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19. その日暮らしの冒険補償

ジャンル 作者
自転車操業系保険会社経営SLG ハッピーエンド過激派
プレイ時間 プレイVer クリア状況
40分 1.06 ノーマルクリア

良かった点

  • 保険というシステムを上手くシミュレーションに落とし込んだ作品でした
  • 操作性が簡単かつ良好なのでサクサクと進めます
  • パラメータだけの文字情報しかありませんが、それぞれに対して徐々に感情が湧いてきました

気になった点

  • 実際に結果が分かって補償が確定するのが数ターン後のため、どの判断でミスったのか分かりにくいと感じました
    • 現在進行中の冒険者のデータがどこかに出ていれば分かるかもしれませんが、情報の優先度を鑑みても入れられる箇所はあまりなさそうです

レビュー

保険を与えてリスクヘッジ

その日暮らしの冒険補償は、冒険者に保険を与えて経営を上手く回す自転車操業系保険会社経営シミュレーションです。
遊ぶことで保険の仕組みのその一端が分かることでしょう。

ゲームのシステムは保険をシミュレーションに落とし込んだものとなっています。回復薬を満額で買うことができない先立つもののない冒険者からあらかじめ安めのお金をもらい、もし必要になったら回復薬のコストをこちらで負担する、といったようなシステムを運営していくことになります。
確率的に怪我しなさそうな相手には安めのお金をもらえば割に合いますが、明らかに無茶した冒険者には多額のお金をもらっても割に合わないこともあります。確率的に見極めて、適切な対処をしていきましょう。

保険内容の一例

そうして保険の成約をし続けていくと、保険の中身は拡充されオプションが追加されていくことになります。冒険内容を鑑みてオプションの付け外しをしたり、どうしても無理そうなら拒否したりと、得られるお金とリスクを天秤にかけ続けていきましょう。
ただし、オプションの割り振りや拒否には気力が必要なので、何度も拒否したり割り振りをむやみに変えると気力が枯渇してしまいます。そうなるとどんな依頼でも受けざるを得なくなるため、相応のリスクを背負うことになるでしょう。場合によってはある程度のリスクを受け入れる覚悟をしつつ、どこまでのリスクを受け入れ、どこまでの利益を確保していくかの判断が重要となってきます。

例えば上記の例なら、パーティに対してダンジョンが難しく、結果平均保証額が高い割に前払い金が少ないため、あまり進んで契約したくはありません。一見拒否したいところですが、オプションで装備レンタルを付ければパーティー強化により平均補償額を抑えられ、かつ前払い金も高くなるので契約する価値が出てくるかもしれません。気力に余裕があればその手段もあり得ます。
このように、気力と保険内容とを常に見極めながら判断を連続でこなしていくゲームとなっています。

こうして保険内容を見て連続で契約を成功させていくと、ストーリーが進行していきます。保険の後ろ盾を得て活発となった冒険者活動の一端を、合間のパートで短めのシナリオとして楽しんでいきましょう。また、契約の冒険内容を眺めることでも冒険者活動の広がりを感じることができるかもしれません。
連続して契約を成立させるためにはある程度不利な条件を飲む必要があるため、リスクをケアしきれるように資金に余裕がある時に挑戦してみてください。

シンプルで分かりやすく、それでいてサクサクと進むUIも相まって、ゲーム進行は非常にスムーズな作品となっています。
保険を上手く与えてリスク管理をして、大きく損をしないように自転車操業を続けていきましょう。

感想

保険というシステムが綺麗にゲームシステムに落とされていて、遊んでいて感動を覚えていました。経営シミュレーションっぽくまとめられるものなんですね。保険会社も経営しているのだから、当然と言えば当然なんですが。
加えて、保険というシステムが持つ、確率的に安全であるときに前もって支出を共用してリスクを上手く分散するという、発明的な設計が伝わってくるシナリオでもありました。リスクをとれるようになると活動的になって、全体的にはある意味リスクが低下しているので上手い設計ですね。

ゲームとしての操作性も良好で、サクサク保険をかけながら進められます。カーソルで説明が出る仕組みもあるので、初期のルールが分からない内も遊んでいれば大体理解できていくのも良いです。最初はチェックをポチポチ切り替えて気力を一気に落とすみたいなこともしていたのですが、説明が出るおかげで早めに原因を理解できました。

演出も最低限度で、文字と数字を相手にどんどん進めていけるテンポの良さも良いですが、個人的には遊んでいるうちにこの辺の文字情報にも一定の感情が発生するのが好きでした。
その貧弱な装備で火山に行くのはやめなさいとか、子供が一人で危ない森に入らないでくれとか、素晴らしい装備でずいぶん危険な賭けに出ますねとか、そのメンバーでこのダンジョン行くの保険要らないんじゃないですかとか、慣れてくると情報から色々考えることが増えます。

一方で、シナリオとしてのネームドはリヴと勇者くらいですが、リヴは無理な提案を蹴ったのもあって固有イベント見そびれました。
それ故に追加イベントは知らないのですが、勇者のパートを見る限りでも、最低限シナリオや世界観のフレーバーは担保しつつ、あくまでゲームを阻害しない程度に調整された良い塩梅のイベントとなっていると思います。
フレーバーはないと寂しく、ありすぎるとゲームのメイン体験を阻害するので配分が難しそうですが、ちょうどよく世界観に浸れる良いデザインだったように思います。

ゲームシステムの話をすると、実際に結果が分かって補償が確定するのが数ターン後なのはドキドキして良かったです。判断が即時に下されないので、資金をだぶつかせつつちょっと自転車操業っぽいことをやっている気持ちになれます。
その反面、大量のお金が消費されたであろう演出が来た時に、どの判断でミスったのかは分かりにくいなと感じました。所詮ある程度は運ではありますが、どこのリスク管理を失敗したかが良く分からないので、反省のしようは無い印象です。そもそも、いっぱいお金をもらってそこそこ払ったなら、トータルプラスと見る向きもあります。
とはいえ、現在冒険中の冒険者がどこかに出ればいいのかと言えば、UIを入れるスペースもなければ基本余計な情報でもありますし、このテンポ感を損なうくらいなら現状のほうが良いのかなとも思っています。

ゲーム全体の話をすると、ハードモードじゃない限りは、よほど変なことをするか悪運を引かない限り何とかなりそうなバランスです。装備や護衛を押し付けつつ、平均的に得になるように組んでいけば、よっぽどのことがない限り資金に余裕は出ます。
筆者は割と拒否してえり好みするスタイルで、契約290に対して拒否90くらいのバランスになっていました。最後の評価でも慎重に分類されていたので、想定ではもう少し冒険してもクリアできそうです。

この最後の評価システムも良くて、自分のプレイが客観的にどういう特徴を持ったものだったのかを知ることができます。
別の視点というのは得難いもので、少なくとも一人でプレイしているうちには与えられにくいものでもあります。これがゲーム側から提供されることで、自分では気づけていない傾向を知ることができて楽しいです。
前述した慎重さについても、筆者はそこまで気を付けていたわけではなく、ある程度心の赴くままに進めていたら自然とそうなっていました。ある意味、性格診断に近いのかもしれません。

20. ECO2クエスト

ジャンル 作者
アクションRPG 僕はネット民
プレイ時間 プレイVer クリア状況
4時間 1.4 クリア

良かった点

  • 無双系のような敵を倒しまくる楽しさがあります
  • 図鑑要素のおかげで収集するモチベーションがあります

気になった点

  • 誤字脱字が目立つ印象があります
  • 村から戻るボタンがキャンセルのボタンに割り当てられているため、店などでキャンセルを使うと暴発することがありました
    • 汎的なボタンである必要は無さそうなので、専用のボタンが割り当てられていると有難いです

レビュー

たくさんの敵をなぎ倒せ

ECO2クエストは、ダンジョンのあまねく場所に湧いた大量の敵を倒していくことで進行するアクションRPGです。
ステージ内を上手く立ち回り、多数の敵を各個撃破していくことになります。

操作方法はシンプルなものとなっており、移動はキーボード、攻撃はキーボードかマウスで行います。多くの敵を上手くさばくには、キーボードとマウスを併用するのがお勧めです。
そこそこ広いステージの中を縦横無尽に動き回り、多くの敵をサクサクと倒していくことで無双的な楽しみを感じられるでしょう。
その一方で、エリア後半に出現するボスや終盤の敵は癖がある相手も多く、ただひたすらに動き回って攻撃すれば良いというものでもありません。

