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07.少女大猩猩

ジャンル 作者
ゴリラ 餓鬼郎党
プレイ時間 プレイVer クリア状況
20分 1.00 クリア

良かった点

  • ゴリラになるということをネタにとどめず、ゲーム性に上手く落とし込んでいました
  • 良いゴリラ分でした

気になった点

  • ゴリラ的には納得できるのですが、Gキーはやや押しにくいです

レビュー

ウディコンに欠かせないもの、それはゴリラ

少女大猩猩は、誰でもゴリラになれるゲームです。
主人公の森谷稟はゴリラに変身することができる高校生で、ひょんなことから悪の組織に立ち向かうことになります。

彼女の前には、悪の組織が使役する手ごわい式魔が行く手を阻んでいます。
しかし、ひとたびゴリラモードになれば、どんな式魔も触れるだけで蹴散らすことができます。ゴリラになって無双しましょう。

ただし、常にゴリラでいるわけにはいきません。
先に進むには謎を解く必要がありますが、ゴリラは字を理解できないので謎が解けません。式魔に気を付けつつ、適度に人間に戻って謎を解く必要があります。

ゴリラモードで敵を吹き飛ばし、人の姿で様々な謎を解いてきましょう。

感想

ウディコンにはゴリラ分が必要だと思いませんかという問いには是と答えるしかないでしょう。
ウディコンにはゴリラが不可欠だと思っていたんですが、よく考えたら去年は無かったかもしれません。無くても有った気がするあたり、存在していなくても印象が強いですね、ゴリラ。
ウディコンから外に出てもゴリラから加護される作品があったり、ゲームでもAPE OUTみたいなゴリラ作品があったりするので、ゴリラに対する熱意は不偏的に存在するのかもしれません。

閑話休題してこのゲームの話に戻します。
このゲームは開幕が全てを物語っていて、当然のように説明してくるだけで思わず笑ってしまいました。もはやここがオチと言っても良い。

加えて、ゴリラになるという設定をただの一発ネタとしてではなくて、ちゃんとゲーム性に押し上げているのも良いです。
敵に追われるけど謎解きもやりたいという欲求に対して、ゴリラになれば敵が近づいてこないけど、一部ギミックは解けないというバランスにしているのが上手い設計でした。
最後は蝶を利用して上手くアクションっぽい感じにも落とし込んでいて、ゴリラメタモルフォーゼを最後までうまく活用していました。ゴリラメタモルフォーゼって何だ。

ゴリラへのこだわりが強すぎるあまり、Gキーで変身なのはさすがにやりにくかったんですが、まあゴリラの頭文字なのでこれは受け入れるしかありません。

とにかく良いゴリラ分でした。ウディコンに出てくれてありがとう。

こういう細かい要素も好き

08. Cell’s Shooting

ジャンル 作者
弾幕STG風の何か ブ瓶
プレイ時間 プレイVer クリア状況
15分 1.1 3000万点越え

良かった点

  • オブジェクトの数々を眺めると壮観でした
  • ゲームオーバーが無いので分からないなりに最後までやれます

気になった点

  • ルールあるいは説明が分かりにくかったです

レビュー

画面を埋め尽くせ

Cell’s Shooting は、画面をひたすら埋め尽くすスコアアタック形式のシューティングです。

一般的なシューティングは敵機を撃ち落とし、自機が撃ち落とされないことを目標としますが、このゲームは一味違います。とにかくハイスコアを目指せれば、敵機も自機も関係ありません。
ゲームオーバーの心配なく、スコアアタックに集中できるゲームとなっています。

そのスコアを稼ぐには、画面を白く埋め尽くす必要があります。
基本的には自機のショットが白いため、これを打ち続けることでスコアが伸びることでしょう。一方で、環境にあるものを上手く使うことで、さらに白く埋め尽くすことも可能です。
上手く立ち回ってハイスコアを目指していきましょう。

感想

説明書を読んだ感想は分かんないなこれ、でした。やってみた感想は、ルール読まないとわからんなこれ、です。
両方合わさって初めて朧気ながらわかってきます。

要するにショットは打ち得で、なんとなく画面を覆いつくせるように立ち回るとスコアが伸びます。なんとなく左右運動より上下運動のほうがスコアが伸びやすい気がします。
とはいえ、どの行動が起因でスコアが伸びたかは分かりにくいので、感覚で遊ぶのが丸いです。

一応ノーミスノーボムも想定されているようなので、完全に理解できれば立ち回りが確立する可能性があります。
完全情報ではあるので、パターンが構築できればいけるのかもしれない。

個人的にはどちらかというと眺めるゲームに近いと思っていて、粒度の荒い弾幕というかライフゲームのようなものを見て楽しむといった側面もありました。

なお、筆者がやったバージョンが悪いのかアップロードのリトライが続いてストーリーが読めなかったんですが、一応基準点らしい3000万点は二度目のチャレンジで越えました。
最後までボムがよくわからなかったけど、それくらいの理解でも越えられます。

この時は、アップロード失敗時に「アップロード失敗?」「再挑戦」と書かれていて、選択肢でもないのか入力したら再挑戦して…のループに入って抜け出せなくなりました。
個人的にはアップロード失敗に?がついているのが違和感があって、再挑戦するかどうかを確認するなら「再挑戦」側に?なのかなあと思いつつ、そもそも再挑戦する宣言でしかないようにも見えて良く分からなくなっていました。説明文も含めて、独特な言語という感じです。

09. Three Sleep Sheep Soup

ジャンル 作者
コマンド入力ADV いわいしさき&despair
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間 1.9 17END

