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08. 夢遊猫ミステリウム

ジャンル 作者
ノンフィールドRPG 明野
プレイ時間 プレイVer クリア状況
10時間 1.01 Ex-1

良かった点

  • パーティーやスキルでシナジーを考える楽しさのある作品でした
    • 歯応えのあるボスのおかげで、対策を取る必要に迫られています
  • 装備を人数分買わなくてよいなど、パーティ編成にだけ集中できる便利なシステムが搭載されています
  • 王道的な良いシナリオ展開でした

気になった点

  • 各キャラクターのスキルを把握する手段に乏しく感じました
    • 現状ではキャラクターごとに2手かかるので一括で把握しにくい印象があります

レビュー

最適な編成を目指して

夢遊猫ミステリウムは、パーティを編成して敵を倒していくノンフィールドRPGです。
ウェーブ式で出現する敵を倒しつつ、最奥にいるボスに挑んでいく形式を取っています。

しかし、この作品が採用しているのは単なるRPG的なコマンドバトルではありません。射程、範囲を核とした攻撃が特徴的な、位置を軸にした独特な戦闘システムとなっています。
各スキルには射程や範囲が存在し、自身が現在配置されている位置から射程より離れていない敵を選んで狙いを定め、それを中心として範囲にいる敵全てに攻撃を与えます。射程や範囲が長い攻撃であれば敵の位置が反対側にあっても当たりますし、短いなら真正面にいないと当てられません。
それ故に、戦闘においては位置取りが最重要な要素となってきます。1ターンに1度だけ左右移動ができるため、これを上手く使って位置を調整することが肝要です。加えて、相手もこのルールに則って行動するため、移動は攻撃にも防御にも使うことができる行動となり得ます。相手の射程から離れるも、自分の射程に捉えるも、状況に応じて判断していきましょう。

また、戦闘はターン制ではなく、TPと呼ばれるパラメータを軸として行うカウントタイムバトル的なものとなっています。TPが満タンになると行動できるようになり、TPを消費してスキルを撃つという具合です。消費TPが少ない技は弱い分次のターンが早く回ってくる一方、消費TPが多い技は威力が高い分待ち時間も長くなってしまいます。いつどのスキルを発動するか、適切な行動選択が肝心になってくるでしょう。
とりわけ、ウェーブをまたぐときは注意が必要です。ウェーブを終了してもTPは引き継がれるため、大技を連発して敵を倒してしまうと、次のウェーブで敵から一方的な攻撃を受けてしまいます。次の戦いまで見据えた行動選択もまた重要となってくるでしょう。

特に強力なボス相手に勝利を収めていくには、こうした戦闘システムを上手く活用することは欠かせない要素となります。しかし、それと同程度には事前準備も大事な要素であることを忘れてはいけません。
その準備の一歩目として、パーティー編成が肝要になります。プレイヤーは何十にも及ぶ多数のキャラクターを仲間にすることができ、その中から4体を選んでパーティを編成することになります。それぞれのキャラクターは専用のスキル、ステータスを持っています。バランス良く編成しても良いですし、特化しても良いですし、特定のスキル間でのシナジーを狙っても良いでしょう。自分の思い描く戦略を実行できるように、思い思いの編成を行いましょう。
次に、それぞれのキャラクターに装備させるアイテムもまた重要なものとなっています。最大7つの装備枠を上手く使い、めいめいの欠点を補ったり、より尖らせたりと、戦略に応じてそのステータスや耐性を底上げしていきましょう。
最後に、別のキャラが持つスキルを一つだけ習得することができる伝授というシステムを外すわけにはいきません。パーティに編成できるのは高々4体ですが、それぞれに伝授できるスキルは他の数多のキャラが持つスキルのいずれかから選択するものであり、その組み合わせは無数に存在しています。この組み合わせ如何によって、無限のシナジーが生まれることになるでしょう。

とりわけ中盤以降激化していくボスを含めた強敵に挑むためには、十分なシステムへの理解から出力されるアドリブと、より考え抜かれたパーティ編成が必要になってくることは間違いありません。また、勝利のためにはボスに合わせてメタを張るような戦略も必要になってくるかもしれません。
そのためにも、まずはボスの挙動や性質を観察することが重要です。何度も挑んでは動きを知り、それを突破する計画を立てていきましょう。

無数の選択肢から自分なりのパーティを構成し、自分なりのビルドとプランでボスに挑んでいく、準備にも実行にも高い戦略性を伴った作品となっています。スキルのシナジーを取るでも、ステータスや火力で殴るでも、とにかく自分の考えた戦略を実現できるパーティを編成し、並みいる強敵を打破していきましょう。

感想

個人的に好きなシリーズであり作者さんなので、ウディコンでまた出会えたことに喜びを感じています。5年ぶりくらいでしょうか。
毎回面白く攻略の歯応えのある戦闘システムが用意されていて楽しめるんですが、今作もそれに違わず楽しかったです。

個人的にはこのゲームの面白さの根幹は、制限されつつも極大の自由度を得られる仕組みである、他のキャラクターの技を一つだけ習得できるというシステムにあるのではないかと考えています。このシステムによってキャラクター育成の可能性は無限に広がっており、どういったシナジーを組むのかを常に考えていく楽しさが生まれています。
その上で、技のシナジーを取るのはあくまでも推奨項目でしかなく、殴りを優位に置いてもある程度は勝てる難易度バランスで進んでいくのも良かったです。選択肢が少ないとはいえ、慣れていない序盤から中盤はこの傾向が顕著で、あまりシステムに慣れていなくてもそれなりに強引に突破できるようになっています。

一方で、終盤にかけては難易度がどんどん上がっていくため、きちんとしたパーティ構成を考えないと勝利は難しくなってきます。基本的に相手の火力がかなり高いので、ジリ貧はかなり厳しく、できるだけ早く火力を取れるようにビルドできると嬉しいためです。脳筋ビルドでも良いんですが、そうなると耐久がもろくて負けます。とはいえ、回復による耐久も終盤になってくると追いつかなくなりがちでした。
さらに、最終盤までくるときちんとメタを張るくらいのことをやって五分くらいの難易度になっています。装備でもキャラクターでも、とにかくうまく相手の行動に対する回答を用意しつつ、相手が逆に取ってくるメタ戦略を返せるように編成する必要があります。これを考えるのが楽しい。
ちなみに、ボスがどういう攻撃をしてきたかが分かりにくいことは間々あるので、攻略の際はバトルログを見るのがお勧めです。とりわけ負けそうになった時は確実にチェックするのが推奨。

ただし、個人的にはそうしてシナジーを考えることがやや難しいUIだとは感じています。シナジーを考える上では特技が非常に重要になるんですが、パーティ編成でこれを見るのにはサブキー、技選択で2手かかります。理想を言えば常時左側に出してほしいくらい重要な情報ですが、せめてサブキーを押したら見られるくらいが良い気がしています。
というのも、このゲームではチャプターごとに技が増えていくので、それの把握が非常に困難なためです。シナジーをちゃんと組むならすべての技を把握したいですが、それをやっていると時間がかかりすぎます。加えて、ローグライトデッキ構築系のゲームでよくある技を押し付けられて性能を眺めるような時間も特にないので、ほとんどの技に触れずに進めることになってしまいます。
ボスに負けると大体パーティー構成を見直す必要があるんですが、この時にちゃんとしたパーティを考えるのが上述の問題によりやや億劫な印象もありました。それもあって、序盤は割と殴りメインの方が手間もなく安定している側面はあります。

システム面で言うと、装備を人数分買わなくてよいというのはかなり発明的でした。キャラが多すぎてそれぞれ持たせておくのも大変というのもあるんですが、そもそもパーティー人数分すら必要ありません。また、個人的に一番良く思えたのは耐性防具を大量に購入しなくて済むという点です。耐性で上手く対応するボスとやる時に人数分同じものを用意するのは割と無駄に感じていたので、それがスマートに解決されたように感じました。
また、システムが順次解放していく設計なのも良い所です。独特なシステムを取っている分、覚えることが少しずつになっているのは助かりました。筆者は過去作をプレイした経験からある程度形式に慣れているとはいえ、攻略の仕方はまた変わってくるので。