大量に出現する敵、あるいはそういった強敵に立ち向かうには、ステータスの強さが重要となってきます。
そのためにはまず、ステージに点在する敵を倒すことで得られるアイテムから、装備を合成していきましょう。装備はステータスを強化し、属性などの特殊な要素も同時に付加してくれる優れものです。上手く選んで装備して挑めば、攻略の助けになるでしょう。
加えて、合成素材を集めるために繰り返し戦うことはレベルアップにもつながり、こちらでもステータスは上がっていきます。攻略に失敗する時は、とにかくダンジョンに挑むのが得策です。

さらに、そうして倒した敵や得られた装備などは図鑑に残ります。これをコレクションしていくのもまた一興でしょう。条件を満たし、各地で水場を見つけることができれば釣りもできます。
合成やコレクションのために、色んなところに向かうのも楽しみの一つです。

ダンジョンに挑み、素材から装備を合成したりレベルアップしたりと自身を強化し、より難しいダンジョンに挑むことでサイクルが回るゲーム性となっています。
そうしてステージを攻略するごとに進行する、ECOにまつわる物語を読み進めていきましょう。

感想

敵の数がとにかく多いアクションです。ひたすら敵をなぎ倒し続ける楽しさがありました。無双系のアクションが近いような気がします。
感覚的にはVampire Survivorsに近いんですが、このゲームでは攻撃やアイテムにはマウスなどを使っています。攻撃にデメリットが原則無いので攻撃し得で、それならと押しっ放しになりやすいので若干指を痛めるかもしれません。適度に休憩を挟もう。

敵の量が多いため一体一体に対する駆け引きの要素は少なめですが、厄介な状態異常を持つ敵を先に倒すとか、ボスに関してはちょっと引いてヒットアンドアウェイを試すという小回りは利きます。
とはいえレベルを上げれば被弾も下がる上に確定攻撃数も減るので、なんだかんだごり押しも効きました。ボスの攻撃の判定が厚いなら、避けるのを諦めて回復薬を飲みながら戦うという戦術も取れます。回復薬の価格があまりにも低いので、割と効率の良い戦術となっている印象です。

また、戦闘全体のバランスは、ステータスがかなりの領域を占めているのかなと感じました。
レベルや装備によるステータス強化がかなり支配的で、立ち回りはあくまでサブくらいの印象です。とりあえず殴り続けていると負けるくらいの相手だったら、レベルなり装備を見直したほうが良いような感じ。
とはいえ、ちゃんと進めていればレベル上げ作業必須みたいな苦行にはなりません。ちょくちょく歯応えのあるボスがいるくらいの塩梅でした。

個人的には図鑑要素が好きで、空いていると埋めたくなってきます。素材を集めつつ合成でアイテムを作っていくのは結構楽しく、強敵に負けたら強力な武器を揃えて行こうというモチベーションにもなります。
合成システム自体は、素材を全く持っていないのか足りていないのかが一見して分かりにくいので、現存数があると便利だろうなと感じながらやっていました。頭の中で計算していたので、日をまたぐと忘れそうですね。もっと欲を言えば、店で買えるなら合成屋で買ったことにして合成したい気持ちもあります。面倒くさがりなので。

なお、ドロップ自体は渋いので、ちゃんと合成を完遂しようとすると結構時間がかかります。筆者はある程度集めつつ、さすがに周回する時間が長そうなものは後回しにして強化に全力を費やしていました。それでも結構集まるので楽しい。
とりわけ最終ウェーブしか出ない敵からの回収は、中々骨が折れました。

コンプ要素と言えば忘れてはいけない釣りも、無心でやってしまう味があります。水を探していくという探検めいた楽しみもあって良かったです。個人的にはあんまり優秀な餌がいらない気がしていて、下位と上位の中間をとれるだけなイメージがありました、優秀な餌限定の魚もいたんでしょうか。

システム面で言うと微妙に引っかかるところはあり、画面上の違和感で言えば村のカメラが一番大きかったです。端の辺りで進行方向前方にマージンを取ろうとして失敗しているような、なんとなくそんな動きをしている気がします。
後は、村でもキャンセルが戻るに割り当てられているので、店をキャンセルして戻ると村から出ることになります。一応はX->Zの順序で押せば暴発しにくくはなりますが、余計な一手間がかかるなあという感じです。マップへ戻る機能自体はかなり便利なので、割り当てがもう少し特殊なキーでも良かった気がしています。

シナリオについてはゆるゆるながら独特な世界観が表現されていて、色々と奇想天外な展開が巻き起こっていくものです。オリジナルのキャラクターが大量にいるのも相まって、奇妙な世界観が表現されていました。
誤字脱字はちょくちょくあるんですが、何となく緩い感じで進む物語なのもあって、意外と気にせずに読むこともできます。雰囲気が得。
しかし結局、この地図はどういうアイテムだったんでしょうか。問題を起こしているモンスターを特定する機能、なかなか謎だったので伏線か何かかと思っていたら何事もなく終わったので謎のままでした。

21. 九色カーズレボリューション

ジャンル 作者
RPG プルゲーム
プレイ時間 プレイVer クリア状況
4時間 1.04 ノーマルクリア

良かった点

  • ガチャの演出が凝っています

気になった点

  • 道が狭い中でランダム移動するキャラクターが多く、移動の妨げになっていました
    • 半歩移動で完全ブロックされるのが特に厳しいです
  • ダッシュとスキップが同じキーに割り当てられているため、ダッシュしながら会話するとスキップが誤爆します
    • 会話のスキップ開始はトリガー判定のほうが良いかもしれません

レビュー

強キャラ引くまでガチャ回し

九色カーズレボリューションは、ガチャで味方を引き当てるRPGです。
そうして味方を集めて戦闘に挑み、勝利を重ねることでクリアを目指していきます。

メインとなる戦闘のシステムは、やや複雑な属性相性を軸として構築されています。敵とこちらのメンバーの属性相性いかんによっては苦戦を強いられることもあるでしょう。
しかし、ガチャを引き、相性的に有利なキャラあるいは強力なキャラを引き当てられたのであれば話は別です。前者なら相性で有利に進め、後者ならキャラパワーでごり押せます。
特に、ガチャで運良く強いキャラを引けたのであれば、そのキャラを中心に戦略を構成するのがお勧めです。

なお、相対することになる敵の大部分はガチャで引けるキャラクターでもあります。このため、終盤は手持ちの高レアリティが敵として登場し、難易度は上がっていきます。
そういった強敵に対応するためにも、ガチャを積極的に引いていきましょう。レアリティの高いキャラクターのステータスは極めて高く、強敵と渡り合うには欠かせません。運悪くダブったとしても、重ねてそのキャラを強くすることもできます。
勝てない相手が出てくるようであれば、リソースを集めてガチャを回すのが良い選択です。

そうして敵を倒し、ボスを攻略してストーリーを進めれば、陰謀論風味のバックボーンを持った物語が展開していきます。
ガチャを回して強いキャラを集め、物語を先へと進めていきましょう。

感想

ガチャの演出がやたら凝っている作品です。それ以外の演出も色々と凝っている部分があるんですが、ガチャのそれが持つソシャゲ系を彷彿とさせる演出力は見目も含めて一番楽しかったです。
種族ムービーも含めて、好きなところに好きなだけこだわったという意味ではかなり尖った作品だなと感じていました。

戦闘システムは属性相性による戦略性のあるバトルという名目ですが、その実としてはレアリティで殴るカードゲームです。そこもソシャゲっぽい。低いレアリティのカードは序盤くらいしか使わず、最終的には最低でも神は欲しいくらいの温度感になってきます。
一応属性相性はありますが、それより格の高いカードのスペックを使い倒したほうが強い印象です。ソシャゲ踏襲のエミュレート力が高い。
与太ですが、どうせソシャゲに寄せるなら敵に応じて特攻のカードとかいたらバリエーションが出たかもしれません。

戦闘バランスについては序盤はやや難しくてサラヲがそこそこ鬼門で、それ以降はさほど難しくなくラスボスだけめっぽう強い、くらいの印象です。
サラヲはガチャのカード運が悪いと突破は困難ではありますが、運である程度戦えるところもあります。特にこのゲームは回復ですら必中でないので、運が悪いとそれだけで負けることもありました。試行回数を重ねるのも大事。
ラスボスについては毒をいかに通すかと、会心でワンキルもあるのである程度のお祈りがいるようなバランスに思えました。毒が強いゲームだ。

