後者は指定のエリアに強力な効果を与えるため、ダンジョンを巡ってカードを集めて、そうして得たスキルを効率よい位置とタイミングで発動させていくのが勝利への近道です。例えば、上記の画像のシーンにおいては敵の密集地に攻撃スキルをかければ、近接攻撃を仕掛ける味方も多いため効率よくダメージを与えられます。

こうした戦闘の趨勢を握る味方ユニットの位置取りや編成、初期に持つカードのデッキ構成は事前に組むことができる一方、それぞれのユニットの成長やカードの拡張、強化はダンジョン攻略中に行う必要があります。
自分なりの構成を見つけた上でダンジョンを上手く立ち回ることで、初めて戦闘に向けた編成は熟達し完成へと近づきます。準備とアドリブの双方の力で、階層を進むにつれて強力になっていく敵を攻略していきましょう。

また、どれだけ強い敵でも数の暴力の前には膝を突きます。ダンジョンの攻略が難しい場合は、数に頼んでユニットを整備するのが重要な一手となります。反対に、どれだけユニットとスキルを強化しても敵の数が多すぎると押し負けるため、増やしたユニットに欠員が出ないように立ち回ることも大事です。
デッキ構成、ダンジョンの探索加減、戦闘の塩梅を上手くコントロールし、みんなの力を効率的に運用していきましょう。

感想

色々とそぎ落とされてゲーム性だけが高純度で抽出されたようなゲームなので、気付くとずっとやってるタイプの作品です。慣れると色々効率的に回せるようになるのもあって、無心で上手くパーティーを回していけるようになります。
ともすれば淡泊とも取れそうなくらい華美な装飾の一切を排している印象を受けるんですが、個人的にはそれがゆえにのめり込める面もあるので好きです。テンポが良いとかそういうレベルの一つ上で、プレイしていて阻害される感覚がないというイメージ。

最初は敵の数の暴力に圧倒されがちだけど、ちゃんと目的をもってプレイして数を増やせば逆に数の暴力で圧倒出来るあたりはタイトル通りのコンセプトで楽しいです。もちろんデメリットもあるので一概に最良の策とは言えないのかもしれませんが、それもパーティーバランスさえ考えれば大体カバーできます。とにかくみんなで潜ればどれだけ敵がいても怖くない。
個人的には物持ちが良くてもどうせアイテムは使っていくことになってポーションくらいしか運ばないことを考えると、キャリアーの優位性は低く感じました。キャリアー入れるくらいなら豚入れたほうが良いかもわかりません。

操作性も良くて、マウスによる簡単操作とWASDによる移動もあって、キーボードと併用するとかなり軽快に動けます。利便性が高い。
最初のルールや独自の用語に対して惑うことはあるかもしれませんが、慣れてくれば大して気にせずに諸々のシステムを使っていけます。中でも、戦術書が最初に見た時に一番困惑しました。要するにランダムカードが封入された初期デッキではあるんですが。

戦闘面で言うと、最初の内は色々指示を出しつつカードを使っていき、慣れてくれば8倍速と一時停止を駆使するターン制みたいな戦い方に落ち着いていくことになります。結局カードが使えないとアドリブはそんなに効かないので、必要なタイミングで静止するゲームではあるんですが、状況に応じた選択は依然必要なので色々考えながらプレイできます。
8倍速でも軽快に動作してわちゃわちゃと動く仲間を見るのも結構楽しいですね。

一方でカードに関しては種別が割と少なく、ビルドは単調になりがちな印象があります。デッキに入れられるカードも多く、取得時の選択肢も多いのがこれをより強めています。当意即妙にやるというよりは、強いカードを集めていく形が多い印象です。
ただ、ビルドの方向が単調になっても、戦闘自体がカードが軸であってもカードに強く依存したものではないので、ダンジョンの攻略自体の楽しみはあんまり損なっていません。そういう意味では、ビルド構築要素は時々のフレーバーというか、味変くらいの感覚として楽しめます。