なお、筆者の攻略は以下のように進めました。
序盤においては、先述の通り火力を正義としつつも、ボス戦では回復による持久戦をにらんだ構成としていました。主人公がひたすら火力を盛り、残りがサポートするイメージです。
しかし、お姉ちゃんが持久戦を刈り取るための形をしていたので、ここで一つ目の転換点が発生しました。攻撃が絶え間なく飛んできて、そのままやっているとジリ貧で負けます。
これを打破するために、さらに攻撃役を一人追加して火力を盛る方向性で解決しました。その後に出てくる回復を刈り取るタイプも同様の方法で撃破しています。火力は正義。
その後の強制離脱を経て、メンバー編成を考えていたところ、試しに入れてみたアットゥアの印象が良かったので使うこととしました。防戦一方になってもちまちま削れる毒、中範囲をカバーして雑魚戦で活躍する各種状態異常、タスキ効果を付与する技、オス相手ならノックバック付きの強力な攻撃など、サブアタッカー兼サポートとして優秀でした。ステータスは低いんですけどね。
そして迎えたラスボスが極めて強く、発狂で飛んでくる連続魔法攻撃に瞬殺されて成す術もなく敗北を喫していました。色々と考えた上で、結局は直前に防御を引き上げた上で一気に殴り込みをかけることでギリギリ突破するという戦略を取って撃破しています。やはり火力は正義。シンラの全体蘇生に委ねて、死にながら戦うゾンビと化していました。アイテムを使うと思ったより耐久出来るのもポイント。
なおExについては、1つ目だけクリアしているんですが、これもまた面白かったです。仲間にぶち当てつつ全体攻撃を行うという初見殺し性能が高い技を持っていてあわや全滅と言ったところでしたが、運よく生き残ったおかげでギリギリの勝利を掴みとることができました。アットゥアのスーパーフングスが高火力単発型にぶっ刺さっているので、この辺は相性な気がします。

ともかく、このようにボスと戦っては敗北し、シナジーや戦略を見直してなおギリギリの戦いの中で勝利を掴みとるというループが非常に楽しい作品でした。本当はもう少しシナジーを研究したいんですが、微妙に誰が何を持っているか把握しきれていないので躊躇しています。攻略Wikiとかないかな。

しかし、最初に公開されるキャラの2/3がちょっとスケベなゲームというのも珍しい話です。まあそういうデザインと言えばそうなのかもしれませんが。
一方で、そういう流れでありつつ、シナリオ自体はかなり王道なのも良いところです。癖が出てるところもありはするものの、フェリブレスト周りにおけるシナリオは芯を外さない王道的展開で攻略のモチベーションに繋がっていました。これに勝てないとハッピーエンドは望めませんからね。

09. 悪魔の遊戯

ジャンル 作者
RPG こうさか
プレイ時間 プレイVer クリア状況
9時間 1.07 クリア

良かった点

  • 全てのメンバーに役割がありました
    • メンバーの入れ替えを戦略的に使う意義があります
  • 戦闘、とりわけボス戦の難易度は歯応えのあるものでした

気になった点

  • 店の操作がやや手間に感じました
    • 入る際に演出がかかる点、装備とアイテムと装飾品でもう一段階選択が必要な点が気になります

レビュー

戦闘メインのRPG

悪魔の遊戯は、戦闘メインのRPGです。
そのゲーム性はその一言で表されるものであり、その一言を究極に煮詰めて出来上がった作品と言えるかもしれません。

基本的なゲーム性は非常にシンプルで、見下ろし型のダンジョンを進み、最奥に到達して攻略することを目指していきます。
ダンジョンでは雑魚敵とエンカウントするほか、最奥では強力なボスが待ち構えています。消耗を極力避けつつ安定して退けていく雑魚と、特殊行動をいなして全力で打ち勝ちに行くボスという双方の戦闘の楽しみが味わえることでしょう。

その戦闘システムはCTBの形式を取っており、それぞれの速度と行動に応じて順番にターンが回ってくるものとなっています。強力な行動をすると次のターンが回ってくるまでに時間がかかる一方、弱い行動は代わりに回転率が良いため、それぞれの状況に応じて適切な行動判断をしていくことが重要となってくるでしょう。
また、特徴的なシステムとしてSPと呼ばれるパラメータが存在しています。これはターン消費やMPの消費で溜まっていき、強力なスキルの発動に用いることができるものです。戦況を大きく変える力を秘めているため、意識して貯めておき、ここぞという場所で使っていきましょう。

ただし、勝利するために重要なのはそういった戦闘中の行動だけではありません。戦闘前の準備もまた欠かせないものとなっています。
プレイヤーはレベルに応じて得られたスキルポイントを割り振ることで、いつでもスキルの習得と忘却が可能です。それぞれのキャラクターの役割を捉まえて、相対す敵を攻略すべくスキルを吟味することが勝利の近道となることでしょう。
戦闘は戦う前からすでに始まっています。相手の弱点を突く魔法を揃えたり、敵の攻撃の属性耐性をパッシブスキルでつけたり、対象に有利なバフやデバフを揃えたりと、スキルだけで様々な準備が可能です。たとえ敗北したとしても、戦略を組み立て直し、スキルを見直していけばいずれ勝利は見えてくることでしょう。

そうしてダンジョンを攻略し、物語を進めていくにつれて、一癖も二癖もあるメンバーが追加されていきます。
戦闘自体は最大4人のパーティで行われますが、いつでもターン消費無く控えと交代できるため、前線に出していないメンバーにも役割があります。回復担当を控えさせていつでも回復に回す、大技を撃てる状態のメンバーをあえて控えに回して機を伺う、瀕死の味方を一度下げておく、というように交代もまた様々な戦略性を生み出しています。
追加メンバーごとの役割を上手く使いこなし、交代で回して戦況を有利に進めていきましょう。

スキルや装備による事前準備と、メンバーそれぞれの状況に応じた交代を含めた行動選択の双方を活用し、強力かつ戦略性のあるボスを打倒していく楽しみのある作品となっています。
とにかく戦闘を楽しみたいという方にお勧めのゲームと言えるでしょう。

感想

前作に近い形式の作品となっていますが、諸々大小様々なところに変化が見受けられます。個人的にはエリスと悪魔の書より好きで、遊びやすさや難易度バランス、それぞれのキャラクターのスキル構成など、細かいところがより良くなった印象を受けていました。
とりわけ、コマンドの割り当てがシンプルになったことで操作が直感的になっているあたりの体感が良いです。スキルの割り振りがやりやすくて助かります。

これも前作の話に接続してしまうんですが、前作においての戦略性が型にはめてどうやって倒すかという文脈になっていたのに対し、今作は相手の弱点を突いてギミックにどう対処するかという戦略性に変化しているように感じました。強みを押し付けて無法をするのではなく、堅実に相手のパターンを見て攻略していくことが求められています。これも、個人的にはこちらの方が好みです。
特に、いつでもパーティーを入れ替えられる戦闘システムを上手く用いつつ、相手の特殊行動への対処を筋道立てて攻略していく戦略を考えるのが楽しかったです。その分、多分今作の方が難易度は高めな気がします。
中でもラスボス戦は特にその面白さが際立っていました。守りに入っていると相手がどんどん強くなるので、ダメージキャップのないタイミングでいかに殴るかを考えながら、直前の強力な攻撃の凌ぎ方も並行して用意する必要があるといった建付けです。複数の戦略を同時に立てていくこの戦闘は、本作で一番好きかもしれません。集大成感もある。

メンバーがどんどん増えていくので、その分装備やスキルを考える手間は増えるんですが、裏を返せば全員に役割があって、頻繁に入れ替えて色々できる全員野球のような楽しさがあります。各キャラクターのパワーバランスも良い塩梅で、ここも個人的に好きな点の一つとなっています。ちゃんとそれぞれに意味がある。
また、メンバーは多いものの役割がかなり明示的に定められている印象もあり、育成というか方針は迷いにくいような気がしています。筆者は天邪鬼なのでデバフ役っぽい担当をアタッカーっぽく運用していましたが、終盤デバフが足りなくて負けかけたので、素直にバランス良く組むほうが良いとは思います。それはそれとして、アタッカーを大量に立てて殴るみたいな自由もある程度はあって良かったです。

攻略面で言うと、筆者はスキルを一点特化で成長させて諸々突破させていました。こういうギミック攻略系の戦闘は、万能よりも尖ってる方がいろいろ強いという主観からです。やることを明確化したおかげで戦闘中の動きの方針も決めやすく、特化してスキルパワーも向上するので一石二鳥です。
個々の対応力が落ちる面は他のメンバーに代替させればよいので、メンバーの数を最大限に活かした構成とも言えるかもしれません。
個人的に強力に感じているのはアフターケアというスキルで、これがあれば雑魚戦でも気軽に魔法を振れるようになります。そうなると被弾が抑えられるので、ダンジョン攻略の安定性がぐっと増しました。