シナリオは諸々突っ込みどころのあるキャラクターがいろいろ出てきてくるタイプです。キャラ造形が偏見のそれで固められているようなイメージで、何となくネットミームっぽいものも多く練り込まれているような気がしました。
個人的には主人公が他責思考強めであったのが、いまいち感情移入しにくいポイントでした。資本主義がどうのと言っている相手に対してトラウマを打ち倒すという目的で倒し、その舌の根も乾かないうちに働け無職と言っているあたりの一貫性の無さも辛い。口調もころころ変わるので、多重人格持ちを中盤くらいまで疑っていたところがあります。

ただ、トラウマというか心の敵と戦った後に晴れ渡る演出はその前の鬱屈した演出も相まって爽快で良く、その爽やかさでもって次のステージに進んでいけるのは好きでした。すっきり気持ち良くステージを終われるというのは大事ですね。

後は、ダッシュとスキップが同じキーに割り当てられていて、ダッシュしながら会話するとスキップが暴発するところや、2マスの道にランダム移動するキャラが半歩移動で配置されてブロックされるところなど、細かいところで引っかかりを覚えていたのも個人的には若干辛いポイントでした。
イベントとその先の戦闘がメインのゲームなので、それとあんまり関係ない所でちょっとずつ体験が阻害されているような印象です。

22. SIBLINGS

ジャンル 作者
剣戟アクション 九乃頭虫(ここのずむし)
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間30分 1.0.4 クリア

良かった点

  • アクションの差し合いだけを抽出したような楽しさがあります
    • 殊に弾きのSEが良く、上手く防げると気持ちよくなれます
  • 演出が美しい上にテンポが良いため、戦闘のテンポの良さを少しも欠いていません
    • スピーディーで息詰まる戦闘が楽しめます
  • 特にボス戦では専用の攻撃シーンも含めて、極めて高い完成度の演出を享受できました

気になった点

  • 3面ボスより2面ボスのほうが強い印象を受けました
    • 個人の慣れの問題かもしれません

レビュー

スピーディーに差し合え

SIBLINGSは、アクションにおける差し合いの美味しい部分が詰まった剣戟アクションです。
相手の攻撃を見切り、パリィを重ねていくことでクリアへの活路が見い出せるゲームとなっています。

基本的なゲーム性は強くアクションに寄っていますが、戦闘システムの内実はあくまでコマンドバトルです。
こちらが「斬撃」か「整える」のいずれかのコマンドを選んで実行した後、相手の攻撃ターンが始まるターン制のアクションが楽しめるようになっています。
ターン制であるが故に、相手の一連の攻撃を受ける前に一息ついて心の準備ができるでしょう。

ターン制コマンドバトルの形式

こちらのアクションが完了した後に相手のターンで行われる攻撃は、いくつかの固有モーションの中で特定のタイミングにダメージを与えてくるというものです。
ここでプレイヤーが取れる行動は、防御、回避、そして防御の特殊例としての弾きがあります。

防御は、特定のキーを押し続けている間に常時成立しています。基本的な攻撃を全て防ぐことが可能ですが、攻撃を受けるたび戦意に傷が付いていきます。
戦意ゲージが溜まり切ると大きく隙を晒すことになるため、全てを防御で済ます訳にもいきません。相手へ攻撃する斬撃の代わりに整えることを選択して戦意をある程度回復するという手もありますが、それを続けるのではジリ貧です。

これを避けるため、相手の攻撃の瞬間に防御ボタンを押すことで、弾きと呼ばれる行動ができます。タイミングはそこそこシビアですが、成功すれば相手の戦意を削り、こちらの戦意が回復する恩恵を得られます。
ただし、弾きは少しでも遅れるようならダメージが直撃するハイリスクハイリターンの選択です。狙いどころはプレイヤー自身の腕と相談して決めましょう。

また、強敵の繰り出す一部の攻撃については防御も回復もできないことがあります。この時は左右キーによる回避、上下キーによる前進と後退で対処することになります。
どの方向に避けるべきかは相手の攻撃によるため、相手のモーションを見極めて適切な方向へ回避していきましょう。

これらの行動を適切に選択し、各フロアに存在する敵やボスを攻略するには、それぞれが備える独自のモーションと攻撃タイミング、攻撃方法を知悉することがカギとなります。
防御だけではジリ貧になりますし、回避できる行動を見極めることができなければ確定でダメージを負ってしまいます。
モーションとタイミングを学び、弾きを増やして戦意の喪失を防ぎ、回避を反射で出せるようになることで勝利がぐっと近づきます。どうしても苦手な行動は防御でしのぐ、というのもまた良い選択でしょう。
戦闘のテンポは非常に良く、一戦が適度な長さで片付くためリトライ性は担保されています。たとい敗北したとしても何度でも挑み、戦い方を学んでいきましょう。

加えて、スタイリッシュで美しい演出もまたこのゲームの見どころの一つとなっています。
攻撃モーションの作りは素晴らしく、タイミングを取りやすいダイナミックさと戦闘が素早く進んでいくスピーディーさを兼ね備えたものとなっています。攻撃を弾くと鳴る小気味良いSEもあって、爽快感をもって戦えることでしょう。
さらに圧巻となるのは、ボス系統の固有行動を食らうことで発生する演出です。この演出は一見の価値があり、このためだけにあえて受けてみるのも一興かもしれません。
戦闘のテンポの良さを一切損なうことなく、カットインの妙で高速に演出される様は芸術的とすら言えます。

とにかく、アクションにおける気持ち良い部分だけが抽出されたようなゲームとなっています。テンポ良く戦闘に挑んでは行動を観察し、そうして相手のモーションを完全に見切って弾き続けられた時の爽快感は格別のものです。
強敵に何度でも挑み、見事打破していきましょう。

感想

世の中にはいろんなゲームがありますが、ノンストップで楽しい所だけ入ってるゲームは中々に稀です。このゲームはその稀なゲームの一つであり、雑魚戦一つとっても楽しみ続けられる作品です。気付いたら1時間30分経っていてクリアしていました。キングクリムゾンだ。

特筆すべき点が多いんですが、とりあえずテンポの話をします。
戦闘がメインとなりますが、とにかくあらゆるところのテンポが物凄く良いゲームです。戦闘という繋がりで見ても、負けるにしてもすぐ負けるし、勝つならかなり短く勝てます。
ただでさえスピーディーで息詰まる戦闘ゆえに時間を短く感じるのに、加えてちゃんと敵の耐久もそこそこ低めに設定されてそうな気配を感じます。

ここに加えてコマンドが極限まで単純化されていることで、コマンドバトルだということを忘れるレベルでアクションの感覚で戦えます。慣れてしまえば整える必要はほぼないので、本当にアクションゲームっぽくなってきます。
この手のゲームならスキルとか回復が入っていても不思議はありませんが、そこが削ぎ落とされているがために思考がシンプルに研ぎ澄まされていきます。下手にそういったコマンドが入ると、それを使うかどうかの判断に思考が取られますからね。このあたりの選択性の無さはわざとやっていそうな感じがします。

さらに、そのテンポを一切欠くことなく、最大限に強い演出を魅せてくれます。カットの切り方が完璧に近く、ゲームに合ったスピード感で素晴らしい演出を叩き込んでくるのには感動を覚えるレベルです。
ボス戦におけるつかみ攻撃に関しては、モーションとアニメーションが格好良すぎるので、何ならわざと食らいにいきたくなるまであります。そうでなくても初見はとりあえず食らっておきたい。
その上で、3面ボスでひょろい方を倒そうとするとでかい方が庇う演出を見せるなど、細かい配慮も完備しています。隙が無いですね。

そして何よりも、戦闘における差し合いの感覚が極めて洗練されたデザインで用意されているというのが素晴らしいポイントです。
殊にボス戦は圧巻で、ずっと緊迫感のある戦いを楽しむことができます。
一度戦いを通してしまえば、そのモーションから行動を一意に定められるようになってくるので、そのパターンを体に覚えさせて弾き続けましょう。そも、SEから敵のモーションまで納得感の塊なので大体は初見で弾けますし、 そうならなくても被弾に納得できます。
後半ボスになってくるとさすがに初見で防げるかは50:50という感じですが、慣れれば完封はできるはずです。