良かった点

  • 色々な入力に反応がありました
  • シンプルな探索ゲームモードのおかげで、初期の導線が確保されています

気になった点

  • グラフィックが単語を特定できるレベルの解像度ではありませんでした

レビュー

手当たり次第に突拍子もないことを

Three Sleep Sheep Soup は、コマンドを入力することで進行するアドベンチャーです。

「かんたん」の難易度を選べば、このゲームは一般的な脱出ゲームのような様相を呈しています。提示されるコマンドに従い行動することで、一定のエンディングを迎えることができるでしょう。

しかし、難易度を「むずかしい」にすることで、このゲームの本当の顔が表に出ます。
この難易度では、プレイヤーの入力するコマンドは「動詞」と「対象」を入力する形式へと変化します。例えば、ひつじを調べたいのであれば「しらべる ひつじ」と入力する必要があるわけです。

対象に対してどういった行動をとってみるか、あるいはどこまでを対象と見なすか、それはプレイヤーの想像力に委ねられています。
とにかく様々な行動をとってみて、様々なエンディングを見ていきましょう。

感想

全体の印象値は脱出ゲームのそれでした。
想像よりも色々入力の幅はあって良いです。写真立てを食べられた時は笑いました。
何となくもっと突拍子もないことができそうな気がするんですが、色々入力してみてトゥルーっぽいのに辿り着いたら満足しました。
何もないのに燃やせるあたり、もっと悪いことしたかった気もします。

筆者が見つけたエンドは以下の17個です。多分まだある。

  • 閉じ込められEND
    • 強制終了する
  • 羊食べて腹破裂エンド
    • 3体食べる
  • 扉に永遠落下エンド
    • 何もせずに扉から出る
  • 明るい声が聞こえるエンド
    • 3体持ったまま出る
  • 私は一人だったエンド
    • 多分写真立てをどうにかする。私は食べた
  • 何かが足りないエンド
    • 一人だけ持って出る
  • 理解エンド
    • 二人もって出る
  • 自分で自分をエンド
    • 自分を害する
  • 死体を見つけるエンド
    • 羊を食べずにやる
  • 焼死エンド
    • もやす
  • 煙エンド
    • 部屋を燃やす
  • 出会った記憶があるエンド
    • 多分写真立てをどうにかする。私は一人だったとの違いはよくわからない。多分人数
  • 睡眠エンド
    • ひたすら寝る
  • 注射器エンド
    • そもそも注射器を見つける必要があり、それを自分に打つ
  • 薬剤を飲むエンド
    • 注射器の薬剤を飲む。注射器ではだめだった
  • 薬剤スープエンド
    • 注射器を羊に打ってからスープに入れて食べる
  • 答えるエンド
    • 3人救出で答えてと言われる、2人救出で羊の正体が何となく分かる
      • にんげんだとニアピンで、家族が正解らしい

これだけあるとエンドリストが欲しいですね。???で埋まっていたりすると収集欲が刺激されそう。

攻略的には、割とすぐに「答えて」とは言われるんですが、何を答えればいいのかは判然としないので、その辺でしばらく迷いながら色々試していました。

個人的に気になっているのはグラフィックの分かりにくさで、調べたいという時にかなり致命的な印象を受けました。
写真は最初鏡だと思っていましたし、キッチンラックを引き当てるまでに大分時間を使いました。引き出しを入力したら棚のほうに行くのは罠。正直今でもキッチンラックには見えていないです。そもそもあれはキッチンなのか。

ちなみにかがみを調べようとすると永遠にかがみループに入るんですが、仕様なのかそうでないのか分からなかったです。もしかしてこれもエンドの一つなんでしょうか。

10. ノラさんぽ

ジャンル 作者
RPG sugo-rock
プレイ時間 プレイVer クリア状況
3時間 1.04 クリア

良かった点

  • 丁寧なつくりのマップ、世界観でした
    • 猫に癒されます
  • 戦闘バランスは意外とシビアで歯ごたえがあります
  • 敵グラフィックの進化が良い味を出しています

気になった点

  • やや演出的に間延びする印象を受けました
  • 町の良く使う施設までの距離が遠く感じます

レビュー

癒し世界の大冒険

ノラさんぽは癒される世界観を舞台にした、ネコたちのちょっとした大冒険を描いたRPGです。

主人公の白猫ノラは、いつもの餌に飽きてしまい、にゃおちゅーるを買うことを目指して冒険の旅に出かけます。
しかし、にゃおちゅーるまでの道は波乱万丈で、訪れる街のイベントをこなし、現れる敵を退け、どんどんと冒険を進めていくことになっていきます。

その癒されるような世界観とは裏腹に、彼らの冒険を彩る戦いは意外とシビアな戦闘バランスとなっています。
進めていくうちに進化していく雑魚敵には、油断しているとやられかねません。ネコなのだから、逃げる判断も視野に入れて戦っていきましょう。

また、このゲームにおいては、その舞台となる街やダンジョンは非常に丁寧に作られています。その街並みの中をネコとして歩き回ることで、その優しい世界観を存分に味わうことができるでしょう。

冒険の舞台となる街の数々、多様な敵、シビアな戦闘バランス、それら全てが丁寧に作られた世界の中で、ネコたちの冒険を体験してみませんか。

感想

色々丁寧だなあという印象です。マップも丁寧だし、扉の開閉も丁寧。
特にマップの作りがかなり丁寧な印象を受けました。ちゃんとしたロケーションとして作っている感じがします。
演出もかなり丁寧で、カットインをはじめきっちり作られていました。