個人的なビルド構成としては、フラッシュの強化を2枚くらい入れて、あとは怨返しをできるだけ入れつつスマッシュの強化版で埋めたデッキを目指していました。適度に強化型火事場の馬鹿力で火力を強くしています。
ここに遺物の中でもお気に入りのコスト+1効果を持つ指輪を付けることで、1ターンでかなりの行動が打てるようになります。雑魚の殲滅は早期解決が鍵なのでかなり強い。

遺物についても触れておくと、個人的には上記の指輪がだいぶ強い印象を受けました。単純に常時動ける選択肢が増えるわけなので、弱いわけはありません。この手のゲームでは、大体行動回数の増加は最強の効果になります。
他の遺物が弱いというわけではありませんが、この遺物が強すぎて手に入れてからはこれを使っていました。検証したわけではないので、ちゃんと使うともっと強い遺物があるのかもしれません。

ついでに個人的な攻略のやり方についても触れておくと、ダンジョン探索はできるだけしたほうが良いと思っています。
お腹が空くデメリットはあれど、戦闘によるポイント稼ぎの方が遥かに重要になってきます。
レベルアップで割と強くなれるので、これを積極的にやっていきつつ、焚火は極力強化に使っていけると伸びていきます。血のスキルは回復が狙い目で、上手く使えれば戦闘前より体力が回復していることもあります。序盤に拾えたらラッキー。

あとは、ダンジョンにいろいろとパターンがあるのも良かったです。ギミック面で緩い個性があるので、同じことをやっている感覚が薄くなります。
演出が極限まで省かれているので、倒壊した家に巻き込まれてダメージを受けていたことにしばらく気付いていないなどはありましたが、この辺が差っ引かれているおかげでテンポが物凄くよいという側面もあります。
プレイしていけば分かることではあるので個人的にはこの割り切りは好きなんですが、演出がないと分かりにくいという点は否めないかもしれません。

ダンジョン内における戦闘へのシームレスさや、ダンジョン内のイベントのシンプルさ、直感的で利便性の高い操作性の要素が重なり合って、意識を大きく割くことなくゲームに集中できる設計の作品でした。
ダンジョン外のエンディングまでのループでも、ダンジョンに潜って仲間を増やして、またダンジョンに潜っていく一連の流れが上手く動いていて、途切れさせない仕組みになっています。
とにかく無心でエンディングまで続けられるゲームでした。

17. 前進中の迷い人他四種のミニゲーム

ジャンル 作者
ミニゲームオムニバス ブ瓶
プレイ時間 プレイVer クリア状況
20分 1.0 3922 / 15050 / 202700 / 60812 / 199.89 / 250.99

良かった点

  • 色々なミニゲームが遊べます
  • 表題作では、思ったよりまっすぐ進むことを意識するのが難しいことが分かります

気になった点

  • 特にありません

レビュー

ミニゲームを遊ぼう

前進中の迷い人他四種のミニゲームは、そのタイトル通りミニゲームが取り揃えられたオムニバスです。
操作も画面もシンプルなゲームをサクッと遊ぶことができます。

表題となっている前進中の迷い人では、何も指標のない中で直進することのままならなさを味わうことができるでしょう。ただ前進し続けるというのも意外と難しいものです。
それ以外にも趣旨の近いゲームからそうでないものまで、5種のゲームを短い時間で遊べます。漫然と遊んでプレイの軌跡を眺めるもよし、性質を捉まえてハイスコアを目指すも良し、好きなやり方で取り組んでみましょう。

感想

前進中の迷い人、まっすぐ進んでいるつもりがいつの間にか変な方向に向かっているあの感覚を思い起こさせて良いゲームでした。
現代というか現在はスマートフォンもあるので、地図を見ながら進めばそんなことはないんですが、子供時代にそういうのがない時に家に帰ろうとして良く分からなくなった経験があります。真っ直ぐに見えるのに微妙に斜めになっている道とかが鬼門。
前進中の迷い人に関して言えば、道のような分かりやすい目印もないので、暗中模索な気分になれます。多分真っ直ぐ進んでいるだろうと思いつつ、若干不安になる気持ち。