また、見下ろしダンジョン要素についても、各ダンジョンごとにギミックを配置して色を変えていて面白いです。あくまでも戦闘メインとは言え、ノンフィールドでひたすら戦うわけでもないという空気を感じました。適度にRPGっぽい。
筆者は雪山が一番苦戦したパートで、地図の切り替え機能が見つからなかったため、スクショを見比べることで穴の対応関係を解いてました。想定解なのかな。

なお、戦闘メインとは言えフレーバー的にシナリオはありますし、最後の演出込みの戦闘も良かったです。戦闘がメインならではの物語の見せ方だと思います。ちゃんと把握するなら裏ステージに挑まないといけない気配がありますが。

ともかく、全体的に戦略性の高い戦闘が楽しめる良作でした。ちゃんとボス戦が楽しいゲームは良いゲームです。とりわけ、ラスボス戦は今ウディコンでもトップクラスに入るくらい熱い戦いを楽しめました。ちょうど良いバランス調整に感謝。
その辺の楽しさの代償として、メンバーごとにスキルや装備を組み替えていく手間が付随しているあたりはやや慣れない人には厳しい印象はあるものの、らんだむダンジョンの装備パズルとかが好きな人には苦も無く楽しめると思います。戦略を考えている時と、それがちゃんと機能した時が一番楽しいですからね。

10. 双炎姉弟と奇蹟の薬草

ジャンル 作者
パズルアドベンチャー 銀ノ薺道
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間 1.0 クリア

良かった点

  • エンディングが豪華でした
  • 小粒なギミックを楽しめる設計となっています

気になった点

  • エンディングに至る展開がかなり唐突なものに感じました
  • 文体が不自然に不統一な印象を受けました

レビュー

衝撃のエンディング

双炎姉弟と奇蹟の薬草は、様々な仕掛けを攻略して進むパズルアドベンチャー風な作品です。
一筆書き、ライツアウト、迷路といったようなギミックを解いていき、各ステージのクリアを目指すことになります。

タイトルに違わず、双子の姉弟が薬草を採りに向かうところからゲームは始まります。前述したようなステージごとに異なるパズル的な謎解きを解き進めることで物語が進行し、やがてエンディングへと辿り着くことができるでしょう。
謎解き自体は平易な難易度であり、解くのはさほど難しくありません。救済要素もあるため、恐らく詰まることなく最後まで遊ぶことができるでしょう。

そうして到達することになるエンディングこそがこのゲームのクライマックスであり、ゲームが180度転換する場面でもあります。これまでの物語の展開、設定から画から何から何までがひっくり返るような驚きをもって迎えられるであろうこと必定です。このエンディングを見るために、最後までやる価値のある作品と言えるかもしれません。
是非ともエンディングを目指して、ギミックを解き進めていきましょう。

感想

一筆書き、ライツアウト、迷路のフリーゲーム3点セットといった感じのアドベンチャーでした。一筆書きは言うほど見ないかもしれない。サブ要素的にあるクイズやスイッチによる道生成も良く見るシステムですね。
物語要素を除けばほぼそれだけといっても過言ではありませんが、物語というかエンディングあたりがメインなところがあるので、主眼はそちらにあるような気がします。

何しろゲーム全体の内容に比して、エンディングのストロークはかなり長いです。終わったかなと思ったら、まだ続きます。
歌付きのエンドロール、手の込んだ豪華なCG、いきなり転回する世界観と、もはや本編がおまけみたいな勢いで進行していきました。個人的には、CGの豪華さに対して町の木を焼く絵の雑さが好きです。良い落差。そこは別にこだわる必要ないですからね。
また、世界観のことを考えると、本編がおまけというのもあながち間違ってないような感じもあります。あくまでもメタの中の話なので。

とは言え、これを初見で見た場合の最後の展開の飲み込みにくさはありそうだなという印象はあります。筆者はいくつか前作を遊んでいて、おおよその世界観は把握できているため受け取りやすいですが、そうでない場合はちゃぶ台返しに近い展開を解釈するのは大変そうな気がします。
何なら、この急転直下の展開のまま次回に続くような結末で終わります。このゲーム性と初期の物語で、次回に続くようなタイプの終わり方になるだろうと予測できる人は存在しないのではないでしょうか。
そも、ゲーム中の世界観ですら、いきなり勇者やら魔王軍やらの要素が出てくるので、枝葉を気にするタイプだと色々と気になる点があるような印象もあります。

物語ついでに文章についても言及すると、部分的に砕けているかと思えば、そうでもない面もあり、この辺の不統一感はやや気になりながら読んでいました。図鑑っぽいものの説明文で助詞が抜けていたり、話し言葉になっていたりする箇所も気になります。図鑑じゃなくて絵本みたいなものなのかもしれない。
なお、個人的にはオジィサァンという名付けに代表されるような砕けた側の方が好みでした。不思議なことに続柄がありありと分かる名前。

とにかく、ゲーム性的には上記の通りアドベンチャーのミニゲームセットみたいな内容なんですが、メタにメタを塗り重ねたような世界観それ自体が本編みたいな不思議な読み味のゲームでした。箱庭とか神は、ゲーム製作をなぞらえたものなのでしょうか。

11. さいごの射手の銀弾は

ジャンル 作者
狙撃 ろくぞう
プレイ時間 プレイVer クリア状況
1時間 1.01 クリア

良かった点

  • 狙撃というコンセプトにマッチしたシステムが構成されています
  • やや陰のある雰囲気をまとう世界観と物語が上手く演出されています
    • 物語の質も高いです

気になった点

  • 移動先のアイコンが小さく、少しエイム力が求められます
  • 長めの演出がそこそこあり、ややテンポが悪くなっています

レビュー

銀弾で射抜け

さいごの射手の銀弾はというゲームは、狙撃アクションを通じてファンタジー世界の物語を読み進めていく作品です。
物語が主軸ではあるものの、シューティングではなく狙撃と言うべきシステムの作り込みも特徴的なものとなっています。

戦闘パートで必要となるその狙撃アクションは、マウスでエイムを付けて的確に撃ち抜くオーソドックスなものです。ただし、ここで行うのは単なるシューターではなく狙撃です。このため、プレイヤーは手ブレや風による着弾ズレの影響をダイレクトに受けることになります。加えて、銃は連射ができず、装填や弾倉交換に時間がかかるため、闇雲に撃つこともできません。敵に対してしっかりと狙いをつけ、ぶれる照準の中でヒットする瞬間を待つ集中力が求められることでしょう。
さらに、シナリオを進める上で避けては通れない強敵はこちらに攻撃を加えてくることもあります。迫りくる敵には適切に応戦しなければ攻撃を受け、ゲームオーバーとなってしまいます。慎重になりすぎても負けてしまうため、時には大胆に撃ち込むことも必要となるでしょう。

そうして敵を倒していくことで進行するシナリオは、この作品の最大の魅力となっています。
隻眼の狙撃手ヴィオラが傭兵として様々な戦いに身を投じる中で描かれていくその物語は、暗く落ち着いた雰囲気で展開していき、やがて大きな事件へと繋がっていくことになります。そのサスペンス風のシナリオについて多くを語るとネタバレとなってしまうため割愛しますが、良い読後感を味わえるであろうことは保証します。
狙撃アクションを乗り越え、敵を射抜き、その結末を見届けてください。

感想

シューティングというよりも狙撃といった印象を受ける作品でした。手ブレとか風とか、シューティングゲーム的にはノイズっぽい要素を狙撃というコンセプトをもとに上手く取り込んでいます。感覚的にはマテリアルスナイパーが近い。
このためシューターを遊ぶ時の器用さよりも、集中力というか仕留めるべくを仕留める力が求められる印象がありました。硬派に射撃だ。

一方で、難易度は決して高くなく、ちゃんと集中して狙いを澄ませば大体のことは何とかなります。
ボス戦についても、近寄ったところを適切に射撃してしまえばクリアはさほど難しくはありません。むしろ、不規則に動いている敵に当てに行くほうが難しいかもしれません。4次試験のゴンの気持ちになって、狩ろうとするものを狩りにいくのが良いです。防御できるオマケまで付く。
特にラスボスはそれが顕著で、小さい上にかなり細かく動きます。慣れてくれば数発撃ちこむことはできなくもないですが、それよりは近寄った時に確実に倒す方がリスクを抑えて倒せるように感じました。