ただ、色々と丁寧に作られているがゆえの間延び感が、個人的には最後までだいぶ引っかかっていました。
町がちゃんと作られているので宿屋行きたいだけでも結構歩かされ、かつ猫という世界観から一階の人に話しかけるのではなくてわざわざ二階まで行く必要があります。
丁寧な世界観だなあと思うのと同時に、さっさと回復したいなあという気持ちを感じます。どちらを優先するかという問題っぽいですね。

これは最初の洞窟マップなどでも顕著で、丁寧に作られているので迂遠な回りかたをする必要があったり、行っても意味のない袋小路があったりします。
歩き回れるロケーションとしては良いんですが、エンカウント付きダンジョンと考えると若干厳しい。エンカウント率も高めでしたし。

他にも、あんまり壮大でない冒険の始まりで操作可能になるまで3分かかるところや、扉の開閉が全て演出付きなどの細かい不満ポイントもあって、世界観の緩さと演出のこってり感のアンバランスさがどうしても拭えませんでした。

ただしその分、世界観の作り込みはかなり良くて、敵グラフィックが進化していって強くなっていく様はかなり好きです。
こいつがこういう進化するのかという驚きもあって、かなり楽しめました。テントウ系列が個人的には好き。

また、ちゃんとイベントこなすと親方から感謝されるとか、魚取り返してきたら船長に褒められるとか、細かい作りがものすごく丁寧です。色々と歩き回って話しかけたいマップになっています。

戦闘バランスは意外にシビアで、後半になると雑魚がシンプルに強くなります。何なら後半はボスより雑魚のほうが辛いレベル。夜星テントウまでくると、クリティカル一発でこちらが全回復から沈んでしまいました。
レベルが多少低くてもボスは何とかなるので、きつい敵に当たったら逃げる判断も大事です。

物語も壮大でないようで規模の大きい冒険譚として良かったです。目的それ自体はずっと変わらず些細なことなんですが、起こす行動がいちいち大きくて楽しいです。にゃおちゅーるは全てに優先する。
細かいシナリオも面白くて、薬屋がらみのクエストをやっておくと猫神様のバックグラウンドをちょっと想像できたりします。

11. 家路~いへぢ~

ジャンル 作者
ホラー探索 睦涼
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間 1.00 全ENDクリア

良かった点

  • 良い恐怖を感じられました
  • 隠という存在がシステムをも巻き込んで表現されていました
  • 各ステージで異なるギミックを楽しめました

気になった点

  • Cキーを押すと一瞬だけ隠が見えます
    • 上手く使うと便利ではありますが、雰囲気的にはないほうが嬉しいかもしれません

レビュー

ひたひたとした恐怖

家路~いへぢ~という作品が描いているものは、そこにいるはずなのに見えないという原始的な恐怖です。

村外れの廃トンネルを訪れた主人公は、奇妙な手袋を見つけるとともにおかしな世界に迷い込んでしまいます。
この主人公を操り、家路をたどるのがこの作品の目的となります。

しかし、家への道は常に安全とは限りません。目には見えない隠(オニ)と呼ばれる存在がいくつも道中に存在し、これに触れると消えてしまうことになります。
この見えない隠を避けるためにも、しっかりと観測をする必要があります。隠の姿を見るためには、見つけた奇妙な手袋を覗きこんで付近を調べるしかありません。
場所を把握し、動きを把握し、隠から逃れていきましょう。

この隠という存在は手袋を覗かない限り見ることはできませんが、同じ領域に隠がいるとぞわぞわとした音が鳴り、その存在自体を知ることだけはできます。
そこに確かにいるものの、どこにいるか分からない、もしかしたらすぐ側にいるかもしれない、そういった恐怖を味わうことができます。

加えて、青を基調とした特徴的な空間表現もまた、その恐怖を彩る一つの要因です。
この世とのあわいにあるような、不可思議な隔絶した雰囲気を感じつつ、ひたすら路を辿ることとなるでしょう。

さらに、そういった家路の途中には様々な仕掛けが待ち受けています。
隠から逃れながらも、これらの仕掛けを突破しなくては家路を辿ることはできません。上手く隠を避けつつ進んでいきましょう。

より本質的な恐怖をホラーで体験したい方に、家路~いへぢ~はお勧めの作品です。
隠を避け、仕掛けを解き、恐怖の中で家路を辿りましょう。

感想

恐怖とは元来こういうものだよねという雰囲気でした。原始的な恐ろしいという感情が呼び起こされます。ぞわぞわする。

光というか闇の使い方が物凄く上手いので、それだけでもホラーとしての雰囲気は満点です。最初の閉そく感を少しずつ出していく演出なんかは、恐怖への準備体操という感じがして良い。
その上で、隠という存在をシステムをも使っていかんなく表現しているので、とにかくホラーとしての完成度が高いです。

筆者が青鬼をプレイしていた時一番驚いたもとい良かったのは、ピアノを調べた後のくだりでした。この、どこかにいるだろうとは思っていた存在がすぐそばに唐突に現れるという現象は、かなり強い恐怖値を持っていると思っています。感覚的にはホラー映画の振り向いたらいるやつに近いです。
このゲームはゲームシステムでそれをやってのけているので、もう当然のように怖いです。ぞわぞわする音とともに、覗き込むことで初めてそこに現れる隠の姿が良い。案外近くにいることが分かった瞬間に慌ててCキーを押して逃げる感じが最高。

なお、最初のうちは夜廻のプレイ感に近いのかなと思っていましたが、割といろんなギミックが用意されているのでそれほど近くはありませんでした。
各ステージのボリュームもそこそこで、大きすぎ小さすぎず、それぞれが相異なるギミックを持っているので飽きずに楽しめます。
夜廻っぽいと感じていたトンネルくぐると異世界は、それのみならず千と千尋とか色々な作品で普遍的に存在する概念ですからね。何か民俗学的見地からこういう概念を説明できたりしないんでしょうか。