最後に進んだ距離だけでなく道が図示されるのも良くて、明確に道を誤ったタイミングとかが見えてきます。50mプールで目をつぶって泳いでいたら変に曲がるのにも近いのかもしれません。
エンドレスまでくると、落ち着くことにもやや意味が出てくるのも良かったです。複雑な地形に阻まれたら一回止まるのも割と良い選択肢な気がします。

緑を求めては、迷い人と割とプレイ感は近いです。こっちの方が、ミニゲームとしては素直によく見る形式な印象。
いわゆるイライラ棒かつ操作性に癖があるタイプなんですが、ある程度前進中の迷い人で慣らされているので、意外と攻略できるようになっています。エンドレスはこの練習だったと捉えられるかもしれません。

手回し世界旅行は最終的には留まる選択肢をどこまで取れるかのチキンレースっぽかったんですが、そこまでは詰めていません。常時チキンレースするのは、それはそれで楽しそう。
これも最終結果が図示されるので、それを出来るだけ綺麗な円を描くようにこだわっていました。それでも十分ボーダーに乗るように目標スコアを定めてくれていたので助かります。

いろおとしは地味に難しかったです。手元にあるキーボードが軸のタイプなので、流れるように押すのが難しかったように思います。タッチスクリーン対応デバイスを引っ張り出してこようかと思いましたが、調子が悪かったので断念しました。
余談ですが、何がいろおとしなんだろうと思っていたらちゃんとあとがきに書いてあります。そういう設定だったんですね。

一つ一つはさっと終わるものの詰め合わせなので、飽いた時間にやるのに向いていました。
スコアがあるとハイスコアを目指したくなる人にとっても色々楽しめるんじゃないでしょうか。筆者はあんまり詰めるタイプじゃありませんが。

18. ビャッコーギャモン

ジャンル 作者
アクション こげ(ヒワイロボ)
プレイ時間 プレイVer クリア状況
5時間 1.45 クリア

良かった点

  • ドット絵のクオリティが非常に高く、美しく世界とキャラクターが描かれています
  • 芝居がかかった台詞回しと、それに遅れを取らない熱い展開を持つシナリオでした
  • 適切なガン攻めが最適解となるアクションの設計のおかげで、ボス戦が非常に楽しいです
    • 回避によるクールタイムのリセットのおかげでガンガン前に出る意思が働きます

気になった点

  • 最初のネームドボスであるメズルが他と比してもかなり強い印象を持ちました
    • 何となくモーションからの猶予時間が長いために拍が合わない印象があります

レビュー

振りかざす太刀の下こそ地獄なれ 一と足進め先は極楽

ビャッコーギャモンは、熱いシナリオと高い難易度のボス戦とプラットフォーマーがないまざったアクションゲームです。
敵の攻撃にむしろ向かうような行動に対してリターンが大きいシステムが備わっているため、常にリスクを取ってガン攻めし続けて脳内麻薬が出るような戦闘を味わえる作品となっています。

ゲームの基本的なデザインは、プラットフォーマーとボスを軸とした戦闘寄りのアクションです。雑魚敵を打ち倒しつつ進行していき、エリアの奥地で待ち構えるボスと戦うというのがステージの構成となっています。
ステージの道中で戦うことになる雑魚敵は雑魚と言えども癖がある敵も多く、ボスまでたどり着くにはそれなりに攻略法を見出す必要があります。加えて強化アイテムを見つける探索要素もあるため、ボスまでの道程も気を抜くことはできません。

とはいえ、この作品の圧巻は間違いなくボスとの戦いとそれを支えるゲームシステムにあります。
ボスが備えるバリアバー、プレイヤーが備えるヒートゲージとその取扱いによって、ボスとの戦いはスピーディーかつリスクとスリルのあるものとなっているからです。

ボスが持つバリアバーは怯みの耐久値のようなものです。これを全て削り切ると一定時間攻撃に対してノックバックするようになります。これを利用することで、手痛いダメージを一方的に加えるチャンスが得られます。
バリアバーは放っておくと回復するため、これを狙うにはとにかく攻撃を絶え間なく浴びせる必要がありますが、ただ攻撃ボタンを連打していれば良いというものではありません。ここで登場するのがヒートゲージです。