このため、個人的には少しずつ難易度が上昇していく雑魚ステージの方が難易度が高くなっていくように感じました。迷宮の良く動くゾンビが一番難しい気がしていて、かなりの高頻度で動くので山勘を頼りに当てにいかないとどうしようもない印象があります。
個人的に好きなのは雪山で、射撃力だけでなく索敵力を求められる変化を付けている点が良かったです。確かに、撃つだけが狙撃手の仕事ではありませんね。たまにヒットボックスが隣接しておかれていることがあるので、ボーナスタイムとばかりに撃ち抜いていました。

他方でシステム面に触れると、UIまわりは微妙にマウス操作がしにくい印象を受けています。特にメニュー画面が顕著で、選択してから赤くなるまで時間があり、選択を外してから白に戻るまでにも時間がかかります。クリックすれば起動する以上、判定とは無関係に動いてはいそうなんですが、体感としては赤くなってから押したい気持ちがあるので、慣れるまでは若干躊躇してしまいます。
また、移動先のアイコンが小さめなのも若干難しいです。ここでもエイム力が要求されている。

なお、ゲームループ上に存在するクールタイムについては、自宅で回せるので実質的に踏み倒せるものになっています。このため一見効果が無さそうに見えるんですが、恐らく同じところをぐるぐる周回するのを避ける目的があるのだと思います。これは綺麗に成功していて、適度にいろんな場所を回るモチベーションとしてうまく機能していました。
ただ、射撃大会やゲームオーバー画面に代表されるように、長めの演出がそこそこあるのが微妙にテンポを阻害している印象はありました。ゲームループ自体はちゃんと回したい気持ちになるんですが、そういったもので少し勢いが止まるような気がします。とはいえ、クールダウンになっているという見方もできるかもしれません。ゲームの雰囲気はイケイケドンドンではないですしね。

最後に個人的に一番重要なシナリオについてですが、陰のある雰囲気と世界観が狙撃手という孤独に戦う者とマッチしていて良い体験が得られるものとなっていました。最後の展開も良い。要点を抑えた上で、短編としてまとまりよく構成されている点も素晴らしく、綺麗にまとまった良作であるように思います。
前作から引き続き世界観を共有しており、いくつか登場人物や世界観に重なりが見られるんですが、肝心の主人公はそれとは一歩引いた存在なので、この物語はそれ自体で完結しているのも良いです。あくまでもフレーバーというか、前作を遊んだ人だけが補足的に理解できる程度に留まっています。それにしてもアレン君、不甲斐なくないですか。

とにかく、全体的に雰囲気を重視しているような作風であり、良質な物語もあってその雰囲気に浴することが十二分にできる作品となっていました。

12. ワイたちはどうイキるか

ジャンル 作者
RPG ルーカス
プレイ時間 プレイVer クリア状況
20分 + 1時間30分 2.60 クリア (3369924)

良かった点

  • 引換券システムにより射幸心を煽られます
    • そうして良いアイテムを手に入れれば、きちんとプレイヤー側が強化された実感を味わえるようなバランスでもありました
  • 上手く強化できると敵をなぎ倒していける爽快感がありました

気になった点

  • 主に中盤の難易度が高く、運の要素をかなり強く感じました
    • そもそものシステム設計上、運の要素が捨てきれないゲームではあります

レビュー

くじ引きを回して超強化

ワイたちはどうイキるかは、運を味方につけて戦闘を有利に進めていく一本道のRPGです。
フィールドは存在していますが基本的には戦闘がメインであり、道をふさぐ敵を倒して突き進んでいくことになります。

敵を倒して経験値やお金を手に入れ、フィールド上にある店でお金と引き換えにアイテムや装備を得て強化していく、という一連のループが基本的なゲームの流れとなっています。しかし、ただ基本の流れに沿うだけでは強さは線形的にしか伸びていかないため、徐々に強くなる敵に太刀打ちできなくなっていくでしょう。そこでプレイヤーを飛躍的に強化するためには、敵を倒すと得られるもう一つのリワード、引換券を使う必要があります。

フィールド上には店の他にくじ引きも存在し、いくつかの引換券と引き換えにランダムでアイテムや装備、スキルを獲得できます。運さえ良ければ強力な装備やスキルを獲得でき、一気に戦闘を有利に進めることができるようになるでしょう。多くの引換券を消費するくじ引きほどより良いアイテムが得られる傾向にあるため、引換券をあえて温存するという選択肢もありえます。一方で、バンバン使うことで戦いやすくして戦闘の回数を増やし、引換券の獲得枚数を増やすという選択肢もありえます。好きな戦略を取っていきましょう。
ただし、一つのステージで戦闘、店、くじ引きができる回数には制限があります。この点に注意し、店に立ち寄る回数、戦うべき敵の選別、くじ引きのタイミングを考えて進めていくことが肝要となります。

この作品の攻略において、その道筋はかなりのウェイトが運に占められているため、必ずしも適切な難易度カーブを享受することはできないかもしれません。しかし、それ故にくじ引きの射幸心は熱を帯び、優秀なアイテムに歓喜し、使えないアイテムに涙する、そういった感情の揺り動かしが演出されています。
くじ引きの運、敵の行動の運、回避や命中の運、全ての運に翻弄されながらも状況に適した行動を選択していき、幸運を逃さずつかみ取っていきましょう。

感想

より洗練させた売ルファールという印象のゲームでした。ある程度運の要素が抑えられつつ、スキルやスペックの拡張と強化が入っています。余談ですが、売ルファールはもう2021年の作品なんですね。このゲームを遊んだ瞬間に思い出したので、インパクトのある作品だったというのが分かります。

ランダム要素が抑えられたと言っても、システムの構造上どうしても運の要素が絡む場面は多く、特に序盤から中盤にかけては運が悪ければクリアは難しいレベルになっています。
最上級職まで行き、無法な攻撃手段が豊富にそろうようになる最終面はむしろ楽な稼ぎ所として機能しているため、実質的に一番難しいのは装備が中途半端でアドリブが求められがちなステージ2となりそうです。
どこかで成長をミスると強さのインフレに乗り切れなくなって詰むので、ステージ2のせめて中盤までには流れに乗れるようにしておかないと厳しいゲーム性となっていました。

ただ、流れに乗ると言っても引換券ガチャに依存する仕組みであることはあまり変わらず、ローグライトの選択肢のように必ずしもビルドの方向性を決められたり、ある程度フラットなスキル設計をしているわけではありません。そこは圧倒的なまでの運ゲーとなっています。
これによりステージ1終盤からステージ2中盤にかけてまでは、よほど装備が揃わない限りシビアに戦い抜かないといけない訳ですが、その分もあって引換券で強力なアイテムを手に入れることができた喜びはひとしおとなっています。射幸心の塊みたいなゲーム性をしている。
また、個人的に好きなのは、そうして苦しい時間を抜けた先にきちんとボーナス的な無法の力を与えられることであり、この力で以てより強力であるはずのステージ3の敵を蹂躙できる構造にあります。ちゃんと相手も強いので雑魚狩りをしているようなやらされ感なく、しかし圧倒的に強い力で全てをなぎ倒しつつ稼ぎ倒せる爽快感を味わうことができます。実質ボーナスステージ。

筆者がクリアした際は、中盤までは得られた武器を上手く運用して薄氷を踏むように戦っていました。
まず、ステージ1では物理ベースで進めていたところ命中率減少に阻まれて敗北した後、魔法ベースに乗り換えてSP回復とヒールを積んで乗り切っていきました。
辛くも次のステージには行けたんですが、続くステージ2序盤の力ためオークは強敵であり、運が悪ければ一瞬で敗北を喫する状態となっていました。そこで、ポーションを買いつつも使わずにおくという戦略を取り、乱数を上手くずらして敵の行動パターンと回避を操るといった対処をすることで乗り切りました。乱数調整するしか勝ち筋が無い。
そうしてステージ2を耐え抜いた後、黒い霧という強力な技と最上級職パラディンの守護者の合わせ技により、SP回復と黒い霧の連打で一気に倒し切りました。黒い霧はかなり逸脱しているスキルで、ラスボスでもお構いなく麻痺を入れられる上、たとえ入らなくても充分な火力源になります。無法すぎる。