個人的には、唯一葉っぱのギミックだけ引っかかりました。
先にあるのかと思って入ったら無限迷路に迷い込んで、結局やられるまで出れませんでした。葉っぱを持たないで侵入できなければ親切かもしれませんが、この辺は雰囲気との兼ね合いで難しいところですね。

それにつけても、後半の解釈はだいぶ難しかったです。
ヨモツヘグイのくだりがある以上、おにぎりを食った段階で終わってはいたのですが、そうであるなら手袋には何の効果があったんでしょうか。あの壊れた社が終点だったのであれば、それが何を意味していたのでしょうか。本当におうちだったのかもしれないですね。
それにしたってカイ逅は解釈できていないのですが。もしかして過去作品をやらないとダメなタイプかな。
このように解釈に惑うことはあっても、雰囲気は存分にホラーなので最後まで楽しむことはできます。

ちなみにマップも雰囲気が良く、白いと調べられるというシステムも分かりやすくていいです。青に白は映えるので、敵の識別も含めてかなりわかりやすくできている印象でした
ゲームの性質上やや歩行速度は遅いものの、マップは雰囲気を保ちつつ短めの構成になっているのでカバーできています。

なお、レビューで途中までギミックという呼び方をしていたんですが、なんとなく横文字が似合わないので仕掛けにしたのがハイライトです。
トンネルも隧道にしようかと思ったけど、さすがに意味が伝わりにくいというか情景がぱっと出てこないのでこのままになっています。

12. 陰都見聞録

ジャンル 作者
ADV/RPG ハッピーエンド過激派
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.07 クリア

良かった点

  • 3Dの技術が素晴らしいです
    • また、その3D空間を活かしたマップでした
  • 陰都という世界観が良いです
    • ぶらぶらと歩き回りたくなります

気になった点

  • 3D空間を活かしたギミックは少なかったです

レビュー

3Dの陰都を巡ろう

陰都見聞録は、陰界と呼ばれる場所を巡り、色々なものを見て回るアドベンチャーあるいはRPGです。
陰気に満ちた遺跡に存在する謎の都市、陰都を訪れたソラを操作し、陰界の色々な場所で冒険することになります。

このゲームにおいて注目すべきは、陰都を含め、全てのマップが3Dでレンダリングされていることです。このため、奥行きも高さも活かされたマップ構成の中を探索することができます。
カメラも比較的自由に回すことができるため、3Dの世界を堪能することができるでしょう。

この3Dで構成された陰界には様々なロケーションがあり、それらを調査することで物語は進んでいきます。
この調査の過程で戦うことになる敵とは、体力のような陽気を消費して戦っていくことになります。陽気を無駄遣いしないように心掛ける必要があるでしょう。
一方で、陰界は陰気に満ちているため、ただ歩いているだけでもこの陽気を消費してしまいます。適度に拠点に帰って陽気を回復しつつ、様々な場所を探索していくことになります。

そうして陰界を巡るうちに、この場所で起きたある事件、災厄について知ることになります。
災厄とは何か、その原因は何だったのか、それを知るために物語を進めていくことになるでしょう。

魅力的な3Dの都市、陰都を巡ってはみませんか。

感想

3D空間を歩いている感覚が味わえるゲームです。
半端に3D化しただけじゃなくて、高低差とか段差とかを意識して作られているので、ちゃんと3D空間を探索している気分になれます。
景観という意味ではかなり3D空間を活かした構成になっていたように思います。分かりやすく上層と下層を分けたり、高い木を立てたり、色々とこの表現でなければ成しえない設計になっています。
3Dであることを最大限活かした巨大機械のロマンが良い。

個人的に好きなロケーションは酒場前で人が往来しているあたりです。
ああいう生活感ある表現が存在すると、世界の広がりを感じます。見聞している陰都の数少ないエリアだけじゃなく、もう少し広がった世界が存在していそうな感覚が良い。

ただ、3D空間を活かしたギミックあるいは探索だったかというと、その辺はグレーです。
マップは最大限活かされているので探索的な楽しさはあるんですが、様々なギミックや表現はある程度2D的なので、それほど3D感はありません。
3D表現ギミックの最たる例はカメラだとは思いますが、攻略必須ギミックではないので。
かなり趣は落ちるとは思いますが、全てのマップを2Dで書き下ろすこともできそうなラインだと感じました。

あとシステム的に気になるのは陽気の扱いで、体力兼MPみたいな扱いなのは結構面白いと思うんですが、何分陰都の中でも減るのは辛めです。
ダンジョンで減るのはそういうものとして、陰都で見聞したい身としてはうろつきにくくて困りました。常にせっつかれている感じがするので、気ままに陰都を巡りにくくなっているなあという印象です。
せっかく陰都は良い場所なので、意味もなく住人に話しかけながら彷徨いたいです。陰都だけ陰気が弱いからこれで遮断できるよアイテムとかあると嬉しい。

変わって3D的な技術の話になるんですが、よくウディタでここまでやったなあという気持ちになります。単純に板ポリをぺっと貼り付けただけでは表現できない凹凸とか、色々やった上でここまで動作が軽快なのは凄まじいです。
裏面描画は半透明になるあたりの細かさとかも好きです。単に見えなくなるよりは分かりやすい。