筆者は2面ボスにまあまあ苦戦し、ラスボスにそこそこ苦戦したのちクリアとなっています。
ドラゴンについては、最初はその突破ですらひーこらやっていたにもかかわらず、クリア直前は一発でも被弾したらミスったなというレベルにまで至りました。慣れの力は凄い。
アイはクリア時点でもなお結構難しく感じていて、どこまでいっても択一をミスることはありましたが、何度もやることで択一の成功率を上げられ、それ以外の攻撃でミスりにくくなったので薄氷の勝利をつかめました。「卓越とは技ではない。単なる慣れだ。繰り返し行うことで体得する。」というやつです。

また、筆者の戦闘スタイルほぼ弾きで戦うものでしたが、弾きが難しい技には守り続けるという戦略も有効という裾野もあります。回避を合わせるという択もありますし、場合によってはそっちの方が強いこともありました。
筆者は払い行動をガードで割と誤魔化しつつ、覚えられたら適宜回避を混ぜる方針で進めていました。

この弾き主体の戦闘は本当に楽しく、弾きのSEが良いこともあって非常に気持ち良く戦えます。
前述の通り敵のモーションについても無駄がなく、素早い中で無理筋にならない絶妙なラインを攻めているのでテンポよく攻守交替して進められるのが良いところです。
敵のあらゆる攻撃を完全に弾き切って仕留められるようになると、得も言われぬ快感がありました。

また、色々なものをそぎ落として極力シンプルに作られたゲームではありますが、さりとて世界観まで置き去りにはしていません。プレイヤーが必ず見るところでは多く語りはしませんが、好きな人は触れられるようにしっかりと導線だけは用意されています。そして筆者は文字が好きなので全部読んでいます。
コンフィグですら世界観になじませようというコンテキストの妙は強く、ここまで徹底することで描ける世界観というのがありました。

とにかく、差し合い好きなら間違いなくやったほうが良い作品でした。そういうのが好きな方が丁寧に作ってるような印象を持ちます。
アクションゲームの差し合いのトロの部分だけ楽しめるゲームですよ。

23. Alkersas

ジャンル 作者
RPG 逃げ足
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.07 ED2

良かった点

  • 攻撃優位で設計された良い戦闘バランスでした
  • ネームドを倒した痕から情報を能動的に拾えるシステムが面白かったです
  • ボス解説部屋のおかげで初見でも戦略を練ることができます
    • 対象ボスの解説の前にワープしてくれる細やかさもあります

気になった点

  • 最初の名前入力のフォントが小さいように思いました
  • ボス解説部屋自体はありがたいのですが、盛大なネタバレともなっています
    • エリアごとに区切られた解説部屋があるとネタバレにならないかもしれません

レビュー

短く良質なRPGを

Alkersasは、短い中でバランスの取れた戦闘が楽しめるRPGです。
シンボルエンカウントの雑魚敵がはびこるフロアを進み、ボスを攻略していくことになります。

全体を通して戦闘メインで進行するゲームとなっている中、戦闘におけるバランスは攻撃優位なものとなっており、サクサクと進めていくことができます。こちらの火力が高いため雑魚をスピーディーに処理できる反面、逆に手痛い反撃を受けることもあります。気を抜かずに戦いましょう。
ただし、戦闘に敗北してしまったとしてもゲームオーバーにはなりません。代わりに、即座に拠点へと返されます。この拠点では、敗北前に得られたリソースでアイテムを手に入れたり、永久強化を行ったり、従者と呼ばれるメンバーの編成も行うことができます。
敗北した場合は十分に準備してから、再度フロアに挑んでいきましょう。

そうして十分強化して歩を進めた先で出会うことになる、各フロアの最後で待ち構えるボスは強敵です。その攻略には入念な準備と、多彩な装備を上手く組み合わせることが肝要となってきます。
ある条件を満たせばボスの情報を事前に見ることもできるため、その情報を活かして、敵のギミックを上手く攻略できる装備を考えるのも良策です。攻撃優位なレベルデザインを利用し、あるいは徹底的に弱点を突いてギミックごと叩き壊すという戦略も取れるかもしれません。

敵のギミックを上手く攻略して、ボスやネームドの敵を倒すことにより、その痕からシナリオの一片を得ることもできます。この回収は任意となっており、クリアには影響がないので戦闘を重視するなら無視しても構いません。
しかし、物語を補完して理解しようとするのであれば、余すことなくチェックするのをお勧めしたいです。シナリオの裏にある世界観を堪能できること請け合いです。

たとえフロアに挑んで敗北しても、拠点で強化しつつ引き継いで進むことができるため、何度も挑戦すればいつかはクリアできます。
戦略を立てて最小回数の挑戦で倒すも良し、万全の状態を整えて力で押し切るも良し、好きなスタイルで攻略していきましょう。

感想

個人的にテンポの良い戦闘が好きなので、大分攻撃偏重なレベルデザインが好きな作品です。武器を揃えて、耐性を整えて、それでも受けに回るのではなく攻めをどう組み立てるかを考えるべきデザインが良かったところになります。
全て整えてちゃんと戦うことができれば相手のギミック発動前に倒すことができる、といったレベルのかなり攻撃優位なデザインはやりすぎなきらいもあります。ただ、攻撃偏重とはいえ状態異常はそれなりに怖いので、どこまで攻めに徹するかを考えないと痛い目に遭うというあたりでバランスを取っている印象です。

装備の数がゲーム規模に対してそれなりに多彩なのも好みで、ボスに応じて色々つけ変えていく遊びができました。その多様さもあっていくつか機能していない武器もありそうですが、純粋に武器を集めていくのもそれなりに楽しいので個人的には好きです。
ボスと戦う前の装備の吟味もまた、戦闘と同じくらいの醍醐味がありますからね。

また、ボスと戦う前にボスの説明が見られる解説部屋は非常に便利で、戦う前から戦略を練ることができます。解放要素なので縛ることもできるのが良いですね。ちょうど戦おうとしていたボスの説明の前にワープしてくれる細かい仕様も嬉しいところです。
一方で、本棚の存在自体が大きくネタバレになってしまっているのは若干気にはなっていました。知る気が無くても規模感で大分わかってしまう懸念があります。ボスごと固有の部屋とか、最低限エリア単位で区切ってあれば丁寧な気もしますが、まあまあコスト高そうです。
なお、このシステム自体は武器を上手く組んで敵のギミックを攻略して戦うゲーム性とかなり相性が良かったなと感じている次第です。

そして、ボスもそうですが、ゲーム全体の戦闘バランスも良い作品です。
雑魚がちょうどいい塩梅で、さっさと倒せるけどそれなりに強い時もある、くらいなのでテンポ良くそこそこの緊張感が味わえます。場合によっては周回が必要なデザインをしているので、このあたりのサクサクと進む感覚はゲーム性に合っているなあという印象でした。

シナリオの面では少ない情報で語るタイプで、より深く物語を理解するために能動的に散らばったピースを集めていける構造が好みです。ネームドボスを倒した痕から物語が得られるので、大ボス以外を倒す動機にもなり得ます。
痕の主張がかなり弱いのもあって、最初の方の中ボスは見逃していたんですが、これくらいの主張の弱さの方が強制感がなく自らの意思で物語を補完させている感覚を得られるので良いのかなとも感じています。分かってしまえば回収の旅に出られますしね。

なお、プレイを通してみれば戦闘面でもシナリオ面でも完成度を高めてあるRPGだなという感想に落ち着くんですが、その一方でタイトルがウルファールのサンプルゲームのままだったり、Dataが圧縮されていなかったり、名前入力の文字がやたら小さかったり、序盤に得られる情報が割と警戒心を上げるものだったのがもったいない印象がありました。

24. ウディダッシュ

ジャンル 作者
ランゲーム いだてんバイク
プレイ時間 プレイVer クリア状況
15分 1.1 クリア

良かった点

  • キャラクターが愉快でした

気になった点

  • リザルトなどの画面について、おそらく上下左右キーを受け付けて遷移するのですが、それを示すものがありませんでした
    • 決定キーなどの任意入力を受け付けるか、何らかの送りを示すアイコン等があるとわかりやすいかもしれません
  • ステージごとの変化が少なく、加えて一ステージのボリュームがやや長い印象を受けました

レビュー

走れ!!