このように、最後の爽快感や途中で強いスキルなどを得られた時の快感はあるものの、運に振り回されて敵のAIに蹂躙される展開もまた回避不能であり、良くも悪くも運というものに一喜一憂されるゲーム性をしていました。個人的には中盤あたりの敵のスペックがやや急に上がりすぎる印象はありますが、これも運によるビルドの方向性と相性が悪かった可能性は否めません。
さりとて、中盤の難易度を下げてしまうと味気なくなるだろうなという気持ちもあり、緩急という意味では苦しい時間があることにもまた意味があるようにも思います。この辺りのバランスは難しいところです。そこに、ただでさえプレイヤー側の強化が運頼りなことが拍車をかけます。レベルデザインはほぼ不能かもしれません。

いずれにしても、運に翻弄されつつも攻略を目指していく過程は楽しめる作品でした。ホーリー4連発食らってゲームオーバーになるのもまた愛嬌。
なお、クリア時はランキングのトップあたりにいたのですが、最終日近辺に覗いたらWAITさんなどがぶち抜いていって圏外になっていました。早めにやっておいたおかげで名前が乗せられて良かったです。あのレベルの方に勝てる気はしない。
なんとなく最適解は最終面で5倍をひたすら回してある程度良いのが出るかどうかのガチャを行い、結果が悪ければポーションを買って乱数調整な気がしないでもないですが、そこまでやると大変すぎるのでやっていません。

13. 落ちさえしなけりゃクリアはできる

ジャンル 作者
アクション Qbit
プレイ時間 プレイVer クリア状況
2時間 1.04 4/5 クリア

良かった点

  • この手のゲームに必要な要素が適切に揃っています
    • ステージ構成やギミックの頻度、適度に配置された台無しポイントがちょうど良いバランスとなっています
  • 自分で配置できるチェックポイントが良いシステムでした
    • 自分にとっての難所に対しての補助輪として機能しています

気になった点

  • 稀に地形判定に怪しいところがありました
    • ほぼコーナーケースなので、大きく問題になる事はありませんでした

レビュー

親切な苦行

落ちさえしなけりゃクリアはできるは、ジャンプアクションを駆使してひたすら塔を登る、いわゆる登山ゲームです。
基本的にはマウスのホールドで力を貯め、エイムで方向を定めてジャンプをしていき、足場という足場を渡り歩いていくことになります。

力の貯め具合や向きによって自機は勢いよく跳ねていくため、いずれかを失敗すればあらぬところまで跳ねていってしまうこともあります。それを避けて適切に足場を渡っていくには、適切な貯めと向きを見つけていくトライアルアンドエラーと、その大まかな感覚を掴むための経験が必要になってきます。
何度も挑戦して跳び方を掴み、意地悪な足場を越えていきましょう。

また、塔を登るにつれて不安定な足場に加えて、一癖も二癖もあるギミックも待ち構えています。中には苦手な形状の足場、ギミックなどもあるでしょう。
そういった時には、いつでも自分で配置できるチェックポイントが便利です。特定のアイテムを取得することで、プレイヤーは任意の場所にチェックポイントを設置できるようになります。設置できる数に限りがあるとはいえ、その効果は絶大です。自分にとっての難所を見極め、苦手な所では積極的にチェックポイントを活用していきましょう。

ともすれば理不尽にもなりうる登山ゲームというジャンルにおいて、本作は適切なレベルカーブ、理不尽過ぎず意地悪に留まる配置、自力設置型のチェックポイントという設計により、プレイヤーをクリアできそうな気分にさせてくれる作品となっています。
この手のゲームに付きものな根気はそのままに、不条理をある程度除きつつ、醍醐味である台無し感を適度に残し、ある程度マイルドに楽しめるように抽出されたゲーム性と言えるかもしれません。
是非とも、この沼の中であがいてクリアを目指していきましょう。落ちさえしなけりゃクリアはできます。

感想

壺、Jump King、Aim Climb、他様々と存在している、いわゆる高難度アクション、もとい登山ゲームでした。その例に漏れず、絶妙に難しい操作性、雑にやると進めないステージ設計、気を抜くと手戻りが発生する意地悪な穴、とこの手のゲームに欲しい要素が全部完備されています。
もっとも、意地悪な穴が欲しいかは賛否両論あるとは思いますが、こういうゲームには必要だと考える派閥です。雑にやった報いとしてしっぺ返しが来るのが良い。

個人的にはすべて台無しポイントがちょうどいい程度にあるのが好みで、良い感じに定期的に置いてあります。全部が全部台無しポイントではない良心があるおかげで、慎重に進めば何とかなるレベルに収まっていました。チェックポイントをどこで使ってしまうかを悩むのにちょうどいいレベル。
チェックポイントをケチっていたら、バウンドであらぬ方向に飛んで行っておしまいになる感じが、この手のゲームをやっているという感覚を強くしていました。横着は良くない。
なお、チェックポイントを置ける個数については結構余裕があり、そういう意味では難易度は決して高くはありません。2画面に1つ程度で置いていきましたが、それでも割と余りました。裏ステージはともかく、表のステージをクリアする上では慎重さと根気と計画性があればクリアは十分可能な気がしています。

ステージの構成も良く出来ていて、適度に難易度が上昇しつつ、ギミックが適度に場の雰囲気を変えてくれています。最後に総決算が待ち構えているのも好き。いたずらに理不尽ではなく、しかし時折意地悪ではある塩梅を絶妙についていて、緩急が上手く作られたレベルデザインに感じました。
ギミックも含めて突破方法に微妙に変化を与えているおかげで、得意なところはチェックポイントを温存して進む、のような戦略性があるのも良いです。ゲーム性と上手く噛み合っている。

ちなみに、個人的な攻略方法としては、基本的に最大ためで照準合わせに全力を注ぐのが安定する気がしています。再現性が高いので、ちゃんと見つけることができれば、道中がだいぶ安定します。代わりに、最大ため故の高速移動のせいで変に戻されるリスクも付きまとってはきますが。
なお、たまにちょっと貯めることが必須のエリアがあるので、そこは気合で乗り切るしかありません。段々加減が分かってくれば、意外と雑に貯めることで足場を渡っていくことができるようになってきます。再現性が無いので、調子が悪くなると破綻する諸刃の剣ですが。

なお、地形判定周りはやや怪しいところがあり、高速で移動するとたまに地形を抜けます。画面外に出るような致命的な問題は観測していませんが、動画で見ると一瞬埋まって反射するような状態を確認したことが二、三ありました。完全に地形抜けをしないあたり、反射アルゴリズムと内部への押し込みのアルゴリズムが別にあるのかもしれない。
状況からの推察でしかないんですが、移動をあまり加味出来ていない気配はあり、移動四角形と線分の反射周りで何かが起きている気配はあります。移動四角形、ObbでないだけマシとはいえAABBなので面倒そうです。球形で取ればカプセルで見れるので多少は楽そうですが。
とはいえ、普通に遊んでいて頻繁に起こるものでは無いので、コーナーケースでたまに理不尽をもらう程度に留まる話ではあります。あんまり高速で斜めに入射しないように気を付けよう。

後は、個人的にオープニングとエンドロールの演出が好みです。こういう、システムやコンセプトに上手く噛み合わせた上で短くまとまったものに弱い。

ともかく、この手のゲームとして必要な要素が過不足なく揃い、全てが良いバランスで構成されているゲームとして完成されていました。
筆者は壺をクリアできていないペーペーなので裏ステージには挑戦しませんでしたが、いつか自信がついたらやってみるかもしれません。とりあえずEat Colorsをクリアできるレベルのプレイスキルが欲しい。

14. 月神決戦弾

ジャンル 作者
シューティング えばぐり
プレイ時間 プレイVer クリア状況
40分 1.00 1周目クリア

良かった点

  • 多彩なボスのグラフィックと、それに相応しい美しい弾幕が展開されていました
  • 魔法陣というシステムが秀逸でした
    • カスタマイズ性の担保、救済措置、上級者向けのレベリングと用途が多岐に渡ります
  • UIが見やすく、直感的に理解しやすかったです
    • 自機周辺に必要な情報が過不足なくまとまっていました

気になった点

  • Vキーのボムが物理的にやや遠い印象がありました
    • 設計上仕方ありませんが、誤ってCキーの魔法陣を押しがちです
    • このゲームではボムより魔法陣を運用したいケースの方が多いので、妥当ではあります