RPG要素についてはオマケに近いと思っていますが、最後の敵だけ思いのほか強かったです。初めて全滅の危険を感じたので入れ替えを発動しました。
それ以外はちゃんと戦っていれば倒せるレベルで、探索の阻害要因にはなっていません。

物語は陰謀っぽいものを匂わせながらああいうオチにしつつ、そのままシリアスな展開に雪崩れ込ませるのが上手いです。
個人的には終わり方が好みで、この物語が正しく陰都見聞録であったという形式の取り方が、まとまりがあるなあと感じていました。

しかし最後の方の展開、前作の感じを思い出しました。人と人ならざるものというか、生きる境界の違うもの同士のそういう展開。はっきりと好意を伝える系でもあります。
これはピューイ君がヒロインでしたね。

また世界観も結構好きで、蛮族呼ばわりしている人々も元をただせば蛮族なあたりは皮肉が効いていて良いです。
世界観をちょっとだけ説明しつつキャラクターのコメントが見れる資料も良くて、コメントが楽しいからちゃんと見るようになって、その上で世界のことを少しだけ知れます。

最後に、領域型セーブはなんとなくオートセーブのイメージがあって、最初に一回セーブせずにゲームオーバーになって初めからになりました。
皆さんは気を付けましょう。

13. 狼は愛を、狐は狼からの報復を、蛇は狐と狼に打ち倒されることを望んだ

ジャンル 作者
RPG ケモプレ@獣のPredation
プレイ時間 プレイVer クリア状況
30分 7/22 クリア

良かった点

  • 物語の展開が良かったです

気になった点

  • UIが使いにくかったです
  • 各種システムの説明が不足しているように感じました

レビュー

熱き想い

狼は愛を、狐は狼からの報復を、蛇は狐と狼に打ち倒されることを望んだ、という作品は、様々な要素が独特なRPGです。

ゲームとしては比較的シンプルで、ダンジョンに潜り、ひたすら戦い抜いてレベルを上げ、因縁のある狼を倒すことを目的としています。

しかし、その因縁、あるいは感情は複雑に絡み合っており、とても一言では言い表せないものとなっています。それぞれの屈折した感情が織りなす物語は、狼を倒すことで一つの決着を迎えます。

その物語の結末へと辿り着くには、レベルを上げて狼を倒すほかありません。
決着を見るためにも、狼に引導を渡してやりましょう。

感想

一言で感想を言うと、前作よりシステムの理解が難しいけど物語は好きという感じです。

UIがとにかくとっつきにくく、本当に使いにくいです。
例えばお店で購入したい時、最初に1が入力されているので購入個数を20にしたいなら一回キャンセルをはさむ必要があります。というかキャンセルしたいなら0を決定するという仕組みも厳しいです。スライダーなりを使わずに電卓システムを採用した理由が良く分からない。

また、階層が全てフラットなので、キー割り当て、キー連射などの設定と同階層に装備品があったりします。
前回は階層深くて使いにくかったのでそれよりはまだ良いんですが、使用頻度や用途をもとにした整理はあんまり行われていない印象です。トグルを使わずに選択肢を採用している理由はやっぱり良く分からない。

最初の画面の設定を開いてからセーブできるあたりはもはや仕様なのかバグなのかよくわかっていないレベルです。ちなみにここでセーブすると灰色のグラフィックでセーブできます。
一度メニューを閉じないとセーブできないというのも若干面倒です。そのままセーブするとロード時にメニュー開きっぱなしになるとか、そういう問題があるのかなと感じています。

他の細かいところだと、Cキーでメニューを開くのにXキーで閉じる統一性の無さも若干気になります。Xキャンセルで全体が統一されているデザインと思いきや、何もない画面のXはヘルプだったりするので。

あとは、説明があんまりありません。説明書は利用規約と権利表記だけで、連撃数とかACとかが何なのか、SPが何なのか、シボとスドの肉の違いは何なのか、それぞれの武器の違いは何なのか、雰囲気で理解するしかありません。
何ならクリアした今でさえ、シボとスドの違いは良く分かってないですし、各種状態異常になんでかかるのかも分かりません。ダイスロールかな。

ただ、最後に一気に押し寄せる物語の展開は前作などより好きでした。もはやノベルじゃないかというレベルで怒涛に話が展開していきます。
今までの作品は割とあっさり目に感じていたので、この辺の感情の物量には正直面喰らいました。勢いが凄い。
割とちゃんとオチもつくので良かったです。

14. Helios Order -賢者の石と輝炎の王-

ジャンル 作者
RPG 綺人
プレイ時間 プレイVer クリア状況
6時間30分 1.04 クリア

良かった点

  • 良い王道ファンタジーであり、良い戦記物でした
    • きちんと戦記をRPGで表現しています
  • 雑魚戦も含め、戦闘バランスが火力偏重で良かったです
  • 使用スキルでステータスが上昇する仕組みは面白かったです
    • 雑魚戦でも手段を考えるきっかけになります

気になった点

  • 相互変換可能なオーブが変換の手間だけが存在するものと感じられました
    • スキルのために個数確認、変換、習得の手間が発生します
  • 負けイベントに勝てそうでした

レビュー

王道戦記物RPG

Helios Order -賢者の石と輝炎の王- は、王道と呼ぶに相応しい完成度のRPGです。
世界観が王道ファンタジーであり、物語が王道戦記物であり、そして何より作りが王道のRPGとなっています。

舞台となる世界は、四方八方が潜在的脅威に囲まれたレムリア大陸です。その大陸の辺境にある森の中、記憶を失った状態で主人公が目覚めるところから物語は始まります。
その辺境の森での出会いから、主人公はやがて大きな戦乱に身を投じていくこととなります。