ウディダッシュは、迫りくる障害を左右に避けてゴールを目指すランゲームです。

挑戦するステージは5つのレーンから成り、それぞれのレーンから向かってくる敵を上手く避けて進んでいくことになります。上手く避けられず障害物に衝突すると大幅に時間をロスするため、適宜レーン間を移動することで回避していく必要があります。
ただし、レール間の移動という行為自体もまたやや時間のロスとなるため、頻繁に移動するのは効率が悪くなります。必要なタイミングを見極めて適切に避けていく、チキンレースの様相を呈してくるでしょう。

そうして上手く走りきり、ゴールまで到達すればステージはクリアとなります。
全5ステージを走り切ることで、物語はエンディングを迎えます。最後まで走り切ってみましょう。

感想

いわゆるひとつのランゲームというタイプに近く、レーンを切り替えつつ障害物を避けていくゲームです。
ランゲームとの違いはコインなどの報酬がなく、明確にゴールが存在するところです。なので、レーンを移る理由は障害物を避けるほかになく、回避のゲーム性になっています。チョコボと魔法の絵本のミニゲームに近いゲームがあった記憶もありますが定かではありません。

基本的に避けに徹することになり、道中に報酬なども特にないので、多くの面で我慢するゲームとなっています。障害物というストレス要素をひたすら避けていくことになるので、性質的にはイライラ棒っぽいゲーム性とも言えるかもしれません。
ゴールまで報酬と呼びうるものがなく、そこそこ長いのもあって、ミニゲームと言ってもモチベーションが続きにくいのは若干気になっています。上手く避けられたらスピードアップくらいの気持ち良さが欲しいなと感じていました。スピードアップしたら難易度上がりそうですが。

また、ランゲームとして見てもレーン変更の度に速度が落ちるので爽快感にやや欠ける印象があります。殊に後半の怒涛のレーン変更もあって、牛歩の進行感覚は拭えませんでした。たまにレーン全部が敵で埋まって轢かれることもあるので、割と運要素も強く感じます。
そういう意味でも、あまり深く考えずに、さっと遊べるミニゲームとして楽しむのが良いのかなと思っています。

なお、個人的には何やら愉快なキャラクターが織りなすシナリオは好きで、ゲームの牽引力となっていました。テンションで舗装して突き進んでいくタイプの運び方で、このミニゲーム然とした印象を受ける物語となっています。

しかし、何度轢かれても立ち上がり歩みを止めないのは、紛うことなきヒーローですね。

25. コトノリ

ジャンル 作者
クイズ/語彙力パズル はるしし
プレイ時間 プレイVer クリア状況
45分 1.03 クリア/59

良かった点

  • 文字を制限することで多答系クイズの面白さを一答で表現していました
    • 文字をやりくりするパズル的な楽しさもあります
  • チャレンジで語彙力パズルにも挑戦できます

気になった点

  • 決定にすぐ飛べる機能が欲しくなりました
    • 文字の表示方法は多く使う機能ではないので、そちらを別途のオプションにしてサブキーで決定に遷移が好みです
      • 問題全体の解答確定もサブキーなので整合性は取れていそうです

レビュー

クイズのパズル、語彙力のパズル

コトノリは、同じ文字を使うことができないという条件下で複数の多答クイズを完答する、パズル的なクイズゲームです。
それぞれの問いで答えるべき回答は一つですが、各々の回答バリエーションについてある程度精通していれば、文字を都合しやすくなっています。

ゲームシステムを簡便に説明するために、架空の問題を例に挙げてみます。
「トライアスロンの種目の一つといえば」、という問題と、「名前に動物の入る都道府県といえば」、という問題があったとします。
この時、前者でマラソンを答えとして使うと、「ま」の文字が消費されるため、後者は鳥取しか使えなくなります。そして、これら以外の問題で「と」が使われるような場合では破綻が起きるため、その時は水泳などの別解を答えとして用意しなくてはなりません。

文字の重複が無いように回答をコントロールし、全ての問いに対して適切に答えるためには、それぞれの問題の多答の一つ一つに対する知識と、それを上手く組み立てる力が求められます。
詰まった時は、正答数が少ない問題や、思い出せる答えが少ない問題をベースに組み立てるのが得策です。頭を使って解きましょう。

また、シナリオ付きのこのクイズ形式のモードに加え、文字を重複することなく単語を列挙し続けるチャレンジモードも搭載されています。こちらでは、語彙力という別の能力が求められることになります。
先のことを考えて使わないであろう文字を消費しつつ、上手く言葉を挙げていきましょう。こちらはこちらで、別のパズルが楽しめます。

文字をパズルのように組み合わせる、二種の遊びが盛り込まれたゲームです。
前者は多答クイズの面白さが上手く落とし込まれたパズルであり、後者は語彙力の限界に挑めるパズルです。制限時間などは無いので、ゆっくり考えたり思い出したりして文字のパズルを完成させていきましょう。

感想

各要素を一つだけ答える形式のクイズゲームなんですが、言葉の制約がつくことで変則的に多答のスキルも要求されていて楽しいゲームです。クイズとしての問題数はやや少なめではあるんですが、一問一問の完成度が高く、それぞれでコンセプトが変わってくるのも良かったです。

クイズとして見ると、それぞれの答えに対するカバー範囲がかなりケアされている印象で、とりあえず仮入れしていた答えが後続の答えを全滅させてしまうことが多々あります。安易に思いつくところが潰されていますね。正答数の少ない問題からトライしていくのが安定択だと思います。
このあたりの思考の流れは確かにある意味パズルでもありつつ、ちゃんと知識は要求されるクイズともなっていて良いです。

具体的に問題で良かった所を挙げるんですが、三大珍味でとりあえずキャビアを入れたら大陸が一気に消えたのは驚きました。おかげで、ほとんどの大陸に「あ」が含まれているという気付きを得ることができたというわけです。漫然と生きていると気付かないもんですね。
後は、デンマークを入れるとエレジーもプレリュードもレクイエムも塞がれていたのも良かったです。音の重なりについて、いろんな気付きがある。
また、宝石のルビーや干支の鼠など、とりあえず短いのを入れておけば何とかなるかなと浅慮したら、大体後ろでにっちもさっちもいかなくなるあたりの設計もまた綺麗でした。
このクオリティなら問題を作るのはさぞかし難しそうなので、それほど問題数が無いのはさもありなんという感じです。

なお、五大栄養素で脂質を入れたら弾かれたり、チャレンジで色々弾かれたりと、単語入力系故のカバーの難しさは出ているんですが、クイズ面では答えが限られるのもあって遭遇率は低かったです。チャレンジも結構いろんな語彙がある印象。

操作面では概ね使いやすいUIで思考の方に集中できるようになっていました。若干カーソルが滑る印象はあるものの、その分軽快に動作するので入力しやすい面もあって個人的には良かったです。
文字の表示方法変更がそれほど使用しない割にちゃんとしたキーに割り当てられているので、このあたり即解答決定に遷移するような使用率の高そうな機能に割り当てられていると個人的には好みでした。誤爆はしそうですが、チャレンジでもないとペナルティは大きくはないはず。

最後にチャレンジの話をするんですが、端的に言って語彙力が試されます。次いでそれをパズル的に組み合わせる力が求められます。
筆者は最初に濁点系を消費しようかなとやっていたら、後半思ったより濁点が欲しい場面が出てきて難しい状況に陥りました。意外と濁点って使われるんですね。プランを立てればもう少し消費できそうな気配はあるんですが、ほぼ全文字使うような詰めはかなり難しそうです。
殊に、小文字のあいうえおの消費はほぼ無理なんじゃないかと思っていて、辛うじて「ふ」の利用で一つ削れて、あとはドイツ語あたりに「ぇ」を探すくらいしか思いつきませんでした。難しい。

チャレンジリザルト

質の良いクイズで頭を使い、チャレンジで語彙力を試すといったように、似たルールで違う遊びが楽しめました。
ノベルパートでもゆるい雰囲気の先輩後輩関係が垣間見られて、短編として楽しめる作品となっています。そして何よりも、本当にこのクイズを作るのは難しそうだなあというのが偽らざる感想です。

26. マインのパズルでバトル

ジャンル 作者
マインスイーパー denden
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間 1.01 ノーマルクリア

良かった点

  • 高速でマインスイーパーの思考を回してコンボをつなげていく楽しさがあります
  • ストーリーが明るめで良いです

気になった点

  • マインスイーパーに失敗しないと強化せずに強敵と長時間戦うことになりそうなバランスでした
    • ボスを倒したら強制的に帰して、アイテム購入に移らせても良いのかなと感じました
    • 一応、初回安全がないために、本当の強敵に対して運次第では退場することになります