レビュー

難易度自在の弾幕シューティング

月神決戦弾は、敵弾を回避してステージを進み、ボスを撃破して進行するオーソドックスな弾幕シューティングです。
基本的には横スクロールのシューティングとして抑えるべき点を抑えたシステムでありつつも、いくつかの独自のシステムが搭載されている作品となります。

とりわけ重要であるシステムとして、魔法陣が挙げられます。Cキーでいつでも展開することができ、特殊な固有の性能に加えて展開中は被弾によるダメージを抑えることができる機能となっています。回避の難しい弾幕に襲われた際は、ひとまず魔法陣を展開することになるでしょう。
しかし、魔法陣はただ無思考に展開すればよいというものではありません。魔法陣を展開することで、時間と共にMPと呼ばれるパラメータが少しずつ消費されてしまうためです。このMPはダメージを受けた時に消費されるものと同じであり、欠乏するとゲームオーバーになってしまいます。このため、必要な時に必要なだけ展開し、被弾を抑えるというのが重要になってくるでしょう。

また、魔法陣を展開する際に追加で得られる性能については、挑戦する前に選択することができます。
素早い弾幕が苦手であれば展開中の弾速を抑えるスロウ、画面を埋め尽くすタイプの弾幕が苦手であれば自機狙いに変えるチャーム、とにかく避けるのが苦手であれば狭い範囲で弾丸を消すバニシング、腕に自信があれば自機の火力を上げるブーストと、それぞれのプレイスタイルに合わせて好きな魔法陣を使っていきましょう。

このように攻略における重要な立ち位置を占める魔法陣ですが、回避に集中している間に魔法陣を展開するほど思考に余裕が無いという方もいるかもしれません。そんな方でも、オート魔法陣を使うことで、デメリットはありますが被弾直前に自動で魔法陣を展開してくれるようになります。慣れていない方は、積極的に活用しましょう。
反対に、慣れてきた方はMPがある限りできるだけ魔法陣を展開し続けることで、ランクを上げていきハイスコアを目指していくのがお勧めです。ランクの上昇に伴い難易度も上昇するため、歯応えのあるシューティングが楽しめることでしょう。
初心者でも上級者でも、ハイスコアを目指して難易度を調整する上でも、魔法陣は欠かせないシステムとなっています。自分の腕前に合わせて適切に運用していきましょう。

そうして魔法陣を活用して弾幕をいなし、ステージを進むと現れるボスもまた本作における魅力の一つとなります。
オリジナリティの高いグラフィックで表現された多彩なボスと、それに合わせた多様な弾幕の数々は、ただ見ているだけでも美しいものとなっています。一方でその美しさの反面、回避は困難を極めます。きちんとパターンを理解して回避行動を熟知し、苦手なパターンには魔法陣を合わせ、素晴らしくも難しい弾幕を攻略していきましょう。

なお、魔法陣を展開しなかったり、被弾が増えたりするとランクが下がりスコアが落ちる反面、前述の通り難易度はそれに応じて低下していきます。このため、それほど慣れていない初心者は苦しみながらも難易度が適切に抑えられてクリアしやすくなる一方、回避に熟達した上級者は自動的に高難度へと挑むことになります。
この難易度設計により、初心者でも上級者でも楽しく遊べること請け合いのシューティングとなっています。弾幕シューティングに慣れている方でもそうでない方でも、一度遊んでみてはいかがでしょうか。

感想

初めに断っておくと、筆者はHellsinker.をMinogameを使ってやっとのことでクリアできる程度のシューティングの腕前なので、以下に示すのは初心者寄りの感想になります。恐らく中級者以上は別の深みが出てきそうなシステムをしているんですが、その辺には実力的に触れられません。精進が足りない。
さらに断っておくと、そのレベルの腕前でも楽しめる作品なので、かなり幅広い方が遊べるゲームなのだと思います。

筆者は弾幕シューティングについては弾幕の美しさと曲との調和を好んで見るタイプなんですが、この作品はとりわけ前者が非常に良いです。弾幕に個性があるので、どのボス戦でも何が来るのか楽しみにしながらプレイしていました。個人的に好きなのはサメの歯をモチーフとしていそうな弾幕と、1周目ラスボスの様々な弾幕の数々です。
弾幕自体はそこそこ激しめであり、一部の弾幕はパターン化しないとかなり回避が難しい印象がありました。その分、きちんとパターンを読み取ってパニックにならずに冷静に移動して対処できると楽しいです。個人的には自機追従と弾幕のセットがアドリブ力を求められて難しい気がしています。
とにかく、色々なバリエーションを見て、それぞれに上手く対応していく楽しさを余すことなく味わえる作品だったと言えるでしょう。ギリギリで回避するとMPが回復するのもあって、慣れてきてもギリギリで避けてアドを取るスリリングな楽しみもありました。

その上で、魔法陣というシステムが秀逸でした。第一に、弾幕に干渉できる基本機能があるおかげで、弾幕に対する向き合い方に変化が出ます。少なくとも初心者はそこそこ早い弾幕を避けること自体が割と難しいので、弾幕を遅くする魔法陣の効果は高かったです。これが無ければ避けられない弾幕もありました。
その一方で、魔法陣に対して選択肢が用意されているのも良いです。単純に遊び方に変化がもたらされるというのも優れていますが、それ以上に自分にとって足りない点を補いやすいという利点を強く感じました。避けられないならスロウ、パターンを見て掻い潜るのが苦手ならチャーム、本当に無理ならバニシング、回避に自信があるならブーストと、己のプレイスタイルに合わせた機能を持たせられるというのが白眉です。

さらに、魔法陣の展開中はMPが削られていくというシステムも面白いです。ダメージの前借りのような設計のため、面白いリスク管理ができます。これが別ゲージであればシステム的に複雑な上、ある程度使い得なシーンが目立つことになるでしょう。しかし、MPが削られるのであれば、使いどころを選ばないとデメリットが勝ってしまいます。使うべくは使い、使わないところではちゃんと温存するというプレイングを否応なしに意識させられます。
その上で、ピンチの時はむしろ使えないというデメリット的な部分に対し、一発逆転のハイパー緊急回避という手札を用意しているという点まで抜かりありません。設計上どうしても発生しかねない詰みのような状況に対し、高難度ながらもプレイヤー側から出せる回答があります。

加えて筆者には半分縁が無いですが、展開するとランクが上がっていくという設計も見事です。上級者であれば自然とMPを減らしてでも使うことになるので、ハイリスクハイリターンな選択肢として機能しているのだと思います。MPが減れば当然難易度は上がるので、上級者向けのゲーム側のレベリングとしても優れています。
過負荷というシステムも含めて、上級者向けには自然に縛るようなプレイをさせつつも、ハイリスクハイリターンな選択肢を用意しているという印象がありました。敵のアッパー調整だけではなくプレイヤー側のアッパー調整もセットで行われており、高難度に挑むためのモチベーションがきちんと用意されているような印象を受けます。

近い話題が出たので難易度についても触れておくと、クリアするだけならかなり緩い難易度になっています。下手なりにちゃんと動かせば避けられますし、被弾するとランクが下がるので弾幕自体も抑えめになっていきます。自動的にこちら側の上手さによってレベルデザインが変化してくれるので、特に何かしなくてもある程度適切な難易度に落ち着くようになっている印象がありました。
全体を通して、筆者がミスしたのは一回だけで、それも魔法陣展開に慣れていないせいで、魔法陣を展開しっぱなしにした後の被弾でした。慣れてきてからは、恐らく半分を割ることも稀だったと思います。いざとなれば初心者の味方、オート魔法陣もある。
また、自機の当たり判定は充分小さく、魔法陣展開中はさらに小さくなるので、割とフィーリングでも弾幕は避けられるようになっています。大きい弾だけ警戒して、小さい弾はざっくりと突き抜けるように避けても何とかなります。恐れずに突っ込む気持ちが大事でした。

また、そうした秀逸なシステム周りに加え、遊びやすさを担保している要素がもう一つあります。UIの良さです。自機周辺にきちんと必要な情報がまとまっており、目線の移動量が最小で済むようにデザインされています。詳細な情報を見たい場合は大きめの情報を見て、選択に必要な情報を咄嗟に拾うには近くの情報を見るという形で上手く使い分けることができました。
殊に良いのはボムの表現です。数値表示やゲージ表示ではなく、今撃てるか撃てないかに絞って近傍に表示されています。まさに撃とうとするその時に必要な情報に絞られているおかげで、刹那の判断に役立ちました。ボムを撃とうと思っている時、その後のことなんて考えてられませんからね。