このゲームの世界観や物語はファンタジー然としながらも戦記物の性質が色濃く、大きな戦いのさなかの少数精鋭部隊として主人公たちのパーティは戦っていきます。
戦闘はCTB形式で進んでいくため、ターンを読んで戦略的に立ち回れると有利となります。

この戦闘において重要となるのは、使ったスキルに応じてステータスが成長するということです。
物理技を使えば攻撃力が、魔法を使えば魔力が、それぞれ上昇していくこととなります。このため、雑魚との戦いにおいても成長のことを視野に入れた戦いが求められます。

また、敵を倒すなどで手に入る様々なオーブを使うことでも、対応するステータスを上昇させることができます。
ただし、オーブはスキルの習得にも使うことができます。ステータスを上げて能力値でねじ伏せるか、スキルを使ったテクニカルな戦いを目指すか、オーブの使いどころはプレイヤーの手に委ねられています。

このような王道に留まらないシステムを導入しつつも、Helios Order の骨子はまごうことなき王道であり、そういった貫かれた王道が好きな方にはお勧めです。
戦争の中を切り抜けて、その王道の世界観に隠された秘密を解き明かしていきましょう。

感想

良い王道です。戦記物としてもそうですし、RPGとしても凄くまっとうでした。
世界観はファンタジーものとして良く、周囲がほとんど敵国のアメストリスみたいな状況は戦記をやる上で良い環境でした。
もっとも今回の物語はその中の一部のエリアの話になるわけですが。

また、ちゃんと戦争をやりつつ、RPG的な少数精鋭行動スタイルの展開を用意しているので、あんまり無理が生じずにRPGを遊べます。
これは結構大事で、RPGのための単独行動じゃなくて物語に組み込まれたというか戦いの中に組み込まれた行動と展開なので没入感がありました。
個人的に好きなのは、なかなか熱い展開の後に戦うリバイバルログです。あれはネタなのかな。

キャラクターも良くて、最初の方でディーンにベットしていたので途中の展開で楽しめました。こういう軟派は決める時は決めてくれるので好きです。エドガーとか。
あとは、なんやかんやエヴァが最初の独断専行以外はまともに行動するタイプで驚きました。もう少し軽率に行動するタイプだと思っていたら、場面に応じてちゃんと動けるタイプでした。

戦闘システムも結構面白くて、特に使う技に応じてステータスが変わっていくのが良いです。
雑魚戦でもどの攻撃使うかを考えることに意味があって、かつそこそこ雑魚も強いバランスになっているので戦闘が楽しめます。戦闘終了後全回復するからこそできるバランスという感じ。
カウントタイム制なのもあって、割と戦略的に戦えます。

戦闘においてはコンボまで覚えられると強くて、そこまでいけば、ほぼスキルの入れ替えが必要なくなります。主人公のリーサルまでの流れの火力が高くて、エヴァのソニックが優秀なつなぎとして機能するので、主な火力源になりました。
後はアイテムが強いです。回復魔法が基本的に弱い行動で、全体回復手段が実質的にアイテムしかありません。速度も速いので、全体回復をばら撒く役がいると捗ります。

なお負けイベントもちょっとあるんですが、負けイベントの割には勝てそうなのが気になりました。特に最初の長髪、普通に勝てそうだった。もしかしたら勝てるのかも。
勝てそうな負けイベントの何が問題かというと、アイテムを無駄に使うことになるあたりです。どうせ負けるなら先行一閃で薙いでほしいです。

他の細かいところだと、瞑想から瞑想に入れるからある程度回す時は楽なところとか、ちゃんと戦闘内容は図を使って説明するところとか、寝る前は帽子取るところとか、色々ちゃんと作られている印象です。
もちろん鎧は脱がないんですけどね。

システム的には成長のためのオーブを相互変換できるんですが、そうであるなら共通オーブにしてしまっても良いのかなと感じていました。スキルに必要な量を確認してから変換し直すのがちょっと面倒。

しかしエアフェル、エアラフェルというRPGがあるので呼ばれるたびにそれを思い出していました。

15. 星空ダイヤグラム

ジャンル 作者
ハクスラRPG 綺人
プレイ時間 プレイVer クリア状況
9時間 1.4.0 鈴音END

良かった点

  • 装備とスキルの二段のハクスラが上手く機能していました
    • 装備が導線、スキルがランダムの良さをそれぞれ担っています
  • 個別進行式のストーリーが良かったです
  • 戦闘バランスがちょうど良く難しいです

気になった点

  • スキルの整理ができると有難かったです
  • 報酬獲得演出がやや長めに感じました

レビュー

ハクスラで自分だけのビルドを目指そう

星空ダイヤグラムは自分の考えた最強のビルドを目指せるハクスラRPGです。
好きなキャラクターと好きな装備で、好きなスキル構成を使って攻略することができます。

プレイヤーは、夜空と呼ばれる世界に迷い込むことになります。ここでは世界の救出と帰還を目指して、路線に潜って修行しなくてはなりません。路線はノンフィールドダンジョンのようなものであり、各停車駅でイベントを発生させたり、敵と戦ったりすることで進行していきます。
同じような境遇の11人から好きなキャラクターを誘ってメンバーを構成し、この路線にひたすら潜っていくこととなります。

路線にはびこる雑魚敵も強力ながら、多くの場合は終点でさらに強力な敵との戦いが待ち受けています。特に、深度と呼ばれる難易度が上がると、一癖も二癖もある敵が相手となってくるでしょう。
そういった強敵に打ち勝つためには、装備とスキルの取得と選別が重要になっていきます。