レビュー

マインスイーパーを高速で解いてコンボをつなげよう

マインのパズルでバトルは、マインスイーパーをベースとした戦闘を繰り返して進行するゲームです。
マインスイーパーが得意であれば、有利に戦闘を進められるでしょう。

戦闘システムはいたってシンプルなものであり、マインスイーパーを解いてマスを開けるごとに入る攻撃のダメージで相手のHPを削り切れば勝利となります。一方で、地雷を踏み抜くことで発生する相手の攻撃を受け続け、こちらのHPが無くなるとゲームオーバーです。
マインスイーパーを正確に行うことができれば被弾は最小に抑えられますが、ご存じの通りマインスイーパーには運の二択があります。加えて初回の安全保障もないため、最初のマス選択は常に地雷の危険性があります。
すなわち、戦闘が長引けばいつかは敗北を喫することになってしまいます。

これを避け、戦闘を素早く終わらせるにはコンボシステムを上手く使っていく必要があります。一定時間以内にマスを連続して開けていくとコンボが成立し、攻撃のダメージが増えていくというものです。これを重ねて攻撃力を増加させることによって、素早く相手の体力を削り切れるようになるでしょう。
ただし、コンボをつなぐために高速で考えて操作を行っていると、その分ミスが誘発されやすいというリスクも抱えています。思考を高速で回しつつも、コンボに固執してかえってダメージを受けないよう慎重にマスを開けていきましょう。

また、戦闘を重ねていくとレベルが上がり、基礎ステータスが向上していきます。加えて、敗北したとしても得たコインをもとにアイテムを買って、HPの回復や武器の調達も可能となっています。
これらを活用してステータスを上げていくことができれば、戦闘はより有利になります。勝てない場合や時間がかかりすぎる場合は、ステータスを上げて再挑戦しましょう。

マインスイーパーという思考のゲームを、さながらアクションのように高速かつ反射的に解いていくことで、脳みそをフルに使い切っていくのが楽しい作品となっています。
素早く解くマインスイーパーに慣れて、どんどんコンボを繋げていきましょう。

感想

パズル的なマインスイーパーを好む身としては、コンボで上手く時間制限を付ければアクションゲームというか高速判断ゲームとしても運用できるのだなと感嘆していました。マインスイーパーテトリスに近いんですかね。
マインスイーパー自体のゲームとしての完成度はあるにせよ、それに対するプラスアルファでも楽しめるゲームでした。

個人的な攻略としては、コンボ重視で武器を選んでいくのが強いなと感じていました。雑魚狩りがスピーディーに終えられるのもありますし、ボスであってもスイープ手前くらいで屠れる火力が出ます。
とはいえ、あまりマインスイーパーが得意でなかったとしても、単発高火力の武器を使うという選択肢が取れるあたりのケアが親切で、ちゃんとマインスイーパーの思考を回せれば攻略自体は可能なラインに感じました。

一方で、マインスイーパーに下手に慣れていると被弾が最初の一回にほぼ限定されるがゆえに、明らかな格上相手であってもなかなか負けないなという印象はあります。
明らかに減りが遅い相手に当たった場合は、わざと負けてアイテム購入してから挑んだ方が効率が良いのですが、それが自然にできないループ構造となっています。雑魚が固いことを了解した上で、わざとリタイアして帰還するというのもサイクルとしては成立しているかもしれませんが、どうしてもネガティブな印象を受けます。
ボスを倒したら疲れたから帰る、みたいな構造があればスムーズな進行になった気もします。

コンボの話に戻すのですが、最初に盤面を見てプランを固め、その後アドリブで繋げていく楽しさがあります。思考を高速で回して頭を使い切る体験は楽しく、適度にミスを誘発する仕組みでもあって綺麗なデザインでした。
コンボに明確にリターンがある武器が存在するのも良くて、コンボをより決めていこうというモチベーションにもなっています。

なお、コンボ成立にあたっては、盤面確定時のマーク以外は基本的にあんまりしないのがお勧めです。マーク自体が攻撃に寄与しないので、手が空いたらやってもいいですが、原則不要な処置となっています。
スイープに関してもマークは必須ではないので、頭に留めておくだけにしておくのが楽でした。

このあたり、マークが攻撃に影響を与える設計にしてしまうと、マークにリスクを付ける必要も出てきてしまうので、これをカットしているのはバランスとしては良く感じています。
マーク失敗でダメージあたりが落としどころのように感じますが、マーク成功がマスを開けることに比べて連続で行いやすいのもあってコンボとの噛み合わせも難しく、いっそ取っ払う判断は素晴らしいなと思っています。ルールがシンプルになりますしね。

後はストーリーが明るめなのも良いところで、これくらいの短編なのもあってサクッと遊ぶのに向いている作品となっています。
あくまでもマインスイーパーで戦うのがメインでストーリーはフレーバーとなっているため、それに合った適度な緩さが好みでした。

27. 一人非零和有限確定無情報非ゲーム

ジャンル 作者
メタ謎解き endo
プレイ時間 プレイVer クリア状況
15分 1.1 クリア

良かった点

  • 良い問題が取り揃えられたゲームでした

気になった点

  • 特にありません

レビュー

ネタバレしたくないのでここに書くことがあまりにも少ない

一人非零和有限確定無情報非ゲームは、メタ要素を含む謎解きゲームです。
あまり色々な情報を出すとゲーム性に深くかかわり、面白さを毀損させてしまうので多くは語れません。

ゲーム内の要素についても、またそれ以外についてもあらゆるものを使い切り、プレイヤーはいくつかの謎解きに挑戦することになります。
謎を解き明かすことができれば、物語と共にゲームは進行して、やがてエンディングへと辿り着くことができるでしょう。

とりあえず言及できるのはこの辺りまでなので、こういったゲームが好きな方はプレイしてみることをお勧めします。内容はコンパクトなものとなっているので、短い時間で遊べるでしょう。

感想

このゲームはどこに触れてもネタバレになってしまうので、あらかじめ以下の内容は全部ネタバレになることを示しておきます。
いわゆるメタゲームというか謎解きとして、問題数はさほど多くない中でメタらしいツボが押さえられていて楽しい作品です。体験として楽しいので、気になる方はダウンロードしてプレイしてみてください。プレイ時間も短めなのでさっとやれます。

個人的に好きなのは暗号化されていないことにすらちゃんと意味があったことで、ダウンロードしたタイミングで感じていた気持ちが綺麗に回収されました。伏線回収は楽しいですね。
また、この手のゲームが好きな方は同意していただけるかと思いますが、Base64エンコードについては見慣れているので見ただけでエンコードするべきことが分かりました。あの文字列を見た瞬間にエンコーダに入れたくなります。

個人的に一番苦戦したのはモールス信号で、やるべきことは分かったんですが参考サイトを間違えてしまい、存在しないモールス信号と戦っていました。ここだけ若干遠回りした形ですが、それでも全体で見ればそれほど時間はかからず、コンパクトにいろいろなメタを楽しめる良い体験を得られる短編だなという印象があります。

最後の最後、すべてのファイルが消えるかなとうっすら考えていたのですが、よく考えたらウディタでは出来なさそうな演出でした。
そしてそもそも、忘れないことが終わりへとつながる作品である以上、全てが遺されているのもまたゲームコンセプト的には正しそうにも感じます。

メタゲーム、後味が悪いか後ろ髪を引かれる結末に寄る印象がありますが、このゲームは後味良く終わります。短編ということもあるとは思いますが、清々しく終われて良い作品でした。

28. DayDreamDreamer

ジャンル 作者
RPG Rentalize
プレイ時間 プレイVer クリア状況
12時間 + 3時間 1.017 - 1.031 トゥルーエンド

良かった点

  • 冒険していると感じられる雰囲気の良いJRPGでした
    • フィールドは世界を感じるほどに広大で、探索できる要素も散りばめられています
  • 後半になるにつれて歯応えのある戦闘が楽しめます
  • 選曲が素晴らしかったです

気になった点

  • 戦闘のUIについて、色々な要素があるために最初は取っ付きにくく感じました
    • 特にリング式の選択UIについて、横の切り替わり時に見た目が変化しないのもあってやや使いにくかったですが、アップデートで改造が入りました
  • 状態異常周りのアイコンについての説明が奥まったところにあります
    • 強く戦略に直結するので、可能であれば戦闘中に説明が見られると嬉しかったです