プレイヤーは三種の武器を使い分けて攻撃を繰り出していくことになりますが、この度にヒートゲージが溜まっていきます。これが最大まで溜まると一定時間攻撃できなくなってしまいます。
ヒートゲージを適切に保つためには攻撃頻度を調整するのが安全ですが、バリアバーを削り切るためによりリスクの大きい行動も取れます。相手の攻撃を上手くローリングで回避することで、ヒートゲージを減らせるというシステムを使い倒すことです。

畢竟、バリアバーを最大効率で削り取りたいのであれば、攻撃を間断なく加えつつ、適切なタイミングで回避行動をとって敵の攻撃をすんででかわしていくことになります。
もちろん機会を伺ってタイミングよく攻撃を与えていくヒットアンドアウェイも良いですが、敵の攻撃は被弾せずに済ますのが難しい程度には苛烈です。戦闘が長引くほど不利になりやすいので、敵の懐に入り込んで息つかせぬ攻防を繰り広げることが攻略において大事になってきます。一歩前に踏み出る方が、むしろ有利です。ガンガン前に出て戦っていきましょう。

このシステムの上で相対することになるボスは、その戦う地形から使ってくる技までバラエティに富んでいます。リトライ性は高いので、何度も挑戦して地形に即した立ち回りの学習や、それぞれの行動の予備動作の熟知、対する自分が行うべき攻撃パターンの用意をしていきましょう。
攻め続けていれば、一戦一戦の時間はそれほど長くなりません。テンポよく再戦し続けてコツをつかむのがお勧めです。

そして興奮が最高潮に達するような戦闘システムに相応しく、ステージ進行とともに紡がれるシナリオもまたテンションを最高潮に上げるものとなっています。芝居がかった台詞回しをもって進行していき、やがて全てを巻き込み雪崩れ込んでいくその展開は、否応なしに感情を掻き立て、強力なボスにリトライを重ねて打ち倒す原動力となることでしょう。
加えて、美しいドット絵とそれに裏打ちされた演出力をもが合わさることでシナリオはより高次元へと引き上げられ、大きく魂を揺さぶるものとなるでしょう。

とにかく、気持ちを最高の状態へともっていく熱いシナリオと、脳を焼き切るような戦闘が楽しめるゲームシステムにより感情を引き上げてくれる作品となっています。
並みいる強敵を打ち倒して、ぜひともそのシナリオの終わりを見ていただきたいです。

感想

全編通して素晴らしい作品であることはもはや疑い得ないんですが、私個人の感想に限って言うならば、終盤のすべての展開と演出が最高の作品でした。終わりの方はずっとプレイできることに感謝しながらやっていました。序盤で洗脳能力で語尾がゾだと食峰っぽいですねとか考えていた雑念が全部吹き飛んだ。
本当に終盤のシナリオの運び方と演出に関しては、過去やったゲームの中でも一つの最高峰に位置しています。巧さも勿論あるんですが、何より熱さという観点では比肩するもののない物語でした。

このままシナリオについて無限に話す前に、アクションゲームとしての話をします。
プラットフォーマーのような側面は多少ありますが、基本的には差し合いが楽しめるアクションです。道中でも割と歯応えがあり、きっちり対処できる動きをマスターしていなければ突破するのは難しくなっています。
このあたりの難易度の塩梅は絶妙で、地理的要件で上手いこと雑魚を強くしている印象でした。落下一発死亡+竜は中でもだいぶ強敵で、忍者龍剣伝みたいなやられ方をします。

そうした難易度は高い一方で、長い面ではショートカットが開通するなど、ある程度のラインにまで習熟できていれば突破できるように上手く抑えられてもいました。稼ぎ要素もある程度の救済措置として機能していて、自機能力を引き上げればかなり有利に立ち回れるようになっていきます。
武器の変更は積極的に行ってスタンスに合う武器を見つけていったほうが良いですが、ある程度良い武器に出会えたら性能につっぱするのもアリです。