装備はイベントで手に入ることもありますが、確実なのは路線の報酬を狙うことです。路線をクリアすることで得られる装備はある程度開示されているので、狙い目の装備がある路線に潜っていきましょう。
そうして自分のレベルに応じた深度に潜りつつ装備を回収することで、一つのループが構成されていくことでしょう。

このループに刺激を添えるのは、スキルの取得です。
スキルはイベントや戦闘後に完全にランダムで取得できます。それぞれのスキルには威力、防御力、回復、特殊能力など様々な性質やその強弱が与えられており、最大で50個まで覚えておけるようになっています。こうして取得したスキルの中から5つを選んで、戦闘に挑んでいくことになります。

また、誘ったキャラクターと一緒に戦っていると徐々に親密度が上がっていき、それぞれのキャラクターによる個別のシナリオが紡がれていくことになります。
意図しない限りシナリオが路線の最中に進行することはないため、ハクスラを楽しみながらも、一息ついたタイミングで進めていくことができます。

ある程度狙って手に入る装備で確実に強くなりつつ、ランダム性のあるスキルから自分好みの組み合わせを色々試す。
この完成されたハクスラループに取り込まれると、無限に遊んでしまうこと請け合いです。

星空ダイヤグラムは、装備やスキルを吟味して、そのシナジーを考えて組み上げることが好みの人にお勧めの作品となっています。
自分だけの強力なビルドを目指して、ひたすら路線に挑んでいきましょう。

感想

楽しいハクスラです。楽しいので時間が溶ける。ちょっと遊んだら寝ようと思ったら、いつの間にか次の路線に潜ってしまうゲーム。全部プレイしようとする人のトラップの一つ。

武器がハクスラなゲームは結構あるんですが、スキルまでハクスラなゲームはなかなか無いんじゃないでしょうか。
さらに、その二つのハクスラを、路線で比較的狙って取れる装備と、その路線内でランダムに一杯取れるスキルという形にしているのが良いです。
この装備欲しいなあと思えるから路線選びの基準にもできるし、次の目標を立てやすく、それを繰り返していると自動的に手に入るスキルはランダム性の強いハクスラを楽しめます。
これが装備だけだったらやらされている感が強そうで、スキルだけだったらランダムが強すぎて牽引力が弱くなりそうなので、いい塩梅だなあと感じています。

武器種は11と結構多く、メンバーは6人構成なので必然的に不要な武器も手に入るんですが、これがちゃんと売ればお金になるのも良いです。
お金の使い道もだんだん使わなくなるお店だけじゃなく、取得する武器種を固定できる奴への賄賂にも使えるのが良いです。ちゃんとお金を持っておくことへのリターンがある。

装備を集めているうちに強くなっていって、そうなるとより強い装備が欲しくなって、その間もスキル厳選は進めて、みたいな感じでハクスラするループが綺麗に作られているので、繰り返し遊びたくなります。

戦闘バランスも割とよくて、ボスがまっとうに強いです。発狂するとめちゃめちゃ強力になっているので、多分速攻を意識してそう。
また、デスペナルティは実質的にないので、路線の最後で強ボスに蹂躙されても笑って済ませられるのも良い。筆者は最初の方で恐竜に蹂躙されました。
ちなみに、終わりの方のボスは大体ギミック持ちなので、ちゃんと対策しないとレベル関係なく負けます。

個人的には自分のレベルよりちょっと深い階層に潜るのが好きです。
雑魚まで強いので、スキルによる立ち回りをかなり上手くやる必要があります。僕の考えた最強のスキル構成が試されるので楽しい。
ボスもかなり強いんですが、ちゃんとスキル構成を整えておけば勝てないこともないのでやりようがあって良いです。敵も強ければこちらも強い。

戦闘面とかハクスラ面はこの通りめちゃめちゃ楽しいんですが、スキルがあまりにもとれる分、その整理はちょっと面倒めではあります。
プレイ時間のそこそこがスキル調査と整理に充てられてしまっているので、もうちょっと使いやすいと楽だなあと。
構成と封印を同じところでできるとか、下位互換があったら自動的に封印してくれたりとか、いい感じにソートしてくれる機能とか、色々欲しくなってしまいます。
下位互換判定とかソートの種類とか、色々考えることは多いので難しいかもしれない。せめて、攻撃/盾/回復はソートされていると比較しやすいかなあと感じています。

あとは、報酬獲得演出が若干長めに取られている印象もあって、スキルは完全封印されるようならスキップですら良さそうですし、お金のカウントで別の尺がとられるのもちょっと煩わしいです。加算値を見せたい気持ちがあるなら、+表記も欲しいかもしれない。
ただ、このあたりは何度も遊んでいるせいで同じ演出に飽きているきらいもあるので、初見の演出としては十分な気もしています。

戦闘面でもこれだけ楽しいことを話せるんですが、ちょっとしたストーリーがちゃんと入っているのも楽しいです。
最初に選んだキャラクターの個別ストーリーが少しずつ進行していく形式なので、路線を楽しんでいる時に阻害されることはありません。物語を読みたい気持ちの時に読める。
この進めたい時にはちゃんと進めてエンディングまでの達成感を補助してくれる物語設計は好みです。

そして、それぞれのキャラクターの個性も際立っています。
そもそもが初手で出会うティレスが、初手で出会うキャラの濃さではない。みんながみんなキャラが濃い。ンゴンガはシュウゾウだと思っています。
メンバーに入れた面々は最初にいた人達が基本で、鈴音と空悟は好みで入れました。座敷童というか妖怪系と、中二病が好きなので。奇異太郎思い出しましたね。