レビュー

JRPGの原液

DayDreamDreamerは、RPG然としたRPGです。何よりもRPGというジャンルが似合うゲームとも言えるかもしれません。
広大なフィールドを思うがままに探索し、エンカウントする雑魚や立ちはだかるボスをサイドビューの戦略的な戦闘システムのもとで打倒していく王道的な設計となっています。

探索することになるフィールドは広がりを感じられるようなデザインとなっており、かつロケーションに合わせた変化がふんだんに盛り込まれているものとなっています。かてて加えて、この様々なロケーションのほぼ全ては地続きで存在しており、歩き回るだけで世界を巡っているという感覚を強く覚えることになるでしょう。
このロケーションの変化と確かな接続性が、RPG的な冒険をしているという空気感を印象的に演出しています。

加えて、そのフィールドはただ広いだけの殺風景なものではありません。各ランドマークにおいては、物語の進行はもちろんのこと、サブイベントなども充実しており、各地を巡る原動力がそこかしこに散りばめられたものとなっています。
探索しながら戦闘していくことになる広大なフィールドの疎性と、イベントのある各地点の密性の塩梅がちょうどよく、冒険する楽しさもシナリオ駆動で先に進む魅力も同時に感じられることでしょう。

そうして進行することになる本編シナリオ、あるいはイベントの中で避けては通れないのが強力なボスの数々です。
そのボス戦における戦略性を語る前に、このゲームはいささか特殊かつ戦略的な戦闘システムを抱えているため、まずはそちらを説明します。

戦闘画面

戦闘の基本システムはCTBに近く、左下の歯車にある待機時間とそれが示す順序でターンが回ってきます。この待機時間はスキルによって決まっており、強力なスキルほど次の行動が来るまでの待機時間が長くなりがちです。また、スキルによっては詠唱時間が別途あるため、発動までにラグがある場合もあります。
この行動順を上手く制御し、補助のタイミングや回復のタイミング、敵の攻撃の対策のタイミングなどを考慮して戦略を回していくのが重要となってきます。

また、各キャラクターは戦闘前にも戦闘中にもその立ち位置を変えることができます。立ち位置には主に二つの効果があり、その一つとして前衛か後衛かによって攻撃性能や防御性能が変化することが挙げられます。
前衛なら攻撃性能が上がって防御性能が下がり、後衛ならその逆です。このため、強い攻撃をする時だけ前に出る、相手の強力なスキルを受けるため全員下げるといった戦略もあり得ます。
加えて、必ずしもその影響を受けないキャラクターやスキルもあるため、それぞれのキャラクターの特性に合った位置に動くこともまた大事になってくるでしょう。

第二に、立ち位置は効果範囲に影響を及ぼします。多くの範囲攻撃は一定の大きさのサークルで表されるため、密集していると全てのキャラクターがダメージを受けてしまいます。一方で、分散していればダメージを受けるのはサークルに含まれる一部のキャラクターで済みます。
それと同様に、回復も範囲が決められているため、こちらは密集したほうが有利となるでしょう。
性能の上下や次に来る行動などを十分に勘案して、適切に移動を挟んで立ち位置を柔軟に変えていくのが攻略の上で重要な動きです。

この、行動順を管理し、移動により効果範囲をコントロールする戦略的な仕組みの上で、プレイヤーは戦い方を練ることになります。加えて、強敵として立ちふさがるボスに至っては、さらにもう一段ギミックが用意されていることも多いです。
ボスのギミックを攻略して勝利を掴み取るには、行動順や位置に応じた柔軟な選択と、活用するスキルが肝要になります。スキルは、各キャラクターの固有スキルに加え、事前に装備によって構成を変えられるものもあります。これらの組み合わせが、重要なウェイトを占めることになるでしょう。
使ってみたことのなかったスキルを採用するだけで、ボスに楽勝することもあり得ます。相手に対して有利を取れそうなスキルを考えて、戦略を嚙み合わせてボスを蹂躙しましょう。

そうして様々なボスを打倒していくことで、ゲームのシナリオは進行していきます。広大なフィールドを冒険し、仲間を増やし、ボスを撃破していくそのJRPG的な過程の先をぜひとも体験してみてください。
また、サブイベントも色々と存在するため、以前訪れた場所を再訪するのも一興です。何か新しい発見があるかもしれません。
ぜひとも世界中を巡って、色々な場所を訪れてみましょう。

広大な世界というフィールドを周り、装備を集めたり仲間を集めたりしつつ、強力なボスを戦略的な座組で打ち破っていく、その体験はまさにRPGそのものとも言えます。
JRPGに飢えている人にお勧めの作品です。

感想

一言で言うなら、まさにやりたかったJRPGです。こういうJRPGを遊びたいというJRPGの具現であり、RPGの原体験という琴線に触れる作品でした。
このゲームに対して筆者が非常に好意的であり、都度都度において感動しながらプレイしていたのはこういった個人的な事情もあるので、DayDreamDreamerなんでも褒める妖怪だと思ってご了承ください。やりたかったRPGをそのままお出しされたら楽しいのはそれはそうなので。

まずはフィールドのことに言及します。
かなり広大であり、何よりも地続きであることから冒険しているということを強く感じられるマップとなっています。
真の序盤はともかく、かなり最初の方から色々なところに行けます。関係ないダンジョンに乗り込むこともできますし、いきなり変なところに行くのも可能です。かなり高い自由度を備えています。
その一方で高い難易度のものは色付きで表現されるなどのケアもなされているので、実力から離れたところで深追いすることもありません。細かい配慮。

その高い自由度のもと、各地のロケーションは大きく様変わりし、雪国から腐敗した土地、遺跡から都市まで、見目という面でも大きく印象を変えてきます。
地続きでロケーションの変化を感じ取れるマップを歩き回っていくことで、より広い世界を巡っているという印象を強く覚えることになります。この体験は非常にRPGとして良く、常にわくわくした気持ちで世界を周りつくすことができました。

この地続きであるという体感はそのまま冒険しているという感覚に強く結びついていて、歩き回って実際に冒険しているんだという印象をダイレクトに感じ取ることができるようになっています。
ファストトラベルや鉄道という要素はあれど、各地点は確かにつながっていて、実際に歩いてそれをつないでいくことになるため、一切分断された印象を受けません。

そうした地続きで広いフィールドを有していながら、要所要所には探索する価値のあるものを配していたり、訪れた先にはシナリオ進行の他にもイベントを用意していたりと、小さな面でも大きなくくりでも程よく要素が散りばめらています。
この塩梅が非常に良く、広大なフィールドを歩き回っているという意識を失わない程度にはまばらで、何もないなとは感じない程度に密であり、ワンパターンだなと思わない程度に緩急がついています。

そうした探索要素の幅が広いのも良く、新しいダンジョンが顔をのぞかせたり、強力なアイテムがあったり、変なイベントが起きたり、仲間が増えたり、ファストトラベルの解放まであったりと、より取り見取りです。
様々な主要要素をクリアした後ですら、ウルカノを仲間にしていなかったり、もう一人の管理人がいたり、その他の細かいイベントがあったりと、いくらでも探検できる裾野の広がり方をしています。世界を冒険する楽しさは尽きることがありません。

こうした実際の広さと要素の充実さが合わさり、世界の広大さと奥深さの乗算によって圧倒的なまでのゲーム的な体積を擁している作品となっています。

続いて、シナリオの話もします。
ファンタジー風の世界観に対し、適度に現代的な銃器なども入った混合した世界観を形成しています。これは割と都合の良い世界観となっており、ファンタジー要素やテクノロジー要素で良い塩梅に物語を転がせますし、びっくりするほどユートピアのような変な要素を入れても、そこそこ親和性があります。

そして、この世界観にもきちんとシナリオ上の意味があるというのも素晴らしいですが、それに加えて各要素をきちんと拾って構成しているという点も優れています。
魔法や銃器、種族といった存在をただ設定するのではなく、実際にプレイアブルで魅力的なキャラクターとして配し、イベントやシナリオで上手く描写をしています。文字上の世界ではなく、表現として活き活きした世界が描かれていました。