シナリオやグラフィックについては緩くまとまっていて、オリジナリティを出しつつもゲーム性を阻害しないテンポ感で会話劇が展開していくのが良かったです。弾幕の美しさもさることながら、ボスのグラフィックの多彩さもまた良い味を出していて、その相乗効果で見た目も楽しいゲームに仕上がっている印象がありました。
全体的にクオリティの高いシステム、安定度の高い設計、楽しめるレベルデザインをしている弾幕シューティングとして手に取りやすい作品であるように感じました。とりあえずこのゲームから始めれば、クリアまで遊んでスキルも身に付くんじゃなかろうか。

15. にわとりの襲来他二種のミニゲーム

ジャンル 作者
ミニゲーム ブ瓶
プレイ時間 プレイVer クリア状況
15分 1.0 3220611/全問/クリア

良かった点

  • 様々なミニゲームが収録されていました
    • それぞれのプレイ感はかなり違ったものとなっています

気になった点

  • 大玉転がしのゴールが大玉で隠されるため分かりにくく感じました
    • 真っ直ぐ転がすゲーム性とも言えます

レビュー

ミニゲームオムニバスで遊ぼう

にわとりの襲来他二種のミニゲームは、3つのミニゲームが収録されたオムニバス作品です。
大玉転がし、文字コピー、にわとりの襲来の3種の作品から成ります。

大玉転がしは、マウスで大玉を掬い上げるように操作し、ゴールを目指すミニゲームとなっています。
3D空間上で上手く転がしていくことが重要であるため、適切な速度でマウス操作を行っていきましょう。

文字コピーは、コピーを基軸とした謎解きのようなミニゲームです。
タイトル通り、文字のコピーを上手く活用して問題を解いていくことになります。詳しく説明するとネタバレになってしまうため、気になる方は遊んでみましょう。

にわとりの襲来は、迫りくる夕一を撃退していくタワーディフェンスのようなミニゲームです。左クリックで夕一を誘導するパンを設置し、右クリックで夕一をエイムするように反物質パンをぶつけることで倒していきます。
ゲームタイトルの代表となっているだけあり、他のミニゲームに比べてもボリュームがあり、いくつかのステージが用意されています。それぞれのステージごとのマップやギミックを上手く活用してクリアを目指しましょう。

全てをプレイしても30分未満程度のコンパクトなオムニバスとなっています。息抜きに遊んでみてはいかがでしょうか。

感想

ミニゲームや、そのオムニバスが恒例となっている方の作品です。今年はオムニバス形式の方になります。

大玉転がしについては、遠くの地平が見えないという斬新な設計になっています。最初はどこを目指すかよくわからないまま動かしていました。よく見るとゴールはちゃんと見えているので、それを目指すことになります。ただ、視点が水平なので大玉に隠れることが多く、往々にして見えないことがあるのはご愛敬。離れすぎると矢印が出るので、そこまで到達すればやるべきことも明瞭になります。
特にコースが用意されているわけではないので、ちゃんと真っ直ぐ転がすというのが大事というゲーム性になっています。このため、実質マウスをひたすら上下スライドしていくゲームとも言えます。ミニゲームだ。

文章コピーは、ちゃんと文章をコピーしないと解けないタイプのゲーム性になっています。この文章だけでは何を言っているか分からないと思いますが、やると恐らく分かると思います。個人的にはARGを想起させました。
最後の問題に関しては微妙に読めなかったんですが、何とか答えることができました。人間かどうか聞いてくるやつで出てくるタイプの4はさすがに読みにくい。

にわとり襲来はタワーディフェンス風ではありますが、絶妙にそれとも異なる独特なゲーム性をしています。ステージごとに微妙に違うギミックが織り交ぜられているのも面白く、ステージごとに変わったプレイ感で楽しめます。
個人的には四方八方から大量に来るのが難関で、待ちの姿勢でいるとやられてしまうので、適当にデコイを撒いてから直接対象物質を投げつけることで乗り切りました。
しかし、いくらでも反物質パンを生み出せるコック、恐ろしい存在ですね。

個人的には、この中ではにわとり襲来が一番好きでした。夕五千兆を遊んだ後にこれを遊んだのも何かの運命を感じる。

16. S.W.A.T. (Special Wizard Assault Team)

ジャンル 作者
タワーディフェンス スパロー
プレイ時間 プレイVer クリア状況
3時間 1.0.0 クリア

良かった点

  • ユニットを能動的にぶつけに行くようなタワーディフェンスが楽しめました
  • 広範囲を一網打尽にする魔導により敵を殲滅していく爽快感があります
  • ラストステージは歯応えがあり、総決算的に楽しめました

気になった点

  • レベル差があるため、出撃ユニットを切り替える動機が弱かったです

レビュー

大量の敵に最強の魔導を

S.W.A.T. (Special Wizard Assault Team) は、ユニットを配置してウェーブを捌くタワーディフェンスゲームです。
市長と呼ばれるユニットのHPが0になる前に、敵を全滅させることができればクリアとなります。

その特徴は、何と言っても圧倒的な敵ユニットの数の暴力にあります。最大で数百ものユニットが押し寄せてくる様は圧巻の一言に尽きます。
一方で、こちらのユニットは最大でも10ユニットに留まるため、絶対多数と相対す中でどうやって運用していくのかが鍵となってきます。プレイヤーは好きなタイミングで好きな位置にユニットを動かすことができるため、敵を倒すために効率の良い配置を流動的に行い、それぞれのユニットを最大限使い尽くしていきましょう。

ただし、味方ユニットの力だけではその数十倍の敵ユニットの数に対抗するのは厳しいものがあります。そこで活躍するのが、魔導と呼ばれる特殊攻撃です。
時間経過で溜まるマナはユニットの配置コスト以外に、この特殊攻撃のコストとして支払うことができます。それぞれのユニットが持つ魔導は、様々な効果と絶大な威力を指定範囲に与えることができる奥の手となっています。大量の敵を効率良く捌くためにも、出来るだけ敵を固めて魔導で一網打尽に殲滅していきましょう。
なお、マナは魔導の強化にも使うことができます。強化するほど範囲も威力も強力になっていくため、余裕がある内に狙っていけると良いでしょう。

そうして敵を殲滅するごとにシナリオが進み、次なるステージが解放されていきます。ステージが進むにつれてその歯応えは増していき、敵の数もどんどんと増えていくことになります。
敵の軍勢が苛烈になるにつれ、その猛攻をユニットを使って上手くしのいでいくタワーディフェンス的な我慢が求められるようになってきます。そして、そうして耐えれば耐えた分だけ、貯めたマナを最大限活用して魔導の力で殲滅していく爽快感はより大きなものとなるでしょう。
ユニットを能動的にぶつけて敵を効率良く排除しつつ、魔導の使いどころを見極めて一気に撃破するその気持ち良さを是非味わってみてください。

感想

性能限界に挑戦してそうなリアルタイムタワーディフェンスです。どんどん激しくなる敵の勢いにどこまで行くんだろうと思っていましたが、最終盤は凄かったです。これだけのカオスがちゃんと動くのだからウディタは凄い。これを動かしきっているシステムの安定性も素晴らしい。流石に最終盤の盤面に最大強化の炎攻撃を打ち込むと処理落ちするんですが、致命的に落ちることなくちゃんと動きます。
帝国の対外戦争でも大概性能の限界までやっている気がしましたが、バージョンアップするとまだまだいけるものなんですね。

ゲームシステムは攻撃的タワーディフェンスとでも言うべきもので、攻撃的に迎撃する設計をしています。積極的にキャラクターの位置を動かし、相手の襲来に合わせて上手く攻撃を合わせていく能動的なTDなので、ずっと忙しくて良いです。
加えて魔導というMAP兵器が極めて強く、ひたすら耐えてマナを確保してぶっ放して殲滅させる爽快感もあります。タワーディフェンスは対応のゲーム性をしていて、基本的に戦略的我慢が大事なゲームだと思っているんですが、それに対するリターンとして最大級に気持ちのいいものを用意してくれています。一気に大量の敵が消し飛ぶのが良い。