なお、これを書いている最中にもプレイして他のエンドを回収しようとしていたんですが、レベルドレインするスキル屋の誘惑に負けて目下レベル上げ中です。
ボス倒して終わればいいのに、楽しいのでつい別のことやっちゃいますね。

ちなみにこのゲームは攻略情報が固まっていない時期にやることで、こんな特殊効果あるんだなとか、こんな鬼強いスキル使えるんだとか、色々発見があるので楽しいです。
全体化+リレイズ とか、CT1のCT解消スキルとか、手に入るとわくわくしますね。
何ならたぶん攻略情報見ないほうが楽しいまであるんですが、情報共有しながら進めるのも多分楽しそうだなあと思っています。在りし日のゲーム攻略情報共有する感覚。

刀に全てを委ねた図。これで勝てた時が一番気持ちが良い

16. カードカプラーアリス

ジャンル 作者
デッキ構築型カードRPG とうがらし
プレイ時間 プレイVer クリア状況
3時間 1.00 業務用クリア

良かった点

  • カードを集めてデッキ構築する楽しさがあります
  • 運が絡みながらも、良い戦闘バランスでした

気になった点

  • カード構成のUIがやや使いにくかったです
    • 最新版では改善されているそうです

レビュー

お手軽デッキ構築カードRPG

カードカプラーアリスは、デッキを構築して戦うカードバトルRPGです。
プレイヤーは20枚のカードを選んでデッキを構築し、ノンフィールドRPGの戦闘に挑んでいくことになります。

それぞれのカードにはコストが存在し、1ターン内では一定のコストまでしか使用することはできません。
また、ターンの開始にはランダムで5枚引き、ターン終了時には全てのカードが捨て札に送られるため、追加でドローしない限り1ターン内では5つのカードが利用できます。
この制約の中で、敵の行動や性質を考えてカードを切って、攻撃や防御をしていくことになります。

カードは敵がドロップするほか、敵が落としたお金を貯めてショップで購入することもできます。
各種カードの性質を活かし、ノンフィールドRPGを戦い抜いていきましょう。

また、連戦の最後にはボスが待ち構えています。ボスは当然ながら強力で、それまでの戦いで消耗していると勝負は苦しくなります。
そういった時は、戦う前に控えのメンバーに切り替えることもできます。控えのメンバー分のデッキを考える必要はありますが、ボス向けのデッキを構築してメタることもできるため、積極的に活用していきましょう。

たとえ強敵に敗北したとしても、このゲームにおいてはペナルティはありません。むしろ、敵と戦うことでレベルが上がり強くなっていくので、敗北を気にせず果敢に挑むことができます。
そうして手慣れてきたら、土をつけずに戦い抜くことを狙ってみるのも良いかもしれません。

カードカプラーアリスはテンポよく、カードバトルRPGを楽しむことのできるゲームです。
いろんなカードを使いこなし、並みいる強敵を捌いていきましょう。

感想

デッキ構築カードバトル、楽しいですよね。このゲームはちゃんとしたバランスで構成されているので余計に楽しい。

デッキ系のカード戦闘の常としてある程度ランダム性はあるんですが、ちゃんとデッキ構築をしておけばある程度は負けることなく突き進めます。良い感じの戦闘バランス。
慣れていなかった序盤はともかく、慣れてきた途中からは戻らずにクリアできました。少なくとも業務用においては周回前提のバランスではなく、突破はできるが周回して楽にすることもできる、というバランスだったと思います。

また、こういうゲームはデッキ圧縮が強くなりがちなんですが、その辺は消滅や無料のカードの限度枚数を決めることで調整されていました。

カードの戦略面で言うと、割と強いカードははっきりしている印象です。
最初はFFXにならってクイックトリックが強いのかと思ってたんですが、うまくシナジーをかけないと運用が難しく、ドロー系のコストがそこそこあるのもあって採用を見送っていました。
ある一定タイミングから剣の完全上位互換になるファランクスは結構お世話になっていて、最後の方は ムド、カーズ+ファントムビュレットあたりで立ち回っていました。
ムドの良いところ、雑魚をやれる以外にもちゃんと火力があるのでボス戦でも刺しやすいところにあります。
カーズ+ファントムビュレットは単純に火力が安定してたので好みです。

なお、最初に選べるキャラクターごとに固有カードもあるので、戦略に組み込む際はここも気を付けると楽です。別のキャラも使ってくれという意図がありそうですが、デッキの組み直しが面倒だったので鶴姫への切り替えしかしませんでした。
そういう意味ではデッキセットみたいな機能欲しいなあと思っていたんですが、どうやら新バージョンではあるらしいです。そちらがお勧め。

それ以外にも、固有カードが多めなのでデッキ構築時はそれを除いてくれるとありがたいなと感じたり、タブか何かで項目別に分かれているとやりやすいなと感じたり、デッキのソートと整理ができるとバランスがぱっと見でわかりやすいなとか思ったりしましたが、ちょびちょび修正を加えていく程度ならそこまで気になりませんでした。
ガッツリとデッキ構成を変えようと思うとちょっと面倒かもしれない。

ストーリーというか語りがトートロジーっぽくありつつトートロジーじゃない話をしているので、若干会話が頭に入ってきにくい構成ではあります。もって回った言い方の究極系という感じ。
文章を頭からお尻まで読んだ後に中間を読んで意味を理解するみたいなことをしていました。
キャラごとに名乗りが変わるなど、結構細かいところも丁寧に作り込まれていて良いです。

あと、初回起動時の爆音対策、そんなに爆音に出会ったことはないんですが、やっぱりあると配慮を感じますね。

デッキ構成