この武器のバラエティもかなり良く、それぞれがピーキーな性能を持ちつつも、どれも使いこなせば強力に作用するようになっています。どの武器も十分に一線で活躍できるがゆえに、プレイスタイルに合わせたチョイスが楽しめる作品でした。
個人的には近距離ガン攻めが好きなので靴と斧が好みで、ここに距離を取らざるを得ないところでちょっかいをかけられるアンカーを入れた構成を主に使っていました。

殊に斧は強武器だと感じていて、火力も反射も取れる優秀なパーツで色々と助けられました。その一方で、このゲームにおける最強行動のローリングに合わせるとやや弱体化するのが本当に良いバランスとなっていて、ローリング即攻撃でない最大を取りたい時は細かいテクニックを要します。
靴もそうですが、闇雲に振るとかえって不利状況に陥ることもあるので、近接でボタン連打するのではなく、ある程度テクニカルに立ち回る必要があるのが面白いところです。

他方で盾やバイクはあまり使いこなせませんでした。盾に関しては防御性能がある上に遠距離攻撃手段があり、一部ボスでは刺さったかなという印象ですが、どうも待つのもカウンターもあまり向いていないようで被弾が増えてしまっていました。難しい。
バイクに関しては移動特化の武器と思いきや割と実戦的でもあって、上手く使えると割と重宝するところもあるのですが、使用難度が高い印象でした。これを上手く使える人は凄い。

そして、このゲームのアクションとしての圧巻であるところのボス戦ですが、どのボスも歯ごたえがありつつ、スピーディーで対応力を要求される戦いが堪能できるようになっています。
話が取っ散らかりそうなので、まずはシステムに即した話をしようと思います。

まずは武器の耐久制限があることにより、残数に応じて異なる立ち回りを要求されるのが面白いです。
残数を把握して打ち込みつつ、現在使える行動をもとにボスの行動に回答していくことで、早いゲームスピードのもとで常に思考を回した戦闘が楽しめます。耐久制限自体はそこそこネガティブな仕組みですが、比較的早く回復する点と、最後の一撃が強化される点で上手くポジティブな要素が混ぜられている印象でした。最後の一撃を上手く当てられると気持ち良い。

加えて、バリアバーの存在とヒートゲージの仕組みが、ボス戦における戦闘のテンポを劇的に上昇させ、密度の濃い体験を提供してくれます。
バリアバーを削り切れば特大リターンが待っているので、可能な限りコンスタントに攻撃を当てることに強いインセンティブが生まれ、思考が攻撃よりの構成に傾いていきます。結果、ある程度被弾しても上手く殴ることができればトータルで得なので、ガンガン攻めていく気持ちが形成されていきます。
一方で、闇雲に攻撃してもヒートゲージが溜まって攻撃できなくなってしまう都合上、どこかで攻撃を上手く避けて回復するタイミングも必要です。このため、こちらから敵の攻撃をローリングで迎えるように戦うのが良い選択となってくるため、前へ前へというモチベーションも作られていきます。
この二つの攻めることを肯定するシステムにより、否が応でも死線の中にいることになります。「振りかざす太刀の下こそ地獄なれ 一と足進め先は極楽」という宮本武蔵(もしくは柳生宗厳)の言を思い起こさせるゲームシステムです。一歩踏み込む方がむしろ生存率は上がる。

そうしてバリアバーを削れば、相手をノックバックしてある程度ハメられるような攻撃優位な設計をしていながらも、立ちはだかるボスに勝つのは難しいという難易度もまた素晴らしい完成度となっています。
ボスごとにバリエーション豊かな攻撃手段とパターンを持っているため、それぞれに対するローリングや攻撃といった回答を用意しておきつつ、時には位置関係や武器の残数に応じたアドリブを上手くこなしていかないと満足に勝利することはできません。
敵の攻撃は苛烈を極めるため、攻撃に対する反応の精度を上げていくことが重要になってきます。ローリングは強いけど万能ではない。