なお、このゲームにおいては敵を倒してコストを得るのではなく、時間経過でコストを得る設計となっています。このため、フェーズ終盤においては、むしろ敵を倒さないという戦略も取れるようになっていました。
市長のHPはそこそこあるので、これをリソースと見なして最大限活用することで、序盤に稼ぐことができます。特に足が遅い敵が狙い目です。素早く殲滅しろと言われていますが、殲滅しないという選択も取れるかもしれません。

個人的にこの作品で最も楽しいポイントは、この辺の仕組みを理解し、それぞれのユニットや魔導を理解した上で挑むラストステージです。総決算のような立ち位置に相応しく、鬼のような量の敵が押し寄せてきます。最初に見た時に笑いが出るレベルです。
どのユニットをやられるまでこき使って良く、どのユニットは温存するかを決めておきつつ、敵をまとめて最大火力を叩きつけるプレイングを徹底しないとクリアはおぼつきません。プログラムの処理能力の限界だけでなく、こちらの処理能力の限界まで測りにきている。

筆者は最大の雷で危険な個所を処理しつつ、敵機が増えてきたら適宜炎で溶かす方針で捌いていました。時間稼ぎは氷に委ねつつ、最終盤の黒ユニット対策に聖を打ち込むために追加ユニットはこれらを選択しています。最後の分水嶺は、黒ユニットにいかに効率よく最大の聖属性攻撃を当てられるかになってくる印象がありました。なお、筆者は初め氷を無段階強化で運用していましたが、2段階強化くらいがちょうど良さそうな印象があります。
最終的に市長のHPが70でギリギリ撃破に間に合わせたので、割と薄氷の勝利となりました。終盤に飛来する黒色飛行物体の大群が難物だった。
このラストステージに代表されるような手に汗握るギリギリの戦闘バランスの組み方は上手く、ギリギリ行ける雰囲気がある範囲で最大限難しさを演出しているような印象を受けました。

ゲームパート以外のことについても少し触れておくと、遊び方の説明が割と充実しています。動画付きで丁寧にチュートリアルしてくれるので、特に説明を見なくてもすんなりと理解できます。ただし、遊び方の説明動画に名前が変わったであろうαやβが残ってしまっているのは薄っすらと気になりました。少し前に撮影したんでしょうか。
UI周りについても概ね直感的に操作しやすく、ゲームを円滑に進める上で大過なく使える印象がありました。

シナリオについてはテンポが良く、加えてキャラクターが非常に多数出てきます。タワーディフェンスの特性上増やしているという側面があるのかもしれませんが、それにしても大量に出てきます。パーソナリティの説明というか描写はそこそこに、とにかくたくさん出てきて、それぞれがインパクトで勝負してくるような印象がありました。ソシャゲみたい。
物語の本筋自体はあるようでないような側面が強く、いくつか匂わせや考察の余地があるものはあるものの、基本的にはあんまり語られずに終わります。魔導局は何がしたかったのか、ゾンビ化の下手人のあまりの三下感と背後にいる黒幕、主人公の動機に対する決着、そのあたりは微妙に回収されません。ちゃんと読んでいればある程度推察できる範囲のものがあるとはいえ、このあたりはやや消化不良の感はあります。本筋自体は一応の決着を見せてはいるんですが。

オフェンシブなタワーディフェンスという楽しさもさることながら、最終的には全部ぶっ飛ばす魔導の爽快感で総括されるようなゲーム性をしていました。これも大量の敵が出せるウディタVer3のなせる業です。そのパワーによる恩恵を最大化したゲームと言えるかもしれません。

17. ウルファール5分生き残れゲーム

ジャンル 作者
ヴァンサバ エルトン
プレイ時間 プレイVer クリア状況
10分 1.51 クリア (35)

良かった点

  • 元ネタの作品のシステムを上手く換骨奪胎しています
  • 5分という時間がちょうど良く感じました
    • その時間を充足させるに十分なスキルのバリエーションがあります

気になった点

  • 特にありません

レビュー

Wolfarl Survivors

ウルファール5分生き残れゲームは、四方八方から迫りくる敵を撃退し5分間生き残ることを目標とするヴァンサバライクの作品です。

プレイヤーは基本的にウルファールを操作することしかできず、攻撃は自動的に行われます。上手く敵を避けつつ攻撃を当てていき、大量に出現する敵を捌いていきましょう。
そうして敵を倒すとレベルが上がり、3つの選択肢の中からスキルを習得することができます。スキルはパッシブで効果のあるもの、攻撃手段の追加、現在の攻撃手段の強化など、様々なバリエーションが用意されています。これらの中からレベルアップの度に選択を重ね、自機を強化していきましょう。

時間が経過するごとに強力に、そして大量になっていく敵を倒し切って生き残るためには、そうして構築したスキルビルドの方向性が肝要になってきます。スキルの習得にあたっては選択肢を引き直すリロールが20回まで使えるため、余計なスキルツリーにコストをかけず研ぎ澄ませることも可能となっています。
攻撃手段を絞って威力を上げるも良し、大量の攻撃手段で波状攻撃を仕掛けるも良し、スキルのシナジーを狙うも良し、ハイリスクハイリターンなパッシブスキルで立ち回り勝負をするも良し、自分好みのビルドを武器に5分間生き残っていきましょう。

この作品自体のゲーム性は自機を動かし、レベルを上げたら選択肢からスキルを習得するだけの簡単なものとなっています。しかし、ビルドの方向性を決め、それに合わせた立ち回りで敵を上手く捌いていくというシステムは奥深く、プレイヤー個々の癖が如実に反映されることになるでしょう。
様々なスキルに触れてはそれらのシナジーを探りつつ、自分のやり方に適した構築を探し出し、5分間の猛攻をしのぎ切っていきましょう。

感想

Vampire Survivors です。Steam では弾幕天国と呼ばれそうになっているらしいですが、個人的にはヴァンサバライクの方がしっくりきますね。

ゲーム性はかなりちゃんとエミュレートしつつ、割り切る部分がとにかく割り切られた設計が好きな作品です。
例えば、経験値を歩いて集める要素あたりはカットされているのですが、実装負荷と実装によって得られるプレイヤー体験が別に向上しなさそうなところも含め、オミットが明確に正しいように感じました。そもそも本家より時間も短いので、歩いて回収するフェーズを用意する必要もないですしね。
この5分という時間設定も良い割り切りで、スキルのバリエーションやマップサイズも含めたボリュームに十分な設定となっています。ウディコンという場にも即している印象。
ただ、個人的には、宝箱の演出がカットされているのはちょっと寂しいところです。あのパチンコ演出は個人的にヴァンサバっぽさを表している気がするので。

スキルに関しては、パッシブスキルやメインスキル分岐がある程度豊富に用意されていることに加え、説明文を読んだだけでは何を言っているのか分からないものがあるというのも良い味になっています。別のパッシブを見てようやく理解できるようなパターンすらありました。タイトルってなんだよ、そういうことか、という驚きがあります。
なお、スキルの性能については半端な攻撃性能向上よりも攻撃手段の追加、特殊性能の付加が強い傾向があり、これもまた良い作用を生み出しています。画面が大きく変わるので見栄えが良く、自分で組み立てているという実感を得やすい印象がありました。

また、難易度のカーブもかなり良く出来ており、ビルドに失敗するとウェーブの変わり目に苦戦して敗北するラインを突いています。ウェーブを乗り切れる程度にきっちり強化を進める意識を保ちつつ、巨大ボス系のような変化のついた敵も登場するため、5分という時間を飽きることなく堪能できるようになっています。
こういったゲームに慣れていれば一発で通せそうで、慣れていなくてもビルドの方向性を掴めれば攻略できる、ちょうど良い難易度なのではないかと思います。筆者は2回目で通しました。

筆者が通した時のルートとしては、ダガーで序盤を乗り切りつつ、単位時間当たりの攻撃パターンが多い手段を確保していくことを意識しました。敵が強力になってくるころにはアイスランスベースで強化を重ねて三連アイスランスを軸に立ち回っていき、最後はインド人を右にを運用して生き残ることに成功しました。
インド人を右にはマシンガンをメインウェポンに据えていない場合は割と優秀な択に感じていて、右空間を確保するのに向いています。

単なるヴァンサバコピーではなく、ヴァンサバライクとしてシステムの取捨選択を行い、ウディコンという場やゲームの規模に即した設計にそぎ落とされているのが良い作品でした。引き算の美学。その上で面白さに寄与しやすいスキル周りは手が抜かれておらず、ゲームとして楽しむ部分に力の入ったゲームといえるでしょう。