加えて、展開は変則的ながらも王道的でもあり、ノーマルのラスボスは言わずもがなで気持ちがある意味では最高潮に達しますし、トゥルーはもはや言葉に表す必要すらありません。筆者の弱いところが全て狙い撃ちされているような展開です。というか多分、JRPG好き全員の弱点です。
展開に必要な要素自体は中盤あたりから匂わせているため、そこから終盤にかけての展開はある意味では予想できるものと言えますが、それ以上に求めていた展開と言えます。ラーメン屋のラーメンみたいなものです。

またシナリオを回すキャラクターも良く、それぞれが個性的で魅力のある性質をしています。
個人的にはウルカノを推しています。ウルカノ、ウルカノって見た目をしている上に、ウルカノという感じの性格をしているのが凄いです。これは因果が逆で、ウルカノっぽいキャラクターにウルカノと付けたセンスが凄いのかもしれません。
サブキャラだと思っていたので、仲間にできた時は嬉しかったですね。

続いて、戦闘の面白さについても話しておこうと思います。
歯車のUIで表されたCTBっぽいATBであり、行動順や戦闘フィールド上の位置を勘案して戦略を練っていくタイプです。
まず敵の状況まで観測できる行動順制御がある時点で戦略的ですが、ここにフィールド上の移動があることで、別次元の戦略性も生まれています。

フィールド上に散らばっていると相手の強力な範囲攻撃の影響を最小限にとどめられますが、バフの範囲に入れなかったり、一斉に回復できなかったりというデメリットもあります。また、場所によって性能も変化するので、そのキャラクターのやりたいことに合わせた立ち回りや位置調整も大事になります。
このあたりのメリットとデメリットを考慮しつつ、行動順を上手く使うことでメリットだけを享受していくこともできます。
ここを考えて行動を組んでいくのが楽しく、上手く戦略がはまり最大火力を出したり、ギリギリで立て直せたりすると非常に気持ち良いです。

戦闘バランスは、こちらの能力も強けりゃ相手も強いタイプのバランスであり、どちらが強みを押し付けられるかで勝敗が変わります。
このためバフデバフはもちろん大事であり、頑張って鋼糸を24つけて光輪で最大強化してぶっ放せばとんでもないダメージが出ます。どれくらい付ければワンキルできるか分からないからちょっと余分に付けすぎるのもご愛敬。
一方で、バフデバフしてたら波状攻撃に沈むことも多々あるので、それより殴ったほうが良いケースもあります。状況や相手によって適宜戦略を切り替えていくのも肝要でした。

とにかく、どんな行動が強いか、どんな組み合わせが強いかを考え、その上で、敵の強みを退けるための戦略を立てないと勝てないバランスです。そして、そこが考え所であり楽しいポイントとなっています。
どういったスキルを付けて対策とするのか、メインウェポンは何で攻めるのか、相手の強行動に対してどういった戦略をとって安定化させるか、事前の準備とその場のアドリブ双方で楽しめる戦闘となっています。

この戦略性はもちろんボスに顕著であり、魔女を始めとして割とギミックボスが多い印象を受けます。
例を挙げれば、アンチマレフィキウムのボスは回復行動を反転させてくる腐敗で場を混乱させてきます。これに対策を立て、その上でそれ以外の行動にも回答を用意する必要があります。
筆者は???の二回目に永久にメイクシフトされるなど、色々なボスに初見で敗れていますが、その経験をもとに戦略を立てて撃破しています。魔法を見直して火力を伸ばす、耐性を考慮して枠を整理する、技に対抗して使うキャラクターを変えたり位置を変えるなど、色々と戦略を立てて挑むのは楽しいです。

個人的に戦っていて一番楽しかったのはノーマルエンドのラスボスでした。
とにかく足が速く、火力も十分の強敵でした。少なくとも密集していると即座にやられるので、できるだけ離しておいてもなお強かったです。
味方サイドでは特定ケースで大活躍していた魔法の分捕りや無限魔法がこちらに牙をむき、改めて異常に強い能力であることを分からされます。ヒュギエイアを分捕られた時は軽い絶望を覚えました。

真のラスボスの攻略にあたっては魔女のスープが刺さっていて、強化解除手段として異様なまでに優秀だなと認識を改めていました。アイテムも有効活用すれば強力な武器になります。
このラスボスは強制睡眠+睡眠という初見殺しをやってはきますが、それ以外は結構まともなので、正直ノーマルラスボスのほうが強く感じています。ランダム魔法のどれを引かれるかも結構寄与しそうではありますが。

また、戦闘から少し離れますが、武器にスキルが割り当てられ、これを何度か使うと習得して外してもスキルが使えるようになるというシステムも秀逸です。感覚的にはFF6の魔石みたいな感じ。もっと近いシステムもあった気がする。
どんなスキルでもまず一定回数使ってみる動機になりますし、その中で何となくスキルの使いどころを学習できます。新しいスキルを触る導線、それを何度か使って把握するタイミングの提供の双方を兼ねており、色々なスキルを上手く使って攻略するゲーム性とも噛み合っていました。

このように、このゲームの良さの10割はフィールドの設計で、あとの10割はシナリオで、残りの10割は戦闘の面白さで構成されています。つまり300%良いゲームです。何ならキャラクター性の良さなどもこのゲームの楽しさの一つなので、300%では済まないかもしれません。シナリオに包含されそうですが。

それ以外にもいくつか細かい好きな点があるのですが、それを挙げるとキリがないので、いくつか紹介するのにとどめます。

まず、フィールド上のアクションでアイテムを回収できるシステムが良いです。オブジェクトに干渉できるという体験が、間をつなぐ要素としても機能しています。
これ以外にもワイヤーアクションができるなど、ただ歩き回るだけでないフィールドギミックが散りばめられ、マップに変化を生み出していました。

後は、村の到達不能領域で家を見切れさせていることで、村としての奥行きを演出しているのが好きです。プレイヤーが移動できる範囲が全てではなく、それ以外にもちゃんと営みがあり、そうして世界が成り立っているという感じがします。

さらにごくごく細かい点として、リベイアを竜の巣で呼ぶとちゃんと本体が動くなどの芸が細かいところも良いです。局所的な例外処理にも手抜かりはありません。

そして最後に、選曲が素晴らしいです。
あらゆる場面の曲がシーンに合っており、かつそのシナリオと共に印象に強く残るものとなっています。
殊にボス戦闘曲は非常に良く、仕事中に頭で勝手にリフレインするくらいには好きなものになっています。URL知りたい。

ここまでおおよそ良い所しか書いていないので、バランスをとるために気になったところについても触れておきます。
まず、戦闘のUIは割とごちゃごちゃした印象を受けます。慣れてくれば情報がまとまっているのですが、初見ではどこを見るか判然としにくいデザインになっているように感じました。
例えば、初見でチャージで増えたものを見逃していたり、リング式の選択UIを横で切り替えた時に変化に気づかなかったりしていました。

特にリング式UIの横切り替わりについては、切り替わった先のリングと形が一致していること、アイコンの色など分かりやすい点で差異が無いので形で見分ける必要があることなどから、そこそこ難しいものになっています。
なので、個人的にはアップデートで更新された押し込められている設計のほうが好きではあるんですが、それはそれで要素が多くて分かりにくいというのも分かります。分離式のほうが総合的なキー押下数は減りそうですしね。

後は、即死とのイベントバトルを越えないとセーブできない幽霊船や、なんとなく勝てそうになる負けイベントなど、若干厳しいイベントバトルがありました。
負けイベント自体は展開上アリだとは思っているんですが、時間の都合上、数ターン経ったら強制的に敗北くらいのバランスが嬉しいです。何となくいけそうだけど絶望的な技もあってジリ貧で負けるという体験それ自体は何だかんだ良いなと思うところはあれど、徒労に感じる面もあります。

このあたりの不満点はあれど、後からこの感想を書くために無理やり引っ張り出した程度には感情に残っていないものとなっていました。恐らく、他のプレイ体験が良すぎて消えたのだと思います。強烈なプラス要素は、多少のマイナス要素を押し流しますからね。
最終日手前でトゥルーを目指している時、更新に気づいて入れてみたらリングUIに改修が入ったところで、そういえば使いにくいと思ってたなとようやく感じたレベルです。個人的には良いアップデートだなと感じていました。

本当にやりたかったJRPGがやれたので、個人的にはウディコンはこのゲームをやれただけでも十分満足しています。そして、そういうゲームがいっぱいあるからウディコンは楽しいですね。