個別具体のボスの話をしていくと、個人的に強かったのは最初のボスと最後のボスです。後は憤怒にやや苦戦したくらい。最初のボスで若干心が折られかけました。
なぜかメズルの攻撃に対する拍というか呼吸が合わず、攻撃に対するローリングのタイミングや後隙の狩り方を指が覚えるまでにかなり時間を要していました。後々のボスはある程度リズムが合ったことを考えると、単純にメズルのモーションと私の感覚との間にズレがあったような気がします。この辺はもはや個人の感覚ですね。

最後のボスは最後に相応しく強かったんですが、ここまでくるとシナリオの暴力により諦めるという選択肢が脳内から排除されていたので無心でリトライしていました。あそこまで進めてクリアしないのはノーだろうよ。
絶妙に戦いにくい地形をしているのもにくいところで、立ち位置に応じてかなりアドリブが求められるのが楽しかったです。攻撃手段のパターンだけでなく、どこで何をしてきたらどうするべきか、くらいの判断力と経験値が必要になります。

この辺りでグラフィックにも触れておきます。
ドット絵のクオリティについては比類無いといって過言とならないレベルで、精緻でもありながらアクションゲームとして落とすべきところはそぎ落とされて分かりやすく、外連味と派手さを両立させた美しいものとなっています。
これを一言で言い表すなら商業レベルなんですが、その言葉に押し込めておくには役不足の凄まじい力を持った画で構成されていました。

開幕いきなりのアニメーションを伴った演出からステージを抜けた先の壮大な風景まで、圧倒的なグラフィックの力でもプレイヤーをけん引してくれる作品でした。一切の隙が無いですね。
シナリオが良いことは言うまでもありませんが、そのシナリオの熱が十全に表現されたグラフィックと演出があるがゆえにその魅力が幾倍にもなっているであろうこともまた疑い得ないでしょう。
なお、FF6プレイヤーとしてキャラクターが高笑いするドット絵のモーションがある作品は名作だと思っているので、こちらの作品は当然名作です。間違いない。

最後にシナリオに言及しておきます。
魂が熱くなるシナリオです。

もちろん、バディものっぽい雰囲気で進行していきながら適度に謎や伏線を撒いている序盤から中盤についても構成力が高い作品となってはいますが、何といっても圧巻は終盤の展開でしょう。
それまでに積んできた伏線を最大限に活用し、かつ最大限のテンションで収束させていった手腕には脱帽としか言えません。

そうしてメズルがその身一つで乗り込んでいく展開に至ってしまえば、そこからは常に最大の熱量をもって物語が展開していきます。
高難度のラストダンジョンを抜け、最後のボスを打ち倒すに余りある熱量を抱えたままエンディングへと流れ込んだ先でOPの反転を示し、ビャッコーを打破するその画の決まり具合といったら最高以外の言葉が見当たりません。
ナールジャメルの戦いも、虚数空間での流れも、そして最後にすべてが収束する流れまで、あらゆる面で完璧でした。拾い集めた虚飾がすべて反転して仮初の主が真なる主として帰還するのはあまりにも熱い。

ここに至るまでにメズルがめちゃめちゃ弱いことが分かるアクションパートが挟まれているのもシナリオに強い影響を与えていて、それがゆえに王の帰還に感情が乗ります。ゲームシナリオとして美しい設計をしていますね。
プレイ後の感覚としては、あまりにも良いものを見たという気持ちで支配されていました。

細かいシナリオというか掛け合いの話としては、言い回しが好きというのもありました。
個人的に芝居がかった語り口が好きなので、他愛ない幕間でも気分が上がります。この言い回しから展開される熱いシナリオを読むために、苦難に満ちたアクションに何らの躊躇なく突っ込めるというものです。

さらに細かい話をすると、武器に一つ一つフレーバーがついていたり、進行度に応じて拠点の会話が若干変化していたりと、細かい世界観の配慮も欠けていないのも良いゲームだなあと感じていました。神は細部に宿りますからね。

グラフィックは完璧でシナリオは魂を揺さぶりゲーム性は骨太のガン攻めアクションが楽しめる、何一つ抜けのないゲームです。難しいことは難しいですが、それを超えるモチベーションもあれば達成感もある作品となっているのでぜひともプレイしてほしいゲームですね。